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JP4022132B2 - 有機基含有シリカゲル - Google Patents

有機基含有シリカゲル Download PDF

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  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高純度で、制御された細孔特性を有し、有用な有機基を含有する新規なシリカゲルに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカゲルは、古くから乾燥剤として広く用いられてきたが、最近ではその用途が触媒担体,分離剤,吸着剤等へと広がっており、こうした用途の広がりに応じて、シリカゲルの性能に対する要求も多様化している。シリカゲルの性能は、シリカゲルの表面積、細孔径、細孔容積、細孔径分布等の物性によって決定される。
【0003】
ところで、近年、純粋なシリカゲルでは得られなかった表面物性、例えば、化学反応性や、有機物に見られる疎水性、親水性、又は物理化学的な性質等をシリカゲルに付与することが望まれている。
【0004】
そこで、シリカゲル単独では発現し得ない機能性を付与するために、シリカゲルの表面をシランカップリング剤やシラノールと反応する有機合成試薬等により処理して、各種の有機基を導入することにより、その有機基に由来する様々な機能をシリカゲルに付与する技術が知られている。例えば、シリカゲルに不飽和結合を持つ有機基を導入することによって、樹脂中への分散性が良好で且つ共有結合により強固に樹脂と結合し得るフィラーを製造した例や、シリカゲル表面に親疎水性や分離性能を調整する有機基を導入することによって、液体クロマトグラフィー担体や各種分離材料としての用途への適性を持たせた例、更には、その他の粉体物性を変化させることによって、疎水性フィラーを製造したり、静電特性を変化させたりした例、また、アミノ基やカルボキシル基等を導入することによって、固定化酵素担体を製造した例がある。
【0005】
このような、シリカゲルに各種の有機基を導入する手法としては、大別して、▲1▼シリカヒドロゲル製造時に、導入対象の有機基を含有する物質を添加し、その後に細孔制御を行なう方法と、▲2▼細孔制御後のシリカゲルに、導入対象の有機基を含有する物質を後担持させる方法の2つがある。有機基を導入するための物質としては、例えば、加水分解性シリル基を含むシランカップリング剤の他、目的官能基を含む有機基導入試薬を用いることができるが、価格や取扱いの容易さの面から、主として前者が用いられている。
【0006】
しかしながら、上述の従来技術のうち、▲1▼の技術においては、水ガラスをシリカ源とした場合、溶液のpHが高いために、シランカップリング剤や有機基導入試薬等の反応性の高い物質を系内に安定に含有させることは非常に困難であった。さらに、アルコキシシランをシリカ源として用いた一般的なゾルゲル技術においては、アルコキシシランをシランカップリング剤とともに加水分解してハードコート剤や塗料添加剤として用いる方法(例えば、特許文献1や、特許文献2に記載の技術)や、ゲル化、乾燥、焼成して多孔質材料を得る方法(例えば、非特許文献1に記載の技術)は知られているが、有機基を保持したまま制御されたシャープな細孔分布を持つシリカゲルを製造した例は未だ報告されていない。
【0007】
更に、アルコキシシランと各種シランカップリング剤及び有機テンプレートを共に加水分解、ゲル化し、焼成や溶媒洗浄により有機テンプレートのみを除去することによって、有機基を細孔内に配向させたミセルテンプレートシリカを得る技術(例:非特許文献2)も報告されている。この技術によって得られるシリカは、非常にシャープな細孔分布を有し、その細孔配置の規則性がX線回折スペクトルにピークとなって発現する特徴がある。しかしながら、不純物金属が多く、熱安定性や水熱安定性が低いという課題があった。さらに、有機テンプレートが高価であるために製造コストが高く、製造工程も複雑なために生産性が低いという課題があった。
【0008】
また、▲2▼の技術の例として、原料となるシリカ材料を液相や気相中にてシランカップリング処理して表面改質を行なう方法が広く知られている。この技術は各種の多孔性シリカに応用されており、結晶性のミセルテンプレートシリカに応用された例も報告されている(非特許文献3)。しかしながら、この技術によって得られるシリカは、細孔壁が非常に薄いので、機械的強度が弱く、処理の過程で細孔特性が変化し易い問題があった。さらに、細孔の最頻直径(Dmax)が20nm以下の従来のシリカゲルにシランカップリング処理することも知られていた。しかしながら、細孔分布が充分にシャープではない上に、処理の過程で細孔分布が広がったり小孔径化したりして細孔特性が変化する場合があった。
【0009】
▲2▼の技術におけるシランカップリング処理は、表面処理の手法として広く用いられているが、制御された多孔性を維持しながら充分な効果を得ることは大変難しかった。例えば、温度、時間、用いる試薬の量、水分量、溶媒等、多くの変動因子を各々のシランカップリング剤について設定しなければならず、最適化できない場合も多かった。また、仮に最適化できた場合でも、従来のシリカゲルでは製品としての安定性や、多孔性物性を満足することは出来なかった。また、このような物性変化しやすい傾向は、担体となるシリカゲルに金属不純物が多い場合により顕著に現れる。一方、シリコンアルコキシドを原料とした場合、高純度なシリカゲルが得られるが、十分にシャープな細孔分布のシリカゲルを得る技術は未だ報告されていないため、本発明のシリカゲルの担体として使用するには不十分であった。
【0010】
このように、▲1▼▲2▼を始めとする従来技術をもってしても、目的とする有機基を高濃度で含有するとともに、不純物金属量が少なく、シャープな細孔分布を示し、物性安定性に優れ、かつ生産性にも優れた、すなわち各種物性をバランス良く満たした有機基含有シリカゲルを得ることは出来なかった。
【0011】
【非特許文献1】
Separation and Purification Technology,16, 139 (1999)
【非特許文献2】
Chem. Mater, 12., 188 (2000)
【非特許文献3】
Science, 276, 923 (1997)
【特許文献1】
特開平10−251516号公報
【特許文献2】
特開平9−40907号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上の背景から、目的とする有機基を高濃度で含有するとともに、不純物金属量が少なく、シャープな細孔分布を示し、物性安定性に優れ、且つ生産性にも優れた、すなわち各種特性をバランスよく満たした有機基含有シリカゲルが望まれていた。
【0013】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、細孔容積及び比表面積が大きいだけでなく、細孔分布が狭く、有用な有機基を含有できるとともに、不要な金属不純物量を抑えることができ、且つ耐熱性、耐水性、物性安定性(熱安定性等)などにも優れた、新規な有機基含有シリカゲルを提供することに存する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の方法によって製造された有機基含有シリカゲルが、各種特性をバランスよく満たしており、上記課題を効果的に解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
すなわち、本発明の要旨は、(a)細孔容積が0.5〜1.6ml/gであり、(b)比表面積が300〜1000m2/gであり、(c)細孔の最頻直径(Dmax)が20nm未満であり、(d)直径がDmax±20%の範囲内にある細孔の総容積が、全細孔の総容積の40%以上であり、(e)非晶質であり、(f)金属不純物の総含有率が500ppm以下であり、且つ、(g)全ケイ素原子のうち炭素原子と直接結合したケイ素原子の割合が、0.1%以上であることを特徴とする、有機基含有シリカゲルに関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の有機基含有シリカゲルは、細孔容積及び比表面積が通常のものより大きい範囲にあることを、特徴の一つとする。具体的に、細孔容積の値は、通常0.5〜1.6ml/gの範囲、好ましくは0.6〜1.6ml/gの範囲に、また、比表面積の値は、通常300〜1000m2/gの範囲、好ましくは400〜1000m2/gの範囲に存在する。これらの細孔容積及び比表面積の値は、窒素ガス吸脱着によるBET法で測定される。
【0017】
また、本発明の有機基含有シリカゲルは、窒素ガス吸脱着法で測定した等温脱着曲線から、E. P. Barrett, L. G. Joyner, P. H. Haklenda, J. Amer. Chem. Soc., vol. 73, 373(1951)に記載のBJH法により算出される細孔分布曲線、即ち、細孔直径d(nm)に対して微分窒素ガス吸着量(ΔV/Δ(logd);Vは窒素ガス吸着容積)をプロットした図上での最頻直径(Dmax)が20nm未満であり、下限は特に制限はないが、好ましくは2nm以上である。このことは、本発明の有機基含有シリカゲルが有する細孔の最頻直径(Dmax)が、通常のシリカゲルに比べてより小さい範囲に存在することを意味する。
【0018】
更に、本発明の有機基含有シリカゲルは、上記の最頻直径(Dmax)の値の±20%の範囲にある細孔の総容積が、全細孔の総容積の通常40%以上、好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上である点においても特徴づけられる。また、上記の最頻直径(Dmax)の値を中心として±20%の範囲にある細孔の総容積は、全細孔容積の通常90%以下である。このことは、本発明の有機基含有シリカゲルが有する細孔の直径が、最頻直径(Dmax)付近の細孔で揃っていることを意味する。
【0019】
かかる特徴に関連して、本発明の有機基含有シリカゲルは、上記のBJH法により算出された最頻直径(Dmax)における微分細孔容積ΔV/Δ(logd)が、通常2〜20ml/g、特に3〜12ml/gであることが好ましい(なお、上式において、dは細孔直径(nm)であり、Vは窒素ガス吸着容積である)。微分細孔容積ΔV/Δ(logd)が前記範囲に含まれるものは、最頻直径(Dmax)の付近に揃っている細孔の絶対量が極めて多いものと言える。
【0020】
また、本発明の有機基含有シリカゲルは、以上の細孔構造の特徴に加えて、その三次元構造を見るに、非結晶質であること、即ち、結晶性構造が認められないことを特徴とする。このことは、本発明の有機基含有シリカゲルをX線回折で分析した場合に、結晶性ピークが実質的に認められないことを意味する。なお、本明細書において非結晶質ではないシリカゲルとは、X線回折パターンで6オングストローム(Å Units d-spacing)を越えた位置に、少なくとも一つの結晶構造のピークを示すものを指す。この様なシリカ材料として、有機テンプレートを用いて細孔を形成するミセルテンプレートシリカが挙げられる。非結晶質のシリカゲルは、結晶性のシリカゲルに較べて、極めて生産性に優れている。
【0021】
本発明の有機基含有シリカゲルの更なる特徴は、アルカリ金属,アルカリ土類金属,周期表の13族,14族及び15族並びに遷移金属からなる群に属する金属元素(金属不純物)の合計の含有率が、通常500ppm以下、中でも300ppm以下、好ましくは100ppm以下、更に好ましくは10ppm以下と非常に低く、極めて高純度であることである。このように不純物の影響が少ないことが、本発明の有機基含有シリカゲルが高い耐熱性や耐水性などの優れた性質を発現できる大きな要因の一つである。
【0022】
シリカゲル中の不純物の存在は、その総含有率がたとえ数百ppm程度の微量であっても、シリカゲルの性能に大きな影響を与える。例えば、1)これらの不純物の存在が、高温下ではシリカゲルの結晶化を促進する、2)これらの不純物の存在が、水存在下ではシリカゲルの水熱反応を促進して、細孔径や細孔容積の拡大,比表面積の低下,細孔分布の拡大をもたらす、3)これらの不純物は焼結温度を低下させるので、これらの不純物を含むシリカゲルを加熱すると、比表面積の低下が促進される、等の影響が挙げられる。そして、かかる影響は、アルカリ金属やアルカリ土類金属に属する元素を含む不純物において、特にその傾向が強い。
【0023】
本発明者らはさらに検討した結果、本発明の物性を満たしつつ有機基を導入するためには、シリカ源の不純物金属濃度を最小限にすることが好ましいことを見いだした。これら不純物金属のうち、いかなる成分が特に影響を与えるのかは明らかではないが、シリカ源を高純度化すると、前記従来技術▲1▼▲2▼何れの方法においても、有機基を高濃度に含有し、かつ制御された細孔特性を併せ持つ、優れた有機基含有シリカゲルを得られることが分かった。
【0024】
これらの不純物金属が有機基の導入に悪影響を及ぼす理由は、明らかではないが、以下の点が考えられる。
(1)不純物金属の存在する部分が、シランカップリング剤や有機基導入試薬の吸着や集合を促し、シランカップリング剤の均一な分散を阻害する。
(2)有機基を後担持させる場合は、不純物金属の存在がシランカップリング処理中のシランカップリング剤や有機基導入試薬の安定性に悪影響を与える。
(3)有機基がシリカゲル中に導入された後に、不純物金属の触媒的な作用により分解され、シリカゲルより脱離してしまう。
【0025】
具体的には、例えば不純物金属としてアルミニウムが多い場合、その場所に多くのシランカップリング剤が吸着される。また、チタンが多い場合には、有機基が変性を受けやすい。さらに、アルカリ金属やアルカリ土類金属は、シラノールと容易にイオン交換し、シランカップリング剤の結合を阻害することなどが知られている。
このように、金属不純物は有機基を含まないシリカゲルの物性変化に影響を与えるほか、有機基の導入にも影響を与えるものと考えられる。
【0026】
上述してきた各種特徴に加えて、本発明の有機基含有シリカゲルは、全ケイ素原子のうち炭素原子と直接結合したケイ素原子の割合が、通常0.1%以上、好ましくは0.2%以上、更に好ましくは1%以上であり、上限は特に制限はないが、好ましくは100%であることを特徴とする。これらの炭素原子と直接結合したケイ素原子の存在は、有機基がシリカゲル骨格に共有結合により導入されていることを示している。これらの有機基の存在状態は任意であり、例えばシリカゲル骨格中に均一に分散していても、もしくはそれらがシリカゲル表面に添着、付着していても良い。また、それらの一部が集合し、微小な粒子状となっていても良いが、その大きさは概ね細孔の最頻直径(Dmax)の2.5倍以下であることが望ましい。
【0027】
本発明において規定する全ケイ素原子中の炭素原子と直接結合したケイ素原子の量(以下X(%)と表記)は、いかなる方法により求めても良いが、一例として、シリカゲルの固体Si−NMRスペクトルに示されるTnピークとQnピークの面積比により求める方法が挙げられる。
【0028】
本発明のシリカゲルは前記の示性式で表されるが、構造的には、Siの四面体の各頂点にOが結合され、これらのOに更にSiが結合してネット状に広がった構造を有する。そして、Si−O−Si−O−の繰り返し単位において、Oの一部が他の成員(例えば−H、−CH3など)で置換されているものもあり、一つのSiに注目した場合、下記式(A)に示す様に4個の−OSiを有するSi(Q4)、下記式(B)に示す様に3個の−OSiを有するSi(Q3)等が存在する(下記式(A)及び(B)では、上記の四面体構造を無視し、Si−Oのネット構造を平面的に表わしている)。そして、固体Si−NMR測定において、上記の各Siに基づくピークは、順にQ4ピーク、Q3ピーク、・・と呼ばれる。
【0029】
【化1】
Figure 0004022132
【0030】
これら酸素がSiの周りに4つ結合したケイ素は、一般にQサイトと総称される。本発明においては、Qサイトに由来するQ0〜Q4の各ピークをQnピーク群と呼ぶこととする。シリカゲルのQnピーク群は、通常はケミカルシフト−80〜−130ppmの領域に連続した多峰性のピークとして観測される。
【0031】
これに対し、酸素原子が3つ結合し、それ以外の原子(通常は炭素である)が1つ結合しているケイ素は、一般にTサイトと総称される。Tサイトに由来するピークは、Qサイトの場合と同様に、T0〜T3の各ピークとして観測される。本発明においては、Tサイトに由来する各ピークをTnピーク群と呼ぶこととする。シリカゲルのTnピーク群は、一般にQnピーク群より高磁場側(通常ケミカルシフト−20〜−100ppm)の領域に連続した多峰性のピークとして観測される。
【0032】
本発明の有機基含有シリカゲルの固体Si−NMRスペクトルを測定すると、シリカゲルに導入された有機基の炭素が直接結合したケイ素に由来するTnピーク群と、有機基の炭素と結合していないケイ素に由来するQnピーク群が各々異なる領域に出現する。これらQnとTnのピークの面積の比は、そのピークに対応する環境におかれたケイ素のモル比と等しく、全ピークの面積を全ケイ素のモル量とすることで、Tnピーク群の合計面積はこれに対する炭素原子と直接結合した全ケイ素のモル量と対応する。
【0033】
すなわち、Qnピーク群の合計面積をA、Tnピーク群の合計面積をBとしたとき、全ケイ素原子中炭素原子と直接結合したケイ素原子の割合X(%)は、以下の式で表される。
【数1】
Figure 0004022132
【0034】
本発明の有機基含有シリカゲルに導入される有機基の種類は、いわゆるシランカップリング剤の有機基として公知のものを、いずれも選択して使用することができる。本発明において特に有用な有機基とは、以下のYに表される群(有用有機基群)から選ばれるものである。
【0035】
Y:C1からC1000(好ましくはC1〜C500、更に好ましくはC1〜C100、特に好ましくはC1〜C50)の脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、脂肪芳香族化合物より誘導される1価以上の有機基であり、Yの水素の少なくとも一部が下記に示す原子及び/又は有機官能基で置換されていても良い。Yの複数の水素が下記に示す原子及び/又は有機官能基で置換されていても良く、この場合は、下記に示す原子及び/又は有機官能基の中から選択した1種又は2種以上の組み合わせにより置換されていても良い。さらに、上記全ての場合において、下記に示す有機官能基の水素の少なくとも一部がF,Cl,Br,Iで置換されていても良い。また、Yはその中に連結基としてO、N、又はS等の各種の原子または原子団を有するものであっても良い。なお、下記に示す有機官能基は導入しやすいものの一例であり、使用目的に応じてこの他各種の化学的反応性、物理化学的機能性を持つ有機官能基を導入しても良い。
【0036】
例えば、上記有用有機基群から選ばれた有機基を導入し、シリカ表面の一部又はほぼ全部を疎水化したものは、有害な有機化合物の吸着剤として極めて有用である。この際の有機基としては脂肪族炭化水素基や芳香族炭化水基等が挙げられ、具体的には例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖状炭化水素基や、フェニル基、ナフチル基、トルイル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。中でもメチル基やフェニル基の様に、珪素−炭素結合の耐熱性が高くなるような有機基が好ましい。
また、炭素数の小さい炭化水素基、例えば炭素数1〜4程度の低級アルキル基などは、その分子量が小さいので、本発明のシリカ単位体積あたりへの有機基導入量を多くすることが出来るので、好ましい。
【0037】
<Yの水素と置換可能な元素及び有機官能基の例>
F、Cl、Br、I、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アシル基、アルコキシ基、アンモニウム基、アリル基。
【0038】
本発明の有機基含有シリカゲルは、上記範囲の中で構造の異なる各種の有機基Yの中から選択した1種、又は任意の組み合わせの2種以上を目的有機基として同時に含有することが出来る。これらの有機基Yは本発明のシリカゲル中において、有機基Yの価数に応じた数のケイ素原子と共有結合により直接結合していることを特徴とする。これらのケイ素原子はシリカゲル骨格を形成するものの一部であり、有機基Yは実質的にシリカゲル骨格に直接導入された状態となっている。このような状態で有機基Yをシリカゲルへ導入するためには、有機基Yにシロキサン結合を形成し得る反応性末端が導入された試薬を用いればよい。このような試薬として最も入手が容易であり代表的なものは、下記に示すシランカップリング剤である。このほかにもシラノールと反応し、シロキサン結合を形成する一般合成試薬(以下、有機基導入試薬と表記)が数種あるが、工業的な入手が容易ではなく、また反応条件に制限のあることが多い。本発明においてシランカップリング剤とは、ケイ素原子に前述のような有機基Yが直結しているものの総称であり、以下の式(I)〜(IV)に示される化合物である。
【0039】
(I)X3SiY
X:水溶液中、空気中の水分、または無機質表面に吸着された水分などにより加水分解されて、反応性に富むシラノール基を生成する加水分解性シリル基であり、従来より公知のものを使用することが出来る。例えば、C1〜C4の低級アルコキシ基、アセトキシ基、ブタノキシム基、クロル基等が挙げられ、これらの加水分解性基は1種、又は2種以上を組み合わせた状態で、含有することができる。
Y:上記有機基Yであり、(I)の場合、1価の有機基である。
【0040】
このようなシランカップリング剤(I)はもっとも汎用であり、具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−クロロフェニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等を挙げることが出来る。
【0041】
(II)X2SiY12
X:(I)のXと同様の加水分解性シリル基である。
1,Y2:各々(I)のYと同様の1価の有機基であり、Y1,Y2は同じ基であっても各々異なる基であってもよい。
【0042】
このようなシランカップリング剤(II)の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジクロロシラン等を挙げることが出来る。
【0043】
(III)XSiY123
X:(I)のXと同様の加水分解性シリル基である。
1,Y2,Y3:各々(I)のYと同様の1価の有機基であり、Y1,Y2,Y3は同じ基であっても各々異なる基であっても良い。このようなシランカップリング剤(III)の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等を挙げることが出来る。
【0044】
(IV)(X3Si)n
X:(I)のXと同様の加水分解性シリル基である。
Y:上記官能基Yであり、この場合Yはn価の有機基である。このようなシランカップリング剤の具体例としては、各種有機ポリマーやオリゴマーに側鎖として加水分解性シリル基が複数結合しているものが挙げられる。
【0045】
これら(I)〜(IV)に具体的に例示した化合物は、入手容易な市販のシランカップリング剤の一部であり、更に詳しくは、科学技術総合研究所発行の「カップリング剤最適利用技術」9章のカップリング剤及び関連製品一覧表により示すことが出来る。また、当然のことながら、本発明に使用できるシランカップリング剤は、これらの例示により制限されるものではない。
【0046】
以上説明してきた物性を有する本発明の有機基含有シリカゲルは、細孔制御のための水熱処理の前にシリカヒドロゲルを熟成しないという点を除けば、その製造方法は実質的に制限されるべきではない。
例えば、有機基を水熱処理前に導入させた有機基含有シリカゲルを製造する場合には、シリコンアルコキシドを加水分解する際に、前述の有用有機基群より選ばれる少なくとも一種の有機基(目的有機基)について、その有機基を含むシランカップリング剤(もしくは有機基導入試薬)を添加した後ゲル化させ、得られたシリカヒドロゲルを用いて、水熱処理による方法を応用して製造することができる。水熱処理による方法の応用例として、好ましくはシリコンアルコキシドと最低1種類の有機基を含むシランカップリング剤を加水分解する方法が挙げられる。なお、この工程においては、有機基導入試薬のうち水分により失活するものを用いることはできない。
【0047】
目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬は、シリコンアルデヒドを加水分解しシリカヒドロゲルを得る工程において、1種又は2種以上系内に添加される。有機基導入試薬の種類及び量などについては、均質なシリカヒドロゲルの形成を妨げない範囲であれば特に限定されず、これらの目的有機基を有するシランカップリング剤又は有機基導入試薬は、それらの試薬自身や反応に伴う分解生成物が、均質なヒドロゲルの形成を妨げない限り、どのような種類のものを用いても良い。また、高純度なシリカゲルを得る観点から、目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬も、高純度なものを用いることが好ましい。
【0048】
目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬の添加方法は、均質なシリカヒドロゲルの形成を妨げない方法であれば特に限定されず、目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬をシリコンアルコキシド加水分解のための水に添加しても、シリコンアルコキシドに添加しても、加水分解直後に均一溶液となったヒドロゾルに添加してもよく、操作性に応じ適宜選択される。また、必要であれば、目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬を前もって加水分解した後に上記の系に添加したり、逆に、シリコンアルコキシドの部分加水分解を行なった後に目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬を添加したりしてもよい。
【0049】
また、本発明の有機基含有シリカゲルは、細孔制御後の高純度シリカゲルに目的有機基を含む化合物を後担持させる方法でも製造できる。この場合、まず、シリカゲル細孔中に目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬を導入する。その方法としては、例えば、無機粉体のシランカップリング剤処理法としてよく知られている湿式処理法(水溶媒系、非水溶媒系)、乾式処理法、スラリー法、スプレー法、ドライコンセントレート法等の公知の方法の何れを用いても良い。
【0050】
目的有機基は、シリコンアルコキシドを加水分解し、熟成すること無しに水熱処理して得られたシリカゲルに、上記の方法で導入させることができるが、目的有機基の種類及び量は、目的有機基が機能性を発現する範囲であれば特に限定されず、これらの目的有機基を有するシランカップリング剤又は有機基導入試薬は、どのような種類のものを用いても良い。また、高純度な有機基含有シリカゲルを得る観点から、目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬も高純度なものを用いることが好ましい。目的有機基を後担持させる場合には、担体となる高純度シリカゲルに対して前処理を行なってもよい。例えば、担体となるシリカゲルの原料であるシリコンアルコキシド等に由来する炭素分が含まれている場合には、必要に応じて、通常400〜600℃で焼成除去してもよい。さらに、表面状態をコントロールするために、最高900℃の温度で焼成したり、無機酸により煮沸処理したりしてもよい。
【0051】
なお、本発明の目的有機基の選択対象となる有機基のうち特に有用なものは、C1〜C50の有機基Y、及びYの水素がF,C1,Br,Iなどの原子に置換されたものの他、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、アミノ基、アンモニウム基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アシル基、アルコキシ基、アリル基等で置換されたものである。本発明の有機基含有シリカゲルにこれらの有機基を導入すると、上記有機官能基の各々の官能基特性に基づいた機能性が発現するわけであるが、どのような官能基を選択するかは、官能基を導入したシリカ材料の用途に負うところが大きい。
【0052】
シリカ材料のような無機材料の表面を改質する場合、望まれる特性のひとつに有機物質との親和性向上がある。この目的のために、有機基YとしてC1〜50の直鎖アルキル基が直接使用される他、導入される有機官能基として、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基等のような有機樹脂等のマトリックスとの親和性もしくは化学反応性が高い官能基が選択される。中でも、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基は、官能基内に二重結合を持ち、同様に二重結合を有する有機樹脂と共有結合により強固に結合するので、得られた有機−無機複合材料が高い構造強度及び耐水性を発現する。また、各種の機能性材料の骨格としても用いられる。
【0053】
反応性の極性基や水溶性の物質と複合化する場合、シリカ材料の表面にメルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホン酸基などの官能基を導入することがそれらの化学的特性を最大限に利用できて好ましい。
【0054】
一般の触媒担体用途において、シリカゲル表面に触媒活性を持つ金属又は金属イオンを把持するにあたり、補助となる官能基を導入することがある。この場合、アミノ基、スルホン酸基、カルボキシ基等のイオン交換可能な基や、メルカプト基、ヒドロキシ基等の親水性の有機官能基、又はそれらを化学的に修飾した有機官能基が好ましい。
【0055】
バイオ技術における固定化酵素用担体などの用途では、シリカゲル表面に酵素やタンパク質、アミノ酸等を固定化するための補助となる官能基を導入することがある。この場合、アミノ基、カルボキシ基などのペプチド結合を形成出来る官能基が好ましい。また、メルカプト基も同様に結合を形成でき、一般に金属または金属イオンと強く相互作用するので好ましい。
【0056】
クロマトグラフィー分野では、表面を疎水化した材料が広く用いられており、通常はアルキル基を結合させる。また、光学活性物質の分離用途では、光学活性物質を持った有機化合物を結合させるため、アミノ基等が広く用いられる。また、有機基YにFを導入したパーフルオロアルキル基等を官能基として導入し、シリカ材料の表面を高度に疎水化することも行われる。勿論、これらの用例は一例であり、好ましい官能基の例はこれらに限定されるわけではない。
【0057】
本発明の有機基含有シリカゲルの原料として使用されるシリコンアルコキシドとしては、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の炭素数1〜4の低級アルキル基を有するトリまたはテトラアルコキシシラン或いはそれらのオリゴマーが挙げられるが、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びそれらのオリゴマーである。以上のシリコンアルコキシドは蒸留により容易に精製し得るので、高純度の有機基含有シリカゲルの原料として好適である。シリコンアルコキシド中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属に属する不純物元素(金属不純物)の総含有率は、通常好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。これらのいわば金属不純物の含有率は、一般的なシリカゲル中の不純物含有率の測定法と同じ方法で測定できる。
【0058】
シリコンアルコキシドの加水分解は、シリコンアルコキシド単独で加水分解する場合、シリコンアルコキシド1モルに対して、通常2〜50モル、好ましくは3〜40モル、特に好ましくは4〜30モルの水を用いて行なう。この工程の途中において、任意の方法により目的有機基を含むシランカップリング剤又は有機基導入試薬を添加することによって、シリコンアルコキシドの加水分解により、目的有機基を含むシリカのヒドロゲルとアルコールとが生成する。シランカップリング剤とシリコンアルコキシドとを同時に加水分解する場合、加水分解量は添加するシランカップリング剤の種類や量によって適する範囲が異なるが、概ね総Si量に対して3〜30モルである。この反応によって、有機基は共有結合によりシリカヒドロゲルに導入される。
【0059】
目的有機基を後担持により導入する場合には、シリコンアルコキシドのみを同様に加水分解して、シリカヒドロゲルを得る。この加水分解反応は、通常、室温から100℃程度であるが、加圧下で液相を維持することで、より高い温度で行なうことも可能である。また、加水分解時には必要に応じて、水と相溶性のあるアルコール類等の溶媒を添加してもよい。具体的には、炭素数1〜3の低級アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルセロルブ、エチルセロルブ、メチルエチルケトン、その他の水と任意に混合できる有機溶媒を任意に用いることができるが、中でも強い酸性や塩基性を示さないものが、均一なシリカヒドロゲルを生成できる理由から好ましい。
【0060】
結晶構造を有するシリカゲルは、水中熱安定性に乏しくなる傾向にあり、ゲル中に細孔を形成するのに用いられる界面活性剤等のテンプレートの存在下でシリコンアルコキシドを加水分解すると、ゲルは容易に結晶構造を含むものとなる。従って、本発明においては、界面活性剤等のテンプレートの非存在下で、すなわち、これらがテンプレートとしての機能を発揮するほどの量は存在しない条件下で加水分解するのが好ましい。
【0061】
反応時間は、反応液組成(シリコンアルコキシドの種類や、水とのモル比)並びに反応温度や添加するシランカップリング剤、有機基導入試薬の種類及び量などに依存し、ゲル化するまでの時間が異なるので、一概には規定されない。なお、反応系に触媒として、酸、アルカリ、塩類などを添加することで加水分解を促進させることができる。しかしながら、かかる添加物の使用は、後述するように、生成したヒドロゲルの熟成を引き起こすことになるので、本発明の有機基含有シリカゲルの製造においてはあまり好ましくない。
【0062】
上記のシリコンアルコキシドの加水分解反応では、シリコンアルコキシドが加水分解してシリケートが生成するが、引き続いて該シリケートの縮合反応が起こり、反応液の粘度が上昇し、最終的にゲル化してシリカヒドロゲルとなる。本発明の有機基含有シリカゲルを製造するためには、シリカヒドロゲルを実質的に熟成することなく、直ちに水熱処理を行なうことが重要である。
【0063】
この水熱処理の条件としては、水の状態が液体、気体のいずれでもよく、溶媒や他の気体によって希釈されていてもよいが、好ましくは液体の水が使われる。水熱処理を行ない易いように粗砕されたシリカのヒドロゲルに対して、通常0.1〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍、特に好ましくは1〜3重量倍の水を加えてスラリー状とし、通常40〜250℃、好ましくは50〜200℃の温度で、通常0.1〜100時間、好ましくは1〜10時間実施される。水熱処理に使用される水には低級アルコール類、メタノール、エタノール、プロパノールや、ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)、その他の有機溶媒などが含まれてもよい。また、メンブランリアクターなどを作る目的で、シリカゲルを膜状あるいは層状に粒子、基板、あるいは管などの基体上に形成させた材料の場合にも、この水熱処理方法は適用される。なお、加水分解反応の反応器を用い、続けて温度条件変更により水熱処理を行なうことも可能であるが、加水分解反応とその後の水熱処理では最適条件が通常は異なっているため、この方法で本発明の有機基含有シリカゲルを得ることは一般的には難しい。
【0064】
以上の水熱処理条件において温度を高くすると、得られるシリカゲルの細孔径、細孔容積が大きくなる傾向がある。水熱処理温度としては、100〜200℃の範囲であることが好ましい。また、処理時間とともに、得られるシリカゲルの比表面積は、一度極大に達した後、緩やかに減少する傾向がある。以上の傾向を踏まえて、所望の物性値に応じて条件を適宜選択する必要があるが、水熱処理は、シリカゲルの物性を変化させる目的なので、通常、前記の加水分解の反応条件より高温条件とすることが好ましい。
【0065】
水熱処理の温度、時間を上記範囲外に設定すると本発明の有機基含有シリカゲルを得ることが困難となる。例えば、水熱処理の温度が高すぎると、シリカゲルの細孔径、細孔容積が大きくなりすぎ、また、細孔分布も広がる。逆に、水熱処理の温度が低過ぎると、生成するシリカゲルは、架橋度が低く、熱安定性に乏しくなり、細孔分布にピークが発現しなくなる傾向がある。
【0066】
なお、水熱処理をアンモニア水中で行なうと、純水中で行なう場合よりも低温で同様の効果が得られる。また、アンモニア水中で水熱処理すると、純水中で処理する場合と比較して、最終的に得られるシリカゲルは一般に疎水性となるが、通常30〜250℃、好ましくは40〜200℃という比較的高温で水熱処理すると、特に疎水性が高くなる。ここでのアンモニア水のアンモニア濃度としては、好ましくは0.001〜10%、特に好ましくは0.005〜5%である。
【0067】
水熱処理されたシリカヒドロゲルは、通常40〜200℃、好ましくは60〜120℃で乾燥する。乾燥方法は特に限定されるものではなく、バッチ式でも連続式でもよく、且つ、常圧下でも減圧下でも乾燥することができる。目的有機基を予め導入した場合には、この状態で本発明の有機基含有シリカゲルとなる。目的有機基を後担持により導入する場合には、この後に前述の処理方法を実施して目的有機基を含む化合物を導入することにより、本発明の有機基含有シリカゲルを得る。
【0068】
なお、以上の操作により細孔内に目的有機基を導入した後、必要に応じて200〜400℃で焼成することにより、目的有機基を含む化合物とシリカゲルとの間の架橋反応を促進させたり、目的有機基を残しつつ、溶媒等の不要な有機成分を除去したりすることができる。必要であれば、目的有機基の前駆体となる有機基を導入した後に酸化や還元等の化学処理を行ない、本来の目的有機基に変換しても良い。更に、必要に応じて粉砕、分級することで、最終的に目的としていた本発明の有機基含有シリカゲルを得る。
【0069】
本発明の有機基含有シリカゲルは、従来からのシリカゲルの用途の他、いかなる用途においても利用することができる。このうち従来の用途としては、以下のようなものが挙げられる。
【0070】
例えば、産業用設備で製品の製造及び処理に用いられる用途分野においては、各種触媒及び触媒担体(酸塩基触媒、光触媒、貴金属触媒等)、廃水・廃油処理剤、臭気処理剤、ガス分離剤、工業用乾燥剤、バイオリアクター、バイオセパレーター、メンブランリアクター等の用途が挙げられる。建材用途では、調湿剤、防音・吸音材、耐火物、断熱材等の用途が挙げられる。また、空調分野の用途では、デシカント空調機用調湿剤、ヒートポンプ用蓄熱剤等が挙げられる。塗料・インク用途分野においては、艶消し剤、粘度調整剤、色度調整剤、沈降防止剤、消泡剤、インク裏抜け防止剤、スタンピングホイル用、壁紙用等の用途が挙げられる。樹脂用添加剤用途分野においては、フィルム用アンチブロッキング剤(ポリオレフィンフィルム等)、プレートアウト防止剤、シリコーン樹脂用補強剤、ゴム用補強剤(タイヤ用・一般ゴム用等)、流動性改良材、パウダー状樹脂の固結防止剤、印刷適性改良剤、合成皮革やコーティングフィルム用の艶消し剤、接着剤・粘着テープ用充填剤、透光性調整剤、防眩性調整剤、多孔性ポリマーシート用フィラー等の用途が挙げられる。また、製紙用途分野においては、感熱紙用フィラー(カス付着防止剤等)、インクジェット紙画像向上用フィラー(インク吸収剤等)、ジアゾ感光紙用フィラー(感光濃度向上剤等)、トレーシングペーパー用筆記性改良剤、コート紙用フィラー(筆記性、インク吸収性、アンチブロッキング性改良剤等)、静電記録用フィラー等の用途が挙げられる。食品用途分野においては、ビール用濾過助剤、醤油・清酒・ワイン等発酵製品のおり下げ剤、各種発酵飲料の安定化剤(混濁因子タンパクや酵母の除去等)、食品添加剤、粉末食品の固結防止剤等の用途が挙げられる。医農薬分野においては、薬品等の打錠助剤、粉砕助剤、分散・医薬用担体(分散・徐放・デリバリー性改善等)、農薬用担体(油状農薬キャリア・水和分散性改善、徐放・デリバリー性改善等)、医薬用添加剤(固結防止剤・粉粒性改良剤等)・農薬用添加剤(固結防止剤・沈降防止剤等)等が挙げられる。分離材料分野では、クロマトグラフィー用充填剤、分離剤、フラーレン分離剤、吸着剤(タンパク質・色素・臭等)、脱湿剤等の用途が挙げられる。農業用分野では、飼料用添加剤、肥料用添加剤が挙げられる。さらにその他の用途として、生活関連分野では、調湿剤、乾燥剤、化粧品添加剤、抗菌剤、消臭・脱臭・芳香剤、洗剤用添加剤(界面活性剤粉末化等)、研磨剤(歯磨き用等)、粉末消火剤(粉粒性改良剤・固結防止剤等)、消泡剤、バッテリーセパレーター等が挙げられる。
【0071】
これらの中でも、特に制御された細孔特性が要求されるとともに、長期にわたって物性変化の少ないことが要求され、且つ、特定の有用な有機基の含有による機能付与が要求される分野において、本発明の有機基含有シリカゲルは好適に用いることができる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0073】
(1)有機基含有シリカゲルの分析方法:
1−1)細孔容積、比表面積:
カンタクローム社製AS−1にてBET窒素吸着等温線を測定し、細孔容積、比表面積を求めた。具体的には細孔容積は相対圧P/P0=0.98のときの値を採用し、比表面積はP/P0=0.1,0.2,0.3の3点の窒素吸着量よりBET多点法を用いて算出した。また、BJH法で細孔分布曲線及び最頻直径(Dmax)における微分細孔容積を求めた。測定する相対圧の各点の間隔は0.025とした。
【0074】
1−2)粉末X線回折:
理学電機社製RAD−RB装置を用い、CuKαを線源として測定を行なった。発散スリット1/2deg、散乱スリット1/2deg、受光スリット0.15mmとした。
【0075】
1−3)金属不純物の含有量:
試料2.5gにフッ酸を加えて加熱し、乾涸させたのち、水を加えて50mlとした。この水溶液を用いてICP発光分析を行なった。なお、ナトリウム及びカリウムはフレーム炎光法で分析した。
【0076】
1−4)全ケイ素中の炭素と結合したケイ素の含有量の測定:
Bruker社製固体NMR装置(「MSL300」)を使用するとともに、共鳴周波数59.2MHz(7.05テスラ)、7mmのサンプルチューブを使用し、CP/MAS(Cross Polarization / Magic Angle Spinning)プローブの条件で測定した。具体的な測定条件を下の表1に示す。
【0077】
【表1】
Figure 0004022132
【0078】
測定データの解析(各々のピークの分離)は、ピーク分割によって各ピークを抽出する方法で行なう。具体的には、ガウス関数を使用した波形分離解析を行なう。この解析には、サーモガラテック(Thermogalatic)社製の波形処理ソフト「GRAMS386」を使用することが出来る。測定により得られた個体Si−NMRスペクトルのQnピークの面積の積分値をA、Tnピークの面積の積分値をBとして、下記式により全ケイ素中の炭素と結合したケイ素の含有率X(%)を算出した。
【数2】
Figure 0004022132
【0079】
(2)有機基含有シリカゲルの製造、評価:
・実施例1:
ガラス製で上部に大気解放の水冷コンデンサが取り付けてある1Lセバラブルフラスコ(ジャケット付き)に純水446.1gを仕込んだ。これを80rpmで攪拌しながら、テトラメトキシシラン150g及びビニルトリメトキシシラン37.5g(テトラメトキシシランの25重量%)の混合液を、1分間かけて加えた。水/(テトラメトキシシラン+ビニルメトキシシラン)のモル比は約20である。セバラブルフラスコのジャケットには50℃の温水を通水した。引き続き攪拌を継続し、内容物が沸点に到達した時点で攪拌を停止した。引き続きジャケットに50℃の温水を通水して、生成したゾルをゲル化させた。その後、速やかにゲルを取り出し、目開き600μmのナイロン製網を通してゲルを粉砕し、粉体状のウエットゲル(シリカヒドロゲル)を得た。このヒドロゲル20gと純水20gを容量60m1のミクロボンベに仕込み、130℃で3時間水熱処理を行なった。水熱処理の終了後、No.5A濾紙で濾過し、濾滓を水洗することなく100℃で恒量となるまで減圧乾燥した。得られたシリカゲル(実施例1の有機基含有シリカゲル)の諸物性を下の表2に示す。
【0080】
得られたシリカゲルは、非常に多くの有機基を含有し、かつ従来の有機基含有シリカゲルと比して制御されたシャープな細孔分布を有しており、非常に高純度な新規シリカゲルであった。このシリカゲルはビニル基を有していることから、有機樹脂や塗料、インク等との親和性、反応性に富み、新規な充填剤、各種担体、有機・無機複合材料、吸着材料、分離材料などへの応用が期待でき、高純度であることから物性安定性にも優れていると考えられる。
【0081】
【表2】
Figure 0004022132
【0082】
【発明の効果】
本発明の新規な有機基含有シリカゲルは、従来からの有機基含有シリカゲルと比較して、目的とする有機基を高濃度で含有するとともに、不純物金属量が少なく、生産性に優れ、シャープな細孔分布を示し、且つ耐熱性、耐水性、物性安定性(熱安定性等)などにも優れている。

Claims (7)

  1. (a)細孔容積が0.5〜1.6ml/gであり、
    (b)比表面積が300〜1000m2/gであり、
    (c)細孔の最頻直径(Dmax)が20nm未満であり、
    (d)直径がDmax±20%の範囲内にある細孔の総容積が、全細孔の総容積の40%以上であり、
    (e)非晶質であり、
    (f)金属不純物の総含有率が500ppm以下であり、且つ、
    (g)全ケイ素原子のうち炭素原子と直接結合したケイ素原子の割合が、0.1%以上である
    ことを特徴とする、有機基含有シリカゲル。
  2. 細孔容積が0.6〜1.6ml/gである
    ことを特徴とする、請求項1記載の有機基含有シリカゲル。
  3. 比表面積が400〜1000m2/gである
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の有機基含有シリカゲル。
  4. 細孔の最頻直径(Dmax)が2nm以上である
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の有機基含有シリカゲル。
  5. 直径がDmax±20%以内の細孔の総容積が、全細孔の総容積の50%以上である
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の有機基含有シリカゲル。
  6. 金属不純物の含有率が100ppm以下である
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の有機基含有シリカゲル。
  7. 最頻直径(Dmax)における微分細孔容積が2〜20ml/gである
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の有機基含有シリカゲル。
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