JP4015562B2 - レインコートとその製造方法及びたるみ防止部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレインコートに関し、特に雨天の際に着脱が容易なレインコートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、雨天の際に着用するレインコートとしては、単車や自転車用、歩行時に使用する様々なものが知られている。これらのレインコートは、着脱の容易さからレインコートの前身頃などをファスナーやスナップボタンなどで開閉する構造となっているものがほとんどである。
これらのレインコートとしては例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載の技術がある。特許文献1では、自転車用などの雨具に関し、上下一体のものとし胸元のファスナーにより簡単に着用できるレインコートが記載されている。特許文献2ではレインコートに関し、各所を一体化しオープンファスナーにより開閉することによって靴を履いたままでの狭い場所での着脱を容易にしたレインコートが記載されている。特許文献3では上下続き服として、止着するファスナーなどから雨水が浸み込むことがなく防水効果を高めると共に、作業がし易いレインコートが記載されている。
【0003】
さらに、携帯に便利な簡易的なものでは、安価な生地を使用して、フード部が備えられた末広がりになっている単に羽織るだけのものも市販されている。
【0004】
【特許文献1】
実開昭62−51117号公報(図1、図2)
【特許文献2】
特開2002−88528号公報(図1など)
【特許文献3】
実公昭63−50249号公報(図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに上記従来のレインコートでは、着用が容易ではあるが雨水を防ぐのが十分でなかったり、各パーツに分離されるので高いコストがかかるものであった。例えば、特許文献1に記載のレインコートでは、フード部と胴部、腕部、脚部が一体とされているが、手部や足部は外部に露出したままの状態であり別の手袋などが必要となり、手首や足首から雨水の侵入するおそれがある。その上、脱着のために前身頃にファスナーが取り付けられており、少量の雨の場合には問題とならないが、強い風雨の場合には、或いは単車に乗っている場合には、雨がファスナー部に直接当たり、ファスナーの取り付け部などから浸透して、雨水が衣服内部に侵入してしまうことがある。
【0006】
特許文献2に記載のレインコートでは、上衣とズボンとペプラムから構成されており、さらにオープンファスナーが使用されており、裁断や縫製などに手間がかかり、製作するには各パーツの準備が必要となりコストがかかることが予想される。また強風の場合にはペプラムがまくれ上がったり、手部と足部さらにフード部を別に準備する必要があるので、不便である。
特許文献3に記載のレインコートでは、構成が複雑でありコストがかさむ。その上、脱着は前身頃のスナップボタンにより、フード部が分離されており、手部及び足部は別に手袋などを装着する必要があるために雨水が内部へ侵入するおそれがある。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、レインコートを手部や足部を含めた袋状とすることにより、着脱が容易であると共に雨水の侵入を防止し、簡易に製造できるレインコートとその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、次の技術的手段を講じた。
すなわち、防水性を備えるシート材からなるレインコートにおいて、手全体を覆う袋状の手部及び/又は足全体を覆う袋状の足部が、前記レインコートの一部に一体化され、
頭部全体を覆うフード部と、胴部、腕部及び前記手部全体を覆う上着部と、脚部及び前記足部全体を覆うズボン部とが一体的に連続し、かつ前記フード部の顔面に対応する部分にのみ開口部が形成されると共に、この開口部を開閉するための調節手段が設けられ、この開口部を介して着脱可能とされていることを特徴とする。
【0009】
これにより、手や足を覆う部分とレインコートの繋ぎ目がなくなるので、雨水が内部へ侵入することがない。また、別パーツとして手袋などを用意する必要がない。
また、フード部の顔面に対応する部分にのみ開口部が形成され、胴部や脚部だけでなく、手部や足部も一体的にすっぽりとこのレインコートで覆ってしまうことができる。したがって、従来のレインコートのように、首筋、上着とズボンの間、手首や足首の部分からの雨水の侵入を防ぐことができる。さらに、開口部には開閉する調節手段が設けられているので、レインコートを着用した後に、この調節手段によって開口部を顔面部に密着させることができる。また、開口部を広げることにより身体が挿通できる開口部が形成されるので、簡単にレインコートを脱ぐことができる。
【0010】
さらに、すべての部位が一体化されたものとなっているので、フード部などのパーツを別に準備する必要がない。
ここで、防水性を有する素材や生地としては、特に限定されないが例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニール、ポリアセテート、不織布、多孔性樹脂、防水加工された紙や布帛などを使用することができる。
また、前記調節手段は、環状の緊締部材を、前記開口部の周縁部に沿うように形成された把持部に取り付けられることにより構成されていることを特徴とする。
【0011】
これにより、開口部の大小を調節することができるので、かかる開口部を必要に応じて絞ったり、広げたりすることが可能となる。
また、身体各部の形状に対応するように形成されていることを特徴とする。
これにより、例えばレインコートの手部に指の形状を形成することによって、単車や自転車のグリップが握り易くなるしフィット感が向上する。
また、前記手部の掌面及び/又は前記足部の足裏面に滑り止めが備えられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、グリップを握ったときにはグリップから手が滑りにくくなり、滑り易い路面上を歩行した場合には足が滑りにくくなる。
また、前記シート材が伸縮性を有する素材からなることを特徴とする。
これにより、レインコートに伸縮性を付与することができる。
また、前記レインコートを着用した状態におけるたるみを解消するたるみ防止部材であって、前記たるみ防止部材には、当該たるみ防止部材を前記レインコートに貼り付けるための粘着剤が所定の粘着エリアに塗布されていることを特徴とする。
【0013】
これにより、一部に粘着剤が塗布されたたるみ防止部材をたるみを折り込んだ部分の上に、貼り付けることによってたるみを簡単に固定できる。このたるみ防止部材は例えば、矩形状のたるみ防止部材の長手方向の両端部を半円形状として、この半円形部を掴み部とし、この掴み部を残した部分に粘着剤を塗布することができる。粘着剤の種類は、シート材に粘着性を有するものであれば、どのようなものでもよく、アクリル系やウレタン系などの粘着剤が使用できる。
なお、たるみ防止部材は上記形状に限らずどのような形状としてもよく、正方形や丸形などの形状とすることもできる。
【0014】
また、所要寸法の防水性を有するシート材の周縁部の一部に凹部が形成された前身頃と、前記シート材の周縁部の一部に凸部が形成された後身頃とを切り取る第一工程と、前記前身頃と後身頃とを重ね積層シートとし、前記凹部と凸部を組み合わせることにより身体が挿通可能な開口部を形成すると共に、この開口部が略顔面に対応する位置となるように前記積層シートを略等身形状に切り取り、その周縁部を接合する第二工程と、前記開口部の周縁部に環状の緊締部材を把持可能な把持部を設け、この把持部を介して前記緊締部材を前記開口部の周縁に取り付ける第三工程と、を含む工程により製作されることを特徴とする。
【0015】
これにより、顔面に対応する部分にのみ開口の大小の調節機能を備えた開口部を有する袋状のレインコートを製作することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3は本発明にかかるレインコートの一実施形態を示している。
図1及び図2に示すように、レインコート1には頭部全体を覆う下方へ広がったフード部2が備えられている。このフード部2の下部には、縦長の胴部3が繋がっている。前記胴部3の左右には一対の腕部4が繋がっている。この腕部4の先端にはそれぞれ手部5が備えられている。この手部5にはさらに指部6が備えられている。
【0017】
また、胴部3の下部には、下方に一対の脚部7が繋がっている。この脚部7の下端部には、縦長の足部8が備えられている。これらにより上着部とズボン部が一体的に形成された袋状のワンピース構造となっている。
レインコート1には、フード部2の顔面に対応する部分にのみ開口部9が形成されると共に、この周縁部には開口部9の大小を調節するための調節手段10が設けられている。開口部9を絞った状態(レインコート1の使用時)の該開口部9は図1に示すように、略顔面の周縁に密着させた状態となっている。
【0018】
調節手段10は、図2及び図3に示すように環状の緊締部材11が、開口部9の縁部に沿って設けられた把持部12に挿通されることにより構成されている。把持部12は開口部9の縁部を緊締部材11を挿通できるように折り返して、折り返した先の部分を融着やその他接合方法により固定する。例えば、開口部8の縁部を折り返さずに緊締部材11を直接接合することもできる。緊締部材11は、弾性を備えた素材であれば特に限定するものではないが、例えばゴム材やウレタン材などが好適である。また緊締部材11には非弾性体も使用することができ、この緊締部材11を一箇所で引き絞ることにより開口部9の大小を調節することもできる。
【0019】
この調節手段10によって、図3に示すように開口部9の大小が調節可能となっている。図3(a)は、レインコート1の着用時に開口部9を縮めた状態を示し、図3(b)は、レインコート1の着脱時の開口部9を広げた状態を示している。このように、前記開口部9の大小の調節ができるのでこの開口部9を介してのレインコート1の着脱が可能となっている。
腕部4の先端には手部5が設けられており、この手部5は5本の指がそれぞれ挿入できるように指部6が形成されている。なお、指部6を形成せずに、手部5の先端部を一体的に形成してもよいし、親指のみを形成して残りの指を一体的に形成してもよい。指部6を形成した場合、例えば単車に乗ったときのハンドルグリップが握り易くなるなど、レインコート1を着用したままで指を使用し易くなる。
【0020】
なお、指部6の親指は図2に示すように身体の内側に沿うように配置され、順手の状態で指部6に挿入できるようにされている。このため、例えばレインコート1を着用して単車などに乗った場合にグリップを握るために腕部4が捻れてしまうのを防ぎ、レインコート1の着用感を損なうことがない。
さらに、手部5の掌面には樹脂などを固着させることにより滑り止めを設けることができる。これにはゴム材などを例えば前記掌の全体にわたって点在させることができる。足部8の足裏面にも、前記手部5と同様の方法で滑り止めを設けることができる。
【0021】
以上のように、開口部9が形成されたフード部2から足部8にかけて繋ぎ目がなく連続して一体となっている。したがって、レインコート1を着るときは、図3(b)に示すように開口部9を広げ、この広がった開口部9から体を入れてレインコート1を着用する。着用した後は、図3(a)に示すように、かかる開口部9を顔面に密着するように絞って、フード部2が脱げてしまうことがないようにすると共に、雨水などが外から入ってこないようにする。
このように、レインコート1には繋ぎ目がなく着衣の上から手部5及び足部8を含め、レインコート1をすっぽりと着ることで、顔面以外のすべての部分がこのレインコート1で覆うことができるので、開口部9以外の部分からは雨水などがレインコート1内へ侵入できないようになっている。また、レインコート1は身体の寸法に比べて全体に余裕をもった大きさとなっており、背広やコートなど厚手の衣類を着用したまま、又はヘルメットをかぶったままやリュックを背負ったままでレインコート1を着ることが可能となっているので簡易的なレインコート1として利用価値が高い。
【0022】
さらに、レインコート1を伸縮性を有する素材あるいは生地で製作することもできる。これにより、レインコート1を着用した状態での動作がし易くなると共に、体を屈曲したときの各部の引きつれを解消することができるので、レインコート1が破れてしまうのを防ぐことができる。
また、股下部分を短くしてスカートやロングコートを着たままでレインコート1を着用できるようにすることもできる。
以上の実施形態では、レインコート1の最下端部である足部8の底部が完全に閉塞されているが、この底部に水抜き孔を形成してもよい。水抜き孔を形成することで、強い風雨によって外側から侵入にた雨水は下方に落下し、前記底部の水抜き孔から外に流れるようになる。
【0023】
レインコート1を着用した状態で開口部9を覆うシェード部材を設けてもよい。例えば樹脂性のシート材などで作った別のシェード部材を作製し、開口部9の周縁部に面ファスナーやスナップボタンなどのシェード部材を固定する手段を設けて、着用後にシェード部材を開口部9を覆うように取り付けて、顔面部分から雨水が浸入できない。また、レインコート1内部のムレを防ぐために、レインコート1の各所に通気孔を設けてもよい。
レインコート1の素材や生地は防水性のものであれば、特に限定されないが、素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニール、ポリアセテート、不織布、多孔性樹脂などを使用することができる。さらに素材や生地を薄手にすることで、市販時のパッケージを小さくできて携帯がし易く、小さく丸めて廃棄することができるので便利である。また、安価な素材を使用することで、使い捨てに供することができる。また、再生プラスチックや生分解生プラスチックを使用することで環境負荷を低減できる。
【0024】
図4は、レインコート1を着用したときに生じるたるみを解消するためのたるみ防止部材13を示している。このたるみ防止部材13は矩形状基材の長手方向の両端部が半円形状に形成され、この一対の半円形状の部分が摘み部14とされている。前記摘み部14以外の部分には、レインコート1に貼着するための粘着剤15が塗布されている。図1に示すように、レインコート1のたるみを折り込んだ部分の上にこのたるみ防止部材13を貼り付けることによって、たるみを簡単に解消できる。また、摘み部14を摘んでレインコート1に貼着したり、剥がしたりすることができるので便利である。
【0025】
粘着剤の種類は、レインコート1を構成するシート材に粘着性を有するものであれば、どのようなものでもよく、例えばアクリル系やウレタン系などの粘着剤が使用できる。また、たるみ防止部材13の基材は、ポリエチレンやナイロンなど各種の合成樹脂などが使用でき、特に限定されるものではない。
また、足部8に足を入れた後、足首上部のたるんだ部分を前記たるみ防止部材13で固定することにより、足周りの部分においてもレインコート1をフィットさせ着用感を上げることができる。
【0026】
このように、たるみ防止部材13はレインコート1のどの部分に取り付けてもよく、上記の他、首部分にたるみ防止部材13を固定することで、たるみを解消でき風でなびくのを防止することができる。また、背丈が低い人が着用する場合に、足部8や腕部4の所要部にたるみ防止部材13を縦に取り付けることで足部8や腕部4の余った部分を折り込んだ状態で固定することもできる。
本実施形態にかかるレインコート1は次のようにして製造することができる。図5は第一の製造方法の一部を図示している。すなわち、所要形状のポリエチレンシートから図5(b)に示す凹部20が形成された前身頃22と、図5(a)に示す凸部21が形成された後身頃23を切断する。この凹部20と凸部21の大きさは、これらを組み合わせて開口を形成したときに、身体が挿通可能な大きさとされている。その後、前記凹部20と凸部21を合わせつつ、前記前身頃22と後身頃23を重ね合わせて積層シート24とし、この積層シート24を図5(c)に示すように身体の形状に打ち抜くと同時に周縁部を接合する。
【0027】
打ち抜きは、身体よりも全体に大きめとするか、リュックを背負った状態で着用できるようにするために、背中の部分が所望の大きさに象られた打ち抜き刃が備えられた金型によって行われる。さらにこの金型には、打ち抜きと同時に積層シート24を融着するための融着装置が打ち抜き刃に沿うようにして備えられている。なお、接合は他の接合方法によるものとしてもよい。
まず、積層シート24を身体に象られた形状に打ち抜き、前記凹部20及び凸部21を除く周縁部を融着によって接合した後、前記凹部20と凸部21で形成された開口部9の周縁部に把持部12を設ける。この把持部12は、開口部9の周縁部を折り返して形成される。折り返した縁部は加熱によって融着するか、その他の接合方法によって接合される。次に、緊締部材11である略顔面の周縁部と同じ大きさのゴム材を前記把持部12に挿通することにより、開口部9の大小を調節可能とする。その後、手部5の掌面と足部の足裏面に滑り止めを設けるため、ゴム材やその他のすべり止め材を塗布する。
【0028】
このようにして製作されたレインコート1は、フード部2の顔面に対応する部分にのみ開口部9が形成され、フード部2から足部8までが一体的に袋状となったワンピース構造となる。また、以上の実施形態においてロールに巻かれた所要寸法のシート材を送りだしつつ、前身頃22と後身頃23を連続的に切断すると効率的な製造が可能となる。
また、上記製造方法において、前身頃22と後身頃23を別々に形成せず、最初から重ね合わされたポリエチレンシートを一度の切断作業により開口部9が形成されたレインコート1を製作することもできる。すなわち、金型に設けられた打ち抜き刃で、開口部9の上縁部と該開口部9以外は二層とも貫通させ、開口部9の下縁部に限っては、前身頃のみを切断し、後身頃には打ち抜き刃が到達しないようにすることでより効率化が図れる。
【0029】
また、前記第1の製造方法において前身頃22と後身頃23に凹部20や凸部21を形成せずに同形状の積層シート24とし、前記よりもフード部2の上下寸法を長くとった形状に打ち抜いて形成してもよい。
また、レインコート1を立体的に形成する第2の製造方法により製作することもできる。この第2の製造方法は、まず身体が挿通可能とされる開口部9を形成可能なフード部2を含む身体各部を象る凹部が形成された上金型(又は下金型)と、この上金型に係合する下金型(又は上金型)の間に溶融樹脂フィルムを挟んで一定の圧力と温度を加えて前身頃22を形成する。そして、身体各部の形状に象られた前記前身頃22のフード部2の顔面に対応する部分に開口部9を形成する。次に、前記と同じ樹脂フィルムで、略身体の形状に象られた後身頃23を形成する。
【0030】
次に、前記と同様の方法によって前身頃の開口部9の大小を調節するための調節手段10を設けた後、この前身頃22と後身頃23を融着などにより接合し、手部5及び足部8に滑り止めを設けてレインコート1を製造する。このようにして、製造されたレインコート1は、第一の製造方法により製作されたレインコート1よりも立体的に作られており、身体へのフィット感が向上する。
また、第3の製造方法として、身体の形状に立体的に形成された人型を造形し、この人型の表面に樹脂を塗布した後にこの樹脂を硬化させ、この硬化樹脂を人型から剥離させることによりレインコート1を製作することもできる。この第3の製造方法はまず、金属や樹脂などで身体よりも大きめの人型を形成する。この場合、頭部を覆うフード部2を形成する場合、身体が挿通できる開口部9を形成できる大きさとする必要がある。造形された人型の表面に硬化性樹脂をスプレーなどにより噴霧した後、溶剤などを揮発させてこの硬化性樹脂を硬化させる。硬化した樹脂を人型から剥がし、顔面に対応する部分に開口部9を形成し、レインコート1を製作する。手部5や足部8に設ける滑り止めや、開口部9の調整手段10は前記と同様の方法によって取り付けられる。この第3の製造方法において、樹脂溶液に人型を浸漬して引き上げた後、人型の表面に樹脂を形成させてもよい。
【0031】
レインコート1を製造した後、フード部2から足部8に向かって縦に折り込んでいき、折り込んだ後は足底のみの形状が表れるようにし、この部分へ足を踏み入れて、折り込まれた部分を引き上げるようにすることで着用が極めて簡易とすることができる。また、レインコート1の腕部4や胴部3などを、それら各部の寸法に合わせた緊締部材11で緊締することによりレインコート1のたるみを防止しフィット感をもたせたり、寸法を調節することができる。
本発明にかかる実施形態は以上のとおりであるが、その他の実施形態に応じた設計変更は可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レインコートをフード部にのみ開口部が形成された袋状とすることにより、着脱が容易であると共に雨水の侵入を防止し、安価かつ簡易に製造できるレインコートとその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レインコートを着用した状態を示す斜視図である。
【図2】 レインコートの正面図である。
【図3】 (a)フード部を絞った状態を示す正面図である(着用時)。
(b)フード部を広げた状態を示す正面図である(着脱時)。
【図4】 たるみ防止部材の正面図である。
【図5】 (a)第1の製造方法における後身頃の正面図である。
(b)同製造方法における前身頃の正面図である。
(c)積層シートを身体の形状に象った状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 レインコート
2 フード部
9 開口部
10 調節手段
13 たるみ防止部材
Claims (7)
- 防水性を備えるシート材からなるレインコートにおいて、手全体を覆う袋状の手部及び/又は足全体を覆う袋状の足部が、前記レインコートの一部に一体化され、
頭部全体を覆うフード部と、胴部、腕部、前記手部全体を覆う上着部と、脚部、前記足部全体を覆うズボン部とが一体的に連続し、かつ前記フード部の顔面に対応する部分にのみ開口部が形成されると共に、該開口部を開閉するための調節手段が設けられ、該開口部を介して着脱可能とされていることを特徴とするレインコート。 - 前記調節手段は、環状の緊締部材が前記開口部の周縁部に沿うように形成された把持部に取り付けられることにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレインコート。
- 身体各部の形状に対応するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレインコート。
- 前記手部の掌面及び/又は足部の足裏面に滑り止めが備えられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレインコート。
- 前記シート材が伸縮性を有する素材からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレインコート。
- 請求項1から5に記載のレインコートを着用した状態におけるたるみを解消するたるみ防止部材であって、前記たるみ防止部材には、当該たるみ防止部材を前記レインコートに貼り付けるための粘着剤が所定の粘着エリアに施されていることを特徴とするたるみ防止部材。
- 所要寸法の防水性を有するシート材の周縁部の一部に凹部が形成された前身頃と、前記シート材の周縁部の一部に凸部が形成された後身頃とを切断する第一工程と、
前記前身頃と後身頃とを重ねて積層シートとし、前記凹部と凸部を組み合わせることにより身体が挿通可能な開口部を形成すると共に、この開口部が略顔面に対応する位置となるように前記積層シートを略等身形状に切断し、その周縁部を接合する第二工程と、
前記開口部の周縁部に環状の緊締部材を把持可能な把持部を設け、この把持部を介して前記緊締部材を前記開口部の周縁に取り付ける第三工程と、
を含む工程により製作されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレインコートの製造方法。
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