JP4022614B2 - 新規なバイオビーズの作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低粘度のアルギン酸ナトリウムを用いて調製したアルギン酸カルシウムの微細なゲルに、外来性遺伝物質又は生理活性物質を固定化させたことを特徴とする、新規なバイオビーズに関する。更に本発明は、そのバイオビーズを用いて外来性遺伝物質又は生理活性物質を効率的に細胞内へ導入するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
外来遺伝子を細胞に導入するための方法には、PEG 法、電気穿孔法、遺伝子銃法、アグロバクテリウム法などがある。しかし従来のPEG 法による遺伝子導入はプロトプラストに対するダメージが大きく、形質転換効率もアグロバクテリウム法やパーティクルガン法に比べて非常に低いために実際には利用されにくいという欠点を有していた。ところで本発明者らは、外来遺伝子等を含むアルギン酸塩に2価カチオンを添加してゲル化させることにより、微小なバイオビーズを作製できることを特願平2001-249043 において示した。特願平2001-249043 において開示されている方法により作製されたバイオビーズをPEG 法によって細胞内に導入することが可能であり、それは当該明細書において開示されている。しかし、特願平2001-249043 においては、PEG 法による遺伝子導入の実用化を可能とする様な高い形質転換効率を意識した検討は十分には行われていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのために、PEG 法によるバイオビーズの導入を実用化するには更なる改善が求められていた。そこで、アルギン酸カルシウムの微細ゲルを用いたバイオビーズの技術を更に改良して形質転換効率を向上させることにより、特にPEG 法を用いたバイオビーズによる遺伝子導入技術を完成させることが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点は、アルギン酸ナトリウムを水中に有している油中水型エマルジョンを作製する過程、及び前記エマルジョンに塩化カルシウム及び外来性遺伝物質と生理活性物質の少なくとも一方を含む水溶液を添加してアルギン酸カルシウムの微小ビーズを形成する過程からなり、前記ビーズの粒径が10 μm以下であり、かつ前記アルギン酸ナトリウムの10% 溶液の粘度が20℃において600 センチポアズ以下であることを特徴とする、バイオビーズの作製方法である。
【0005】
本発明の第二の観点は、10% 溶液の粘度が20℃において600 センチポアズ以下であるアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムとをゲル化してなるアルギン酸カルシウムの微小ビーズに、外来性遺伝物質と生理活性物質の少なくとも一方を固定化してなり、前記ビーズの粒径が10 μm以下であるバイオビーズである。そのバイオビーズを導入することからなる、外来性遺伝物質又は生理活性物質の導入方法もまた本発明の更なる観点である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らがバイオビーズの改良について検討を行ったところ、低粘度のアルギン酸ナトリウムを用いることにより、飛躍的に高い形質転換効率が達成された。非水溶性有機溶媒900 μl 中に0.5 〜2%のアルギン酸ナトリウム溶液100 μlを加え、超音波破砕により振動を加え油中水型(W/O )エマルジョンを形成させたものに、導入したいプラスミドDNA を懸濁した100mM 塩化カルシウム溶液500μl を加えて瞬時にゲル化させ、内部および表面にプラスミドDNA を保持した直径5 μm 以下の微粒子を製造することにより、本発明のバイオビーズを作製した。低粘度アルギン酸ナトリウムを用いて作製した本発明のバイオビーズをDNA のキャリアーとして、タバコBY2 細胞へのPEG 法を行うと、下記の実施例で示すようにバイオビーズを使用しない従来のPEG 法と比較して、40倍も高い遺伝子発現効率が達成された。また、本発明の手法を用いることで、形質転換植物体の取得効率も大幅に上昇した。
【0007】
粘度が低いアルギン酸溶液を用いると、W/O エマルジョン化させた時に生じる微小な水滴(水相)が更に微小になり、出来上がるバイオビーズの直径も微小になる。ビーズ直径が小さくなることで単位アルギン酸量あたりに作製されるバイオビーズの比面積が上昇し、遺伝子導入操作時に細胞とバイオビーズが接触する頻度も増え、これが形質転換効率の向上に直接寄与している。本発明のバイオビーズの比面積が形質転換効率に与える影響についても調査したところ、高い形質転換効率が裏付けられた。
【0008】
なお本願明細書において低粘度アルギン酸ナトリウムとは、20℃において10%溶液の粘度を測定した際に、粘度が1000センチポアズ以下であるアルギン酸ナトリウムを意味する。一般的にアルギン酸ナトリウムは、ニュートン流動に近い粘性を示す。そして、アルギン酸ナトリウムは重合度が高くて分子量が大きい程高い粘度を示し、また濃度の増加に対して粘度はほぼ対数的に増加する。すなわち、濃度が2倍になれば粘度は大体十倍になる。また粘度は水温に対して極めて敏感である。
【0009】
本発明において、20℃において10%溶液の粘度を測定した際に粘度が1000センチポアズ以下であるアルギン酸ナトリウムを使用することは好ましく、20℃において10%溶液の粘度が700 センチポアズ以下であるアルギン酸ナトリウムを使用することは更に好ましく、20℃において10% 溶液の粘度が500 センチポアズ以下であるアルギン酸ナトリウムを使用することはなお更に好ましい。下記の実施例においてキミカ社製ULV-5 は10%溶液の粘度が500-600 センチポアズ(20℃)であり、本発明を実施するにあたり好適な粘度を有している。最も一般的に用いられているアルギン酸ナトリウムは、1%溶液の粘度が20℃において300 から600 センチポアズ程度であり、それを考えると、上記のアルギン酸ナトリウム(キミカ社製ULV-5 )は低粘度であるといえる。なお、下記の実施例において、ビーズを作製する際のアルギン酸ナトリウム濃度としては、0.5%(w/v) を使用している。
【0010】
下記の実施例において、低粘度アルギン酸ナトリウムを用いた場合には、非常に小さな粒径を有するバイオビーズが形成されていることが示された。より詳しくは、本発明のバイオビーズの粒径は0.01μm 以上10μm 以下である。なお、本発明のバイオビーズの粒径が0.01μm 以上 5μm 以下であることは、更に好ましい。下記の実施例において、通常の粘度(1%溶液の粘度が20℃において100 から150 センチポアズ)を有するアルギン酸ナトリウムを使用してバイオビーズを作製したところ、20μm 以上の粒径を有するものが多く存在していた。
【0011】
なお、本発明において使用する低粘度アルギン酸ナトリウムを有機溶媒に懸濁する際に、超音波法(ソニック法)により懸濁することは特に好ましい。試験管ミキサーにより懸濁する方法(ボルテックス法)との比較を行ったところ、ボルテックス法と比較して、ソニック法により懸濁を行うことによりより微細なバイオビーズを作製できるという知見が得られた。なおアルギン酸ナトリウムを懸濁するのに使用する有機溶媒としてはイソアミルアルコールやブタノール等が好ましく、下記の実施例で使用しているイソアミルアルコールは特に好ましい。
【0012】
本発明のビーズを用いて遺伝子を導入する方法として、PEG 法は特に好ましい。PEG 法においては、DNA が高濃度に濃縮された状態でバイオビーズ表面が細胞に接触することが特に重要であるので、粒径が小さいことを特徴とする本発明のバイオビーズの効果は大きい。しかし本発明のバイオビーズは、PEG 法以外の方法によっても細胞内へ導入することが可能である。本技術分野において汎用されているその他に遺伝子導入法としては、マイクロインジェクション法やエレクトロポレーション法等が知られている。なお特願平2001-249043 において、アルギン酸カルシウムのバイオビーズを用いて、エレクトロポレーション法によりバイオビーズを導入したことが開示されている。よってPEG 法のみならず、エレクトロポレーション法やマイクロインジェクション法の手段を用いて本発明のバイオビーズを細胞内へ導入することもまた本発明の好適な態様の一つである。
【0013】
本発明の方法は、プロトプラスト化した植物細胞において効率的に遺伝子を導入するのにとりわけ優れている。よって本発明の方法により遺伝子を導入する対象として、プロトプラスト化と再分化が確立している植物は特に好ましい。その様な植物の例として具体的には、トマト、タバコ、イネ、アラビドプシスなどを用いることができる。これらの植物をプロトプラスト化し、ビーズと混和することによりエンドサイトーシスにより外来遺伝物質や生理活性物質が取り込まれて、含有する外来遺伝物質や生理活性物質が放出されて作用する。なお、下記の実施例においてはタバコBY-2細胞を使用してその細胞を形質転換しているが、それは本発明の態様の一例であって、タバコBY-2細胞に限定されるものではない。
【0014】
なお、本発明のバイオビーズにおいて、種々の外来性遺伝物質や生理活性物質を固定化させることが可能であり、導入するべき外来性遺伝物質や生理活性物質の範囲は特に限定されるものではない。なお、本願明細書において外来性遺伝物質や生理活性物質を固定化させるとは、形成したゲルの内部及び表面にそれらの物質を保持させることを意味する。バイオビーズに固定化していない溶液状態のプラスミドDNA によってまとめて導入できる遺伝子はせいぜい数個程度である。しかしバイオビーズに固定化することにより、大量の遺伝子を一度に導入することができること、また巨大なサイズの遺伝子を導入することが可能である点が、バイオビーズ法の利点である。
【0015】
下記の実施例においては緑色蛍光蛋白質(GEF) をコードする遺伝子をバイオビーズに固定化して細胞内に導入して蛍光によりその蛋白質の発現を確認している。しかし、それは本発明の態様の一つであり、細胞内に導入するべき目的物質は緑色蛍光蛋白質の遺伝子に限定されるものではない。そして経済的に有用である種々の外来性遺伝物質や生理活性物質を本発明のバイオビーズに固定化して細胞内へ導入し、その細胞に望ましい性質を与えることができる。バイオビーズに固定化して細胞内へ導入される外来性遺伝物質として、mRNA、プラスミドDNA 、染色体、人工染色体、オルガネラDNA 及び核等を挙げることができる。
【0016】
本発明の態様の一つとして、例えば、mRNAの転写量を増大させる目的で汎用されているプロモーターである、カリフラワーモザイクウイルス35S プロモーターなどに、グルタチオン遺伝子を結合させたプラスミドDNA を作製して、当該プラスミドをビーズに取りこませて植物細胞に導入することができる。すると細胞内に多くのグルタチオンが作られグルタチオンの働きで細胞内の重金属や毒物の除去ができる植物が作られる。このような植物は環境中の重金属などの毒物を細胞内に蓄えてくれるので、環境浄化に用いることができる。また、真菌類や昆虫などの細胞に多く含まれるキチンを分解することのできるキチナーゼ遺伝子を、植物で恒常的に発現させるために、恒常的にmRNAを転写するようなプロモーターと結合させたプラスミドDNA をビーズに取り込ませて有用植物の細胞に導入することで、カビなどの真菌が原因となる病気に耐性のある植物をつくり、生産性を高上させることができる。
【0017】
また、有効な遺伝子のmRNAをビーズに取り込ませて細胞内に高濃度に導入することで、一時的にその遺伝子の機能を発現させることが可能である。mRNAは不安定であるためにやがて全てが分解されしまい、その形質は残らない。これを利用して、例えばBt遺伝子などの有用ではあるが毒性があるために、食用作物などへの導入が危惧されるような遺伝子をmRNAの形で高濃度に導入して、一定の期間だけ発現させ、作物の出荷時にはその遺伝子の産物は残らない安全な作物育種を行うことができる。
【0018】
また、プラスミドDNA によってまとめて導入できる遺伝子はせいぜい数種類程度である。しかし、酵母人工染色体(YAC )、細菌人工染色体(BAC )などの人工染色体を用いることで数十〜数百種類の遺伝子を保持した人工染色体を構築することが可能である。先行するいくつかのエマルジョン化によるビーズ作製技術の問題点として、エマルジョン化にともなう剪断力により人工染色体のような高分子量のDNA は分解されてしまう危険性が非常に高いという点が指摘されている。しかし本発明によるビーズ作製技術では、エマルジョン化後にDNA を取り込ませるため人工染色体のような高分子量のDNA でも無傷な形でビーズに保持させ、細胞に導入することが可能である。例えば、従来は植物などがもたないメタンやメタノールなどのC1化合物の代謝経路に必要な酵素群をまとめてコードしたような高分子量の人工染色体を導入することにより、従来植物が資化できず、むしろ毒となっていたC1化合物を取り込んで炭素源として利用できるような新しい植物を作り出すことができる。
【0019】
また、野生植物には現在の作物植物には存在しないような、病気や冷害、乾燥、抵抗性に対する遺伝子や、有用な形質が増大するようなQTL (quantitative trait loci )遺伝子をもつものがある。これらの有用な遺伝子をもつ植物の遺伝子地図を作成して遺伝子の座上する位置を決定しクローニングして作物植物に導入するということが、世界的に進められているが、このような遺伝子を一つ一つ見つけてクローニングするという作業は非常に多大な労力を伴うものである。それに比べて多くの場合、遺伝解析からその遺伝子が座上している染色体までは比較的容易に知ることができる。そこで、そのような遺伝子を保持している染色体を野生植物から単離して、無傷の形で本発明のビーズに取り込ませて導入することで、その遺伝子をクローニングせずとも、その形質を導入することが可能となる。
【0020】
また、真核生物のオルガネラであるミトコンドリアや葉緑体は、本体の核に存在するゲノムとは独立した独自のゲノムDNA を有している。これらのオルガネラのゲノムにも、核ゲノムと同様に生物の形質を決定する重要な遺伝子が座上している。これらのオルガネラを細胞から単離する技術はいくつかの植物で開発されているが、これらのオルガネラを無傷な形で再び細胞に戻す技術はまだ開発途上にあるといえる。そのために、本発明のバイオビーズにオルガネラをトラップして、細胞内へ導入することが可能になれば有用である。
【0021】
また、例えばイネやテンサイなどの植物では、ミトコンドリア上の遺伝子が変異することにより正常な花粉ができず不稔になる細胞質雄性不稔という現象が知られている。しかし、核の遺伝子がさらに変異すると稔性が回復するという現象もある。このような核- ミトコンドリアの組み合わせによる稔性、不稔性をコントロールする事は、品種改良や品種保存において有効である。ただし、これら核- オルガネラの組み合わせを改変するには、通常交雑を経る必要がある。特に、雄性不稔化した株は母親にしかなれないため、母性遺伝により後代は必ず雄性不稔のミトコンドリアをもつことになる。本発明のビーズに野生型の正常なミトコンドリアをトラップして、細胞内へ導入することが可能になれば稔性が回復し、この状況を打破することが可能になる。
【0022】
またここで使用される生理活性物質として植物ホルモン等を挙げることができる。より具体的には、インドール酢酸、ナフタレン酢酸などのオーキシン、ゼアチン、カイネチンなどのサイトカイニン、アブシジン酸、ジベレリン、ペプチド性ホルモン、などを本発明の方法により導入して、成長を制御することが可能である。また、ファイトアレキシンなどの抗菌性物質、より具体的には、ピサチン、ファゼオリン、メジカルピン、リシチン、リシチノールなどを導入することで病原菌への耐性を高めることもまた可能である。ファイトケラチン、グルタチオンなどの活性酸素除去剤を加えることでUVや光、重金属などのストレスに対する耐性を向上させた個体を作成することもまた可能である。
【0023】
【実施例】
(BY-2プロトプラストのPEG 法による遺伝子導入)
本発明において、外来遺伝子を導入する対象の植物細胞としてはタバコ培養細胞であるBY-2細胞のプロトプラストを、遺伝子導入に用いるプラスミドとしては緑色蛍光蛋白質(GEF) の基本ベクターであるSpUCsGFPを使用した。ここで用いたSpUCsGFPは、pUC19 にCaMV35S プロモーター+sGFP 遺伝子が挿入されたものである。植物細胞の形質転換にはPEG 法を用いた。PEG 法の操作手段を図1に示す。用いるPEG 反応液中のPEG 濃度は24% であり、PEG 反応溶液による処理時間は30分である。プロトプラストの調製及びPEG 法による遺伝子導入は、Negrutiu et al. Plant Mol.Biol.(1987) 8:363-373 、及びMathur et al."PEG-mediated protoplast transformation with naled DNA", Methods in Molecular Biology 82:Arabidopsis Protocols に記載された方法に従った。PEG 法のプロトコールを以下に示す。
【0024】
1.継代後3〜5日目のBY-2細胞を酵素処理(プロトプラスト化)し遠心分離(700rpm, 5min)した後、上清を0.4Mマンニトール溶液に置換する。
2.細胞(プロトプラスト)の濃度を1.0 X 106 /ml に合わせる。
3.2を5mlずつ15ml遠心チューブへ移し、遠心分離(700rpm, 5min)する。
4.遠心分離後の上清を除き、同量のMaMg溶液を加える。
5.4のプロトプラスト0.5ml とプラスミド50μl を35mm滅菌シャーレに入れて軽く攪拌する。
6.5min後、PEG 液 788μl を35mm滅菌シャーレへ入れて軽く攪拌し、30min 静置。
7.0.2M CaCl2溶液815ml を35mm滅菌シャーレへ入れて軽く攪拌する。
8.2min後、0.2M CaCl2溶液1630mlをを35mm滅菌シャーレに入れて軽く攪拌する。
9.さらに2min後、0.2M CaCl2溶液1630mlをを35mm滅菌シャーレに入れて軽く攪拌する。
10.9を遠心チューブへ移し、遠心分離(700rpm, 5min)を行う。
11.遠心分離後の上清を除き、培養液1ml を加えて軽く攪拌する。
12.11を35mm滅菌シャーレへ移し、シールとして27℃暗所にて24時間培養する。
MaMg溶液:15mM MgCl2, 0.4M マンニトール, 0.1% MES [2-(N-Morpholino)ethanesulphonic acid],pH5.6
PEG 液:40% PEG 6000, 0.4Mマンニトール, 0.1M Ca(NO3)2 4H2O pH7-9(フィルター滅菌 -20 ℃保存)
0.2M CaCl2溶液:0.2M CaCl2 2H2O, 0.4M マンニトールpH5.8
【0025】
その結果、BYプラスミドにおいてGFP の発現が観察され、また溶液のプラスミドを用いた従来のPEG 法に比べてバイオビーズを使用した場合においてより多くの発現個体が得られた。図2に、タバコBY-2細胞における導入されたGFP の蛍光を示す。
【0026】
(バイオビーズを作製する条件の最適化)
この系を用いて、作製条件やアルギニン酸ナトリウムの種類等について、バイオビーズの最適化を検討した。まずバイオビーズ作製時に使用するプラスミド量について検討を行った。図3において、プラスミドの量と形質転換体数との間の関係を示す。その結果、図3に示される様に、用いるDNA 量が多い程多くの形質転換個体が得られることが判った。これはバイオビーズ表面に固定されているDNA 濃度が形質転換効率に重要であることを示す。次にバイオビーズ作製時に使用するアルギン酸溶液の濃度について検討を行った。図4において、アルギン酸ナトリウムの量と形質転換体数との間の関係を示す。図4に示される様に、アルギン酸ナトリウム濃度が低い時のほうがより多くの発現個体が得られることが分かった。0.5%(W/V) は本条件下でアルギン酸カルシウムゲルが形成される最低濃度であり、この値を最適濃度とした。
【0027】
(アルギン酸ナトリウムの粘度と形質転換効率)
さらにバイオビーズ作製時に使用するアルギン酸ナトリウムの種類について検討した。国内数社で生産販売されている8種類のアルギン酸ナトリウムを入手し、0.5%(w/v) 溶液を用いてバイオビーズを作製して実験に用いた。種々の粘度を有するアルギン酸ナトリウム(各々のアルギン酸ナトリウムの粘度は下記の表1を参照)を材料としてバイオビーズを作製し、形質転換効率を比較した結果を図5に示す。その結果、図5のDにおいて示される様に、低粘度アルギン酸ナトリウムを材料としたバイオビーズにおいて最も多くの発現個体が得られた。図5のDにおいて使用したアルギン酸ナトリウム(キミカ社製、ULV-5 )は、その10%溶液の粘度を20℃において測定した時に、500-600 センチポアズの粘度を示す。他のアルギン酸ナトリウムはその1%溶液が数百センチポアズの粘度を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
アルギン酸ナトリウムの粘度の減少に応じて段階的に発現個体が増えることから、低粘度のアルギン酸ナトリウムの使用が好ましいことが明らかになった。作製されたバイオビーズを顕微鏡下で観察した結果、図6のように低粘度アルギン酸を使った場合に非常に小さなバイオビーズが形成されていることが明らかになった。図6の上は通常のアルギン酸ナトリウム(図5のアルギン酸ナトリウムA)を用いて作製したバイオビーズの写真であり、図6の下は低粘度のアルギン酸ナトリウム(図5のアルギン酸ナトリウムD)を用いて作製したバイオビーズの写真である。通常のアルギン酸ナトリウムを用いた場合には20μm 以上のビーズが多く認められるが、低粘度のアルギン酸ナトリウムを用いた場合には、ほとんどのビーズは10μm 以下であった。この結果から、バイオビーズの粒径、即ちバイオビーズと細胞が接触する表面積が、遺伝子導入効率に影響している可能性が示唆された。粘度が低いアルギン酸溶液を用いると、W/O エマルジョン化させた時に微小な水滴が調製され、それによって出来上がるバイオビーズの直径も微小になる、という可能性が考えられる。
【0030】
(バイオビーズの粒径分布と形質転換効率)
そこで、バイオビーズの大きさが形質転換個体数に直接影響するかを確認するために、粒径が異なる2種類のバイオビーズを用いた実験を行った。超音波発信機を用いて振動を加えてエマルジョン化を行ってバイオビーズを作製した場合(ソニック法)と、試験管ミキサーを利用してエマルジョン化を行った場合(ボルテックス法)とを比較した。ソニック法においては細かい粒径を有するバイオビーズが調製されるが、一方、ボルテックス法においては穏やかな振動が加えられるために粒径が大きなバイオビーズが調製される。2種類のバイオビーズの作製方法の概略を図7に示す。また、それらの方法によって作製されたバイオビーズの写真を図8に示す。また、2種類の方法により作製されたバイオビーズの粒径分布の比較を行った結果を図9に示す。図9において、ソニック法により作製されたバイオビーズの粒径は10μm 以下に分布しているが、ボルテックス法により作製されたバイオビーズには20μm 以上のものが多く認められた。
【0031】
これらの方法で作製された2種類のバイオビーズを使って、PEG 法によりBY2プロトプラストにGFP 遺伝子を導入した。図10において、バイオビーズを使用しないコントロールの系、試験管ミキサーを用いて調製されたバイオビーズにより形質転換を行った系、及び超音波破砕機を用いて調製されたバイオビーズにより形質転換を行った系の比較を行った。その結果、ボルテックス法で調製された粒径の大きなバイオビーズを用いた際のGFP 発現は、ソニック法で調製されたバイオビーズを用いた場合の約半分にとどまった(図10)。これらの結果は、バイオビーズが細胞に接触する比面積が形質転換効率に影響を及ぼすことを示している。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、低粘度のアルギン酸ナトリウムを用いて調製したアルギン酸カルシウムの微細なゲルに、外来性遺伝物質又は生理活性物質を固定化させたことを特徴とする、新規なバイオビーズが与えられた。更に本発明により、そのバイオビーズを用いて外来性遺伝物質又は生理活性物質を効率的に細胞内へ導入するための方法が与えられた。低粘度のアルギン酸ナトリウムを用いて調製した本発明のバイオビーズの粒径は小さく、本発明のバイオビーズと細胞が接触する機会は多くなる可能性がある。本発明のバイオビーズを用いたところ、高い効率での細胞の形質転換が達成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、PEG 法によるバイオビーズのプロトプラストへの導入方法の概略と示す模式図である。
【図2】 図2は、タバコBY-2細胞において、バイオビーズを用いて導入した緑色蛍光蛋白質(GFP) の発現を示す写真である。
【図3】 図3は、プラスミド濃度(DNA量) と形質転換効率との間の関係を示すグラフである。
【図4】 図4は、アルギン酸ナトリウムの濃度と形質転換効率との間の関係を示すグラフである。
【図5】 図5は、種々の粘度のアルギン酸ナトリウムを用いて調製したバイオビーズの形質転換効率を示したグラフである。
【図6】 図6は、通常のアルギン酸ナトリウムと低粘度のアルギン酸ナトリウムを用いて調製したバイオビーズの間で粒径を比較した写真である。
【図7】 図7は、ボルテックス法とソニック法を用いた、バイオビーズの作製方法を示す模式図である。
【図8】 図8は、ボルテックス法とソニック法を用いて調製したバイオビーズの間で粒径を比較した写真である。
【図9】 図9は、ボルテックス法とソニック法により調製したバイオビーズの間で粒径を比較したグラフである。
【図10】 図10は、バイオビーズの粒径分布が形質転換効率に与える影響を示したグラフである。
Claims (10)
- アルギン酸ナトリウムを水中に有している油中水型エマルジョンを作製する過程、及び前記エマルジョンに塩化カルシウム及び外来性遺伝物質と生理活性物質の少なくとも一方を含む水溶液を添加してアルギン酸カルシウムの微小ビーズを形成する過程からなり、前記ビーズの粒径が10μm以下であり、かつ前記アルギン酸ナトリウムの10%溶液の粘度が20℃において600センチポアズ以下であることを特徴とする、バイオビーズの作製方法。
- 超音波処理を行うことにより前記アルギン酸ナトリウムをエマルジョン化することを特徴とする、請求項1記載のバイオビーズの作製方法。
- 前記外来性遺伝物質がmRNA、プラスミドDNA 、染色体、人工染色体、オルガネラDNA 又は核である、請求項1又は請求項2記載の方法。
- 前記生理活性物質が植物ホルモンである、請求項1又は請求項2記載の方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の方法により作製されたバイオビーズ。
- 10%溶液の粘度が20℃において600センチポアズ以下であるアルギン酸ナトリウムと、塩化カルシウムとをゲル化してなるアルギン酸カルシウムの微小ビーズに、外来性遺伝物質と生理活性物質の少なくとも一方を固定化してなり、前記ビーズの粒径が10μm以下である、バイオビーズ。
- 前記外来性遺伝物質がmRNA、プラスミドDNA 、染色体、人工染色体、オルガネラDNA 又は核である、請求項6記載のバイオビーズ。
- 前記生理活性物質が植物ホルモンである、請求項6記載のバイオビーズ。
- 請求項5ないし請求項8のいずれかに記載のバイオビーズを培養細胞中に導入する過程からなる、外来性遺伝物質又は生理活性物質の導入方法。
- PEG 法を用いてバイオビーズを植物プロトプラスト中に導入することを特徴とする、請求項9記載の方法。
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