JP3996418B2 - 塗膜層の作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、床の基材の表面に滑り難い塗膜層を作製するための方法に係り、特に限定されるものではないが、例えば工場内等の床であって水に濡れる機会が多く、水に濡れた場合に滑り易くなるような床表面に、滑り難い塗膜層を設けるのに適した塗膜層の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、表面に塗膜層を有する床材の滑り止め方法として、従来より、スプレーダストを利用して塗膜表面に凹凸を形成する方法、塗布した表面に骨材を混入する方法、塗料中に骨材や高分子パウダーを混入する方法(特開平8−217,994、特開平9−87,547号の各公報)等が知られており、また、鉱物材料からなる床材の表面にレーザーでマイクロ クレータの形の微小穴を統計的に分布させても設ける方法(特表平11−505,185号公報)や、薬液でエッチングする方法(特許第2,574,646号公報)等も知られている。
【0003】
しかしながら、塗膜表面に凹凸を形成したり、骨材を散布する方法においては、形成される塗膜表面がザラザラになって平滑性が無くなり、耐汚染性が著しく低下するという問題があり、また、塗料中に骨材や高分子パウダーを混入させた場合にも、同様に平滑性が無くなるほか、散布物の均一性が乏しく塗膜外観を著しく低下させるという問題がある。また、レーザーでマイクロ クレータの形の微小穴を設ける方法では処理できる基材の大きさに制限があるほか、床被覆材の施設現場では作業が困難であるという問題があり、更に、薬液でエッチングする方法については基材が石やタイル等の鉱物材料に限られるほか、薬液の危険性や、中和後の洗浄水の廃棄処理が面倒であるという問題がある。
【0004】
また、塗膜を多孔質化する方法として、樹脂を水不溶性有機溶剤に分散又は溶解させて得られた樹脂液と平均粒子径1μm以下の水溶性無機塩粒子と、平均粒子径1μm以下の顔料とを混合して得られた有機溶剤系塗料を基材に塗装し、次いで有機溶剤を揮発させて乾燥塗膜又は硬化塗膜を得たのち、その塗膜中の水溶性無機塩粒子を水により溶出させる方法が提案されている(特開2001-179,173号公報)。
【0005】
しかしながら、この方法により多孔質化される塗膜については、基材に関して金属、コンクリート、ガラス等の無機質やプラスチック、木材、繊維、塗膜等の有機質、及びこれらの物が組み合わさったものが使用できると説明されているものの、上記の塗料中に骨材や高分子パウダーを混入する方法と同様に、空孔が塗膜内部から基材表面にまで達し、塗膜強度等の塗膜物性が顕著に低下するため、表面に塗膜層を有する床材の滑り止めの方法としては適さない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、形成される塗膜層の塗膜外観、密着性、塗膜強度等の塗膜物性を低下させることなく、滑り止め性、特に湿潤時の滑り止め性に優れ、しかも、現場施工も容易である滑り難い塗膜層の作製方法について鋭意検討した結果、基材表面に塗布した後に上記水性散布材を散布し、塗膜形成材層が乾燥又は硬化した後に上記水性散布材を除去することにより、基材表面に滑り難い塗膜層を容易に作製できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
従って、本発明の目的は、形成される塗膜層の塗膜外観、密着性、塗膜強度等の塗膜物性を低下させることなく、滑り止め性、特に湿潤時の滑り止め性に優れ、しかも、現場施工も容易である塗膜層の作製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、床の基材表面に水に対して不溶性若しくは難溶性の塗膜形成材を塗布し、塗布された塗膜形成材層が乾燥し又は硬化する前に、この塗膜形成材層の表面に、水溶性固体物質、水溶性液体物質、水溶性固体物質及び/又は水溶性液体物質の水性溶液又は水性懸濁液、及び水から選ばれた、前記塗膜形成材層中に溶解しない性質を有する水性散布材を散布し、塗膜形成材層を乾燥又は硬化させた後に上記水性散布材を除去し、表面に面積率が3%以上50%以下で平均径が1μm以上1,000μm以下の多数の微小穴を有する塗膜層を形成する、滑り難い塗膜層の作製方法である。
【0009】
本発明において、基材表面に塗布される水に対して不溶性若しくは難溶性の塗膜形成材については、水に対して不溶性若しくは難溶性であり、基材表面に塗布されて塗膜層を形成するものであればどのようなものでもよい。
【0010】
ここで、本発明で用いる塗膜形成材としては、従来より塗料成分の1つとして用いられている各種の樹脂成分、例えば非架橋タイプの樹脂や、自己架橋性あるいは硬化剤による外部架橋性の架橋タイプの樹脂等を挙げることができるほか、これらの樹脂成分にアルコール系、炭化水素系、ケトン系、エステル系等の溶剤や、流動性調整剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、熱安定剤、開始剤等の補助剤や、着色顔料、体質顔料、防触顔料、金属顔料等の顔料や、染料等その他の成分を配合したものを挙げることができ、この塗膜形成材は一液型に配合されても、また、二液型に配合されてもよい。
【0011】
上記非架橋タイプの樹脂としては、具体的には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル系共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル掛脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂共重合体、繊維素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン、ABS樹脂、ポリカーボネート、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等やこれらの変性樹脂等を例示することができる。
【0012】
また、上記架橋タイプの樹脂としては、具体的には、アミノ硬化型アクリル樹脂、アミノ硬化型ポリエステル樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート硬化型アクリル樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート硬化型ポリエステル樹脂、無水酸硬化型エポキシ樹脂、多酸硬化型エポキシ樹脂、加水分解性シリル基含有樹脂、酸化硬化型アルキド樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂等を例示することができる。
【0013】
本発明においては、基材表面に上記塗膜形成材を塗布し、乾燥し又は硬化する前の塗膜形成材層を形成せしめるが、この基材表面には、通常の塗料の場合と同様に、吸い込み防止や付着性向上等を目的に、上記塗膜形成材層を形成する前の基材表面に予めシーラーやプライマー等の下地層を形成し、この下地層の上に塗膜形成材層を形成してもよく、また、必要により最上層となる塗膜形成材層を形成する前に、この塗膜形成材と同じ又は異なる塗膜形成材を塗布して複数層の塗膜層を形成するようにしてもよい。
【0014】
ここで、基材表面への塗膜形成材の塗布方法については、従来より知られている公知の塗装手段を採用することができ、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗装、コテ塗装、バーコーター塗装等を挙げることができる。
【0015】
本発明において、水性散布材として塗膜形成材層の表面に散布する水溶性固体物質については、それが上記塗膜形成材層中に溶解せず、また、塗膜形成材層が乾燥し又は硬化した後に水等を散布して容易に除去できるものであり、更に、望ましくは水性散布材を除去した後の塗膜層に平均径1μm以上の微小穴を形成できるものであれば特に制限はないが、好ましく平均粒径が1000μm以下であるのがよく、より好ましくは1μ以上500μm以下、更により好ましくは5μm以上200μm以下であるのがよい。水溶性固体物質の平均粒径が1000μmを超えると、塗膜形成材層については、より厚い膜厚が必要となり、不経済であると共に、塗膜の外観が著しく低下し、反対に、水溶性固体物質の平均粒径が1μm未満では、形成される微小穴の大きさが小さく、滑り止め効果があまり期待できなくなると共に、塗膜層の経時的摩耗により滑り止め効果が持続する期間が短くなるため好ましくない。
【0016】
このような水溶性固体物質としては、無機の水溶性固体物質として、弱酸と弱塩基、弱酸と強塩基、及び強酸と弱塩基の中和により得られる塩があり、例えば、塩酸、硫酸、炭酸等の無機酸及びその誘導体からなる群から選ばれた1種又は2種以上の酸化合物と、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属やカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属等の金属類の水酸化物や、アンモニウム化合物等からなる群から選ばれた1種又は2種以上のアルカリ化合物との塩が好ましく、具体的には、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が挙げられ、また、有機の水溶性固体物質として合成、半合成及び天然の水溶性高分子があり、具体的には、合成水溶性高分子としてポリビニルアルコールやその誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ塩、(メタ)アクリル酸やそのエステル共重合物のアルカリ塩、アクリル酸やマレイン酸の共重合物のアルカリ塩、ポリビニルピロリドン等を例示でき、半合成水溶性高分子としてメチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシアルキルセルロース、でんぷん誘導体等を例示でき、また、天然水溶性高分子としてでんぷん、ゼラチン、寒天、海草類、植物粘質物、タンパク質等を例示することができる。
【0017】
また、上記水溶性液体物質については、上記塗膜形成材層中に溶解しないものであればよく、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の低級アルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類や、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等の低級エーテル類や、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類や、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールのアルキルエーテル類や、アミン類等が挙げられる。これらの水溶性液体物質を使用する際において、使用する水溶性液体物質の粘性が高い場合には、噴霧可能な粘度範囲にまで水等で希釈して使用することが好ましく、また、使用する水溶性液体物質が低沸点物質や揮発し易い物質であって使用環境の温度が高いような場合には、蒸発性や揮発性を抑制するために揮発性の低い水溶性液体や水溶性液体物質に可溶な水溶性固体物質等を添加してもよい。
【0018】
また、水性散布材として用いる水溶性固体物質及び/又は水溶性液体物質の水性溶液又は水性懸濁液は、上記水溶性固体物質や水溶性液体物質を散布し易い水性溶液や水性懸濁液の状態にしたものであり、水溶性固体物質及び水溶性液体物質から選ばれた1種又は2種以上の物質を水に溶解し、あるいは、懸濁させて調製される。また、溶解性向上や粘性調整等の目的で、アルカリ性化合物や酸性化合物等を添加することもできる。
【0019】
更に、水性散布材として使用される水については、通常の工業用水等でよく、必要に応じて、上記水溶性固体物質及び水溶性液体物質から選ばれた少量の物質を添加してもよい。
【0020】
本発明においては、基材表面に上記塗膜形成材を塗布して塗膜形成材層を形成した後、形成された塗膜形成材層が乾燥し又は硬化する前に、この塗膜形成材層の表面に上記水性散布材を散布するが、そのタイミングについては、散布された水性散布材の飛沫粒子が乾燥し又は硬化する前の塗膜形成材層の表面に止まり、この飛沫粒子の一部が塗膜形成材層の表面から層内に入り込んで塗膜形成層の表面に断面略々U形状の微小穴を形成せしめると共に、水性散布材の飛沫粒子が塗膜形成材層中に完全には埋没しないタイミングであればよく、通常は、使用する塗膜形成材及び水性散布材の種類に応じて予め散布テストを行って決定すればよい。また、同様に、その散布量についても、形成された塗膜形成材層の種類や散布される水性散布材の種類、更には、最終的に形成される滑り難い塗膜層に必要とする微小穴の面積率、単位面積当りの微小穴の個数等により異なるが、予め予備試験を行って決定するのがよい。
【0021】
このようにして乾燥し又は硬化する前の塗膜形成材層の表面に水性散布材を散布したのち、上記塗膜形成材層を乾燥し又は硬化させ、その後に上記水性散布材を除去して滑り難い塗膜層を得る。
ここで、塗膜形成材層を乾燥し又は硬化させる方法については、通常はその環境温度下に放置しておけばよいが、必要により温風等の手段で加温してもよい。また、水性散布材を除去する方法についても、特に制限はないが、好ましくは、水性散布材が水溶性固体物質、水溶性液体物質、又はこれら水溶性固体物質及び/又は水溶性液体物質の水性溶液又は水性懸濁液である場合には、水によりこれら水溶性固体物質及び/又は水溶性液体物質を溶出させて水性散布材を除去するのがよく、また、水性散布材が水である場合には、単純にこの水を蒸発させて除去するのがよい。
【0022】
このようにして基材表面に最終的に形成される滑り難い塗膜層については、この塗膜層の表面に形成された微小穴の平均直径が1μm以上1,000μm以下、好ましくは5〜200μm程度であるのがよく、また、微小穴の個数が20個/cm2以上20,000個/cm 2 以下、好ましくは50個/cm2以上20,000個/cm2以下、より好ましくは500個/cm2以上10,000個/cm2以下であるのがよく、更に、微小穴の面積率が3%以上50%以下、好ましくは10%以上50%以下であるのがよい。この塗膜層の表面に形成される微小穴の平均直径が1μmより小さいと滑り止め性が劣り、反対に、1,000μmより大きくなると塗膜層の外観が損なわれる虞があり、また、微小穴の個数が20個/cm2より少ないと滑り止め性が劣り、反対に、20,000個/cm2より多くなると塗膜層の外観が損なわれる虞があり、更に、微小穴の面積率が3%より低いと滑り止め性が劣り、反対に、50%より高くなると塗膜層の外観が損なわれる虞がある。
【0023】
また、この塗膜層のデュロメータ硬さ(JIS K6253「加硫ゴムの硬さ試験方法」に準拠)については、特に制限はないが、例えば基材がコンクリートの場合では50以上、好ましくは70以上であるのがよい。この塗膜層のデュロメータ硬さが50未満では比較的柔らかくて歩行感に劣り、しかも、汚れ易いという問題がある。
【0024】
本発明の方法により作成される塗膜層には、その表面に所定の平均直径、個数及び面積率の微小穴が形成されるので、特に塗膜層が水で濡れている時には、これらの微小穴が塗膜層上を移動する人の靴底、自動車のタイヤ、運搬用台車等との間で表面張力を発揮し、その際の吸盤効果により優れた滑り止め効果を発揮するものと考えられる。それ故、本発明の滑り難い塗膜層は、例えば、合成樹脂、セラミック、金属、コンクリート、ガラス等で形成された床材の表面に設けることにより、滑り難い床材とすることができるほか、旧塗膜の床等の表面に形成されて優れた効果を発揮する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施例、比較例、及び試験例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0026】
実施例1
フレキシブルボード(30cm×30cm×3mm)上に、エポキシ樹脂系2液型プライマー〔アトミクス(株)製商品名:フロアトップ#800プライマー〕0.2kg/m2を塗布し、3時間乾燥させた。その後に床用無溶剤2液型エポキシ樹脂塗料〔アトミクス(株)製商品名:フロアトップ#8000〕1kg/m2を塗布し、20℃で約3時間放置して乾燥直前に、水性散布材の水溶性固体物質として100メッシュの篩を通して得られた平均粒径70μmのポリビニルピロリドン(BASF社製商品名:ルビスコールK30パウダー)10.5g/m2を散布した。更にその後、20℃、65%の温度湿度条件下に24時間乾燥し、硬化させた後、形成された塗膜層の表面を水で十分洗浄して水溶性固体物質を溶出させ、次いで20℃、65%の温度湿度条件下に7日間乾燥させ、実施例1の試験用塗膜層を得た。
【0027】
得られた実施例1の試験用塗膜層について、その表面をデジタルHDマイクロスコープVH7000型(キーエンス社製)を使用し、倍率150倍で観察して写真撮影した後、以下に示す方法により塗膜層の表面に観察された微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで、以下に示す方法により塗膜層の滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0028】
塗膜層の表面に観察された微小穴の平均直径は、単位面積(cm2)当りに観察された各微小穴の直径を測定してその平均値を算出して求め、また、微小穴の個数は、単位面積(cm2)当りに観察された微小穴の個数として求め、更に、微小穴の面積率は、単位面積(cm2)当りに観察された微小穴の面積の合計を百分率で示した。
【0029】
〔滑り抵抗性(BPN値)〕
塗膜層の滑り抵抗性(BPN値)は、試験用塗膜層の全面に水がいきわたるように湿潤させ、英国式滑り抵抗性試験機(BSI Testing Service社製商品名:ポータブル・スキッドレジスタンステスター)を用いて湿潤時のBPN値を測定し、(社)日本道路協会発行「アスファルト舗装要綱」第173頁(1997年改訂版第12刷)の「7-2 歩行者系道路舗装の選定 [解説](3)」に記載されたBPN値40以上(湿潤状態)を基準にして評価した。
【0030】
〔耐摩耗性〕
中心に8mmの小孔を有する10cm×10cmの大きさのスレート板を用い、その表面に上記実施例1と同様にして塗膜層を形成し、更に7日間乾燥して試験板を作製した。得られた試験板について、摩耗試験機(テレダインテーバー社製)を使用し、摩耗輪(CS-17)片側加重1kg、100回転の条件で塗膜層の摩耗量を測定し、◎:摩耗量50mg以下、○:摩耗量50mg超200mg以下、△:摩耗量200mg超500mg以下、及び×:摩耗量500mg超の4段階評価により評価した。
【0031】
〔外観〕
拡散昼光の下で塗膜層の外観を目視で観察し、水性散布材の散布を行わなかった塗膜層の表面と比較して、◎:同等、○:やや劣る、△:劣る、及び、×:かなり劣るの4段階評価により評価した。
【0032】
〔密着性〕
JIS A6909-6.10の付着強さ試験に準じて測定を行い、◎:付着強さ2MPa超、○:付着強さ1MPa以上2MPa未満、△:付着強さ0.5MPa以上1MPa未満、及び、×:付着強さ0.5MPa未満の4段階評価により評価した。
【0033】
実施例2
水性散布材の水溶性固体物質として平均粒径(長軸測定)140μmの炭酸水素ナトリウム(市販1級試薬)を用い、塗膜形成材層の表面に8g/m2の割合で散布した以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた実施例2の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0034】
実施例3
プライマーとしてウレタン系1液湿気硬化プライマー〔アトミクス(株)製商品名:プライマーU〕0.2kg/m2を用い、また、塗膜形成材として床用硬化ウレタン樹脂塗料〔アトミクス(株)製商品名:フロアトップU#100 NEO〕1.3kg/m2を用い、塗布後20℃で約2時間放置して乾燥直前に水性散布材(水溶性固体物質:ルビスコールK30パウダー)を散布した以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた実施例3の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0035】
実施例4
プライマーとしてアクリルシリコーン系樹脂〔鐘淵化学工業(株)製商品名カネカゼムラックYC-1505をキシレンで固形分濃度20%に希釈し、この希釈物100重量部に対して2重量部のスズ系触媒を添加したもの〕0.2kg/m2を用い、また、塗膜形成材として無機−有機ハイブリッド樹脂クリヤー塗料〔アトミクス(株)製:無溶剤シリコン系複合樹脂〕200g/m2を用い、塗布後20℃で約1時間放置して乾燥直前に、水性散布材として水道水89g/m2を散布した以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた実施例4の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0036】
実施例5
水性散布材として水溶性液体物質の水溶液(グリセリン50重量%水溶液)を用い、塗膜形成材層の表面に12g/m2の割合で散布した以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた実施例5の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0037】
実施例6
水性散布材として水溶性固体物質の水溶液(炭酸水素ナトリウム5重量%水溶液)を用い、塗膜形成材層の表面に8g/m2の割合で散布した以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた実施例6の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0038】
実施例7
水性散布材の散布量を5g/m2とした以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた実施例7の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0039】
実施例8
水性散布材の散布量を20g/m2とした以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた実施例8の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0040】
比較例1
水性散布材の散布を行わなかった以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた比較例1の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0041】
比較例2
水性散布材の水溶性固体物質として平均粒径1.2mmの水溶性物質被覆ビーズ(乾燥したガラスビーズの表面をヒドロキシエチルセルロースで被覆したもの)270g/m2を用いた以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた比較例2の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0042】
比較例3
水性散布材の散布量を1.6g/m2とした以外は、上記実施例1と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた比較例3の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0043】
比較例4
水性散布材として水溶性液体物質の水溶液(グリセリン10重量%水溶液)を用い、塗膜形成材を塗布した後6時間後に塗膜形成材層の表面に13.3g/m2の割合で散布した以外は、上記実施例5と同様にして試験用塗膜層を作製した。
得られた比較例4の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0044】
比較例5
上記実施例1の場合と同様に塗膜形成材を塗布し、水性散布材を散布することなく20℃で24時間乾燥させて硬化させ、形成された塗膜層の表面にスポンジを用いて(株)ハイパーテック・ジャパン輸入の市販品「スリップバスター」(主成分はリン酸フッ化アンモニウムの水系溶液)を塗布し、乾燥しないうちに塗膜層の表面をスポンジで時々擦り、30分間保持したのちに5重量%-重曹水溶液で中和し、水で十分洗浄して7日間乾燥させ、試験用塗膜層を作製した。
得られた比較例5の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0045】
比較例6
上記実施例1の場合と同様に塗膜形成材を塗布し、その後直ちに形成された塗膜形成材層の表面に珪砂5号〔北日本産業(株)製〕3,000g/m2を散布し、24時間乾燥させた後に固着していない珪砂を除去し、次いで再び床用無溶剤2液型エポキシ樹脂塗料〔アトミクス(株)製フロアトップ#8000〕0.2kg/m2を塗布し、更に7日間乾燥させて試験用塗膜層を作製した。
得られた比較例6の試験用塗膜層について、上記実施例1と同様に、その微小穴の平均直径、個数及び面積率を測定し、次いで滑り抵抗性(BPN値)、外観、耐摩耗性、及び密着性を調べた。
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
なお、表1において、塗膜形成材及び水性散布材における略号は下記の通りである。
E-FT:床用無溶剤2液型エポキシ樹脂塗料〔アトミクス(株)製商品名:フロアトップ#8000〕
PVP:ポリビニルピロリドン(BASF社製商品名:ルビスコールK30パウダー)
SHC:炭酸水素ナトリウム(NaHCO3;市販1級試薬)
U-FT:床用硬化ウレタン樹脂塗料〔アトミクス(株)製商品名:フロアトップ U#100 NEO〕
HCS:無機−有機ハイブリッド樹脂クリヤー塗料〔アトミクス(株)製:無溶剤シリコン系複合樹脂〕
G-50:グリセリン50重量%水溶液
SHC-5:炭酸水素ナトリウム5重量%水溶液
C-GB:水溶性物質被覆ビーズ
G-10:グリセリン10重量%水溶液
SL-BR:(株)ハイパーテック・ジャパン輸入の市販品「スリップバスター」
SS-5:珪砂5号〔北日本産業(株)製〕
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、形成される塗膜層の塗膜外観、密着性、塗膜強度等の塗膜物性を低下させることなく、また、使用される塗膜形成材の種類に依存することなく、優れた滑り止め性、特に湿潤時の滑り止め性が得られ、しかも、現場施工も容易であり、特に床材の用途に好適な滑り難い塗膜層を作製することができる。
Claims (6)
- 床の基材表面に水に対して不溶性若しくは難溶性の塗膜形成材を塗布し、塗布された塗膜形成材層が乾燥し又は硬化する前に、この塗膜形成材層の表面に、水溶性固体物質、水溶性液体物質、水溶性固体物質及び/又は水溶性液体物質の水性溶液又は水性懸濁液、及び水から選ばれた、前記塗膜形成材層中に溶解しない性質を有する水性散布材を散布し、塗膜形成材層を乾燥又は硬化させた後に上記水性散布材を除去し、表面に面積率が3%以上50%以下で平均径が1μm以上1,000μm以下の多数の微小穴を有する塗膜層を形成することを特徴とする塗膜層の作製方法。
- 水性散布材として塗膜形成材層の表面に散布される水溶性固体物質は、その平均粒径が1000μm以下である請求項第1項に記載の塗膜層の作製方法。
- 水性散布材を除去した後の塗膜層に形成される微小穴の個数が20個/cm2以上20,000個/cm 2 以下である請求項1又は2に記載の塗膜層の作製方法。
- 水性散布材を除去した後の塗膜層に形成される微小穴の面積率が3%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜層の作製方法。
- 水性散布材が水溶性固体物質、水溶性液体物質、及び水溶性固体物質及び/又は水溶性液体物質の水性溶液又は水性懸濁液のいずれかであり、水によりこの水性散布材を溶出させて除去する請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜層の作製方法。
- 基材が床材である請求項1〜5のいずれかに記載の塗膜層の作製方法。
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