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JP4002083B2 - テレフタル酸ジメチル組成物及びその製造方法 - Google Patents

テレフタル酸ジメチル組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル製造の出発原料となるテレフタル酸ジメチルに関し、更に詳しくは、ポリエステル原料としての特性が改善されたテレフタル酸ジメチル組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと略記することがある。)は、エチレングリコール(以下、EGと略記することがある。)との重縮合体であるポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある。)の主原料であるが、該DMTの代表的な製造方法としてビッテン−ハーキュレス法(Witten−Hercules法)がある。
【0003】
該方法はパラキシレン(以下、PXと略記することがある。)及びp−トルイル酸メチルを空気酸化して、得られた酸化反応混合物を高温高圧条件下、メタノールでエステル化し、エステル化反応混合物からDMTを分離精製する方法である。
【0004】
しかしながら、上述のような方法でPXから製造したDMT(以下、PX−DMTと略記することがある。)は、水蒸気などを接触させると加水分解反応を起こし、酸成分が副生するという問題と、酸化反応で副生するヒドロキシテレフタル酸ジメチル(以下、HDTと略記することがある。)を多量に含有するため、該HDTに由来する蛍光強度が強く、色相が悪いという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題を解決し、酸価上昇が抑制され、良好な色相を有するDMT組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記従来技術に鑑み、特に、PX−DMTには存在せず、DMTの酸価上昇防止のため、DMTと容易に混合させることができ、かつ重合反応や製品ポリマー品質には影響のない物質について鋭意研究を重ねた。
【0007】
その結果、特定の構造を有する化合物を微量含有させることで、DMTの酸価上昇を防止できること、また、DMT色相悪化の原因物質を究明し、その含有量を低下させれば良好な色相のDMT組成物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の目的は、
主たる成分がテレフタル酸ジメチルであって、4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチルを0.001〜200ppm、ヒドロキシテレフタル酸ジメチルを0〜1ppm含有する、テレフタル酸ジメチル組成物により達成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、まず、4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチル(以下、4−DOMBと略記することがある。)を得ることが必要であるが、この方法として、(1)合成によって得る方法、及び(2)ポリアルキレンテレフタレートからEGとMeOHとを用いてDMTを回収するプロセスの副生物を活用する方法を挙げることができ、どちらの方法に由来する4−DOMBであっても、DMT中に微量に含有させることで、本発明の目的は達成される。
【0010】
なお上記(1)の合成方法としては、4−カルボメトキシベンズアルデヒドとEGとをそれぞれ等モル量、既知の汎用酸性触媒下、80〜150℃で常圧加熱反応させれば4−DOMBを容易に得ることができる。なお、ここで脱水反応により副生する水を除去することが重要であり、この副生水除去には、留去若しくはモレキュラーシーブを使用するのが効果的である。
【0011】
一方、上記(2)のDMT回収プロセスの副生物を活用する方法は、副生物をそのまま活用でき、得られた4−DOMBは、その後精製操作も必要としないので、工業的にも大変好ましい方法である。
【0012】
該方法は、まずポリアルキレンテレフタレートを既知の解重合触媒存在下、EG中で解重合反応させる。ここでポリアルキレンテレフタレートとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートである。解重合反応で得られた混合物は必要であれば、解重合反応で用いた過剰なEGを抜出し、その後MeOH及び置換エステル化反応触媒と共に反応器内へ導入し、置換エステル化反応させて、粗DMTとアルキレングリコールとを生成させ、この反応混合物に冷却処理を施して、その後遠心分離機により粗テレフタル酸ジメチルのケークと混合溶液とに分離する。
【0013】
次いで、(A)得られた前記ケークに対して、30〜60℃の条件下、1〜5重量倍のメタノールを加えた後、再度遠心分離機により粗テレフタル酸ジメチルのケークと混合溶液に分離する操作を実施するか、(B)得られた該ケークを蒸留精製するにあたり、例えば、蒸留塔頂温度を160〜210℃、圧力を2.7〜13.3kPaとして、還流比を0.1〜2の条件の範囲となるように制御することで、4−DOMBを0.001〜200ppmの範囲で含有するDMT組成物を得ることが可能である。なお、(A)の方法と(B)の方法とは併用しても何等問題は無い。
【0014】
また、HDTについては、DMT中のHDT濃度が、DMTの蛍光強度増加に直接つながることから、該HDT濃度を極力低くする必要があるが、一般的なPX−DMT中のHDT濃度は、PXをまず酸化反応させ生成することから、HDTが副生し最終製品のDMT中には1ppm以上のHDTを含む問題がある。しかしながら、前記(2)のDMT回収プロセスの副生物を活用する方法を採用すれば、HDTが0〜1ppmの範囲のDMT組成物を得ることができる。
【0015】
以上のことから、DMT中に0.001〜200ppmの4−DOMB、0〜1ppmのHDTを含有するDMT組成物を得ることにより、酸価の上昇を防止でき、且つ、蛍光強度が低く色相が良好なポリエステル原料としての特性が改善されたテレフタル酸ジメチル組成物を得ることが可能となる。
【0016】
本発明において、ポリエステル回収プロセスを利用する上記(A)及び/又は(B)の方法の場合において、4−DOMBの添加は回分式でも連続式であっても、いずれも問題なく採用することができるし、また前掲(2)のDMT回収プロセスの副生物を活用する方法を採用し、以下の条件としたときには、4−DOMBとHDTとの含有量が本発明の範囲内におけるDMT組成物を比較的容易に得ることができる。
【0017】
すなわち、ポリエステルのEGによる解重合反応は温度110〜230℃、圧力0.0〜0.2MPa(ゲージ圧)程度であればよく、この範囲である際には、EG解重合反応が十分行われる。ここで、解重合反応温度が110℃未満であると、解重合時間が非常に長くなり効率的でなくなる。一方、230℃を越えると高圧対応の反応器が必要となり、運転面や安全面から考えると好ましくない。
【0018】
また、MeOHによる置換エステル化反応を行う際の反応温度としては、50〜150℃の範囲、反応圧力としては、0.0〜0.59MPa(ゲージ圧)の範囲とすることが好ましく、この範囲にある際には、置換エステル化反応が十分に行われる。なお、置換エステル化反応時間は30分間〜4時間とすることが好ましい。
【0019】
ここで、解重合反応触媒及び置換エステル化反応触媒として既知の触媒をいずれも用いることができるが、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、炭酸塩、炭酸水素塩、及びカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属塩化合物を用いることが、その触媒能の高さの面から好ましい。更には、いずれの反応触媒としても、炭酸ナトリウムを用いることが特に好ましい。
【0020】
この置換エステル化反応で得られた混合物中には、粗DMT、MeOH、EG、及びEG解重合反応と置換エステル化反応での副生成物が存在し、4−DOMB、HDT、その他ジオキサン、ジメチルエーテル、水などが含まれる。
【0021】
この混合物をそのまま用い再結晶操作、あるいはDMTの結晶が完全に溶解しない場合は、加熱して混合溶液による溶解操作を行う。この際、置換エステル化反応温度をそのまま、若しくは混合物の組成により温度を60〜150℃の範囲で一度加熱を行った後、10〜50℃の範囲に冷却する。必要であれば溶媒の潜熱を利用し、混合物を冷却することが好ましい。
【0022】
混合溶液中でのDMT濃度は、10〜40wt%の範囲とすることが好ましい。DMTの濃度が10wt%未満であると、溶媒の使用量が増大し経済的に好ましくない。
【0023】
再結晶処理された混合物は、遠心分離操作などで固液分離し、次いで得られたケークにMeOHを加え洗浄を行う。
【0024】
ここで加えるMeOHの量及び洗浄時の温度は、粗DMTケークを基準として、1〜5倍量、30〜60℃の範囲であることが洗浄効果、固液スラリーのハンドリング性、経済的にも好ましい。なお、該洗浄工程において粗DMTケーク中に含有する4−DOMBが完全に除去されることは無い。また洗浄回数は1〜3回程度行えばよいが、更に洗浄回数を追加しても何ら問題は無い。
【0025】
MeOH洗浄、固液分離を終えた粗DMTケークは加熱、溶融することでMeOHを更に除去後、最終的に減圧下で蒸留精製を行い、留分としてDMT組成物が取り出される。
【0026】
該蒸留精製時の条件は、2.7〜13.3kPaの減圧下、塔頂温度が160〜210℃、還流比0.1〜2.0で実施される。
【0027】
4−DOMBは、DMTに比べ蒸気圧がやや低い程度であり、この範囲内であれば、得られるDMT組成物中に極微量に含有させることができる。蒸留精製条件において、過度の強化はDMT組成物中の4−DOMBの検知が困難となるので好ましくなく、また条件の過度の緩和は、酸成分が留出することでDMT組成物の酸価品質の上昇を招くので避けるべきである。
【0028】
よって、4−DOMBを回収DMT中に、適正な量で含有させるには、蒸留理論段で5〜20段を有する蒸留塔を用い、5.3〜9.3kPaの減圧下、塔頂温度が180〜195℃、還流比0.3〜1.0の条件とすることが品質管理上、特に好ましい。
【0029】
一方、HDTについても、解重合反応段階で副生するHDT量が微量であるため、上記の精製条件を適用すれば、所望のHDT濃度に調整することが可能である。
【0030】
【実施例】
以下実施例により本発明の内容を更に具体的に説明するが本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
【0031】
なお、4−DOMB、HDTの定性分析は、アセトン溶媒及びMeOH溶媒を用い再結晶抽出操作を実施したのち濃縮し、特級試薬アセトン溶媒中で測定して行った。測定装置は、ガスクロマトグラフィー(装置:ヒューレット・パッカード社製HP5890、キャピラリーカラム:J&W社製DB−17)を用いた。
【0032】
また、4−DOMB、HDTの定量分析は、GC−MASS(装置:ヒューレット・パッカード社製、GC/質量検出器=HP6890/HP5973、キャピラリーカラム:J&W社製DB−17)を使用して行った。
【0033】
DMTの蛍光強度については、測定溶媒としてクロロホルムを用い、励起波長:328nmで蛍光波長:454nmで測定した。蛍光光度計は、(株)日立製作所社製F−4500を使用した。
【0034】
ビス−β−ヒドロキシエチレンテレフタレート(以下、BHETと略記することがある。)及び低級オリゴマー成分は、GPC(装置:(株)日立製作所社製L−4000液体クロマトグラフィー、テトラヒドロフラン溶媒)を用い、成分組成比を求めた。
【0035】
テレフタル酸のアルカリ透過率は、「化学工学 第58巻 第10号 第787−789頁(1994年 化学工業会出版)」に記載されている、7.5gのテレフタル酸を50ml、(2mol/L)の水酸化カリウム水溶液を用いて溶液となし、行路長1cmでの340nm波長の透過率より求めた。
【0036】
[参考例1]
ペトロセル社製の白色ブリケット形状のDMTについて、微量成分測定を行った。検知された含有微量成分には、酸成分としてp−トルイル酸、テレフタル酸モノメチル、異性体として、イソフタル酸ジメチル、フタル酸ジメチル、その他エステル類としてp−トルイル酸メチル、4−カルボメトキシベンズアルデヒド、(o、m、p)−フタル酸ジメチルのメチル基一置換体が検出されたが、4−DOMBは、検知されなかった。
【0037】
また、該DMT中にHDTが1.5ppm検出され、蛍光強度を測定すると、その数値は900であった。
【0038】
[参考例2]
三井化学株式会社社製の高純度テレフタル酸(以下、PTAと略記することがある。)のアルカリ透過率を測定したところ、91%であった。
【0039】
[実施例1]
EG200部を500mlセパラブルフラスコに投入し、更に炭酸ソーダ1.5部、ポリエチレンテレフタレート50部を投入し、撹拌速度100rpmにて撹拌しつつ昇温し、内温を185℃とした。この状態を4時間保持したところ、解重合反応が完結した。得られた解重合物を6.65kPaの減圧蒸留で濃縮し、濃縮液と、留分としてのEG150部を回収した。
【0040】
この濃縮液にエステル交換反応触媒として炭酸ソーダ0.5部とMeOH100部を投入し、常圧で液温を75℃、撹拌速度100rpmの状態を1時間保持し、エステル交換反応を実施した。
【0041】
得られた混合物を40℃まで冷却し、ガラス製3G−4のフィルターで濾過した。フィルター上に回収できた粗DMTを100部のMeOH中に投入し、40℃に加温・撹拌洗浄し、再度ガラス製のフィルターで濾過した。この洗浄は2回繰り返した。
【0042】
フィルター上に捕捉できた粗DMTを蒸留装置に仕込み、圧力6.65kPa還流比0.5の条件で減圧蒸留を実施し、留分としてDMT組成物を得た。留分は40部回収できた。釜残を測定しDMT量を測定すると2部であり、投入したポリエチレンテレフタレート量を基準にするとDMTの反応率は93重量%であった。
【0043】
蒸留により精製されたDMT組成物中には、4−DOMBが20ppm、HDTが0.5ppm検出された。DMT組成物中の4−DOMB及びHDTをそれぞれ標品の4−DOMB及びHDTとをGC−MASS解析による比較を実施した結果、検出されたフラグメントイオンが一致し、同一構造であることが確認された。
【0044】
精製されたDMT組成物の品質は、純度99.9重量%以上を有し、酸価は、0.003mg(KOH)/g(DMT)、蛍光強度は330であり、その他品質特性は、参考例で用いた市販品DMTと同等であった。
【0045】
[実施例2]
実施例1で得られたDMT組成物40部を、250℃、圧力3.92MPaに保持しながら連続的に水蒸気を吹き込み、過剰な水蒸気と生成したMeOHを連続的に抜き出し加水分解反応を実施した。反応はほぼ定量的に進み、テレフタル酸が33重量部生成した。
【0046】
得られたテレフタル酸30部にMeOH60部を加え、40℃で撹拌洗浄を行った後、テレフタル酸を濾別し乾燥させた。得られたテレフタル酸のアルカリ透過率を測定したところ、90%であり、三井化学株式会社製のPTAとの有意差は見られなかった。
【0047】
[実施例3]
実施例1で得られたDMT組成物40部とEG75部とをセパラブルフラスコに投入し、100rpm撹拌下で昇温していくと、200℃付近でMeOHが発生し、反応開始が確認された。留出したMeOHは2器の分離塔で系外に留去し、同伴したEGとDMT留分とはフラスコ内に戻す操作を実施した。
【0048】
上記の操作を繰り返しながら、フラスコ内温が220〜250℃となった時点を反応終点としたところ、所要時間は8時間程度要した。
【0049】
得られた混合物の組成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、DMTは反応により完全に消失していた。該分析とGPC分析により、BHETは45重量%確認された。その他の成分はそれぞれシャープな分子量分布を示しており、2〜5量体の低級オリゴマーであることが確認できた。
【0050】
[実施例4]
実施例1で得られたDMT組成物を原料として用い、常法に従ってPET製造テストを実施した。酢酸マンガン触媒を用い、EI反応を常圧下、245℃まで実施し、BHETを主成分とする低級オリゴマーを得た。引き続いて、得られたBHETを主成分とする低級オリゴマーに、三酸化アンチモンを加え、0.1kPaの高真空下、290℃、1.8時間で重合を実施した。得られたポリマーの固有粘度は0.70であった。その他ポリマー品質特性である色相、熱特性、DEG含有量についても市販品試薬DMTから製造するポリマーとほぼ同じ分析値であった。
【0051】
上記得られた、ポリマーについて、ヘッドスペースサンプラー装置(パーキンエルマー社製、HS40XL)を取り付けたガスクロマトグラフィーを用い、200℃×60分の条件下で、揮発成分を測定した。結果、4−DOMB及びHDTは検知されなかった。
【0052】
[比較例1]
実施例1において、粗DMTの蒸留条件を圧力6.65kPa、還流比0.05の条件で減圧蒸留を実施し、留分としてDMT組成物を得た。留分は40部回収できた。釜残を測定しDMT量を測定すると2部であり、投入したポリエステルを基準にするとDMTの反応率は93重量%であった。
【0053】
蒸留により精製されたDMT組成物中には、4−DOMBが40ppm、HDTが1.1ppm検出された。
【0054】
精製されたDMT組成物の品質は、純度99.9重量%以上を有し、酸価は、0.003mg(KOH)/g(DMT)であったが、蛍光強度は700という高い数値を示した。
【0055】
[比較例2]
実施例1において、エステル交換反応後、得られた混合物を40℃まで冷却し、ガラス製3G−4のフィルターで濾過した。フィルター上に回収できた45部の粗DMTを40部のMeOH中に投入し、40℃に加温・撹拌洗浄し、再度ガラス製のフィルターで濾過した。この洗浄は2回繰り返した。
【0056】
フィルター上に捕捉できた粗DMTを蒸留装置に仕込み、圧力6.65kPa還流比0.5の条件で減圧蒸留を実施し、留分としてDMTを得た。留分は40部回収できた。釜残を測定しDMT量を測定すると2部であり、投入したポリエステルを基準にするとDMTの反応率は93重量%であった。
【0057】
蒸留により精製されたDMT組成物中には、4−DOMBが250ppm、HDTが0.5ppm検出された。
【0058】
精製されたDMT組成物の品質は、純度99.8重量%であり、酸価は、0.01mg(KOH)/g(DMT)となり、参考例1で用いた市販品試薬DMTと同等の品質を有するものは得ることができなかった。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリエステル原料としての特性が改善されたテレフタル酸ジメチル組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 主たる成分がテレフタル酸ジメチルであって、4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチルを0.001〜200ppm、ヒドロキシテレフタル酸ジメチルを0〜1ppm含有する、テレフタル酸ジメチル組成物。
  2. ポリアルキレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合反応させ、引き続いてメタノールで置換エステル化反応させて、粗テレフタル酸ジメチルとアルキレングリコールとを生成させ、この反応混合物に冷却処理を施し、遠心分離機により粗テレフタル酸ジメチルのケークと混合溶液とに分離する操作を実施した後、該ケークを蒸留精製してテレフタル酸ジメチル組成物を得るに際し、該蒸留精製時の還流比を0.1〜2に制御することを特徴とする、主たる成分がテレフタル酸ジメチルであって、4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチルを0.001〜200ppm、ヒドロキシテレフタル酸ジメチルを0〜1ppm含有する、テレフタル酸ジメチル組成物の製造方法。
  3. ポリアルキレンテレフタレートが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれた少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレートである、請求項2記載の製造方法。
  4. ポリアルキレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合反応させ、引き続いてメタノールで置換エステル化反応させて、粗テレフタル酸ジメチルとアルキレングリコールとを生成させ、この反応混合物に冷却処理を施し、遠心分離機により粗テレフタル酸ジメチルのケークと混合溶液とに分離した後、該ケークを蒸留精製してテレフタル酸ジメチル組成物を得るに際し、該遠心分離操作で得られた前記ケークに対して、30〜60℃の条件下、該ケークを基準として1〜5重量倍のメタノールを加えた後、再度遠心分離機によりテレフタル酸ジメチルのケークと混合溶液とに分離する操作を実施した後、得られた該ケークを蒸留精製することを特徴とする、主たる成分がテレフタル酸ジメチルであって、4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチルを0.001〜200ppm、ヒドロキシテレフタル酸ジメチルを0〜1ppm含有する、テレフタル酸ジメチル組成物の製造方法。
  5. ポリアルキレンテレフタレートが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれた少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレートである、請求項4記載の製造方法。
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