JP4006587B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射ヘッドとして、例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色剤噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、極少量の試料を噴射する精密ピペットとしての試料噴射ヘッド、被記録材にインク滴を吐出する記録ヘッド等を有する液体噴射装置、および該液体噴射装置の1形態としてのインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置の1つとして、インクジェット式記録装置がある。このインクジェット式記録装置は、主走査方向(被記録材の幅方向)に往復移動するキャリッジに搭載され、被記録材に向けてインク滴を噴射する記録ヘッドと、被記録材を副走査方向(主走査方向と直交する方向)に精密送りする搬送ローラなどの紙送り手段を備え、記録ヘッドを主走査方向に移動させつつインク滴を噴射することによって記録(印刷)を行うように構成されている。
【0003】
記録ヘッドは、圧力発生室で所定圧に加圧したインクをノズル形成面にあるノズル開口からインク滴として被記録材に向けて吐出する。このため、インクの粘度上昇や固化、また塵埃の付着によるノズルの目詰まり、さらにはインク流路内への気泡混入等によりインク吐出特性が変動してしまい、記録精度に問題をきたすことがある。
【0004】
このために、当該インクジェット式記録装置においては、インクの吐出特性を一定に維持するための特性維持手段として、キャッピング手段、負圧発生手段およびワイピング手段を備えたものがある。
【0005】
キャッピング手段は、インクジェット式記録装置の非使用時にキャッピング装置で記録ヘッドのノズル形成面を封止することによって外部から隔離し、ノズル開口のインクの乾燥や塵埃の付着を防いでいる。
【0006】
また、ノズルの目詰まりや、インク流路内に気泡の混入等が生じた場合に、これらを除去する負圧発生手段を備えている。この負圧発生手段は、前記キャッピング装置でノズル形成面を封止した状態で、ノズルに負圧を作用させることで該ノズル開口からインクを強制的に吸引排出させて目詰まりや気泡混入を解消する。この負圧発生手段は、通常、インクジェット式記録装置を長期間不使用であった後に使用を再開する場合や、ユーザーが記録精度の低下を認識した場合等に所定の操作により実行できるようになっている。
【0007】
上記のように目詰まりや気泡混入を解消させるためのインクの強制的な吸引排出処理を行うと、ノズル開口から排出されたインクが飛び散って記録ヘッドのノズル形成面に付着することがあるとともに、ノズル形成面に付着したインクに塵埃などの異物が吸着されやすい。このような場合にノズル形成面を払拭するワイピング手段を備えている。このワイピング手段はエラストマー等の弾性素材からなるワイピング部材を有し、該ワイピング部材の基端部側をホルダによって固定されて構成されている。そして、ワイピング部材の先端側(自由端部側)をノズル形成面に押し当てつつ、相対移動させて該ノズル形成面に付着したインク等を取り除いて清掃するようになっている。
【0008】
このワイピング部材によるノズル形成面の清掃動作は、「ワイピング動作」と言われている。ここで図10は、従来技術におけるワイピング動作を示す図面である(例えば、特許文献1参照。)。記録ヘッド9は、キャリッジ2の下底部に形成された開口部41に嵌め込まれるようにして搭載されている。また、記録ヘッド9の移動方向下流側近傍には、移動方向に沿ってノズル形成面19より表面位置がワイピング装置20から遠ざかるように変化する傾斜面32を有する傾斜部材31が設けられている。
【0009】
ワイピング部材21は、通常、エラストマーなどの弾性素材により形成されており、記録ヘッド9のノズル形成面19に対して相対的に移動可能なホルダ29に支持固定されている。このワイピング部材21は平行移動(図10において紙面表裏方向)して、記録ヘッド9の移動経路上に進退可能に構成されている。そして、記録ヘッド9の移動経路上に進出した場合にノズル形成面19を払拭する。
【0010】
ワイピング部材21は、記録ヘッド9のノズル形成面19に摺接するために充分な干渉量(すなわち、記録ヘッド9の移動経路上における、ワイピング部材21と記録ヘッド9との重複部分)をもって配置されており、払拭時には記録ヘッド9の移動経路上にワイピング部材21が進出して静止した状態で記録ヘッド9が移動してくることにより、弾性素材で形成されたワイピング部材21が該記録ヘッド9の端面に当接しつつ変形される。さらに記録ヘッド9が矢印方向に移動することによって、ワイピング部材21の先端部がノズル形成面19に当接して、該ノズル形成面19に摺接しつつ、付着したインク等を拭い取る。このワイピング動作によって、ノズル形成面19に付着していたインク等が取り除かれて、記録動作中に被記録材に飛散することを防止することが可能である。そして、記録ヘッド9のノズル形成面19を通過したワイピング部材21は、傾斜部材31の傾斜面32に沿って、徐々に復元される。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−180013号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
記録ヘッド9のノズル形成面19を通過したワイピング部材21は、傾斜部材31の傾斜面32へと移動する。前記ノズル形成面19と前記傾斜面32との間には、公差寸法上の隙間42があるため、ノズル形成面19を払拭しインクが付着したワイピング部材21がこの隙間42に入り込み、もしくは隙間42を通過する際に若干復元して、掻き取ったインクを飛び散らし、周辺部材を汚損するという問題があった。
【0013】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであった、その課題は、ワイピング動作時に液体噴射ヘッドのノズル形成面から掻き取った液体の飛散を抑制可能な液体噴射装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様は、対象物に向けてノズル開口より液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに対して相対移動することにより、該液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング部材と、前記液体噴射ヘッド近傍であって、前記ワイピング部材との相対移動方向下流側に設けられ、該液体噴射ヘッドとワイピング部材との相対移動方向に沿って当該液体噴射ヘッドのノズル形成面より表面位置が変化する傾斜面を有する傾斜部材と、を有する液体噴射装置であって、前記ワイピング部材を、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から前記傾斜部材の傾斜面へと案内するガイド手段が備えられていることを特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、ワイピング部材を、液体噴射ヘッドのノズル形成面から傾斜部材の傾斜面へと案内するガイド手段が備えられているため、液体噴射ヘッドのノズル形成面に摺接して液体を掻き取った変形状態のワイピング部材は、該ガイド手段によって案内され、液体噴射ヘッドのノズル形成面から傾斜部材の傾斜面にスムーズに移動することができる。従って、液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭し終わったワイピング部材は徐々に復元されるため、ノズル形成面から掻き取った液体の飛散を抑制することができる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
また、本発明の第二の態様は、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載され、対象物に向けてノズル開口より液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに対して相対移動することにより、該液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング部材と、前記液体噴射ヘッド近傍であって、前記ワイピング部材との相対移動方向下流側に設けられ、該液体噴射ヘッドとワイピング部材との相対移動方向に沿って当該液体噴射ヘッドのノズル形成面より表面位置が遠ざかるように変化する傾斜面を有する傾斜部材と、を有する液体噴射装置であって、前記傾斜部材は、液体噴射ヘッドではなく前記キャリッジに設けられ、前記傾斜部材には、相対移動方向を側視して前記液体噴射ヘッドと重複する導入部が備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭したワイピング部材が該導入部を介して前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から前記傾斜部材の傾斜面へと移動するように構成したことを特徴とする。
【0017】
この特徴によれば、傾斜部材には、相対移動方向を側視して前記液体噴射ヘッドと重複する導入部が備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭したワイピング部材が該導入部を介して前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から前記傾斜部材の傾斜面へと移動するように構成したため、液体噴射ヘッドのノズル形成面に摺接して液体を掻き取った変形状態のワイピング部材は、ノズル形成面から傾斜部材の傾斜面へとスムーズに移動することができる。従って、液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭し終わったワイピング部材は徐々に復元されるため、ノズル形成面から掻き取った液体の飛散を確実に抑制することができる。
【0018】
また、本発明の第三の態様は、第二の態様において、前記導入部は、前記液体噴射ヘッドの相対移動方向下流側における当該液体噴射ヘッドの幅内において部分的に重複するように構成されていることを特徴とする。この特徴によれば、導入部が液体噴射ヘッドの相対移動方向下流側における当該液体噴射ヘッドの幅内において部分的に重複するように構成されているので、ワイピング部材が液体噴射ヘッドのノズル形成面から傾斜部材の傾斜面へと確実に移動することができる。従って、ノズル形成面から掻き取った液体の飛散を確実に抑制することができる。また、ワイピング部材の幅が液体噴射ヘッドの幅と略等しい場合においても、ワイピング部材を液体噴射ヘッドのノズル形成面から傾斜部材の傾斜面へと確実に案内することができる。
【0019】
また、本発明の第四の態様は、第二の態様または第三の態様において、前記導入部は、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から突出しないように構成されていることを特徴とする。この特徴によれば、導入部におけるワイピング部材との不必要な接触を回避することができるので、ワイピング部材は液体噴射ヘッドのノズル形成面全面を確実に払拭することが可能である。
【0020】
また、本発明の第五の態様は、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載され、対象物に向けてノズル開口より液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに対して相対移動することにより、該液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング部材と、前記液体噴射ヘッド近傍であって、前記ワイピング部材との相対移動方向下流側に設けられ、該液体噴射ヘッドとワイピング部材との相対移動方向に沿って当該液体噴射ヘッドのノズル形成面より表面位置が遠ざかるように変化する傾斜面を有する傾斜部材と、を有する液体噴射装置であって、前記傾斜部材は、液体噴射ヘッドではなく前記キャリッジに設けられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面と前記傾斜部材の傾斜面とが連続的となるように連結した橋渡し部が備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭したワイピング部材が該橋渡し部を介して前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から前記傾斜部材の傾斜面へと移動するように構成したことを特徴とする。
【0021】
この特徴によれば、液体噴射ヘッドのノズル形成面と前記傾斜部材の傾斜面とが連続的となるように連結した橋渡し部が備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭したワイピング部材が該橋渡し部を介して前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から前記傾斜部材の傾斜面へと移動するように構成したため、液体噴射ヘッドのノズル形成面に摺接して液体を掻き取った変形状態のワイピング部材は、該ノズル形成面から傾斜部材の傾斜面へとスムーズに移動することができる。従って、液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭し終わったワイピング部材は徐々に復元されるため、ノズル形成面から掻き取った液体の飛散を確実に抑制することができる。
【0022】
また、本発明の第六の態様は、第五の態様において、液体噴射装置は前記液体噴射ヘッドの外周を囲むヘッドカバーを有し、前記橋渡し部は、前記ヘッドカバーの一部を加工して構成したことを特徴とする。この特徴によれば、橋渡し部は、前記ヘッドカバーの一部を加工することにより構成できるため、その加工が容易である。また、既存の部材を使用することができるため、低コストである。
【0023】
また、本発明の第七の態様は、第一の態様から第六の態様のいずれか一つにおいて、当該液体噴射装置は、インクジェット式記録装置であることを特徴とする。この特徴によれば、インクジェット式記録装置において、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の作用効果が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置1の外観斜視図である。なおここでは、インクジェット式記録装置1の内部構成を現すために上カバーを外した状態を示している。図2は、同インクジェット式記録装置1の要部平面図であって、キャッピング装置10の周囲を示しており、図3は図2における要部側面図である。
【0025】
符合2で示すキャリッジは、主走査方向に延びるキャリッジガイド軸3に支持されているとともに、駆動モータ5に接続された無端ベルトから構成されるタイミングベルト6の一部が取り付けられている。そして、タイミングベルト6の駆動によってキャリッジガイド軸3に沿って主走査方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ2の下底部、すなわち被記録材Pと対向する面には記録ヘッド9が搭載され、該キャリッジ2に装着されたインクカートリッジ4からインクの供給を受けて、被記録材Pに向けてインク滴を吐出できるようになっている。なお、キャリッジ2には、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローなど複数色のインクカートリッジ4を着脱自在に装着できるように構成されており、カラー印刷を実行可能となっている。符号18は印刷領域において記録ヘッド9の対向する位置に主走査方向に長く配設されたプラテンを示し、被記録材Pを下から支えることによって、記録ヘッド9と被記録材Pとの距離を規定している。
【0026】
非印刷領域であるキャリッジ2のホームポジション位置(図1において装置右隅)には、記録ヘッド9のノズル形成面19を封止するキャッピング装置10が配置されている。キャッピング装置10は、記録ヘッド9のノズル形成面19を封止するキャップ部材11と、負圧発生手段としての吸引装置12を有している。そして、キャリッジ2に搭載された記録ヘッド9がキャッピング装置10の直上に位置したときに、記録ヘッド9に向けて上方に移動することでノズル形成面19を封止できるように構成されている。すなわち、本実施形態においては、キャッピング装置10のキャップ部材11は、記録ヘッド9のノズル形成面19に当接し、または離間できるような高さ位置変位機構を備えている。
【0027】
また、図3に示すように、キャップ部材11によりノズル形成面19を封止した状態で必要に応じて吸引装置12によってノズルに負圧を作用させて、ノズルの目詰まりや、インク流路内の気泡混入を解消できるようになっている。すなわち、キャップ部材11が記録ヘッド9のノズル形成面19を封止した状態で、吸引口13を介して吸引装置12によって負圧を作用させてインクを強制的に吸引排出させることで記録ヘッド9のクリーニングが行われる。
【0028】
このようにキャッピング装置10により記録ヘッド9のノズル形成面19を封止することによって、インクジェット式記録装置1の非使用時にノズルの乾燥や塵埃の付着を防ぐことができるとともに、前記したように吸引装置12による負圧をノズルに作用させることでインクの吸引排出処理を行うことができるようになっている。
【0029】
キャッピング装置10の近傍の印刷領域側には、キャリッジ2の移動に伴って記録ヘッド9のノズル形成面19を払拭するワイピング装置20が配置されている。
【0030】
ワイピング装置20は、キャリッジ2が往復移動する主走査方向と直交する方向(図3において紙面表裏方向)に水平状態を保持したまま(すなわち、高さ位置を変化させずに)移動可能なワイピング移動機構(図示せず)を備え、これにより記録ヘッド9の移動経路内の所定位置に進出し、または退避できるように構成されている。ワイピング装置20の進退動作は、既知のワイピング移動機構により行われ、その動力源には被記録材の搬送用の紙送りモータ(図示せず)の駆動力が利用されている。そして、ワイピング装置20が記録ヘッド9の移動経路内に進出した場合に、記録ヘッド9のノズル形成面19を払拭する。
【0031】
ここで、図4は本発明に係る第1の実施形態を示す要部側断面図であり、図5は図4におけるキャリッジについてワイピング装置側からみた要部平面図である。
図4に示す如く、キャリッジ2の下底部には開口部41が形成されていて、この開口部41に記録ヘッド9が嵌め込まれるようにして、キャリッジ2に搭載されている。記録ヘッド9の下部は、その外周をヘッドカバー15によって囲まれており、被記録材Pとの不必要な接触等から保護されている。
【0032】
また、記録ヘッド9の近傍であって、キャッピング装置10側のキャリッジ2上には、キャリッジ2の移動方向に沿って、記録ヘッド9のノズル形成面19よりワイピング部材21から遠ざかるように表面位置が変化する傾斜面32を有する傾斜部材31が設けられている。この傾斜部材31は、図4及び図5に示す如く、記録ヘッド9のノズル形成面19と該傾斜部材31の傾斜面32との間の隙間42を塞ぐように記録ヘッド9と重複する導入部33を有している。
【0033】
この傾斜部材31の導入部33は、図5に示す如く記録ヘッド9の一部を「コの字」状に囲んでいる。また、この導入部33の下端部33aは記録ヘッド9のノズル形成面19と略等しい高さ位置であるとともに、該ノズル形成面19の終端部(右端部)近傍に位置するように形成されている。また、該下端部33aに向けて記録ヘッド9の移動方向に沿ってノズル形成面19に近づくように形成された傾斜部33bが設けられている。すなわち、図4に示す如くキャリッジ2を側視して、該導入部33を介して、記録ヘッド9のノズル形成面19と傾斜部材31の傾斜面32とが連続的となるように構成されている。なお、ノズル形成面19全面にわたってワイピング部材21が摺接できるようするとともに、印刷時に被記録材Pと干渉しないように、傾斜部材31の導入部33は記録ヘッド9のノズル形成面19より下方(ワイピング部材21側)に突出することがないように構成されている。
【0034】
以上の構成により、キャリッジ2(記録ヘッド9)が矢印A方向に移動することによって、記録ヘッド9のノズル形成面19に摺接して変形状態のワイピング部材21が、該ノズル形成面19の終端部(右端部)に達する。そして、記録ヘッド9がさらに同方向に移動することによって、ワイピング部材21は傾斜部材31の導入部33を介して傾斜部材31の傾斜面32に摺接する。導入部33には前記傾斜部33bが形成されているので、ワイピング部材21のノズル形成面19から傾斜面32への移動がスムーズに行われ、当該ワイピング部材21に衝撃やキズなどの損傷を与えることがない。
【0035】
すなわち、記録ヘッド9のノズル形成面19を払拭したワイピング部材21は、記録ヘッド9と傾斜部材31との隙間42に落ち込むことなく、導入部33を介して、ノズル形成面19から傾斜面32へと滑らかに移動する。従って、隙間42を通過する際に、ワイピング部材21が該隙間42に入り込んだり、復元したりすることがほとんどなく、隙間42の通過に伴うインクの飛散を抑制することができる。そして、ワイピング部材21は導入部33を介して傾斜面32に摺接して徐々に復元されるため、ノズル形成面19から掻き取ったインクの飛散を確実に抑制することができる。
【0036】
また、図6及び図7に導入部に係る他の実施形態を示す。ここで、図6は、要部側断面図であり、図7は図6における要部平面図である。なお、図4及び図5と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0037】
傾斜部材31に備えられる導入部33は、図7に示す如く、記録ヘッド9の相対移動方向下流側における該記録ヘッド9の幅内において凹凸状に構成することができる。そして、記録ヘッド9側においても、傾斜部材31における凹凸状の導入部33に対応するように凸凹を構成することができる。このような構成においては、図6に示す如く、相対移動方向を側視して傾斜部材31の導入部33と重複するように記録ヘッド9側が形成され、互いの凹凸が対応する凸凹に入り込むことによって部分的に重複するように構成されている。なお、このような構成の導入部33は、例えば、図7(a)、(b)または(c)に示す構造とすることができる。
【0038】
このような構成によれば、ワイピング部材21の幅が記録ヘッド9の幅と略等しい場合、または、被記録材搬送手段である給紙ローラ(図示せず)や排紙ローラ(図示せず)との干渉を回避する等の設計上の理由によって記録ヘッド9の幅以上に傾斜部材31を構成できない場合においても、当該記録ヘッド9のノズル形成面19を払拭したワイピング部材21が、記録ヘッド9のノズル形成面19から傾斜部材31の傾斜面32へとスムーズに移動することができる。
【0039】
従って、記録ヘッド9のノズル形成面19を払拭したワイピング部材21は、記録ヘッド9と傾斜部材31との隙間42に落ち込むことなく、導入部33を介して、ノズル形成面19から傾斜面32へと滑らかに移動する。つまり、隙間42を通過する際に、ワイピング部材21が該隙間42に入り込んだり、復元したりすることがほとんどなく、隙間42の通過に伴うインクの飛散を抑制することができる。そして、ワイピング部材21は導入部33を介して傾斜面32に摺接して徐々に復元されるため、ノズル形成面19から掻き取ったインクの飛散を確実に抑制することができる。
【0040】
次に、図8は本発明に係る第2の実施形態を示す要部側断面図であり、図9は図8におけるキャリッジについてワイピング装置側からみた要部平面図である。
図8に示す如く、キャリッジ2の下底部には開口部41が形成されていて、この開口部41に記録ヘッド9が嵌め込まれるようにして、キャリッジ2に搭載されている。記録ヘッド9は、その外周をヘッドカバー15によって囲まれており、被記録材Pとの不必要な接触等から保護されている。
【0041】
また、記録ヘッド9の近傍であって、キャッピング装置10側のキャリッジ2上には、キャリッジ2の移動方向に沿って、記録ヘッド9のノズル形成面19よりワイピング部材21から遠ざかるように表面位置が変化する傾斜面32を有する傾斜部材31が設けられている。
【0042】
また、記録ヘッド9と傾斜部材31との間には、隙間42を埋めるように、ノズル形成面19と傾斜面32とが連続的となるように連結した橋渡し部16が設けられている。本実施形態における橋渡し部16は、ワイピング部材21の移動経路上に位置する前記ヘッドカバー15の一部を折り曲げ加工して構成されている。該橋渡し部16は、記録ヘッド9のノズル形成面19と傾斜部材31の傾斜面32との間で、図9(a)に示す如く1箇所でも、図9(b)に示す如く2箇所でも、または図9(c)に示す如く3箇所設けてもよく、さらに、これ以上設けることもできる。すなわち、ワイピング部材21の移動経路上において、記録ヘッド9のノズル形成面19と傾斜部材31の傾斜面32とが連続的となるように連結することによって隙間42を塞ぎ、該隙間42にワイピング部材21が入り込まないように構成したものである。
【0043】
以上の構成により、キャリッジ2(記録ヘッド9)が矢印A方向に移動することによって、記録ヘッド9のノズル形成面19に摺接して変形状態のワイピング部材21が、該ノズル形成面19の終端部(右端部)に達する。そして、記録ヘッド9がさらに同方向に移動することによって、ワイピング部材21は橋渡し部16を介して傾斜部材31の傾斜面32に摺接する。該橋渡し部16は、ノズル形成面19と傾斜面32とが連続的となるように連結して形成されているので、ワイピング部材21によるノズル形成面19から傾斜面32への移動がスムーズに行われ、該ワイピング部材21に衝撃を与えることがない。
【0044】
すなわち、記録ヘッド9のノズル形成面19を払拭したワイピング部材21は、記録ヘッド9と傾斜部材31との隙間42に落ち込むことなく、橋渡し部16を介して、ノズル形成面19から傾斜面32へと滑らかに移動する。従って、隙間42を通過する際に、ワイピング部材21が該隙間42に入り込んだり、復元したりすることがほとんどなく、隙間42の通過に伴うインクの飛散を抑制することができる。そして、ワイピング部材21は橋渡し部16を介して傾斜面32に摺接して徐々に復元されるため、ノズル形成面19から掻き取ったインクの飛散を確実に抑制することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明よれば、記録ヘッドのノズル形成面に摺接して変形状態となったワイピング部材が、該ノズル形成面から傾斜部材の傾斜面へとスムーズに移動するため、このノズル形成面から傾斜面への移動に際して不必要な力がワイピング部材に負荷されることがなく、掻き取ったインクの飛散を抑制することができる。
すなわち、記録ヘッドと傾斜部材との間に交差寸歩上の隙間が生じていたとしても、この隙間をワイピング部材が通過する際に、該隙間に入り込んだり復元したりすることがないので、当該隙間によるインクの飛散を確実に低減することが可能である。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット式記録装置の外観斜視図。
【図2】 同インクジェット式記録装置の要部平面図。
【図3】 図2における要部側面図。
【図4】 本発明の第1実施形態の説明に供する要部側断面図。
【図5】 図4における要部平面図。
【図6】 導入部の他形態の説明に供する要部側断面図。
【図7】 図6における要部平面図。
【図8】 本発明の第2実施形態の説明に供する要部側断面図。
【図9】 図8における要部平面図。
【図10】 従来技術の説明に供する側断面図。
【符号の説明】
1 インクジェット式記録装置、2 キャリッジ、3 キャリッジガイド軸、4 インクカートリッジ、5 駆動モータ、6 タイミングベルト、9 記録ヘッド、10 キャッピング装置、11 キャップ部材、12 吸引装置、15 ヘッドカバー、16 橋渡し部、18 プラテン、19 ノズル形成面、20 ワイピング装置、21 ワイピング部材、29 ホルダ、31 傾斜部材、32傾斜面、33 導入部、41 開口部、42 隙間、P 被記録材
Claims (6)
- 主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載され、対象物に向けてノズル開口より液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに対して相対移動することにより、該液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング部材と、
前記液体噴射ヘッド近傍であって、前記ワイピング部材との相対移動方向下流側に設けられ、該液体噴射ヘッドとワイピング部材との相対移動方向に沿って当該液体噴射ヘッドのノズル形成面より表面位置が遠ざかるように変化する傾斜面を有する傾斜部材と、
を有する液体噴射装置であって、
前記傾斜部材は、液体噴射ヘッドではなく前記キャリッジに設けられ、
前記傾斜部材には、相対移動方向を側視して前記液体噴射ヘッドと重複する導入部が備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭したワイピング部材が該導入部を介して前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から前記傾斜部材の傾斜面へと移動するように構成したことを特徴とする、液体噴射装置。 - 請求項1において、前記導入部は、前記液体噴射ヘッドの相対移動方向下流側における当該液体噴射ヘッドの幅内において部分的に重複するように構成されていることを特徴とする、液体噴射装置。
- 請求項1または請求項2において、前記導入部は、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から突出しないように構成されていることを特徴とする、液体噴射装置。
- 主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載され、対象物に向けてノズル開口より液滴を吐出する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに対して相対移動することにより、該液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング部材と、
前記液体噴射ヘッド近傍であって、前記ワイピング部材との相対移動方向下流側に設けられ、該液体噴射ヘッドとワイピング部材との相対移動方向に沿って当該液体噴射ヘッドのノズル形成面より表面位置が遠ざかるように変化する傾斜面を有する傾斜部材と、
を有する液体噴射装置であって、
前記傾斜部材は、液体噴射ヘッドではなく前記キャリッジに設けられ、
前記液体噴射ヘッドのノズル形成面と前記傾斜部材の傾斜面とが連続的となるように連結した橋渡し部が備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭したワイピング部材が該橋渡し部を介して前記液体噴射ヘッドのノズル形成面から前記傾斜部材の傾斜面へと移動するように構成したこと特徴とする、液体噴射装置。 - 請求項4において、液体噴射装置は前記液体噴射ヘッドの外周を囲むヘッドカバーを有し、前記橋渡し部は、前記ヘッドカバーの一部を加工して構成したことを特徴とする、液体噴射装置。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項において、当該液体噴射装置は、インクジェット式記録装置であることを特徴とする、液体噴射装置。
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