JP4001502B2

JP4001502B2 - Sheet

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Publication number: JP4001502B2
Application number: JP2002109486A
Authority: JP
Inventors: 栄一安田; 俊一土居; 悦子加藤; 悦則藤田; 由美小倉; 誠司川崎
Original assignee: Delta Tooling Co Ltd; Toyota Central R&D Labs Inc
Current assignee: Delta Tooling Co Ltd; Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date: 2002-04-11
Filing date: 2002-04-11
Publication date: 2007-10-31
Anticipated expiration: 2022-04-11
Also published as: JP2003306065A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はシートに係り、特に、車両に搭載される車両用シート等のシートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
車両用シートは、走行中のコーナリングや急な車線変更等でのドライバの上体の揺れ、及び運転操作の負担を減少すると共に、走行中の振動吸収を行ない、ドライバへの身体負担を低減することが重要である。車両用シートとしては、ウレタンをクッション材とするウレタンシートと、最近開発された３次元網目構造のネット材（３次元立体編物）をクッション材とするネットシートとが知られている。
【０００３】
ウレタンシートとしては、ウレタン単体のシートと支持ばねを併用するシートとが知られている。ウレタンシートの場合には、シートクッションとバックレストとが分離しているため、シートと臀部との間に空間が生じ、腰部の支持力が不足し、ホールド性能が低下する、という問題がある。
【０００４】
ネットシートは、薄型で高いクッション性を発揮できると共に、多数の空隙を有し、通気性に優れた３次元立体編物がシートフレームに張設され、クッションとバックレストとが連続的に繋がるように接合されたバケットタイプに構成されている。
【０００５】
このネットシートは、図１６に示すように、バックレスト１００及びシートクッション１０２の天板部の平面上に、シートフレームに固定され、かつ前後方向（Ｘ方向及びＺ方向）と左右方向（Ｙ方向）とで伸縮性が異なる３次元立体編物１０４を配置して構成されている。３次元立体編物をシートフレームに固定する際には、天板部の伸縮性と異なる伸縮性の別の３次元立体編物、または布ばねを天板部の３次元立体編物の周辺に縫合した上で、シートフレームに巻き付けて固定している。
【０００６】
また、シートフレームに固定した３次元立体編物は、所定値未満の伸び率で張設されている。ただし、バックレスト天板部における３次元立体編物の張設度合いは、人体の臀部形状と背中のＳ字形状に合わせて上記の伸び率の範囲内で連続的に変更されている。
【０００７】
このネットシートによれば、シートクッションとバックレストとがネットで接合されて連続的に繋げられているので、腰部の支持剛性が増加し、ウレタンシートと比較してホールド性能を向上させることができる。
【０００８】
しかしながら、シートクッションとバックレストとが繋げられているので、ネットシートに着座したときに、シートクッションの変形によってバックレストが引張られ、バックレストのネット張力により、クッション天板部の面剛性が増加してシートクッション後縁部（バックレストとの接合部）の荷重が図１７に示すように増加し、臀部が圧迫される。その結果、長時間着座した場合に臀部から大腿にかけて接触圧力が増大する、という問題が発生する。
【０００９】
さらに、ネットシートは、ウレタンシートと比較してバックレストから入力される前後振動が小さいものの、腰部に入力される低周波振動により腰部を中心として上体がピッチングし、バウンズとの複合により不快感が発生すると共に、５Ｈｚ以上の周波数帯域の前後振動が大きくなる、という問題がある。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、長時間着座した場合にも臀部から大腿にかけて接触圧力が増大しないようにすると共に、腰部を中心とした上体のピッチングを防止したシートを提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、シートクッションと、シートクッションに取り付けられたシートバックフレーム及び該シートバックフレームに張設された３次元網目構造のバックレストを有するシートバックと、を備えたシートであって、シートクッションとバックレストとのシートの幅方向両端部分を接合すると共に前記接合部間に非接合部を設け、シートクッションの該非接合部に対応するバックレスト側の部分を弾性係数が所定値以下の弾性体で支持するか、または前記接合部間の弾性係数が所定値以下となるようにシートクッションとバックレストとの接合部間の部分を接合することで、シートクッションとバックレストとの境界部分におけるシートの幅方向両端部分とシートの幅方向中央部とで弾性特性を異ならせたことを特徴とする。
【００１２】
本発明では、シートの幅方向両端部分とシートの幅方向中央部とで弾性特性を異ならせているため、長時間着座した場合にも臀部から大腿にかけて接触圧力が増大しないようにすると共に、腰部を中心とした上体のピッチングを防止することができる。
【００１５】
また、シートクッションとバックレストとのシートの幅方向両端部分を接合すると、着座したときのシートクッションの変形がバックレストの接合部に対応する部分に伝達され、バックレストの接合部に対応する部分に張力が発生する。このため、バックレストの張力が発生した部分によって、着座者の体側部、または着座者の体側部及び体側部より外側の部分を支持することができ、ロールやヨーが発生した場合においても、着座者がロールやヨーの方向に回転するのを防止することができる。これによって、ホールド性能を向上することができると共に、長時間運転における疲労を低減することができる。
【００１６】
また、シートクッションとバックレストとの接合部間に非接合部を設け、すなわち、シートクッションとバックレストとの接合部間を接合しないようにして、開放し、シートクッションの該非接合部に対応するバックレスト側の部分を弾性係数が所定値以下の弾性体で支持するか、または接合部間の弾性係数が所定値以下となるようにシートクッションとバックレストとの接合部間の部分を接合している。
【００１７】
シートクッションとバックレストとの接合部間に非接合部を設けた場合、すなわち、開放した場合には、着座したときのシートクッションの変形が、バックレストの開放部（非接合部）に対応する部分に伝達されず、このためバックレストの開放部に対応する部分にはシートクッションの変形を原因とする張力が発生することはない。このため、クッション天板部の面剛性が低減し、シートクッション後縁部の荷重が増加することがなく、長時間着座した場合に臀部から大腿にかけて接触圧力が増大することもない。なお、クッション張力は、面剛性低減による沈み込みの姿勢変化を補償するようにクッション全体が張設されている。
【００１８】
また、接合部間の弾性係数が所定値以下となるようにシートクッションとバックレストとの接合部間の部分を接合した場合には、シートクッションとバックレストとが接合されているため、着座したときのシートクッションの変形が、バックレストの接合部間に対応する部分に伝達される。しかしながら、接合部間の弾性係数が所定値以下となっているため、バックレストの接合部間に対応する部分に発生するシートクッションの張力を原因とする面剛性力は、小さな値となる。このため、シートクッション後縁部の荷重が大幅に増加することがなく、長時間着座した場合に臀部から大腿にかけて接触圧力が大きく増大することもない。
【００１９】
本発明において、接合部間に非接合部を設けた場合、及び接合部間を接合した場合のいずれの場合においても、シートクッションの接合部間に対応するバックレスト側の部分が、弾性係数が所定値以下の弾性体で支持されているため、着座した際にシートクッション後部の面剛性が低減する。これによって、クッションにおける体圧が分散され、局部的に皮膚が圧迫されなくなり、振動による皮膚撓みが均一になる。すなわち、振動に対する皮膚刺激の強さが局部的に圧迫されていた従来シートよりも低減し、乗り心地が向上すると共に、長時間着座におけるしびれも低減することができる。
【００２０】
なお、クッション張力は、面剛性低減による沈み込みの姿勢変化を補償するようにクッション全体が張設されている。そのため、臀部が大きく沈み込むのが防止され、底付き感を抑制することができる。
【００２１】
本発明では、シートの幅方向中央部の弾性特性をシートの幅方向両端部分の弾性特性より軟らかくすると効果的である。このように、シートの幅方向中央部の弾性特性をシートの幅方向両端部分の弾性特性より軟らかくする、すなわちシートの幅方向両端部分の弾性特性をシートクッションとバックレストとのシートの幅方向両端部分をシートの幅方向中央部の弾性特性より硬くすると、弾性特性が硬い部分によって着座者の体側部、または着座者の体側部及び体側部より外側の部分を支持することができ、ロールやヨーが発生した場合においても、着座者がロールやヨーの方向に回転するのを防止することができる。これによって、ホールド性能を向上することができると共に、長時間運転における疲労を低減することができる。
本発明において、シートの幅方向中央部の弾性特性をシートの幅方向両端部分の弾性特性より軟らかくするには、シートクッションの天板部を３次元網目構造としてシートバックに連続させ、シートの幅方向中央部の構造をシートの幅方向両端部分の構造より粗にすることで達成することができる。
【００２２】
また、シートクッションの天板部とバックレストとをシートの幅方向中央部においてバックレストと弾性特性が異なる３次元網目構造部材で縫製するようにしてもよい。
【００２３】
本発明では、シートバックの高さ方向中心線と対称にバックレスト表面の左右にそれぞれ複数個想定した領域の各々における前記シートに着座した際の荷重の重心が、左右の肩甲骨の下端を結んだ直線、左右の腸骨の上端を結んだ直線、及び左右の腰腸肋筋の各々に沿って腰腸肋筋上を通る直線で囲まれた人体の背領域に対応するバックレストの外側に分布するようにすることができる。
【００２４】
着座者の荷重の重心を上記のように分布させることにより、バックレストは、着座者の荷重を、主に体側部となる腰腸肋筋より外側の部位で帯状に支持し、着座者の中心側となる臀部から腰椎部への支持圧を削減させることができ、疲労感を大きくする腰椎部での血行不良による筋肉疲労（腰痛）の発生を抑えることができる。
【００２５】
着座者の荷重の重心を上記のように分布させる場合には、バックレストの前記背領域の左右の坐骨の頂部を結んだ直線と左右の腸骨稜を結んだ直線との間の下側半分の領域に作用する荷重の総重量に対する割合が、２０％以上となるようにすると効果的である。
【００２６】
さらに、バックレストの前記領域の下側に、該領域と同じ幅で該領域に連続する下側領域の外側にも、前記荷重の重心が分布するようにすることができる。これにより、疲労感を大きくする腰椎部での血行不良による筋肉疲労の発生を抑えることができる領域を拡大することができる。
【００２７】
なお、バックレストの前記領域の下側に、該領域と同じ幅で該領域に連続する下側領域に作用する荷重の総重量に対する割合が２５％以下となるようにするのが好ましい。すなわち、背領域の下側に背領域の幅で延長した下側領域に作用する荷重が、総荷重に対して２５％以下となるようにするのが好ましい。これによって、腰椎部の支持荷重を減らし、腰椎部の筋肉を弛緩状態とすることができ、長時間着座したときに腰痛の軽減を図ることができる。なお、総荷重は、バックレストを下後腸骨棘より上の体を支持するシート部位であると定義した場合に、バックレスト全体における支持荷重としている。
【００２８】
総荷重に対する荷重の割合を上記のように２５％以下としたのは、割合が２５％を越えると、腰痛の軽減効果が減少するからである。
【００２９】
また、着座者の荷重の重心を上記のように分布させる場合には、左右の上後腸骨棘を通る直線と左右の下後腸骨棘を通る直線との間の領域における荷重の総重量に対する割合が５％以上となるようにするのが好ましい。
【００３０】
本発明では、水平方向の張力が座位上後腸骨棘高を通る水平線に対応する部分で最小となり、かつ張力最小部分から徐々に張力が大きくなるか、または、水平方向の緩みが座位上後緒骨棘高を通る水平線に対応する部分で最大となり、かつ緩み最大部分から徐々に緩みが小さくなるように前記バックレストを張設することができる。
【００３１】
３次元網目構造のバックレストを上記のように張設することにより、人体の臀部から腰椎部をシートバックに沈み込ませるようにして保持することができる。これにより、例えば車両においては、走行中の左右方向の揺れ等に対する確実な支持を可能とし、支持力が不足することによる腰椎部に生じる負担の軽減を図り、腰椎部の筋肉疲労を抑えることができる。
【００３２】
このとき、３次元網目構造のバックレストとしては、上部メッシュ層、下部メッシュ層、及び、上部メッシュ層及び下部メッシュ層を連結する多数のパイル部を有するパイル層で構成した立体編物を用いることができる。
【００３３】
本発明においては、シートクッションとバックレストとの境界部分におけるシートの幅方向中央部の弾性係数を着座時の法線方向の弾性係数で示すと、筋肉特性を考慮して２Ｎ／ｍｍとするのが好ましい。２Ｎ／ｍｍを越えると、シートクッション変形時にシートクッションからバックレストに伝達される力が大きくなり、バックレストの張力が大きくなって臀部が圧迫されるので好ましくない。
【００３４】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を車両用シートに適用した実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態は、シートクッションとバックレストとの接合部間を接合しないようにして開放したものである。なお、以下に示す図では、矢印Ｆ方向を車両前後方向の前方側、矢印Ｕ方向を車両上下方向（シートの高さ方向）の上方側とし、矢印ＬＲ方向を車両左右方向（シートの幅方向）として説明する。
【００３５】
図１に示すように、車両用シート３０は、シートフレーム３２を備えている。シートフレーム３２は、座部用フレーム３４と背部用フレーム３６と、を有しており、座部用フレーム３４に座部用のクッション材を設けることによりシートクッション３８が形成され、背部用フレーム３６に背部用の３次元網目構造のクッション材からなるシートバックレストを張設することによりシートバック４０が形成されている。
【００３６】
背部用フレーム３６の一端は、座部用フレーム３４の一端に、左右方向に沿って配設された支軸４２を軸にして回動可能に連結されており、これにより、前後方向に回動可能なリクライニング機構が形成されている。なお、リクライニング機構の詳細な説明は省略する。
【００３７】
座部用フレーム３４は、一対のサイドフレーム４４を備えており、シートクッション３８は、サイドフレーム４４に一端が支持された複数のコイルばね４６と、このコイルばね４６に弾性的に支持されたコンターマット４８と、を備え、クッション材として、コンターマット４８の上面に積層された弾性体によって形成された中間クッション部材５０と、中間クッション部材５０の上面に積層されて、サイドフレーム４４の間に張設された上部クッション部材５２とによって形成されている。また、中間クッション部材５０は、図４に示すように、上部中間クッション部材５０Ａと下部中間クッション部材５０Ｂとを積層して構成されている。
【００３８】
なお、シートクッション３８は、上部クッション部材５２のみが前方側に延設されて折り返され、サイドフレーム４４と、サイドフレーム４４の間に掛け渡されている前端フレーム４４Ａとに支持されている。これにより、弾性コンプライアンスを大きくして、減衰機能を大きくし、血流阻害を抑制すると共に、運転者用のシートとして用いたときに、ペダル操作の円滑性が向上されるようにしている。
【００３９】
シートクッション３８の中間クッション部材５０及び上部クッション部材５２は、何れも後述する３次元網目構造のシート材である３次元立体編物によって形成されており、中間クッション部材５０は、乗員が着座したときに、上部クッション部材５２のみを配置したときに生じる底付き感を抑制し、コンターマット４８やコイルばね４６による異物感を軽減するようにしている。なお、中間クッション部材５０は、上部クッション部材５２を折り返して形成しても良い。
【００４０】
なお、中間クッション部材５０及び上部クッション部材５２は、３次元立体編物に限らず、網状弾性部材や面状弾性部材等を用いた従来公知の任意の構成を適用することもできる。
【００４１】
一方、シートバック４０の背部用フレーム３６は、シートの高さ方向に延びる一対のサイドフレーム５４を備えている。このサイドフレーム５４には、ウレタン等を用いた弾性部材が設けられている。シートバック４０の左右方向（幅方向）の両側には、この弾性部材を所定の形状に形成することにより、シート３０に着座した乗員の体側に対応するサイドサポート部５６が形成されている。このサイドサポート部５６の間の上部にヘッドレスト５８が設けられ、サイドサポート部５６の間にシートバックレスト６０が張設されている。
【００４２】
すなわち、図１及び図２（Ａ）、図２（Ｂ）に示すように、シート３０は、着座した乗員の体が、サイドサポート部５６の間に入り込むバケットタイプとなっている。このサイドサポート部５６の表面には、適度なクッション性と快適な接触感が得られる表面材５６Ａを貼り付けている。なお、この表面材５６Ａとしては、後述する３次元立体編物が用いられている。
【００４３】
図２及び図３（Ａ）に示すように、シートバック４０には、サイドサポート部５６の間が開放されて、開口部６２が形成されている。図２及び図３（Ａ）に示すように、３次元立体織物からなるクッション部材６４によってに形成されたシートバックレスト６０は、この開口部６２に張設されている。
【００４４】
すなわち、シートバックレスト６０は、シート３０に着座した乗員の背中に対向する中央部である開口部６２に張設されたクッション部材６４によて形成されている。したがって、クッション部材６４で形成されたシートバックレスト６０は、サイドサポート部５６を介して、シートバックの背部用フレーム３６に張設されている。
【００４５】
なお、シートバックレスト６０は、サイドサポート部５６を介することなく、直接シートバックの背部用フレーム３６に張設してもよい。
【００４６】
シートバックレスト６０の下端部の幅方向両端部分は、シートクッション３８の上部クッション部材５２の幅方向両端部分に縫製することによって接合されている。このように接合することによって、上部クッション部材５２とシートバックレスト６０との境界部分には、シートの幅方向両端部分に位置する所定幅の１対の縫い継ぎ部７０Ａ，７０Ｂが形成される。
【００４７】
また、上部クッション部材５２とシートバックレスト６０との接合部間の部分は、開放して接合しないようにしてある。このため、上部クッション部材５２とシートバックレスト６０との接合部間の部分、すなわち、縫い継ぎ部７０Ａ，７０Ｂ間の部分には、所定幅の開放部７１が形成されている。開放部７１の幅は、１５０〜２５０ｍｍが好ましく、アメリカ人のＡＭ９５パーセントの人の最適値は、２３０ｍｍとなった。
【００４８】
ところで、ドライバの旋回操作及び路面外乱によって生じる車両の遠心力に対して、正確な運転操作をするためには、シートクッションのぐらつきを小さくし、体全体をサポートするシートのホールド性能を向上させる必要がある。そのためには、シートの肩甲骨部、座骨及び大腿前部を支持し、姿勢崩れを防止することが重要である。
【００４９】
具体的には、シートクッションの座骨結節位置から前方１００ｍｍまでの支持感を強くする必要がある。したがって、シートクッション後端より前方２００ｍｍ、幅２００ｍｍの範囲内で、シートクッション天板の剛性感を保ちながら、座骨結節横の押圧力を小さくし、尾骨付近に小さな支持感を与えると、シートクッション後部の抜け感、ぐらつき感がなくなる。この天板支持圧の改善のためには、シートクッションの弾性係数とは異なる弾性係数の弾性体を座面後部に設け、尾骨に軽い支持圧を作用させると、シートクッションの弾性係数は小さくなり、振動特性が改善される。ただし、底付き感が大きくならないように、弱い非線形性を持つダッフィング型の弾性係数とするのが好ましい。
【００５０】
このため、上部中間クッション部材５０Ａの後端縁部であるシートバックレスト側縁部における開放部７１に対応する部分は、シートの幅方向に沿って配列された複数の支持ばね４３によって支軸４２に支持している。この複数の支持ばね４３と上部中間クッション部材５０Ａの後端縁部とによって構成される弾性部分の弾性係数は、着座した状態で近似的に０となるように、３０〜５０Ｎ／ｍｍとするのが好ましい。
【００５１】
このように、本実施の形態では、上部クッション部材５２の幅方向両端部をシートバックレスト６０の対応する部分に接合することによって体側支持構造とし、上体各部の左右揺れを減少させる。また、開放部７１に対応する上部中間クッション部材５０Ａの縁部を支持ばね４３で支持することで、着座によるクッション変形に伴うバックレストの張力が開放部７１の両端を介して伝達されるのみとなり、クッションの撓みによるバックレストの前後力が減少するので、乗員は上下主体の振動となる。これにより、ホールド性能を向上させると共に、クッションのばね定数と人体質量との１自由度振動モデルに近づき、高周波振動を向上させる構造としている。
【００５２】
なお、上記では、上部中間クッション材を支持ばねで支持することによって、シートクッションのバックレスト側部分を支持する例について説明したが、下部中間クッション材、または上部クッション材の後縁を支持することによって、シートクッションのバックレスト側部分を支持するようにしてもよく、中間クッション材の弾性係数を調整することでシートクッションのバックレスト側部分を支持するようにしてもよい。
【００５３】
次に、図５乃至図８を参照しながら、上記のクッション部材として用いる３次元立体編物について説明する。
【００５４】
図５に示すように、３次元立体編物８０は、互いに離間して配設された一対のグランド編地８２、８４と、この一対のグランド編地８２、８４の間を往復して両者を結合する多数の連結糸８６によって形成されるパイル部８８と、によって構成されている。
【００５５】
一方のグランド編地８２は、例えば、図６に示すように、短繊維を撚った糸９０から、ウェール方向及びコース方向の何れの方向にも連続したフラットな編地組織によってメッシュを形成したものを用いる。また、他方のグランド編地８４は、例えば図７に示すように、短繊維を撚った糸９２からハニカム状のメッシュを形成している。また、他方のグランド編地８４は、一方のグランド編地８２よりも大きな網目としている。なお、グランド編地８２、８４としては、細め組織やハニカム状に限らず、これ以外のメッシュ状の編地組織を用いたものであっても良い。
【００５６】
図５に示すように、連結糸８６は、一方のグランド編地８２と他方のグランド編地８４が所定の間隔を保持するようにグランド編地８２、８４の間に編み込まれてパイル部８８を形成している。これにより、メッシュニットとなっている３次元立体編物８０に所定の剛性を付与するようにしている。
【００５７】
３次元立体編物８０は、グランド編地８２、８４を形成するグランド糸（糸９０、９２）の太さ等によって、必要な腰の強さを具備させることができるが、グランド糸９０、９２は、編成作業が困難とならない範囲のものが選択されることが好ましい。また、グランド糸９２、９２としては、モノフィラメント糸を用いることができるが、風合いや表面感触の柔らかさ等を考慮して、マルチフィラメント糸やスパン糸を用いても良い。
【００５８】
連結糸８６としては、モノフィラメント糸を用いることが好ましく、太さは、１６７デシテックス〜１１００デシテックスの範囲のものが好ましい。マルチフィラメント糸では、復元力が良好なクッション性が得られなく、また、太さが１６７デシテックスを下回ると、３次元立体編物８０の腰の強さが低下し、１１００デシテックスを上回ると、硬くなり過ぎてしまい、適度のクッション性が得られなくなる。
【００５９】
すなわち、連結糸８６として、１６７デシテックス〜１１００デシテックスのモノフィラメント糸を用いることにより、シートに着座した乗員の荷重を、グランド編地８２、８４を形成する網目の変形と共に、パイル部８８を形成する連結糸８６の倒れや座屈による変形、また、変形した連結糸８６にばね特性を付与する隣接した連結糸の復元力によって支持することができ、柔らかなばね特性を有して応力集中の起きない柔構造とすることができる。
【００６０】
なお、３次元立体編物８０に凹凸を形成しても良い。すなわち、グランド編地８２、８４としては、表面に凹凸が生じるように編んだものであっても良く、凹凸を形成した時には、グランド編地８２、８４に断面略アーチ状のばね要素を形成できるため、さらに、柔らかなばね特性を付与することができ、筋肉の弾性コンプライアンスと略同等かそれよりも大きな弾性コンプライアンスを有する構造を容易に形成することができる。なお、弾性コンプライアンスは、（たわみ量）／（接触する面の平均圧力値）で計算される。
【００６１】
グランド糸９０、９２及び連結糸８６の素材としては、特に限定するものではなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、レーヨン等の合成繊維や再生繊維、ウール、絹、綿等の天然繊維が挙げられる。これらの素材は、単独で用いても良く、任意の組み合わせで併用することもできる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）などに代表される熱可塑性ポリエステル系繊維、ナイロン６、ナイロン６６などに代表されるポリオレフィン系繊維、あるいはこれらの繊維を２種類以上組み合わせたものである。
【００６２】
また、グランド糸９０、９２及び連結糸８６の糸形状も前記した説明に限定するものではなく、丸断面糸や異形断面糸等を用いても良い。
【００６３】
パイル部８８を形成する連結糸８６の配設の仕方であるパイル部８８のパイル組織は、各グランド編地８２、８４を連結する連結糸８６を側面から見た状態で表すと、図８（Ａ）〜図８（Ｅ）に示す種類に分類することができる。
【００６４】
図８（Ａ）、図８（Ｂ）は、グランド編地８２、８４の間に、連結糸８６をほぼ垂直に編み込んだストレートタイプであり、このうち図８（Ａ）は、８の字状にしてストレートに編んだものであり、図８（Ｂ）は、単純なストレートに編んだものである。
【００６５】
また、図８（Ｃ）、図８（Ｄ）、図８（Ｅ）は、グランド編地８２、８４の間において、連結糸８６が中途で交差するように編んだクロスタイプを示している。このうち、図８（Ｃ）は、連結糸８６を８の字状にクロスさせたものであり、図８（Ｄ）は、連結糸８６を単純にクロスさせたものである。また、図８（Ｅ）は、連結糸８６を２本ずつまとめてクロス（ダブルクロス）させたものである。
【００６６】
なお、図８（Ｃ）〜図８（Ｅ）に示すように、連結糸８６同士を交差させて斜めに配置したときには、連結糸８６をグランド編地８２、８４の間でほぼ垂直に配置した形態（図８（Ａ）、図８（Ｂ）参照）に比較して、各連結糸８６の座屈強度により充分な復元力を保持しながら、圧縮率の大きな柔らかいばね特性を付与することができるという利点がある。
【００６７】
このような３次元立体編物８０を用いたクッション部材５２、６４は、ばね性が小さくなって減衰比が高く、乗員の体型に追従した変形が生じ易く、よりフィットし易くなる。なお、シートバック４０のクッション部材６４と、シートクッション３８の上部クッション部材５２の幅方向両端部とは、３次元立体編物８０が縫合によって一体化し、乗員が着座したときに大きな荷重のかかる乗員の臀部から腰椎部に対向する部位を、乗員の臀部から腰椎部にかけて浮かせる方向に、ハンモックの如く支持できるようにしている。これにより、乗員の姿勢の変化に追従しやすくすると共に、着座感の向上を図るようにしている。
【００６８】
ところで、シートバック４０のシートバックレスト６０にクッション部材６４として張設する３次元立体編物８０は、図３（Ｂ）に示すように、開口部６２の開口に合わせた型紙６６に合わせて、所定の形状に作成した型紙６８を用いて裁断される。
【００６９】
この型紙６８は、シートクッション３８側の端部であるシートクッション３８の上部クッション部材５２との縫い継ぎ部７０Ａ，７０Ｂから所定の高さｈ2の間で、縫い継ぎ部７０Ａ，７０Ｂから所定の高さｈ1で最も拡幅されるように形成される。これにより、クッション部材６４をシートバック４０に張設したときに、シートバックレスト６０で、シートクッション３８から高さｈ1の部分で、最も緩みが生じるようにしている。
【００７０】
すなわち、この型紙６８を用いて３次元立体編物８０を裁断したクッション部材６４をシートバックレスト６０に張設することにより、クッション部材６４は、縫い継ぎ部７０から高さｈ1の位置で、最も緩みが生じる。また、この位置より縫い継ぎ部７０及び高さｈ2の位置へ向けて緩みが徐々に少なくなり、高さｈ2を越えることにより、張力が数％以内の状態となるようにしている。
【００７１】
この高さｈ1の部分の型紙６８の幅寸法Ｗ0は、型紙６６の該当部分の幅寸法ＷSに対して、所定の拡幅率αだけ大きくしている。すなわち、Ｗ0＝ＷS×（１＋α）としている。なお、本実施の形態では、一例として、幅寸法Ｗ0が、幅寸法ＷSに対して、４％だけ広くなるように拡幅率αを設定している（α＝０．０４）。
【００７２】
これにより、シートバックレスト６０は、縫い継ぎ部７０から高さｈ2の間で、高さｈ1の位置で最も緩みが大きくなるようにクッション部材６４が張設される。
【００７３】
一方、この高さｈ1及び高さｈ2は、シート３０に着座する人の体型に基づいて設定している。すなわち、高さｈ1は、シート３０に着座した人の腸骨の上端部近傍に対応する位置となる座位上後腸骨棘高に基づいて設定され、また、高さｈ2は、鎖骨の下端部に対応する位置となる座位肩甲骨下角高に基づいて設定している。
【００７４】
座位上後腸骨棘高は、図９（Ａ）に示す腸骨１６の上後腸骨棘１６Ａが最も後方に突出している点の座面からの高さであり、日本人の青年男性の平均が１５４．３ｍｍであり、青年女性の平均が１４９．１ｍｍ、青年男女の平均が１５１．８ｍｍとなっている。また、壮年男性、女性及び壮年男女の平均がそれぞれ、１５２．２ｍｍ、１３６．１ｍｍ、１４４．３ｍｍとなっていることから、本実施の形態では、一例として高さｈ1を１５０．０ｍｍとしている。
【００７５】
座位肩甲骨下角高は、肩甲骨１２の下端である肩甲骨下角１２Ａの座面からの高さであり、日本人の青年男性、青年女性及び青年男女の平均がそれぞれ４５６．９ｍｍ，４１６．１ｍｍ，４３７．２ｍｍとなっている。また、壮年男性、女性及び壮年男女の平均がそれぞれ，４２７．２ｍｍ，３７７．２ｍｍ，４０１．１ｍｍとなっていることから、この数値を考慮して本実施の形態では、高さｈ2を４５０．０ｍｍとしている。
【００７６】
なお、シート３０では、着座した乗員の体側部がサイドサポート部５６に保持されるように開口部６２の幅寸法を設定している。これにより、図３（Ｂ）に示す、型紙６８上での高さｈ2における幅寸法Ｗａを、肩甲骨下角幅に基づいて設定している。肩甲骨下角幅は、図９（Ａ）に示す左右の肩甲骨１２の肩甲骨下角１２Ａの間の直線距離であり、日本人の青年男性、青年女性及び青年男女の平均がそれぞれ１９４．７ｍｍ、１６３．８ｍｍ、１７９．８ｍｍとなっている。また、壮年男性、女性及び壮年男女の平均がそれぞれ、１８７．６ｍｍ、１６１．２ｍｍ、１７４．３ｍｍとなっている。ここから、幅寸法Ｗａを、肩甲骨下角幅よりも十分に広くして、シート３０のシートバックレスト６０内に着座した人の上体が納まるようにすると共に、シートバックレスト６０内に納まった時の体側部が開口部６２の周縁部を形成しているサイドサポート部５６に当接するように設定している。
【００７７】
３次元立体編物８０をクッション部材６４として張設するときには、任意の接合方法を用いることができる。このとき、サイドサポート部５６の表面材５６Ａとの間で、一体感を持たせるように適切に接合することが好ましい。例えば、表面材５６Ａとして、フェルトなどの布材を用いるときには、この表面材５６Ａからクッション部材６４を縫い継ぐようにすることが好ましく、これにより、３次元立体編物８０の横方向への伸びを抑制しながら上下方向に伸びが生じ易くすることができる。したがって、人体の体型に追従した変形が生じ易くなり、ホールド性と着座時の安定性の、より一層の向上を図ることができる。
【００７８】
このようにして、３次元立体編物８０を裁断して形成したクッション部材６４を張設することにより、シートバック４０のシートバックレスト６０には、座面から高さｈ1の位置を中心にして撓み部７２が形成される。これによって、水平方向の緩みが座位上後緒骨棘高を通る水平線に対応する部分で最大となり、かつ緩み最大部分から徐々に緩みが小さくなるようにシートバックレストが張設される。
【００７９】
このとき、クッション部材６４として３次元立体編物８０をシートバックレスト６０に張設することにより、ばね性が低くなって減衰比が高まり、上体をハンモック状に支持することが可能となる。
【００８０】
このシート３０に着座した人の体は、上体がサイドサポート部５６の間に納まることにより、背面がシートバックレスト６０に張設しているクッション部材６４に対向する。このときに、臀部から腰椎部にかけてシートバックレスト６０の撓み部７２に対向する。
【００８１】
この撓み部７２では、クッション部材６４の幅寸法Ｗ0を、開口部６２の幅寸法ＷSよりも広くしており、深く腰を下ろすことにより、臀部から腰椎部がクッション部材６４に包まれるようにシートバックレスト６０内に納まる。すなわち、クッション部材６４内に沈み込むように臀部から腰部が納まって保持される。
【００８２】
また、上体は、体側部がサイドサポート部５６に当接して保持される。このとき、上体の中央部は、開口部６２を閉塞するように張設されているクッション部材６４に当接する。クッション部材６４は、高さｈ2より上の部分で張力が数％以下の状態となっているが、これより下の領域で僅かに撓みが生じるようになっているために、高さｈ2より下の部分で上体がクッション部材６４に包まれて保持される。すなわち、シート３０では、従来、適切な着座状態とされている背骨のＳ字形状保持に比べて僅かに猫背ぎみの状態で着座することになる。
【００８３】
次に、上記のように構成した本実施の形態の車両用シートにおける着座したときのシートバックレストの重心の分布について説明する。ます、図９（Ａ）に示すように、シートクッションに着座する人体１０の肩甲骨下角１２Ａ、１２Ｂを結ぶ線１４、左右の腸骨稜を結ぶ線１８、及び腰腸肋筋（図示省略）上を通る線２０によって囲まれる背領域２２を想定する。このとき、腰腸肋筋上を通る線２０は、およそ、肩甲骨１２の下端と腸骨１６の上端を結ぶ位置となる。
【００８４】
この背領域２２に対して、図９（Ｂ）に示すように、シートバックレストを、高さ方向に沿った中心線２４を挟んで対称に、かつ高さ方向に沿って複数に分割した各領域２６のそれぞれで荷重を受けるときの重心が、背領域２２の外方に分布している。なお、図９（Ｂ）及び図９（Ｃ）では、本実施の形態を適用したシートでの重心位置を黒丸で示し、従来構造の一般的シートでの重心位置を黒四角で示している。
【００８５】
これにより、バックレストは、着座者の荷重を、主に体側部となる腰腸肋筋より外側の部位で帯状に支持し、着座者の中心側となる臀部から腰椎部への支持圧を削減させることができ、疲労感を大きくする腰椎部での血行不良による筋肉疲労（腰痛）の発生を抑えることができる。
【００８６】
また、図９（Ａ）に示すように、背領域２２の下側に、背領域２２の幅で延長した下側領域２８を想定したときに、図９（Ｂ）に示すように、下側領域２８に連なる各領域２６で受ける荷重の重心が、この下側領域２８の外側に位置するようにしている。
【００８７】
また、図９（Ａ）に示すように、背領域２２の下側に背領域の幅で延長した下側領域２８の作用する荷重が、総荷重に対して約１３％以下となっている。これにより、腰椎部の支持荷重を減らし、腰椎部の筋肉を弛緩状態とすることができ、長時間着座したときに腰痛の軽減を図ることができる。なお、総荷重は、バックレストを下後腸骨棘１６Ｂ（図９（Ａ）参照）より上の体を支持するシート部位であると定義した場合に、バックレスト全体における支持荷重を総荷重としている。
【００８８】
図１０（Ｂ）には、シート３０に着座したときの、シートバック４０へ加わる体圧分布の測定結果を示している。また、図１０（Ｃ）には、従来から最適とされているシートのシートバック上での体圧分布の一例を示している。
【００８９】
ところで、人体１０における背中の横断面形状は、背骨１０Ａから体側に向けて後方に張り出している。特に、肩甲骨１２と上後腸骨棘１６Ａの骨部分の張り出しが大きくなっている。
【００９０】
一方、肩甲骨１２から腸骨１６に掛けて後方の張り出しが大きい部分は、本図に記載されていない腰腸肋筋の稜線である。このような背形状の人がシートに着座した場合には、肩甲骨１２と上後腸骨棘１６Ａ骨部分と腰腸肋筋の筋肉部分が高い体圧で接触することになる。また、長時間着座における筋肉疲労の原因は、筋肉に作用する荷重、すなわち体圧が高くなり筋肉周辺の血管を圧迫することで血液循環が妨げられることによるものである。
【００９１】
したがって、筋肉疲労を低減するためには、背骨に沿って左右にある主要な胸最長筋と腰腸肋筋への荷重負担を考慮する必要がある。そこで、筋肉に対する負担を評価すると共に、シート設計要件としての領域を以下のように設定した。
【００９２】
すなわち、図１０（Ａ）（図９（Ａ）も参照）に示すように、人体１０の左右の肩甲骨１２の下端（肩甲骨下角１２Ａ）を結ぶ線１４、左右の腸骨稜を結ぶ線１８及び、肩甲骨下角１２Ａと腸骨稜を結ぶ線２０によって囲われる領域を背領域２２としたときに、シート３０では、この背領域２２にシートバックレスト６０に張設しているクッション部材６４が対向する。このときに、肩甲骨下角１２Ａと腸骨稜を結ぶ線２０は、人体の背骨１０Ａの左右で、上下方向に沿った腰腸肋筋に沿うことになる。
【００９３】
一方、本実施の形態のシートバックレスト６０では、クッション部材６４の縫い継ぎ部７０Ａ，７０Ｂから高さｈ2となる位置が、背領域２２の上端の線１４に相当する位置となる。
【００９４】
また、背領域２２の幅で延設した領域２８の中心には、上後腸骨棘１６Ａがある。図３（Ｂ）に示すクッション部材６４の縫い継ぎ部７０Ａ，７０Ｂから高さｈ1の位置で最も緩みが大きくなる撓み部７２は、着座したときの上後腸骨棘１６Ａの位置となる。
【００９５】
これによって、図１０（Ｂ）に示すように、本実施の形態シートにおけるシートバック４０の背領域２２の体圧分布は、図１０（Ｃ）に示す従来から最適とされているシートに比べて、体圧が相対的に小さくなっていると共に、背領域２２の線２０の外側で体圧が高くなっていることがわかる。また、背領域２２の下端の線１８、すなわち左右の腸骨稜を結ぶ線付近と、背領域２２と延設した領域２８における体圧が低くなっていると共に、領域２８の左右の外側で体圧が高くなっている。
【００９６】
この体圧分布の違いは、人体の形状寸法に合わせてバックレストのクッション部材６４の緩みを張設したことによるものである。すなわち、臀部の張り出しの大きい上後腸骨棘１６Ａの高さｈ1の撓み部７２で最も大きくすると共に、肩甲骨下角１２Ａ、１２Ｂの高さｈ2に掛けて数％以下の張力となるように張設することにより、体の形状に合わせて３次元立体編物８０を裁断して形成したクッション部材６４が変形するため、背中の横断面における稜線、すなわち腰腸肋筋から体側に接している部分で体圧が高くなる。
【００９７】
また、背領域２２の下端の線１８から坐骨結節下に掛けては、上後腸骨棘１６Ａの高さにある撓み部７２により、臀部から腰椎部がクッション部材６４に包まれるように収容される。したがって、臀部から腰椎部に掛けては人体の横断面における稜線、すなわち領域２８の左右の線付近からネット（クッション部材６４）と接している体側部分で体圧が高くなる。
【００９８】
一方、図９（Ｂ）では、シート３０のシートバック４０で中心線２４を挟んで左右対称に複数に分割した領域２６を想定した時の、それぞれの領域２６における荷重の中心である重心位置を、図１０（Ｂ）の圧力分布に基づいて作成している。また、図９（Ｃ）には、図１０（Ｂ）の圧力分布に基づいて作成したバックレストの支持荷重に対する上下分割領域の荷重比率を示している。この荷重比率のグラフは、シートバック４０が受ける総荷重に対する各領域位置での荷重比率を示している。なお、図９（Ｂ）及び図９（Ｃ）では、シート３０の重心及び荷重比率を黒丸で示し、図１０（Ｃ）に基づいた従来例を黒四角で示している。
【００９９】
図９（Ｂ）に示すように、従来は、荷重の重心が背領域２２内や領域２８内に位置しているのに対して、シート３０では、荷重の重心位置が、背領域２２及び領域２８を大きく外れた位置となっている。すなわち、従来は、背中を中心に受ける圧力を、体側で受けることができるようになっている。
【０１００】
また、従来シートの臀部から腰部にかけての支持荷重分布は、腸骨稜の線１８からすぐ下側の第５腰椎近傍で荷重比率が高くなり、それより下側で急激に荷重比率が低下する特性となっている。これは、クッションとバックレストが分離し、臀部とバックレストとの隙間があるためである。
【０１０１】
これに対して、本実施の形態のシートは、体の形状に合わせて３次元立体編物８０を裁断して形成したクッション部材６４が変形するため、左右の上後腸骨棘１６Ａを通る直線と左右の下後腸骨棘１６Ｂ（図９（Ａ）、図１０（Ａ）参照）を通る直線との間の領域における荷重比率が１０％以上であり、急激な支持荷重変化がなく、均等に分配されている。さらに、領域２８の体側側に重心があると共に、領域２８の荷重比率が、図１０（Ｃ）に基づいて計算した従来シートが３５％を超えるのに対して、本実施の形態シートは１５％前後となっている。
【０１０２】
これにより、シート３０では、人体１０の腰椎部に対する支持圧を全体的に減少させることができるので、支持圧が高いことによる血行不良の発生を抑えることができる。すなわち、支持圧によって血液循環が妨げられることがない。
【０１０３】
また、車両に設けたときにも、車両走行中の振動による上体のゆれを肩から臀部にかけての体側側で帯状に上体を支持しているために、揺れに対する上体の支持不足が生じることがなく、支持不足を補うために、腰椎部に不要な力みが入るのを防止することができる。
【０１０４】
したがって、腰椎部の筋肉が弛緩状態に保たれ、長時間の着座による腰痛の発生を抑えることができる。
【０１０５】
また、従来の車両用シートでは、うねり路とアスファルト路面を走行した場合には、低周波振動によりクッションの変形が大きくなる。特に、クッションが沈み込む場合には、バックレストのネット張力が増加し、腰部に前後力が作用し、その結果、上体は腰部を中心とした上体のピッチングとバウンズ振動が複合し、不快感が増大する。また、荒れた路面では、高周波振動が主成分となるため、バックレストの張力による前後力に対して上体が応答しない反面、腰部に振動が伝達され、高周波振動の乗り心地が悪化する。
【０１０６】
これに対して、本実施の形態のネットシートは、クッションとバックレストとの中央部を開放しているため、うねり路及びアスファルト路面を走行しても、クッションの沈み込みによるバックレストの張力が大幅に減少するので、腰部に作用する前後力も小さくなり、上体のピッチングが抑制されると共に、高周波振動も伝達され難くなる。すなわち、クッションとバックレストとの接合部の一部を開放することで、単純な上下振動に対して従来ネットシートの課題であった上体のピッチングと前後振動を軽減すると共に、長時間着座におけるクッションからの接触圧力の増大感を大幅に軽減することができる。
【０１０７】
また、開放部の両サイドでクッションとバックレストとを繋げているので、体側支持性能を維持でき、ロールやヨーの方向に回転しないので、ホールド性能及び著時間運転における疲労軽減を損なうことがない。
【０１０８】
さらに、クッション開放部の後端とフレームとをクッションの弾性係数より小さいばね等の弾性体で支持することにより尾骨付近の支持感を与えることができ、着座時及び振動入力時に臀部後転に伴うぐらつき感がなくなる。
【０１０９】
上記では、シートクッションとシートバックレストとの接合部間を接合することなく開放して、接合部間に開放部を設けた例について説明したが、以下で説明するように、接合部間の弾性係数が所定値以下となるようにシートクッションとバックレストとの接合部間の部分を接合するようにしてもよい。
【０１１０】
図１１は、上部クッション部材５２とシートバックレスト６０との接合部間の部分、すなわち、上記で説明した開放部７１に対応する部分を、糸１２０によって縫製すると共に弛ませ、この縫製部分を上記と同様に複数の支持ばね４３によって支軸４２に支持したものである。図１２は、上部クッション部材５２とシートバックレスト６０との接合部間の部分に弾性係数が小さい３次元立体編物１２２を介在させて糸１２０によって縫製すると共に弛ませたものである。
【０１１１】
図１１及び図１２の場合においても、複数の支持ばねと上部クッション部材５２の後縁部分とで構成される弾性部分の弾性係数、及び３次元立体編物と上部クッション部材５２の後縁部分とで構成される弾性部分の弾性係数は、着座時の臀部に作用する３次元立体編物の法線方向の弾性係数で示すと２Ｎ／ｍｍ以下の値に設定する。
【０１１２】
なお、上記では、部クッション部材とシートバックレストとの接合部間の部分に３次元立体編物を介在させることによって、弾性係数を所定値以下にする例について説明したが、３次元立体編物に対応する部分のパイル構造を他の部分より粗な構造にすることによって、弾性係数を所定値以下にしてもよい。また、弾性係数が小さい糸、すなわち伸縮し易い糸を用いて編むことにより、弾性係数を所定値以下にしてもよい。
【０１１３】
また、以上説明した本実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、自動車等の車両に設けられるシートを例に説明したが、本発明のシートは、自動車等の車両のみならず、航空機のシートや家具等の人が着座するシートであれば、各種のシートに適用することができる。特に、長時間にわたって着座するシートや、振動や揺れ等を伴うシートとして用いることができる。
【０１１４】
次に、本実施の形態のシートの前後振動吸収性の効果を確認するために行なった加振実験について説明する。この実験では、図１３に示すようにフロア足元とバックレストの左右中止で第３腰椎部となる高さ位置に小型の単軸加速度センサを取り付け、人間が着座した状態でランダム波形で上下加振を行ない、フロアの足元の上下加速度Ｇｚｈと、バックレストの前後加速度Ｇｘｗの伝達特性を調べた。
【０１１５】
図１４に従来のネットシートと本実施の形態のネットシートとの前後振動伝達特性を示す。図に示すように、本実施の形態のネットシートは、４〜１３Ｈｚの周波数帯域で従来のネットシートに比較してゲインが低く、振動吸収性が大幅に向上している個とが理解できる。なお、５Ｈｚ付近の振動ピークは、バックレストのばね要素と人体による前後方向の共振である。
【０１１６】
また、クッションとバックレストとの接合部を一部開放することは、バックレストの前後力の影響が小さくなりクッションのばね要素と人体による単純な１自由度振動系モデルに限りなく近づくことを意味する。そこで、図１３に示すようにフロア足元の上下加振加速度Ｇｚｆに対するクッションの座骨結節下部設置した加速度センサによる上下加速度Ｇｚｈとの振動伝達特性を調べ、従来のネットシートと比較した。
【０１１７】
その結果、従来のネットシートは、５Ｈｚで最もゲインが大きく共振現象が見られるものの、５Ｈｚ〜１１Ｈｚの周波数帯域までは１以上のゲインがあり、単純な１自由度の振動特性波形とは異なっている。
【０１１８】
一方、本実施例のネットシートは、約３．６Ｈｚで共振現象が見られ、それ以上の周波数では急激にゲインが低下し、単純な１自由度系の特徴を持った振動特性であるといえる。そのため、本実施の形態のシートは、従来のネットシートの共振周波数である５Ｈｚ以上で振動ゲインが低下し、乗り心地が大幅に向上しているのが理解できる。
【０１１９】
また、本実施の形態のネットシートは、共振周波数が従来に比較して低くなったものの、共振ゲインが従来のネットシートが１．５であるのに対して２．０と約１．３倍強となる。しかしながら、臀部に入力される衝撃の大きさと振動の減衰時間との兼ね合いを考えると、フロアからクッションに伝達される振動ゲインは、２．０付近が最適と思われる。むしろ、従来のネットシートのようにゲインが小さいということは、振動減衰が大きく、臀部に入力される衝撃も大きくなるので、乗り心地が悪いシートと評価される。このように、クッションとバックレストの接合部の一部を開放することにより、クッションの沈み込みによるバックレストの前後力を大幅に低減させることで、乗り心地を大幅に向上させることができる。
【０１２０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シートクッションとバックレストとのシートの幅方向両端部分を接合し、シートクッションとバックレストとの接合部間に非接合部を設け、シートクッションの該非接合部に対応する部分を弾性係数が所定値以下の弾性体で支持するか、または接合部間の弾性係数が所定値以下となるようにシートクッションとバックレストとの接合部間の部分を接合したので、長時間着座した場合にも臀部から大腿にかけて接触圧力が増大しないようにすると共に、腰部を中心とした上体のピッチングを防止したシートを提供することができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施の形態の車両用シートの一部を破断した概略斜視図である。
【図２】（Ａ）は本実施の形態の車両用シートの正面図であり、（Ｂ）は側面図である。
【図３】（Ａ）はシートバックにクッション部材を張設していない状態を示すシートの概略正面図、（Ｂ）はシートバックに張設するクッション部材の型紙を示す概略図である。
【図４】本実施の形態の車両用シートの高さ方向中心線に沿った断面の一部分を示す断面図である。
【図５】クッション部材として用いる３次元立体織物を示す概略断面図である。
【図６】３次元立体編物に用いる一方のグランド編地の一例を示す概略図である。
【図７】３次元立体編物に用いる他方のグランド編地の一例を示す概略図である。
【図８】（Ａ）から（Ｅ）のそれぞれは、パイル部の適用例を示す３次元立体編物の要部の概略断面図である。
【図９】（Ａ）は人体の骨格を示す概略図、（Ｂ）はシートバックへの荷重の重心位置の分布を示す概略図、（Ｃ）はシートバックへの荷重比の分布を示す概略図である。
【図１０】（Ａ）は、人体の骨格の骨格を示す図９（Ａ）と同様の概略図、（Ｂ）は本実施の形態に適用したシートのバックレストへの荷重分布を示す概略図、（Ｃ）は従来のシートのバックレストへの荷重分布の一例を示す概略図である。
【図１１】シートバックレストと上部クッション部材との接合部の他の例の一部分をを示す断面図である。
【図１２】シートバックレストと上部クッション部材との接合部の更に他の例の一部分をを示す断面図である。
【図１３】フロアとバックレスト前後の加速度センサ取り付け位置を示す概略図である。
【図１４】従来例と本実施の形態とのフロアとバックレスト前後の振動伝達ゲインを比較して示す線図である。
【図１５】従来例と本実施の形態とのフロアから座骨結節下の上下振動伝達とバックレスト前後の振動伝達ゲインを比較して示す線図である。
【図１６】従来の３次元立体編物を使用したネットシートを示す斜視図である。
【図１７】ウレタンシートとネットシートにおけるシートクッションの荷重配分を示す斜視図である。
【符号の説明】
１０人体
１２肩甲骨
１２Ａ肩甲骨下角
１４、１８、２０線
１６腸骨
１６Ａ上後腸骨棘
２２背領域
２４中心線
２６領域
２８領域
３０シート
３８シートクッション
４０シートバック
５６サイドサポート部
６０シートバックレスト
６４クッション部材
７１開放部
８０３次元立体編物
８８パイル部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a seat, and more particularly to a seat such as a vehicle seat mounted on a vehicle.
[0002]
[Prior art]
The vehicle seat reduces the driver's upper body sway and cornering during driving and sudden lane changes, and reduces the burden of driving operations and absorbs vibration during driving to reduce the physical burden on the driver. This is very important. As a vehicle seat, a urethane sheet using urethane as a cushion material and a net sheet using a recently developed net material having a three-dimensional network structure (three-dimensional solid knitted fabric) as a cushion material are known.
[0003]
As a urethane sheet, a sheet of urethane alone and a sheet using a support spring in combination are known. In the case of a urethane sheet, since the seat cushion and the backrest are separated from each other, there is a problem that a space is generated between the seat and the heel part, the supporting force of the waist is insufficient, and the holding performance is deteriorated.
[0004]
The net seat is thin and can exhibit high cushioning properties, and has a large number of air gaps, and a three-dimensional solid knitted fabric with excellent breathability is stretched around the seat frame so that the cushion and backrest are connected continuously. Constructed into a joined bucket type.
[0005]
As shown in FIG. 16, the net seat is fixed to the seat frame on the plane of the top plate portion of the backrest 100 and the seat cushion 102, and the front and rear direction (X direction and Z direction) and the left and right direction (Y direction). ) And a three-dimensional solid knitted fabric 104 having different elasticity. When fixing the three-dimensional solid knitted fabric to the seat frame, another three-dimensional solid knitted fabric having elasticity different from that of the top plate portion or a cloth spring is sewn around the three-dimensional solid knitted fabric of the top plate portion. And it is wrapped around the seat frame and fixed.
[0006]
Further, the three-dimensional solid knitted fabric fixed to the seat frame is stretched at an elongation rate less than a predetermined value. However, the degree of tension of the three-dimensional solid knitted fabric in the backrest top plate is continuously changed within the above-described range of elongation in accordance with the buttock shape of the human body and the S-shape of the back.
[0007]
According to this net seat, since the seat cushion and the backrest are joined and continuously connected by the net, the support rigidity of the waist increases, and the hold performance can be improved compared to the urethane seat. .
[0008]
However, since the seat cushion and the backrest are connected, when seated on the net seat, the backrest is pulled due to deformation of the seat cushion, and the surface stiffness of the cushion top plate increases due to the net tension of the backrest. Then, the load on the rear edge portion of the seat cushion (joint portion with the backrest) increases as shown in FIG. As a result, there is a problem that the contact pressure increases from the buttocks to the thigh when sitting for a long time.
[0009]
Furthermore, the net seat has less back-and-forth vibration input from the backrest compared to the urethane sheet, but the upper body pitches around the waist due to low-frequency vibration input to the waist, and it is uncomfortable due to the combination with the bounce. Occurs, and the longitudinal vibration in the frequency band of 5 Hz or more increases.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve the above problems, and prevents the contact pressure from increasing from the buttocks to the thigh even when sitting for a long time, and prevents the upper body from pitching around the waist. The purpose is to provide.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
  To achieve the above object, the present invention includes a seat cushion, a seat back having a seat back frame attached to the seat cushion, and a backrest having a three-dimensional network structure stretched on the seat back frame. A sheet,The seat cushion and the backrest are joined at both ends in the width direction of the seat and a non-joint portion is provided between the joint portions. By supporting the elastic body, or by joining the portion between the joint portion of the seat cushion and the backrest so that the elastic coefficient between the joint portions is a predetermined value or less,It is characterized in that the elastic characteristics are different between the both ends in the width direction of the seat and the central portion in the width direction of the seat at the boundary between the seat cushion and the backrest.
[0012]
In the present invention, since the elastic characteristics are different between the widthwise end portions of the seat and the widthwise central portion of the seat, the contact pressure does not increase from the buttocks to the thigh even when seated for a long time, and the waist Pitching of the upper body centering on can be prevented.
[0015]
  AlsoWhen the seat cushion and the backrest are joined at both ends in the width direction of the seat, the deformation of the seat cushion when seated is transmitted to the part corresponding to the joint part of the backrest, and the part corresponding to the joint part of the backrest Tension is generated. For this reason, the portion of the backrest where the tension is generated can support the body side of the seated person, or the body side of the seated person and the outside of the body side, and even when rolls or yaw occurs, The person can be prevented from rotating in the roll or yaw direction. As a result, the hold performance can be improved, and fatigue during long-time operation can be reduced.
[0016]
In addition, a non-joint portion is provided between the joint portions of the seat cushion and the backrest, that is, the joint portions between the seat cushion and the backrest are not joined and opened to correspond to the non-joint portions of the seat cushion. The part on the backrest side is supported by an elastic body whose elastic coefficient is less than a predetermined value, or the part between the joint part of the seat cushion and the backrest is joined so that the elastic coefficient between the joined parts is less than the predetermined value. ing.
[0017]
When a non-joined portion is provided between the joint portions of the seat cushion and the backrest, that is, when the seat cushion is opened, the deformation of the seat cushion when seated corresponds to the open portion (non-joined portion) of the backrest. Therefore, the tension corresponding to the deformation of the seat cushion is not generated in the portion corresponding to the open portion of the backrest. For this reason, the surface rigidity of the cushion top plate portion is reduced, the load of the rear edge portion of the seat cushion is not increased, and the contact pressure is not increased from the buttocks to the thigh when sitting for a long time. Note that the cushion tension is stretched throughout the cushion so as to compensate for the change in the posture of the sink due to the reduction in surface rigidity.
[0018]
In addition, when the portion between the joint portion of the seat cushion and the backrest is joined so that the elastic coefficient between the joint portions is equal to or less than the predetermined value, the seat cushion and the backrest are joined, so that the user is seated. The deformation of the seat cushion is transmitted to the portion corresponding to the joint between the backrests. However, since the elastic coefficient between the joint portions is equal to or less than a predetermined value, the surface rigidity force caused by the tension of the seat cushion generated in the portion corresponding to the portion between the joint portions of the backrest becomes a small value. For this reason, the load at the rear edge of the seat cushion does not increase significantly, and the contact pressure does not increase greatly from the buttocks to the thigh when sitting for a long time.
[0019]
In the present invention, in any case where a non-joined portion is provided between the joined portions and between the joined portions, the portion on the backrest side corresponding between the joined portions of the seat cushion has an elastic coefficient. Since it is supported by an elastic body having a predetermined value or less, the surface rigidity of the rear portion of the seat cushion is reduced when seated. As a result, body pressure in the cushion is dispersed, the skin is not compressed locally, and skin deflection due to vibration becomes uniform. That is, the strength of the skin irritation to vibration is reduced as compared with the conventional seat that has been locally pressed, so that riding comfort is improved and numbness in sitting for a long time can also be reduced.
[0020]
  Note that the cushion tension is stretched throughout the cushion so as to compensate for the change in the posture of the sink due to the reduction in surface rigidity.Therefore, buttockCan be prevented from sinking greatly, and the feeling of bottoming can be suppressed.
[0021]
  In the present invention, it is effective to make the elastic characteristics at the center in the width direction of the sheet softer than the elastic characteristics at both ends in the width direction of the sheet. In this way, the elastic characteristics at the center in the width direction of the seat are made softer than the elastic characteristics at both ends in the width direction of the seat, that is, the elastic characteristics at both ends in the width direction of the seat are set at both ends in the width direction of the seat cushion and backrest. If the portion is harder than the elastic characteristics of the center portion in the width direction of the seat, the body side portion of the seated person, or the body side portion of the seated person and the portion outside the body side portion can be supported by the hard elastic portion. Even when this occurs, the seated person can be prevented from rotating in the roll or yaw direction. As a result, the hold performance can be improved, and fatigue during long-time operation can be reduced.
  In the present invention, in order to make the elastic characteristics at the center in the width direction of the seat softer than the elastic characteristics at both ends in the width direction of the seat, the top portion of the seat cushion is made continuous with the seat back as a three-dimensional network structure. This can be achieved by making the structure at the center in the direction rougher than the structure at both ends in the width direction of the sheet.
[0022]
Further, the top plate portion and the backrest of the seat cushion may be sewn with a three-dimensional mesh structure member having a different elastic characteristic from the backrest in the center portion in the width direction of the seat.
[0023]
In the present invention, the center of gravity of the load when seated on the seat in each of a plurality of regions on the left and right sides of the backrest surface symmetrically with the center line in the height direction of the seat back connects the lower ends of the left and right shoulder blades. Outside the backrest corresponding to the back region of the human body surrounded by a straight line, a straight line connecting the upper ends of the left and right iliac bones, and a straight line passing over the lumbar gastrocnemius along each of the left and right lumbar gastrocnemius Can be distributed.
[0024]
By distributing the center of gravity of the occupant's load as described above, the backrest supports the occupant's load in a band shape at a site outside the lumbar gluteal muscles, which is the side of the body. It is possible to reduce the supporting pressure from the buttock on the side to the lumbar part, and to suppress the occurrence of muscle fatigue (lumbar pain) due to poor blood circulation in the lumbar part that increases fatigue.
[0025]
When the center of gravity of the seated person is distributed as described above, the lower half between the straight line connecting the tops of the left and right sciatic bones and the straight line connecting the right and left iliac crests of the back region of the backrest. It is effective to make the ratio of the load acting on the area of the total area 20% or more.
[0026]
Furthermore, the center of gravity of the load can be distributed on the lower side of the region of the backrest and on the outer side of the lower region continuous with the region with the same width as the region. Thereby, the area | region which can suppress generation | occurrence | production of the muscular fatigue by the blood circulation defect in the lumbar part which makes a feeling of fatigue large can be expanded.
[0027]
In addition, it is preferable to make the ratio with respect to the total weight of the load which acts on the lower side of the said area | region of the backrest which has the same width | variety as this area | region and continues to this area | region to 25% or less. That is, it is preferable that the load acting on the lower region extended by the width of the back region below the back region is 25% or less with respect to the total load. As a result, the support load of the lumbar vertebra part can be reduced, the muscles of the lumbar vertebra part can be in a relaxed state, and low back pain can be reduced when sitting for a long time. Note that the total load is a support load in the entire backrest when the backrest is defined as a seat portion that supports the body above the lower posterior iliac spine.
[0028]
The reason why the ratio of the load to the total load is set to 25% or less as described above is that when the ratio exceeds 25%, the effect of reducing low back pain decreases.
[0029]
When the center of gravity of the seated person's load is distributed as described above, the total weight of the load in the region between the straight line passing through the left and right upper posterior iliac spines and the straight line passing through the left and right lower iliac spines. It is preferable to make the ratio with respect to 5% or more.
[0030]
In the present invention, the horizontal tension is minimized at the portion corresponding to the horizontal line passing through the iliac spine height after sitting up, and the tension gradually increases from the minimum tension portion, or the horizontal slack is raised after sitting up. The backrest can be stretched so that it becomes maximum at the portion corresponding to the horizontal line passing through the height of the tibial spine and gradually decreases from the maximum looseness portion.
[0031]
By stretching the backrest having a three-dimensional network structure as described above, the lumbar vertebra can be held from the hip of the human body into the seat back. As a result, for example, in a vehicle, it is possible to provide reliable support for lateral shaking during traveling, to reduce the burden on the lumbar part due to insufficient support force, and to suppress muscle fatigue in the lumbar part. it can.
[0032]
At this time, as the backrest of the three-dimensional network structure, it is possible to use a three-dimensional knitted fabric composed of an upper mesh layer, a lower mesh layer, and a pile layer having a plurality of pile portions connecting the upper mesh layer and the lower mesh layer. it can.
[0033]
In the present invention, when the elastic coefficient at the center in the width direction of the seat at the boundary portion between the seat cushion and the backrest is expressed by the elastic coefficient in the normal direction at the time of sitting, it is set to 2 N / mm in consideration of muscle characteristics. Is preferred. If it exceeds 2 N / mm, the force transmitted from the seat cushion to the backrest at the time of deformation of the seat cushion increases, and the tension of the backrest increases and the buttocks are pressed.
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments in which the present invention is applied to a vehicle seat will be described below in detail with reference to the drawings. In the present embodiment, the joint between the seat cushion and the backrest is opened so as not to be joined. In the drawings shown below, the arrow F direction is the front side in the vehicle front-rear direction, the arrow U direction is the upper side in the vehicle up-down direction (the seat height direction), and the arrow LR direction is the vehicle left-right direction (the seat width direction). ).
[0035]
As shown in FIG. 1, the vehicle seat 30 includes a seat frame 32. The seat frame 32 includes a seat portion frame 34 and a back portion frame 36, and a seat cushion 38 is formed by providing a cushion member for the seat portion on the seat portion frame 34. A seat back 40 is formed by stretching a seat back rest made of a cushion material having a three-dimensional mesh structure for the back.
[0036]
One end of the back portion frame 36 is connected to one end of the seat portion frame 34 so as to be pivotable about a support shaft 42 disposed along the left-right direction. A possible reclining mechanism is formed. A detailed description of the reclining mechanism is omitted.
[0037]
The seat frame 34 includes a pair of side frames 44, and the seat cushion 38 includes a plurality of coil springs 46 supported at one end by the side frames 44, and a contour elastically supported by the coil springs 46. An intermediate cushion member 50 formed of an elastic body laminated on the upper surface of the contour mat 48 as a cushion material, and laminated on the upper surface of the intermediate cushion member 50 and stretched between the side frames 44. The upper cushion member 52 is provided. Further, as shown in FIG. 4, the intermediate cushion member 50 is configured by stacking an upper intermediate cushion member 50A and a lower intermediate cushion member 50B.
[0038]
The seat cushion 38 is folded back with only the upper cushion member 52 extending forward, and is supported by the side frame 44 and the front end frame 44 </ b> A spanned between the side frames 44. This increases the elastic compliance, increases the damping function, suppresses blood flow inhibition, and improves the smoothness of pedal operation when used as a driver's seat.
[0039]
The intermediate cushion member 50 and the upper cushion member 52 of the seat cushion 38 are both formed of a three-dimensional solid knitted fabric that is a sheet material having a three-dimensional network structure, which will be described later, and the intermediate cushion member 50 is formed when an occupant is seated. Further, the feeling of bottoming that occurs when only the upper cushion member 52 is disposed is suppressed, and the feeling of foreign matter due to the contour mat 48 and the coil spring 46 is reduced. The intermediate cushion member 50 may be formed by folding the upper cushion member 52.
[0040]
The intermediate cushion member 50 and the upper cushion member 52 are not limited to a three-dimensional solid knitted fabric, and any conventionally known configuration using a net-like elastic member, a planar elastic member, or the like can also be applied.
[0041]
On the other hand, the back frame 36 of the seat back 40 includes a pair of side frames 54 extending in the seat height direction. The side frame 54 is provided with an elastic member using urethane or the like. Side support portions 56 corresponding to the body side of the occupant seated on the seat 30 are formed on both sides of the seat back 40 in the left-right direction (width direction) by forming this elastic member in a predetermined shape. A headrest 58 is provided at an upper portion between the side support portions 56, and a seat backrest 60 is stretched between the side support portions 56.
[0042]
That is, as shown in FIGS. 1, 2 </ b> A, and 2 </ b> B, the seat 30 is a bucket type in which the seated occupant's body enters between the side support portions 56. On the surface of the side support portion 56, a surface material 56A that provides an appropriate cushioning property and a comfortable contact feeling is attached. Note that a three-dimensional solid knitted fabric described later is used as the surface material 56A.
[0043]
As shown in FIGS. 2 and 3A, the seat back 40 has an opening 62 formed by opening a space between the side support portions 56. As shown in FIGS. 2 and 3A, a seat backrest 60 formed by a cushion member 64 made of a three-dimensional solid fabric is stretched around the opening 62.
[0044]
That is, the seat backrest 60 is formed by a cushion member 64 that is stretched in an opening 62 that is a central portion facing the back of an occupant seated on the seat 30. Therefore, the seat back rest 60 formed by the cushion member 64 is stretched on the back frame 36 of the seat back via the side support portion 56.
[0045]
The seat back rest 60 may be directly stretched on the back frame 36 of the seat back without using the side support portion 56.
[0046]
Both end portions in the width direction of the lower end portion of the seat backrest 60 are joined by sewing to both end portions in the width direction of the upper cushion member 52 of the seat cushion 38. By joining in this way, a pair of stitched joint portions 70A and 70B having a predetermined width are formed at the boundary portions between the upper cushion member 52 and the seat backrest 60 at both end portions in the width direction of the seat.
[0047]
Moreover, the part between the junction parts of the upper cushion member 52 and the seat backrest 60 is opened and is not joined. For this reason, an opening portion 71 having a predetermined width is formed in a portion between the joint portions of the upper cushion member 52 and the seat backrest 60, that is, a portion between the stitched joint portions 70A and 70B. The width of the opening 71 is preferably 150 to 250 mm, and the optimum value for an American AM 95% person is 230 mm.
[0048]
By the way, in order to perform an accurate driving operation against the centrifugal force of the vehicle caused by the turning operation of the driver and the road surface disturbance, it is necessary to reduce the wobble of the seat cushion and improve the holding performance of the seat that supports the entire body. There is. For that purpose, it is important to support the shoulder blades, the scapulae, and the front thighs of the seat to prevent posture collapse.
[0049]
Specifically, it is necessary to strengthen the feeling of support from the seat cushion nodule position of the seat cushion to the front 100 mm. Therefore, within the range of 200mm forward and 200mm width from the rear end of the seat cushion, while maintaining the rigidity of the seat cushion top plate, reducing the pressing force next to the sciatic tubercle and giving a small support feeling near the coccyx, the seat cushion There is no sense of looseness or wobbling at the rear. In order to improve the top plate support pressure, an elastic body with an elastic coefficient different from the elastic coefficient of the seat cushion is provided at the rear of the seating surface, and when the light support pressure is applied to the tailbone, the elastic coefficient of the seat cushion decreases. , Vibration characteristics are improved. However, it is preferable to use a duffing type elastic coefficient having weak nonlinearity so that the feeling of bottoming does not increase.
[0050]
For this reason, a portion corresponding to the opening portion 71 in the seat backrest side edge portion which is the rear end edge portion of the upper intermediate cushion member 50A is supported by the support shaft 42 by the plurality of support springs 43 arranged along the seat width direction. I support it. The elastic coefficient of the elastic portion constituted by the plurality of support springs 43 and the rear end edge portion of the upper intermediate cushion member 50A is set to 30 to 50 N / mm so as to be approximately 0 in the seated state. Is preferred.
[0051]
As described above, in the present embodiment, the body-side support structure is formed by joining both end portions in the width direction of the upper cushion member 52 to the corresponding portions of the seat backrest 60, and the left and right shaking of each part of the upper body is reduced. Further, by supporting the edge portion of the upper intermediate cushion member 50 </ b> A corresponding to the opening portion 71 with the support spring 43, the backrest tension accompanying the cushion deformation due to the seating is transmitted only through both ends of the opening portion 71. Since the longitudinal force of the backrest due to the bending of the cushion is reduced, the occupant is subject to vertical vibration. As a result, the holding performance is improved, and a structure that approaches a one-degree-of-freedom vibration model of the spring constant of the cushion and the human body mass to improve high-frequency vibration is adopted.
[0052]
In the above description, the example in which the backrest side portion of the seat cushion is supported by supporting the upper intermediate cushion material with the support spring has been described, but the lower intermediate cushion material or the rear edge of the upper cushion material is supported. Thus, the backrest side portion of the seat cushion may be supported, or the backrest side portion of the seat cushion may be supported by adjusting the elastic coefficient of the intermediate cushion material.
[0053]
Next, the three-dimensional solid knitted fabric used as the cushion member will be described with reference to FIGS.
[0054]
As shown in FIG. 5, the three-dimensional solid knitted fabric 80 is reciprocally connected between a pair of ground knitted fabrics 82 and 84 that are spaced apart from each other and the pair of ground knitted fabrics 82 and 84. And a pile portion 88 formed by a large number of connecting yarns 86.
[0055]
For example, as shown in FIG. 6, one ground knitted fabric 82 is formed with a mesh by a flat knitted fabric structure that is continuous in both the wale direction and the course direction from a yarn 90 twisted with short fibers. Use things. The other ground knitted fabric 84 forms a honeycomb-like mesh from yarns 92 in which short fibers are twisted, as shown in FIG. 7, for example. The other ground knitted fabric 84 has a mesh larger than that of the one ground knitted fabric 82. Note that the ground knitted fabrics 82 and 84 are not limited to a narrow structure or a honeycomb shape, but may be a mesh knitted fabric structure other than this.
[0056]
As shown in FIG. 5, the connecting yarn 86 is knitted between the ground knitted fabrics 82 and 84 so that the one ground knitted fabric 82 and the other ground knitted fabric 84 maintain a predetermined interval. Forming. Thus, a predetermined rigidity is imparted to the three-dimensional solid knitted fabric 80 that is a mesh knit.
[0057]
The three-dimensional solid knitted fabric 80 can be provided with the necessary waist strength depending on the thickness of the ground yarn (yarns 90 and 92) forming the ground knitted fabrics 82 and 84. It is preferable to select one that does not make the knitting work difficult. As the ground yarns 92 and 92, monofilament yarns can be used, but multifilament yarns and span yarns may be used in consideration of the texture and softness of the surface feel.
[0058]
As the connecting yarn 86, it is preferable to use a monofilament yarn, and the thickness is preferably in the range of 167 dtex to 1100 dtex. With multifilament yarn, cushioning properties with good restoring force cannot be obtained, and when the thickness is less than 167 dtex, the waist strength of the three-dimensional solid knitted fabric 80 decreases, and when it exceeds 1100 dtex, it becomes hard As a result, a moderate cushioning property cannot be obtained.
[0059]
That is, by using a monofilament yarn of 167 dtex to 1100 dtex as the connecting yarn 86, the load of the occupant seated on the seat is connected to form the pile portion 88 together with the deformation of the mesh forming the ground knitted fabrics 82 and 84. The thread 86 can be supported by deformation due to tilting or buckling, or by the restoring force of an adjacent connecting thread that imparts spring characteristics to the deformed connecting thread 86, and has a soft spring characteristic and does not cause stress concentration. It can be a flexible structure.
[0060]
Note that unevenness may be formed on the three-dimensional solid knitted fabric 80. That is, the ground knitted fabrics 82 and 84 may be knitted so as to have irregularities on the surface, and when the irregularities are formed, spring elements having a substantially arched cross section can be formed on the ground knitted fabrics 82 and 84. Therefore, a soft spring characteristic can be further provided, and a structure having an elastic compliance substantially equal to or larger than the elastic compliance of muscle can be easily formed. The elastic compliance is calculated by (deflection amount) / (average pressure value of the contacting surface).
[0061]
The material of the ground yarns 90 and 92 and the connecting yarn 86 is not particularly limited. For example, synthetic fibers such as polypropylene, polyester, polyamide, polyacrylonitrile, and rayon, and regenerated fibers, natural fibers such as wool, silk, and cotton. Is mentioned. These materials may be used alone or in any combination. Preferably, thermoplastic polyester fibers represented by polyethylene terephthalate (PET), polybutylene terephthalate (PBT), polyolefin fibers represented by nylon 6, nylon 66, etc., or a combination of two or more of these fibers Is.
[0062]
Further, the thread shapes of the ground yarns 90 and 92 and the connecting yarn 86 are not limited to the above description, and round cross-section yarns, irregular cross-section yarns, and the like may be used.
[0063]
The pile structure of the pile portion 88, which is a method of disposing the connecting yarn 86 forming the pile portion 88, is shown in FIG. 8 (when the connecting yarn 86 connecting the ground knitted fabrics 82 and 84 is viewed from the side. A) to the types shown in FIG.
[0064]
8 (A) and 8 (B) are straight types in which connecting yarns 86 are knitted almost vertically between the ground knitted fabrics 82 and 84. Of these, FIG. 8B is a simple knitted pattern.
[0065]
8 (C), 8 (D), and 8 (E) show a cross type in which the connecting yarns 86 are knitted so as to intersect each other between the ground knitted fabrics 82 and 84. FIG. Of these, FIG. 8 (C) shows the connecting yarn 86 crossed in an 8-shape, and FIG. 8 (D) shows the connecting yarn 86 simply crossed. FIG. 8E shows the connecting yarns 86 that are joined together two by two (double cross).
[0066]
As shown in FIGS. 8C to 8E, when the connecting yarns 86 are crossed and arranged obliquely, the connecting yarns 86 are arranged almost vertically between the ground knitted fabrics 82 and 84. Compared to the configuration (see FIGS. 8A and 8B), it is possible to provide a soft spring characteristic with a large compression rate while maintaining a sufficient restoring force by the buckling strength of each connecting yarn 86. There is an advantage that you can.
[0067]
The cushion members 52 and 64 using such a three-dimensional three-dimensional knitted fabric 80 have a low spring property and a high damping ratio, are likely to be deformed following the occupant's body shape, and are more easily fitted. It should be noted that the cushion member 64 of the seat back 40 and the widthwise ends of the upper cushion member 52 of the seat cushion 38 are integrated by stitching the three-dimensional solid knitted fabric 80 so that a large load is applied when the passenger is seated. A part facing the lumbar part from the buttocks can be supported like a hammock in a direction to float from the buttocks of the occupant to the lumbar part. This makes it easier to follow changes in the posture of the occupant and improves the seating feeling.
[0068]
By the way, the three-dimensional solid knitted fabric 80 stretched as the cushion member 64 on the seat back rest 60 of the seat back 40 is set in accordance with a pattern 66 that matches the opening of the opening 62 as shown in FIG. It cuts using the pattern 68 created in this shape.
[0069]
The pattern 68 has a predetermined height h2 from the seam joints 70A and 70B to the upper cushion member 52 of the seat cushion 38, which is the end of the seat cushion 38, and a predetermined height h2. It is formed so as to be widened most at the height h1. As a result, when the cushion member 64 is stretched on the seat back 40, the seat back rest 60 is most loosened at the height h1 from the seat cushion 38.
[0070]
That is, the cushion member 64 that is formed by cutting the three-dimensional three-dimensional knitted fabric 80 using the pattern 68 is stretched on the seat backrest 60, so that the cushion member 64 is the most loose at the height h1 from the seam 70. Occurs. Further, the looseness gradually decreases from this position toward the seam 70 and the height h2, and the tension is within a few percent by exceeding the height h2.
[0071]
The width dimension W0 of the pattern 68 at the height h1 is made larger than the width dimension WS of the corresponding part of the pattern 66 by a predetermined widening ratio α. That is, W0 = WS × (1 + α). In this embodiment, as an example, the widening ratio α is set so that the width dimension W0 is 4% wider than the width dimension WS (α = 0.04).
[0072]
Accordingly, the cushion member 64 is stretched between the seat backrest 60 and the height h2 so that the seat backrest 60 is most loosened at the height h1.
[0073]
On the other hand, the height h1 and the height h2 are set based on the body shape of the person sitting on the seat 30. That is, the height h1 is set based on the sitting posterior iliac spine height corresponding to the vicinity of the upper end of the iliac of the person seated on the seat 30, and the height h2 is the lower end of the clavicle. Is set based on the lower angle of the scapula below the scapula.
[0074]
The sitting posterior iliac spine height is the height from the seating surface at the point where the upper posterior iliac spine 16A protrudes most backward in the iliac 16 shown in FIG. 9 (A). The average is 154.3 mm, the average of youth women is 149.1 mm, and the average of youth men and women is 151.8 mm. In addition, since the average of senior men, women, and senior men and women is 152.2 mm, 136.1 mm, and 144.3 mm, respectively, the height h1 is set to 150.0 mm as an example in the present embodiment.
[0075]
The sitting angle below the scapula is the height from the seating surface of the lower scapula 12A, which is the lower end of the scapula 12, and the average of Japanese adolescent men, adolescent women, and adolescent men and women is 456.9 mm and 416.1 mm, respectively. , 437.2 mm. In addition, since the average of the elderly man, the woman and the elderly man and woman is 427.2 mm, 377.2 mm, and 401.1 mm, respectively, the height h2 is set to 450. 0 mm.
[0076]
In the seat 30, the width dimension of the opening 62 is set so that the side part of the seated occupant is held by the side support part 56. Thereby, the width dimension Wa at the height h2 on the pattern 68 shown in FIG. 3B is set based on the under-scapular angle width. The under-scapular angle width is a linear distance between the under-scapular angles 12A of the left and right scapula 12 shown in FIG. 9 (A), and the average of Japanese adolescent men, adolescent women and adolescent men and women is 194.7 mm, It is 163.8 mm and 179.8 mm. In addition, the averages of older men, women and older men and women are 187.6 mm, 161.2 mm, and 174.3 mm, respectively. From here, the width dimension Wa is made sufficiently wider than the under-scapular angle width so that the upper body of the person seated in the seat backrest 60 of the seat 30 can be accommodated, and the seat 30 can be accommodated in the seatback rest 60. The body side part at the time is set so as to contact the side support part 56 forming the peripheral edge part of the opening 62.
[0077]
When the three-dimensional solid knitted fabric 80 is stretched as the cushion member 64, any joining method can be used. At this time, it is preferable to join appropriately with the surface material 56A of the side support portion 56 so as to have a sense of unity. For example, when a cloth material such as felt is used as the surface material 56A, it is preferable to sew the cushion member 64 from the surface material 56A, thereby suppressing the lateral extension of the three-dimensional solid knitted fabric 80. However, it is possible to easily cause elongation in the vertical direction. Therefore, deformation following the body shape of the human body is likely to occur, and the holdability and stability at the time of sitting can be further improved.
[0078]
By stretching the cushion member 64 formed by cutting the three-dimensional solid knitted fabric 80 in this manner, the seat back rest 60 of the seat back 40 is bent around the position of the height h1 from the seating surface. A portion 72 is formed. As a result, the seat backrest is stretched so that the slack in the horizontal direction is maximized at the portion corresponding to the horizontal line passing through the posterior spinal height above the sitting position, and the slack is gradually reduced from the maximum slack portion.
[0079]
At this time, by stretching the three-dimensional solid knitted fabric 80 as the cushion member 64 on the seat backrest 60, the spring property is lowered, the damping ratio is increased, and the upper body can be supported in a hammock shape.
[0080]
The body of the person sitting on the seat 30 faces the cushion member 64 whose back is stretched on the seat backrest 60 when the upper body is placed between the side support portions 56. At this time, it opposes the bending part 72 of the seat backrest 60 from a hip part to a lumbar part.
[0081]
In this bending portion 72, the width dimension W0 of the cushion member 64 is made wider than the width dimension WS of the opening 62, and the seat is so that the lumbar portion is wrapped by the cushion member 64 from the buttocks by lowering the waist deeply. Fits in backrest 60. That is, the waist portion is housed and held so as to sink into the cushion member 64.
[0082]
In addition, the upper body is held with the body side part in contact with the side support part 56. At this time, the central portion of the upper body comes into contact with a cushion member 64 that is stretched so as to close the opening 62. The cushion member 64 has a tension of a few percent or less in the portion above the height h2, but is slightly below the height h2 because it is slightly bent in the region below this. The upper body is wrapped and held in the cushion member 64 at this portion. In other words, the seat 30 is seated in a slightly stooped state compared to the S-shaped holding of the spine, which has conventionally been in an appropriate sitting state.
[0083]
Next, the distribution of the center of gravity of the seat backrest when seated in the vehicle seat of the present embodiment configured as described above will be described. First, as shown in FIG. 9 (A), the line 14 connecting the lower scapular corners 12A and 12B of the human body 10 sitting on the seat cushion, the line 18 connecting the left and right iliac crests, and the lumbar gluteal muscles (not shown) Assume a back region 22 surrounded by a line 20 passing through. At this time, the line 20 passing over the lumbar gluteal muscle is approximately the position connecting the lower end of the scapula 12 and the upper end of the iliac 16.
[0084]
As shown in FIG. 9 (B), the seat backrest is divided symmetrically across the center line 24 along the height direction and divided into a plurality along the height direction. The center of gravity when receiving a load in each of the regions 26 is distributed outside the back region 22. In FIGS. 9B and 9C, the barycentric position of a sheet to which the present embodiment is applied is indicated by a black circle, and the barycentric position of a general sheet having a conventional structure is indicated by a black square.
[0085]
As a result, the backrest supports the seated person's load in a band shape at a site outside the lumbar gluteal muscles, which is mainly the body side, and reduces the support pressure from the buttocks on the center side of the seated person to the lumbar part It is possible to suppress the occurrence of muscle fatigue (lumbar pain) due to poor blood circulation at the lumbar vertebrae, which increases fatigue.
[0086]
As shown in FIG. 9 (A), when assuming a lower region 28 extended by the width of the back region 22 below the back region 22, as shown in FIG. 9 (B), the lower side The center of gravity of the load received in each region 26 connected to the region 28 is located outside the lower region 28.
[0087]
Further, as shown in FIG. 9A, the load applied by the lower region 28 extended by the width of the back region below the back region 22 is about 13% or less with respect to the total load. Thereby, the support load of the lumbar part can be reduced, the muscles of the lumbar part can be in a relaxed state, and low back pain can be reduced when sitting for a long time. In addition, when the total load is defined as the seat portion that supports the body above the lower posterior iliac spine 16B (see FIG. 9A), the total load is the support load in the entire backrest. Yes.
[0088]
FIG. 10B shows the measurement result of the body pressure distribution applied to the seat back 40 when seated on the seat 30. FIG. 10C shows an example of the body pressure distribution on the seat back of the seat that has been conventionally optimized.
[0089]
By the way, the cross-sectional shape of the back in the human body 10 projects rearward from the spine 10A toward the body side. In particular, the overhang of the bone portions of the scapula 12 and the superior posterior iliac spine 16A is large.
[0090]
On the other hand, the portion of the scapula 12 that extends from the scapula 12 to the iliac 16 that has a large bulge in the back is the ridge line of the lumbar gluteal gluteal muscle not shown in this figure. When such a back-shaped person is seated on the seat, the scapula 12, the upper posterior iliac spine 16A bone portion, and the muscular portion of the lumbar gluteal muscles come into contact with each other with high body pressure. The cause of muscle fatigue in sitting for a long time is due to the fact that the load acting on the muscle, that is, the body pressure becomes high and the blood circulation is prevented by pressing the blood vessels around the muscle.
[0091]
Therefore, in order to reduce muscle fatigue, it is necessary to consider the load burden on the major chest longest muscles and the lumbar gluteal muscles located on the left and right along the spine. Therefore, the burden on muscles was evaluated, and the areas as seat design requirements were set as follows.
[0092]
That is, as shown in FIG. 10A (see also FIG. 9A), a line 14 connecting the lower ends (lower scapular corners 12A) of the left and right scapula 12 of the human body 10, and a line connecting the left and right iliac crests. 18 and the region surrounded by the line 20 connecting the lower scapular angle 12A and the iliac crest is defined as the back region 22, in the seat 30, the cushion member 64 stretched on the seat backrest 60 in the back region 22 Opposite. At this time, the line 20 connecting the lower scapular angle 12A and the iliac crest is along the lumbar gluteal muscle along the vertical direction on the left and right of the spine 10A of the human body.
[0093]
On the other hand, in the seat backrest 60 of the present embodiment, the position at which the height h2 from the seam joint portions 70A and 70B of the cushion member 64 is the position corresponding to the line 14 at the upper end of the back region 22.
[0094]
In addition, the upper posterior iliac spine 16A is located at the center of the region 28 extending in the width of the dorsal region 22. The bending portion 72 having the largest looseness at the height h1 from the stitched joint portions 70A and 70B of the cushion member 64 shown in FIG. 3B is the position of the upper posterior iliac spine 16A when seated.
[0095]
As a result, as shown in FIG. 10 (B), the body pressure distribution in the back region 22 of the seat back 40 in the seat of the present embodiment is compared with that of the seat that is conventionally optimized as shown in FIG. 10 (C). It can be seen that the body pressure is relatively small and the body pressure is high outside the line 20 in the back region 22. In addition, the body pressure in the line 18 at the lower end of the spine region 22, that is, in the vicinity of the line connecting the left and right iliac crests, and in the region 28 extending from the spine region 22 is low, and on the left and right outside of the region 28 The pressure is high.
[0096]
This difference in body pressure distribution is due to the fact that the backrest cushion member 64 is loosened in accordance with the shape and dimension of the human body. That is, the upper hind iliac spine 16A has a large hump overhanging at the bending portion 72 having a height h1 and is stretched so as to have a tension of several percent or less over the height h2 of the lower scapular angles 12A and 12B. Since the cushion member 64 formed by cutting the three-dimensional solid knitted fabric 80 according to the shape of the body is deformed, the ridge line in the cross section of the back, that is, the portion in contact with the body side from the lumbar gluteal muscles Increases body pressure.
[0097]
In addition, when it is hung from the line 18 at the lower end of the dorsal region 22 under the sciatic tuberosity, the lumbar portion is accommodated in the cushion member 64 from the buttocks by the bending portion 72 at the height of the upper posterior iliac spine 16A. The Accordingly, the body pressure increases from the buttock to the lumbar portion at the body side portion in contact with the net (cushion member 64) from the ridgeline in the cross section of the human body, that is, from the vicinity of the left and right lines of the region 28.
[0098]
On the other hand, in FIG. 9B, the center-of-gravity position that is the center of the load in each region 26 when the region 26 that is divided into a plurality of symmetrically across the center line 24 by the seat back 40 of the seat 30 is assumed. This is created based on the pressure distribution of FIG. FIG. 9C shows the load ratio of the upper and lower divided regions with respect to the backrest support load created based on the pressure distribution of FIG. 10B. This graph of the load ratio shows the load ratio at each region position with respect to the total load received by the seat back 40. In FIGS. 9B and 9C, the center of gravity and the load ratio of the seat 30 are indicated by black circles, and the conventional example based on FIG. 10C is indicated by black squares.
[0099]
As shown in FIG. 9B, the center of gravity of the load is conventionally located in the back region 22 or the region 28, whereas in the seat 30, the center of gravity of the load is the back region 22 and the region. 28 is a position far from 28. That is, conventionally, the body side can receive the pressure received around the back.
[0100]
Further, the support load distribution from the buttocks to the lumbar region of the conventional sheet has a characteristic that the load ratio increases in the vicinity of the fifth lumbar vertebra just below the iliac crest line 18, and the load ratio rapidly decreases below that. It has become. This is because the cushion and the backrest are separated, and there is a gap between the buttocks and the backrest.
[0101]
On the other hand, in the seat of the present embodiment, the cushion member 64 formed by cutting the three-dimensional solid knitted fabric 80 in accordance with the shape of the body is deformed, so that the straight line passing through the left and right upper posterior iliac spines 16A The load ratio in the area between the left and right lower posterior iliac spines 16B (see FIG. 9A and FIG. 10A) is 10% or more, and there is no sudden change in support load. Distributed. Furthermore, the center of gravity of the region 28 is located on the body side, and the load ratio of the region 28 exceeds 35% for the conventional sheet calculated based on FIG. Before and after.
[0102]
Thereby, in the sheet 30, since the support pressure for the lumbar portion of the human body 10 can be reduced as a whole, the occurrence of poor blood circulation due to the high support pressure can be suppressed. That is, blood circulation is not hindered by the support pressure.
[0103]
In addition, even when it is installed in a vehicle, the upper body is supported in a belt shape on the side of the body from the shoulder to the buttocks due to vibrations during running of the vehicle, resulting in insufficient support of the upper body against shaking In order to compensate for the lack of support, unnecessary force can be prevented from entering the lumbar part.
[0104]
Therefore, the muscles of the lumbar vertebra are kept in a relaxed state, and the occurrence of low back pain due to prolonged sitting can be suppressed.
[0105]
Moreover, in the conventional vehicle seat, when traveling on a wavy road and an asphalt road surface, the deformation of the cushion becomes large due to low-frequency vibration. In particular, when the cushion sinks, the net tension of the backrest increases, and a longitudinal force acts on the waist.As a result, the upper body is centered on the waist and pitching and bounce vibration are combined. Pleasure increases. On rough roads, high-frequency vibrations are the main component, so the upper body does not respond to the longitudinal force due to the backrest tension, but vibrations are transmitted to the waist and the riding comfort of high-frequency vibrations deteriorates.
[0106]
On the other hand, since the net seat of the present embodiment opens the central part of the cushion and the backrest, the tension of the backrest due to the sinking of the cushion is maintained even when traveling on a swell road and an asphalt road surface. Since the force is greatly reduced, the longitudinal force acting on the lower back is also reduced, the pitching of the upper body is suppressed, and high-frequency vibrations are hardly transmitted. In other words, by releasing a part of the joint between the cushion and the backrest, the body pitching and longitudinal vibrations, which were the problems of conventional net seats against simple vertical vibrations, are reduced, and in the case of sitting for a long time. An increase in contact pressure from the cushion can be greatly reduced.
[0107]
In addition, because the cushion and backrest are connected on both sides of the open part, body side support performance can be maintained, and it does not rotate in the direction of roll or yaw, so there is no loss of hold performance and fatigue reduction in overtime driving .
[0108]
Furthermore, by supporting the rear end of the cushion opening and the frame with an elastic body such as a spring smaller than the elastic coefficient of the cushion, it is possible to give a sense of support near the coccyx. The wobble is lost.
[0109]
In the above, the example in which the joint between the seat cushion and the seat backrest is opened without joining and the opening is provided between the joints has been described, but as described below, the elasticity between the joints is described. You may make it join the part between the junction parts of a seat cushion and a backrest so that a coefficient may become below a predetermined value.
[0110]
FIG. 11 shows that a portion between the joint portions of the upper cushion member 52 and the seat backrest 60, that is, a portion corresponding to the opening portion 71 described above is sewn and slackened with the thread 120, and this sewn portion is In the same manner as described above, the support shaft 42 is supported by a plurality of support springs 43. In FIG. 12, a three-dimensional three-dimensional knitted fabric 122 having a small elastic coefficient is interposed between portions where the upper cushion member 52 and the seat backrest 60 are joined, and the sewed and slackened yarns 120 are used.
[0111]
Also in the case of FIGS. 11 and 12, the elastic coefficient of the elastic portion composed of the plurality of support springs and the rear edge portion of the upper cushion member 52, and the three-dimensional solid knitted fabric and the rear edge portion of the upper cushion member 52 The elastic coefficient of the configured elastic part is set to a value of 2 N / mm or less in terms of the elastic coefficient in the normal direction of the three-dimensional solid knitted fabric that acts on the buttocks when seated.
[0112]
In the above description, the example in which the elastic coefficient is made equal to or less than the predetermined value by interposing the three-dimensional solid knitted fabric in the portion between the joint portions of the portion cushion member and the seat backrest has been described. By making the pile structure of the portion to be rougher than the other portions, the elastic modulus may be made a predetermined value or less. Further, the elastic modulus may be set to a predetermined value or less by knitting using a yarn having a small elastic modulus, that is, a yarn that easily stretches.
[0113]
Moreover, this Embodiment demonstrated above shows an example of this invention and does not limit the structure of this invention. For example, in the present embodiment, a seat provided on a vehicle such as an automobile has been described as an example. However, the seat of the present invention is not only a vehicle such as an automobile but also a seat on which a person such as an aircraft seat or furniture sits. If it exists, it can be applied to various sheets. In particular, it can be used as a seat that sits for a long time, or as a seat accompanied by vibration or shaking.
[0114]
Next, a vibration experiment performed to confirm the effect of longitudinal vibration absorption of the seat of the present embodiment will be described. In this experiment, as shown in FIG. 13, a small single-axis acceleration sensor is attached to a height position that becomes the third lumbar vertebra part when the floor foot and backrest are stopped left and right, and a human is seated in a random waveform with a vertical waveform. And the transfer characteristics of the vertical acceleration Gzh at the foot of the floor and the longitudinal acceleration Gxw of the backrest were examined.
[0115]
FIG. 14 shows the longitudinal vibration transmission characteristics of the conventional net sheet and the net sheet of the present embodiment. As shown in the figure, it can be understood that the net sheet according to the present embodiment has a lower gain than the conventional net sheet in the frequency band of 4 to 13 Hz, and the vibration absorption is greatly improved. The vibration peak near 5 Hz is resonance in the front-rear direction due to the spring element of the backrest and the human body.
[0116]
Also, opening part of the joint between the cushion and the backrest means that the influence of the backrest's longitudinal force is reduced, and the cushion spring element and the human body simply approach a simple one-degree-of-freedom vibration system model. To do. Therefore, as shown in FIG. 13, the vibration transmission characteristics of the acceleration sensor installed at the lower part of the cushion bone to the vertical acceleration Gzh with respect to the vertical excitation acceleration Gzf of the floor foot were examined and compared with a conventional net sheet.
[0117]
As a result, the conventional net sheet has the largest gain at 5 Hz and exhibits a resonance phenomenon, but has a gain of 1 or more up to the frequency band of 5 Hz to 11 Hz, which is different from a simple vibration characteristic waveform with one degree of freedom. Yes.
[0118]
On the other hand, the net sheet of the present example shows a resonance phenomenon at about 3.6 Hz, and the gain sharply decreases at a frequency higher than that, and it can be said that the vibration characteristic has a characteristic of a simple one-degree-of-freedom system. . Therefore, it can be understood that the seat of the present embodiment has a vibration gain that is reduced at a resonance frequency of 5 Hz or higher, which is the resonance frequency of the conventional net sheet, and the riding comfort is greatly improved.
[0119]
In addition, the net sheet of the present embodiment has a resonance frequency lower than that of the conventional net sheet, but the resonance gain is 2.0, which is about 1.3 times that of the conventional net sheet of 1.5. Become strong. However, considering the balance between the magnitude of impact input to the buttocks and the damping time of vibration, it is considered that the optimal vibration gain transmitted from the floor to the cushion is around 2.0. Rather, the fact that the gain is small as in the case of the conventional net seat is evaluated as a seat with poor riding comfort because the vibration attenuation is large and the impact input to the buttocks is also large. In this way, by releasing a part of the joint between the cushion and the backrest, the front / rear force of the backrest due to the sinking of the cushion is significantly reduced, so that the riding comfort can be greatly improved.
[0120]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, both end portions in the width direction of the seat cushion and the backrest are joined, a non-joining portion is provided between the joint portions of the seat cushion and the backrest, and the non-joining of the seat cushion is performed. The part corresponding to the part is supported by an elastic body whose elastic coefficient is a predetermined value or less, or the part between the joint part of the seat cushion and the backrest is joined so that the elastic coefficient between the joined parts is a predetermined value or less. Therefore, even when sitting for a long time, it is possible to provide a seat that prevents the contact pressure from increasing from the buttocks to the thigh and prevents the upper body from pitching around the waist. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view in which a part of a vehicle seat according to an embodiment is cut away.
FIG. 2A is a front view of a vehicle seat according to the present embodiment, and FIG. 2B is a side view.
FIG. 3A is a schematic front view of a seat showing a state in which a cushion member is not stretched on the seat back, and FIG. 3B is a schematic view showing a pattern of the cushion member stretched on the seat back.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a part of a cross section along the center line in the height direction of the vehicle seat according to the present embodiment.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view showing a three-dimensional solid fabric used as a cushion member.
FIG. 6 is a schematic view showing an example of one ground knitted fabric used for a three-dimensional solid knitted fabric.
FIG. 7 is a schematic view showing an example of the other ground knitted fabric used in the three-dimensional solid knitted fabric.
FIGS. 8A to 8E are schematic cross-sectional views of a main part of a three-dimensional solid knitted fabric showing an application example of a pile portion.
9A is a schematic diagram showing a human skeleton, FIG. 9B is a schematic diagram showing the distribution of the center of gravity of the load on the seat back, and FIG. 9C is a schematic showing the distribution of the load ratio on the seat back. FIG.
10A is a schematic view similar to FIG. 9A showing the skeleton of a human body, and FIG. 10B is a schematic view showing a load distribution to a backrest of a seat applied to the present embodiment. (C) is a schematic diagram showing an example of load distribution to a backrest of a conventional seat.
FIG. 11 is a cross-sectional view showing a part of another example of the joint portion between the seat backrest and the upper cushion member.
FIG. 12 is a cross-sectional view showing a part of still another example of the joint portion between the seat backrest and the upper cushion member.
FIG. 13 is a schematic view showing acceleration sensor mounting positions before and after the floor and the backrest.
FIG. 14 is a diagram showing a comparison of vibration transfer gains before and after the floor and the backrest in the conventional example and the present embodiment.
FIG. 15 is a diagram showing a comparison between vertical vibration transmission under the ischial tuberosity and vibration transmission gain before and after the backrest from the floor of the conventional example and this embodiment.
FIG. 16 is a perspective view showing a net sheet using a conventional three-dimensional solid knitted fabric.
FIG. 17 is a perspective view showing load distribution of seat cushions in a urethane sheet and a net seat.
[Explanation of symbols]
10 human body
12 Scapula
12A Lower shoulder blade angle
14, 18, 20 lines
16 Ilium
16A superior posterior iliac spine
22 Back area
24 center line
26 areas
28 areas
30 seats
38 Seat cushion
40 seat back
56 Side support
60 Seat backrest
64 Cushion member
71 Opening part
80 3D solid knitting
88 Pile part

Claims

A seat cushion, and a seat back having a seat back frame attached to the seat cushion and a backrest having a three-dimensional network structure stretched on the seat back frame,
The seat cushion and the backrest are joined at both ends in the width direction of the seat and a non-joint portion is provided between the joint portions, and a portion of the seat cushion on the backrest side corresponding to the non-joint portion has an elastic coefficient of a predetermined value or less. The boundary portion between the seat cushion and the backrest is supported by an elastic body or by joining the portion between the seat cushion and the backrest so that the elastic coefficient between the joints is a predetermined value or less. In the sheet, the elastic characteristics are made different between both end portions in the width direction of the sheet and the central portion in the width direction of the sheet.

The sheet according to claim 1, wherein an elastic characteristic of a central portion in the width direction of the sheet is softer than an elastic characteristic of both end portions in the width direction of the sheet.

3. The seat cushion according to claim 1 or 2 , wherein the top portion of the seat cushion is made continuous with the seat back as a three-dimensional network structure, and the structure of the center portion in the width direction of the seat is made rougher than the structure of both end portions in the width direction of the seat. Sheet.

The seat according to any one of claims 1 to 3, wherein the top plate portion and the backrest of the seat cushion are sewn with a three-dimensional network structure member having elastic characteristics different from those of the backrest in the center portion in the width direction of the seat.

The seat according to any one of claims 1 to 5, wherein an elastic coefficient in a normal direction of a portion where a seated person's buttocks abuts at a boundary portion between the seat cushion and the backrest is 2 N / mm or less .

The center of gravity of the load when seated on the seat in each of a plurality of regions on the left and right sides of the backrest surface symmetrically with the center line in the height direction of the seat back is a straight line connecting the lower ends of the left and right shoulder blades, left and right So that it is distributed outside the backrest corresponding to the dorsal region of the human body surrounded by a straight line connecting the upper end of the iliac bone and a straight line passing over the lumbar gastrocnemius along each of the left and right lumbar gastrocnemius sheet according to any one of claims 1 to 6 that.

The seat according to claim 6 , wherein the center of gravity of the load is distributed below the region of the backrest and also outside the lower region continuous with the region with the same width as the region .

The ratio of the load acting on the lower region continuous to the region having the same width as the region below the region of the backrest is set to 25% or less . Sheet.

Of claim 6 according to claim 8 in which a percentage of the total weight of the load in the region between the straight line passing through the left and right upper iliac spine and the straight line passing through the iliac spine after bottom left and right are set to be more than 5% The sheet according to any one of the above.

Horizontal tension is minimal at the part corresponding to the horizon line passing through the iliac spine height after sitting, and the tension gradually increases from the lowest tension part, or horizontal slack is the height of the posterior spinal spine after sitting. sheet according to a maximum at the portion corresponding to the horizontal line, and any one of claims 1 to 9 were stretched the backrest to gradually loosen decreases from loosening up which it passes.