JP4015455B2 - 歪補償装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は歪補償装置に関し、特に非線形歪を有する回路の非線形歪みを適応的に補償する歪補償装置に関するものである。
近年、移動端末を始めとする無線通信において、リソースである周波数の利用効率を高めるために線形変調方式が用いられる傾向にある。この線形変調方式において、非線形歪を有する回路、例えば電力増幅器における入出力電力特性の非線形特性と、これに起因する電力利用効率の低さとが問題になる。これを解決するためには、電力増幅器の入出力特性を歪の無い線形に補償することは重要である。
【0002】
【従来の技術】
線形特性を有する電力増幅器300を実現する方式として、フィードフォワード型を初めとした様々な方式が提案されており、その内の一つにフィードバックループを有する適応プリディストータ型補償方式がある。
【0003】
図19(1)は、電力増幅器300の非線形特性をフィードバックループで補償する適応プリディストータ型歪補償装置110を示している。この適応型歪補償装置110は、適応型歪補償アルゴリズム処理部130と乗算器120で構成されている。
同図(2)は、電力増幅器300の入出力電力特性を示しており、入力電力と出力電力が比例特性を示す線形領域A1と、出力電力が飽和状態に近づく非線形領域(実線で示した部分)A2とがある。
【0004】
適応型歪補償アルゴリズム処理部130は、入力信号500である参照信号500と電力増幅器300の出力信号600であるフィードバック信号710との誤差が最小となるように、適応アルゴリズムを動作させて歪補償係数720を計算する。乗算器120は、入力信号500に歪補償係数720を乗算した信号510を電力増幅器300の入力端子に与える。
【0005】
すなわち、歪補償装置100は、歪補償係数720を予め入力信号500に掛け合わせてから電力増幅器300に与えることで電力増幅器300の非線形歪を補償し、その結果、電力増幅器300の利用効率を高めている。
同図(3)は、歪補償の効果を示しており、横軸は周波数を示し縦軸は振幅(輻射電力又は電圧)を示している。歪補償前の輻射電力の周波数特性は実線で示されており、入力信号の帯域C2の外の帯域C1,C3にも輻射電力B1,B2が発生している。歪補償後の帯域C1,C3の輻射電力(破線)は、輻射電力B3,B4に減少している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の歪補償装置においては、歪補償による効果を損なわないようにするためには、非線形歪以外のアナログ回路の持つ周波数特性による影響を少なくする必要があり、電力増幅器300を含めたアナログ回路の周波数特性の逆特性を持つようなフィルタにより等化することで或る程度解決することができる。
【0007】
しかしながら、アナログ回路は温度変化や経年変化によりその特性が大幅に変動するため適応的な等化器(イコライザ)が必要となるが、適応プリディストータ型歪補償装置に適した適応型等化器はこれまで存在しなかった。
従って本発明は、非線形歪を有する回路の非線形特性を適応的に補償する歪補償装置において、該非線形歪回路の周波数特性を適応的に等化すること、また、この等化に要する演算処理量を少なくすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の歪補償装置は、参照信号と非線形歪を有する非線形歪回路からフィードバックされる信号との誤差が小さくなるように適応アルゴリズムで該非線形歪回路の入力信号を制御して該非線形歪みを補償する適応型歪補償部と、該適応型歪補償部と該非線形歪回路との間又は該適応型歪補償部の前段に接続されたディジタルフィルタと、該ディジタルフィルタに設定するフィルタ係数群を予め保持するメモリと、このフィルタ係数群の中から該フィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を適応的に選択して該ディジタルフィルタに設定する適応型等化処理部と、を備えたことを特徴としている。(請求項1、付記1)
すなわち、適応型歪補償部は、参照信号と非線形歪回路(アナログ回路)、例えば、非線形電力増幅器(以後、非線形電力増幅器を非線形歪回路の一例として説明することがある。また、非線形電力増幅器は、その周囲のフィルタ、ミキサ等のアナログ回路を含めたものを意味する。)からのフィードバック信号との誤差が小さくなるように適応アルゴリズムで該非線形歪電力増幅器の入力信号を制御して、非線形電力増幅器の非線形歪を補償する。
【0009】
この適応型歪補償部としては、従来提案されている適応型歪補償部でよく、例えば、適応プリディストータ型歪補償装置を用いることができる。
ディジタルフィルタは、適応型歪補償部と電力増幅器との間に縦続接続されるか、又は適応型歪補償部の前段に接続される。
【0010】
適応型等化処理部は、メモリに保持されたフィルタ係数群の中からフィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を適応的に選択し、このフィルタ係数をフィルタに設定する。
これにより、電力増幅器の周波数特性を適応的に等化することが可能になる。また、メモリに予め保持されたフィルタ係数を用いることで演算処理量を少なくすることが可能になる。
【0011】
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部を、該フィードバック信号をフーリエ変換して該フィードバック信号の振幅スペクトラムを出力するフーリエ変換演算処理部と、該振幅スペクトラムに基づき適応アルゴリズムで該フィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を該フィルタ係数群の中から選択して該ディジタルフィルタに与える適応型等化アルゴリズム処理部とで構成することができる。(請求項2、付記2)
すなわち、フーリエ変換演算処理部、例えば、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、以後、FFT又はFFT変換と称することがある。)演算処理部は、フィードバック信号を高速フーリエ変換してフィードバック信号の振幅スペクトラム(spectrum:以後、振幅特性と称することがある。)を出力する。
【0012】
適応型等化アルゴリズム処理部は、振幅スペクトラムに基づき適応アルゴリズムでフィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数をフィルタ係数群の中から選択してディジタルフィルタに与える。
このように、ディジタル信号処理で、アナログ回路の周波数特性を適応的に等化することが可能である。
【0013】
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部を、該フィードバック信号の帯域外の所定の帯域の信号を通す帯域通過フィルタと、この所定帯域通過信号を包絡線検波する検波器と、検波された信号をアナログ/デジタル変換するAD変換器と、ディジタル変換された信号に基づき該帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を該フィルタ係数群から適応アルゴリズムで選択して該ディジタルフィルタに与える適応型等化アルゴリズム処理部と、で構成することができる。(請求項3、付記3)
すなわち、帯域通過フィルタは、フィードバック信号の内から所定の帯域外信号を通過させ、この通過信号を検波器は包絡線検波し、この検波された信号をAD変換器はデジタル信号に変換する。
【0014】
適応型等化アルゴリズム処理部は、ディジタル信号に基づき帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数をフィルタ係数群から適応アルゴリズムで選択しディジタルフィルタに与える。
このように、非線形歪回路の帯域外信号の帯域通過、及び検波をアナログ領域で行うことも可能である。
【0015】
なお、検波器及びAD変換器は、電力値を直接測定する電力検波用IC等とすることが可能である。
また、本発明は、上記の本発明において、該フィルタ係数群が、該ディジタルフィルタの該入力信号の帯域内の振幅特性を所定の帯域内傾斜に設定するフィルタ係数の列とすることが可能である。(付記4)
すなわち、フィルタ係数群は、ディジタルフィルタの入力信号の帯域内における振幅特性を、例えば、それぞれ、1次傾斜-2dB,-1dB,0dB,+1dB,及び+2dBに設定するフィルタ係数の列で構成することが可能である。
【0016】
また、本発明は、上記の本発明において、該帯域外輻射電力として、測定した複数の瞬時帯域外輻射電力を平均した平均帯域外輻射電力とすることが可能である。(付記5)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部は、1つ以上の所定の帯域外測定範囲の輻射電力を該帯域外輻射電力として測定することができる。(請求項4、付記6)
すなわち、適応型等化処理部は、帯域外輻射電力の測定範囲として、例えば、入力信号の帯域より高い周波数帯域の内の所定の帯域範囲、低い周波数帯域の内の所定の帯域範囲、又は両方の周波数帯域の内の所定の帯域範囲等とすることが可能である。
【0017】
これにより、該適応型等化処理部は、非線形歪回路の周波数特性に応じて帯域外輻射電力の測定範囲を設定することが可能になる。
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部が、2つの該測定範囲で、それぞれ、測定された同じフィルタ係数に対応する両帯域外輻射電力の差をゼロするフィルタ係数を適応的に選択することができる。(付記7)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の内の最大値を選択し、この最大値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することができる。(請求項5、付記8)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の単純平均値を求め、該平均値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することができる。(付記9)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の移動平均値を求め、該平均値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することができる。(付記10)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の重み付け平均値を求め、該平均値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することができる。(付記11)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部が、基準とする帯域内傾斜及び1つ以上の比較対象の帯域内傾斜で測定された異なる測定範囲の各帯域外輻射電力の隣り合う帯域内傾斜間の差の符号が同符号のとき、該比較対象帯域内傾斜で測定された両帯域外輻射電力の差の絶対値が大きい方の比較対象帯域内傾斜を次の基準帯域内傾斜とし、符号が異符号のとき、両帯域外輻射電力の差の絶対値が小さい方の比較対象帯域内傾斜を次の基準帯域内傾斜とすることを繰り返すことにより基準帯域内傾斜のフィルタ係数を、適応的に帯域外輻射電力を最小にするフィルタ係数に収束させることが可能である。(付記12)
なお、この本発明を実行するためには、基準とする帯域内傾斜のフィルタ係数をディジタルフィルタに設定したときの帯域外輻射電力よりも、比較対象の帯域内傾斜のフィルタ係数をディジタルフィルタに設定したときの帯域外輻射電力の方が小さくなる比較対象の帯域内傾斜が存在するように比較対象の帯域内傾斜を選択すればよい。
【0018】
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部は、基準となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数と比較対象となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数とのフィルタ係数列上における離れ数を、アルゴリズム開始後からカウントしたフィードバック回数に対応して変化させることが可能である。(付記13)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型等化処理部は、基準となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数と比較対象となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数との列上における離れ数を、基準となる帯域内傾斜を持つ該フィルタ係数適用時の平均帯域外輻射電力値に対応して変化させることが可能である。(付記14)
また、本発明は、上記の本発明において、該適応型歪補償部は、適応プリディストータ型歪補償装置であってもよく、該非線形歪回路が、非線形電力増幅器であってもよい。(付記15、付記16)
なお、この非線形電力増幅器には、この増幅器の周囲の例えば、フィルタ、ミキサ等のアナログ回路を含めたものとする。
【0019】
【発明の実施の形態】
[1]実施例 (1)
図1は、本発明に係る歪補償装置100aの実施例(1)を示している。この歪補償装置100aは、非線形歪回路(アナログ回路)である電力増幅器300の前段に共に配置された適応型歪補償部110及び適応型等化器200aで構成されている。
【0020】
適応型歪補償部110は、例えば、適応プリディストータ型歪補償装置であり、参照信号(入力信号)500と電力増幅器300の無線周波数(Radio Frequency)出力信号(以後、RF出力信号と称することがある。)600のフィードバック信号710とを入力して、電力増幅器300の非線形特性を補償するための歪補償係数720を適応アルゴリズムで演算する適応型歪補償アルゴリズム処理部130、歪補償係数720を入力信号500に乗算した信号510を出力する複素乗算器120で構成されている。
【0021】
なお、この適応型歪補償アルゴリズム処理部130の適応アルゴリズムは、本発明においては限定せず、従来の適応アルゴリズムを用いる。
適応型等化器200aは、信号510を入力して信号520を電力増幅器300に与える複素フィルタ210、この複素フィルタ210のフィルタ係数を決定する適応型等化処理部230、及び複素フィルタ210のフィルタ係数を保持しているフィルタ係数群保持用メモリ220で構成されている。
【0022】
適応型等化処理部230は、フィードバック信号710に基づき平均帯域外輻射電力を求め、予めメモリ220に保持されているフィルタ係数群の中から、平均帯域外輻射電力が最小となるようなフィルタ係数を適応的に選択して、複素フィルタ210に設定する。
【0023】
このように、フィルタ係数群を予めメモリ220に保持しておくことで、例えば、逆特性演算型の等化器等で問題となる演算処理量を少なくすることが可能となる。
複素フィルタ210の出力信号520はDA変換器(図示せず)でデジタル/アナログ変換された後、電力増幅器300を通してRF出力信号600として送出される。
【0024】
なお、本実施例(1)では、適応型歪補償部110と電力増幅器300との間に適応型等化器200aを配置したが、適応型等化器200aを適応型歪補償部110の前段に配置することも可能である。
図2は、メモリ220が保持しているフィルタ係数群で設定されるフィルタ210の振幅特性例を示している。この例では、特に、1次振幅偏差を補正するための振幅特性を持つ3つフィルタの振幅特性例が示されている。
【0025】
すなわち、入力信号500の帯域D2の内において、1次傾斜が無い(すなわち、一定傾斜α0を持つ)フィルタ、X1dBの1次傾斜α1を持つフィルタ、及びX2dBの1次傾斜α2を持つフィルタの振幅特性例が示されている。
これらのフィルタの帯域外(帯域D1,D3)の振幅特性は、例えば、レイズドコサイン等の緩やかなカーブに従うような振幅特性を持つ。これらのフィルタは、予め設計され、そのフィルタ係数はメモリ220に保持されている。
【0026】
振幅の帯域内傾斜の範囲(X1〜X2dB)、及び傾斜の変化の幅を表す傾斜ステップサイズ(ΔdB)は、使用するメモリ容量や非線形歪回路(電力増幅器)の周波数特性の変化量等に対応して決定する。
例えば、傾斜範囲が‐2〜+2dB、傾斜ステップサイズΔ=0.05dBのとき、メモリ220に保持されるフィルタ係数は81個(=(|X1|+|X2|)/Δ+1)となる。
【0027】
非線形歪回路の周波数特性が、フィルタによって等化されるとき、フィードバック信号710から求まる平均帯域外輻射電力は最も小さくなる。従って、これらのフィルタ係数群の中から平均帯域外輻射電力を最小にするフィルタ係数を選択することにより、非線形歪回路の持つ振幅偏差を近似的に等化することができる。
【0028】
図3は、図1に示した適応型等化器200aにおける適応型等化処理部230の動作手順を示しており、この動作手順を以下に説明する。
ステップ S100:適応型等化処理部230は、選択信号810をメモリ220に与え、基準となる例えば帯域内傾斜α0に対応したフィルタ係数820を選択して、フィルタ係数830としてフィルタ210に設定する。
【0029】
その後、適応型等化処理部230は、フィードバック信号710の基準平均帯域外輻射電力P0を計測する。
ステップ S110 , S120:適応型等化処理部230は、i=1に初期設定し、フィルタ係数群保持用メモリ220に保持されているフィルタ係数群の中から、基準となる帯域内傾斜α0の比較対象となるQ個の帯域内傾斜α1〜αQのフィルタ係数を決定し、それらの内から1(=i)番目のフィルタ係数を選択しフィルタ210に設定する。
【0030】
ステップ S130:適応型等化処理部230は、フィードバック信号710の平均帯域外輻射電力P1を計測する。
>ステップ S140 , S150 , S120 , S130 のループ:適応型等化処理部230は、順次、i=i+1を実行し、メモリ220の中から、2番目、3番目、…、Q番目のフィルタ係数を選択しフィルタ210に対応する平均帯域外輻射電力P2〜PQを測定する。
【0031】
ステップ S140 , S160:適応型等化処理部230は、Q番目の平均帯域外輻射電力を測定後、Ps=min[P0,P1,…,PQ]を実行し、平均帯域外輻射電力P0〜PQの中から最小の平均帯域外輻射電力Psを求める。
ステップ S170:適応型等化処理部230は、平均帯域外輻射電力を最小とするs番目のフィルタ係数をフィルタ210に設定し、P0=Psとすると共に、s番目の帯域内傾斜αsを新たな基準帯域内傾斜α0に設定する。
【0032】
以後、適応型等化処理部230は、ステップS110に戻り、新たな基準帯域内傾斜α0とこの基準帯域内傾斜α0 の比較対象となる新たな帯域内傾向α1〜αQに対して同様な動作を繰り返される。
これにより、基準帯域内傾斜α0のフィルタ係数が平均帯域外輻射電力を最小にするフィルタ係数に収束して行く。これにより、アナログ部の周波数特性を適応的に等化することが可能になる。
【0033】
[2]実施例 (2)
図4は、本発明に係る歪補償装置100bの実施例(2)を示している。この実施例(2)では、実施例(1)に示した適応型等化処理部230における平均帯域外輻射電力の測定を高速フーリエ変換で行う場合を示している。
【0034】
実施例(2)が実施例(1)と異なる点は、実施例(1)の適応型等化処理部230が、FFT演算処理部231と適応型等化アルゴリズム処理部232とで構成されていることである。また、同図には、実施例(1)で図示することを省略していたDA変換器250及びAD変換器260が図示されている。
【0035】
動作において、AD変換器260は、フィードバック信号710をAD変換したディジタルフィードバック信号730をFFT演算処理部231に与える。このFFT演算処理部231は、フィードバック信号730をKポイントの高速フーリエ変換し、求めた振幅特性(振幅スペクトラム)を適応型等化アルゴリズム処理部232に与える。
【0036】
図5は、FFT演算処理部231及び適応型等化アルゴリズム処理部232の動作手順を示している。この動作を以下に説明する。
ステップ S200:処理部232は、基準となる帯域内傾斜のフィルタ係数をフィルタ210に設定する。FFT演算処理部231は、フィードバック信号730をFFT変換して振幅特性を処理部232に与える。処理部232は、例えば、M回測定した瞬時帯域外輻射電力から基準平均帯域外輻射電力P0を演算する。
【0037】
ステップ S210 , S220:処理部232は、i=1に設定し、フィルタ係数群保持メモリ220から読み出した1番目のフィルタ係数をフィルタ210に設定する。
ステップ S230:処理部232は、瞬時帯域外輻射電力をM回測定し、測定結果を平均した平均帯域外輻射電力P1を求める。このステップS230は、以下のステップS231〜ステップS236で構成されている。
【0038】
ステップ S231 , S232:処理部232は、j=1、P1=0に設定し、FFT演算処理部231は、フィードバック信号730をFFT変換してその振幅特性840を処理部232に与える(図4参照)。
図6は、FFT演算処理部231が計測した振幅特性に基づき処理部232が演算した瞬時帯域外輻射電力を示しており、この輻射電力は、入力信号(又は出力信号)のキャリア帯域E2と比較して低い周波数帯域と高い周波数帯域に存在する。以後、高い周波数帯域を+側帯域、低い周波数帯域を−側帯域と称する。
【0039】
帯域外輻射電力の測定範囲は、+側帯域内の所定の帯域E3、−側帯域内の所定の帯域E1、又は両帯域E1,E3としてもよい。
ステップ S233:処理部232は、振幅特性840から瞬時帯域外輻射電力R1を計測する。
【0040】
ここで、FFT変換のポイント数Kは使用する処理部231のメモリ量に依存するが、Kが比較的小さいとき(例えばK=128,256など)には1回のFFTから求まる瞬時帯域外輻射電力の精度は低くなる。そこで、KポイントFFT変換をM回繰り返し、瞬時帯域外輻射電力を平均した平均帯域外輻射電力を使用する。繰り返し回数MはFFTのポイント数にもよるが、実験的に求めることとする。
【0041】
1番目のフィルタ係数が設定されているフィルタ210に対応する平均帯域外輻射電力P1を求める動作を以下に説明する。
ステップ S234 , S235:j(=1)<M(繰り返し回数)であるので、P1=P1+R1、及びj=j+1を実行し、ステップS220に戻る。
【0042】
ステップ S232 , S233 , S234 , S235 のループ:処理部231及び処理部232は、それぞれ、フィードバック信号730のFFT変換、及び振幅特性840から瞬時帯域外輻射電力の演算をさらに(M-1)回繰り返し、処理部232は、順次、演算結果R2〜RMをP1に加算する。
【0043】
ステップ S234 , S236:処理部232は、j=Mになったとき、平均帯域外輻射電力P1=P1/M=(R1+R2+…+RM)/Mの演算を実行し、1番目のフィルタ係数が設定されたフィルタ210に対応する平均帯域外輻射電力を求める。
同様に、順次、2番目〜Q(比較の対象とするフィルタ数)番目のフィルタ係数がフィルタ210に設定され、平均帯域外輻射電力P2〜PQを求める動作を以下に説明する。
【0044】
ステップ S240 , S250:処理部232は、i(=1)>=Qでないので、i=i+1を実行してステップS220に戻る。
ステップ S220 , S230 , S240 , S250 のループ:処理部232は、順次、メモリ220から読み出した2番目〜Q番目のフィルタ係数820をフィルタ210に設定する。処理部231及び処理部232は、各フィルタ係数に対応する平均帯域外輻射電力P2〜PQを計測する。
【0045】
ステップ S240 , S260 , S270:実施例(1)のステップS140,S160,及びS170と同様に、処理部232は、最小の平均帯域外輻射電力Psを求め、s番目の帯域内傾斜αsのフィルタ係数を次の基準となる帯域内傾斜α0のフィルタ係数とすると共に、P0=Psを実行した後、ステップS210に戻る。
【0046】
以後、同様に次の比較対象となるフィルタ数Qの中から平均帯域外輻射電力を最小にするフィルタ係数を求めることを繰り返す。
これにより、アナログ部の周波数特性を適応的に等化することが可能になる。
[3]実施例 (3)
図7は、本発明に係る歪補償装置100cの実施例(3)を示している。この実施例(3)は、アナログフィードバック信号710から直接、帯域外輻射電力を計測することが、デジタルフィードバック信号730から帯域外輻射電力を計測する実施例(2)と異なっている。
【0047】
実施例(3)の歪補償装置100cの構成が、実施例(2)の歪補償装置100bの構成と異なる点は、FFT演算処理部231の代わりに、発振器241と、この発振器241の発振信号860とRF帯域のフィードバック信号710とを混合して中間周波数(Intermediate Frequency:IF)帯域又はベースバンド(baseband)帯域まで中心周波数を落としたフィードバック信号740を出力する混合回路(ミキサ)242と、それぞれ、フィードバック信号740の内の帯域外輻射電力の測定範囲の通過帯域に持つ+側帯域通過フィルタ243及び−側帯域通過フィルタ244と、+側帯域通過フィルタ243及び−側帯域通過フィルタ244を通過した信号871及び872を包絡線検波した信号873及び874を出力する検波器245及び246と、信号873及び874をAD変換するAD変換器247,248を含んでいる。
【0048】
また、歪補償装置100cは、DA変換器250のアナログ出力信号530を信号850で変調する変調器270を含んでいる。
なお、発振器24、混合回路242、変調器270は、図1及び図4にそれぞれ示された実施例(1)及び(2)の電力増幅器300の入力側とフィードバックに図7と同様に配置されているが、図1及び図4では便宜上図示されていない。
【0049】
また、検波器245,246及びAD変換器247,248で包絡線を検波する代わりに、電力検波用IC等で電力値を直接測定することも可能である。
さらに、歪補償装置100cは、実施例(2)の適応型等化アルゴリズム処理部232の代わりに、AD変換後のディジタル信号875及び876に基づき+側瞬時帯域外輻射電力及び−側瞬時帯域外輻射電力を繰り返し測定し、例えば一定時間における+側平均帯域外輻射電力P+及び−側平均帯域外輻射電力P+を求め、適応的に平均帯域外輻射電力を最小とするフィルタ係数を選択してフィルタ210に設定する適応型等化アルゴリズム処理部249を含んでいる。
【0050】
図8は、実施例(3)における適応型等化器200cの動作手順を示している。この動作手順は、図5に示した実施例(2)の動作手順におけるフィードバック信号730をFFT変換して振幅特性を求めるステップS232と振幅特性に基づき瞬時帯域外輻射電力を計測するステップS233との代わりに、ディジタル信号875及び876に基づき瞬時帯域外輻射電力を計測するステップS332を実行することのみが異なり他の動作手順は実施例(2)の動作手順と同様である。
【0051】
上述した実施例(1)〜実施例(3)においては、+側帯域及び−側帯域を区別せずに入力信号の帯域外に予め設定した測定範囲の平均帯域外輻射電力に基づきフィルタ係数を求めた。
一般的に、或る帯域内1次傾斜を持つフィルタを使用したときの+側平均帯域外輻射電力P+と−側平均帯域外輻射電力P-は異なる。従って、片側の輻射電力だけに基づいて等化用フィルタ210のフィルタ係数を選択した場合、もう一方の帯域の輻射電力が規定外になってしまう可能性がある。
【0052】
そこで、以下に説明する実施例(4)〜実施例(9)においては、+側帯域及び−側帯域に、それぞれ測定範囲を設定し、各測定範囲のおける+側帯域外輻射電力P+及び−側帯域外輻射電力P-に基づき帯域外輻射電力を最小にするフィルタ係数を求める。
【0053】
なお、これらの実施例(4)〜実施例(9)は、図1、図4、及び図7で示した構成の適応型等化器200a〜200cにおいて適応アルゴリズムを変更することにより実行可能である。以下の実施例(4)〜(9)では、図4に示した適応型等化器200bに基づき説明する。
【0054】
[4]実施例 (4)
図9(1)は、本発明に係る適応型等化器200bの実施例(4)を示している。この実施例(4)では、基準となる帯域内傾斜α0を持つフィルタ係数、比較対象としての帯域内傾斜α1〜αQを持つQ個のフィルタ係数をフィルタ210に設定したときの平均帯域外輻射電力の値に基づき、帯域外輻射電力を最小にする、例えば、帯域内傾斜αsを持つフィルタ係数を求める。
【0055】
そして、この帯域内傾斜αsを次の基準帯域内傾斜α0に設定すると共に、新たな比較対象としての帯域内傾斜α1〜αQを持つフィルタ係数を設定して、帯域外輻射電力を最小にする動作を繰り返す。
これにより、帯域内傾斜α0を平均帯域外輻射電力を最小にするフィルタ係数に収束させる。
【0056】
同図(2)は、横軸がフィルタ係数の帯域内1次傾斜α、縦軸が+側平均帯域外輻射電力P+及び−側平均帯域外輻射電力P-であるグラフを示している。同図(2)では、比較対象の数Q=2の場合が示されており、基準となる帯域内傾斜はα0、比較対象となる帯域内傾斜はα1及びα2である。
【0057】
そして、基準及び比較対象となる帯域内傾斜はα、α1,α2のフィルタ係数を用いたときに、それぞれ計測される+側帯域外輻射電力P+及び−側帯域外輻射電力P-の内の最大値P1+,P0+,P2+(太線上の帯域外輻射電力)を決定しこの最大値同士を比較し、最大値のレベルが最小とするP2+を求め、このP2+に対応する帯域内傾斜α2を次の基準帯域内傾斜α0に選択する。
【0058】
この操作を繰り返すことにより、最大の等化量を実現する帯域内傾斜を持つフィルタ係数αsに収束させることが可能となる。
同図(1)に基づき、上記の動作を実施する手順を同図(2)を参照して以下に説明する。なお、この説明では、比較対象とするフィルタ(帯域内傾斜)数は一般化したQ個としている。
【0059】
ステップ S400:処理部232(図4参照)は、基準帯域内傾斜α0における+側帯域外輻射電力P0+及び−側帯域外輻射電力P0-を測定し、その内の最大値=P0とする。
ステップ S410:処理部232は、i=1に設定する
ステップ S420 〜 S450 のループ:処理部232は、i=1番目の比較対象となる帯域内傾斜α1を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定して、処理部231が計測した振幅特性に基づき、+側瞬時帯域外輻射電力及び−側瞬時帯域外輻射電力を計測する。
【0060】
処理部232は、この計測をM回繰り返した計測値の平均である+側平均帯域外輻射電力P1+及び−側平均帯域外輻射電力P1-を求める。
処理部232は、+側平均帯域外輻射電力P1+及び−側平均帯域外輻射電力P1-の内の最大値P1+を平均帯域外輻射電力P1とする。
【0061】
以下同様に、処理部232は、順次、2番目〜Q(比較の対象となるフィルタ数)番目のフィルタ係数をフィルタ210に設定して+側平均帯域外輻射電力P2+〜PQ+及び−側平均帯域外輻射電力P2-〜PQ-を求め、それぞれの最大値を平均帯域外輻射電力P2〜PQとする。
【0062】
この結果、同図(2)に示された最大値曲線(太線)上の一部の平均帯域外輻射電力P0〜PQが選択される。
ステップ S440 , S460:処理部232は、平均帯域外輻射電力P0〜PQの内の最小の平均帯域外輻射電力Psを求める。
【0063】
ステップ S470:処理部232は、平均帯域外輻射電力P0に平均帯域外輻射電力Psを設定し、帯域内傾斜αsに対応するフィルタ係数をフィルタ210に設定し、帯域内傾斜αsを次の基準帯域内傾斜α0に設定した後、ステップS410に戻る。
この操作を繰り返すことにより、同図(2)の帯域内傾斜α0は太線の曲線上を移動し、その最下点となる帯域内傾斜αsに収束する。
【0064】
これにより、平均帯域外輻射電力P0を最小にするフィルタ係数をフィルタ210に設定することが可能になる。
[5]実施例 (5)
図10は、本発明に係る適応型等化器200bの実施例(5)を示している。同図(1)は、実施例(5)における動作手順を示しており、この動作手順が図9(1)に示した実施例(4)の動作手順と異なる点は、実施例(4)の+側平均帯域外輻射電力P+と+側平均帯域外輻射電力P-の内の最大値を平均帯域外輻射電力PiとするステップS430の代わりに、ステップS530において、+側平均帯域外輻射電力P+と−側平均帯域外輻射電力P-の単純平均を平均帯域外輻射電力Piとしていることである。
【0065】
すなわち、図10(2)に示すように、基準及び比較対象の帯域内傾斜α0〜α2に対応する平均帯域外輻射電力P0〜P2を次式(1)〜(3)の単純平均で求める。なお、同図10(2)では比較対象となるフィルタ係数の数Q=2である場合を示している。
P0=(P0++P0-)/2 ・・・式(1)
P1=(P1++P1-)/2 ・・・式(2)
P2=(P2++P2-)/2 ・・・式(3)
そして、これらの平均帯域外輻射電力P0〜P2の内の最小となる平均帯域外輻射電力に対応する帯域内傾斜α2を次の基準帯域内傾斜α0とする(同図(2)の移動M2参照)。
【0066】
この操作を繰り返すことにより、基準帯域内傾斜α0は図10(2)の太線のグラフ上を移動し、平均帯域外輻射電力が最小値となる帯域内傾斜αsに収束する。これにより、最大の等化量を実現する帯域内1次傾斜を持つフィルタ係数を選択することが可能となる。
【0067】
なお、処理部232は、測定した平均帯域外輻射電力の移動平均を求め、この移動平均を最小とするフィルタ係数を選択してもよい。
[6]実施例 (6)
図11は、本発明に係る適応型等化器200bの実施例(6)を示している。同図(1)は、実施例(6)における動作手順を示しており、この動作手順が、実施例(5)の動作手順と異なる点は、単純平均演算するステップS500,S530に代わりに、ステップS600,S630において重み付き平均演算することである。
【0068】
すなわち、本実施例(6)では、ステップS600,S630では、次式(4)で示すように、+側平均帯域外輻射電力P+と−側平均帯域外輻射電力P-とをそれぞれw1とw2とで重み付き平均値を平均帯域外輻射電力Pとする。
P=w1×P++w2×P- ・・・式(4)
ここで、重み係数w1及びw2は、次式(5)〜式(8)を満たすように決定する。
【0069】
w1+w2=1 ・・・式(5)
w1<w2(P+<P-) ・・・式(6)
w1=w2(P+=P-) ・・・式(7)
w1>w2(P+>P-) ・・・式(8)
同図(2)は、+側平均帯域外輻射電力P+、−側平均帯域外輻射電力P-、及び重み付け平均された平均帯域外輻射電力P(太線)を示している。
【0070】
同図(2)には、次式(9)〜(11)で算出された重み付け平均帯域内電力Pが太線のグラフで示されている。
w1=1/3,w2=2/3(P+<P-) ・・・式(9)
w1=w2=1/2(P+=P-) ・・・式(10)
w1=2/3,w2=1/3(P+<P-) ・・・式(11)
実施例(6)では、ステップS660において、重み付けされた平均帯域外輻射電力Pが最小となる帯域内傾斜α2を次の基準帯域内傾斜α0にする。
【0071】
以下、同様のことを繰り返すことにより、帯域内傾斜α0は、同図(2)の重み付け平均帯域外輻射電力P(太線)の曲線上を移動し、その最小点となる帯域内傾斜αsに収束する。
[7]実施例 (7)
図12は、本発明に係る適応型等化器200bの実施例(7)を示している。この実施例(7)では、+側平均帯域外輻射電力P+曲線の傾き、−側平均帯域外輻射電力P-曲線の傾き、及び+側平均帯域外輻射電力P+と−側平均帯域外輻射電力P-との差に基づきフィルタ係数(すなわち、帯域内1次傾斜)を決定する。
【0072】
図13(1)は、横軸を帯域内1次帯域内傾斜α、縦軸を+側平均帯域外輻射電力P+及び−側平均帯域外輻射電力P-のグラフを示している。同図(1)に示した領域T1及びT2を拡大したグラフが、それぞれ、同図(2)、及び(3)に示されている。
同図(2)及び(3)に基づき実施例(7)の原理を以下に説明する。
【0073】
同図(2)において、基準帯域内帯域内傾斜をα0、比較対象となる帯域内傾斜をα1及びα2としたとき、帯域内傾斜α0,α1間及び帯域内傾斜α0,α2間における+側平均帯域外輻射電力P+の曲線の傾きの符号(同図(2)では、マイナス)は同じである。同様に、帯域内傾斜α0,α1間及び帯域内傾斜α0,α2間における−側平均帯域外輻射電力P-の曲線の傾きの符号(同図(2)ではマイナス)は同じである。これは、次式(12)〜(15)で示される。
【0074】
P0+−P1+<0 ・・・式(12)
P2+−P0+<0 ・・・式(13)
P0-−P1-<0 ・・・式(14)
P2-−P0-<0 ・・・式(15)
このとき、帯域内傾斜α0を同図(1)に示した帯域内傾斜αsに収束させるためには、+側平均帯域外輻射電力P+と−側平均帯域外輻射電力P-との差が大きい帯域内傾斜α2の方向に帯域内傾斜α0の移動M4をすればよいことが分かる。
【0075】
同様に、同図(1)に示した領域T3、すなわち、+側平均帯域外輻射電力P+及び−側平均帯域外輻射電力P-の曲線の傾きの符号が同じプラスである場合も、+側平均帯域外輻射電力P+と−側平均帯域外輻射電力P-との差が大きい帯域内傾斜α1の方向に移動すればよい。
【0076】
逆に、同図(3)に示した領域T2においては、+側平均帯域外輻射電力P+及び−側平均帯域外輻射電力P-の曲線の帯域内傾斜α0,α1間及び帯域内傾斜α0,α2間の傾きの符号が一つ以上異なることが、次式(16)〜(19)で示される。
P0+−P1+<0 ・・・式(16)
P2+−P0+<0 ・・・式(17)
P0-−P1->0 ・・・式(18)
P2-−P0->0 ・・・式(19)
このような領域T2においては、+側平均帯域外輻射電力P+と−側平均帯域外輻射電力P-との差が小さい帯域内傾斜α2の方向の移動M5を行えばよいことが分かる。
【0077】
図12を参照して、実施例(7)における動作手順を以下に説明する。
ステップ S700:処理部232(図4参照)は、基準帯域内傾斜α0を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、FFT演算処理部231からの振幅特性から+側平均帯域外輻射電力P0+及び−側平均帯域外輻射電力P0-を演算する。
【0078】
ステップ S710:処理部232は、比較対象である帯域内傾斜α1を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、+側平均帯域外輻射電力P1+及び−側平均帯域外輻射電力P1-を演算する。
ステップ S720:処理部232は、同様に、比較対象である帯域内傾斜α2を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、+側平均帯域外輻射電力P2+及び−側平均帯域外輻射電力P2-を演算する。
【0079】
ステップ S730:処理部232は、P0+−P1+,P2+−P0+,P0-−P1-,及びP2-−P0-を演算し全ての演算結果が同一符号である場合、ステップS740に進み、一つでも異なる符号が有る場合、ステップS750に進む。
ステップ S740:処理部232は、|P1+−P1-|及び|P2+−P2-|の内の大きい方の帯域内傾斜をαt(t=1又は2)とし、ステップS760に進む。
【0080】
ステップ S750:処理部232は、|P1+−P1-|及び|P2+−P2-|の内の小さい方の帯域内傾斜をαt(t=1又は2)とし、ステップS760に進む。
ステップ S760:処理部232は、帯域内傾斜αtを次の基準帯域内傾斜αoとすると共に、P0+=Pt+,P0-=Pt-を実行した後(図13(2)の移動M4又は同図(3)の移動M5)、ステップS710に戻る。
【0081】
処理部232は、ステップS710〜ステップS760を繰り返すことにより、適応的に基準帯域内傾斜α0が移動して平均帯域外輻射電力が最小となる帯域内傾斜αs(図13(1)参照)に収束する。
[8]実施例 (8)
図14は、本発明に係る適応型等化器200bの実施例(8)を示している。この実施例(8)では、実施例(4)〜(7)において、適応アルゴリズムの開始から数えたフィードバックループの巡回回数に応じて基準帯域内傾斜α0を移動させる。
【0082】
ここで、基準帯域内傾斜α0に対して−方向/+方向に単位傾斜Δだけ離れた帯域内傾斜α1,α2の「基準からの離れ数」を−1/+1と称する。
すなわち、α1=α0−Δ,α2=α0+Δを意味する。
図15(1)は、「ループ巡回回数」と「基準からの離れ数」との対応関係を示している。
【0083】
適応型等化器200bは、適応アルゴリズムが開始した直後は、すなわち、ループ巡回回数=“0”の場合、基準帯域内傾斜α0を持つフィルタ係数に対して±20だけ離れた帯域内傾斜α1,α2を持つフィルタ係数を比較対象とし、比較結果に基づき帯域内傾斜α1及び帯域内傾斜α2の内の何れかを新たな基準帯域内傾斜α0にする。
【0084】
この処理でループが一巡してループ巡回回数=“1”になるので、次回の比較対象の帯域内傾斜α1,α2を新たな基準帯域内傾斜α0から±10だけ離れた帯域内傾斜を比較対象の帯域内傾斜とする。以下同様にループを何回巡回したかに基づいて比較対象の帯域内傾斜α1,α2を決定する。
【0085】
これにより、特に収束点から離れた帯域内傾斜α0からスタートした際の適応アルゴリズムの収束度を向上させる効果がある。
なお、同図(1)においては、ループ巡回回数が5回以上の場合は比較ポジションが固定された“1”であるが、この例では5回以上のループの巡回で収束点近傍にまで帯域内傾斜α0が移動できていると判断しているためであり、収束点の近傍では平均帯域外輻射電力の大きな変動を避けるために、比較対象とする帯域内傾斜α1,α2は基準帯域内傾斜から大きく離れないようにしている。
【0086】
同図(2)及び(3)は、「ループ巡回回数」と「比較とする帯域内傾斜」との対応関係を同図(1)のように設定した場合において、それぞれ、ループ巡回回数=“3”及びループ巡回回数=“4”のときの動作を示している。
すなわち、同図(2)において、比較対象である基準帯域内傾斜α1,α2は、基準帯域内傾斜α0から±3だけ離れている。例えば、実施例(4)では、最大値が最小となるように適応アルゴリズムが動作するので、基準帯域内傾斜α0は、移動M6を行い帯域内傾斜α2が新たな基準帯域内傾斜α0になる。
【0087】
同図(3)に、この新たな基準帯域内傾斜α0が示されている。このとき巡回回数=“4”となり、図15(1)を参照すると「巡回回数」=“4”のときの「基準からの離れ」=“2”である。従って、基準帯域内傾斜α0に対する比較対象の帯域内傾斜は、帯域内傾斜α0から±2だけ離れた帯域内傾斜α1,α2になる。
【0088】
このような動作を繰り返すことで、収束点から離れているときには比較範囲を大きくとり、また逆に収束点の近傍にいるときには比較範囲を狭くすることで、アルゴリズムは収束度を増して平均帯域外輻射電力が最小となる帯域内傾斜に収束する。
【0089】
図14に基づき実施例(8)の動作手順を以下に説明する。なお、平均帯域外輻射電力Pは、実施例(4)と同様に+側平均帯域外輻射電力P+及び−側平均帯域外輻射電力P-の内の最大値であるものとする適応アルゴリズムを採用する。また、本実施例(8)では、図15(1)のテーブルを用いずに演算式で「基準からの離れ数」を求める。
【0090】
ステップ S800:処理部232は、基準帯域内傾斜α0を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、FFT演算処理部231が測定した振幅特性840に基づき、+側平均帯域外輻射電力P0+及び−側平均帯域外輻射電力P0-を演算し、平均帯域外輻射電力P0=max{P0+,P0-}とする。
【0091】
ステップ S810:処理部232は、N=20に初期値設定する。
ステップ S820:処理部232は、帯域内傾斜α0から−20だけ離れた帯域内傾斜α1を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、FFT演算処理部231が測定した振幅特性840から+側平均帯域外輻射電力P1+及び−側平均帯域外輻射電力P1-を演算し、平均帯域外輻射電力P1=max{P1+,P1-}とする。
【0092】
ステップ S830:処理部232は、帯域内傾斜α0から+20だけ離れた帯域内傾斜α2を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、+側平均帯域外輻射電力P2+及び−側平均帯域外輻射電力P2-を演算し、平均帯域外輻射電力P2=max{P2+,P2-}とする。
【0093】
ステップ S840:処理部232は、Ps=min{P0,P1,P2}(s=0,1,又は2)を演算する。
>ステップ S850:処理部232は、帯域内傾斜αsを持つフィルタ係数をフィルタ210に設定すると共に、平均帯域外輻射電力P0=Ps、帯域内傾斜αsを次の基準帯域内傾斜α0とする。
【0094】
ステップ S860:処理部232は、N=ceil(N/2)を実行し、ステップS820に戻る。この結果、Nは、ステップS820〜S860のループを一巡する毎に、20(初期値),10,5,3,2,1に設定される。
以上の動作の繰り返しにより、平均帯域外輻射電力P0を、実施例(4)と比較して急速に最小にすることが可能になる。
【0095】
なお、処理部232は、ステップS860において、N=ceil(N/2)演算を行う代わりに、図15(1)に示した対応表を予め保持しておき、ステップS860でループ巡回回数をカウントし、この「ループ巡回回数」に対応する「基準からの離れ数」を対応表から求めてもよい。
【0096】
[9]実施例 (9)
図16は、本発明に係る適応型等化器200bの実施例(9)を示している。この実施例(9)では、まず、基準帯域内傾斜α0を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定したときの+側平均帯域外輻射電力P+,及び−側平均帯域外輻射電力P-の内の最大値P0=max{P0+,P0-]を求める。
【0097】
この最大値P0と、予め決められた閾値PLとを比較し、比較結果に基づいて比較対象となる帯域内傾斜α1,α2の「基準からの離れ数」を決める。これにより、、適応アルゴリズムの収束度を向上させる。
図17(1)は、閾値PLの設定例を示している。最大値P0に対して閾値PL1〜閾値PL5が設定され、平均帯域外輻射電力が領域U1〜U6に分割されている。
【0098】
図17(2)は、閾値PL1〜閾値PL5で設定された領域U1〜U6に対応する「基準帯域内傾斜からの離れ数」のテーブル例を示しており、例えば、同図(1)に示した領域U1(P0>PL1)に最大値P0がある場合、比較対象の帯域内傾斜は、帯域内傾斜α0から±20だけ離れた帯域内傾斜α1,α2であり、領域U2(PL2<P0=<PL1)にある場合、±10だけ離れた帯域内傾斜α1,α2である。
【0099】
図18は、実施例(9)における適応アルゴリズムを示したものである。同図(1)は、帯域内傾斜α0を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定したときの最大値である平均帯域外輻射電力P0は、PL4<P0=<PL3の範囲にあり、図17(2)を参照すると、比較対象となる帯域内傾斜は基準帯域内傾斜α0から±3だけ離れた帯域内傾斜α1,α2である。
【0100】
最大値が最小となるように適応アルゴリズムが動作するとすれば、基準帯域内傾斜α0は、移動M8を行い、帯域内傾斜α2が新たな基準帯域内傾斜α0になる。図18(2)に新たな基準帯域内傾斜α0が示されている。
この帯域内傾斜α0に対応する平均帯域外輻射電力P0は、PL5<P0=<PL4の範囲にあり、図17(2)を参照すると、比較対象となる帯域内傾斜は基準帯域内傾斜α0から±2だけ離れた帯域内傾斜α1,α2になる。さらに、この後、基準帯域内傾斜α0は、移動M9で帯域内傾斜α2に移る。
【0101】
このように、収束点から離れているときには、比較する傾斜範囲を大きくとり、逆に収束点の近傍にいるときは比較する傾斜範囲を狭くすることで、適応アルゴリズムの収束度を増して平均帯域外輻射電力が最小となる帯域内傾斜に収束する。
【0102】
図16に基づき実施例(9)の動作手順を以下に説明する。なお、平均帯域外輻射電力Pは、実施例(4)と同様に+側平均帯域外輻射電力P+及び−側平均帯域外輻射電力P-の内の最大値とするアルゴリズムを用いる。
ステップ S900:処理部232は、基準帯域内傾斜α0を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、FFT演算処理部231が測定した振幅特性840に基づき、+側平均帯域外輻射電力P0+及び−側平均帯域外輻射電力P0-を演算し、平均帯域外輻射電力P0=max{P0+,P0-}とする。
【0103】
ステップ S910:処理部232は、平均帯域外輻射電力P0と図17(2)の閾値を比較し、「基準帯域内傾斜α0からの離れ数」=Nを決定し、比較対象の帯域内傾斜α1,α2を決定する。
ステップ S920:処理部232は、帯域内傾斜α1を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、+側平均帯域外輻射電力P1+及び−側平均帯域外輻射電力P1-を演算し、平均帯域外輻射電力P1=max{P1+,P1-}とする。
【0104】
ステップ S930:処理部232は、帯域内傾斜α2を持つフィルタ係数をフィルタ210に設定し、+側平均帯域外輻射電力P2+及び−側平均帯域外輻射電力P2-を演算し、平均帯域外輻射電力P2=max{P2+,P2-}とする。
ステップ S940:処理部232は、Ps=min[P0,P1,P2}(s=0,1,又は2)を演算する。
【0105】
ステップ S950:処理部232は、帯域内傾斜αsを持つフィルタ係数をフィルタ210に設定すると共に、次の基準帯域内傾斜α0=帯域内傾斜αs、平均帯域外輻射電力P0=Psとした後、ステップS910に戻る。
以上の動作を繰り返すことにより、平均帯域外輻射電力P0は、実施例(4)で比較して収束度を増して最小値に収束する。
【0106】
(付記1)
参照信号と非線形歪を有する回路からフィードバックされる信号との誤差が小さくなるように適応アルゴリズムで該非線形歪回路の入力信号を制御して該非線形歪みを補償する適応型歪補償部と、
該適応型歪補償部と該非線形歪回路との間又は該適応型歪補償部の前段に接続されたディジタルフィルタと、
該ディジタルフィルタに設定するフィルタ係数群を予め保持するメモリと、
このフィルタ係数群の中から該フィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を適応的に選択して該ディジタルフィルタに設定する適応型等化処理部と、
を備えたことを特徴とする歪補償装置。
【0107】
(付記2)上記の付記1において、
該適応型等化処理部が、該フィードバック信号をフーリエ変換して該フィードバック信号の振幅スペクトラムを出力するフーリエ変換演算処理部と、該振幅スペクトラムに基づき適応アルゴリズムで該フィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を該フィルタ係数群の中から選択して該ディジタルフィルタに与える適応型等化アルゴリズム処理部と、で構成されていることを特徴とした歪補償装置。
【0108】
(付記3)上記の付記1において、
該適応型等化処理部は、該フィードバック信号の帯域外の所定の帯域の信号を通す帯域通過フィルタと、この所定帯域通過信号を包絡線検波する検波器と、検波された信号をアナログ/デジタル変換するAD変換器と、ディジタル変換された信号に基づき該帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を該フィルタ係数群から適応アルゴリズムで選択して該ディジタルフィルタに与える適応型等化アルゴリズム処理部と、で構成されていることを特徴とした歪補償装置。
【0109】
(付記4)上記の付記1において、
該フィルタ係数群は、該ディジタルフィルタの該入力信号の帯域内の振幅特性を所定の帯域内傾斜に設定する複数のフィルタ係数の列であることを特徴とした歪補償装置。
【0110】
(付記5)上記の付記1において、
該帯域外輻射電力が、測定した複数の瞬時帯域外輻射電力を平均した平均帯域外輻射電力であることを特徴とした歪補償装置。
(付記6)上記の付記1において、
該適応型等化処理部は、1つ以上の所定の帯域外測定範囲の輻射電力を該帯域外輻射電力として測定することを特徴とした歪補償装置。
【0111】
(付記7)上記の付記6において、
該適応型等化処理部が、2つの該測定範囲で、それぞれ、測定された同じフィルタ係数に対応する両帯域外輻射電力の差をゼロするフィルタ係数を適応的に選択することを特徴とした歪補償装置。
【0112】
(付記8)上記の付記6において、
該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の内の最大値を選択し、この最大値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することを特徴とした歪補償装置。
【0113】
(付記9)上記の付記6において、
該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の単純平均値を求め、該平均値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することを特徴とした歪補償装置。
【0114】
(付記10)上記の付記6において、
該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の移動平均値を求め、該平均値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することを特徴とした歪補償装置。
【0115】
(付記11)上記の付記6において、
該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の重み付け平均値を求め、該平均値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することを特徴とした歪補償装置。
【0116】
(付記12)上記の付記6において、
該適応型等化処理部が、基準とする帯域内傾斜及び1つ以上の比較対象の帯域内傾斜で測定された異なる測定範囲の各帯域外輻射電力の隣り合う帯域内傾斜間の差の符号が同符号のとき、該比較対象帯域内傾斜で測定された両帯域外輻射電力の差の絶対値が大きい方の比較対象帯域内傾斜を次の基準帯域内傾斜とし、符号が異符号のとき、両帯域外輻射電力の差の絶対値が小さい方の比較対象帯域内傾斜を次の基準帯域内傾斜とすることを繰り返すことにより基準帯域内傾斜のフィルタ係数を、適応的に帯域外輻射電力を最小にするフィルタ係数に収束させることを特徴とした歪補償装置。
【0117】
(付記13)上記の付記7乃至12のいずれかにおいて、
該適応型等化処理部は、基準となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数と比較対象となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数とのフィルタ係数列上における離れ数を、アルゴリズム開始後からカウントしたフィードバック回数に対応して変化させることを特徴としたる歪補償装置。
【0118】
(付記14)上記の付記7乃至12のいずれかにおいて、
該適応型等化処理部は、基準となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数と比較対象となる帯域内傾斜を持つフィルタ係数との列上における離れ数を、基準となる帯域内傾斜を持つ該フィルタ係数適用時の平均帯域外輻射電力値に対応して変化させることを特徴とした歪補償装置。
【0119】
(付記15)上記の付記1において、
該適応型歪補償部が、適応プリディストータ型歪補償装置であることを特徴とした歪補償装置。
(付記16)上記の付記1において、
該非線形歪回路が、電力増幅器であることを特徴とした歪補償装置。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の歪補償装置によれば、適応型等化処理部がメモリに予め保持されたフィルタ係数群の中から出力信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を適応的に選択してディジタルフィルタに設定するように構成したので、非線形歪回路(アナログ回路)の周波数特性を適応的に等化することが可能になる。また、メモリに予め保持されたフィルタ係数を用いることで演算処理量を少なくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歪補償装置の実施例(1)を示したブロック図である。
【図2】本発明の歪補償装置におけるディジタルフィルタの振幅特性例を示した図である。
【図3】本発明の歪補償装置の実施例(1)における動作手順を示したフローチャート図である。
【図4】本発明の歪補償装置の実施例(2)を示したブロック図である。
【図5】本発明の歪補償装置の実施例(2)における動作手順を示したフローチャート図である。
【図6】本発明の歪補償装置における帯域外輻射電力の測定例を示した図である。
【図7】本発明の歪補償装置の実施例(3)を示したブロック図である。
【図8】本発明の歪補償装置の実施例(3)における動作手順を示したフローチャート図である。
【図9】本発明の歪補償装置の実施例(4)における動作手順を示したフローチャート図及び平均帯域外輻射電力−帯域内1次傾斜を示したグラフ図である。
【図10】本発明の歪補償装置の実施例(5)における動作手順を示したフローチャート図及び平均帯域外輻射電力−帯域内1次傾斜を示したグラフ図である。
【図11】本発明の歪補償装置の実施例(6)における動作手順を示したフローチャート図及び平均帯域外輻射電力−帯域内1次傾斜を示したグラフ図である。
【図12】本発明の歪補償装置の実施例(7)における動作手順を示したフローチャート図である。
【図13】本発明の歪補償装置の実施例(7)における平均帯域外電力−帯域内1次傾斜を示したグラフ図である。
【図14】本発明の歪補償装置の実施例(8)における動作手順を示したフローチャート図である。
【図15】本発明の歪補償装置の実施例(8)における適応アルゴリズム例を示した図である。
【図16】本発明の歪補償装置の実施例(9)における動作手順を示したフローチャート図である。
【図17】本発明の歪補償装置の実施例(9)における閾値設定例を示した図である。
【図18】本発明の歪補償装置の実施例(9)における適応アルゴリズム例を示した図である。
【図19】従来の適応プリディストータ型歪補償装置の構成を示したブロック図及びその特性を示したグラフ図である。
【符号の説明】
100,100a〜100c 歪補償装置
110 適応型歪補償部、適応型歪補償装置、適応プリディストータ型歪補償装置
120 乗算器 130 適応型歪補償アルゴリズム処理部
200a〜200c 適応型等化器 210 ディジタルフィルタ
220 フィルタ係数群保持用メモリ 230 適応型等化処理部
231 高速フーリエ変換演算処理部、FFT演算処理部
232 適応型等化アルゴリズム処理部
241 発振器 242 混合回路
243,244 帯域通過フィルタ 245,246 検波器
247,248 AD変換器 249 適応型等化アルゴリズム処理部
250 DA変換器 260 AD変換器
270 変調回路
300 非線形歪回路、アナログ回路、電力増幅器
500 入力信号、参照信号 510,520,530 信号
540 変調信号 600 RF出力信号
710 フィードバック信号 720 歪補償係数
730〜750 フィードバック信号 810 選択信号
820,830 フィルタ係数 840 振幅特性
850,860 発振信号 871〜876 信号
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (5)
- 参照信号と非線形歪を有する非線形歪回路からフィードバックされる信号との誤差が小さくなるように適応アルゴリズムで該非線形歪回路の入力信号を制御して該非線形歪みを補償する適応型歪補償部と、
該適応型歪補償部と該非線形歪回路との間又は該適応型歪補償部の前段に接続されたディジタルフィルタと、
該ディジタルフィルタに設定するフィルタ係数群を予め保持するメモリと、
このフィルタ係数群の中から該フィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を適応的に選択して該ディジタルフィルタに設定する適応型等化処理部と、
を備えたことを特徴とする歪補償装置。 - 請求項1において、
該適応型等化処理部が、該フィードバック信号をフーリエ変換して該フィードバック信号の振幅スペクトラムを出力するフーリエ変換演算処理部と、該振幅スペクトラムに基づき適応アルゴリズムで該フィードバック信号の帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を該フィルタ係数群の中から選択して該ディジタルフィルタに与える適応型等化アルゴリズム処理部と、で構成されていることを特徴とした歪補償装置。 - 請求項1において、
該適応型等化処理部は、該フィードバック信号の帯域外の所定の帯域の信号を通す帯域通過フィルタと、この所定帯域通過信号を包絡線検波する検波器と、検波された信号をアナログ/デジタル変換するAD変換器と、ディジタル変換された信号に基づき該帯域外輻射電力が小さくなるようなフィルタ係数を該フィルタ係数群から適応アルゴリズムで選択して該ディジタルフィルタに与える適応型等化アルゴリズム処理部と、で構成されていることを特徴とした歪補償装置。 - 請求項1において、
該適応型等化処理部は、1つ以上の所定の帯域外測定範囲の輻射電力を該帯域外輻射電力として測定することを特徴とした歪補償装置。 - 請求項4において、
該適応型等化処理部が、複数の該測定範囲で、それぞれ、各フィルタ係数について測定された帯域外輻射電力の内の最大値を選択し、この最大値が最小となるフィルタ係数を適応的に選択することを特徴とした歪補償装置。
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