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JP4017462B2 - 外壁の断熱構造 - Google Patents

外壁の断熱構造 Download PDF

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JP4017462B2
JP4017462B2 JP2002202530A JP2002202530A JP4017462B2 JP 4017462 B2 JP4017462 B2 JP 4017462B2 JP 2002202530 A JP2002202530 A JP 2002202530A JP 2002202530 A JP2002202530 A JP 2002202530A JP 4017462 B2 JP4017462 B2 JP 4017462B2
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陽輔 千葉
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Asahi Kasei Homes Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のコンクリート版を連続させて構成した外壁の断熱構造に関し、特に軽量気泡コンクリート版と断熱板との間に空気層を確保することが出来る外壁の断熱構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の住宅では軽量気泡コンクリート版(ALCパネル)を用いて外壁を構成すると共に、該ALCパネルの内面に断熱材を配置して断熱構造としたものがある。ALCパネルによって外壁を構成した住宅の断熱構造として多くの構造が提案されているが、一般的には、ALCパネルの内面に木材を取り付け、この木材の間に形成された空間に断熱材を充填し、この断熱材の屋内側に防湿気密フィルムを施工した後、石膏ボード,クロス等の内壁材を取り付けて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記断熱構造では、断熱材の連続性が木材によって遮断され、且つ木材の断熱性能は断熱材の断熱性能よりも劣り、断熱性能が不連続になるため、結局全体としての断熱性能が劣ることになるという問題がある。この場合、木材の比率を下げることで熱的な改善をはかることが出来る。
【0004】
しかし、木材によって分割された断熱材の気密性能に影響を与える隙間を無視し得るようにするには、この隙間に沿って莫大なテープ処理を行なうか、気密シートを施工する必要があり、気密シートを施工する場合には、シート端部を固定するための下地が更に必要になる。これらは、工期の延長やコストの上昇という問題も派生している。
【0005】
本発明の目的は、木材による熱橋の比率を可及的に低減して断熱性能を改善し、且つ断熱材の接続部に於ける気密処理の簡素化をはかると共に断熱材の接続部に生じる隙間の熱的な影響を低減させることが出来る外壁の断熱構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る第1の外壁の断熱構造は、コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板を配置して空気層を確保し、該薄板がフェノール樹脂発泡体からなり、且つ該薄板が前記フェノール樹脂発泡体からなる断熱板の継目に対応して配置されることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明に係る第2の外壁の断熱構造は、コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板を配置して空気層を確保し、該薄板がフェノール樹脂発泡体からなることを特徴とするものである
【0008】
また本発明に係る第3の外壁の断熱構造は、コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板を配置して空気層を確保し、該薄板が前記フェノール樹脂発泡体からなる断熱板の継目に対応して配置されることを特徴とするものである
【0009】
上記断熱構造では、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板を配置することで、該薄板の厚さに対応した空気層を確保することが出来る。このため、空気層によって断熱効果を向上させると共に該空気層によってコンクリート版の呼吸を促進することが出来る。
【0010】
特に、コンクリート版と断熱板との間に配置される薄板をフェノール樹脂発泡体によって形成することで、断熱板の接続部位に生じる可能性のある隙間の断熱的な補強が出来る。また薄板が断熱板の継目に対応して配置されるため、該薄板によって断熱板の継目に於ける気密性を確保することが出来る。
【0011】
また本発明に係る第4の断熱構造は、コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、躯体を構成する構造部材とコンクリート版の間にフェノール樹脂発泡体からなる薄板を配置し、且つ前記構造部材にフェノール樹脂発泡体からなる断熱板の端面を対向させると共に該断熱板を前記薄板を介してコンクリート版に固定することを特徴とするものである。
【0012】
上記断熱構造では、躯体を構成する柱や梁を含む構造部材が存在した場合、断熱板の端面を構造部材に対向させると共に端部を構造部材とコンクリート版との間に配置した薄板を介してコンクリート版に固定することで、断熱板及び断熱性を持った薄板が構造部材を迂回して配置されると共にALCパネルに固定される。このため、構造部材が熱橋となることがなく、断熱性を損なうことがない。
【0013】
上記断熱構造に於いて、構造部材に端面を対向させて配置したフェノール樹脂発泡体からなる断熱板の端部を、前記構造部材に対し気密性を持った気密材によって接続することが好ましい。このように、構造部材と断熱板の端部とを気密材によって接続することで、両者の接続部位に高い気密性を付与することが出来、断熱性能と共に気密性能を確保することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、上記外壁の断熱構造の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る外壁の断熱構造は複数のコンクリート版を並列させて構成した外壁の断熱構造に関するものであり、コンクリート版の屋内側に薄板を配置すると共に該薄板にフェノール樹脂発泡体からなる断熱板を取り付けることで、コンクリート版と断熱板との間に空気層を確保し、これにより、コンクリート版が繰り返す吸湿と放湿のための空間を確保して好ましい断熱性能を発揮し得るように構成したものである。
【0015】
また断熱板が躯体を構成する柱や梁を含む構造部材と交差する部位では、構造部材とコンクリート版との間に薄板を配置し、断熱板の端面を構造部材に対向させると共に断熱板の端部を薄板を介してコンクリート版に固定することで、構造部材の周囲に断熱板を配置し、これらの断熱板によって構造部材が熱橋として作用することを防止し、これにより、好ましい断熱性能を発揮し得るようにしたものである。
【0016】
更に、断熱板が構造部材と交差する部位では、断熱板の端面を構造部材に対向させると共に、両者を気密性を持った気密材で接続することで、構造部材と断熱板との接続部位に於ける気密性を確保し得るようにしたものである。
【0017】
上記コンクリート版としては、住宅建築で一般的に用いられる軽量気泡コンクリート(ALC)パネルや、プレキャスト(PC)パネル等のパネルを選択的に用いることが可能である。
【0018】
上記パネルは夫々の特徴を有するが、ALCパネルの場合、軽量で且つ高い断熱性能を有するため好ましく用いることが可能である。特に、外壁にALCパネルを用いると共に屋内側に空気層を形成することによって高い断熱性能を発揮することが可能である。またALCパネルの屋内側に空気層を形成することによって、共鳴透過現象を防止することが可能となり、吸音性能が向上するという効果も有する。
【0019】
上記フェノール樹脂発泡体としては、本件出願人が開発して既に国際出願(特願2000−558158)した技術(ネオマフォーム(登録商標))があり、このフェノール樹脂発泡体では、断熱板として好ましく使用することが可能である。
【0020】
上記技術に係るフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂基体部と、多数の微細気泡から形成される気泡部とを有する密度が10kg/m3〜100kg/m3のフェノールフォームであり、前記微細気泡が炭化水素が含有し且つ平均気泡径が5μm〜200μmの範囲にあり、大部分の微細気泡の気泡壁が滑らかなフェノール樹脂基体面で構成されている。そして、発泡剤が炭化水素であるにも関わらず、従来のフロン系発泡剤と遜色のない熱伝導率を持ち、且つ熱伝導率の経時的な変化もなく、圧縮強度等の機械的強度に優れ、脆性が改善される。
【0021】
本発明に於いて、コンクリート版の屋内側に空気層を隔てて設けられる断熱板は、フェノール樹脂の発泡体からなり、高い断熱性を有し、且つ断熱性や寸法を長期間維持し得る性質を有している。フェノール樹脂発泡体に於ける断熱性は、気泡径が5μm〜200μmの範囲、好ましくは10μm〜150μmと小さく、且つ独立気泡率を80%以上と高く保持することによって確保することが可能である。またフェノール樹脂発泡体は高い耐燃焼性を有しており、火炎が作用したとき、表面が炭化することで、着火することがない。
【0022】
例えば、フェノール樹脂発泡体の密度を27kg/m3に設定した場合、20℃於ける熱伝導率は0.020W/m・Kであり、圧縮強さは15N/cm2、熱変形温度は200℃である。前記フェノール樹脂発泡体の性能は、押出発泡ポリスチレン3種が熱伝導率;0.028W/m・K、圧縮強さ;20N/cm2、熱変形温度;80℃であることや、硬質ウレタンフォーム2種が熱伝導率;0.024W/m・K、圧縮強さ;8N/cm2、熱変形温度;100℃であることと比較して充分に高い性能を有する。
【0023】
このため、フェノール樹脂発泡体からなる断熱板では、従来の押出発泡ポリスチレンや硬質ウレタンフォームの約2/3程度の厚さで略同等の断熱性能を発揮することが可能である。
【0024】
フェノール樹脂発泡体の表裏面には通常保護層が設けられている。この保護層を構成する材料として特に限定するものではないが、例えばポリエステル不織布を含む合成繊維からなる不織布を用いることが可能である。
【0025】
断熱板の厚さは製造段階で設定され、幅や長さは所望の値に切断される。即ち、断熱板の幅は適用する住宅に設定されたモジュール寸法に対応させて設定することが可能であり、長さも同様にモジュール寸法や1階層分の高さに対応させて設定することが可能である。
【0026】
このため、断熱板の長さを1階層分の高さに対応させて切断した場合には、コンクリート版に取り付ける際の作業を容易に行なうことが可能となり、且つコンクリート版に対する支持部位を少なくすることが可能となり、更に、断熱板の接続部分が少なくなるため気密保持を容易に行なうことが可能である。
【0027】
特に、フェノール樹脂発泡体は圧縮強さが比較的高いので、1階層分の高さで取り付けられた場合であっても、充分に断熱板としての形状を保持することが可能であり、且つ表裏面に配置されて発泡体と一体化された不織布が曲げや剪断或いは引張に対する抵抗部材として機能し、熱的に且つ強度的に信頼性の高い断熱構造を構成することが可能である。
【0028】
薄板はコンクリート版の屋内側の面に断熱板を取り付ける際のスペーサとしての機能を有しており、断熱板をコンクリート版に取り付ける際に空気層を確保する機能を有する。
【0029】
上記機能を持った薄板としては厚さや材料及び形状を特に限定するものではない。薄板としては、コンクリート版の呼吸、即ち、コンクリート版が湿気を吸収し、或いは吸収している湿気を放出することが可能な厚さを持った空気層を確保し得るものであれば良い。このような空気層の厚さとしては7mm程度以上であることが好ましく、このため、薄板も厚さが約7mm程度のものを使用している。
【0030】
また薄板は断熱板をコンクリート版に取り付ける際に両者の間に介在し、ビスが貫通される。このため、薄板は断熱板をコンクリート版に取り付ける際に圧縮して厚さが変化してしまうことは好ましくなく、適度な圧縮強度を有することが必要である。このような薄板の材料として、断熱板と同様の密度を持ったフェノール樹脂発泡体であることが好ましい。
【0031】
一般にフェノール樹脂の発泡体では内部に比較的大きな球状或いは不定形の空隙(ボイド)を有し、このボイドが圧縮強度を低下させる原因となっている。このため、従来、薄板はボイドの影響を受け易く施工上取り扱いが困難であった。しかし、前述のネオマフォームでは、ボイドの総合計面積が全面積の5%以下となり、圧縮強度のバラツキが小さいという特徴を有している。このため、厚さが10mm以下の薄板であっても、取り扱いが容易になっており、上記スペーサとしての機能を有し、且つ適度な圧縮強度が必要な薄板に適用することが可能である。
【0032】
上記薄板(以下「スペーサ」という)は、断熱板の継目に対応して配置される。このようにスペーサを断熱板の継目に対応して配置することで、実質的に断熱板の継目を同材質のスペーサによって覆うことが可能となり、断熱の欠損を補うことが可能である。更に、気密処理を施すことによって気密性を確保することが可能となる。
【0033】
上記の如き機能を有するスペーサの幅は、断熱板の継目に於ける断熱欠損を補填すると共にビスによる断熱板のコンクリート版に対する固定を容易になし得るように、継目の両側にある断熱板の端部に対し充分な接触面積を確保し得る寸法であることが好ましい。
【0034】
スペーサを介して断熱板をコンクリート版に固定するに際し、必ずしもビスを用いる必要はなく、接着剤による接着や、両面テープによる接着等の手段を採用することが可能である。即ち、スペーサ及び断熱板として、表裏面に保護層が形成されたフェノール樹脂発泡体を用いることで、前記保護層を接着媒体として利用することが可能であり、コンクリート版とスペーサを接着すると共に該スペーサに断熱板を接着することで、スペーサを介して断熱板をコンクリート版に固定することも可能である。
【0035】
また、ビスを利用して断熱板をコンクリート版に固定する場合であっても、必ずしも断熱板に直接ビスを打ち込むことで固定する必要はなく、所定の高さに且つ断熱板を横方向に横断して配置された桟を介して固定することも可能である。この場合、桟はビスによってスペーサ,断熱板を介してコンクリート版に固定されることになる。
【0036】
断熱板の継目に配置されるスペーサを断面が凸字状に形成し、凸部を断熱板の継目に挿入して固定し得るようにしても良い。即ち、スペーサ(薄板)は、必ずしも平板である必要はなく、凸字状或いは他の形状に形成されていても良い。また気密性を確保するために、断熱板の継目を2枚の平板によって閉鎖しても良い。この場合、2枚の平板のうち、コンクリート版側に配置された平板がスペーサとしての機能を発揮し、屋内側に配置された平板が気密性を確保する材としての機能を発揮する。更に、屋内側に断面が凸字状に形成された材を配置し、コンクリート版との間に平板からなるスペーサを配置すると共に、前記材の凸部を断熱板の継目に挿入しても良い。
【0037】
躯体を構成する構造部材としては、角パイプからなる柱やH形鋼からなる梁等がある。本発明に於いて、構造部材として柱,梁に限定することなく、建物の躯体を構成する部材の全てを対象としている。また断熱板を接続する構造部材の部位は特に限定するものではないが、柱を構成する角パイプの側面や梁を構成するH形鋼のフランジ面となるのが一般的である。
【0038】
躯体を構成する構造部材と断熱板を接続する際に用いる気密材としては、気密性を保持して両者を接続し得るものであれば利用することが可能である。このような気密材としては、構造部材に於ける断熱板を接続すべき位置に接着剤等によって取り付けられた弾性と気密性を持ったパッキン材や、気密性を持った金属フィルムや合成樹脂フィルムの一方の面に接着剤或いは粘着剤が塗布された気密テープがあり、夫々選択的に用いることが可能である。
【0039】
構造部材に断熱材の端面を対向させて端部を気密テープによって接続する場合、断熱板を構成するフェノール樹脂発泡体の表裏面に設ける保護層は、良好な被接着性を有することが好ましい。このように、保護層が被接着性を有することによって、粘着性を持った気密テープを利用して、隣接する断熱板どうし、或いは断熱板と構造部材を構成する柱や梁とを確実に接続することが可能である。
【0040】
またスペーサに対応させて配置した2枚の断熱板の端部を接続したとき、この継目の屋内側に気密テープを貼り付けて塞ぐことで、より高い気密性を発揮させることが可能である。従って、連続させた断熱板によって断熱性能と共に気密性能を発揮することが可能となる。
【0041】
以下、本発明に係る外壁の断熱構造の好ましい例を図を用いて説明する。図1は住宅に於ける外壁の断熱構造を説明する縦断面図である。図2は外壁の断熱構造を説明する平断面図である。図3は外壁の断熱構造を説明する柱を含む平断面図である。本実施例に於いて、外壁を構成するコンクリート版としてALCパネルを用いている。
【0042】
図1,2に於いて、ALCパネル1は、図示しない取付金具を介して建物の躯体を構成する梁2に取り付けられている。ALCパネル1を梁2に取り付ける構造は種々のものが提案されており、これら公知の構造を適宜選択して使用することが可能である。
【0043】
ALCパネル1の屋内側の面に、フェノール樹脂発泡体からなるスペーサ3が取り付けられ、該スペーサ3にフェノール樹脂発泡体からなる断熱板4が取り付けられている。断熱板4は、幅寸法が目的の住宅に設定されたモジュール寸法と対応しており、長さが1階層の高さに対応している。特に、長さが1階層の高さに対応するとの意味は、1階層分の高さと同一の長さということではなく、1階層の屋内の高さ、即ち、床パネル5の表面から梁2の下フランジ2aまでの距離と略等しい寸法を有している。
【0044】
ALCパネル1と断熱板4との間に比較的に圧縮強度の大きいスペーサ3が介在するため、断熱板4をビス7によって固定したときスペーサ3の厚さが変化することがなく、ALCパネル1と断熱板4との間に安定した幅寸法を持った空気層6が形成される。そして、この空気層6によってALCパネル1の湿気の放散,吸収を円滑に行なうことが可能であり、且つ空気層6による断熱層を確保することが可能である。
【0045】
本実施例では、ビス7によって断熱板4を固定する際に、屋内側の壁の下地8を取り付ける取付金具9を同時に固定している。しかし、このように断熱板4の固定と取付金具9の固定を1本のビス7で行なうか、別の手段で行なうかは限定するものではなく、屋内側の壁の下地8を固定する構造との関係で最も合理的な手段を選択すべきである。
【0046】
スペーサ3の幅は、断熱板4の継目に於ける気密性を確保すると共にビス7による固定を容易になし得るように、継目の両側にある断熱板4の端部に対し充分な接触面積が確保されている。従って、断熱板4の継目が外壁を構成するALCパネル1との熱橋となることがなく、且つ空気層6に対する気密性を確保することが可能である。このため、断熱の欠損を防止することが可能となる。
【0047】
特に、スペーサ3に対応して形成された断熱板4の継目の屋内側に気密性を持った気密テープ13を貼り付けて該継目を塞ぐことで、この継目に高い気密性を付与することが可能である。このため、ビス7によって断熱板4をスペーサ3に対し高い力で圧接させなくとも、確実な気密性を発揮することが可能となる。
【0048】
図3に示すように、屋内側の壁の下地8は配置位置が躯体を構成する柱12の屋内側の面12aによって規制されるのが一般的である。一方、前述したように、フェノール樹脂発泡体からなる断熱板4は従来の断熱材に比較して高い断熱性能を有する。このため、屋内側の壁の下地8に取り付けた石膏ボード等の壁下地材10と断熱板4との間に空間11が形成され、該空間11を利用して、屋内側の電気配線や配管を行なうことが可能となる。
【0049】
また断熱板4が柱12と交差する部位では、断熱板4の端面が柱12の側面12bに対向した状態でスペーサ3を介してALCパネル1に固定され、ALCパネル1と柱12との間に形成された間隙にスペーサ3が挿入される。このため、柱12の有無に関わらず、ALCパネル1の屋内側の面には、所定の間隔でスペーサ3が配置されて固定され、スペーサ3の間には断熱板4が空気層6を隔てて対向する。
【0050】
即ち、断熱板4の端面が柱12の側面12bと対向すると共に端部表面がスペーサ3の表面に当接し、屋内側から打ち込まれたビス7によって、断熱板4がスペーサ3を介してALCパネル1に固定される。
【0051】
尚、前述したように、断熱板4をスペーサ3を介してALCパネル1に固定するに際し、必ずしもビス7を利用する必要はなく、接着剤や両面テープを利用して固定することも可能である。また断熱板4の屋内側の面に図示しない桟を配置し、該桟を利用して固定することも可能である。特に、桟を利用した場合、この桟を水栓ボックス等の取付下地として用いることも可能となる。
【0052】
従って、外壁を構成するALCパネル1の屋内側の面をスペーサ3と断熱板4によって覆うことで、断熱することが可能となる。
【0053】
上記の如くして断熱板4の端面を柱12の側面12aに対向させてスペーサ3に固定した後、断熱板4の端面と柱12の側面12aとの対向部位は気密テープ13によって塞がれて気密性を発揮し得るように構成されている。このため、断熱板4の端面と柱12の側面12bの間に隙間が形成されたとしても、この隙間は気密テープ13によって塞がれて高い気密性を発揮することが可能である。
【0054】
また柱12の側面12b所定位置に弾性と気密性を持った、例えばゴム製のパッキン材(図示せず)を固着しておき、このパッキン材に対して断熱板4の端面を圧接させることで気密性を発揮させることも可能である。このように、パッキン材を用いる場合には、気密テープを貼り付ける必要がないため、柱12の側面12bに他の部材(例えばブレースや筋交等)が設けられており気密テープを貼り付けることが困難な場合に有利である。
【0055】
また断熱板4の継目、或いは断熱板4と柱12との交差部に気密性を持った気密テープ13やパッキン材を配置することで、高い気密性と高い断熱性を実現することが可能である。
【0056】
本実施例では、コンクリート版としてALCパネル1を用いると共に該ALCパネル1の屋内側に空気層6を形成することによって、極めて高い断熱性能を確保することが可能であり、且つ共鳴透過現象を防止して高い吸音効果を発揮することが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る外壁の断熱構造では、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板(スペーサ)を配置することで、該薄板の厚さに応じた空気層を確保することが出来、該空気層によって断熱効果を向上させると共にコンクリート版の湿気の吸収,放散を促進することが出来る。
【0058】
特に、フェノール樹脂発泡体が一対のシートの間で連続的に発泡させて成形されるため、1階層の高さに対応した長さを持った断熱板を製造することが可能であり、高い作業性を確保することが出来る。また表裏面に設けたシートが曲げや剪断,引張に対する抵抗部材となり、強度を確保すると共に安定した性能を維持することが出来る。
【0059】
また大型の断熱板を用いることによって、継目を少なくすることが出来、更に、継目に設けた薄板によって継目の補強を行なうことが出来る。
【0060】
またコンクリート版と断熱板との間に配置される薄板をフェノール樹脂発泡体によって形成することで、コンクリート版と断熱板を薄板によって熱的に遮断することが出来、該薄板が熱橋を構成することがない。このため、高い断熱性能を確保することが出来る。また薄板が断熱板の継目に対応して配置されるため、該薄板によって断熱板の継目に於ける熱の伝導と気密性を確保することが出来る。
【0061】
更に、断熱板,薄板をフェノール樹脂発泡体によって構成した場合、これらの断熱性能や形状的な性能が経時的に変化することがないため、長期間安定した断熱性を維持することが出来る。
【0062】
また断熱板の端面を構造部材に対向させると共に端部を構造部材とコンクリート版との間に配置した薄板に接続することで、断熱板は構造部材を迂回して配置される。このため、躯体を構成する柱や梁を含む構造部材が存在した場合であっても、構造部材が熱橋となることがなく、断熱性を損なうことがない。
【0063】
また構造部材に端面を対向させて配置した断熱板の端部を構造部材に対し気密材によって接続することで、両者の接続部位に高い気密性を付与することが出来、断熱性能と共に気密性能を確保することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】住宅に於ける外壁の断熱構造を説明する縦断面図である。
【図2】外壁の断熱構造を説明する平断面図である。
【図3】外壁の断熱構造を説明する柱を含む平断面図である。
【符号の説明】
1 ALCパネル
2 梁
2a 下フランジ
3 スペーサ
4 断熱板
5 床パネル
6 空気層
7 ビス
8 屋内側の壁の下地
9 取付金具
10 壁下地材
11 空間
12 柱
12a 屋内側の面
12b 側面
13 気密テープ

Claims (5)

  1. コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板を配置して空気層を確保し、該薄板がフェノール樹脂発泡体からなり、且つ該薄板が前記フェノール樹脂発泡体からなる断熱板の継目に対応して配置されることを特徴とする外壁の断熱構造
  2. コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板を配置して空気層を確保し、該薄板がフェノール樹脂発泡体からなることを特徴とする外壁の断熱構造
  3. コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、コンクリート版とフェノール樹脂発泡体からなる断熱板との間に薄板を配置して空気層を確保し、該薄板が前記フェノール樹脂発泡体からなる断熱板の継目に対応して配置されることを特徴とする外壁の断熱構造
  4. コンクリート版からなる外壁の断熱構造であって、躯体を構成する構造部材とコンクリート版の間にフェノール樹脂発泡体からなる薄板を配置し、且つ前記構造部材にフェノール樹脂発泡体からなる断熱板の端面を対向させると共に該断熱板を前記薄板を介してコンクリート版に固定することを特徴とする外壁の断熱構造。
  5. 躯体を構成する構造部材に端面を対向させて配置したフェノール樹脂発泡体からなる断熱板の端部を、前記構造部材に対し気密性を持った気密材によって接続することを特徴とする請求項4に記載した外壁の断熱構造。
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