JP4003382B2 - 発電機および電子制御式機械時計 - Google Patents
発電機および電子制御式機械時計 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4003382B2 JP4003382B2 JP2000214703A JP2000214703A JP4003382B2 JP 4003382 B2 JP4003382 B2 JP 4003382B2 JP 2000214703 A JP2000214703 A JP 2000214703A JP 2000214703 A JP2000214703 A JP 2000214703A JP 4003382 B2 JP4003382 B2 JP 4003382B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- generator
- coil
- magnets
- magnetic body
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 23
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 claims description 5
- 230000035699 permeability Effects 0.000 claims description 5
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 39
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 description 25
- 238000010248 power generation Methods 0.000 description 22
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 13
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 7
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 5
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 5
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 4
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 4
- 230000008859 change Effects 0.000 description 4
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 230000005611 electricity Effects 0.000 description 3
- 238000004146 energy storage Methods 0.000 description 3
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 3
- 229910000889 permalloy Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 2
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 238000005381 potential energy Methods 0.000 description 2
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 2
- 229910001369 Brass Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000976 Electrical steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 235000016496 Panda oleosa Nutrition 0.000 description 1
- 240000000220 Panda oleosa Species 0.000 description 1
- 229910052772 Samarium Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 1
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 230000036772 blood pressure Effects 0.000 description 1
- 239000010951 brass Substances 0.000 description 1
- 239000013590 bulk material Substances 0.000 description 1
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 1
- 239000010941 cobalt Substances 0.000 description 1
- 229910017052 cobalt Inorganic materials 0.000 description 1
- GUTLYIVDDKVIGB-UHFFFAOYSA-N cobalt atom Chemical compound [Co] GUTLYIVDDKVIGB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 239000005300 metallic glass Substances 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 239000010453 quartz Substances 0.000 description 1
- KZUNJOHGWZRPMI-UHFFFAOYSA-N samarium atom Chemical compound [Sm] KZUNJOHGWZRPMI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920006395 saturated elastomer Polymers 0.000 description 1
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N silicon dioxide Inorganic materials O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 230000001360 synchronised effect Effects 0.000 description 1
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 1
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
- Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
- Electromechanical Clocks (AREA)
- Control Of Eletrric Generators (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機および電子制御式機械時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上下2枚の円板状のバックヨークの内面側に磁石を取付け、これらのバックヨーク間にコイルを配置したフラットトルクモータ型発電機が知られている。
【0003】
このようなフラットトルクモータ型発電機は、従来、次の2種類のものが用いられていた。
【0004】
すなわち、第1のタイプの発電機は、例えば、欧州特許出願公開0851322号公報等に記載された発電機のように、上下2枚のバックヨークの間に配置されるコイルを中心から巻回して円盤状に形成し、このコイルの中心から半分を各バックヨーク間に配置し、残りの半分側はバックヨークの外側に配置させていた。
【0005】
また、第2のタイプの発電機は、例えば、特開平3−218493号公報に記載された発電機のように、中心に中空部を有する中空コイルを用い、かつコイルと磁石の対数を同数とし、かつ各磁石が隣接する2つのコイルの中心間部分に跨って配置される状態が生じるように、コイルおよび磁石を同ピッチで配置することで、コイル全体を2枚のバックヨーク間に配置できるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1タイプの発電機では、各バックヨークに取り付けた磁石からの磁界を、コイルの片側(半分の面積)にしか掛けられないという問題があった。このため、コイルによる発電量を高めるには、磁界を強くしてつまり強力な磁石が必要となり、その分、磁石が大型化してロータが重くなるという問題がある。
【0007】
また、第2のタイプの発電機では、1つのコイルの中心を挟んだ両側で、磁束の向きを互いに逆方向にしなければ発電できないため、各磁石を2つのコイルに跨って配置できる大きさに大型化しなければならず、その分、ロータが重くなるという問題があった。
【0008】
さらに、1つのコイルに2つの磁石から逆方向の磁界が加えられた際に、そのエリアを明確に区別できるように、コイルの中心は中空部とされている。
【0009】
そして、これらの発電機においては、そもそもロータは、2枚のバックヨークを有していてある程度の重量がある上、磁石が大型化するとロータが非常に重くなるという問題があった。
【0010】
このロータが重くなると、ロータを回転させるトルク等も大きくする必要があり、発電効率が低下するという問題があった。
【0011】
また、ロータが重くなると、ロータほぞの摩擦摩耗が多くなり、その分、耐用年数が短くなるという問題があった。
【0012】
さらに、このような発電機を組み込んだ電子制御式機械時計においては、発電機の小型、軽量化や発電効率の向上による持続時間の延長が求められている。
【0013】
本発明の目的は、フラットトルクモータ型発電機において、ロータの重量を軽減でき、発電効率も向上できる発電機およびこの発電機を組み込んだ電子制御式機械時計を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の発電機は、
機械的エネルギ源から機械的エネルギ伝達手段を介して伝達される機械的エネルギを電気エネルギに変換する発電機において、
対向配置された2枚のプレート、および、互いに対向するように各々のプレートに設けられた複数の磁石を有するロータと、
前記2枚のプレート間に配置され、かつ両側面が前記プレートの対向面に向かい合うように配置された複数のコイルとを備え、
前記コイルが巻回される芯部と、その芯部の両端に形成されたフランジ部とで構成された磁性体が配置され、
前記磁性体は、高透磁率材からなり、
前記磁石は、2つのコイルに跨らない大きさである
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の発電機では、各プレート間に配置されたコイルの中心部に磁性体を配置したので、より具体的にはコイルの各プレート対向面に平行な面方向において中心となる部分に、一方のプレートから他方のプレートに向かう方向にコイルを貫通する磁性体を配置したので、各プレートの磁石からの磁束線(一方のプレートの磁石から他方のプレートの磁石に向かう磁束線)は、コイルよりも透磁率の高い磁性体を通る。そして、プレートが回転してコイルに対して磁石が移動することで、この磁性体を通る磁束線が変化して発電が行われる。
【0016】
すなわち、本発明では、フラットトルクモータ型発電機でありながら、磁心となる磁性体を設け、この磁性体にコイルを巻回させた構造であるため、コイルに直接鎖交する磁束線の変化で発電するのではなく、磁性体を通過する磁束の変化によって発電することができる。
【0017】
このため、従来のコイルの片側のみに磁界を加えるタイプ(前記第1タイプ)のフラットトルクモータ型発電機に対して、コイル全体を利用して発電できるために、同じ発電量を得る場合には、従来より弱い磁石でよく、その分、磁石を小型化できてロータも軽量化できる。
【0018】
また、中空コイルを利用し、2つのコイルに跨るような大型の磁石を用いるタイプ(前記第2タイプ)のフラットトルクモータ型発電機に対しては、2つのコイルに磁石を跨らせる必要が無いために、より小さな磁石にでき、ロータも軽量化できる。
【0019】
従って、ロータを軽量化できるので、発電効率も向上でき、ロータほぞの摩擦摩耗を少なくできて耐用年数も延長できる。
【0020】
なお、前記プレートに設けられた磁石は、各プレートの互いに対向する面(内面)に設けてもよいし、各プレートの外側の面(外面)に設けてもよく、さらには一方の磁石を内面に設け、他方の磁石を外面に設けてもよい。
【0021】
また、本発明において、プレートとは、円盤状等に形成された薄板材を意味し、その平面形状は、三角形、四角形等でもよいが、特に円形であること、つまりプレートは円盤であることが好ましい。
【0022】
ここで、前記コイルの中心部に配置されている磁性体の軸直交方向の断面形状は、三角形、台形または扇形に形成されていることが好ましい。
【0023】
コイルの中心部に配置される磁性体の軸直交方向の断面形状(プレートの対向面に平行な面方向の断面形状)が円形の場合に比べて、三角形、台形、扇形のいずれかにすれば、コイルの巻数および大きさ(面積)が同じであれば、磁性体の断面積を大きくできる。このため、コイルのサイズ、巻数が同じ場合、鎖交磁束数を多くでき、発電性能をより向上できる。
【0024】
一方、コイル中心の磁性体の断面積が同じ場合、断面円形の磁性体よりも、断面三角形、台形、扇形の磁性体のほうが、コイル中心が配置されるプレートの軸を中心とする円周上において、磁性体が占める長さを短くでき、その分、コイル巻数を多くできて、発電性能を向上できる。
【0025】
また、前記ロータに設けられた磁石は、プレートの対向面においてロータの回転軸を中心とする円周上に配置され、前記コイルは、磁性体が挿入された中心部が前記ロータの磁石が配置される円周上に配置されていることが好ましい。
【0026】
このように構成すれば、コイルに対してプレートを回転させた際に、磁石と磁性体とが最も近接した際に、一方のプレートの磁石、磁性体、他方のプレートの磁石間の磁路が一直線となって最も短くできる。このため、磁路における空隙距離が短くなり、パーミアンスを低減できる。
【0027】
前記コイル中心部に配置された磁性体は、アモルファス材で構成されていることが好ましい。
【0028】
磁性体がアモルファス材であれば、磁性体での鉄損を減らすことができ、ゼンマイ等の機械的エネルギ源によってロータを回転させた際に、エネルギ損を少なくできて長持続化できる。
【0030】
磁性体が、芯部およびフランジ部を有してボビン状に形成されていれば、この磁性体にコイルを容易に巻き付けることができる。また、ボンドメット線を使わずにコイルを巻くことができるため、巻き効率を向上できる。
【0031】
その上、フランジ部を利用してコイルを基板等に容易に固定でき、かつフランジ部が設けられているために、磁性体の磁石対向面の面積を大きくでき、磁石から出た磁束をコイル中心の磁性体に流れやすくでき、漏れ磁束を減少できる。
【0032】
さらに、前記コイル中心部に配置された磁性体は、複数の細長い棒状磁性体の集合体で構成され、かつ前記棒状磁性体の長手方向は前記各プレートに設けられた磁石によって発生する磁束線の向きに平行に配置されていることが好ましい。このように、1本の磁性体を細くすれば、その分、渦電流損失を軽減でき、発電性能を向上できる。
【0033】
また、前記棒状磁性体の断面形状は、正三角形、正方形、正六角形のいずれかであることが好ましい。このように構成すれば、各棒状磁性体を隙間無く配列できるため、所定面積内における棒状磁性体の有効断面積(隙間部分を除いた面積)を大きくでき、発電性能を向上できる。また、複数の棒状磁性体を束ねた際の安定性を向上できる。
【0034】
前記コイル中心部に配置された磁性体は、薄板状磁性体を巻いて構成され、その中心軸方向は前記各プレートに設けられた磁石によって発生する磁束線の向きに平行に配置されていることが好ましい。具体的には、短冊状に形成した薄板状磁性体を巻いて円筒状に形成した際に、その円筒端面部分が各プレートに対向するように配置すればよい。
【0035】
このように構成すれば、シート状に形成された磁性体をそのまま利用できるため、シート状に形成されるアモルファス材の場合でも、容易に利用することができる。
【0036】
また、前記ロータ磁石は偶数対設けられ、かつ各プレートにおいて隣接して配置される各磁石同士と、各プレートにおいて対向配置される磁石同士は、それぞれ異極同士であることが好ましい。
【0037】
磁石の配置としては、一方のプレートにN極の磁石のみを配置し、他方のプレートにS極の磁石のみを配置してもよいが、各プレートにおいてその回転軸を中心とする円周方向でN極、S極の磁石を交互に配置して円周方向に隣接する磁石同士が異極になるようにし、さらに両プレートで対向配置される各磁石同士も異極となるようにしたほうが、コイル中心の磁性体に磁束が流れやすくなり、かつその磁束変化を大きくできるため、鎖交磁束数を増やすことができて発電性能を向上できる。
【0038】
また、前記コイル数が奇数個であり、ロータ磁石の数が偶数対であることが好ましい。例えば、コイルが3個の場合に、磁石を4対(各プレートにそれぞれ4個ずつ)配置したり、コイルが5個の場合に、磁石を4対(各プレートにそれぞれ4個ずつ)配置すればよい。
【0039】
このように構成すれば、1個のコイル中心部の磁性体と磁石とを同軸上に揃えた際に、他のコイルの磁性体と磁石とは互いにずれた位置に配置されるため、すべての磁性体と各磁石とが同軸上に揃っている場合に比べて、磁性体にロータの磁石が引き寄せられるために生じるコギングトルクを小さくでき、ロータの起動性を向上できる。
【0040】
ここで、前記コイル数をNc、磁石の対数をNm(但し、Nc、Nmは偶数)とした場合に、Nc<Nmの時はNm/Ncの値が整数ではなく、Nc>Nmの時はNc/Nmの値が整数ではないようにされていることが好ましい。
【0041】
例えば、コイル数(Nc)が4個、磁石対数(Nm)を6対とした場合のように、Nm/Nc=6/4=1.25となるようにすればよい。通常、各コイルおよび磁石は、ロータの回転軸を中心とする円周上において等間隔で配置されるが、本発明のように構成すれば、すべてのコイルおよび磁石が各々同軸上に配置されることがなく、コイルおよび磁石対の数が一致している場合に比べてコギングトルクを低減することができる。
【0042】
また、前記機械的エネルギ伝達手段のうちの少なくともロータと接してロータに機械的エネルギを伝達する部分は歯車で構成され、そのロータと噛み合う歯車のかなおよび軸の少なくとも一方は非磁性体で構成されていることが好ましい。
【0043】
ロータに最も近接するロータと噛み合う歯車のかなや軸を非磁性体で構成すれば、ロータ磁石からでる磁束が前記歯車の部品と鎖交しなくなるので、渦電流損失の発生を防止でき、発電効率を向上できる。また、ロータ停止状態からのロータ起動性も向上できる。
【0044】
本発明の電子制御式機械時計は、前記発電機から供給される電気的エネルギによって駆動され、発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、機械的エネルギ源によって発電機と共に回転し、回転制御装置により調速制御される指針とを備えることを特徴とするものである。
【0045】
このような電子制御式機械時計によれば、発電機の小型化によって時計の小型化を実現でき、あるいは持続時間が延長されるので、持続時間の長い時計を提供することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電源装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の発電機20を組み込んだ電子制御式機械時計100の要部を示す平面図であり、図2はその断面図である。
【0047】
電子制御式機械時計100は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真、及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真に固定される。筒状の香箱真は、地板2に設けられた支持部材に挿通されて角穴ネジ5によって固定され、角穴車4と一体で回転する。そして、地板2には、円板状の文字板2bが取り付けられている。
【0048】
香箱歯車1bの回転は、増速輪列となる二番車7、三番車8、四番車9、五番車10、六番車11の各番車を介して増速されている。これらの各番車7〜11は、地板2および輪列受け3、二番受け3Aに軸支されている。そして、これらの各番車7〜11によって、機械的エネルギ源であるゼンマイ1a(香箱歯車1b)からの機械的エネルギを伝達する機械的エネルギ伝達手段が構成されている。
【0049】
二番車7には筒かな7aが、筒かな7aには分針13が、三番車8に噛み合う秒かな14aに秒針14が、筒かな7aに日の裏車を介して噛み合う筒車7bには時針15がそれぞれ固定されている。
【0050】
この電子制御式機械時計100の発電機20は、図3にも示すように、ロータ30およびコイル40から構成されるフラットトルクモータ型発電機である。
【0051】
ロータ30は、地板2および輪列受け3に耐震軸受31を介して軸支された回転軸32と、この回転軸32の両端近傍に配置された2枚の円盤(プレート)33,34と、各円盤33,34の互いに対向する面33A、34Aに固定された円柱状の磁石35,36と、前記六番車11が噛み合うロータかな37とを備えて構成されている。
【0052】
磁石35,36は、サマリウム・コバルト磁石(BHma=32MOe)等の高性能磁石で構成されており、その分、磁石体積を小さく、軽量化されている。この磁石35,36は、図4,5に示すように、各円盤33,34にそれぞれ4個ずつ取り付けられており、ロータ30の回転軸32を中心とする円周(図5に示す一点鎖線38)上に等間隔(磁石35,36と回転軸32とを結ぶ一点鎖線39の交差角度つまり中心角が90度)となるように配置されている。
【0053】
そして、円盤33の磁石35は、円周38に沿って隣接する各磁石35が互いに異極となるように、つまりN極の磁石(磁石の表面側の極がN極であり円盤33に固定された裏面側の極がS極)35AとS極(磁石の表面側の極がS極であり円盤33に固定された裏面側の極がN極)の磁石35Bとが、円周38に沿って交互に配置されている。
【0054】
同様に、円盤34の磁石36も、円周38に沿って隣接する各磁石36が互いに異極となるように、つまりN極の磁石36AとS極の磁石36Bとが、円周38に沿って交互に配置されている。さらに、各円盤33,34の磁石35,36においては、対向する磁石同士が異極となるように、つまりN極の磁石35AにはS極の磁石36Bが対向配置され、S極の磁石35BにはN極の磁石36Aが対向配置されている。従って、磁束線43の向きも交互に逆方向とされている。
【0055】
これらの各円盤33,34間には、3個のコイル40が配置されている。コイル40は、その中心部に配置された磁性体45にウレメット線を巻き付けることで構成されている。このため、磁性体45は、コイル40が巻回される芯部45Aと、その芯部45Aの両端に形成されたフランジ部45Bとを備えてボビン状に構成され、コイル40の中心にその軸方向に貫通して配置されている。なお、フランジ部45Bは、図3において、回転軸32の左側に配置された磁性体45ように、コイル40の直径と同程度の直径に形成してもよいし、右側に配置された磁性体45のようにコイル40よりも小さな直径に形成してもよく、さらにはコイル40よりも大きな直径で形成してもよい。
【0056】
磁性体45は、対向する磁石35,36の発生する磁束が飽和せずに透ることができるのに十分な断面積を有している。また、磁性体45は、PCパーマロイ材、PBパーマロイ材、純鉄、珪素鋼板、パーメンジュール、鉄(Fe)系アモルファス金属、PDパーマロイ材、Co系アモルファス材、ナノ結晶軟磁性材料等の高透磁率材によって構成されている。
【0057】
また、フランジ部45Bがあるため、磁性体45の高さ寸法は、コイル40の高さ寸法よりも大きくされ、その分、磁石35,36に近接して配置されている。
【0058】
これらの各コイル40は、その側面(コイル40のフランジ部45B側の端面)が各円盤33、34の対向面33A,34Aに向かい合うように配置されている。また、図5に示すように、コイル40の中心と回転軸32とを結ぶ一点鎖線42の交差角度つまり中心角が120度となるように、かつコイル40の中心が円周38上において等間隔となるように配置されている。
【0059】
このコイル40は、回路基板41に取り付けられている。この取付け構造は適宜設定すればよいが、例えば、図6に示すように、磁性体45のフランジ部45Bの一部を延長し、その延長部分を回路基板41に接着剤、ビスなどで取り付ければよい。なお、コイル40の端部は、回路基板41の回路に適宜接続されている。
【0060】
このように構成された発電機20を使用している場合、ゼンマイ1aからの機械的エネルギでロータ30が回転すると、各コイル40上を順次磁石35,36が通過する。この際、磁性体45は各コイル40に比べて透磁率が高いため、磁石35,36の一方の磁石からの磁束は、各コイル40の中心に配置された磁性体45を通り、他方の磁石に流れる。そして、各磁石35,36が移動して磁性体45を通る(鎖交する)磁束が変化するため、各コイル40で起電圧が発生し発電が行われる。さらに、磁石35,36が移動して次の磁石35、36が近づくと、磁束線43の向きも変化するため、磁性体45を鎖交する磁束変化がより大きくなり、より大きな起電圧が得られる。
【0061】
図7には、電子制御式機械時計100における制御回路の構成を示すブロック図が示されている。
【0062】
発電機20は、増速輪列7〜11を介してゼンマイ1aによって駆動され、誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する。この発電機20からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路61を通して昇圧、整流され、コンデンサ等で構成された電源回路60に充電供給される。
【0063】
この電源回路60から供給される電力によって回転制御装置50が駆動される。この回転制御装置50は、発振回路51、分周回路52、ロータの回転検出回路53、制動制御回路55を備えて構成されている。
【0064】
発振回路51は時間標準源である水晶振動子51Aを用いて発振信号(32768Hz)を出力し、この発振信号は12段のフリップフロップ等からなる分周回路52によってある一定周期まで分周される。分周回路52の12段目の出力Q12は、8Hzの基準信号fsとして出力されている。
【0065】
回転検出回路53は、発電機20の出力などに基づいてその回転を検出し、回転検出信号FG1を出力する。
【0066】
制動制御回路55は、回転検出回路53の回転検出信号FG1および分周回路52からの基準信号fsを比較し、その差に応じて発電機20の速度を調整する信号CHを発電機20に出力している。この信号によって発電機20の調速機構が動作し、発電機20は基準信号fsに同期するように調速される。
【0067】
なお、発電機20の調速方法は、例えば、発電機20の各端子間を閉ループさせてショートブレーキを掛けてブレーキ制御したり、発電機20に可変抵抗等を接続して発電機20のコイルに流れる電流値を変えることでブレーキ制御するように構成されている。
【0068】
このような本実施形態によれば次のような効果がある。
【0069】
1)コイル40の中心に磁性体45を配置したので、この磁性体45に磁束をを鎖交させ、その磁束変化によって発電することができる。このため、従来のフラットトルクモータ型発電機に比べ、コイル全体を利用して発電できたり、2つのコイルに跨る大型の磁石を用いる必要がないため、磁石を小型化できてロータ30を軽量化できる。すなわち、同じ性能の磁石35,36を用いても、必要な磁石体積を小さくでき、発電機20の小型化、低コスト化、ロータ30の軽量化を実現できる。
【0070】
2)ロータ30を軽量化できるので、摩擦による損失を低減できて発電効率を向上できる。このため、発電機20を組み込んだ電子制御式機械時計100等の機器の持続時間を延長できたり、機器の小型化を実現できる。
【0071】
3)さらに、ロータ30の軽量化により、ロータほぞ(回転軸32)の摩擦摩耗を少なくできて耐用年数も延長できる。
【0072】
その上、発電機20が組み込まれた電子制御式機械時計100等の機器が落下するなどで衝撃が加わっても、回転軸32の曲がりや折れを防止できる。さらに、回転軸32の軸受として耐震軸受31を用いているので、衝撃を受けた際の曲がりや折れを一層確実に防止できる。
【0073】
4)従来の中空コイルを利用した発電機では、中空部をある程度の大きさに形成しなければならないが、本実施形態では磁性体45が中心に配置されているので、中空コイルに比べて巻き数を多くでき、その分、磁石の小型化、発電性能の向上も実現できる。
【0074】
一方で、同じ発電量であれば、必要な磁束密度を小さくできるため、低性能の磁石を利用でき、その分、コストを低減できる。
【0075】
5)コイル40の中心に磁性体45があるため、コイル40の巻き線が容易で、ウレメット線が利用できるために、巻き効率を向上できる。その上、磁性体45には、フランジ部45Bが形成されているため、コイル巻きをより一層簡単にできる。このため、生産効率を向上でき、生産コストも低減できる。
【0076】
6)フランジ部45Bを利用して磁性体45つまりはコイル40を基板42などに固定でき、固定構造を簡易化できる。
【0077】
7)コイル40の中心に磁性体45があるため、磁石35,36から周辺に漏れる磁束を少なくでき、漏れ磁束による渦電流損失を低減できる。特に、フランジ部45Bが形成されていて面積が大きいため、磁石35,36からの磁束が磁性体45に流れやすくなり、漏れ磁束をより一層少なくできる。
【0078】
8)磁性体45が設けられているので、コイル40と磁石35,36間のギャップを大きくしても漏れ磁束が少なく鎖交磁束を確実に得ることができる。このため、コイル40と磁石35,36とをある程度離すことができ、その分、これらの部材間の空気摩擦損失を小さくできる。このため、発電機20つまりは電子制御式機械時計100等の機器の持続時間を延長できる。
【0079】
9)漏れ磁束を減少できるため、周囲の磁性部品をロータ30に近付けることができ、余分なスペースを確保する必要がないため、電子制御式機械時計100を小型化できる。
【0080】
10)各磁石35,36において、各円盤33,34で円周38方向に隣接する磁石同士と、各円盤33,34間で対向配置される磁石同士がそれぞれ異極になるように配置したので、コイル40中心の磁性体45に流れる磁束の変化が大きくなり、鎖交磁束数を増やすことができて発電性能を向上できる。
【0081】
11)各磁石35,36および磁性体45を、それらの中心が各円盤33,34の円周38上に位置するように配置したので、コイル40に対して円盤33,34を回転させた際に、磁石35,36と磁性体45とが最も近接した際に、磁石35、磁性体45、磁石36間の磁路を一直線にして最も短くできる。このため、磁路における空隙距離が短くなり、パーミアンスを低減できる。
【0082】
12)コイル40が3個と奇数個であり、磁石35,36の数が4対(計8個)と偶数対(偶数個)であるため、1個のコイル40の磁性体45が磁石35,36と同軸上に揃った際に、他のコイル40の磁性体45と磁石35,36とを互いにずれた位置に配置できる。このため、すべての磁性体45と各磁石35,36とが同軸上に揃うことが無いため、コギングトルクを小さくでき、ロータ30の起動性を向上できる。
【0083】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0084】
例えば、前記実施形態では、フランジ部45Bを有する磁性体45を利用していたが、図8に示すように、フランジ部45Bを有さない磁性体46を用いてもよい。この際、図8の回転軸32の左側の磁性体46のように、コイル40の厚さ寸法と同じ長さのものを用いてもよいが、右側の磁性体46のように、コイル40よりも長い磁性体46を用いれば、コイル40が巻きやすく、かつ磁石35,36に磁性体46が近づくために磁性体46に流れる磁束数を増やすことができる利点がある。
【0085】
また、磁性体としては、図9に示すように、複数の細長い棒状磁性体47の集合体で構成され、かつ前記棒状磁性体47の長手方向(軸方向)が前記一方の円盤33から他方の円盤34に向かう方向(各磁石35,36によって発生する磁束線43の向き)に平行に配置してもよい。
【0086】
この際、図9に示すように、先にコイル40を巻いておき、その中心に前記棒状磁性体47を束ねて挿入してもよいし、複数の棒状磁性体47を接着により略円柱状に束ね、これにコイル40を巻き付けてもよい。なお、棒状磁性体47にコイル40を巻き付ける場合には、棒状磁性体47を先にコイル40の厚さに応じて切断してからコイル40を巻き付けてもよいし、コイル40を巻き付けてから棒状磁性体47を切断してもよい。
【0087】
このような線材の棒状磁性体47を用いれば、その分、渦電流損失を軽減でき、発電性能を向上できる。但し、棒状磁性体47が細くなるにしたがって、および棒状磁性体47の本数が増えるにしたがって、前記渦電流損失を軽減できる効果は小さくなる。また、棒状磁性体47が細くなると、棒状磁性体47同士を接着した際に接着剤が占める断面積が増え、磁性体47の割合が低減してしまう。従って、磁性体47の線径、本数は、磁性体47の材料特性、必要な鎖交磁束数、有効断面積などに応じて適宜設定すればよい。
【0088】
また、予め磁性体47を接着してからコイル巻きをすれば、コイル巻き作業が容易になって作業性を向上できる。その上、巻き工程で磁性体47の束の変形が無くなり、チャッキングも容易になり、組立作業性を向上できる。
【0089】
また、棒状磁性体47の断面形状は、円形等でもよいが、特に正六角形、正方形、正三角形等で構成されて隣接する他の棒状磁性体47と隙間無く配置されていることが好ましい。すなわち、図10に示すように、棒状磁性体47の断面形状を正六角形等とすれば、隣接する各棒状磁性体47を隙間無く配置することができる。このように各棒状磁性体47を隙間無く配置すれば、所定面積内における棒状磁性体47の有効断面積(隙間部分を除いた面積)を大きくでき、発電性能を向上できる。また、複数の棒状磁性体47を束ねた際の安定性を向上でき、接着剤で強固に接着できる。
【0090】
さらに、磁性体としては、図11に示すような、薄板状の磁性体48を巻いて構成されたものでもよい。この際、その中心軸方向が前記各磁石35,36によって発生する磁束線43の向きに平行となるようにすればよい。具体的には、短冊状に形成した薄板状のアモルファス材等からなる磁性体48を巻いて円筒状に形成し、円筒の端面部分が各円盤33,34に対向するように配置すればよい。
【0091】
このように構成すれば、シート状に形成された磁性体48をそのまま利用できるため、磁気特性に優れるがシート状に形成されてしまうアモルファス材の場合でも、容易に利用することができる。
【0092】
なお、薄板状磁性体48としては、図11(A)に示すように、薄板状磁性体48を巻いて円筒状にしたものを順次積層して構成される複数枚の薄板状磁性体48からなるものでもよいし、図11(B)に示すように、1枚の薄板状磁性体48を巻いて円筒状に構成されるものでもよい。
【0093】
また、コイル40の数と、磁石35,36の数とは、前記実施形態に限らない。例えば、コイル40としては、3個に限らず、1個、2個あるいは4個以上でもよい。また、磁石35,36の数は、4個ずつに限らず、1〜3個ずつ、または5個ずつ以上でもよい。
【0094】
この際、コイル数をNc、磁石35,36の対数をNm(但し、Nc、Nmは偶数)とした場合に、Nc<Nmの時はNm/Ncの値が整数ではなく、Nc>Nmの時はNc/Nmの値が整数ではないようにされていることが好ましい。
【0095】
例えば、図12に示すように、コイル数(Nc)が4個、磁石対数(Nm)を6対つまりNm/Nc=6/4=1.25とすればよい。このように構成すれば、すべてのコイル40および磁石35,36が各々同軸上に配置されることがなく、コイル40および磁石35,36対の数が一致している場合に比べてコギングトルクを低減することができる。
【0096】
さらに、前記実施形態では、各コイル40および磁石35,36は、回転軸32を中心とする円周38上において等間隔で配置されるが、等間隔で配置しなくてもよい。また、各円盤33,34に固定される磁石35,36は、一方の円盤33にN極の磁石35のみを設け、他方の円盤34にS極の磁石36のみを設けてもよい。
【0097】
また、前記実施形態では、磁性体45の軸直交方向の断面形状は略円形としていたが、図13(A)に示すように、横長形状でもよいし、図13(B)に示すように、三角形状でもよい。さらには、磁性体45の軸直交方向の断面形状は、台形または扇形に形成されていてもよい。
【0098】
コイル40の中心部に配置される磁性体45の軸直交方向の断面形状が円形の場合(図13(B)の二点鎖線)に比べて、三角形、台形、扇形のいずれかにすれば、コイル40の巻数および大きさ(面積)が同じであれば、磁性体の断面積を大きくできる。このため、コイル40のサイズ、巻数が同じ場合、鎖交磁束数を多くでき、発電性能をより向上できる。
【0099】
一方、コイル40中心の磁性体45の断面積が同じ場合、断面円形の磁性体よりも、断面三角形、台形、扇形の磁性体のほうが、回転軸32を中心とする円周38上において、磁性体45が占める長さを短くでき、その分、コイル40の巻数を多くできて、発電性能を向上できる。
【0100】
また、磁性体45の材質としては、前記実施形態に記載されたものに限らず、磁性体として利用可能な様々な材質のものが利用できる。特に、磁気特性に優れるアモルファス材を用いれば、磁性体45での鉄損を軽減でき、長持続化を実現することができる。なお、アモルファス材を用いた場合の磁性体45の形状は、磁気特性に優れるバルク材でもよいし、薄板材を丸めて円柱状にしたものでもよい。さらに、適当な幅に切断した薄板を重ねてもよい。
【0101】
また、前記実施形態では、磁石35,36を各プレート33,34の互いに対向する面(内面)33A,34Aに設けていたが、各プレート33,34の外側の面(外面)に設けてもよく、さらには一方の磁石を内面に設け、他方の磁石を外面に設けてもよく、要するに各磁石35,36が互いに対向するように配置されていればよい。
【0102】
また、増速輪列7〜11を構成する歯車は、通常の鋼鉄製のものでもよいが、特にロータ30に噛み合う六番車11のかなおよび軸の少なくとも一方、好ましくは両方を、非磁性体の材料で構成されたものが好ましい。この非磁性体としては、真鍮やアルミ等の金属材料、さらには合成樹脂等でもよく、要するに、きわめて磁化され難いものや全く磁化されない材料であれば任意である。
【0103】
ロータ30に近接する六番車11のかなや軸を非磁性体で構成すれば、磁石35,36からの磁束がこれらの部品に鎖交しなくなるので、渦電流損失の発生を防止でき、かつロータ30の停止状態からのロータ起動性を向上することができる。
【0104】
また、ロータ30のプレートとしては、円盤33,34に限らず、平面形状が多角形のものや、星形(☆形)のものなどを利用してもよい。
【0105】
さらに、前記実施形態では機械的エネルギ源として、機械エネルギ蓄積手段であるゼンマイ1aを用いていたが、この機械エネルギ蓄積手段としては板ばねや重りなどを用いてもよく、要するに機械的エネルギ(弾性エネルギや位置エネルギなど)を蓄積できるものであればよい。
【0106】
また、機械的エネルギ源としては、機械エネルギ蓄積するタイプではなく、例えば、運動によって回転錘を回転させ、その回転力で発電機20のロータ30を回転させるようなタイプでもよい。
【0107】
また、機械的エネルギ蓄積手段を用いた場合に、機械的エネルギを入力する手段としては、手巻き、回転錘、位置エネルギ、気圧変化、風力、波力、水力、温度差等でもよい。
【0108】
また、ゼンマイ1aなどの機械的エネルギ源からの機械的エネルギを発電機に伝達する機械エネルギ伝達手段としては、前記実施形態のような輪列7〜11(歯車)に限らず、摩擦車、ベルト(タイミングベルト等)及びプーリ、チェーン及びスプロケットホイール、ラック及びピニオン、カムなどを利用したものでもよい。
【0109】
また、本発明の発電機20は、前記電子制御式機械時計100に組み込まれるものに限らず、クオーツ式の腕時計や、腕時計以外の置き時計、クロック等の各種時計に組み込んでもよい。さらに、時計以外の携帯電話機、ページャ、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、携帯ラジオ、歩数計、ひげ剃り、携帯型血圧計、電子手帳、PDA(小型情報端末、「Personal Digital Assistant」)、玩具、ICカード、自動車や家屋用のキー等の各種の電子機器の電源として利用することができる。特に、本発明では、小型、軽量の発電機20とすることができるため、携帯用に小型化された各種電子機器に最適である。また、携帯用でない電子機器にも当然適用することができる。このような携帯用等の各種電子機器では、従来、電源として乾電池や充電器が用いられていたが、本発明の発電機を組み込めば、電池が無くても電子機器内の電子回路や機構系等の処理装置を動作させることができ、電池交換を不要にでき、環境にも配慮できる。その上、回転錘やゼンマイで駆動するように構成すれば、手動で発電できるため、充電器のような充電作業を不要にでき、災害時やアウトドア、外出時等でも電子機器を作動させることができる。
【0110】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の発電機によれば、ロータの重量を軽減でき、発電効率も向上できる。
【0111】
さらに、本発明の電子制御式機械時計によれば、発電機の小型化によって時計の小型化を実現でき、あるいは持続時間が延長されるので、持続時間の長い時計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における電子制御式機械時計の構造を示す平面図である。
【図2】本実施形態の電子制御式機械時計の構造を示す断面図である。
【図3】本実施形態の発電機の構成を示す断面図である。
【図4】本実施形態の発電機のロータを示す概略斜視図である。
【図5】本実施形態のロータの磁石およびコイルの平面配置を示す図である。
【図6】本実施形態のコイルの固定構造を示す図である。
【図7】本実施形態の制御回路を示すブロック図である。
【図8】本発明の変形例の発電機の構成を示す断面図である。
【図9】本発明のコイルの変形例を示す斜視図である。
【図10】本発明のコイル中心部に配置される磁性体の変形例を示す斜視図である。
【図11】本発明のコイル中心部に配置される磁性体の他の変形例を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の変形例におけるロータ磁石およびコイルの平面配置を示す図である。
【図13】本発明のコイルの変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 香箱車
1a ゼンマイ
1b 香箱歯車
1d 香箱蓋
2 地板
2b 文字板
3 輪列受け
4 角穴車
5 角穴ネジ
7〜11 番車(増速輪列)
13 分針
14 秒針
15 時針
20 発電機
30 ロータ
31 耐震軸受
32 回転軸
33,34 円盤(プレート)
33A、34A 対向面
35,36 磁石
35A 磁石(N極)
35B 磁石(S極)
36A 磁石(N極)
36B 磁石(S極)
37 ロータかな
38 円周
40 コイル
41 回路基板
43 磁束線
45 磁性体
45A 芯部
45B フランジ部
46 磁性体
47 棒状磁性体
48 薄板状磁性体
50 回転制御装置
100 電子制御式機械時計
Claims (5)
- 機械的エネルギ源から機械的エネルギ伝達手段を介して伝達される機械的エネルギを電気エネルギに変換する発電機において、
対向配置された2枚のプレート、および、互いに対向するように各々のプレートに設けられた複数の磁石を有するロータと、
前記2枚のプレート間に配置され、かつ両側面が前記プレートの対向面に向かい合うように配置された複数のコイルとを備え、
前記コイルが巻回される芯部と、その芯部の両端に形成されたフランジ部とで構成された磁性体が配置され、
前記磁性体は、高透磁率材からなり、
前記磁石は、2つのコイルに跨らない大きさである
ことを特徴とする発電機。 - 請求項1に記載の発電機において、
前記磁石は、前記プレートの対向面において前記ロータの回転軸を中心とする円周上に配置され、
前記コイルの前記磁性体が挿入された中心部は、前記磁石が配置される円周上に配置されていることを特徴とする発電機。 - 請求項1または2のいずれかに記載の発電機において、
前記磁石は偶数対設けられ、かつ各プレートにおいて隣接して配置される各磁石同士と、各プレートにおいて対向配置される磁石同士は、それぞれ異極同士であることを特徴とする発電機。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の発電機において、
前記コイル数をNc、前記磁石の対数をNm(但し、Nc、Nmは偶数)とした場合に、
Nc<Nmの時はNm/Ncの値が整数ではなく、
Nc>Nmの時はNc/Nmの値が整数ではないことを特徴とする発電機。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の発電機と、
前記発電機から供給される電気的エネルギによって駆動され、前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、
機械的エネルギ源によって前記発電機と共に回転し、前記回転制御装置により調速制御される指針とを備える電子制御式機械時計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000214703A JP4003382B2 (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | 発電機および電子制御式機械時計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000214703A JP4003382B2 (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | 発電機および電子制御式機械時計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002034214A JP2002034214A (ja) | 2002-01-31 |
JP4003382B2 true JP4003382B2 (ja) | 2007-11-07 |
Family
ID=18710232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000214703A Expired - Fee Related JP4003382B2 (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | 発電機および電子制御式機械時計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4003382B2 (ja) |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100440514B1 (ko) * | 2001-12-29 | 2004-07-21 | 주식회사 아모텍 | 액시얼 코어 타입 브러시리스 직류 모터 |
JP3819814B2 (ja) * | 2002-06-19 | 2006-09-13 | 収一 佐古田 | 磁力による高効率回転装置。 |
DE602005023633D1 (de) * | 2004-10-26 | 2010-10-28 | Tag Heuer Sa | Armbanduhr-regulierungsglied und mechanisches uhrwerk mit einem solchen regulierungsglied |
KR100692386B1 (ko) | 2005-12-21 | 2007-03-12 | 유동옥 | 외륜 구동 회전자를 구비한 단상 센서리스 무정류자 직류발전 모터 어셈블리 |
KR100940182B1 (ko) | 2007-07-27 | 2010-02-04 | 안종석 | 차단부재를 영구자석으로 이용하여 발전시키는 자력선개폐식 발전기 |
WO2009057916A2 (en) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Jong-Suk An | Construction device of generator have to switching magnetic flux. |
US10038349B2 (en) | 2008-08-15 | 2018-07-31 | Millennial Research Corporation | Multi-phase modular coil element for electric motor and generator |
HUE049223T2 (hu) * | 2008-08-15 | 2020-09-28 | Millennial Res Corporation | Regeneratív motor és tekercs |
KR101048591B1 (ko) | 2009-08-17 | 2011-07-12 | 장석호 | 풍력이나 유속에 따라 유동하는 회전판에 의한 균일 발전장치 |
CN101741223A (zh) * | 2009-11-10 | 2010-06-16 | 王元昌 | 感生变磁交流发电机 |
JP4907738B1 (ja) | 2011-06-14 | 2012-04-04 | 株式会社根本杏林堂 | 注入機器及び超音波モータの制御方法 |
CH707787B1 (fr) * | 2013-03-25 | 2021-09-15 | Richemont Int Sa | Organe régulateur pour montre bracelet et procédé d'assemblage d'un organe régulateur pour montre bracelet. |
JP6055725B2 (ja) * | 2013-06-28 | 2016-12-27 | 株式会社日立産機システム | 回転子および回転子を用いたアキシャル型回転電機 |
JP6628694B2 (ja) * | 2016-06-27 | 2020-01-15 | 株式会社神戸製鋼所 | アキシャルギャップ型回転電機及びその製造方法 |
EP3273305B1 (fr) * | 2016-07-19 | 2023-07-19 | Nivarox-FAR S.A. | Pièce pour mouvement d'horlogerie |
EP3339968A1 (fr) * | 2016-12-20 | 2018-06-27 | Nivarox-FAR S.A. | Pièce pour mouvement d'horlogerie |
JP6589245B2 (ja) * | 2017-01-30 | 2019-10-16 | 桜井 孝幸 | 回転式板状体発電機 |
EP3454455A1 (en) * | 2017-09-11 | 2019-03-13 | KONE Corporation | Method for manufacturing a magnetic core of an electric machine, an electric machine utilizing the magnetic core thereof, and a magnetic core |
JP6577989B2 (ja) * | 2017-11-02 | 2019-09-18 | 株式会社根本杏林堂 | 超音波モータユニット |
JP7643399B2 (ja) * | 2022-05-24 | 2025-03-11 | 株式会社デンソー | アキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法 |
-
2000
- 2000-07-14 JP JP2000214703A patent/JP4003382B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002034214A (ja) | 2002-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4003382B2 (ja) | 発電機および電子制御式機械時計 | |
US9836027B2 (en) | Winding device for self-winding automatic watch | |
EP0990961B1 (en) | Electromagnetic transducer and electronic device including the transducer | |
US3652884A (en) | Electric motor for watches | |
EP1115042B1 (en) | Method for adjusting the cogging torque in a power generator | |
JP3551433B2 (ja) | 携帯電子機器 | |
GB2032704A (en) | Syntchronous motor for a timepiece | |
JP3172702B2 (ja) | マイクロ発電機及びこのようなマイクロ発電機を包含するモジュール及び時計仕掛ムーブメント | |
JP5964096B2 (ja) | 小型発電機及び電子時計 | |
US6633511B1 (en) | Electronic controlling type mechanical timepiece | |
JPH085758A (ja) | ゼンマイ式発電機を備えた電子制御メカウオッチ | |
JPH0756517B2 (ja) | 小型発電装置 | |
JP3674444B2 (ja) | 小型発電機およびそれを備えた電子機器 | |
JP2003032986A (ja) | 電子機器 | |
JPH10132964A (ja) | 発電装置および携帯型電子機器 | |
KR20050109463A (ko) | 플랫 로터리 발전기 | |
JPH0738029B2 (ja) | 小型発電装置 | |
JPS6269190A (ja) | 電子時計における小型発電機 | |
JP2018159571A (ja) | 発電装置、それを備えた時計、及び充電システム | |
JP3938608B2 (ja) | 超小型ステッピングモータユニット | |
JPH11248867A (ja) | 発電装置、電子機器および電子時計 | |
JP3916104B2 (ja) | 携帯機器の発電装置 | |
JP2001042066A (ja) | 電子制御機器 | |
JPH102972A (ja) | 発電装置付携帯機器 | |
SU995061A2 (ru) | Пол ризованный электромеханический преобразователь дл электрочасов |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070731 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070813 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130831 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |