JP4009185B2 - コンタクトレンズの製作方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、コンタクトレンズの製作方法に係り、十分な形状保持特性を備えつつ、薄肉で装用感の良いコンタクトレンズを実現せしめ得る技術に関するものであって、特にソフトコンタクトレンズに対して有利に適用されて、装用感を良好に保ちつつ、良好な形状保持特性に基づいて優れたハンドリング性や表裏判定性を実現せしめ得る、新規な形状のコンタクトレンズの製作方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
コンタクトレンズにおいては、一般に、(a)装用感が優れていることと、(b)手指による取扱性(ハンドリング性)に優れていることが要求される。そこにおいて、前者(a)の装用感を向上させるためには、製造性や耐久性等を考慮して材料に応じて規定される最小厚さを確保した上で、コンタクトレンズの厚さ寸法を十分に小さく設定することが望ましく、薄肉のコンタクトレンズは酸素透過性の点でも優れている。ところが、コンタクトレンズの厚さ寸法を小さくすると、コンタクトレンズの形状保持特性が低下してしまい、特にソフトコンタクトレンズでは、コンタクトレンズの着脱に際して手指に載せた際に指表面にまとわりついて取扱性が極めて悪くなると共に、表裏の判定が困難で装用作業性も劣るという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題に対処するために、従来では、コンタクトレンズの厚さを、良好な形状保持特性に基づく取扱性が確保され得る程度に厚肉としたり、或いは、装用感を重視して薄肉とすると共に、不十分な形状保持特性に対処するために表裏の判定用のマークをレンズ表面に表示する対策が講じられていたが、これらは何れも装用感と形状保持特性(取扱性)の何れかを犠牲にした妥協案に過ぎず、基本的な解決策と言えるものでは、決してなかったのである。特に、レンズに表裏判定用のマークを付する場合には、マーク表示のための特別な工程と加工作業が必要となり、製造コストが悪化するという問題もあった。
【0004】
なお、コンタクトレンズにおいて優れた装用感と取扱性を両立させて実現するために、(i)特開平8−286155号公報には、周辺部の厚さ寸法をレンズ中心部の厚さ寸法の1.2倍以上とすると共に、レンズ前面(フロントカーブ面)における光学部と周辺部の接続部位をレンズ後面(ベースカーブ面)における光学部と周辺部の接続部位よりも径方向外方に位置せしめて且つ厚肉としたコンタクトレンズのレンズ形状が提案されており、(ii)特開平11−52304号公報および特開2000−214417号公報には、レンズの中心厚さ寸法と周辺部の最大厚さ寸法および最大厚さ部位の位置を特定したコンタクトレンズ形状が提案されている。
【0005】
しかしながら、これら何れの公報に開示されたコンタクトレンズ形状も、前述の如き装用感と取扱性を十分に両立し得るものではなかったのであり、特に、各公報に記載されている従来技術は、何れも、基本的にレンズ前面における光学部と周辺部の接続部位若しくはその付近におけるレンズ厚さを対象として、装用感を大幅に低下させない程度に確保しつつ良好な形状保持特性が発揮されるように、かかる部位のレンズ厚さを十分に大きく設定するものであることから、かかる部位(レンズ前面における光学部と周辺部の接続部位)におけるレンズ厚さを確保することによって光学部における光学特性の設計が制限を受けることとなり、レンズ形状や設定度数の設計自由度が小さくなってしまうという問題もあったのである。
【0006】
すなわち、一般にコンタクトレンズの設計に際しては、先ず、良好な装用感と装用時の位置安定性を得るためにレンズ後面の曲率半径を装用者の角膜形状に応じたベースカーブとして決定し、その後、光学部において目的とするレンズ度数が実現されるように、且つ材料等に応じて定められた最小厚さを満足するように、レンズ前面の形状が設計されることとなるが、そこにおいて、前記公報に記載されている従来技術に従えば、レンズ度数を決定するレンズ前面の光学部の外周縁部におけるレンズ厚さが特定の値に設定されることとなるために、光学部の全体に亘ってレンズ厚さが拘束を受けることとなり、結果としてレンズ形状やレンズ度数の設計自由度が制限されてしまうのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、大きな設計自由度を確保しつつ、形状保持特性と装用感を併せて高度に実現せしめ得る、コンタクトレンズの新規な製作方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
すなわち、コンタクトレンズの製作方法に関する本発明の第一の態様は、レンズ中央部分に光学部が設けられると共に、該光学部の外周側に周辺部が設けられてなるコンタクトレンズの形状を決定して製作するに際して、前記光学部のレンズ度数:Pが、「−10ディオプタ≦P≦0ディオプタ」、「P<−10ディオプタ」、「0ディオプタ<P」の何 れの範囲に属するかを判定し、かかる判定結果に応じて、以下の(i)、(ii)、(iii)の何れかの対応する条件に従ってコンタクトレンズの形状を設計するようにしたコンタクトレンズの製作方法を、特徴とする。
(i) レンズ度数:Pが「−10ディオプタ≦P≦0ディオプタ」であることを条件として、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめる一方、レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50mmとすると共に、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TFJを0.05mm以上とし、且つレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TBJを該光学部のレンズ度数:Pに応じて以下に示す条件式を満足するように設定する。
Σ(A i ・10 -i ・P i )≦T BJ /T FJ ≦Σ(B i ・10 -i ・P i )
A 0 =+1.2382
A 1 =−0.1741
A 2 =−1.4711
A 3 =−0.9355
B 0 =+1.4699
B 1 =−0.2523
B 2 =−1.9897
B 3 =−1.2603
(ii) レンズ度数:Pが「P<−10ディオプタ」であることを条件として、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめる一方、レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50 mm とすると共に、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:T FJ を0.05 mm 以上とし、且つレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:T BJ を該光学部のレンズ度数:Pに応じて以下に示す条件式を満足するように設定する。
(1)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:D FOZ が「D FOZ <7.0 mm の場合」
0.877 ≦ T BJ /T FJ ≦ 0.993
(2)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:D FOZ が「D FOZ ≧7.0 mm の場合」
Σ(A i ・10 -i ・P i )≦T BJ /T FJ ≦Σ(B i ・10 -i ・P i )
A 0 =+1.7980
A 1 =+1.4330
A 2 =+0.5824
A 3 =+0.0814
B 0 =+2.0184
B 1 =+1.5827
B 2 =+0.6298
B 3 =+0.0871
(iii) レンズ度数:Pが「0ディオプタ<P」であることを条件として、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめる一方、レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50 mm とすると共に、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:T FJ を0.05 mm 以上とし、且つレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:T BJ を該光学部のレンズ度数:Pに応じて以下に示す条件式を満足するように設定する。
(1)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:D FOZ が「D FOZ <7.0 mm の場合」
1.238 ≦ T BJ /T FJ ≦ 1.470
(2)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:D FOZ が「D FOZ ≧7.0 mm の場合」
Σ(A i ・10 -i ・P i )≦T BJ /T FJ ≦Σ(B i ・10 -i ・P i )
A 0 =+1.2066
A 1 =−0.0398
A 2 =−0.1341
A 3 =+0.0139
B 0 =+1.4328
B 1 =−0.0516
B 2 =−0.1436
B 3 =+0.0153
【0010】
【0011】
すなわち、本発明の第一の態様は、レンズ度数に応じて決定されるレンズ前面の形状によって光学部によるレンズの形状保持特性が相違する点に、本発明者等が新規に着目し、更なる検討を加えた結果、レンズ前面における光学部と周辺部の接続部位とレンズ後面における光学部と周辺部の接続部位を径方向で相互に離隔位置せしめた場合のそれら両接続部位における肉厚寸法の相対比を、レンズ度数に応じて調節することにより、光学部におけるレンズの形状保持効果を効率的に補完することが可能であって、特に、かかる相対比を、上述の条件式で表される如く、光学部のレンズ度数に応じて、特定の条件を満足するように設定することによって、コンタクトレンズの装用感を良好に保ちつつ、優れたレンズの形状保持特性が実現され得ることが明らかとなったのであって、このような知見に基づいて、本態様が完成され得たのである。
【0012】
しかも、本態様においては、レンズ後面における光学部と周辺部の接続部位を、レンズ前面における光学部と周辺部の接続部位に対して径方向外方に離隔位置せしめた構成を採用したことにより、レンズ度数に応じて決定される上述の如きレンズ前後面での光学部と周辺部の両接続部位における厚さ寸法の相対比を、レンズ後面での光学部と周辺部の接続部位で調節することが出来るのであり、それによって、レンズ前面での光学部と周辺部の接続部位の厚さ寸法を光学部に要求される光学特性等に基づいて設定されるベストの値に設定したままで光学特性への悪影響を可及的に回避しつつ、レンズ後面での光学部と周辺部の接続部位の厚さ寸法を調節して、レンズの形状保持特性を要求レベルまで向上させることが可能となるのである。
【0013】
さらに、本態様においては、レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50mm、より好ましくは0.05〜0.50mmとすると共に、レンズ前面における光学部と周辺部の接続部位のレンズ厚さを0.05mm以上、より好ましくは0.10mm以上に設定したことにより、光学部の肉厚寸法を含む形状をレンズ度数に応じて揃えることが可能となる。それ故、光学部で発揮される形状保持特性を統一的に且つ精度良く把握することが出来るのであり、その結果、光学部で発揮される形状保持特性も考慮して周辺部による形状保持特性を設定することによって、良好な取扱性等が発揮される程度の形状保持特性をレンズ全体で一層安定して実現することが可能となるのである。
【0014】
従って、本態様に従い製作されたコンタクトレンズにおいては、光学部での形状保持特性を考慮しつつレンズ全体で良好な形状保持特性が効率的に実現され得るのであり、特に、過度に厚肉化して過剰な形状保持特性を持たせることに起因する装用感の低下や、厚肉化に伴う光学特性への悪影響などの問題が回避され得ることによって、優れた装用感と良好な取扱性(ハンドリング性)が、両立して高度に実現され得るのである。
【0015】
なお、本態様が適用されるコンタクトレンズの種類や材料は、何等限定されるものでなく、近視用や老視用,乱視用など、従来から公知の各種のコンタクトレンズに対して、何れも適用可能である。また、コンタクトレンズの厚さ寸法は、各部位における半径方向厚さをいい、例えばレンズ後面における光学部が球面ならばその中心を通る直線上の厚さ、非球面ならば頂点円の中心を起点とした直線方向におけるレンズ厚さの寸法によって特定され得る。
また、本態様においては、特に、光学部のレンズ度数をレンズ形状の判断値に利用したことにより、光学部分における形状保持効果を考慮して、光学部分の形状保持効果が十分でない場合には、周辺部における形状保持効果を高めて光学部の形状保持効果を補填するように作用せしめることが可能とされ得たのであって、その結果、光学部の光学特性を高精度に確保しつつ、光学部の形状保持効果に応じて周辺部の形状保持効果を適宜に調節せしめて、最終的に、小さな厚さ寸法で、レンズ全体として有効な形状保持効果を実現せしめ得るレンズ形状を有利に且つ容易に設計することが可能となるのである。
また、本態様の上記(i)の条件に従い製作される−10ディオプタ〜0ディオプタのレンズ度数を有するコンタクトレンズは、一般に近視矯正用レンズとして需要が多く、例えばレンズ度数を所定間隔で異ならせたものを取り揃えたシリーズとして市場に提供され得る。
更にまた、本態様に従い製作されるコンタクトレンズにおいて、特に、「ハイマイナスレンズ」と称される−10ディオプタより強度の負屈折力を有するコンタクトレンズにおいては、本態様の上記(ii)の条件に従い、周辺部の形状を、レンズ前面における前記光学部の直径寸法:D FOZ を考慮して設定するようにしたことにより、光学部によるレンズの形状保持効果をより高度に把握して、周辺部を過度に厚肉化すること等もなく、該光学部による形状保持効果を周辺部によってより好適に補完して、レンズ全体として優れた形状保持効果と装用感を両立して実現することが出来る。即ち、光学部径が大きい場合には、光学部における負屈折力がより強度になった場合に、特に外周部分が厚肉となる光学部における有効な形状保持効果を利用することにより、問題となり易い周辺部における過度の厚肉化を回避して良好な装用感を達成することが出来ると共に、光学部径が小さい場合には、光学部において不足しがちな形状保持効果を周辺部によって効果的に補完することが可能となるのである。
また、本態様に従い製作されるコンタクトレンズにおいて、特に、「プラスレンズ」と称される正屈折力を有するものにおいては、本態様の上記(iii)の条件に従い、周辺部の形状を、レンズ前面における前記光学部の直径寸法:D FOZ を考慮して設定するようにしたことにより、前記P<−10ディオプタの範囲で上記(ii)の条件に従い製作されるコンタクトレンズと同様に、光学部による形状保持効果に応じた周辺部の形状保持効果が設定されることとなり、形状保持効果と装用感の両立がレンズ全体で高度に実現可能となる。即ち、光学部径が大きい場合には、光学部における正屈折力がより強度になった場合に、特に中央部分が厚肉となる光学部における有効な形状保持効果を利用することにより、問題となり易い周辺部における過度の厚肉化を回避して良好な装用感を達成することが出来ると共に、光学部径が小さい場合には、光学部において不足しがちな形状保持効果を周辺部によって効果的に補完することが可能となるのである。
【0016】
また、コンタクトレンズの製作方法に関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のコンタクトレンズの製作方法であって、レンズ度数:Pが「−6ディオプタ≦P≦0ディオプタ」であることを条件として、前記(i)よりも優先的に以下の(iv)に従ってコンタクトレンズの形状を設計することを、特徴とする。
(iv) レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50mmとすると共に、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TFJを0.05mm以上とする一方、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめ、且つかかるレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TBJが、下式を満足するように設定する。
TBJ/TFJ ≧ 1
【0017】
このような本発明の第二の態様も、第一の態様と同様に、レンズ前後面での光学部と周辺部の両接続部位における厚さ寸法の相対比を、レンズ度数に応じて調節することにより、レンズの厚肉化等に起因する装用感の低下を回避しつつ、レンズ全体での形状保持効果を効率的に得ることが可能であるという基本的な技術思想に基づいて、本発明者が鋭意検討した結果完成されたものであって、特に、本態様は、レンズ度数:Pが−6〜0ディオプタの場合に、光学部において好ましいレンズ形状や厚さ寸法を設定するに際して、光学部において有効な形状保持効果を得ることが難しいという、新たに得た知見に基づいて完成されたものである。即ち、本態様が、−6ディオプタ〜0ディオプタのレンズ度数を有するコンタクトレンズを対象とするのは、一般に近視矯正用レンズとして需要が多く、例えばシリーズとして市場に提供される前述のレンズ度数の範囲(−10ディオプタ≦P≦0ディオプタ)のコンタクトレンズの中で、特にレンズ度数:Pが−6〜0ディオプタの場合には、光学部における最小肉厚寸法と最大肉厚寸法の差が小さく、最小肉厚寸法を部材強度や耐久性の観点から要求される最小値に設定すると、良好な装用感は得られるものの光学部による形状保持効果を得難いという共通した特性を有するものであることに、本発明者が新たに着目したことに基づくのである。
【0018】
そして、本態様に従い製作されたコンタクトレンズにおいては、光学部における好ましいレンズ形状や厚さ寸法の設定を満足せしめつつ、特にレンズ前面における光学部と周辺部の接続部位の肉厚寸法以上に、レンズ後面における光学部と周辺部の接続部位の肉厚寸法を大きく設定したことにより、光学部で不十分となり易い形状保持効果を、周辺部において効率的に補うことが出来るのであり、それによって、光学部に要求される光学特性や、薄肉寸法による装用感等を高度に保ちつつ、レンズ全体として優れた形状保持効果が実現されて、良好な取扱性が発揮されることとなるのである。なお、TBJ/TFJの値の上限値は、装用感を考慮して、装用者各人の感受性の相違等を考慮しつつ決定されることとなるが、一般に、TBJとTFJの各値とも、その最小値がレンズ材料毎に要求される強度や耐久性の保持限界によって制限されると共に、その最大値が装用感によって制限されて1.0mm以上になることがないことから、TBJ/TFJの値の上限値を特に意識する必要はない。
【0019】
また、本発明方法に従うコンタクトレンズの製作においては、前記コンタクトレンズにおいて、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位の径寸法をレンズ外径寸法の55〜85%とすると共に、レンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位の径寸法をレンズ外径寸法の70〜90%とする態様が、好適に採用され得る。このような本態様においては、各種のレンズ度数の設定に際しても、光学部によるレンズ形状の保持効果と、周辺部によるレンズ形状の保持効果とが、その少なくとも一方において、或いは相互に補い合うことによって全体として、より有効に発揮され得るのである。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
また、本発明方法に従うコンタクトレンズの製作においては、前記コンタクトレンズのレンズ前面とレンズ後面の少なくとも一方において、径方向断面で前記光学部と前記周辺部の各端部に対して共通接線をもって接続されると共に、それら光学部と周辺部の各端部間に亘って接線の傾斜角度が連続して変化する滑らかな連続面形状を有する接続面を形成して、該接続面により前記光学部と周辺部の接続部位を構成する態様が、好適に採用され得る。このような本態様においては、それぞれ異なる要求特性を満足するように異なる断面形状が設定された光学部と周辺部を、それらの接続部位において、径方向所定幅をもって形成された接続面によって滑らかに接続することが出来るのであり、それによって、光学部や周辺部の形状、延いては要求特性に影響を与えることなく、レンズ表面の接続部位にエッジ(折れ点)が形成されることに起因する装用感の低下が有利に回避され得るのである。
【0029】
なお、上記の態様に従う構造の他、例えば周辺部において比較的に自由なレンズ面の形状設計が許容される場合には、レンズ前面およびレンズ後面の少なくとも一方において、光学部の外周縁部に接する周辺部の内周縁部の傾斜角度を光学部の外周縁部の傾斜角度に等しく設定することにより、光学部と周辺部を接続部位において直接に且つ共通接線を有する滑らかな面をもって接続することも可能であり、そのようなレンズ面形状を採用することにより、上記の態様に従う構造とされたコンタクトレンズと同様に、装用感の更なる向上が図られ得ることとなる。
【0030】
また、本発明方法に従うコンタクトレンズの製作においては、前記コンタクトレンズにおいて、レンズ前面における前記周辺部が、2次以上の多項式,円錐曲線およびスプライン曲線の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせによって定義される径方向断面形状とする態様が、好適に採用され得る。このような本態様に従えば、周辺部のレンズ表面を滑らかな面形状をもって、且つ大きな自由度で設計することが出来るのであり、それによって、例えば、光学部に対して直接に共通接線をもった滑らかな面で接続せしめられると共に、レンズ後面における光学部と周辺部の接続部位に目的とする厚さ寸法が設定されて、且つレンズ最外周に形成されるエッジ部に対して滑らかに接続せしめられるような周辺部のレンズ表面形状を、レンズ前面において容易に設定することも可能となるのである。
【0031】
また、本発明方法に従うコンタクトレンズの製作においては、前記コンタクトレンズにおいて、レンズ後面の径方向断面において、前記周辺部の少なくとも一部を円弧形状とする態様が、好適に採用され得る。このような本態様においては、レンズ後面の周辺部を比較的容易に設計することが可能であり、好適には、レンズ後面において周辺部の曲率半径が光学部の曲率半径よりも大きく設定されることとなり、また、かかる周辺部において曲率半径の異なる断面円弧形状部分を2つ以上径方向に連接形成すると共に、光学部に近い内周側に位置する断面円弧形状の部分よりも外周側に位置する断面円弧形状部分を大きな曲率半径とした構成も、有利に採用され得る。
【0032】
また、本発明方法に従うコンタクトレンズの製作においては、前記コンタクトレンズが、軟性材料からなるソフトコンタクトレンズである態様が、好適に採用され得る。本態様に従えば、ソフトコンタクトレンズに対して本発明を適用することにより、光学部に要求されるレンズ度数を高精度に確保しつつ、且つ光学部や周辺部を十分に薄肉として酸素透過性を高度に維持したままで、ソフトコンタクトレンズにおいて大きな問題であった形状保持特性が効果的に向上され得るのであり、それによって、例えば装用時に指に載せた際の指表面へのまとわりつき等が軽減されて良好なハンドリング性が発揮されると共に、レンズ表裏の判定も容易に判定することが可能となるのである。
【0033】
なお、本発明方法に従い製作されるコンタクトレンズは、何れも、高含水,中含水,低含水,非含水の各種ソフトコンタクトレンズだけでなく、ハードコンタクトレンズに対しても適用可能であり、それによって、レンズ全体での強度特性や耐変形特性を十分に確保しつつ、レンズの薄肉化が実現され得ることとなり、以て、要求される光学特性を高度に満足せしめつつ、装用感の向上と取扱性や強度特性の全体的な向上が実現可能となるのである。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
なお、本発明方法に従うコンタクトレンズの製作は、決定されたレンズ形状を実現するように、材料やレンズ度数等を考慮して従来から公知の各種のコンタクトレンズ製造方法に従って実施されることとなり、例えば重合体を切削研磨加工することによって製作する他、目的とするレンズ形状を有する成形キャビティを備えた成形型に単量体組成物を注入して重合と同時に成形したり、或いは、レンズ片面を重合と同時に型成形した後で他方のレンズ面を切削研磨で成形することによって、また、回転型内に単量体組成物を注入して遠心力でスピンキャスト成形すること等によって、有利に製作され得る。
【0041】
【実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0042】
先ず、図1〜2には、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズ10の具体的構造例が示されている。かかるコンタクトレンズ10は、全体として略球殻形状を有しており、良く知られているように、眼球における角膜の表面に重ね合わせて装用されることによって使用されるようになっている。なお、本実施形態のコンタクトレンズ10は、レンズ中心軸が光軸とされており、このレンズ中心軸14回りの回転体形状とされていることから、図1においては、半径方向の縦断面だけを示しておく。
【0043】
より詳細には、本実施形態のコンタクトレンズ10の中央部分には、レンズ前後面にそれぞれ円形状の前面光学部19と後面光学部18が形成されており、これら前後面光学部19,18によって、レンズ中央部分には、視力矯正のための適当なレンズ度数が設定された光学部(optical zone)が形成されている。また、前面光学部19と後面光学部18は、何れも、光軸方向での正面視においてレンズ中心軸14を中心とする円形状とされているが、これら前後面光学部19,18の外径寸法は、互いに異なっており、前面光学部19の外径寸法:DFOZ がレンズ外径寸法:Dの略60%に設定されている一方、後面光学部18の外径寸法:DBOZ は、レンズ外径寸法:Dの略80%に設定されている。なお、コンタクトレンズ10の外径寸法:Dや、前後面光学部19,18の外径寸法:DFOZ ,DBOZ 等は、装用者の角膜や強膜の大きさや装用条件等を考慮して適宜に設定されるものであって、限定されるものでないが、良好な光学特性と涙液交換性やレンズ位置安定性を実現するためには、一般に、0.55≦DFOZ /D≦0.85で、且つ0.70≦DBOZ /D≦0.90となるように設定することが望ましい。
【0044】
また、コンタクトレンズ10の後面光学部18は、装着される角膜の表面に対して装用状態下で略相似形となるように、レンズ中心軸14上でレンズ後方(図1中の右方)に曲率中心が設定されて、適当な曲率半径:rBOZ をもった凹形の縦断面形状を有するベースカーブ面とされている。これにより、コンタクトレンズ10の装用状態下で後面光学部18と角膜の表面の間に形成される涙液層の層厚寸法が、全体に亘って略一定とされて、涙液層によるレンズ作用が軽減乃至は回避されるようになっている。なお、かかるベースカーブ面の縦断面形状としては、装用者の角膜の形状や装用条件等を考慮して、例えば曲率半径:rBOZ が一定の円弧形状の他、曲率半径:rBOZ が径方向で変化する円錐曲線形状等の各種湾曲凹面形状が適宜に採用され得る。そして、かかる後面光学部18は、例えば、レンズ中心軸14を回転中心軸とする回転体形状とされる。
【0045】
また一方、コンタクトレンズ10の前面光学部19は、上述の如く設定されたベースカーブ面と協働して目的とするレンズ度数を与え得る湾曲面形状として設計されており、特に本実施形態では、レンズ中心軸14上でレンズ後方に曲率中心が設定されて、適当な曲率半径:rFOZ をもった縦断面形状を有する湾曲凸状面とされている。なお、この前面光学部(フロントカーブ面)19も、ベースカーブ面18の形状や要求されるレンズ度数,装用条件等を考慮して、例えば曲率半径:rBOZ が一定の円弧形状の他、曲率半径:rBOZ が径方向で変化する円錐曲線形状等の各種湾曲凸面形状が適宜に採用され得る。そして、かかる前面光学部19は、例えば、レンズ中心軸14を回転中心軸とする回転体形状とされる。
【0046】
なお、これら前後面光学部19,18によって形成される光学部は、装用者の眼に対する光学的効果が期待される領域であって、その外周縁部、換言すれば後述する周辺部との境界は、一般に、レンズ前面およびレンズ後面においてそれぞれ縦断面上での曲率の変化点としてとらえることが出来るが、例えば、光学部のレンズ面が半径方向で漸変するような縦断面形状で設計されている場合や、或いはかかる境界が径方向に所定幅をもって形成されてレンズ前後面間で光学部と周辺部を滑らかに繋ぐ接続領域等によって形成される場合等、レンズ前後面における光学部と周辺部の境界は、形状的に線(ライン)として必ずしも明確である必要はない。
【0047】
また、コンタクトレンズ10の外周部分には、光学部の周りを囲むようにして周辺部(peripheral zone)とエッジが形成されている。エッジ24は、コンタクトレンズ10の最外周縁部において円環形状で形成されており、レンズ縦断面において、略半円形状の外周端面から内方に伸び出して形成された面取り状のレンズ前後面を備えており、かかる面取り状のレンズ前後面によってエッジ24のレンズ前後面が前後面周辺部26,28に対して接続されている。なお、図面上では、レンズ前面においてだけ、前面周辺部26とエッジ24の間に面取り状のレンズ面が明示されている。
【0048】
更にまた、周辺部は、前後面光学部19,18の外周側に位置せしめられたレンズの前後面周辺部26,28によって形成されている。これらの前後面周辺部26,28は、それぞれ、レンズ中心軸14を中心として所定の径方向幅寸法をもって周方向に連続して延びる円環形状とされており、その径方向幅寸法:BFPZ , BBPZ が互いに異なっているが、前後面周辺部26,28の何れにおいても、コンタクトレンズ10の前後面光学部19,18とエッジ24のレンズ前後面の間に跨がって設けられており、コンタクトレンズ10の前後面周辺部26,28の内周縁部が、前後面光学部19,18に接続されている。
【0049】
ここにおいて、周辺部における後面周辺部28は、縦断面形状において、所定の曲率半径:rBPZ で広がる単一の円弧形の断面形状の他、曲率半径:rBPZ が径方向に変化する各種形状も適宜に採用可能であり、例えば、径方向外方に行くに従って次第に大きくなる曲率半径をもって連接された複数の円弧形状や、径方向外方に行くに従って曲率半径が次第に大きくなる多項式形状,円錐曲線形状等の各種の形状も、適宜に採用され得る。なお、後面光学部18と後面周辺部28の接続部位(「バックジャンクション」という)30は、縦断面において折れ点となっていても良いが、後面光学部18と後面周辺部28を共通接線をもって接続される形状に設定することも可能であり、或いは、明確なエッジを持たないように適当な円弧を付して、かかる接続部位30をレンズ径方向に所定幅をもって滑らかに形成しても良い。そして、このような後面周辺部28は、一般に、コンタクトレンズ10と角膜の間に形成される涙液層における涙液交換性等を考慮して適当な曲率半径が設定されることとなり、一般的な視力矯正用コンタクトレンズでは、後面光学部18よりも大きな曲率半径をもって後面周辺部28が形成される。
【0050】
また一方、周辺部における前面周辺部26には、縦断面形状において、光学部における形状保持効果をも考慮した特別な湾曲形状が設定されており、それによって、コンタクトレンズにおいて必要とされる有効な形状保持効果が、それら光学部と周辺部の協働によって効率的に発揮されるようになっている。
【0051】
すなわち、先ず、コンタクトレンズ10は、その光学部の肉厚寸法が、レンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値が0.03mm≦TC ≦0.50mmで、且つレンズ前面における光学部と周辺部の接続部位(「フロントジャンクション」という)32での厚さ寸法:TFJの値が0.05mm≦TFJとなるように設定される。
【0052】
なお、かかる設定は、例えば、近視用(マイナスディオプタ)のコンタクトレンズの設計の場合には、先ず、装用される角膜の表面形状等を考慮してベースカーブ(後面光学部)18の形状を決定し、次いで、かかるベースカーブ18の形状を考慮して要求されるレンズ度数を実現する前面光学部19の形状を設計する。続いて、この設計された前面光学部19の外周縁部、即ちフロントジャンクション32のベースカーブ18に対する相対位置を、フロントジャンクション32での厚さ寸法:TFJの値が0.05mmとなるように仮設定し、かかる仮設定状態下でのレンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値をチェックする。そして、この厚さ寸法:TC の値が0.03mm以上あるか否かを判定し、0.03mm≦TC であれば、上記仮設定した前面光学部19を正規の形状として採用するようにする。一方、判定した結果、レンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値が0.03mmに満たなければ、フロントジャンクション32での厚さ寸法:TFJの値を僅かに大きく変更して仮設定をやり直し、同様な判定手法によってレンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値が、0.03mm≦TC ≦0.50mmの条件を満足するまで設定変更の作業を行って、かかる条件を満足した時の仮設定値を光学部のレンズ前面(前面光学部19)の正規形状として採用する。
【0053】
なお、遠視用(プラスディオプタ)のコンタクトレンズの設計の場合にも、基本的には同じ手法に従うが、例えば、フロントジャンクション32のベースカーブ18に対する相対位置を仮設定するに際して、先ず、レンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値が0.03mmとなるように仮設定し、かかる仮設定状態下でのフロントジャンクション32での厚さ寸法:TFJの値が0.05mm以上あるか否かを判定することによって、レンズ中心軸14上での厚さ寸法とフロントジャンクションでの厚さ寸法が、何れも前記条件を満足するように、前面光学部19のレンズ形状を設計する手法が、好適に採用され得る。
【0054】
なお、このことから明らかなように、正負何れの屈折力を有するコンタクトレンズにおいても、TFJの値は、0.05mm以上で且つ0.03mm≦TC ≦0.5mmを満足する範囲で上限を定められることによって、充分に小さい寸法に設定されることとなる。また、TC の値は0.03mm〜0.50mmの範囲で、またTFJの値は0.05mm以上で範囲で、それぞれ、レンズ材料等を考慮して適宜に条件設定され得る。
【0055】
すなわち、このような設計手法に従えば、レンズ中心軸14上のレンズ厚さ:TC が0.03〜0.50mmであると共に、レンズ前面における前面光学部19と前面周辺部26の接続部位32のレンズ厚さ寸法:TFJが0.05mm以上である光学部のレンズ形状を、効率的に設計することが出来るのである。しかも、このようなレンズ厚さ条件を満足するように設計された光学部は、外径寸法が適宜に定められるが、設定されたレンズ度数に応じて略同じ形状および厚さを有することとなる。なお、上述のTFJ,TC の具体値は、例示のものに限定されることはなく、例えば近視用のコンタクトレンズの設計に際して、先ずTFJの値を0.10mm、或いは0.05mm以上の任意の値に設定すると共に、TC の値が0.03mm≦TC ≦0.50mm、或いは0.05mm≦TC ≦0.50mmなどのより狭い特定の領域の条件を満足するように設定しても良い。
【0056】
そして、このようにして設計した各種の異なるベースカーブやフロントカーブ,レンズ度数を備えた多数のソフトコンタクトレンズについて、それぞれ、周辺部の形状や厚さ寸法を各種異ならせて製作し、それら多数のソフトコンタクトレンズについて、コンタクトレンズ装用経験のある多数のモニタによる評価を実施した。かかる評価は、下記〔表1〕に一部結果データを例示するように、ソフトコンタクトレンズのハンドリング性を兼ねた表裏判定評価と、異物感や刺激等の装用感の評価、および視覚的乃至は光学的なフィッティング性評価とによって行った。なお、実施した評価は膨大な量となるので、ここでは各個別の評価データの掲載は割愛し、得られた多数の評価データを統計処理したものを、図3にグラフ化して示す。
【0057】
また、レンズ度数:Pが0ディオプタよりプラス側の正屈折力レンズ、および−10ディオプタよりマイナス側のハイマイナスの負屈折力レンズでは、特に近視矯正用に多用されている−10ディオプタ≦P≦0ディオプタのレンズ度数:Pを有するコンタクトレンズと異なり、光学部の径寸法、具体的にはレンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ の値によって評価結果を分けて考えることが妥当である。
【0058】
即ち、先ず、P<−10ディオプタのハイマイナスの屈折力を有するコンタクトレンズにおいては、得られた多数の評価データを統計処理した結果、DFOZ <7mmの場合には、レンズ度数:Pが異なっても、「P=−10ディオプタ」の場合の評価結果と大きな変化が認められなかったが、DFOZ ≧7mmの場合には、周辺部の形状や厚さによる評価結果が、レンズ度数:Pの値に応じて変化することが確認されたのであり、その得られた多数の評価データを統計処理したものを、図4にグラフ化して示す。
【0059】
更に、同様に、0ディオプタ<Pの正屈折力を有するコンタクトレンズにおいては、得られた多数の評価データを統計処理した結果、DFOZ <7mmの場合には、レンズ度数:Pが異なっても、「P=0ディオプタ」の場合の評価結果と大きな変化が認められなかったが、DFOZ ≧7mmの場合には、周辺部の形状や厚さによる評価結果が、レンズ度数:Pの値に応じて変化することが確認されたのであり、その得られた多数の評価データを統計処理したものを、図5にグラフ化して示す。
【0060】
なお、図3〜5に結果が示された、上述の評価に採用したコンタクトレンズの材料は、HEMA(ハイドロキシエチルメタクリレート)系であったが、その他の材料からなるソフトコンタクトレンズについても、一般に採用される材料の強度特性を有するものである限り、同様な評価結果が確認されている。
【0061】
【表1】
【0062】
かかる図3,4,5において、上限評価線と下限評価線で挟まれた領域が、殆どのモニタの評価結果が、表裏判定性と装用感,フィッティング性の何れに関しても良好であった範囲である。この結果から明らかなように、前述の如く、光学部の肉厚寸法に関して、レンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値が0.03mm≦TC ≦0.50mmで、且つレンズ前面における前面光学部19と前面周辺部26の接続部位32での厚さ寸法:TFJの値が0.05mm≦TFJとなる条件を満足するように設計したコンタクトレンズにあっては、装用感やハンドリング性(表裏判定等の取扱性)の良否に関して、設定レンズ度数(POWER):Pの値と、バックジャンクションとフロントジャンクションの比:TBJ/TFJの値との間に、特定の関係のあることが認められる。
【0063】
そして、このような評価結果(特に、図3参照)から、先ず第一に、レンズ度数:Pの値が、−6ディオプタ≦P≦0ディオプタである場合には、前述の如く、レンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値が0.03mm≦TC ≦0.50mmで、且つレンズ前面における前面光学部19と前面周辺部26の接続部位32での厚さ寸法:TFJの値が0.05mm≦TFJとなるようにすると共に、フロントジャンクション32よりもバックジャンクション30を径方向外方に位置せしめて、フロントジャンクション32とバックジャンクション30における各レンズ厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値を、少なくとも1以上に設定することが有効であり、それによって、レンズ厚さの過度の厚肉化を回避して、薄肉で良好な装用感を実現せしめつつ、光学部における形状保持特性を周辺部で補って、レンズ全体として良好な形状保持特性を達成せしめることが可能となるということが認められるのである。
【0064】
要するに、従来のコンタクトレンズでは、前述の背景技術欄に示した公開公報にも記載されているように、フロントジャンクションの肉厚寸法を大きく設定することが形状保持特性の向上に有効であると考えられており、フロントジャンクションよりもバックジャンクションの肉厚寸法を小さく設定することが一般的であったのであるが、上述の評価結果から明らかなように、レンズ中心軸14上での厚さ寸法やフロントジャンクション32での厚さ寸法およびバックジャンクション30とフロントジャンクション32の相対位置関係に関して前述の如き特定のレンズ形状を採用した結果、少なくとも−6ディオプタ≦P≦0ディオプタの範囲では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJをフロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJ以上に大きく設定することが有効であり、それによって、良好な装用感と取扱性が両立的に達成可能となるのである。
【0065】
さらに、第二として、前述の評価結果(特に、図3,4,5参照)から、前述の如く、レンズ中心軸14上での厚さ寸法:TC の値が0.03mm≦TC ≦0.50mmで、且つレンズ前面における前面光学部19と前面周辺部26の接続部位32での厚さ寸法:TFJの値が0.05mm≦TFJとなるようにすると共に、フロントジャンクション32よりもバックジャンクション30を径方向外方に位置せしめて、フロントジャンクション32とバックジャンクション30における各レンズ厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値を、レンズ度数:Pの値に応じて、特定の条件式を満足するように決定することによって、良好な装用感と取扱性が両立的に達成可能となることが、認められるのである。
【0066】
そして、かかる条件式は、上述の評価結果から、図3,4,5に示された上限評価線および下限評価線を用いて、下記の如く表すことが出来る。
【0067】
(I)レンズ度数:Pが、−10ディオプタ≦P≦0ディオプタの場合
Σ(Ai ・10-i・Pi )≦TBJ/TFJ≦Σ(Bi ・10-i・Pi )
但し、A0 =+1.2382
A1 =−0.1741
A2 =−1.4711
A3 =−0.9355
B0 =+1.4699
B1 =−0.2523
B2 =−1.9897
B3 =−1.2603
【0068】
(II)レンズ度数:Pが、P<−10ディオプタ(ハイマイナス)の場合
(1)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ <7.0mmの場合」
0.877 ≦ TBJ/TFJ ≦ 0.993
(2)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ ≧7.0mmの場合」
Σ(Ai ・10-i・Pi )≦TBJ/TFJ≦Σ(Bi ・10-i・Pi )
但し、A0 =+1.7980
A1 =+1.4330
A2 =+0.5824
A3 =+0.0814
B0 =+2.0184
B1 =+1.5827
B2 =+0.6298
B3 =+0.0871
【0069】
(III)レンズ度数:Pが、0<Pディオプタ(正屈折力)の場合
(1)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ <7.0mmの場合」
1.238 ≦ TBJ/TFJ ≦ 1.470
(2)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ ≧7.0mmの場合」
Σ(Ai ・10-i・Pi )≦TBJ/TFJ≦Σ(Bi ・10-i・Pi )
但し、A0 =+1.2066
A1 =−0.0398
A2 =−0.1341
A3 =+0.0139
B0 =+1.4328
B1 =−0.0516
B2 =−0.1436
B3 =+0.0153
【0070】
なお、図3,4,5の各グラフ中には、本実施形態の理解を容易とするために、それぞれ適用されるレンズ度数:Pの範囲内において採用される上下限の評価線を上記条件式に従って近似的に求めた結果を、多項式として示した。
【0071】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明が、前述の解決手段および実施形態の欄における具体的な記載によって、更に後述するより具体的な実施例の記載によって、何等、限定的に解釈されるものでないことは理解されるべきである。
【0072】
例えば、前記実施形態では、本発明をソフトコンタクトレンズに対して適用した場合について説明したが、本発明は、例えば公知の各種のハード系レンズ材料からなるハードコンタクトレンズに対しても適用可能であり、それによって、薄肉で装用感に優れると共に、強度特性や形状安定性乃至は耐変形性に優れたハードタイプのコンタクトレンズが有利に実現可能となるのである。
【0073】
特に、本発明方法は、フロントジャンクション32とバックジャンクション30における各レンズ厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値を、レンズ度数:Pの値に応じて、特定の条件式を満足するように決定することを大きな特徴とするものであって、実際に採用する具体的な条件式の値は、コンタクトレンズの材料等に応じて調節することが可能であって、そのような具体的条件式の値を、本発明の条件式の範囲に含まれる範囲内において、より狭い範囲に限定的に設定することも可能である。
【0074】
【実施例】
本発明に従って設計されたコンタクトレンズのより具体的な形状を、実施例1〜7として、図6〜12に示す。なお、図6〜12においては、それらの理解を容易とするために、図面中に前記実施形態に対応する各部位に対してそれぞれ前記実施形態と同一の符号や記号を付すると共に、具体的な各部の寸法を図面中に明示する。また、何れの実施例のコンタクトレンズにおいても、レンズ外径寸法:D,レンズ後面の光学部外径寸法:DBOZ の各値を、D=14mm,DBOZ =11mmとした。
【0075】
すなわち、図6に示された実施例1のコンタクトレンズは、縦断面において、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ =8mmで、光学部の後面光学部18が曲率半径:rBOZ =8.40mmの円弧形状とされていると共に、前面光学部19が曲率半径:rFOZ =8.9370mmの円弧形状とされており、これによって、レンズ度数:P=−3.00ディオプタとされている。また、レンズ中心軸14上の厚さ寸法:TC =0.095mmとされていると共に、フロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJ=0.144mmとされている。更に、周辺部の後面周辺部28が曲率半径:rBPZ =8.6231mmの円弧形状とされている。
【0076】
そして、このような条件下で、図3に示された上下限評価線による条件を満足するように、バックジャンクション30とフロントジャンクション32の各厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値が1.25となるように条件出しを行って周辺部の前面周辺部26の形状を設定した。なお、本実施例では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJ=0.18mmの点を通ることに加えて、周辺部の内外周縁部が光学部の外周縁部とエッジの内周縁部に対して接続せしめられること、更に前面周辺部26の内周縁部が前面光学部19の外周縁部に対して共通接線をもって連続せしめられることを条件として、周辺部の前面周辺部26の断面形状を、レンズ中心軸14からの距離をxとする3次の多項式で設定した。このようにして決定した前面周辺部26の形状を表す多項式を下記に示す。
【0077】
f(x)=ax3 +bx2 +cx+d
但し、a=−1.96075×10-2
b= 1.69572×10-1
c=−9.15919×10-1
d= 9.75528
【0078】
このような形状が付与されたコンタクトレンズにあっては、本発明の条件を満足するものであって、優れた装用感と併せて、表裏の判定容易性などの優れたハンドリング性が発揮され得ることが確認されている。
【0079】
次に、図7に示された実施例2のコンタクトレンズは、縦断面において、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ =8mmで、光学部の後面光学部18が曲率半径:rBOZ =8.40mmの円弧形状とされていると共に、前面光学部19が曲率半径:rFOZ =8.5995mmの円弧形状とされており、これによって、レンズ度数:D=−1.00ディオプタとされている。また、レンズ中心軸14上の厚さ寸法:TC =0.12mmとされていると共に、フロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJ=0.129mmとされている。更に、周辺部の後面周辺部28が曲率半径:rBPZ =8.6231mmの円弧形状とされている。
【0080】
そして、このような条件下で、図3に示された上下限評価線による条件を満足するように、バックジャンクション30とフロントジャンクション32の各厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値が1.30となるように条件出しを行って周辺部の前面周辺部26の形状を設定した。なお、本実施例では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJ=0.168mmの点を通ることに加えて、実施例1と同様に周辺部の内外周縁部が光学部の外周縁部とエッジの内周縁部に対して接続せしめられること、更に前面周辺部26の内周縁部が前面光学部19の外周縁部に対して共通接線をもって連続せしめられることを条件として、周辺部の前面周辺部26の断面形状を、レンズ中心軸14からの距離をxとする3次の多項式で設定した。このようにして決定した前面周辺部26の形状を表す多項式を下記に示す。
【0081】
f(x)=ax3 +bx2 +cx+d
但し、a=−2.36813×10-2
b= 2.40855×10-1
c=−1.31558
d= 1.04573×10
【0082】
このような形状が付与されたコンタクトレンズも、実施例1のものと同様に、本発明の条件を満足するものであって、優れた装用感と併せて、表裏の判定容易性などの優れたハンドリング性が発揮され得ることが確認されている。
【0083】
さらに、図8に示された実施例3のコンタクトレンズは、縦断面において、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ =8mmで、光学部の後面光学部18が、頂点半径:VrBOZ =8.40mm,離心率:e=0.5のレンズ中心軸14を回転中心軸とする回転二次曲面である円錐曲面とされていると共に、前面光学部19が、頂点半径:VrFOZ =8.93699mm,コニック係数:k=0.148193のレンズ中心軸14を回転中心軸とする回転二次曲面である円錐曲面とされており、これによって、レンズ度数:D=−3.00ディオプタとされている。また、レンズ中心軸14上の厚さ寸法:TC =0.095mmとされていると共に、フロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJ=0.137mmとされている。更に、周辺部の後面周辺部28が、頂点半径:VrBPZ =8.75455mm,離心率:e=0.5のレンズ中心軸14を回転中心軸とする回転二次曲面である円錐曲面とされている。
【0084】
そして、このような条件下で、図3に示された上下限評価線による条件を満足するように、バックジャンクション30とフロントジャンクション32の各厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値が1.25となるように条件出しを行って周辺部のレンズ前面26の形状を設定した。なお、本実施例では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJ=0.171mmの点を通ることに加えて、実施例1と同様に周辺部の内外周縁部が光学部の外周縁部とエッジの内周縁部に対して接続せしめられること、更に前面周辺部26の内周縁部が前面光学部19の外周縁部に対して共通接線をもって連続せしめられることを条件として、周辺部の前面周辺部26の断面形状を、レンズ中心軸14からの距離をxとする3次の多項式で設定した。このようにして決定した前面周辺部26の形状を表す多項式を下記に示す。
【0085】
f(x)=ax3 +bx2 +cx+d
但し、a=−1.09356×10-2
b= 6.79957×10-2
c=−5.10568×10-1
d= 9.21201
【0086】
このような形状が付与されたコンタクトレンズも、実施例1,2のものと同様に、本発明の条件を満足するものであって、優れた装用感と併せて、表裏の判定容易性などの優れたハンドリング性が発揮され得ることが確認されている。
【0087】
さらに、図9に示された実施例4のコンタクトレンズは、縦断面において、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ =6mmで、光学部の後面光学部18が曲率半径:rBOZ =8.40mmの円弧形状とされていると共に、前面光学部19が曲率半径:rFOZ =11.7739mmの円弧形状とされており、これによって、レンズ度数:D=−15.00ディオプタのハイマイナスとされている。また、レンズ中心軸14上の厚さ寸法:TC =0.08mmとされていると共に、フロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJ=0.230mmとされている。更に、周辺部の後面周辺部28が曲率半径:rBPZ =8.6231mmの円弧形状とされている。
【0088】
そして、このような条件下で、ハイマイナスのDFOZ <7mmのコンタクトレンズに適用される下式:
0.877 ≦ TBJ/TFJ ≦ 0.993
による条件を満足するように、バックジャンクション30とフロントジャンクション32の各厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値が0.90となるように条件出しを行って周辺部の前面周辺部26の形状を設定した。なお、本実施例では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJ=0.207mmの点を通ることに加えて、周辺部の内外周縁部が光学部の外周縁部とエッジの内周縁部に対して接続せしめられること、更に前面周辺部26の内周縁部が前面光学部19の外周縁部に対して共通接線をもって連続せしめられることを条件として、周辺部の前面周辺部26の断面形状を、レンズ中心軸14からの距離をxとする3次の多項式で設定した。このようにして決定した前面周辺部26の形状を表す多項式を下記に示す。
【0089】
f(x)=ax3 +bx2 +cx+d
但し、a=−2.53921×10-3
b=−9.88608×10-2
c= 3.98225×10-1
d= 7.85502
【0090】
このような形状が付与されたコンタクトレンズにあっては、本発明の条件を満足するものであって、優れた装用感と併せて、表裏の判定容易性などの優れたハンドリング性が発揮され得ることが確認されている。
【0091】
次に、図10に示された実施例5のコンタクトレンズは、その光学部において、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ が、DFOZ =8mmとされている以外は、後面光学部18の曲率半径:rBOZ =8.40,前面光学部19の曲率半径:rFOZ =11.7739mm,レンズ度数:D=−15.00ディオプタ,レンズ中心軸14上の厚さ寸法:TC =0.08mmとされて、図9に示された実施例4のコンタクトレンズと同一とされている。また、その周辺部の後面周辺部28も、実施例4と同じに、曲率半径:rBPZ =8.6231mmとされている。要するに、本実施例5のコンタクトレンズは、前記実施例4のコンタクトレンズと基本的光学特性を同じにするハイマイナスレンズであって、ただ前面光学部19の外径寸法:DFOZ が、前記実施例4のものよりも大きく設定されているのである。そして、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ が大きくされていることにより、フロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJも、TFJ=0.348mmとされて、実施例4のものより大きくなっている。
【0092】
そして、このような条件下で、ハイマイナスのDFOZ ≧7mmのコンタクトレンズに適用される図4に示された上下限評価線による条件を満足するように、バックジャンクション30とフロントジャンクション32の各厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値が0.70となるように条件出しを行って周辺部の前面周辺部26の形状を設定した。なお、本実施例では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJ=0.244mmの点を通ることに加えて、周辺部の内外周縁部が光学部の外周縁部とエッジの内周縁部に対して接続せしめられること、更に前面周辺部26の内周縁部が前面光学部19の外周縁部に対して共通接線をもって連続せしめられることを条件として、周辺部の前面周辺部26の断面形状を、レンズ中心軸14からの距離をxとする3次の多項式で設定した。このようにして決定した前面周辺部26の形状を表す多項式を下記に示す。
【0093】
f(x)=ax3 +bx2 +cx+d
但し、a= 2.87579×10-2
b=−6.27877×10-1
c= 3.28142
d= 2.85956
【0094】
このような形状が付与されたコンタクトレンズにあっては、本発明の条件を満足するものであって、優れた装用感と併せて、表裏の判定容易性などの優れたハンドリング性が発揮され得ることが確認されている。
【0095】
次に、図11に示された実施例6のコンタクトレンズは、縦断面において、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ =6mmで、光学部の後面光学部18が曲率半径:rBOZ =8.40mmの円弧形状とされていると共に、前面光学部19が曲率半径:rFOZ =6.6347mmの円弧形状とされており、これによって、レンズ度数:D=15.00ディオプタの正屈折力(ハイプラス)とされている。また、レンズ中心軸14上の厚さ寸法:TC =0.32mmとされていると共に、フロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJ=0.147mmとされている。更に、周辺部の後面周辺部28が曲率半径:rBPZ =8.6231mmの円弧形状とされている。
【0096】
そして、このような条件下で、正屈折力のDFOZ <7mmのコンタクトレンズに適用される下式:
1.238 ≦ TBJ/TFJ ≦ 1.470
による条件を満足するように、バックジャンクション30とフロントジャンクション32の各厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値が1.30となるように条件出しを行って周辺部の前面周辺部26の形状を設定した。なお、本実施例では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJ=0.191mmの点を通ることに加えて、周辺部の内外周縁部が光学部の外周縁部とエッジの内周縁部に対して接続せしめられること、更に前面周辺部26の内周縁部が前面光学部19の外周縁部に対して共通接線をもって連続せしめられることを条件として、周辺部の前面周辺部26の断面形状を、レンズ中心軸14からの距離をxとする3次の多項式で設定した。このようにして決定した前面周辺部26の形状を表す多項式を下記に示す。
【0097】
f(x)=ax3 +bx2 +cx+d
但し、a=−2.87313×10-2
b= 3.08024×10-1
c=−1.57935
d= 1.07446×10
【0098】
このような形状が付与されたコンタクトレンズにあっては、本発明の条件を満足するものであって、優れた装用感と併せて、表裏の判定容易性などの優れたハンドリング性が発揮され得ることが確認されている。
【0099】
次に、図12に示された実施例7のコンタクトレンズは、縦断面において、レンズ前面の光学部外径寸法:DFOZ が前記実施例6よりも大きくDFOZ =8mmとされている一方、光学部の後面光学部18が曲率半径:rBOZ =8.40mmの円弧形状とされていると共に、前面光学部19が曲率半径:rFOZ =6.6868mmの円弧形状とされており、これによって、レンズ度数:D=15.00ディオプタの正屈折力(ハイプラス)とされている。また、レンズ中心軸14上の厚さ寸法:TC =0.49mmとされていると共に、フロントジャンクション32の厚さ寸法:TFJ=0.155mmとされている。更に、周辺部の後面周辺部28が曲率半径:rBPZ =8.6231mmの円弧形状とされている。
【0100】
そして、このような条件下で、正屈折力でDFOZ ≧7mmのコンタクトレンズに適用される図5に示された上下限評価線による条件を満足するように、バックジャンクション30とフロントジャンクション32の各厚さ寸法の比:TBJ/TFJの値が0.90となるように条件出しを行って周辺部の前面周辺部26の形状を設定した。なお、本実施例では、バックジャンクション30の厚さ寸法:TBJ=0.139mmの点を通ることに加えて、周辺部の内外周縁部が光学部の外周縁部とエッジの内周縁部に対して接続せしめられること、更に前面周辺部26の内周縁部が前面光学部19の外周縁部に対して共通接線をもって連続せしめられることを条件として、周辺部の前面周辺部26の断面形状を、レンズ中心軸14からの距離をxとする3次の多項式で設定した。このようにして決定した前面周辺部26の形状を表す多項式を下記に示す。
【0101】
f(x)=ax3 +bx2 +cx+d
但し、a=−5.35862×10-2
b= 7.59929×10-1
c=−4.25377
d= 1.58474×10
【0102】
このような形状が付与されたコンタクトレンズにあっては、本発明の条件を満足するものであって、優れた装用感と併せて、表裏の判定容易性などの優れたハンドリング性が発揮され得ることが確認されている。
【0103】
なお、前記実施例6及び7に示されたプラス度数のコンタクトレンズにおける光学部のレンズ形状から明らかなように、一般にプラスレンズでは、レンズ中心軸上よりもレンズ前面における光学部と周辺部の接続部位の方がレンズ厚さが大きくなる。従って、レンズ中心軸上のレンズ厚さ:TC を比較的に大きく設定しても問題がなく、またレンズ中心軸上のレンズ厚さ:TC の最大値は、レンズ前面における光学部と周辺部の接続部位の設定許容範囲によって制限されることから、例えばレンズ中心軸上でのレンズ厚さ:TC は、0.05mm≦TC となる条件を満足するように設計することが有効である。
【0104】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明方法に従い作製されたコンタクトレンズにおいては、レンズ後面における光学部と周辺部の接続部位をレンズ前面における光学部と周辺部の接続部位よりも径方向外方に離隔位置せしめた特徴的な基本形状を採用した上で、光学部に設定されるレンズ度数に応じて、それらレンズ後面と前面の両接続部位における肉厚寸法の相対比を、特定の条件を満足するように調節設定するようにしたことにより、レンズ全体を十分に薄肉として装用感を良好に保ちつつ、レンズ全体で優れたレンズの形状保持特性を持たせて良好な取扱性を発揮させることが可能となるのである。
【0105】
また、本発明方法に従えば、レンズ度数を考慮して、レンズ後面における光学部と周辺部の接続部位とレンズ前面における光学部と周辺部の接続部位の相対的な厚さ寸法を設定することにより、光学部による形状保持効果と周辺部による形状保持効果の両方を全体として把握することが出来るのであり、その結果、レンズの厚肉化を回避しつつ、レンズの形状保持特性を効果的に設計付与することが可能となって、優れた装用感と良好な取扱性を両立して高度に実現され得るコンタクトレンズデザインを容易に決定することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズの概略を示す半径方向の縦断面説明図である。
【図2】 図1に示されたコンタクトレンズの正面図である。
【図3】 図1に示された構造のコンタクトレンズであって、光学部のレンズ度数:Pが「−10ディオプタ≦P≦0ディオプタ」であるものの複数種類についてモニタ評価を行った結果を統計的に示すグラフである。
【図4】 図1に示された構造のコンタクトレンズであって、光学部のレンズ度数:Pが「P<−10ディオプタ」であるものの複数種類についてモニタ評価を行った結果を統計的に示すグラフである。
【図5】 図1に示された構造のコンタクトレンズであって、光学部のレンズ度数:Pが「0<P」であるものの複数種類についてモニタ評価を行った結果を統計的に示すグラフである。
【図6】 本発明の実施例1としてのコンタクトレンズを示す半径方向の縦断面図である。
【図7】 本発明の実施例2としてのコンタクトレンズを示す半径方向の縦断面図である。
【図8】 本発明の実施例3としてのコンタクトレンズを示す半径方向の縦断面図である。
【図9】 本発明の実施例4としてのコンタクトレンズを示す半径方向の縦断面図である。
【図10】 本発明の実施例5としてのコンタクトレンズを示す半径方向の縦断面図である。
【図11】 本発明の実施例6としてのコンタクトレンズを示す半径方向の縦断面図である。
【図12】 本発明の実施例7としてのコンタクトレンズを示す半径方向の縦断面図である。
【符号の説明】
10 コンタクトレンズ
14 レンズ中心軸
18 後面光学部
19 前面光学部
26 前面周辺部
28 後面周辺部
30 バックジャンクション
32 フロントジャンクション
Claims (2)
- レンズ中央部分に光学部が設けられると共に、該光学部の外周側に周辺部が設けられてなるコンタクトレンズの形状を決定して製作するに際して、
前記光学部のレンズ度数:Pが、「−10ディオプタ≦P≦0ディオプタ」、「P<−10ディオプタ」、「0ディオプタ<P」の何れの範囲に属するかを判定し、かかる判定結果に応じて、以下の(i)、(ii)、(iii)の何れかの対応する条件に従ってコンタクトレンズの形状を設計することを特徴とするコンタクトレンズの製作方法。
(i) レンズ度数:Pが「−10ディオプタ≦P≦0ディオプタ」であることを条件として、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめる一方、レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50mmとすると共に、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TFJを0.05mm以上とし、且つレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TBJを該光学部のレンズ度数:Pに応じて下式:
Σ(Ai ・10-i・Pi )≦TBJ/TFJ≦Σ(Bi ・10-i・Pi )
A0 =+1.2382
A1 =−0.1741
A2 =−1.4711
A3 =−0.9355
B0 =+1.4699
B1 =−0.2523
B2 =−1.9897
B3 =−1.2603
を満足するように設定する。
(ii) レンズ度数:Pが「P<−10ディオプタ」であることを条件として、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめる一方、レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50mmとすると共に、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TFJを0.05mm以上とし、且つレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TBJを該光学部のレンズ度数:Pに応じて下式:
(1)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ <7.0mmの場合」
0.877 ≦ TBJ/TFJ ≦ 0.993
(2)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ ≧7.0mmの場合」
Σ(Ai ・10-i・Pi )≦TBJ/TFJ≦Σ(Bi ・10-i・Pi )
A0 =+1.7980
A1 =+1.4330
A2 =+0.5824
A3 =+0.0814
B0 =+2.0184
B1 =+1.5827
B2 =+0.6298
B3 =+0.0871
を満足するように設定する。
(iii) レンズ度数:Pが「0ディオプタ<P」であることを条件として、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめる一方、レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50mmとすると共に、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TFJを0.05mm以上とし、且つレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TBJを該光学部のレンズ度数:Pに応じて下式:
(1)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ <7.0mmの場合」
1.238 ≦ TBJ/TFJ ≦ 1.470
(2)レンズ前面における前記光学部の直径寸法:DFOZ が「DFOZ ≧7.0mmの場合」
Σ(Ai ・10-i・Pi )≦TBJ/TFJ≦Σ(Bi ・10-i・Pi )
A0 =+1.2066
A1 =−0.0398
A2 =−0.1341
A3 =+0.0139
B0 =+1.4328
B1 =−0.0516
B2 =−0.1436
B3 =+0.0153
を満足するように設定する。 - レンズ度数:Pが「−6ディオプタ≦P≦0ディオプタ」であることを条件として、前記(i)よりも優先的に以下の(iv)に従ってコンタクトレンズの形状を設計する請求項1に記載のコンタクトレンズの製作方法。
(iv) レンズ中心軸上のレンズ厚さを0.03〜0.50mmとすると共に、レンズ前面における前記光学部と前記周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TFJを0.05mm以上とする一方、レンズ前面における該光学部と該周辺部の接続部位よりもレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位をレンズ中心軸に直交するレンズ径方向で外方に位置せしめ、且つかかるレンズ後面における該光学部と該周辺部の接続部位のレンズ厚さ:TBJが下式:
TBJ/TFJ ≧ 1
を満足するように設定する。
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