JP4018881B2 - 電気化学デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型電気化学デバイスの安全機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯機器の目覚しい発展により、携帯機器電源として使用される電気化学デバイス、とりわけリチウムイオン電池の需要が急速に高まってきている。さらに携帯機器の機能の増加に伴い、高エネルギー化と、それに伴う電池特性の改善、安全性の向上が技術開発の目標となっている。
【0003】
その方策として電解質を固体化する試みがあるが、電池特性上の根本的な技術課題、例えば室温で使用できないといった点があり、実用化に到っていない。そのため近年、液系の欠点を改良しつつ液系の電池に近い特性が得られる、ゲル化電解質を用いた電池の開発に中心が移ってきている。このゲル化した電池の場合、液系電池に比べ室温で遊離した電解液が存在しないことから、安全性に対しても効果が得られている。
【0004】
現在リチウムイオン系の電池としては、以下の3種類に分類される。
(1)電解液を用いた液系電池
(2)電解液と高分子ポリマーとによるゲル化した固体状電角牢質を用いる固体電解質電池
(3)無機材料、有機材料の固体内のリチウムイオン伝導を用いた電解質を用いた固体電解質電池
【0005】
ここで(2)に相当するゲル化電解質を用いた電池は、上述したように安全性の面で寄与できている。しかしながら、従来のリチウムイオン電池と更なる差別化を図るために、軽量化、薄型化が同時に試みられている。特に、従来は安全性の点から金属缶を外装体に用いていたが、安全性の向上に伴い内面に熱融着性樹脂を用いたアルミラミネートフィルムを用いた外装体が使用されてきている。これにより、さらなる軽量化、薄型化が可能になった。
【0006】
以上の背景を踏まえて、軽量化薄型電池の開発が進んできているが、さらなる技術要請として、安全性の強化が挙げられる。そして、このような安全性をアルミ外装体においても実現するために様々な試みがなされてきている。
【0007】
その一つとして、電池外装体に過充電・加熱試験等の異常時の圧力上昇を防ぐため、何らかのガス抜き機構が必要となっている。このガス抜きのための安全機構としては、既に特開平9−199099号公報、特開平11−86823号公報、特開平11−97070号公報、特開2000−100399号公報等において開示されている。
【0008】
従来開示されて来ているガス抜き機構は、特開平10−55792号公報等で開示されている外装体にガス抜き弁を別途設ける構造のものがある。また、特開平11−86806号公報等では、例えば外装体接着層内に異質の材料を設置し、設置部分の強度の低下を利用して圧力上昇に伴うガス抜きを実現している。
【0009】
しかしながら、これらの方法では下記のような問題を有していた。
(1)ガス抜き機構部分のシール強度が極端に低下する。
(2)ガス抜きが再現性よく開口しない。
(3)製造工程が煩雑化する。
【0010】
このように、従来のガス抜き機構を有する電池は、シール性、再現性、量産という観点から様々な課題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルミ箔等軽量の金属材料を外装体に有し、気密性が良好で、再現性よく機能し、量産化する上で障害とならないようなガス抜き機構を有する電気化学デバイスを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的は以下の本発明の構成により達成される。
(1) 金属箔を含有するラミネートフィルムを外装体に有し、
この外装体内に電気化学デバイス素体が封入されている電気化学デバイスであって、
前記外装体の接着部の一部が、電気化学デバイス収納空間側に突出している突出部を有する電気化学デバイス。
(2) 前記突出部は、突出量y=1〜10mm、幅x=1〜10mmである上記(1)の電気化学デバイス。
(3) 前記突出部は、接着部のうち最も長い辺の中央付近の領域に形成されている上記(1)または(2)の電気化学デバイス。
【0013】
【作用】
本発明は、電気化学デバイス内部のガス発生による圧力が、一部分に集中するような熱シール形状を施すことにより、熱融着性樹脂を材料破壊し、その後、アルミ箔と接着性樹脂層の界面を剥離させ、電池内部圧力上昇時にこの部分よりガスを解放させるものである。
【0014】
具体的には、直線的な熱シールでなく、突起した熱シール部分をもうけることで、この突起部分にガス発生による圧力を集中させることができ、熱融着性樹脂を材料破壊し、その後、アルミ箔と接着性樹脂層の界面を剥離させ、電池内部圧力上昇時に、この部分よりガスを発生させるものである。
【0015】
こうしたガス抜き機構を実用に供するにあたり、シール強度を保ちながら一方では、内圧上昇時に再現性よく開放するという相反する性質が必要であった。しかしながら、従来の外装体接着層内に異質の材料を設置し、設置部分の強度の低下を利用する方法では、開放に重点を置くあまり、通常においてもシール性が低下しそれが電池特性に影響することも見受けられた。本発明者らは、こうした状況に鑑み各種材料、シール条件を検討した結果、熱シール形状を変えることで、従来の外装体接着層内に異質の材料を設置する方法に比べ、シール性が向上する一方で内部圧力上昇時にガス開放が再現性よく起こることを見出した。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の電気化学デバイスは、金属箔を含有するラミネートフィルムを外装体に有し、この外装体内に電気化学デバイス素体が封入されている電気化学デバイスであって、前記外装体の接着部の一部が、電気化学デバイス収納空間側に突出している突出部を有するものである。
【0017】
このように、電気化学デバイスが封入されている内部空間側に突出している突出部を有することにより、内圧の上昇と共に、この部分から接着部が容易に剥離し始め、再現よくガス抜き機構を動作させることができる。また、接着部の接着力を弱める必要もなく、良好な封止状態を長期間維持することができる。
【0018】
図1は本発明の電気化学デバイスの構成例を示す外観斜視図である。図において、電気化学デバイスは、外装体1と電気化学デバイス素体2とを有する。この外装体1には、深絞り型に形成された電気化学デバイス素体収納部12を有する。また、外装体1の一端には折り返し部1aを有し、この部分で折り返される外装体1bは、丁度蓋のように電気化学デバイス収納部12上に覆い被さり、折り返し部1a以外の3方の接着部11を接着することにより、電気化学デバイス素体2が封入されるようになっている。
【0019】
そして、この接着部11の一部には、電気化学デバイス素体収納部12側に突出した突出部11aを有する。すなわち、この突出部11aは、外装体1の電気化学デバイス素体収納部12以外の部分、つまり接合部において、電気化学デバイス素体収納部側の一部分のみが接着され、その他の部分を接着しないことにより形成される。このように、内部に向けて突出した突出部11aを設けることにより、例えば図2に示すように内圧の上昇と共に突出部11aに応力が集中し、この突出部11aから剥離し始める。そして、図3に示すように剥離が進むと、通常の接着部11にもそのまま剥離現象が広がり、突出部11aが形成されていた部分を中心に接着部11が剥離していき、ついには外部にまで剥離領域が広がって内部ガスが解放される。
【0020】
つまり、直線的な熱シールでなく、突起した熱シール部分を設けることで、この突起部分にガス発生による圧力を集中させることができ、熱融着性樹脂を材料破壊し、その後、アルミ箔と接着性樹脂層の界面を剥離させ、電池内部圧力上昇時に、この部分よりガスを解放させることができる。
【0021】
突出部11aは、電気化学デバイス収納部12側に突出しているので接着部11の接着領域を狭めることなく圧力解放機構を形成することができ、シール性を低下させることがない。
【0022】
吐出部11aの突出量yとしては、圧力解放機構が適切に動作できるような値に調整する必要がある。具体的には、電気化学デバイスの大きさにもよるが1〜10mm、特に2〜4mmである。突出量が少ないと、圧力解放機構が安定して適切に動作することが困難となり、突出量が多すぎると電気化学デバイス収納部12が小さくなり体積エネルギー密度が減少したり、接着部11が狭くなり、シール性が低下してくる。また、突出部の幅は、好ましくは1〜10mm、特に2〜4mmである。
【0023】
突出部の形状は、適切な動作を行えるものであれば、図示例のような矩形のものの他、三角形や多角形、曲線で構成された形状のものでもよいが、製造工程の面からは矩形のものが好ましい。
【0024】
圧力解放機構、つまり突出部11aの形成位置は、特に限定されるものではないが、外装体の折り返し部1a以外の接着部、特に側部の中央付近や導出端子3の間が好ましく、特に接着部(シール部分)のうち、最も長い辺の中央付近の領域がよい。このような領域に配置することで、内圧の上昇と共に突出部に応力が効果的に集中させることができ、圧力解放機構を良好に動作させることができる。
【0025】
このような圧力解放機構の動作圧力としては、好ましくは1.5〜2.5kg/cm2 程度、または圧力解放機構のない場合に破裂する圧力の50〜80%程度である。
【0026】
〔電気化学デバイス〕
本発明の電気化学デバイスは、例えば、アルミニウム箔や銅箔等の金属箔等で構成される正負両極の電極と、セパレータ、高分子固体電解質等とが交互に積層された構造を有する。正負両極の電極には、それぞれ引き出し電極(導出端子)が接続されている。引き出し電極は、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属箔で構成される。
【0027】
外装体は、例えばアルミニウム等の金属層の両面に、熱接着性樹脂層としてのポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂層や耐熱性のポリエステル樹脂層が積層されたラミネートフィルムから構成されている。
【0028】
外装体は、予め2枚のラミネートフィルムをそれらの3辺の端面の熱接着性樹脂層相互を熱接着してシール部を形成し、1辺が開口した袋状に形成したり、あるいは、一枚のラミネートフィルムを折り返して両辺の端面を熱接着してシール部を形成して袋状としたパウチ型のものや、外装体の一部を電気化学デバイスが収納可能な寸法に形成した深絞り型のものがある。
【0029】
本発明の電気化学デバイスに用いられる素子は、積層構造の二次電池に限定されるものではなく、これらと同様な構造を有するキャパシタなどを用いることができる。
【0030】
本発明の電気化学デバイスは、次のようなリチウム二次電池、電気二重層キャパシタとして用いることができる。
【0031】
<リチウム二次電池>
本発明のリチウム二次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極、負極及び高分子固体電解質から構成され、積層型電池や巻回型電池等に適用される。
【0032】
また、高分子固体電解質と組み合わせる電極は、リチウム二次電池の電極として公知のものの中から適宜選択して使用すればよく、好ましくは電極活物質とゲル電解質、必要により導電助剤との組成物を用いる。
【0033】
負極には、炭素材料、リチウム金属、リチウム合金あるいは酸化物材料のような負極活物質を用い、正極には、リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物または炭素材料のような正極活物質を用いることが好ましい。このような電極を用いることにより、良好な特性のリチウム二次電池を得ることができる。
【0034】
電極活物質として用いる炭素材料は、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然あるいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラック、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらは粉末として用いられる。その平均粒子径は1〜30μm 、特に5〜25μm であることが好ましい。平均粒子径が小さすぎると、充放電サイクル寿命が短くなり、また、容量のばらつき(個体差)が大きくなる傾向にある。平均粒子径が大きすぎると、容量のばらつきが著しく大きくなり、平均容量が小さくなってしまう。平均粒子径が大きい場合に容量のばらつきが生じるのは、活物質と集電体との接触や活物質同士の接触にばらつきが生じるためと考えられる。
【0035】
リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物としては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiV2O4などが挙げられる。これらの酸化物の粉末の平均粒子径は1〜40μm 程度であることが好ましい。
【0036】
電極には、必要により導電助剤が添加される。導電助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ニッケル、アルミニウム、銅、銀等の金属が挙げられ、特に黒鉛、カーボンブラックが好ましい。
【0037】
電極組成は、正極では、重量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:3〜10:10〜70の範囲が好ましく、負極では、重量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:0〜10:10〜70の範囲が好ましい。ゲル電解質は、特に限定されず、通常用いられているものを用いればよい。また、ゲル電解質を含まない電極も好適に用いられる。この場合、バインダとしてはフッ素樹脂、フッ素ゴム等を用いることができ、バインダの量は3〜30質量%程度とする。
【0038】
電極の製造は、まず、活物質と必要に応じて導電助剤を、ゲル電解質溶液またはバインダ溶液に分散し、塗布液を調製する。
【0039】
そして、この電極塗布液を集電体に塗布する。塗布する手段は特に限定されず、集電体の材質や形状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が使用されている。その後、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロール等により圧延処理を行う。
【0040】
集電体は、電池の使用するデバイスの形状やケース内への集電体の配置方法などに応じて、適宜通常の集電体から選択すればよい。一般に、正極にはアルミニウム等が、負極には銅、ニッケル等が使用される。なお、集電体は金属箔、金属メッシュなどが、通常、使用される。金属箔よりも金属メッシュの方が電極との接触抵抗が小さくなるが、金属箔でも十分小さな接触抵抗が得られる。
【0041】
そして、溶媒を蒸発させ、電極を作製する。塗布厚は、50〜400μm 程度とすることが好ましい。
【0042】
高分子膜は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド))系、PAN(ポリアクリロニトリル)系、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)系等の高分子微多孔膜を用いることができる。
【0043】
このような正極、高分子膜、負極をこの順に積層し、圧着して電池素体とする。
【0044】
高分子膜に含浸させる電解液は一般に電解質塩と溶媒よりなる。電解質塩としては、例えば、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiSO3 CF3 、LiClO4 、LiN(SO2 CF3 )2 等のリチウム塩が適用できる。
【0045】
電解液の溶媒としては、前述の高分子固体電解質、電解質塩との相溶性が良好なものであれば特に制限はされないが、リチウム電池等では高い動作電圧でも分解の起こらない極性有機溶媒、例えば、エチレンカーボネート(略称EC)、プロピレンカーボネート(略称PC)、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(略称DMC)、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等の環式エーテル、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン等の環式エーテル、γ−ブチロラクトン等のラクトン、スルホラン等が好適に用いられる。3−メチルスルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、エチルジグライム等を用いてもよい。
【0046】
溶媒と電解質塩とで電解液を構成すると考えた場合の電解質塩の濃度は、好ましくは0.3〜5mol/lである。通常、1mol/l辺りで最も高いイオン伝導性を示す。
【0047】
このような電解液に微多孔性の高分子膜を浸漬すると、高分子膜が電解液を吸収してゲル化し、高分子固体電解質となる。
【0048】
高分子固体電解質の組成を共重合体/電解液で示した場合、膜の強度、イオン伝導度の点から、電解液の比率は40〜90質量%が好ましい。
【0049】
<電気二重層キャパシタ>
本発明の電気二重層キャパシタの構造は特に限定されないが、通常、一対の分極性電極が高分子固体電解質を介して配置されており、分極性電極および高分子固体電解質の周辺部には絶縁性ガスケットが配置されている。このような電気二重層キャパシタはペーパー型、積層型等と称されるいずれのものであってもよい。
【0050】
分極性電極としては、活性炭、活性炭素繊維等を導電性活物質とし、これにバインダとしてフッ素樹脂、フッ素ゴム等を加える。そして、この混合物をシート状電極に形成したものを用いることが好ましい。バインダの量は5〜15質量%程度とする。また、バインダとしてゲル電解質を用いてもよい。
【0051】
分極性電極に用いられる集電体は、白金、導電性ブチルゴム等の導電性ゴムなどであってよく、またアルミニウム、ニッケル等の金属の溶射によって形成してもよく、上記電極層の片面に金属メッシュを付設してもよい。
【0052】
電気二重層キャパシタには、上記のような分極性電極と高分子固体電解質とを組み合わせる。
【0053】
高分子膜は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド))系、PAN(ポリアクリロニトリル)系、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)系等の高分子微多孔膜を用いることができる。
【0054】
電解質塩としては、(C2H5)4 NBF4 、(C2H5)3 CH3 NBF4 、(C2H5)4 PBF4 等が挙げられる。
【0055】
電解液に用いる非水溶媒は、公知の種々のものであってよく、電気化学的に安定な非水溶媒であるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン単独または混合溶媒が好ましい。
【0056】
このような非水溶媒系の電解質溶液における電解質の濃度は、0.1〜3mol/lとすればよい。
【0057】
このような電解液に微多孔性の高分子膜を浸漬すると、高分子膜が電解液を吸収してゲル化し、高分子固体電解質となる。
【0058】
高分子固体電解質の組成を共重合体/電解液で示した場合、膜の強度、イオン伝導度の点から、電解液の比率は40〜90質量%が好ましい。
【0059】
絶縁性ガスケットとしては、ポリプロピレン、ブチルゴム等の絶縁体を用いればよい。
【0060】
【実施例】
以下、本発明の詳細について実施例を用いて説明する。
<実施例1>
電気化学デバイスとして、図1に示すようなアルミ箔外装体を用いた電池を作製した。この電池においてガス抜き用安全機構として電池側面を図1に示す形状で、かつヒートシール温度を190℃でヒートシールを行い、薄型電池を作製した。このときの突出部のx=3、y=3とした。
【0061】
得られた薄型電池のガス抜き機構の動作確認を行った。動作確認はシールした外装体の一端にガス導入口を設け内部ガス圧力を上昇させて、ガス抜き開口動作の確認を行った。さらに、この電池において温度70℃、湿度90%の高温高湿保存を行い、電池の膨れの有無を確認した。
【0062】
<実施例2>
電池側面を一辺が4mmの正三角形となるような突出部を形成するようにヒートシールを行い、その他は実施例1と同様にして薄型電池を作製した。
【0063】
<比較例1>
電池側面に突出部を設けず直線的な形状でヒートシールを行い、その他は実施例1と同様にして薄型電池を作製した。
【0064】
<比較例2>
電池側面に突出部を設けず直線的な形状で、かつ、ヒートシール温度を150℃でヒートシールを行い、その他は実施例1と同様にして薄型電池を作製した。
【0065】
表1に内部ガス圧力上昇におけるガス抜き機構の動作圧力を示す。また、表2に温度70℃、湿度90%の高温高湿保存時の、電池膨れの結果を示す。なお、表2中の数字は50サンプル中での膨れが生じたサンプルの数を示している。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
上記結果からガス抜き動作について、従来のシール方法である比較例1と比べ、実施例1,2では、低圧力で開口することが確認できた。また、比較例2も低圧力で開口するが、表2の高温高湿保存において、比較例1に比べ、短時間で電池が膨れる。これは、ヒートシール温度を下げたため、水分等の透過を抑制できていないためと考えられる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、アルミ箔等軽量の金属材料を外装体に有し、気密性が良好で、再現性よく機能し、量産化する上で障害とならないようなガス抜き機構を有する電気化学デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学デバイスの概略構成を示す外観斜視図であって、外装体を展開した状態を示した図である。
【図2】ガス解放機構である突出部が剥離していく様子を示した接着部の一部拡大図である。
【図3】ガス解放機構である突出部が剥離していく様子を示した接着部の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 外装体
2 電気化学デバイス素体
3 導出端子
11 接着部
11a 突出部
12 収納部
Claims (3)
- 金属箔を含有するラミネートフィルムを外装体に有し、
この外装体内に電気化学デバイス素体が封入されている電気化学デバイスであって、
前記外装体の接着部の一部が、電気化学デバイス収納空間側に突出している突出部を有する電気化学デバイス。 - 前記突出部は、突出量y=1〜10mm、幅x=1〜10mmである請求項1の電気化学デバイス。
- 前記突出部は、接着部のうち最も長い辺の中央付近の領域に形成されている請求項1または2の電気化学デバイス。
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