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JP4022822B2 - 薄膜ガスセンサ - Google Patents

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Description

この発明は、電池駆動を念頭においた低消費電力型薄膜ガスセンサに関する。
一般的にガスセンサは、ガス漏れ警報器などの用途に用いられ、ある特定ガス、例えばCO,CH4,C38,C25OH等に選択的に感応するデバイスであり、その性格上、高感度,高選択性,高応答性,高信頼性,低消費電力が必要不可欠である。
ところで、家庭用として普及しているガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガス検知を目的としたものと、燃焼機器の不完全燃焼ガス検知を目的としたもの、または、両方の機能を合わせ持ったものなどがあるが、いずれもコストや設置性の問題から普及率はそれほど高くない。そういった事情から、普及率の向上を図るべく設置性の改善、具体的には電池駆動としコードレス化することが望まれている。
電池駆動を実現するためには低消費電力化が最も重要であるが、接触燃焼用や半導体式のガスセンサでは、100℃〜500℃の高温に加熱し検知する必要がある。これから、SnO2などの粉体を焼結した従来の方法では、スクリーン印刷等の方法を用いても厚みを薄くするには限界があり、電池駆動に用いるには熱容量が大きすぎた。そこで、ヒーター,感知膜を1μm以下の薄膜で形成し、さらに、微細加工プロセスによりダイアフラム構造などの低熱容量構造とした薄膜ガスセンサの実現が待たれていた。その結果、低熱容量構造とした薄膜ガスセンサが例えば特許文献1で提案された。
ところで、ダイアフラム構造などの低熱容量構造とした低消費電力薄膜ガスセンサを適用したガス漏れ警報器においても、電池の交換無しで5年以上の寿命を持たすためには薄膜ガスセンサのパルス駆動が必須となる。通常、ガス漏れ警報器は30〜150秒の一定周期に一回の検知が必要であり、この周期に合わせ検知部を室温から100℃〜500℃の高温に加熱する。上記の電池の交換無しで5年以上の寿命要請にこたえるため、この加熱時間は数100msが目標となる。
パルス駆動の薄膜ガスセンサにおいても、低消費電力化のためには検出温度の低温化,検出時間の短縮,検出サイクルの長期化(通電をオフする時間を長くする)が重要である。
また、オフ時間にセンサ表面に付着する水分その他の吸着物を脱離させ、SnO2表面をクリーニングすることが、電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサの経時安定性を向上させる上で重要であり、検出前に一旦センサ温度を400℃〜500℃に加熱(時間〜100msec)し、その直後に、それぞれのガスの検出温度でガス検知を行なっている。
図2に一般的な薄膜ガスセンサの断面構造を示す。
両面に熱酸化膜が付いたSiウエハ1上に、ダイアフラム構造の支持層および熱絶縁層2としてSi34とSiO2膜を順次CVD法にて形成する。次にヒーター層3,SiO2絶縁層4の順にスパッタ法で形成する。その上に、接合層5,感知層電極6,感知層7を形成する。成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング法によって行なう。成膜条件は接合層(TaまたはTi)5,感知層電極(PtまたはAu)6とも同じで、Arガス圧力1Pa、基板温度300℃、RFパワー2W/cm2、膜厚は接合層5/感知層電極6=500Å/2000Åである。
次に、感知層7を成膜し、感知層7の上にはAl23などの多孔質金属酸化物に触媒を担持した選択燃焼層が、スクリーン印刷法により塗布され、500℃で1時間以上焼成される。選択燃焼層の大きさは感知層7を十分に覆えること、焼成後の厚さが20ないし30μm程度になることが望ましい。最後に、Siウエハ1の裏面からエッチングによりシリコンを除去し、ダイアフラム構造とする。
このような構造の薄膜ガスセンサの寿命を、電池の交換無しで5年以上保証するためには、ヒーター層3の間欠駆動が必須となる。CO検出用のCOセンサとして用いる場合には、150秒に一回の検知が必要であり、さらにオフ時間に感知層7の表面に付着した水分その他の吸着物を脱離させるために、感知層7の表面を一旦クリーニングすることが経時安定性を向上する上で重要である。そこで、薄膜COセンサでは、CO検出前にヒーター層3の温度をクリーニングの目的で、50〜200msecの間400〜500℃に一旦加熱し、その直後に、CO検出温度である100℃前後に200〜1000msecの間保持すると言う温度パターンによりCO検出を行なっている。
このような薄膜ガスセンサをCO検出用のCOセンサとして用いる場合、COに対する感度が良好であることはもちろんのこと、CH4やH2などの異種ガスに対する選択性や、センサの長期寿命を保証する耐久性など種々の要求を満たさなければならない。
ここで、CH4選択性といえば、CH4=4000ppm時とCO=100ppm時のセンサ抵抗値の比、H2選択性はH2=1000ppm時とCO=100ppm時のセンサ抵抗値の比で定義する。
また、SnO2センサのガス検知原理はSnO2表面に化学吸着した吸着酸素(O2-)とCH4,H2,COなどの可燃ガスが反応(酸化)し、吸着酸素(O2-)にトラップされていた電子が自由電子としてSnO2結晶中に注入され抵抗値が変化(低下)することを利用したものである。以下に、各検知ガスとの反応式を示す。
CH4,+4O2-(ad)⇒CO2+2H2O+8e …(1)
2+O2-(ad)⇒H2O+2e …(2)
CO+O2-(ad)⇒CO2+2e …(3)
薄膜ガスセンサのガス検知膜のSnO2は、幾何学的サイズが小さいほど熱容量が低くなるため、低消費電力化に有利ではあるが長期安定性,微細加工精度,薄膜成膜方法/時間などの制約により、現実的サイズとしては〜数100μm□で、厚みは数μm程度となる。
また、薄膜ガスセンサのSnO2膜としては、特公平06−043978号公報で開示されているように、スパッタ法で成膜されたSnO2がセンサ特性,量産性の点で最も優れている。
COセンサにおいては、CH4選択性,H2選択性は高いほど良いが、上記反応式から分かるようにCH4,H2,COがいずれも可燃性ガスのため、センサは同様の抵抗変化をする。したがって、COセンサにおいてCH4,H2には反応せず、COにだけ反応すると言うガス種選択性を向上させるため、様々な工夫がなされている。
CH4選択性に関しては、SnO2とCOは低温(〜100℃)で反応(センシング/抵抗低下)するが、CH4は反応温度が高い(〜400℃)ことを利用し、センサを低温動作(〜100℃)させることで、その選択性を確保する。
2選択性に関しては、SnO2とH2、SnO2とCOとの反応温度には大きな差異がないため、上記のような検知温度による差を利用した方法は、有効ではない。H2選択性はSnO2を被覆するように形成した貴金属触媒を多孔質Al23に担持した触媒フィルタ(選択燃焼層)のガス種に対する接触酸化力の差異を利用する。すなわち、選択燃焼層でH2ガスを選択的に燃焼し、SnO2へのH2ガスの到達を抑制する。一方、COガスは選択燃焼層では燃焼が抑制されるため、H2選択性が向上する。
以上のような対応により、CH4選択性やH2選択性が確保されているものの、環境の温湿度,長期安定性などを考慮した場合、充分なマージンを持っているとは言えない。
電池駆動型CO用ガスセンサのように間欠通電を行なうセンサにおいては、一旦、400℃以上の高温に加熱(クリーニング)後、センサ温度を100℃に急冷し1秒以内に、COガス検知を行なう。400℃以上の高温クリーニング時に、選択燃焼層でCO,H2は完全燃焼するが、CH4のほとんどは選択層を通過しSnO2へ到達する。一方、100℃ではCH4は選択燃焼層では燃焼せず、ほとんどは選択層を通過しSnO2へ到達するが、低温のためSnO2と反応しない。
このような電池駆動型ガスセンサにおいては、400℃のクリーニング時にCH4をセンシングし抵抗低下が起こるため、その後センサ温度を100℃に急冷しても高温での抵抗低下を引きずり、あたかも、100℃でCH4を検出しているような抵抗値を示す。以上が、電池駆動型ガスセンサにおけるCH4選択性のマージン不足の理由と推定される。一方、H2選択性に関しては、400℃以上の高温に加熱(クリーニング)した時には選択燃焼層でCO,H2は完全燃焼し、センサには抵抗低下が無い(センシングしない)ため、CH4を場合のような問題は発生しない。COガス検知温度(100℃)では選択燃焼層でのCOの燃焼割合は低く、H2の燃焼割合が多いため、主にCOがSnO2へ到達することでH2選択性を得ているが、選択燃焼層内でCOとH2の完全な選択燃焼ができないため、H2選択性のマージン不足の原因となっている。
触媒をドープしたSnO2層への貴金属触媒の添加量を増加することにより、CH4選択性,H2選択性を高める方法として、出願人は特許文献2のような方法を提案している。これは、ドナーとなる+5価または+6価の元素を添加したSnO2層と、触媒をドープしたSnO2層とを組み合わせるものである。これにより、一応実用的な範囲に達しているが、5年間にわたる長期信頼性を確保するためには、更なる性能向上が求められている。特に、H2選択性に関しては、SnO2を用いた半導体式ガスセンサでは、徐々に水素に対する感度が向上する水素鋭敏化が発生しやすいため、その向上が重要である。
特開2000−298108号公報(第4頁、図1) 特開2000−292399号公報(第4−5頁、図1)
したがって、この発明の課題は、薄膜ガスセンサにおいて特にH2選択性を向上させることにある。
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、薄膜状の支持膜の外周部または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様支持基板上に、薄膜のヒーターを形成し、この薄膜のヒーター層を電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の1対の貴金属電極、およびSnO2を主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成した後、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を有し、かつ、前記ガス感知膜が、ガス感知膜用Pt電極側から第1層としてドナーとなる+5価または+6価の元素を添加したSnO2層、さらにその上に第2層として触媒となる元素を添加したSnO2層を積層した2層構造のガス感知膜を形成してなる薄膜ガスセンサにおいて、
ガス感知膜の前記第2層目の触媒となる元素を添加したSnO2層の上に、さらに、前記第2層目とは触媒添加量が異なる第3層目のSnO2層を設けたことを特徴とする。
上記請求項1の発明においては、前記ガス感知膜の第1層のドナーとしてSb,As,TaまたはNbを添加することができ(請求項2の発明)、請求項1または2の発明においては、前記ガス感知膜の第2層の触媒としてPtまたはPdもしくはその混合物を添加し、触媒添加量が1at%以上で20at%未満、好ましくは10at%以上で15at%以下であることができる(請求項3の発明)。
これら請求項1〜3の発明においては、前記ガス感知膜の第3層の触媒としてPtまたはPdもしくはその混合物を添加し、触媒添加量が20at%以上であることができ(請求項4の発明)、請求項1または2の発明においては、前記ガス感知膜の第2層と第3層の触媒添加量について、第2層の触媒添加量が20at%以上であり、第3層の触媒添加量が1at%以上で20at%未満、好ましくは10at%以上で15at%以下であることができる(請求項5の発明)。
つまり、CO検出用薄膜ガスセンサの感知層を形成する第1層を、ドナーとなる+5価または6価の元素を添加したSnO2層、その上に形成する第2層を、Ptなどの貴金属を1at%以上で20at%未満ドープしたSnO2層、さらにその上に形成する第3層を、Ptなどの貴金属を20at%以上ドープしたSnO2層とから構成することにより、十分高いCH4(メタン)選択性とH2(水素)選択性を得るものである。
この発明によれば、3層構造の薄膜ガスセンサおいて、ガスを検知するSbド−プSnO2層(第1層)の上に、1at%以上で20at%未満の低Ptドープ層(第2層)と20at%以上の高Ptドープ層(第3層)、または、20at%以上の高Ptドープ層(第2層)と1at%以上で20at%未満の低Ptドープ層(第3層)の3層構造にすることで高いガス選択性、特にH2選択性を向上させられるようにする。
図1はこの発明の実施の形態を示す断面構造図である。
図1からも明らかなように、感知層電極6を形成するところまで、および感知層7の形成後には、Al23などの多孔質金属酸化物に触媒を担持した選択燃焼層8をスクリーン印刷法により塗布し、500℃で1時間以上焼成するのは従来例と同じなので、以下では異なる点について説明する。
ターゲットとなる感知層7として、ドナードープの第1層9にはSbを0.5重量パーセント(wt%)有するSnO2を用いた。触媒ドープの第2層10にはSnO2ターゲット上にφ0.3mm×20mmのPtワイヤを20本並べたターゲットを、特にこの発明による高触媒ドープの第3層11には、SnO2ターゲット上にφ0.3mm×20mmのPtワイヤを60本並べたターゲットを用い、それぞれPt13.0at%,Pt27.0at%を含有するSnO2を得た。
成膜条件は、Ar+O2ガス圧力2Pa、基板温度150〜300℃、RFパワー2W/cm2、膜厚は第1,第2,第3層とも400nmである。さらに、最後に基板裏面よりドライエッチャーを用いてエッチングしてダイアフラム部のSi1を除去し、ダイアフラム構造とした。
また、感知層7の第1層9はドナーとしてSbを添加したSnO2膜であり、膜厚は400nmである。また、第2層10については添加した触媒はPtであり、膜中のPtドープ量はPt13.0at%、膜厚は400nmである。第3層11については添加した触媒はPtであり、膜中のPtドープ量はPt27.0at%、膜厚は400nmである。なお、Ptドープ量はX線光電子分光分析装置(ESCA)により測定した結果である。
このようにして得た素子をAとする。この素子Aに対する比較例として、上記の第1層,第2層までの成膜で素子化した素子B、第1層,第2層までの成膜でかつ第2層の膜厚を800nmで素子化した素子C、第1層,第2層までの成膜でかつPtドープ量はPt27.0at%、膜厚は400nmで素子化した素子Dをそれぞれ試作した。また、比較例として、上記の第1層のみで膜厚は400nm,1200nmで素子化したものを、素子E,Fとする。更なる比較例として、第1層目がSbを添加したSnO2膜で膜厚は400nmであり、第2層が膜中のPtドープ量はPt27.0at%、膜厚は400nm、第3層目が膜中のPtドープ量はPt13.0at%、膜厚は400nmである素子Gを試作した。加えて、第1層目がSbを添加したSnO2膜で膜厚は400nm、第3層目は膜中のPtドープ量がPt27.0at%で膜厚は400nmと同じで、膜厚が400nmの第2層目のPt濃度をPt5at%,Pt10at%,Pt15at%,Pt18at%と変化させて素子H,I,J,Kをそれぞれ試作した。試作した素子それぞれの各層膜厚/ドープ濃度を表1に示す。なお、膜厚はnm、Sb濃度はwt%、Pt濃度はat%でそれぞれ表わしている。
Figure 0004022822
各条件におけるガスセンサの諸特性を、各成膜条件で作製したサンプルの内で平均的な特性を有する1個について取り上げ、表2に示す。
Figure 0004022822
表2で示す特性は、段落〔0008〕のような温度パターンにて検知した結果である。諸特性としては、H2(水素)選択性とCH4(メタン)選択性を比較した。CH4選択性はCH4=4000ppm時と、CO=100ppm時のセンサ抵抗値の比、H2選択性は
2=1000ppm時と、CO=100ppm時のセンサ抵抗値の比で定義する。なお、バランスガスは空気である。ガス選択性は対象ガスのみを選択的に検知する指標であり、ガス漏れ警報器に搭載した場合に他のガスにより誤報を発することを極力防止するためには、値がすくなくとも「1」以上が必要であり、経時変化,環境条件などを加味した場合、5以上の大きい値となることが望まれている。
この発明による素子Aを従来素子Bと比較すると、メタン選択性に変化はないが、水素選択性が約2倍に向上した。素子Dは第2層へのPtドープ量を27at%まで増加したものであるが、従来素子Bと比較すると、メタン選択性が低下していることが分かる。素子Cは第2層へのPtドープ量は13at%のままで膜厚を倍に増加したものであるが、従来素子Bと比較すると、メタン選択性は若干向上しているが従来素子と同様であることが分かる。Ptドープ層のない素子E,Fでは水素選択性,メタン選択性ともに小さい。素子Gは、素子Aに対し第2層と第3層のPt濃度を逆の関係にしたものであるが、この発明の素子Aと同様の高い水素選択性を持つことが分かる。また、素子A,H,I,J,Kを比べると、メタン選択性に関し、素子A,I,Jが5以上のメタン選択性を有する最も良好な特性を示すことが分かる
以上の結果から、つぎのことが分かる。
(1)素子BとDの比較および素子A,H,I,J,Kの比較から第2層へのPtドープ量には10〜15at%のように最適範囲があることが分かる。
(2)また、素子BとCの比較から第2層目の膜厚を増加すると、水素選択性もメタン選択性も若干向上する。膜厚を厚くしていくとセンサのガス応答に遅れが出てくるため、あまり厚くすることは応答の点で好ましくない。
(3)素子AとGの比較から第2層目と第3層目のPt濃度を逆にしても、この発明による素子Aと同等の特性が得られる。
Ptドープ層にはCOの酸化燃焼を抑制し、選択的に水素,メタンを酸化燃焼する機能を期待している。表2の素子BとDの比較から、Ptドープ量が13at%と27at%の層で、水素とメタンの酸化燃焼力が顕著に異なることが分かる。そこで、Ptドープ量が13at%と27at%の層について、X線回折による構造解析、水素とメタンガスに対する触媒活性(酸化活性)の評価を行なった。X線回折による構造解析では、13at%PtドープSnO2では、SnO2による回折ピークが明確に認められるが、Ptによる回折ピークが認められないなどから、SnO2結晶中にPtが固溶していることが分かった。一方、27at%PtドープSnO2では、SnO2,Ptによる回折ピークが認められず、Pt−Sn−Oの混合物のような状態と推定されている。
また、水素とメタンガスに対する触媒活性(酸化活性)の評価では、13at%PtドープSnO2では高いメタン酸化活性を示すが、27at%PtドープSnO2ではメタン酸化活性が低いことが分かった。水素に対しては両方とも活性を示すが、27at%PtドープSnO2の方がより高い活性を示した。13at%PtドープSnO2がメタンに対して高い酸化活性を示すのは、SnO2中に高分散で固溶した触媒金属(Pt原子)とSnO2のシナジー効果と推定される。一方、27at%PtドープSnO2ではPt−Sn−Oの混合物となり、SnO2結晶としての化学的性質(触媒活性)が抑制され、結果的にSnO2と触媒金属のシナジー効果が抑制されたためと推定される。Pt−Sn−Oの混合物ではPtの性質が強く出るため、水素に対する酸化活性が強くなるものと推定される。これらの理由から、表2の結果が得られたと考えられる。
以上では、ガスを検知するSbド−プSnO2層(第1層)の上に、1at%以上20at%未満の低Ptドープ層(第2層)と、20at%以上の高Ptドープ層(第3層)を形成するとして説明したが、上記第2層,第3層を繰り返すようにしても良い。また、第1層のドナーとしては上記のSbの代わりに、As,TaまたはNbを用いることができ、第2層,第3層のPtの代わりに、Pdまたはこれらの混合物を用いることができる。
この発明の実施の形態を示す構造断面図 従来例を示す構造断面図
符号の説明
1…Siウエハ(シリコン基板)、2…支持層および熱絶縁層、3…ヒーター層、4…SiO2絶縁層、5…接合層、6…感知層電極、7…感知層、8…選択燃焼層、9…ドナー添加SnO2層(第1層)、10…触媒添加SnO2層(第2層)、11…高触媒添加SnO2層(第1層)。

Claims (5)

  1. 薄膜状の支持膜の外周部または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様支持基板上に、薄膜のヒーターを形成し、この薄膜のヒーター層を電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の1対の貴金属電極、およびSnO2を主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成した後、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を有し、かつ、前記ガス感知膜が、ガス感知膜用Pt電極側から第1層としてドナーとなる+5価または+6価の元素を添加したSnO2層、さらにその上に第2層として触媒となる元素を添加したSnO2層を積層した2層構造のガス感知膜を形成してなる薄膜ガスセンサにおいて、
    ガス感知膜の前記第2層目の触媒となる元素を添加したSnO2層の上に、さらに、前記第2層目とは触媒添加量が異なる第3層目のSnO2層を設けたことを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  2. 前記ガス感知膜の第1層のドナーとしてSb,As,TaまたはNbを添加したことを特徴とする請求項1に記載の薄膜ガスセンサ。
  3. 前記ガス感知膜の第2層の触媒としてPtまたはPdもしくはその混合物を添加し、触媒添加量が1at%以上で20at%未満、好ましくは10at%以上で15at%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜ガスセンサ。
  4. 前記ガス感知膜の第3層の触媒としてPtまたはPdもしくはその混合物を添加し、触媒添加量が20at%以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜ガスセンサ。
  5. 前記ガス感知膜の第2層と第3層の触媒添加量について、第2層の触媒添加量が20at%以上であり、第3層の触媒添加量が1at%以上で20at%未満、好ましくは10at%以上で15at%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜ガスセンサ。

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