JP3992344B2 - 表皮およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、少なくとも2枚の表皮片を接合により一連にした表皮、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装部品や家具等に用いられる成形品の表皮として、真空成形やスラッシュ成形等によって所要形状に成形されたプラスチックシートが用いられることがよくある。また、意匠性をより向上させる等の理由から、色彩や材質等の異なる2枚以上のプラスチック製表皮片を接合により一連にしたものが表皮として用いられることもよくある。
【0003】
従来における表皮片の接合方法として、2枚の表皮片の端部表面を圧着し、両表皮片端部の裏面側に電極を配する高周波加熱装置、あるいは超音波ウェルダーにより両表皮片の端部を溶着する方法、あるいは接着剤を2枚の表皮片の端部表面間に介在させて両表皮片の端部を圧着し接着する方法がある。なお、接合された表皮は、接合端部を裏側にして2枚の表皮片を接合部両側に広げた状態で使用される。
【0004】
ところが、このような方法による表皮片の接合は、接合を確実にするため、および接合部の外観を良好にするため等の理由から、両表皮片の接合面同士を圧着して行うため、接合時に溶融した表皮片の構成樹脂や接合面間の接着剤が接合部の表面側、すなわち意匠面側にはみ出してバリを形成し易い。前記バリは表皮の外観を損なうため、除去する必要があり、その除去作業に手間取るのみならず、奇麗に切除できない場合も多く、その場合には表皮が不良品とならざるを得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、前記の問題点に鑑みなされたもので、少なくとも2枚の表皮片を、接合部表面にバリを生じることなく接合した表皮とその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、少なくとも2枚の表皮片をその端部の表面で溶着あるいは接着により接合してなる表皮において、前記表皮片は意匠面とその端から裏側へ折れ曲がった接合面とを有し、接合される少なくとも一方の表皮片の接合面に溶融樹脂や接着剤の余剰収容凹部を表皮片の先端側から離して意匠面側寄りに形成し、前記余剰収容凹部から表皮片先 端間において表皮片を接合したことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、少なくとも2枚の表皮片をその端部の表面で互いに圧着して溶着あるいは接着により接合させる表皮の製造方法において、前記表皮片は意匠面とその端から裏側へ折れ曲がった接合面とを有し、接合される少なくとも一方の表皮片の接合面に接着剤や溶融樹脂の余剰収容凹部を表皮片の先端側から離して意匠面側寄りに形成し、前記余剰収容凹部から表皮片先端間において表皮片を接合することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例における表皮の一部を示す斜視図、図2は表皮片の溶着接合前の端部を示す断面図、図3は溶着による接合時を示す断面図、図4は溶着した接合部を示す断面図、図5は表皮片の接着時を示す断面図、図6は接着した接合部を示す断面図、図7は本発明の表皮を用いる表皮一体発泡成形時を示す断面図、図8は本発明の表皮を用いた発泡成形品の一例の断面図である。
【0009】
図1に示す本発明の一実施例の表皮10は、発泡体等の表面を被覆して意匠性を高めるものであり、所要枚数、この例では2枚の表皮片11,15をその一端部の表面で互いに圧着させて溶着あるいは接着により接合したものからなり、表皮表面を構成する意匠面11A,15A間に接合部20を有する。
【0010】
2枚の表皮片11,15は、パウダースラッシュ成形や真空成形等によって所要形状に賦形されたプラスチック製からなり、色彩や感触あるいは材質等の少なくとも一つが互いに異なっている。
【0011】
前記表皮片11,15は、接合前の表皮片の端部を示す図2からよりよく理解されるように、表皮の表面となる意匠面11A,15Aとその端から裏側へ折れ曲がった接合面11B,15Bとを有し、少なくとも一方の表皮片15の接合面15Bには余剰の溶融樹脂や接着剤を収容するための余剰収容凹部17が意匠面15Aと接合面15Bとの境界線に沿って溝状に形成され、該余剰収容凹部17から表皮片先端13,18間において表皮片11,15が図1のように接合されている。また、前記余剰収容凹部17には、表皮片11,15の接合時に接合面11B,15Bで溶融して余剰となった表皮片構成樹脂の余剰溶融樹脂21や、接合面11B,15B間に設けられた接着剤の余剰接着剤22が収容されていて、接合部20表面の意匠面11A,15A側にはみ出していないため、表皮10の意匠面がバリの無い良好なものになっている。
【0012】
なお、余剰溶融樹脂21や余剰接着剤22を余剰収容凹部17内に確実に収容して余剰溶融樹脂21や余剰接着剤22が意匠面11A,15A側にはみ出すのを効率よく防止するため、および溶着面積あるいは接着面積を大にして接合強度を高めるためには、前記余剰収容凹部17を表皮片先端13,18側から離して意匠面11A,15A側寄りに設けるのが好ましい。
【0013】
次に、前記表皮10を溶着によって製造する実施例を説明する。まず図2に示すように、パウダースラッシュ成形や真空成形等によって所要形状に賦形した2枚の表皮片11,15を用意する。この2枚の表皮片11,15は、色彩や感触あるいは材質等の少なくとも一つが互いに異なるものからなり、意匠面11A,15Aとその端から裏側へ折れ曲がった接合面11B,15Bとを有し、少なくとも一方の表皮片15の接合面15Bには余剰収容凹部17が溝状に形成されている。
【0014】
次いで、前記2枚の表皮片11,15の接合面11B,15Bを対向させ、その接合面15Bの余剰収容凹部17と表皮片11,15の先端13,18間を圧着してその両側に高周波加熱装置の電極30,31を配置する。そして、圧着部24,25を高周波加熱して溶融させることによって図4のように溶着し、図1に示した表皮10を得る。その際、前記圧着部24,25で溶融した表皮片構成樹脂の溶融樹脂は圧着部24,25を接着させるとともに、図4のように、余剰溶融樹脂21が圧着部24,25の両端の表皮片先端13,18側と余剰収容凹部17側へはみ出す。この余剰収容凹部17側へはみ出した余剰溶融樹脂21は余剰収容凹部17内に収容されて意匠面11A,15Aまで到達しないため、意匠面にバリを形成せず、表皮の良好な意匠面が得られる。
【0015】
図5および図6に示す実施例は、接着により前記2枚の表皮片11,15を接合して表皮を製造する例である。この例においては、図5に示すように、接合面15Bの余剰収容凹部17と表皮先端13,18間に接着剤22aを設け、図6のように、前記接着剤22aを介して接合面11B,15Bを圧着し、2枚の表皮片11,15を接着することにより、所望の表皮を得る。その際、余剰接着剤22は表皮先端13,18側および余剰収容凹部17側へはみ出すが、余剰収容凹部17側へはみ出した余剰接着剤22は当該余剰収容凹部17内に収容され、意匠面11A,15B側まではみ出すことが無いので、バリの無い外観良好な表皮の意匠面が得られる。
【0016】
このようにして接合された前記表皮10は、座席やドアトリム等のような自動車内装部品や家具、日曜品等に使用される成形品の表皮に用いられる。前記表皮10を用いる成形品の一例として発泡成形品の場合を示す。その発泡成形品の製造は、図7に示す公知の表皮一体発泡成形によって行われる。すなわち、前記表皮10を裏面側が発泡成形型Mの成形キャビティC内を向くようにして下型M1の型面に配置するとともに、上型M2には必要に応じてコア40を配置し、前記表皮10裏面とコア40間にポリウレタン原料等の発泡成形原料Pを注入する。このとき、表皮片11,15の接合部20は、接合面11B,15Bが成形キャビティC内に位置している。前記成形キャビティC内に注入された発泡成形原料Pは、発泡して表皮10裏面とコア40間に充満し、前記表皮片11,15の接合部20を表皮裏側で挟んで発泡体50を形成する。その後、成形品を脱型すれば、図8に示すように、発泡体50の表面が前記表皮10で覆われた発泡成形品51が得られる。なお、前記コア40を発泡成形型内に配置しない場合には、コア40の無い発泡成形品となる。
【0017】
このようにして得られた発泡成形品51は、前記表皮片11,15の接合面11B,15Bが発泡体50内に埋もれ、しかも発泡体50によって挟持された状態となっている。そのため、前記接合面11B,15Bは意匠面11A,15Aとの境界まで密着しており、接合部20が余剰収容凹部17から意匠面側の部分で溶着または接着していなくても、接合部20の表皮意匠面側が分離して外観を損なう恐れがない。
【0018】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、本発明の表皮とその製造方法によれば、表皮片の接合面に形成された余剰収容凹部には、表皮片接合面に生じる溶融樹脂や接着剤の余剰分が収容されるため、余剰溶融樹脂や余剰接着剤が意匠面にはみ出してバリを生じることがなく、良好な表皮外観が得られる。また、バリを除去する作業を要しないため作業性がよくなる効果もある。さらに、本発明によって得られる表皮は、この表皮を用いる成形品の製造時に、表皮裏側に発泡体等が形成されることによって表皮片の接合部の意匠面側が確実に閉じられるため、外観を損なう恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例における表皮の斜視図である。
【図2】 図2は表皮片の溶着接合前の端部を示す断面図である。
【図3】 溶着による接合時を示す断面図である。
【図4】 溶着した接合部を示す断面図である。
【図5】 この発明の他の実施例における表皮片の接着時を示す断面図である。
【図6】 接着した接合部を示す断面図である。
【図7】 本発明の表皮を用いる表皮一体発泡成形時を示す断面図である。
【図8】 本発明の表皮を用いた発泡成形品の一例の断面図である。
【符号の説明】
10 表皮
11,15 表皮片
11A,15A 意匠面
11B,15B 接合面
17 余剰収容部
20 接合部
21 余剰溶融樹脂
Claims (2)
- 少なくとも2枚の表皮片をその端部の表面で溶着あるいは接着により接合してなる表皮において、
前記表皮片は意匠面とその端から裏側へ折れ曲がった接合面とを有し、接合される少なくとも一方の表皮片の接合面に溶融樹脂や接着剤の余剰収容凹部を表皮片の先端側から離して意匠面側寄りに形成し、前記余剰収容凹部から表皮片先端間において表皮片を接合したことを特徴とする表皮。 - 少なくとも2枚の表皮片をその端部の表面で互いに圧着して溶着あるいは接着により接合させる表皮の製造方法において、
前記表皮片は意匠面とその端から裏側へ折れ曲がった接合面とを有し、接合される少なくとも一方の表皮片の接合面に接着剤や溶融樹脂の余剰収容凹部を表皮片の先端側から離して意匠面側寄りに形成し、
前記余剰収容凹部から表皮片先端間において表皮片を接合することを特徴とする表皮の製造方法。
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