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JP4001037B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録媒体に関し、特に、銀塩写真並の光沢感を有すると共に、小判断裁時に発生する紙粉量が少なく、インク吸収性の良いインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来技術】
インクジェット記録方式は種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることによりドットを形成し、記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。一方、インクジェット記録に使用されるインクは、通常直接染料や酸性染料などを用いた水性インクであるため、乾燥性が悪いという欠点がある。
【0003】
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録用紙に対して要求される特性としては、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、更に、インクを吸収することにより用紙が波打ちしないこと等が挙げられる。これらの特性を満たした高画質のインクジェット記録用紙をキャストコート法により製造する方法は既に提案されている(特開昭62−95285号、同63−264391号、特開平2−274587号、同5−59694号各公報等)。
【0004】
これらの製造方法は、何れも合成シリカを主成分とする顔料、及び結着剤とからなる記録層を、未乾燥の湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取ると同時に乾燥させ、高光沢のキャストコート紙を得るものであるが、最表層の光沢感が低く、銀塩写真並の光沢感には程遠いものであった。
一方、基紙の少なくとも一方の面に白色顔料等を添加したポリオレフィン被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるレジンコートペーパー)上に、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の親水性バインダーと無機微粒子を含有する記録層を設けた銀塩写真調のインクジェット記録用紙が提案されている(特開平10−119423号公報、特開平11−20306号公報等)。しかしながら、これらのインクジェット記録用紙の場合には、透気性のない樹脂被覆紙を支持体として用いるために、記録層を塗布した後の乾燥に時間がかかり、生産性が極めて低いという欠点があった。
【0005】
本発明者等は銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録媒体について種々検討した結果、基紙表面にポリビニルアルコールを含有する記録層を設けた後、この記録層をポリビニルアルコールを凝固させる機能を有する処理液で処理し、次いで、該記録層が湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面仕上げ面に圧接させて乾燥することにより、銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録用媒体とすることができることを既に見出している。
しかしながら、この場合にはインク吸収性及び印字濃度の点で満足することの出来るものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−95285号公報
【特許文献2】
特開昭63−264391号公報
【特許文献3】
特開平2−274587号公報
【特許文献4】
特開平5−59694号各公報
【特許文献5】
特開平10−119423号公報
【特許文献6】
、特開平11−20306号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者等は、銀塩写真並の光沢感を有すると共に、小判断裁時の紙粉量が少なく、インク吸収性及も十分に良好なインクジェット記録媒体を得る為に種々検討した結果、ポリビニルアルコールと顔料を含有する記録層中の前記顔料として、特定の平均粒子径を有するシリカとアルミナを特定の割合で混合した混合物を用いることによって、良好な結果が得られることを見いだし本発明に到達した。
従って、本発明の目的は、銀塩写真並の光沢感を有すると共に、特に小判断裁時の紙粉量が少なく、高いインク吸収性を得ることができるインクジェット記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明の上記の目的は、透気性を有する支持体上に、顔料とポリビニルアルコールを含有する記録層を設け、前記記録層上にポリビニルアルコールを凝固させる機能を有する処理液を塗布した後、該記録層が湿潤状態にある内に該層を加熱した鏡面仕上げ面に圧着して乾燥することにより、該記録層表面に光沢を付与してなるインクジェット記録媒体であって、前記顔料が平均粒子径が100〜500nmでありコロイダルシリカでないシリカ(A)とアルミナ(B)を重量比でA:B=95:5〜60:40の割合で混合した混合物であり、さらに前記シリカ(A)がカチオン性を付与されたものであり、かつ前記アルミナ(B)がγ−アルミナであることを特徴とするインクジェット記録媒体によって達成された
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される透気性の支持体は公知のものの中から適宜選択して使用することができるが、特に紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる事が好ましい。この紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。尚、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させることによって紙の不透明度を向上させることが好ましい。上記填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。
【0010】
本発明における記録層は、顔料とポリビニルアルコールとを含有し、顔料としては、平均粒子径が100〜500nmであり、コロイダルシリカでないシリカ(A)とアルミナ(B)を重量比でA:B=95:5〜60:40の割合混合した混合物を含有する。これによって、小判断裁時に紙粉量が少なく、速やかなインク吸収性を達成することが出来る。
好ましいシリカ(A)の平均粒子径は120〜450nmであり、より好ましくは200〜400nmである。
【0011】
本発明において、シリカ(A)と混合するアルミナ(B)としては水酸化アルミニウムを焼成する等によって得られるアルミニウムの酸化物を用いることができる。アルミナの結晶形態は数多く知られており、例えばα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ等をあげることができる。本発明においては白紙光沢度を向上させるという点で、特にγ−アルミナが用いられる。
アルミナ(B)の粒子径やBET比表面積は必要に応じて適宜選択することが出来るが、平均粒子径が1.0〜4.0μmのアルミナを用いることが好ましく、特に1.5〜3.3μmの平均粒子径を有するものが好ましい。なお、シリカ及びアルミナの平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定できる。
【0012】
記録層用塗工液の安定性という観点から、本発明においてはシリカ(A)としてカチオン性が付与されたシリカを使用する通常シリカは水に分散するとアニオン性のスラリーとなるが、カチオン性が付与されたシリカを水に分散すると、そのスラリーはカチオン性となる。このようなカチオン性シリカのスラリーは、本発明におけるシリカ分散液は塩基性塩化アルミニウム等を使用してカチオン変性を行うことができる。ここで、カチオン変性とは、シリカ粒子表面の少なくとも一部をシリカ以外の金属酸化物を用いて被覆することであり、この方法としては、例えば特公昭47−26959に示された方法を使用することができる。このような処理を、本発明で使用するシリカ原料またはシリカ分散液に施すことにより、粒子表面を正に帯電させたシリカ分散液を調製することが可能である。また、特開2000−239536号公報に開示されている方法のようにシリカ分散液中にカチオン性物質を添加し再分散することによって得ることができる。
【0013】
シリカ(A)及びアルミナ(B)の平均粒子径が小さくなると、白紙光沢度が高くなる一方、インク吸収性が低下する傾向となる。また、これらの平均粒子径が大きくなると、インク吸収性は向上するが、白紙光沢度が低下する傾向となる。
本発明においては、記録層の顔料として、前記した如くシリカ(A)とアルミナ(B)を重量比でA:B=95:5〜60:40の割合で混合した混合物を用いる。アルミナの比率が上記範囲より多いと小判断裁時の紙粉量が増大し、インク吸収性が低下する。アルミナが配合されない場合には、インク吸収性は向上するものの、白紙光沢度が低下する傾向となる。本発明において好ましい混合比は、A:B=70:30〜60:40である。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、シリカ(A)とアルミナ(B)以外の顔料を混合することも可能である。具体的な例としては、平均粒子径が100〜500nmでないコロイダルシリカや気相法シリカ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛、プラスチックピグメント等が挙げられ、これらを単独で又は複数混合してもよい。
【0014】
本発明における記録層は、バインダーとしてポリビニルアルコールを含有する。ポリビニルアルコールを用いることにより、記録層の透明度が向上すると共に銀塩写真に近い光沢感が得られるだけでなく、印字濃度が向上し、鮮やかな記録画像を得ることができる。本発明においては、ポリビニルアルコールと共に、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョン及びこれらの誘導体等を併用しても良い。
【0015】
バインダーの配合量は必要な記録層強度が得られる限り特に限定されるものではないが、顔料100重量部に対して5重量部〜30重量部であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましい。バインダーの配合量が少ないと記録層の強度が低下しやすく、多いとインク吸収性が低下しやすい。また、ポリビニルアルコールの配合量が少ないと白紙光沢が出にくい傾向にあるため、記録層のバインダー成分中のポリビニルアルコールは、30重量%以上であることが好ましく、特に50重量%以上配合することが好ましい。
【0016】
本発明における記録層は、ポリビニルアルコールを凝固させる機能を有する処理液(以下凝固液ともいう)によって処理される。ポリビニルアルコールを凝固させる機能を有する化合物の例としては、ほう酸及びほう酸塩を挙げることができる。処理液中にほう酸塩を単独で用いた場合には、ほう酸塩と記録層中のポリビニルアルコールとの凝固作用が強すぎ、加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して湿潤状態の記録層を圧接させて乾燥した場合に、充分にドラム表面の光沢面を写し取ることが出来ず、良好な光沢面を得ることが難しい。
【0017】
一方、処理液中にほう酸を単独で用いた場合には、記録層中のポリビニルアルコールとほう酸との凝固作用が充分でないために処理液付与ロールに軟凝固の記録層が付着することがあり、良好な凝固状態の記録層を得ることが難しい。処理液中のほう酸濃度を上げることにより、ポリビニルアルコールの凝固作用を強くしようとしても、ほう酸の溶解度が低いために所望の硬さに凝固させることは困難である。
【0018】
前記の理由から、本発明においてはほう酸塩又はほう酸を単独で含有する処理液を用いるより、ほう酸塩とほう酸とを混合した処理液を用いることが好ましい。このようにすることにより、ポリビニルアルコールの凝固状態が調整しやすくなるので、良好な光沢感を有するインクジェット記録媒体を得ることが容易となる。
【0019】
処理液中のほう酸塩とほう酸の配合比は、無水物換算後の重量比で、ほう酸塩/ほう酸=1/4〜2/1の間であることが好ましい。ほう酸塩とほう酸の配合比が1/4未満では、ほう酸の割合が多くなりすぎるので、記録層中のポリビニルアルコールの凝固が不十分になり、処理液付与ロールに軟凝固の記録層が付着し、良好な湿潤状態の記録層を得ることが出来ないことがある。一方、ほう酸塩とほう酸の配合比が2/1を越える場合には、記録層中のポリビニルアルコールが硬く凝固しすぎ、加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して湿潤状態の記録層を圧接させて乾燥した場合に、充分にドラム表面の光沢面を写し取ることが出来なくなり、良好な光沢面を得ることが難しくなることがある。
【0020】
本発明で用いられるほう酸塩としては、ほう砂、オルトほう酸塩、二ほう酸塩、メタほう酸塩、五ほう酸塩、および八ほう酸塩等を挙げることができる。なお、ほう酸塩は特にこれらに限定されるものではないが、コスト、入手性等の観点からは、ほう砂を用いることが好ましい。処理液中のほう酸塩及びほう酸の濃度は必要に応じて適宜調整することができるが、処理液中のほう酸塩とほう酸の濃度の合計が、無水物換算で1〜8%の範囲であることが好ましい。ほう酸塩及びほう酸の濃度、特にほう酸塩の濃度が高すぎるとポリビニルアルコールの凝固が強くなりすぎ、白紙光沢度が低下する傾向にある。また、濃度が高いと処理液中にほう酸が析出しやすくなるので、処理液の安定性が悪くなる。
【0021】
記録層用塗工液および処理液には必要に応じて剥離剤を添加することが出来る。添加する剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の範囲においては剥離剤の融点が鏡面仕上げの金属表面温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は、上記特性を有している限り特に限定されるものではない。
【0022】
本発明で使用する記録層用塗工液及び処理液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
【0023】
本発明においては、処理液を塗布した後の湿潤状態の記録層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、記録層表面に光沢を付与する。処理液を塗布する際の記録層は、湿潤状態であっても乾燥状態であっても良いが、特に前者(記録層が湿潤状態である内に処理液を塗布する)の場合には鏡面仕上げ面を写し取りやすく、表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、銀塩写真並の光沢感を得やすい。
【0024】
支持体上に記録層を設ける方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択すれば良い。処理液を塗布する方法は、記録層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択して用いることができる。
【0025】
記録層の塗工量は、原紙の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、印字濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましく、生産性を加味すると10〜25g/mであることが特に好ましい。30g/mを超えると鏡面ドラムからの剥離性が低下し、塗工した記録層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。塗工量を多く必要とする場合には、支持体と記録層の間にアンダーコート層を設けても良い。
【0026】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録媒体は、銀塩写真並の光沢感を有すると共に、染料インク及び顔料インクの何れに対しても優れたインク吸収性および高い印字濃度の印字物を得ることが可能であり、高品位のインクジェット記録を実現することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
【0028】
実施例1.
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプに、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加したパルプスラリーから抄紙機を用いて抄紙し、支持体を得た。この支持体の両面に、ゲートロール装置によって片面当りの乾燥塗工量が1.5g/mとなるようにデンプンを塗工すると同時に、一方の面に、ブレード方式で下記の塗工液Aをアンダーコート層として、乾燥塗工量が7g/mとなるように塗工して、坪量180g/mのインクジェット記録媒体用原紙を得た。
【0029】
塗工液A:合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマの製品名)100部にSBラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社の製品名)5部、ポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレの製品名)20部、及びサイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社の製品名)5部を配合して、固形分濃度20%の塗工液を調製した。
【0030】
上記のようにして得られた原紙の前記アンダーコート層上に、下記の塗工液Bを乾燥塗工量が20g/mとなるようにロールコーターで塗工し、記録層が湿潤状態にあるうちに、下記凝固液Cを用いて凝固させ、次いでプレスロールを介して105℃に加熱された鏡面ドラム表面に20秒間圧着して鏡面を写し取り、200g/mのインクジェット記録媒体を得た。
【0031】
塗工液B:顔料(シリカ(A)及びアルミナ(B))としてシリカ(サイロジェット703C:グレースジャパン株式会社の製品名、平均粒子径330nm、カチオン性を付与されたシリカ)60部と高純度アルミナ(UA5605:昭和電工株式会社の製品名、平均粒子径2.8μm、γ−アルミナ)40部と、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA224:株式会社クラレの製品名)13部、及び消泡剤0.2部を配合して、固形分濃度28%の塗工液を調製した。
凝固液C:ほう砂(無水物換算)1.5%とほう酸3%、及び剥離剤(FL−48C:東邦化学工業(株)の製品名)0.2%を配合し、固形分濃度4.7%の凝固液を調製した。
【0032】
実施例2.
塗工液Bで使用した前記シリカ(サイロジェット703C)の配合量を70部、高純度アルミナ(UA5605)の配合量を30部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0033】
比較例5
塗工液Bで使用した前記シリカ(サイロジェット703C)の配合量を52部、高純度アルミナ(UA5605)の配合量を48部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0034】
比較例6.
塗工液Bで使用するシリカとして、前記サイロジェット703Cの代わりにMP−3040(日産化学工業株式会社の製品名、平均粒子径300nm、アニオン性)を60部配合したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0035】
比較例7.
塗工液Bで使用するシリカとして、前記サイロジェット703Cの代わりにPS−MO(日産化学工業株式会社の製品名、平均粒子径150nm、アニオン性)を60部配合したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0036】
実施例
塗工液Bで使用するアルミナとして、前記UA5605の代わりにAKP−G015(住友化学株式会社の製品名、平均粒子径2.2μm、γ−アルミナ)を40部配合したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0037】
実施例
塗工液Bで使用したシリカの配合量を95部、アルミナの配合量5部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0038】
比較例1.
塗工液Bで使用したシリカの配合量を100部とし、アルミナを配合しなかったこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0039】
比較例2.
塗工液Bで使用したシリカの配合量を40部、アルミナの配合量を60部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0040】
比較例3.
塗工液Bで使用したシリカの配合量を20部、アルミナの配合量を80部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0041】
比較例4.
塗工液Bで使用するシリカとして、前記サイロジェット703Cの代わりにサイロジェット710C(グレースジャパン株式会社の製品名、平均粒子径1,000nm、カチオン性を付与されたシリカ)を60配合したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0042】
実施例1〜及び比較例1〜で得られたインクジェット記録媒体について、インクジェット記録試験、白紙光沢度、及び記録層強度の評価を以下の方法で行った。結果は表1にまとめた通りである。なお、表中の評価記号がである場合は、特に問題なく使用することが可能である。
【0043】
(1)インク吸収性
下記のインクジェットプリンター2を用いて所定のベタ及び画像パターンを記録し、下記の基準によって評価した。
インクジェットプリンター PM−950C:セイコーエプソン株式会社の製品名(染料インク使用)
レッド(マゼンタとイエローの混色)とグリーン(シアンとイエローの混色)のベタ画像が隣接するパターンを印字し、その境界部における滲み(ブリード)を下記の基準によって目視で評価した。レッドとグリーンの境界部の滲み(ブリード)は黒色となり、より厳密な評価ができる。
◎:境界部で滲みが全く認められない
○:境界部で滲みがほとんど認められない
△:境界部で滲みが多少認められる
×:境界部で滲みが著しく認められる
【0044】
(2)白紙光沢度
JIS Z8741の方法に準じて測定した、白紙部分の20度鏡面光沢度を白紙光沢度とした。白紙光沢度が15%以上であれば、銀塩写真並の光沢感を有している。
(3)断裁紙粉量
インクジェット記録用紙A4サイズ400枚を、事前に恒温恒湿室にてJISP8127に定める紙中水分が6.5±0.1%となるよう調湿し、記録面とは反対側より、平判断裁機(ポーラー製、115EMC)にて、幅方向に4回断裁した際の紙粉量を測定した(mg)。
(4)断裁面切り口
上記断裁時の、断裁刃の非垂直面側の断裁面切り口を目視で評価した。
◎:ざらつき・毛羽立ちが全く認められない
○:ざらつき・毛羽立ちがわずかに認められる
△:ぢらつき・毛羽立ちが明らかに認められる
×:ざらつき・毛羽立ちが著しく認められる
【0045】
【表1】
Figure 0004001037
【0046】
表1から明らかなように、実施例1〜7の本発明のインクジェット記録媒体では、インク吸収性、白紙光沢度、及び断裁紙粉量のいずれの点でもバランス良く良好であることが実証された。一方、シリカのみを記録層に含有する比較例1では、断裁紙粉量が比較的低い値になるものの、白紙光沢度が不十分であり、シリカ(A)とアルミナ(B)の配合比率が重量比でアルミナの比率が高い比較例2と3では、白紙光沢度は高いものの断裁紙粉量が高く断裁面切り口も悪化傾向であり、シリカの平均粒子径が1000nmである比較例4の場合には、インク吸収性が高く、断裁紙粉量も比較的低いものの、白紙光沢度が低く、何れの場合も満足のできる品質を得ることは出来ないことが確認された。

Claims (1)

  1. 透気性を有する支持体上に、顔料とポリビニルアルコールを含有する記録層を設け、前記記録層上にポリビニルアルコールを凝固させる機能を有する処理液を塗布した後、該記録層が湿潤状態にある内に該層を加熱した鏡面仕上げ面に圧着して乾燥することにより、該記録層表面に光沢を付与してなるインクジェット記録媒体であって、前記顔料が、平均粒子径100〜500nmでありコロイダルシリカでないシリカ(A)と、アルミナ(B)を重量比でA:B=95:5〜60:40の割合で混合した混合物であり、さらに前記シリカ(A)がカチオン性を付与されたものであり、かつ前記アルミナ(B)がγ−アルミナであることを特徴とするインクジェット記録媒体。
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