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JP3995742B2 - バックミラー支持構造 - Google Patents

バックミラー支持構造 Download PDF

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rear-View Mirror Devices That Are Mounted On The Exterior Of The Vehicle (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車用バックミラー支持構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車用バックミラー支持構造として、例えば、1.実公昭51−25316号公報「安全なバックミラー」や、2.実公昭58−28917号公報「車輌用バックミラーの支持装置」が知られている。
上記1は、同公報の第2図に示される通り、取付脚1の半球状凹部にケース5の半球状凸部を嵌合させ、この半球状凸部の内側から半球状皿体2を介してスプリング3で圧力を掛け、ねじ4で取付脚1にケース5を回転自在に取付け、ケース5に鏡6を固定したものである。
上記2は、同公報の図に示される通り、バックミラー支持用ステー1のステーシート3に下部弾性体4を介してバックミラー本体Mの球面状被支承部15を合せ、この球面状被支承部15の内面に上部弾性体5及びばね受6を介して圧縮ばね13の押圧力でバックミラー本体Mを回転自在に保持するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記1では、半球状皿体2のスプリング3の受け面が平面であるため、ケース5の半球状凸部の端部まで均一に圧力が加わらず、鏡6に振動が発生したり、鏡6を調整するためにケース5を動かすと、ケース5の回転位置によってはガタを発生する場合がある。
また、上記2では、摺動面となるバックミラー支持用ステー1のステーシート3とバックミラー本体Mの球面状被支承部15との間に下部弾性体4を介しているので、バックミラー本体Mを角度調整する際にバックミラー本体Mの回転がなめらかでないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、バックミラー支持部にガタを発生させることなくバックミラー本体部の回転のなめらかな、バックミラー支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1は、バックミラーステーに設けた球面凹部と、この球面凹部に嵌合するバックミラー本体の球面凸部と、球面凹部から球面凸部を貫通してバックミラー本体内部に至るボルトと、球面凸部を球面凹部へ押圧するためにボルトに取付けたスプリングとからなるバックミラー支持構造において、バックミラー本体内に別体の樹脂部材にて形成した受け部材を嵌合させ、この受け部材とスプリングとの間にスプリングシートを介在させ、スプリングシートが、受け部材に摺接させる球面凹部を形成したものであり、ボルトに嵌合させ、且つスプリングを平面的に受けるとともにスプリングをガイドするものであり、受け部材が、球面凸部に対向させた側にスプリングシートの球面凹部を受けるスプリング受け面となる球状凸部を形成したものであり、球面凸部の半径を球状凸部の半径よりも小さく設定したことを特徴とする。
受け部材を別体の樹脂部材にて形成したので、バックミラー本体の球面凸部に対向させた側にスプリング受け面となる球状凸部を一体で形成した場合に発生する成形時のひけを防止することができる。
バックミラー本体内部のスプリング受け面を球状凸部としたので、バックミラー本体のセット位置にかかわらずスプリング受け面にスプリングの圧力が均等に加わる。従って、バックミラー本体に振動が発生したり、ガタが発生することはない。
また、球面凸部の半径を球状凸部の半径よりも小さく設定したので、スプリングの押圧力を均一に球面凸部に加えることができる。
【0006】
プリング受け面とスプリングシートとの間に球状凹部を備えたスプリングシートを介在させて、スプリングシートの球状凹部をスプリング受け面の球状凸部に摺接させた。従って、スプリング受け面の球状凸部を安定した状態で保持することができる。
【0007】
請求項2は、スプリングシートが、ダイカスト製であることを特徴とする。
スプリングシートをダイカスト製にしたので、スプリングシートとの摺動が滑らかになる。従って、バックミラー本体の鏡面調整のためのトルクを均一化するとができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動二輪車用バックミラー支持構造を備えた自動二輪車の側面図であり、自動二輪車1はメインフレーム2の前部にヘッドパイプ3を介してフロントフォーク4を取付け、このフロントフォーク4に前輪5、フロントフェンダ6を取付け、メインフレーム2の下方にエンジンハンガー部7,7を介してV型エンジン8を取付け、このV型エンジン8から排気管9を延出し、更にV型エンジン8の後端部のピボット10を介してスイングアーム11を軸支し、このスイングアーム11に後輪12を取付けてなる。
図中、14は燃料タンク、15はV型エンジンのリヤヘッドカバー、16はシート、17,18はシートレール、19は同乗者用シート、21はリアサスペンション、22はドライブチェーンである。
また、23はブレーキオイルカップ、24はクラッチオイルカップ、25はヘッドライト、26はカウルエアダクト、27はブレーキディスク、28はキャリパー、29はフロントアクスル、31はV型エンジンのフロントヘッドカバー、37はテールライト、38はシートカウル、39はリアアクスル、41はステアリングハンドルである。
なお、50はバックミラー取付け部を示し、図2で説明する。
【0011】
図2は本発明に係るバックミラー支持構造を備えたバックミラー取付け部の説明図である。
バックミラー取付け部50は、フェアリングステー51と、このフェアリングステー51にフェアリング52を介して取付けたバックミラー53と、フェアリングステー51に弾性部材54,54を介して取付けた防振用ウェイト55とからなる。
バックミラー53は、ミラーベース56と、このミラーベース56に取付けたミラーステー57と、このミラーステー57に首振り自在に取付けたバックミラー本体58と、バックミラー53の根元部53aを覆うブーツ59とからなる。
【0012】
ミラーベース56は、ベース本体61と、このベース本体61に設けたミラーステー57の支持部であるボルト62と、ベース本体61に一体的に取付けた鋳込みボルト63,63とからなる。
バックミラー本体58は、ミラーステー57に嵌合するハウジング64と、このハウジング64に収納したミラー65とからなる。
なお、70はバックミラー支持構造を示し、90はミラーステー支持構造を示し、図3,図4で説明する。
【0013】
図3は図2の3−3線断面図であり、バックミラー支持構造70を示す。
バックミラー支持構造70は、バックミラーステー57に設けた球面凹部71と、この球面凹部71に嵌合するバックミラー本体58の球面凸部72と、球面凹部71から球面凸部72を貫通してバックミラー本体58内部に至るボルト73と、バックミラー本体58内部のスプリング受け面を球状凸部74とした樹脂部材である受け部材75と、この受け部材75に摺接させた球状凹部76を備えたスプリングシート77と、球面凸部72を球面凹部71へ押圧するためにボルト73に取付けたスプリング78と、このスプリング78を保持するために座金79を介してボルト73に嵌合させたナット81とからなる。
なお、受け部材75はバックミラー本体58とは別体の樹脂とし、スプリングシート77はダイカスト製としたものである。
スプリング受け面をバックミラー本体58とは別の樹脂部材(受け部材75)で構成するのは、バックミラー本体58にスプリング受け面を一体で形成した場合に発生する成形時のひけを防止するためである。すなわち、スプリング受け面をバックミラー本体58とは別の樹脂部材で構成することで、バックミラー本体58の外観を向上することができる。
【0014】
図4は図2の4−4線断面図であり、ミラーステー支持構造90を示す。
ミラーステー支持構造90は、ミラーベース56のベース本体61に設けた凹部91と、この凹部91に嵌合するミラーステー57の取付け部92と、この取付け部92を凹部91に回転自在に取り付けるボルト62とからなる。
取付け部92は、ボルト62径よりも大径に開けた貫通孔94と、この貫通孔94にはめ込んだ管入りブッシュ95とからなり、この管入りブッシュ95の上下にワッシャ96、96を介し、ボルト62の座面にスプリングワッシャ97及び回り止めのための六角ワッシャ98を介してボルト62で、凹部91に取付け部92を可倒自在に取り付けたものである。
また、管入りブッシュ95は、内パイプ95aと、この内パイプ95aに被せた弾性体のブッシュ95bと、このブッシュ95bを覆う外パイプ95cとからなる。
すなわち、ミラーベース56にミラーステー57を取付ける際に、ミラーステー57の取付け部92に管入りブッシュ95を介して可倒自在に取り付けたので、フェアリングステイ51からの振動をダンプし、ミラーステー57に振動を伝えることはない。従って、ミラーステー57の振動を低減することができ、ミラー本体58の振動を減少させることができる。
【0015】
以上に述べたバックミラー支持構造70の作用を次に説明する。
図5(a),(b)は本発明に係るバックミラー支持構造の作用説明図(前半)である。
(a)は比較例であり、従来のバックミラー支持構造100を示す。
従来のバックミラー支持構造100は、バックミラーステー101に設けた球面凹部102と、この球面凹部102に嵌合するバックミラー本体103の球面凸部104と、球面凹部102から球面凸部104を貫通してバックミラー本体103内部に至るボルト105と、バックミラー本体103内部に設けた受け部材106と、この受け部材106を押圧することで球面凸部104を球面凹部102へ押圧するためにボルト105に取付けたスプリング107と、このスプリング107を保持するために座金108を介してボルト105に嵌合させたナット109とからなる。
ここで、球面凸部104の半径をR1、受け部材106のバックミラー本体103の内周103aに接する摺動部106aの半径をR2とするときに、R1に比べR2は小さいので、スプリング107の押圧力が均一に球面凸部104に伝達されない。
【0016】
(b)は、本発明に係るバックミラー支持構造70を示し、球面凸部72の半径をR3、球状凸部74の半径をR4とするときに、R3に比べR4が大きいので、スプリング78の押圧力を均一に球面凸部72に加えることができる。
また、受け部材75の球状凸部74にスプリングシート77の球状凹部76を摺接させたので、スプリング受け面の球状凸部74を安定した状態で保持することができる。
【0017】
図6(a),(b)は本発明に係るバックミラー支持構造の作用説明図(後半)である。
(a)は比較例であり、従来のバックミラー支持構造100のバックミラー本体103を回転させた状態を示す。
バックミラー本体103を矢印1の如く回転させると、位置ずれδ,δが発生し、受け部材106の摺動部106aとバックミラー本体103の内面103aとの接触面積は減少する。
従って、バックミラー本体103に振動が発生したり、バックミラー本体103を調整すると、バックミラー本体103の回転位置によってはガタを発生する場合がある。
【0018】
(b)は、本発明に係るバックミラー支持構造70のバックミラー本体58を回転させた状態を示す。
バックミラー本体58を矢印2の如く回転させても、受け部材75の球状凸部74とスプリングシート77の球状凹部76との接触面積に変化はなく、バックミラー本体58の回転位置に関わらず、安定してバックミラー本体58を保持することができるので、バックミラー本体58に振動が発生したり、ガタが生ずることはない。
また、(a),(b)からバックミラー本体103の回転範囲θ1とバックミラー本体58の回転範囲θ2とを比較すると、θ1<θ2である。従って、本発明に係るバックミラー支持構造70は、バックミラー本体58の回転範囲も大きくすることができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、バックミラー本体内に別体の樹脂部材にて形成した受け部材を嵌合させ、この受け部材とスプリングとの間にスプリングシートを介在させ、スプリングシートが、受け部材に摺接させる球面凹部を形成したものであり、ボルトに嵌合させ、且つスプリングを平面的に受けるとともにスプリングをガイドするものであり、受け部材が、球面凸部に対向させた側にスプリングシートの球面凹部を受けるスプリング受け面となる球状凸部を形成したものであり、球面凸部の半径を球状凸部の半径よりも小さく設定してバックミラー支持構造を構成した。
受け部材を別体の樹脂部材にて形成したので、バックミラー本体の球面凸部に対向させた側にスプリング受け面となる球状凸部を一体で形成した場合に発生する成形時のひけを防止することができる。
バックミラー本体内部のスプリング受け面を球状凸部としたので、バックミラー本体のセット位置にかかわらずスプリング受け面にスプリングの圧力が均等に加わるので、バックミラー本体に振動が発生したり、ガタが発生することはない。
また、球面凸部の半径を球状凸部の半径よりも小さく設定したので、スプリングの押圧力を均一に球面凸部に加えることができる。
【0020】
プリング受け面とスプリングシートとの間に球状凹部を備えたスプリングシートを介在させて、スプリングシートの球状凹部をスプリング受け面の球状凸部に摺接させたので、スプリング受け面の球状凸部を安定した状態で保持することができる。
【0021】
請求項2は、スプリングシートをダイカスト製にしたので、スプリングシートとの摺動が滑らかになるので、バックミラー本体の鏡面調整のためのトルクを均一化するとができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバックミラー支持構造を備えた自動二輪車の側面図
【図2】 本発明に係るバックミラー支持構造を備えたバックミラー取付け部の説明図
【図3】 図2の3−3線断面図
【図4】 図2の4−4線断面図
【図5】 本発明に係るバックミラー支持構造の作用説明図(前半)である。
【図6】 本発明に係るバックミラー支持構造の作用説明図(後半)である。
【符号の説明】
57…バックミラーステー、58…バックミラー本体、70…バックミラー支持構造、71…球面凹部、72…球面凸部、73…ボルト、74…球状凸部、75…樹脂部材(受け部材)、76…球状凹部、77…スプリングシート、78…スプリング。

Claims (2)

  1. バックミラーステーに設けた球面凹部と、この球面凹部に嵌合するバックミラー本体の球面凸部と、前記球面凹部から球面凸部を貫通してバックミラー本体内部に至るボルトと、前記球面凸部を球面凹部へ押圧するためにボルトに取付けたスプリングとからなるバックミラー支持構造において、
    前記バックミラー本体内に別体の樹脂部材にて形成した受け部材を嵌合させ、この受け部材と前記スプリングとの間にスプリングシートを介在させ、
    前記スプリングシートは、前記受け部材に摺接させる球面凹部を形成したものであり、前記ボルトに嵌合させ、且つ前記スプリングを平面的に受けるとともに前記スプリングをガイドするものであり、
    前記受け部材は、前記球面凸部に対向させた側に前記スプリングシートの球面凹部を受けるスプリング受け面となる球状凸部を形成したものであり、
    前記球面凸部の半径を前記球状凸部の半径よりも小さく設定したことを特徴とするバックミラー支持構造。
  2. 前記スプリングシートは、ダイカスト製であることを特徴とする請求項1記載のバックミラー支持構造。
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