JP4018495B2 - 乾式トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法及びトナージェットに使用される現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1において、ジャンピング現像方法が提案されている。これは、スリーブ上に磁性トナーをきわめて薄く塗布し、これを摩擦帯電し、次いでスリーブ上の磁性トナー層を静電潜像に近接させて現像するものである。
【0003】
磁性トナーを用いたジャンピング現像では、画像濃度が充分に高くなるように現像器の設定を行うと、過剰のトナーが現像されてしまい、結果として画質が悪化したり、カブリが悪化したり、トナー消費量が増加したりという問題がある。
【0004】
トナー消費量を低減する為には、トナー粒子の表面に露出して帯電のリークサイトとして働く磁性体で高度にトナー帯電量をコントロールし、トナーのスリーブ上での穂立ちをコントロールすることが重要になる。
【0005】
従来、磁性トナーに含有される磁性酸化鉄に関し、特許文献2、特許文献3においては、ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーが提案されている。かかる磁性酸化鉄粒子は、積極的にケイ素元素を磁性酸化鉄粒子の内部に存在させているが、該磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーにおいては、長期の使用における現像性の低下等、改良すべき点を有している。
【0006】
特許文献4、特許文献5には、ケイ素元素とアルミ元素双方を含む磁性酸化鉄粒子が開示されているが、高温高湿環境下での長期の使用における現像性の低下やトナー消費量の悪化など、改良すべき点を有している。また、特許文献6では、二価の金属原子と鉄原子を含有した磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量と磁気特性を限定した磁性酸化鉄粒子が開示されている。
【0007】
特許文献7及び特許文献8は、Si換算でFeに対して1.7〜4.5原子%のケイ素を含み、鉄以外の金属元素として、Mn,Zn,Ni,Cu,Al,Tiから選ばれる1種又は2種以上の金属元素をFeに対して0〜10原子%含むマグネタイト粒子に関して記載している。
【0008】
これにより磁気特性が改善され、帯電性を改良することはできるが、単に上記金属を添加するだけではトナーの消費量を低減するまでには至っておらず、さらに改良すべき点を有している。
【0009】
特許文献9には、マグネタイト粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を含有し、粒子表面にケイ素成分が露出し、かつケイ素成分と結合したZn、Mn、Cu、Ni、Co、Cr、Cd、Al、Sn、Mg、Tiの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分からなる金属化合物によって粒子外殻を被覆したマグネタイト粒子が開示されているが、長期の使用における画質や現像性の低下、さらにはトナー消費量を十分に改善するには至っておらず、さらに改良すべき点を有している。
【0010】
特許文献10、特許文献11、特許文献12には、鉄元素を基準として、Mn、Zn、Ni、Cu、Co、Cr、Cd、Al、Sn及びMgからなるグループから選択される1種以上の金属元素の含有量、及びケイ素元素含有量、及び鉄元素溶解率20質量%までに存在するケイ素元素の含有比率、及び鉄元素溶解率10%までに存在するケイ素元素の含有比率を規定した磁性酸化鉄が開示されている。
【0011】
このように、各種金属を磁性酸化鉄中に含有させるとともに、磁性酸化鉄中のSiの分布を規定することで、環境安定性に改善効果は見られるものの、トナー消費量の低減に関しては更なる改良が望まれる。
【0012】
特許文献13には、マグネタイト粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分とアルミニウム成分を含有し、粒子表面にそれら成分が露出し、かつケイ素成分及びアルミニウム成分と結合したZn、Mn、Cu、Ni、Co、Cr、Cd、Al、Sn、Mg、Tiの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分からなる金属化合物によって粒子外殻を被覆したマグネタイト粒子が開示されているが、未だ十分な帯電安定性を磁性トナーに付与するまでには至っていない。
【0013】
特許文献14、特許文献15等に、マグネタイトの2価鉄を亜鉛、銅等の2価の金属に置き換えるなどしてトナーの飽和磁化を低下させる方法が開示されているが、磁性体やトナーの磁気特性を制御するだけではトナーの帯電安定性や消費量の低減を達成するには充分でない。
【0014】
【特許文献1】
特開昭55−18656号公報
(対応米国特許第4,395,476及び第4,473,627号明細書)
【特許文献2】
特開昭62−279352号公報
(対応米国特許第4820603号明細書)
【特許文献3】
特開昭62−278131号公報
(対応米国特許第4975214号明細書)
【特許文献4】
特開平4−362954号公報
(対応欧州特許出願公開公報EP−A468525)
【特許文献5】
特開平5−281778号公報
【特許文献6】
特開平8−050369号公報
【特許文献7】
特開平9−59024号公報
【特許文献8】
特開平9−59025号公報
【特許文献9】
特開平11−157843号公報
【特許文献10】
特開平11−316474号公報
【特許文献11】
特開平11−249335号公報
【特許文献12】
特開平11−282201号公報
【特許文献13】
特開平11−189420号公報
【特許文献14】
特開平4−184354号公報
【特許文献15】
特開平4−223487号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記問題点を解消した乾式トナーを提供することにある。
【0016】
即ち、本発明の目的は、トナーの帯電量の立ち上がりが速く、長期の使用においても画質の劣化、画像濃度の低下が生じず、さらに環境安定性に優れた乾式トナーを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有するトナーにおいて、
該結着樹脂が、酸価1〜100mgKOH/gを有するポリエステル樹脂であり、
該磁性酸化鉄が少なくともSiを磁性酸化鉄を基準として0.1〜2.0質量%及びZnを磁性酸化鉄を基準として0.1〜4.0質量%含有しており、該磁性酸化鉄のX線光電子分光法(XPS)によって測定された最表面の原子濃度がそれぞれSi原子が12.50〜17.50%,Fe原子が70.00〜85.00%,Zn原子が1.00〜7.00%であり、且つ該磁性酸化鉄の最表面におけるZn/Si比が0.05〜0.5,Fe/Si比が3.00〜7.00,Fe/Zn比が10.00〜70.00であり、
該磁性酸化鉄が、(i)第一鉄塩水溶液にケイ酸塩を添加した後にアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を得る工程、(ii)該水酸化第一鉄を含む水溶液をpH7以上且つ70℃以上に調整した状態で空気を吹き込み、該水酸化第一鉄の酸化反応を行い、種晶を含むスラリー液を得る工程、及び、(iii)該種晶を含むスラリー液に、更に該第一鉄塩水溶液及びZnの金属塩を加えた後、該種晶を含むスラリー液をpH9乃至10、pH8乃至9、pH6乃至8の順に調整した状態で空気を吹き込み、該水酸化第一鉄の酸化反応を行い、該磁性酸化鉄を得る工程を少なくとも経ることによって製造されたものであることを特徴とする乾式トナーに関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、トナー構成材料に関して検討を進め、特に磁性酸化鉄の最表面の鉄,亜鉛,シリカ原子の原子濃度及びそれぞれの原子の比率がトナーの帯電量の立ち上がり,現像性,環境安定性,画質と密接な関係があることを見出した。
【0019】
即ち本発明者らは、少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有するトナーにおいて、該磁性酸化鉄が少なくともSiを磁性酸化鉄を基準として0.1〜2.0質量%及びZnを磁性酸化鉄を基準として0.1〜4.0質量%含有しており、該磁性酸化鉄のX線光電子分光法(XPS)によって測定された最表面の原子濃度がそれぞれSi原子が12.50〜17.50%,Fe原子が70.00〜85.00%,Zn原子が1.00〜7.00%であり、且つ該磁性酸化鉄の最表面におけるZn/Si比が0.05〜0.5,Fe/Si比が3.00〜7.00,Fe/Zn比が10.00〜70.00であることを特徴とするとするトナーが、帯電量の立ち上がりを向上させ、高湿下及び低湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を生じないということを見出した。
【0020】
本発明に用いられる磁性酸化鉄は、少なくともZnを磁性酸化鉄を基準として0.1〜4.0質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%含有するものが良い。
【0021】
Znを含有する磁性酸化鉄は、粒子表面への磁性酸化鉄粒子の露出具合等のバランスに優れており、トナーの帯電量を環境によらず高いままで保持することが出来る。さらにトナーの帯電量の分布が狭くなるようにコントロールする働きをもっている。その結果、現像剤担持体上に細くて短い穂を密に形成することが可能となり、高い画質(ドット再現性等)で高画像濃度の性能が得られる。
【0022】
Znの含有量が0.1質量%未満であると、磁性酸化鉄自身の電気抵抗が下がり、トナーの帯電量を高温高湿のような環境下で保持しにくくなり、結果として朝一の画像濃度の低下につながる。また、Znの含有量が0.1質量%未満であると、トナー粒子表面に磁性酸化鉄が露出しにくくなり、チャージアップによる濃度の低下やカブリの増加を招く。また、Zn量が4.0質量%より多いと、磁性酸化鉄自身の電気抵抗が上がりすぎ、カブリが増加する。また、トナーの帯電量の立ち上がりの速度が遅くなるためトナ−としての帯電量の分布がブロードになりやすく、現像剤担持体上においてトナーの穂立ちが不均一になりドット再現性や紙上への飛び散りが悪化する。
【0023】
さらに、本発明に用いられる磁性酸化鉄は、少なくともSiを磁性酸化鉄を基準として0.1〜2.0質量%、より好ましくは0.3〜1.8質量%含有するものがよい。
【0024】
Siの含有量が0.1質量%未満であると、トナーが所望の帯電量を得ることが出来ず、また帯電量の立ち上がりも遅くなるため、画像濃度の低下を起こす。Siの含有量が2.0質量%より多いと、トナーの帯電量が高すぎるため、チャージアップによる濃度の低下やカブリの増加を招く。
【0025】
本発明においては、磁性酸化鉄の最表面にZnとSiをある一定の比率で同時に存在させることで磁性酸化鉄の帯電性と電気抵抗のバランスをとっており、トナーの帯電量を制御する働きを得ている。その結果、環境によらず高画像濃度,高画質な現像性を得ることが出来る。
【0026】
即ち、本発明の該磁性酸化鉄は、X線光電子分光法(XPS)によって測定された最表面の原子濃度がそれぞれSi原子が12.50〜17.50%(より好ましくは12.50〜17.00%)、Fe原子が70.00〜85.00%(より好ましくは75.00〜85.00%)、Zn原子が1.00〜7.00%(より好ましくは1.00〜6.00%)であり、且つ該磁性酸化鉄の最表面におけるZn/Si比が0.05〜0.50(より好ましくは0.05〜0.40)、Fe/Si比が3.00〜7.00(より好ましくは4.00〜7.00)、Fe/Zn比が10.00〜70.00(より好ましくは10.00〜65.00)であることを特徴とする。
【0027】
最表面のSi原子の濃度が12.50%未満であるとトナーが所望の帯電量を得ることが出来ず、また帯電量の立ち上がりも遅くなるため、画像濃度の低下を起こす。最表面のSi原子の濃度が17.50%より多いとトナーの帯電量が高すぎるため、チャージアップによる濃度の低下やカブリの増加を招く。また、最表面のFe原子の濃度が70.00%未満であると磁性酸化鉄自身の表面の電気抵抗が下がり、トナーの帯電量を高温高湿のような環境下で保持しにくくなり、結果として朝一の画像濃度の低下につながる。最表面のFe原子の濃度が85.00%より多いとトナーの帯電量の立ち上がりの速度が遅くなるためトナ−としての帯電量の分布がブロードになりやすく、現像剤担持体上においてトナーの穂立ちが不均一になりドット再現性や紙上への飛び散りが悪化する。
【0028】
最表面のZn原子の濃度が1.00%未満であると、磁性酸化鉄自身の表面電気抵抗が下がり、トナーの帯電量を高温高湿のような環境下で保持しにくくなり、結果として朝一の画像濃度の低下につながる。また、最表面のZn原子の濃度が1.00%未満であると、トナー粒子表面に磁性酸化鉄が露出しにくくなり、チャージアップによる濃度の低下やカブリの増加を招く。最表面のZn原子の濃度が7.00%より多いと、磁性酸化鉄自身の表面電気抵抗が上がりすぎ、カブリが増加する。
【0029】
また、磁性酸化鉄の最表面におけるZn/Si比が0.05未満の場合、トナーの帯電量は高くなるものの、磁性酸化鉄自身の表面電気抵抗が低くなるため、チャージアップによる濃度の低下だけではなく、トナーの帯電量を高温高湿のような環境下で保持しにくくなり、結果として朝一の画像濃度の低下につながる。磁性酸化鉄の最表面におけるZn/Si比が0.50より大きい場合、また帯電量の立ち上がりも遅くなるだけではなく、磁性酸化鉄自身の表面電気抵抗が上がりすぎ、カブリが増加する。
【0030】
また、磁性酸化鉄の最表面におけるFe/Si比が3.00未満の場合、トナーの帯電量は高くなるものの、磁性酸化鉄自身の表面電気抵抗が低くなるため、チャージアップによる濃度の低下だけではなく、トナーの帯電量を高温高湿のような環境下で保持しにくくなり、結果として朝一の画像濃度の低下につながる。磁性酸化鉄の最表面におけるFe/Si比が7.00より大きい場合、トナーが所望の帯電量を得ることが出来ず、また帯電量の立ち上がりも遅くなるため、画像濃度の低下を起こす。さらに、トナーの帯電量の立ち上がりの速度が遅くなるためトナ−としての帯電量の分布がブロードになりやすく、現像剤担持体上においてトナーの穂立ちが不均一になりドット再現性や紙上への飛び散りが悪化する。
【0031】
また、磁性酸化鉄の最表面におけるFe/Zn比が10.00未満の場合、磁性酸化鉄自身の表面電気抵抗が上がりすぎ、カブリが増加する。磁性酸化鉄の最表面におけるFe/Zn比が70.00より大きい場合、磁性酸化鉄自身の電気抵抗が下がり、トナーの帯電量を高温高湿のような環境下で保持しにくくなり、結果として朝一の画像濃度の低下につながる。さらに、トナー粒子表面に磁性酸化鉄が露出しにくくなり、チャージアップによる濃度の低下やカブリの増加を招く。
【0032】
このように磁性体最表面の原子の構成状態が上記範囲を外れた場合、磁性酸化鉄自身の電気抵抗と帯電性のバランスがとれなくなり、画像濃度の低下、カブリの悪化、ドット再現性や紙上への飛び散りの悪化につながる。従来の金属添加型の磁性酸化鉄では磁性酸化鉄の表面に金属(例えば亜鉛,アルミ,マンガン等)やシリカをある量存在させることで帯電,抵抗のバランスをとっているため磁性酸化鉄の最表面のFe原子の濃度が低くなり、結果として磁性酸化鉄の最表面のFe/Si比,Fe/Zn比が小さくなる。また、従来の金属添加型の磁性酸化鉄では金属を添加した後にシリカで被覆し帯電,抵抗のバランスをとっているものもあるが、磁性体の最表面をシリカで被覆することにより磁性酸化鉄最表面の金属原子(亜鉛等)の原子濃度が低くなる。本発明の磁性酸化鉄は、従来の金属添加型の磁性酸化鉄に比べ磁性酸化鉄表面を他元素で被覆する構造や磁性酸化鉄最表面の組成が一つの元素に偏った組成を取っておらず、そのため鉄元素自体の表面存在量も一定量維持されている。このように磁性酸化鉄の最表面の組成においてシリカ、鉄、亜鉛の組成比がバランス良く保たれているため、帯電,抵抗等のバランスがよく取れハーフトーン画像等のようなさらに画質が要求される画像における微小ドット再現性に特に優れたトナーを与えることが可能となる。
【0033】
次に、本発明に使用される磁性酸化鉄の構成及び製造法について説明する。
【0034】
本発明に係る磁性酸化鉄は、例えば下記方法で製造される。第一鉄塩水溶液に所定量のZnの金属塩及びケイ酸塩等を添加した後に、鉄成分に対して当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8乃至10)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
【0035】
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として第1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。その後、液のpHを6乃至10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させるわけであるが、本発明におけるような磁性酸化鉄の最表面の元素の組成比を一定に保つことを特徴とする磁性酸化鉄は、酸化反応の進行をpHの調整と組み合わせて段階を追って進行させることを特徴とする。例えば、反応初期はpHを9〜10に、反応中期にはpHを8〜9に、そして反応後期にはpHを6〜8にというように酸化反応をpHにより段階的に進行させていくことで、磁性酸化鉄の最表面の組成比をより簡便にコントロールすることが出来るのである。また、酸化反応がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。
【0036】
添加に用いる鉄以外の金属塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が使用できる。また、添加に用いることができるケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが例示される。
【0037】
第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、銅板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等可能である。
【0038】
水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5乃至2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。反応に際しては、空気量が多い程、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0039】
上述の製造方法により、透過電顕写真による観察で、磁性酸化鉄粒子が主に板状面を有さない曲面で形成された球形状粒子から構成され、八面体粒子を殆ど含まない磁性酸化鉄を生成し、その磁性酸化鉄をトナーに使用することが好ましい。
【0040】
本発明において、磁性酸化鉄粒子は、後述する測定方法に基づく嵩密度が好ましくは0.3乃至2.0g/cm3、より好ましくは0.5乃至1.3g/cm3を満足することが良い。嵩密度が0.3g/cm3未満の場合、トナー製造時におけるトナーの他の構成材料との物理的混合性に悪影響を及ぼし、トナー中の磁性酸化鉄の分散性が劣化する場合がある。
【0041】
本発明において、磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づく個数平均粒径が、好ましくは0.05乃至1.00μm、より好ましくは0.10乃至0.40であることが、磁性トナーの結着樹脂中での分散性及び帯電の均一性の点で良い。
【0042】
本発明において、磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づくBET比表面積が15.0m2/g以下、好ましくは12.0m2/g以下を満足することである。磁性酸化鉄粒子のBET比表面積が15.0m2/gを超える場合、磁性酸化鉄粒子の水分吸着性が増加し、該磁性酸化鉄粒子を含有した磁性トナーの吸湿性、帯電性に影響を及ぼす。
【0043】
本発明において、磁性酸化鉄は、磁気特性としては磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2/kg、より好ましくは70〜100Am2/kg、残留磁化が1〜100Am2/kg、より好ましくは2〜20Am2/kg、抗磁力が1〜30kA/m、より好ましくは2〜15kA/mであるものが好ましく用いられる。このような磁気特性を有することで、磁性トナーが画像濃度とカブリのバランスのとれた良好な現像性を得ることができる。
【0044】
本発明において、磁性トナーは、磁性酸化鉄粒子を結着樹脂100質量部に対して、好ましくは20乃至200質量部、より好ましくは30乃至150質量部含有していることが良い。
【0045】
磁性酸化鉄の含有量が20質量部よりも少ない場合には、搬送性が不十分で現像剤担持体上の現像剤層にムラが生じ、画像ムラとなる場合がある。磁性酸化鉄の含有量が200質量部を超える場合には、画像濃度が低下する場合がある。
【0046】
本発明において、磁性酸化鉄の表面近傍にFe,Zn,Si以外の金属元素を有していても良い。特に磁性酸化鉄の表面近傍にAl元素を偏在させることが、磁性酸化鉄の製造の安定化や磁性酸化鉄のトナー中の分散性の向上の点で好ましい。
【0047】
本発明において、磁性酸化鉄粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、チタネート、アミノシラン又は有機ケイ素化合物の如き表面処理剤で処理しても良い。
【0048】
本発明における各種物性データの測定法を以下に詳述する。
【0049】
(1)磁性酸化鉄最表面のX線光電子分光法(XPS)による分析
本発明において、磁性酸化鉄最表面の金属元素の組成比は次のような方法によって求めることができる。例えば、磁性酸化鉄粉末を錠剤成型器を用いて9.807MPaで加圧しペレットを成型する。そのペレットを試料ホルダー上のカーボンシート上に固定し測定を行った。測定装置及び測定条件は以下の通りである。
【0050】
測定された各元素のピーク強度より表面原子濃度を見積もった。その原子濃度から各原子の比率を算出した。なお、表面原子濃度の計算には、PHI社提供の相対感度因子を用い、表面金属原子濃度の算出については、上記測定によって検出された全金属原子の原子濃度を100%に換算した後各金属原子の濃度を算出した。
【0051】
(2)磁性酸化鉄中に存在する金属元素量の定量
本発明において、磁性酸化鉄中の鉄以外の金属元素の含有率(磁性酸化鉄を基準とする)は次のような方法によって求めることができる。例えば、5リットルのビーカーに約3リットルの脱イオン水を入れ45乃至50℃になるようにウォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水でスラリーとした磁性酸化鉄約25gを約300mlの脱イオン水で水洗いしながら、該脱イオン水とともに5リットルビーカー中に加える。
【0052】
次いで、温度を約50℃、撹拌スピードを約3.33s-1に保ちながら、特級塩酸または塩酸とフッ化水素酸との混酸を加え、溶解を開始する。このとき、塩酸水溶液を約3mol/リットルとする。溶解開始から、すべて溶解して透明になるまでの間に数回約20mlサンプリングし、0.1μメンブランフィルターでろ過し、ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)によって、鉄元素及び鉄元素以外の金属元素の定量を行う。
【0053】
磁性酸化鉄を基準としたときの、鉄元素以外の金属元素の含有率は次式によって計算される。
磁性酸化鉄を基準としたときの金属元素の含有率(質量%)=((c×d)/(e×1000))×100
c:採取したサンプル中の金属元素濃度(mg/l)
d:採取したサンプル量(l)
e:磁性酸化鉄重量(g)
【0054】
(3)磁性酸化鉄の嵩密度
本発明における磁性酸化鉄粒子の嵩密度は、JIS−K−5101の顔料試験法に準じて測定した。
【0055】
(4)磁性酸化鉄の個数平均粒径
透過電子顕微鏡写真(倍率30000倍)より写真上の粒子を無造作に100個選び、その粒子径を計測し、その平均値をもって、個数平均粒径とした。
【0056】
(5)磁性酸化鉄の比表面積
BET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することができる。
【0057】
(6)磁性酸化鉄の磁気特性
「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業社製)を用いて外部磁場795.8kA/mの下で測定することができる。
【0058】
本発明に用いられる結着樹脂としては、従来より結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を使用することができ、例えば、ビニル系樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。中でもポリエステル系樹脂が現像剤に使用したときに帯電性が安定であり流動性が良好であり、さらには定着性も優れていることから好ましい。
【0059】
ビニル系樹脂としては、例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチレンスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸またはメタクリル酸誘導体;α,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸等のアクリル酸及びそのα−またはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物等のビニル系モノマーを用いた重合体が挙げられる。上記ビニル系樹脂では、前述したようなビニル系モノマーが単独または二つ以上で用いられる。これらの中でもスチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
【0060】
また、本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体又は共重合体であってもよい。
【0061】
前記架橋性モノマーとしては、架橋可能な二以上の不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。このような架橋性モノマーとしては、以下に示すような種々のモノマーが従来より知られており、本発明の現像剤に好適に用いることができる。
【0062】
前記架橋性モノマーには、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルべンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロバンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)等が挙げられる。
【0063】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
【0064】
これらの架橋剤は、架橋しようとするモノマーの種類や、結着樹脂の所望の物性等によって使用量を調整することが好ましいが、一般に結着樹脂を構成する他のモノマー成分100質量部に対して、0.01〜10質量部(さらに好ましくは0.03〜5質量部)用いることができる。
【0065】
これらの架橋性モノマーのうち、現像剤用樹脂(結着樹脂)に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルべンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0066】
本発明において、ビニル系モノマーの単重合体又は共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、前述した結着樹脂に、必要に応じて混合して用いることができる。二種以上の樹脂を混合して、結着樹脂として用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異なるものを適当な割合で混合するのが好ましい。
【0067】
さらに本発明に用いられる結着樹脂のガラス転移温度は好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜70℃であり、数平均分子量(Mn)は2,500〜50,000、重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000であることが好ましい。
【0068】
結着樹脂のガラス転移点温度は、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−p139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度が45〜80℃を示すように、結着樹脂の構成物質(重合性単量体)を選択することにより調整することができる。また結着樹脂のガラス転移点温度は、示差走査熱量計、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツジャパン社製のDSC2920を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲よりも小さいと現像剤の保存安定性が不十分となることがあり、結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲よりも大きいと現像剤の定着性が不十分となることがある。
【0069】
ビニル系重合体又は共重合体からなる結着樹脂を合成する方法としては特に限定されず、従来より知られている種々の製法を利用することができ、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法の如き重合法が利用できる。カルボン酸モノマー又は酸無水物モノマーを用いる場合には、モノマーの性質上、塊状重合法又は溶液重合法を利用することが好ましい。
【0070】
本発明に用いられる結着樹脂としては、以下に示すポリエステル樹脂も好ましい。ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
【0071】
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(B)式で表されるビスフェノール誘導体;
【0072】
【化1】
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
(C)式で示されるジオール類;
【0073】
【化2】
【0074】
またはグリセリン、ソルビット、ソルビタン等の多価アルコール類等が挙げられる。
【0075】
また、酸成分としてはカルボン酸が好ましくは例示することができ、二価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きべンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられ、また、3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、べンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。
【0076】
特に好ましいポリエステル樹脂のアルコール成分としては前記(B)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類;トリメリット酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。これらの酸成分及びアルコール成分から得られたポリエステル樹脂を結着樹脂として使用した熱ローラ定着用現像剤として定着性が良好で、耐オフセット性に優れているからである。
【0077】
ポリエステル樹脂の酸価は1〜100mgKOH/g、より好ましくは1〜50mgKOH/gであり、OH価(水酸基価)は好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えると現像剤の帯電特性において環境依存性が大きくなり、現像剤の流動性、静電付着性、現像剤表面抵抗(吸着水の影響)が変動し、画質の低下を生じる場合がある。
【0078】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ましくは50〜75℃、より好ましくは55〜65℃であり、更に数平均分子量(Mn)は好ましくは1,500〜50,000、より好ましくは2,000〜20,000であり、重量平均分子量(Mw)は好ましくは6,000〜100,000、より好ましくは10,000〜90,000であることが良い。
【0079】
本発明のトナーは、ワックスを含有してもよい。
【0080】
本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0081】
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
【0082】
また、本発明においては、荷電制御剤を添加して使用することが好ましい。負荷電制御剤の具体例としては、特公昭41−20153号,特公昭42−27596号,特公昭44−6397号,特公昭45−26478号などに記載されているモノアゾ染料の金属錯体、さらには特開昭50−133838号に記載されているニトロフミン酸及びその塩或いはC.I.14645などの染顔料、特公昭55−42752号,特公昭58−41508号,特公昭58−7384号,特公昭59−7385号などに記載されているサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,Fe,Zr等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、ニトロ基,ハロゲンを導入したスチレンオリゴマー,塩素化パラフィン等を挙げることができる。特に分散性に優れ、画像濃度の安定性やカブリの低減に効果のある、一般式(I)で表されるアゾ系金属錯体や一般式(II)で表される塩基性有機酸金属錯体が好ましい。
【0083】
【化3】
[式中、Mは配位中心金属を表し、Cr,Co,Ni,Mn,Fe,Ti又はAlを示す。Arは、フェニル基,ナフチル基の如きアリール基であり、置換基を有してもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基,ハロゲン基,カルボキシル基,アニリド基及び炭素数1〜18のアルキル基,炭素数1〜18のアルコキシ基がある。X,X’,Y,Y’は−O−,−CO−,−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。A+は水素,ナトリウムイオン,カリウムイオン,アンモニウムイオン又は脂肪族アンモニウムイオンを示す。]
【0084】
【化4】
【0085】
そのうち上記式(I)で表されるアゾ系金属錯体がより好ましく、とりわけ、中心金属がFeである下記式(III)あるいは(IV)で表されるアゾ系鉄錯体が最も好ましい。
【0086】
【化5】
[式中、X2及びX3は水素原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,ニトロ基又はハロゲン原子を示し、k及びk’は1〜3の整数を示し、Y1およびY3は水素原子,C1〜C18のアルキル,C2〜C18のアルケニル,スルホンアミド,メシル,スルホン酸,カルボキシエステル,ヒドロキシ,C1〜C18のアルコキシ,アセチルアミノ,ベンゾイル,アミノ基又はハロゲン原子を示し、l及びl’は1〜3の整数を示し、Y2およびY4は水素原子またはニトロ基を示し(上記のX2とX3,kとk’,Y1とY3,lとl’,Y2とY4は同一でも異なっていても良い。)、
A”+はアンモニウムイオン,ナトリウムイオン,カリウムイオン,水素イオン又はそれらの混合イオンを示し、好ましくはアンモニウムイオン75〜98モル%を有する。]
【0087】
【化6】
[式中R1〜R20は水素,ハロゲン,アルキル基を示し、A+はアンモニウムイオン,ナトリウムイオン,カリウムイオン,水素イオン又はそれらの混合イオンを示す。]
【0088】
次に上記式(III)で示されるアゾ系鉄錯体の具体例を示す。
【0089】
【化7】
【0090】
【化8】
【0091】
【化9】
【0092】
【化10】
【0093】
【化11】
【0094】
【化12】
【0095】
また、上記式(I),(II),(IV)で示される荷電制御剤の具体例を以下に示す。
【0096】
【化13】
【0097】
【化14】
【0098】
【化15】
【0099】
これらの金属錯化合物は、単独でも或いは2種以上組み合わせて用いることが可能である。これらの帯電制御剤の使用量は、トナーの帯電量の点から結着樹脂100質量部あたり0.1〜5.0質量部が好ましい。
【0100】
一方、トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
【0101】
また、本発明の磁性トナーには、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混合されることが好ましい。例えば、シリカ微粉末を添加して用いることが好ましい。
【0102】
本発明に用いられるシリカ微粉体は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
【0103】
さらに本発明に用いるシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が上げられる。
【0104】
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
【0105】
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ3×10-5〜1×10-3m2/sのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ましい。
【0106】
シリコーンオイル処理の方法は例えばシラン化合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
【0107】
本発明中の磁性トナーには、必要に応じてシリカ微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0108】
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
【0109】
例えばポリ弗化エチレン,ステアリン酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム,炭化ケイ素,チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタン,酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例えばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0110】
磁性トナーと混合される無機微粉体または疎水性無機微粉体は、磁性トナー100質量部に対して0.1〜5質量部(好ましくは、0.1〜3質量部)使用するのが良い。
【0111】
本発明のトナーを作製するには、結着樹脂,磁性酸化鉄及び着色剤を少なくとも含有する混合物が材料として用いられるが、その他、必要に応じて荷電制御剤、及びその他の添加剤等が用いられる。これらの材料をヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製); ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0112】
【実施例】
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数は質量部である。実施例に用いられる樹脂を表1に、ワックスを表2に、磁性酸化鉄粒子を表3に記す。スチレン系樹脂は溶液重合法により合成し、ポリエステル樹脂は脱水縮合法により合成した。磁性体の製造方法については以下のとおりである。
【0113】
・磁性酸化鉄粒子の製造例1
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有量が0.48%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み、80乃至90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
【0114】
種晶の生成が確認されたら、このスラリー液に更に硫酸第一鉄水溶液を適宜加え、スラリー液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み酸化反応を進めた。その間に、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら反応の進行率を調べつつ、適宜硫酸亜鉛を加え、更に水溶液のpHを酸化反応の初期はpHを9に、反応中期にはpHを8に、反応後期にはpHを6にというように段階的に調整することで磁性酸化鉄内での金属元素の分布を制御し、酸化反応を完結させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、ロ過乾燥した。得られた磁性酸化鉄粒子の一次粒子は、凝集して凝集体を形成しているので、ミックスマーラーを使用して磁性酸化鉄粒子の凝集体に圧縮力及びせん断力を付与して、該凝集体を解砕して磁性酸化鉄粒子を一次粒子にするとともに、磁性酸化鉄粒子の表面を平滑にし、表3に示すような特性を有する磁性酸化鉄粒子1を得た。
【0115】
・磁性酸化鉄粒子の製造例2
ケイ酸ソーダの添加量、硫酸亜鉛の添加量及び硫酸アルミニウムを添加した以外は製造例1と同様にして、表3に示す物性を有する磁性酸化鉄2を得た。
【0116】
・磁性酸化鉄粒子の製造例3〜5
ケイ酸ソーダの添加量、硫酸亜鉛の添加量を変えた以外は製造例1と同様にして、表3に示す物性を有する磁性酸化鉄3〜5を得た。
【0117】
・磁性酸化鉄粒子の製造例6
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有量が0.40%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み、80乃至90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
【0118】
種晶の生成が確認されたら、このスラリー液に更に硫酸第一鉄水溶液を適宜加え、スラリー液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み酸化反応を進めた。その間に、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら反応の進行率を調べつつ、適宜硫酸亜鉛を加え、更に水溶液のpHを8に調整しながら酸化反応を完結させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、ロ過乾燥した。得られた磁性酸化鉄粒子の一次粒子は、凝集して凝集体を形成しているので、ミックスマーラーを使用して磁性酸化鉄粒子の凝集体に圧縮力及びせん断力を付与して、該凝集体を解砕して磁性酸化鉄粒子を一次粒子にするとともに、磁性酸化鉄粒子の表面を平滑にし、表3に示すような特性を有する磁性酸化鉄粒子6を得た。
【0119】
・磁性酸化鉄粒子の製造例7
ケイ酸ソーダの添加量、硫酸亜鉛の添加量を変えた以外は製造例6と同様にして、表3に示す物性を有する磁性酸化鉄7を得た。
【0120】
・磁性酸化鉄粒子の製造例8
硫酸第一鉄水溶液中に苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み、80乃至90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
【0121】
種晶の生成が確認されたら、このスラリー液に更に硫酸第一鉄水溶液を適宜加え、スラリー液のpHを10に調整しながら空気を吹き込み酸化反応を進めた。その間に、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら反応の進行率を調べつつ、適宜硫酸亜鉛を加え、更に水溶液のpHを8に調整しながら酸化反応を一旦終了させた。次いで、硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有量が1.10%となるようにケイ酸ソーダを添加水溶液を調製した。これを前述の反応スラリーに加え、更に水溶液のpHを8に調整しながら酸化反応を完結させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、ロ過乾燥した。得られた磁性酸化鉄粒子の一次粒子は、凝集して凝集体を形成しているので、ミックスマーラーを使用して磁性酸化鉄粒子の凝集体に圧縮力及びせん断力を付与して、該凝集体を解砕して磁性酸化鉄粒子を一次粒子にするとともに、磁性酸化鉄粒子の表面を平滑にし、表3に示すような特性を有する磁性酸化鉄粒子8を得た。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
[実施例1]
・結着樹脂C 100質量部
・磁性酸化鉄粒子1 90質量部
・ワックスb 4質量部
・荷電制御剤C 2質量部
上記混合物を、140℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成した。さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径(D4)6.7μmの負帯電性磁性トナー粒子を得た。この得られたトナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BET比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.2質量部とチタン酸ストロンチウム1.0質量部を外添混合してトナーNo.1を調製した。
【0126】
トナー内添処方を表4に記す。
【0127】
このトナー1を、市販のLBPプリンター(LBP−950,キヤノン社製)を1.5倍のプリントスピードに改造し、15℃,10%RHの環境,23℃,60%RHの環境と30℃,80%RHの環境で2万枚のプリント試験を行った。
【0128】
画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度測定を行い、5mm角の画像を測定した。カブリは反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drをカブリ量としてカブリの評価を行った。数値の少ない方がカブリ抑制が良い。これらの評価を、初期、20000枚時、機外に一日放置した後に行った。
【0129】
トナー消費量は、上記画出し試験機を用いて常温常湿環境(23℃,60%RH)で1000枚画出し後、600dpiの10ドット横線パターンで潜像ライン幅が420μmになるように設定し、A4サイズ紙に印字率4%の画像を5000枚出力し、現像器内のトナー量の変化から消費量を求めた。
【0130】
帯電量の立ち上がりの評価については、キヤノン製レーザービームプリンターLBP−1760を16枚/分から24枚/分に改造した画像形成装置を用いて15℃,10%RHの環境で4ドットの横ラインを176ドットスペースおきに印字した横ラインパターンを10秒に1枚の間隔で画だしする間欠プリント試験を行い、1枚目,3枚目,7枚目,15枚目,50枚目,100枚時に5mm角の画像をサンプリングし、画像濃度を測定した。画出し枚数の早いうちから高い画像濃度が得られているものほど帯電量の立ち上がりが早いと言える。
【0131】
画質の評価についてはキヤノン製レーザービームプリンターLBP−1760を16枚/分から24枚/分に改造した画像形成装置を用いて常温常湿環境(23℃,60%RH)で1200dpiの孤立した1ドットのパターンを画出しし、光学顕微鏡で画像を観察してドット再現性を評価した。
A:潜像からのトナーのはみ出しが全く無く、ドットを完全に再現している
B:潜像からのトナーのはみ出しが少しある
C:潜像からのトナーのはみ出しが多い
【0132】
尾引きの評価については、上記画出し試験機を用いて、4ドットの横ラインを20ドットスペースに印字したパターンを画出しし、ライン上で尾引いた数を数えた。
A:発生なし
B:3個未満
C:3〜7個未満
D:7〜15個未満
E:15個以上
【0133】
[実施例2〜4,参考例1〜3,比較例1〜3]
表4に記載の処方で実施例1と同様にトナーNo.2〜10を作製し、同様の試験をした結果を表5〜9に示す。
【0134】
【表4】
【0135】
【化16】
【0136】
【表5】
【0137】
【表6】
【0138】
【表7】
【0139】
【表8】
【0140】
【表9】
【0141】
【発明の効果】
本発明によれば、磁性酸化鉄の最表面の鉄,亜鉛,シリカ原子の原子濃度及びそれぞれの原子の比率を制御することにより、帯電量の立ち上がりの速い,高画質でありながら、良好な現像性,環境安定性を持つことが出来るトナーを得ることが出来る。
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有するトナーにおいて、
該結着樹脂が、酸価1〜100mgKOH/gを有するポリエステル樹脂であり、
該磁性酸化鉄が少なくともSiを磁性酸化鉄を基準として0.1〜2.0質量%及びZnを磁性酸化鉄を基準として0.1〜4.0質量%含有しており、該磁性酸化鉄のX線光電子分光法(XPS)によって測定された最表面の原子濃度がそれぞれSi原子が12.50〜17.50%,Fe原子が70.00〜85.00%,Zn原子が1.00〜7.00%であり、且つ該磁性酸化鉄の最表面におけるZn/Si比が0.05〜0.5,Fe/Si比が3.00〜7.00,Fe/Zn比が10.00〜70.00であり、
該磁性酸化鉄が、(i)第一鉄塩水溶液にケイ酸塩を添加した後にアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を得る工程、(ii)該水酸化第一鉄を含む水溶液をpH7以上且つ70℃以上に調整した状態で空気を吹き込み、該水酸化第一鉄の酸化反応を行い、種晶を含むスラリー液を得る工程、及び、(iii)該種晶を含むスラリー液に、更に該第一鉄塩水溶液及びZnの金属塩を加えた後、該種晶を含むスラリー液をpH9乃至10、pH8乃至9、pH6乃至8の順に調整した状態で空気を吹き込み、該水酸化第一鉄の酸化反応を行い、該磁性酸化鉄を得る工程を少なくとも経ることによって製造されたものであることを特徴とする乾式トナー。 - 該磁性酸化鉄が、Siを磁性酸化鉄を基準として0.3〜1.8質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
- 該磁性酸化鉄が、Znを磁性酸化鉄を基準として0.1〜2.0質量%含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式トナー。
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