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JP3990071B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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JP3990071B2 JP13581899A JP13581899A JP3990071B2 JP 3990071 B2 JP3990071 B2 JP 3990071B2 JP 13581899 A JP13581899 A JP 13581899A JP 13581899 A JP13581899 A JP 13581899A JP 3990071 B2 JP3990071 B2 JP 3990071B2
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  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関し、詳細には、医療用記録媒体等に適した感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロカプセルは、数μm〜数mmの直径を有するカプセルであり、その内部に微少な粒子や液滴を包んでいる。通常、マイクロカプセルの形成には、カプセルに内包される芯物質と、カプセル壁を構成するカプセル壁剤とを、疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させ調製した油相を、水相中に混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した後、加温することによりその油滴と水相との界面でカプセル壁剤の高分子形成反応を進行させ、高分子物質からなるマイクロカプセル壁を形成させる等の方法により製造される。カプセル壁剤を選択することにより、熱や圧力等外部からの刺激に応答して、物質非透過性から物質透過性に転移するマイクロカプセルが得られ、このような特性を利用して、感熱記録材料、およびその他の種々の用途に広く使用されている。例えば、熱応答性マイクロカプセルを利用した感熱記録材料では、通常、発色成分Aをマイクロカプセルに内包させるとともに、該発色成分を発色させる化合物Bをマイクロカプセル外に含有させ、サーマルヘッド等により熱を供与することによってマイクロカプセル内に化合物Bを浸透させ、熱を供与した領域を発色させて、画像を記録している。前記感熱記録材料の感度は、発色成分Aと化合物Bとの反応性に依存するのみならず、マイクロカプセルの熱応答性にも依存する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、感熱記録材料は、種々の環境下で使用されることから、環境依存性をより少なくすることが望まれている。マイクロカプセルを利用した感熱記録材料は、一般的に、環境湿度の高低に感度が依存する傾向があり、高湿下で使用した場合に感度が上昇し、低湿下で使用した場合に感度が低下する場合が多い。特に、医療用等の高感度の感熱記録材料では、環境に依存して生じる感度の高低が、感熱記録材料の階調に大きく影響することになり、環境依存性の低減が望まれている。前記感熱記録材料の環境湿度依存性を解決するため、本発明者は、マイクロカプセルのカプセル壁を疎水化することを検討したが、カプセル壁剤として、疎水性の高い材料を用いると、カプセル化反応時や、カプセル壁剤を乳化分散させる際に、カプセル(または油滴)が相互に合一し、得られるマイクロカプセルが大粒径化する場合がある。マイクロカプセルが大粒径化すると、形成画像の画質が低下するとともに、不透明化し、感熱記録材料を、例えば、医療用に高感度化および透明化する場合の弊害となる。
【0004】
本発明は、前記諸問題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、感度が印字時の環境湿度に依存し難いとともに、透明性の高い、高画質な画像を形成し得る感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、マイクロカプセルのカプセル壁剤としてイソホロンイソシアネート系化合物を主原料とするとともに、カプセル化反応の際に、末端疎水化ポリビニルアルコールを保護コロイドとして用いることにより、疎水性の高いマイクロカプセルを安定的に製造し得ることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> 支持体と、その上に、マイクロカプセルを含有する感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記マイクロカプセルを形成しているカプセル壁剤が、少なくともイソホロンジイソシアネート系化合物を含有するとともに、前記マイクロカプセルのカプセル化反応の際に用いられる保護コロイドが、末端疎水化ポリビニルアルコールであり、
前記マイクロカプセルの内部に発色成分が内包され、かつ、前記感熱記録層の内部で前記マイクロカプセルの外部に、前記発色成分と反応して発色させる化合物が含まれることを特徴とする感熱記録材料。
<2> 支持体と、その上に、マイクロカプセルを含有する感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記マイクロカプセルが、少なくともイソホロンジイソシアネート系化合物を含有するカプセル壁剤を、末端疎水化ポリビニルアルコールの溶液中でカプセル化反応させてなり、
前記マイクロカプセルの内部に発色成分が内包され、かつ、前記感熱記録層の内部で前記マイクロカプセルの外部に、前記発色成分と反応して発色させる化合物が含まれることを特徴とする感熱記録材料。
【0006】
<3> 前記発色成分が電子供与性染料前駆体であり、かつ、前記発色成分と反応して発色させる化合物が電子受容性化合物であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の感熱記録材料。
<4> 前記発色成分が光分解性ジアゾ化合物であり、かつ、前記発色成分と反応して発色させる化合物がカプラーであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の感熱記録材料。
>カプセル壁剤が、イソホロンジイソシアネートの3量体を20重量%以上含有することを特徴とする<1>から<4>までのいずれかに記載の感熱記録材料。
> カプセル化反応の際に、界面活性剤を使用することを特徴とする<1>から<>までのいずれかに記載の感熱記録材料。
> 界面活性剤がアニオン性界面活性剤であることを特徴とする<>に記載の感熱記録材料。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、感熱記録層を有し、更に必要に応じて、その他の層を有する。
[感熱記録層]
前記感熱記録層は、発色成分等を内包したマイクロカプセルを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0008】
(発色成分)
前記感熱記録層は、未処理時には優れた透明性を有し、加熱により呈色する性質を有するものであれば、いかなる組成のものでも使用することができる。
このような感熱記録層としては、実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色させる実質的に無色の化合物Bとを含有する、いわゆる二成分型感熱記録層が挙げられるが、前記マイクロカプセルは、発色成分Aを内包する。この二成分型感熱記録層を構成する二成分の組合せとしては、下記(ア)〜(ス)のようなものが挙げられる。
【0009】
(ア)電子供与性染料前駆体と、電子受容性化合物との組合せ。
(イ)光分解性ジアゾ化合物と、カプラーとの組合せ。
(ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組合せ。
(エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長鎖脂肪族塩と、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組合せ。
(オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀等との塩等の有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ土類金属硫化物との組合せ、または、前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組合せ。
(カ)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の(重)金属硫酸塩と、Na−テトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。
(キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機貴金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシルカルバミド誘導体との組合せ。
(コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
(サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪酸重金属塩と、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との組合せ。
(シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのようなオキサジン染料を形成する物。
(ス)ホルマザン化合物と還元剤および/または金属塩との組合せ。
【0010】
これらの中でも、発色成分として、(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ、(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せ、または(ウ)有機金属塩と還元剤との組合せを用いることが好ましく、特に、感熱記録材料の充分な透明性を確保するためには、前記感熱記録層に(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ、または(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せを用いることが好ましい。
【0011】
次に、前記感熱記録層に好ましく使用される、前記組成の組合せ(ア、イ、ウ)について、以下に詳細に説明する。
まず、(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せについて説明する。
本発明において好ましく使用される電子供与性染料前駆体は、実質的に無色のものであれば特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与して、あるいは、酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであり、特に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有しており、電子受容性化合物と接触した場合に、これらの部分骨格が開環若しくは開裂する無色の化合物であることが好ましい。
【0012】
前記電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ピリジン系化合物、ピラジン系化合物等が挙げられる。
前記フタリド類の具体例としては、米国再発行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号、同第3,509,174号等に記載された化合物が挙げられる。
前記フルオラン類の具体例としては、米国特許明細書第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号等に記載された化合物が挙げられる。
前記スピロピラン類の具体例としては、米国特許明細書第3,971,808号等に記載された化合物が挙げられる。
前記ピリジン系およびピラジン系化合物類としては、米国特許明細書第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号等に記載された化合物が挙げられる。
前記フルオレン系化合物の具体例としては、特願昭61−240989号公報等に記載された化合物が挙げられる。
これらの中でも、白黒の画像形成用感熱記録材料には、2−アリールアミノ−3−〔H、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシ−6−置換アミノフルオラン〕を用いると、黒発色性の点で好ましい。
【0013】
具体的には、例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジオクチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0014】
前記電子供与性染料前駆体と作用する電子受容性化合物としては、フェノール化合物、有機酸若しくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が挙げられ、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
具体的には、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノール類;
【0015】
3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3−α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p−メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチル酸誘導体;
【0016】
または、その多価金属塩(特に、亜鉛、アルミニウムが好ましい);p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエルテル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシエチル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類;p−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、クミルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−フェノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノール類が挙げられる。
中でも、良好な発色特性を得る観点からビスフェノール類が特に好ましい。
また、上記の電子受容性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
次に、(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せについて説明する。
前記光分解性ジアゾ化合物とは、後述するカップリング成分であるカプラーとカップリング反応して所望の色相に発色するものであり、特定波長域の光を受けると分解し、もはやカップリング成分が存在しても発色能力を持たなくなる光分解性のジアゾ化合物である。
この発色系における色相は、ジアゾ化合物とカプラーとが反応して生成するジアゾ色素により決定される。従って、ジアゾ化合物、あるいは、カプラーの化学構造を変えることにより、容易に発色色相を変えることができ、その組み合わせ次第で、任意の発色色相を得ることができる。また、画像形成後、特定波長の光を照射することによって、画像保存性を向上させることができる。
【0018】
本発明において好ましく使用される光分解性ジアゾ化合物としては、芳香族系ジアゾ化合物が挙げられ、具体的には、芳香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルフォネート化合物、ジアゾアミノ化合物等が挙げられる。
前記芳香族ジアゾニウム塩としては、以下の一般式で表される化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、前記芳香族ジアゾニウム塩は、光定着性に優れ、定着後の着色ステインの発生の少なく、発色部の安定なものが好ましく用いられる。
Ar−N2 +・X-
上記式中、Arは置換基を有する、あるいは無置換の芳香族炭化水素環基を表し、N2 +はジアゾニウム基を、X-は酸アニオンを表す。
【0019】
前記ジアゾスルフォネート化合物としては、近年多数のものが知られており、各々のジアゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られ、本発明の感熱記録材料に好適に用いることができる。
前記ジアゾアミノ化合物としては、ジアゾ基を、ジシアンジアミド、サルコシン、メチルタウリン、N−エチルアントラニックアシッド−5−スルフォニックアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジン等でカップリングさせることにより得ることができ、本発明の感熱記録材料に好適に用いることができる。
これらのジアゾ化合物の詳細については、例えば、特開平2−136286号公報等に詳細に記載されている。
【0020】
一方、上述のジアゾ化合物とカップリング反応するカプラーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドの他、レゾルシンをはじめ、特開昭62−146678号公報等に記載されているものが挙げられる。
【0021】
前記感熱記録層において、発色成分として、ジアゾ化合物とカプラーとの組合せを用いる場合、さらに、増感剤として塩基性物質を添加してもよい。ジアゾ化合物とカプラーとのカップリング反応は、塩基性雰囲気下でより促進される。
前記塩基性物質としては、水不溶性または難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質が挙げられ、例えば、無機または有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素またはそれらの誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォリムアジン類またはピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。
これらの具体例としては、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されたものが挙げられる。
【0022】
次に、(ウ)有機金属塩と還元剤との組合せについて説明する。
前記有機金属塩としては、具体的には、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキン酸銀またはベヘン酸銀等の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩;ベンゾトリアゾール銀塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール銀塩またはフタラジノン銀塩等のイミノ基を有する有機化合物の銀塩;s−アルキルチオグリコレート等の硫黄含有化合物の銀塩;安息香酸銀、フタル酸銀等の芳香族カルボン酸の銀塩;エタンスルホン酸銀等のスルホン酸の銀塩;o−トルエンスルフィン酸銀等のスルフィン酸の銀塩;フェニルリン酸銀等のリン酸の銀塩;バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリチルアスドキシムの銀塩またはこれらの任意の混合物が挙げられる。
これらの内、長鎖脂肪族カルボン酸銀塩が好ましく、中でもベヘン酸銀がより好ましい。また、ベヘン酸をベヘン酸銀と共に使用してもよい。
【0023】
前記還元剤としては、特開昭53−1020号公報第227頁左下欄第14行目〜第229頁右上欄第11行目の記載に基づいて適宜使用することができる。中でも、モノ、ビス、トリスまたはテトラキスフェノール類、モノまたはビスナフトール類、ジまたはポリヒドロキシナフタレン類、ジまたはポリヒドロキシベンゼン類、ヒドロキシモノエーテル類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン類、ピラゾロン類、還元性糖類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等を使用することが好ましい。
上記のうち、ポリフェノール類、スルホンアミドフェノール類またはナフトール類等の芳香族有機還元剤が特に好ましい。
【0024】
前記電子供与性染料前駆体、または光分解性ジアゾ化合物を感熱記録材料の感熱記録層に用いる場合、該電子供与性染料前駆体の含有量は、0.1〜5.0g/m2が好ましく、1.0〜3.5g/m2がより好ましい。また、光分解性ジアゾ化合物の含有量は、0.02〜5.0g/m2が好ましく、発色濃度の点から0.10〜4.0g/m2がより好ましい。前記電子供与性染料前駆体の含有量が0.1g/m2未満、あるいは、前記光分解性ジアゾ化合物の含有量が0.02g/m2未満の場合には、充分な発色濃度が得られないことがあり、また、両者の含有量が5.0g/m2を越える場合には、感熱記録層の透明性が低下することがある。
前記電子供与性染料前駆体と組み合わせられる電子受容性化合物は、前記電子供与性染料前駆体1重量部に対して、0.5〜30重量部使用するのが好ましく、1.0〜10重量部がより好ましい。また、前記光分解性ジアゾ化合物と組み合わせられるカプラーは、前記ジアゾ化合物1重量部に対して、0.1〜30重量部使用するのが好ましい。
【0025】
(マイクロカプセル)
本発明において、感熱記録層に含有されるマイクロカプセルは、カプセル壁を構成しているカプセル壁剤が、少なくともイソホロンジイソシアネート系化合物を含有し、かつ、前記カプセル壁剤をカプセル化反応する際に用いられる保護コロイドが、末端疎水化ポリビニルアルコールであることを特徴とする。このように、マイクロカプセルを、イソホロンジイソシアネートを壁剤として用いて形成することにより、カプセル壁は疎水化され、高湿度下での水の吸着量は低減されるとともに、低湿度下での水の脱着量も低減され、マイクロカプセルの熱応答性の環境湿度依存性は低減される。その結果、感熱記録材料の感度の環境湿度依存性も低減される。さらに、カプセル化反応時に、保護コロイドとして、末端疎水化ポリビニルアルコールを用い、カプセル化反応の工程で、マイクロカプセル(または油滴)が合一したり、破壊してしまうのを抑制している。
【0026】
前記マイクロカプセルは、前記発色成分Aを内包するものであり、前記電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を内包しているのが好ましい。以下、発色成分Aを内包する前記マイクロカプセルの製造方法の一例を示す。
疎水性の有機溶媒に、発色成分Aおよびカプセル壁剤を溶解又は分散させ調製した油相を、水相中に混合し、ホモジナイザー等の手段により、発色成分Aとカプセル壁剤とを含有する油滴を乳化分散した後、加温することにより、その油滴界面で、カプセル壁剤の高分子形成反応(カプセル化反応)を起こし、発色成分Aを内包するマイクロカプセルを製造することができる。高分子形成反応には、界面重合法、内部重合法、および外部重合法等を利用することができるが、中でも、界面重合法を利用するのが好ましい。
【0027】
本発明において、前記油相(または水相)に溶解または分散されるカプセル壁剤は、少なくともイソホロンジイソシアネート系化合物を含有する。前記壁剤は、イソホロンジイソシアネート系化合物を主原料とするものが好ましく、イソホロンジイソシアネート由来の材料が全体の50重量%以上であるのが好ましい。カプセル壁剤は、イソホロンジイソシアネートの単量体であってもよいが、多量体を用いてもよく、中でも、3量体を用いるのが好ましい。また、イソホロンジイソシアネートの2量体と3量体の混合物も、壁剤として好ましく用いられるが、3量体の割合が、カプセル壁剤の全重量中、20重量%以上含有されているのが好ましく、50重量%以上含有されているのがより好ましい。
【0028】
カプセル壁剤として前記イソホロンジイソシアネート系化合物とともに、他のモノマーあるいはプレポリマー等を組み合わせることによって、種々の疎水性の高いマイクロカプセルが形成できる。中でも、イソホロンジイソシアネート単量体および/または多量体と、ポリアミン、2以上のアミノ基を有するプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体、またはポリオール等を併用して形成されるポリウレアあるいはポリウレタンからなるマイクロカプセルが好ましい。前記ポリアミンとしては、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等の2以上のアミノ基を有する化合物が挙げられ、例えば、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。前記ポリオールとしては、2以上のヒドロキシ基を有する化合物が挙げられ、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等が挙げられる。また、一分子内にアミノ基とヒドロキシ基とを有するトリエタノールアミン等を用いてもよい。
上記反応において、反応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加することが反応速度を速める点で好ましい。ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。
【0029】
また、マイクロカプセルのカプセル壁は、ポリウレアとポリアミドからなる複合壁であっても、ポリウレタンとポリアミドからなる複合壁であってもよい。このような複合壁は、例えば、前記イソホロンジイソシアネートの単量体および/または多量体と、それと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、酸クロライド若しくはポリアミン、ポリオール)を水溶性高分子水溶液(水相)又はカプセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、これらを乳化分散した後、加温することにより調製することができる。このポリウレアとポリアミドからなる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−66948号公報に記載されている。
【0030】
本発明の効果を損なわない範囲で、前記イソホロンジイソシアネート化合物と、他のイソシアネート系化合物を併用してもよい。他のイソシアネート系化合物としては、3官能以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアネート化合物を併用してもよい。具体的には、キシレンジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその水添物、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体として多官能化したもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物等が挙げられる。
特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合物が好ましく、本発明でも使用できる。
【0031】
イソホロンジイソシアネート系化合物を含有するカプセル壁剤の配合量については、用いる材料に応じて、その好ましい範囲が異なるが、配合量が少な過ぎる場合は、マイクロカプセルの堅牢性が低下する傾向があり、多過ぎると、得られる画像の画像粒状性が低下する傾向がある。一般的には、カプセル壁剤は、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、カプセル壁の厚みが0.01〜0.3μmとなるように添加されることが好ましい。また、乳化分散粒子径は0.2〜10μm程度が一般的である。
【0032】
本発明のマイクロカプセルは、カプセル壁剤として、イソホロンジイソシアネート系化合物を用いるとともに、該カプセル壁剤のカプセル化反応時に、末端疎水化ポリビニルアルコールを保護コロイドとして用いることを特徴とする。末端疎水化ポリビニルアルコールは、例えば、カプセル壁剤と発色成分Aとを分散または溶解させた油相を、油滴状に乳化分散させる水相中に含有させることができる。末端疎水化ポリビニルアルコールは、カプセル化反応時に、油滴の保護コロイドとして機能する。末端疎水化ポリビニルアルコールを保護コロイドとして用いることによって、前記油滴の乳化分散性が安定化し、疎水性の高いイソホロンジイソシアネート系化合物を含有する油滴間の合一を防止することができる。また、一般的に、マイクロカプセルのカプセル壁の疎水性が向上すると、カプセル壁の強度が低下する傾向があるが、保護コロイドとして末端疎水化ポリビニルアルコールを用いることによって、カプセル壁の強度を向上させることができ、感熱記録材料の画像保存性を向上させることができる。末端疎水化ポリビニルアルコールとしては、ポリビニルアルコールの末端をカルボン酸で変性したカルボキシ変性ポリビニルアルコール、およびポリビニルアルコールの末端をアルキル基で変成したアルキル変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0033】
また、前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールは、末端が更にアルキル基で変性されているものがより好ましい。具体的には、末端アルキル化イタコン酸変性ポリビニルアルコール及び末端アルキル化マレイン酸変性ポリビニルアルコールが特に好ましく挙げられる。前記アルキル基としては、炭素数が6〜16程度のアルキル基が好ましく、炭素数が8〜14程度のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、例えば、−C817、−C919、−C1021、−C1123、−C1225、−C1327、−C1429等が挙げられる。これらのアルキル基(−R)は、硫黄原子(−S−)を介してスルフィド(−SR)の形で末端に導入されるのが好ましい。
【0034】
また、前記末端アルキル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールの末端をアルキル基で変性したものであり、前記アルキル基としては、上述したアルキル基が好ましく、同様にスルフィド(−SR)の形で末端に配置されることが好ましい。
【0035】
前記カルボキシ変性ポリビニルアルコール及び末端アルキル変性ポリビニルアルコールは、マイクロカプセルの形成に用いられる保護コロイドとして使用されるが、その添加量は、特に制限はなく、通常の保護コロイドとして使用される量であれば充分である。また、前記カルボキシ変性ポリビニルアルコール及び末端アルキル変性ポリビニルアルコールの製法についても、特に制限はなく、従来公知の製法を用いることができる。
【0036】
また、マイクロカプセルを製造する際に、所望により、金属含有染料、ニグロシン等の荷電調節剤、あるいは、その他任意の添加物質を加えてもよい。これらの添加剤は、カプセル化反応時または任意の時点で、添加され、カプセル壁に含有される。また必要に応じてカプセル壁表面の帯電性を調節するために、カプセル壁を構成しているポリマーに、ビニルモノマー等のモノマーをグラフト重合させてもよい。
【0037】
より低温の状況下において、マイクロカプセルのカプセル壁が物質非透過性から物質透過性に転移するとともに、内包する発色剤の発色性を高く維持するため、カプセル壁に可塑剤を含有させるのが好ましい。可塑剤は、カプセル壁を構成しているポリマーに適合した材料であればよいが、その融点が50℃以上のものが好ましく、融点が120℃以下のものがより好ましい。このうち、常温下で固体状のものを好適に選択して用いることができる。例えば、カプセル壁が、イソホロンジイソシアネート系化合物からなるポリウレア、ポリウレタンである場合、可塑剤としては、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
【0038】
前記発色成分A等を含有する前記油相の調製に用いられる疎水性有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましい。
具体的には、エステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、エステル類を使用することが乳化分散物の乳化安定性の観点から特に好ましい。
【0039】
前記エステル類としては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ブチル、リン酸オクチル、リン酸クレジルフェニル等のリン酸エステル類;フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル;テトラヒドロフタル酸ジオクチル;安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル等の安息香酸エステル;アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル等のアビエチン酸エステル;アジピン酸ジオクチル;コハク酸イソデシル;アゼライン酸ジオクチル;シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル等のシュウ酸エステル;マロン酸ジエチル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル;クエン酸トリブチル;ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチル等のソルビン酸エステル;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル;ギ酸モノエステルおよびジエステル、酪酸モノエステルおよびジエステル、ラウリン酸モノエステルおよびジエステル、パルミチン酸モノエステルおよびジエステル、ステアリン酸モノエステルおよびジエステル、オレイン酸モノエステルおよびジエステル等のエチレングリコールエステル類;トリアセチン;炭酸ジエチル;炭酸ジフェニル;炭酸エチレン;炭酸プロピレン;ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル等のホウ酸エステル等が挙げられる。
【0040】
これらの中でも、特にリン酸トリクレジルを単独又は混合して用いた場合、乳化物の安定性が最も良好となり好ましい。上記のオイル同士又は他のオイルとの併用による使用も可能である。
【0041】
マイクロカプセルに内包させる発色成分A(例えば、電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物)の前記疎水性有機溶媒に対する溶解性が劣る場合には、溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもできる。このような低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド等が好ましく挙げられる。
【0042】
前記油相あるいは前記水相の少なくとも一方に、界面活性剤を添加すると、更に油滴が均一かつ安定に乳化分散するので好ましい。前記界面活性剤としては、周知の乳化用界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.1〜5%が好ましく、0.5〜2%がより好ましい。水相に含有させる界面活性剤は、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、前記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを好適に選択して使用することができる。中でも、アニオン性界面活性剤を用いると、より乳化安定性が向上するので好ましい。アニオン界面活性剤としては、脂肪酸せっけん等のカルボン酸塩系界面活性剤や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩の他、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、リン酸エステル塩等の一般的な界面活性剤を用いることができる。中でも、スルホン酸ナトリウム系の界面活性剤が好ましい。
【0043】
油相を水相中に乳化分散するには、前記油相と前記水相とを、高速撹拌、超音波分散等の通常の微粒子乳化に用いられる手段、例えば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等、公知の乳化装置を用いて容易に行うことができる。乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させるために、乳化物を30〜70℃に加温することが好ましい。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、充分な攪拌を行うことが好ましい。
【0044】
また、反応中に改めて凝集防止用の分散物を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その発生の終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的のマイクロカプセルを得ることができる。
【0045】
(感熱記録層用塗布液の調製)
前記発色成分Aを内包するマイクロカプセルの分散液は、化合物B(例えば、発色成分Aとして電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を用いた場合は、電子受容性化合物、又はカプラー)と混合され、感熱記録層用塗布液が調製される。
化合物Bは、例えば、水溶性高分子および有機塩基、その他の発色助剤等と共に、サンドミル等の手段により固体分散して用いることもできるが、予め水に難溶性または不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤および/または水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることがより好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもできる。化合物Bとして、カプラーを用いる場合、増感剤として用いる有機塩基は、カプラーとは別に、乳化分散物を調製し、前記マイクロカプセル分散液と混合するのが好ましい。
尚、化合物Bの乳化分散物の好ましい乳化分散粒子径は、1μm以下である。
【0046】
化合物Bの乳化分散物の調製に使用される高沸点有機溶剤は、例えば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点オイルの中から適宜選択することができる。中でもエステル類を使用することが、乳化分散液の乳化安定性の観点がら好ましく、中でも、リン酸トリクレジルが特に好ましい。上記のオイル同士、または他のオイルとの併用も可能である。
【0047】
化合物Bの乳化分散物の調製において、水溶性高分子を保護コロイドとして使用する場合、該水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができ、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例としては、ポリビニルアルコールまたはその変成物、ポリアクリル酸アミドまたはその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中でも、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が特に好ましい。
【0048】
化合物Bの乳化分散物の調製において、油相の水相に対する混合比(油相重量/水相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、0.1〜0.4がより好ましい。該混合比が0.02より小さい場合には、水相が多すぎて希薄となり製造適性に欠け、一方、該混合比が0.6より大きい場合には、逆に液の粘度が高くなり、取扱いの不便さや塗布液安定性の低下を生ずるため好ましくない。
【0049】
上記のように調製したマイクロカプセル分散液と乳化分散物とを混合することにより、感熱記録層用塗布液を調製することができる。ここで、前記マイクロカプセル分散液の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子、および前記乳化分散物の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子は、前記感熱記録層におけるバインダーとして機能する。また、これら保護コロイドとは別にバインダーを添加、混合して、感熱記録層用塗布液を調製してもよい。
前記添加されるバインダーとしては、水溶性のものが一般的であり、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。
また、これらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤を加えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等を添加することもできる。
【0050】
前記感熱記録層用塗布液を支持体上に塗布する際、水系または有機溶剤系の塗布液に用いる公知の塗布手段が用いられるが、この場合、感熱記録層用塗布液を安全かつ均一に塗布するとともに、塗膜の強度を保持するため、本発明の感熱記録材料においては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレンまたはその共重合体、ポリエステルまたはその共重合体、ポリエチレンまたはその共重合体、エポキシ樹脂、アクリレート系樹脂またはその共重合体、メタアクリレート系樹脂またはその共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等を使用することができる。
【0051】
(その他の成分)
以下に、感熱記録層に用いることのできるその他の成分について述べる。
前記その他の成分としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の熱可融性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0052】
前記熱可融性物質は、熱応答性の向上を図る目的で感熱記録層に含有させることができる。
前記熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、脂肪族アミド、ウレイド等が挙げられる。
これらの例は、特開昭58−57989号、同58−87094号、同61−58789号、同62−109681号、同62−132674号、同63−151478号、同63−235961号、特開平2−184489号、同2−215585号の各公報等に記載されている。
【0053】
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等が好適に挙げられる。これらの例は、特開昭47−10537号、同58−111942号、同58−212844号、同59−19945号、同59−46646号、同59−109055号、同63−53544号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−30492号、同48−31255号、同48−41572号、同48−54965号、同50−10726号の各公報、米国特許2,719,086号、同3,707,375号、同3,754,919号、同4,220,711号の各明細書等に記載されている。
【0054】
前記酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アニリン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤等が好適に挙げられる。これらの例は、特開昭59−155090号、同60−107383号、同60−107384号、同61−137770号、同61−139481号、同61−160287号の各公報等に記載されている。
【0055】
前記その他の成分の塗布量としては、0.05〜1.0g/m2程度が好ましく、0.1〜0.4g/m2がより好ましい。なお、前記その他の成分は、前記マイクロカプセル内に添加してもよいし、前記マイクロカプセル外に添加してもよい。
【0056】
前記感熱記録層は、サーマルヘッドの僅かな熱伝導の差異等から生ずる濃度ムラ等を抑え高画質な画像を得るため、飽和透過濃度(DTmax)を得るのに必要なエネルギー量幅、即ち、ダイナミックレンジが広い感熱記録層であることが好ましい。本発明の感熱記録材料は上記のような感熱記録層を有し、90〜150mJ/mm2の範囲の熱エネルギー量で、透過濃度DT3.0を得ることができる特性を有する感熱記録層であることが好ましい。
【0057】
前記感熱記録層は、塗布、乾燥後の乾燥塗布量が1〜25g/m2になるように塗布されること、および該層の厚みが1〜25μmになるように塗布されることが好ましい。
【0058】
[支持体]
本発明の感熱記録材料では、透明な感熱記録材料を得る関係上、透明支持体を用いる。透明支持体としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられ、これらを単独で、或いは貼り合わせて使用することができる。
上記合成高分子フィルムの厚みは、25〜250μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
【0059】
また、上記の合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよい。高分子フィルムを着色する方法としては、樹脂フィルムを成形する前に樹脂に染料を混練してフィルムを成形する方法、染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製し、これを無色透明な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えば、グラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルムに成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
【0060】
特に、本発明の透明な感熱記録材料をシャーカステン上で支持体側から観察した場合、透明な非画像部分を透過するシャーカステン光により幻惑が生じ見ずらい画像になることがある。
これを避けるため、透明支持体としては、JIS−Z8701記載の方法により規定された色度座標上の、A(x=0.2805,y=0.3005)、B(x=0.2820,y=0.2970)、C(x=0.2885,y=0.3015)、D(x=0.2870,y=0.3040)の4点で形成される四角形の領域内に青く着色された合成高分子フィルムを用いることが特に好ましい。
【0061】
[その他の層]
本発明の感熱記録材料は、前記支持体上に、その他の層として、中間層、保護層、下塗り層、紫外線フィルター層、光反射防止層等を設けることができる。
【0062】
(中間層)
前記中間層は、前記感熱記録層上に形成されることが好ましい。
前記中間層は、層の混合防止や画像保存性に対して有害なガス(酸素等)の遮断のために設けられる。使用するバインダーは特に制限はなく、系に応じて、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体等を用いることができる。また、塗布適性付与のため、種々の界面活性剤を添加してもよい。また、ガスバリヤー性をより高めるため、雲母等の無機微粒子を前記バインダーに対して2〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%添加してもよい。
【0063】
(保護層)
前記保護層は、前記感熱記録層上に、または、前記中間層を前記感熱記録層上に設ける場合には、前記中間層上に形成されることが好ましい。前記保護層には、少なくとも顔料とバインダーが含有されることが好ましい。
前記保護層は、単層構造であってもよいし、2層以上の積層構造であってもよい。また、前記顔料は、通常、サーマルヘッドによる記録を好適なものとする、即ち、スティッキングや異音等の発生を抑える目的で用いられるが、有機および/または無機の顔料がバインダーと共に用いられることが好ましい。
【0064】
前記保護層に用いられる顔料としては、その平均粒径、詳しくは、レーザ回折法で測定した50%体積平均粒径(レーザー回折粒度分布測定装置LA700((株)堀場製作所製)により測定した、顔料中の50%体積に相当する顔料粒子の平均粒径。以下、単に、「平均粒径」ということがある。)が、0.300μm以下の顔料を用いることが好ましく、特に、サーマルヘッドにより記録する際のヘッドと感熱記録材料との間におけるスティッキングや異音等の発生を防止する観点から、上記50%体積平均粒径が0.200〜0.300μmの範囲にあることがより好ましい。
この50%体積平均粒径が0.300μmを超える場合には、サーマルヘッドに対する摩耗の低減効果が小さいため好ましくなく、また、0.200未満では顔料添加による効果、即ち、サーマルヘッドと保護層中のバインダーとの間の溶着を防止する効果が低下し、その結果、印画時にサーマルヘッドと感熱記録材料の保護層とが接着する、いわゆるスティッキングを起こす原因となるため好ましくない。
【0065】
また、前記保護層に用いられる顔料は、上記範囲の粒径を有するものであることのみならず、用いた顔料の粒径分布において、全粒子に占める粒径1μm以上の粒子の含有率が3%以下である顔料を用いることが好ましい。前記のように、顔料中の50%体積に相当する顔料粒子の平均粒径を本発明に規定する範囲まで小さくするに伴って、更に顔料中に存在する大粒径の粒子成分の含有率をも、本発明で規定する含有率まで減らすことが、サーマルヘッドの摩耗を低減し、かつ画質の高画質化を図るのに有効である。
この全粒子に占める粒径1μm以上の粒子の含有率が3%を超える場合、たとえ顔料粒子の前記50%体積平均粒径が0.300μm以下であり、サーマルヘッドの摩耗低減の点で効果を有するものであっても、顔料成分を多量に添加した場合のように、感熱記録材料自体の透明性が低下したり、形成した画像がボケたりする等の問題が発生し好ましくない。
【0066】
前記保護層中に使用される顔料としては、特に限定されるものではなく、公知の有機、無機の顔料を挙げることができるが、特に、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカ、酸化亜鉛等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、エポキシ樹脂等の有機顔料が好ましい。中でも、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカがより好ましい。これらの顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。また、これらの顔料の粒子表面に高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたは高級脂肪族炭化水素等で表面処理を施したものを使用してもよい。
これらの顔料は、例えば、ヘキサメタリン酸ソーダ、部分ケン化または完全ケン化変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、各種界面活性剤等の分散助剤、好ましくは、部分ケン化または完全ケン化変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体アンモニウム塩の共存下でディゾルバー、サンドミル、ボールミル等の既知の分散機で、上述した平均粒径にまで分散して使用されることが好ましい。即ち、顔料の50%体積平均粒径が0.200〜0.300μmの範囲の粒径になるまで分散してから使用されることが好ましい。
【0067】
更に、塗布乾燥後の保護層表面の全周波数域における表面粗さのうち、2〜10μmの範囲の周波数成分における表面粗さの中心線値Raが、0.3μm以下である保護層であることが好ましい。該保護層の表面粗さの中心線値Raは、特に、0.1〜0.3μmの範囲にあることがより好ましい。
前記のように感熱記録材料の保護層中に、50%体積平均粒径が0.300μm以下であり、全粒子に占める粒径1.0μm以上の粒子含有率が3%以下である顔料を使用した感熱記録材料であっても、上記Ra値が0.3μmを超える場合には、サーマルヘッドの摩耗を充分に抑制することができず、画質故障を招くことがある。この場合には、塗布する顔料分散液または保護層塗布液が不安定であったり、塗布乾燥時に凝集等を生じたことによるものであり好ましくない。
上記した「全周波数域の表面粗さのうち、粗れの周期が2〜10μmである周波数成分域における表面粗さの中心線値Ra」とは、測定より得られた全周波数域の表面粗さのうち、周波数カットフィルターによりフィルター処理することにより2μm以下、および10μm以上の周波数域をカットし、残った2〜10μmの周波数成分域における粗さの度合の集合から求めた中心線の位置する粒径値(=Ra)を意味し、Raが大きい場合、層表面にはヘッドに直接衝突する凸部が存在し、この凸部の衝突によりサーマルヘッドにかかる瞬間抵抗が増大し、摩耗を促進させるのである。
【0068】
前記保護層には透明性を良好なものとする観点から、バインダーとして、完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコール等が好ましい。
前記保護層には、公知の硬膜剤、金属石けん等が含有されていてもよい。
【0069】
また、前記感熱記録層上、または前記中間層上に均一に保護層を形成させるために、保護層形成用塗布液に界面活性剤を添加することが好ましい。該界面活性剤としては、スルホ琥珀酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等があり、具体的には、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホ琥珀酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホ琥珀酸等のナトリウム塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。
【0070】
更に、前記保護層中には記録ヘッドの摩耗低減の目的でワックス、感熱記録材料の帯電防止の目的で界面活性剤、金属酸化物微粒子、無機電解質、高分子電解質等を添加してもよい。
【0071】
前記ワックスとしては、融点が40〜100℃の範囲にあり、かつ、その50%体積平均粒径が0.7μm以下であることが好ましく、0.4μm以下のものであることがより好ましい。
該平均粒径が0.7μmを越える場合、保護層の透明性が低下したり、画像のカスレが発生し好ましくない。
また、融点が40℃未満の場合、保護層表面が粘着性を帯びてくるため好ましくなく、100℃を越える場合には、スティッキングが生じ易くなり好ましくない。
【0072】
融点を40〜100℃に有するワックスとしては、例えば、パラフィンワックス;マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス;ポリエチレンワックス等の合成ワックス;キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス;ラノリン等の動物系ワックス;モンタンワックス等の鉱物系ワックスが挙げられる。これらの中でも、融点を55〜75℃に有するパラフィンワックスが特に好ましい。
前記ワックスの使用量は、保護層全体の0.5〜40重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。また、これらのワックスと12−ヒドロキシステアリン酸誘導体、高級脂肪酸アミド等を併用して用いてもよい。
【0073】
前記ワックスを上記した50%平均粒径にまで分散する方法としては、ワックスを適当な保護コロイドや界面活性剤の共存下で、ダイノミルやサンドミル等の公知の湿式分散機で分散する方法等が挙げられるが、微粒子化する観点からは、一旦ワックスを加熱して融解した後、この融点以上の温度下で、ワックスが不溶または難溶の溶剤中で高速撹拌、超音波分散等の手段により乳化する方法や、ワックスを適当な溶剤に溶解した後、ワックスが不溶または難溶の溶剤中で乳化する方法等が挙げられる。この際、適当な界面活性剤や保護コロイドを併用してもよい。
【0074】
前記保護層の乾燥塗布量は0.2〜7g/m2が好ましく、1〜4g/m2 がより好ましい。
【0075】
(下塗り層)
本発明の感熱記録材料においては、支持体から感熱記録層が剥がれることを防止する目的で、マイクロカプセル等を含有する感熱記録層や光反射防止層等を塗布する前に、支持体上に下塗り層を設けることができる。
前記下塗り層としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル等を用いることができ、層の厚みは0.05〜0.5μmが好ましい。
【0076】
前記下塗り層上に感熱記録層を塗布する際、感熱記録層用塗布液に含まれる水分により下塗り層が膨潤して、感熱記録層に記録された画像が悪化することがあるので、下塗り層にはグルタルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類およびホウ酸等の硬膜剤を用いて硬膜させることが好ましい。これらの硬膜剤の添加量は、下塗り素材の重量に応じて0.2〜3.0重量%の範囲で、所望の硬化度に合わせて適宜、添加することができる。
【0077】
(紫外線フィルター層)
前記感熱記録層の塗布面と反対の支持体裏面側に、画像の褪色防止の目的で、紫外線フィルター層を設けてもよい。前記紫外線フィルター層には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が含有される。
【0078】
(光反射防止層)
前記感熱記録層の塗布面と反対の支持体裏面側に、平均粒径が1〜20μm、好ましくは1〜10μmの微粒子を含有する光反射防止層を設けてもよい。
この光反射防止層の塗設により、入射光角20°で測定した光沢度を50%以下にすることが好ましく、30%以下にすることがより好ましい。
前記光反射防止層に含有される微粒子としては、大麦、小麦、コーン、米、豆類より得られる澱粉等の微粒子の他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニルまたは酢酸ビニル等の共重合体樹脂、ポリオレフィン等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機物の微粒子等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、感熱記録材料の透明性を良好なものとする観点から、屈折率が1.45〜1.75の微粒子状物質であることが好ましい。
【0079】
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、下塗り層、感熱記録層、中間層、保護層を順次、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により支持体上に塗布することにより形成することができる。
【0080】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0081】
(実施例1)
[感熱記録層用塗布液の調製]
以下のように、マイクロカプセル分散液、顕色剤乳化分散物の各液を調製した。
(マイクロカプセル分散液の調製)
発色成分として、下記構造式(1)で表される化合物19gと、下記構造式(2)で表される化合物4.2gと、下記構造式(3)で表される化合物7.4gと、下記構造式(4)で表される化合物0.6gと、下記構造式(5)で表される化合物1.9gと、下記構造式(6)で表される化合物0.8gとを酢酸エチル20gに添加して70℃に加熱、溶解した後、35℃まで冷却した。これに、n−ブタノール0.8g、カプセル壁剤(「タケネートD147N」、武田薬品工業(株)製、イソホロンジイソシアネートの3量体を50重量%以上含有する。)15gを加え、35℃のまま40分間保温した。
尚、以下、分散液中における分散粒子の平均粒径は、レーザ回折粒度分布測定装置にて測定した値であり、以下の種々の分散粒子の平均粒径において、同様である。
【0082】
【化1】
Figure 0003990071
【0083】
【化2】
Figure 0003990071
【0084】
この溶液を、水26gに6重量%の末端疎水化ポリビニルアルコール水溶液(「MP103」、(株)クラレ社製、アルキル変成ポリビニルアルコール、重合度300)75gを混合した水相中に加えた後、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用い、回転数10000rpmで5分間乳化を行った。得られた乳化液に、更に水140gおよびテトラエチレンペンタミン1.0gを添加した後、60℃で3時間カプセル化反応を行い、平均粒径1.5μmのマイクロカプセル分散液を調製した。
【0085】
(顕色剤乳化分散物の調製)
顕色剤として、下記構造式(7)で表される化合物3.4gと、下記構造式(8)で表される化合物8.3gと、下記構造式(9)で表される化合物8.3gと、下記構造式(10)で表される化合物5.8gと、下記構造式(11)で表される化合物3.9gと、下記構造式(12)で表される化合物3.5gとをトリクレジルフォスフェート0.8g、マレイン酸ジエチル0.4gと共に、酢酸エチル15gに添加し、70℃に加熱して溶解した。
【0086】
【化3】
Figure 0003990071
【0087】
【化4】
Figure 0003990071
【0088】
この溶液を、15重量%のポリビニルアルコール水溶液(「PVA205C」、クラレ(株)製)40g、2.0重量%のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液9gおよび下記構造式(13)で表される化合物の2重量%水溶液9.0gを混合した水相中に加えた後、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数10000rpmで平均粒径0.7μmになるように乳化し、顕色剤乳化分散物を得た。
【0089】
【化5】
Figure 0003990071
【0090】
(感熱記録層用塗布液の調製)
前記マイクロカプセル分散液(固形分濃度27重量%)14.2g、前記顕色剤乳化分散物(固形分濃度21重量%)85g、および下記構造式(14)で示される化合物の50重量%水溶液0.4gを混合して、感熱記録層用塗布液を調製した。
【0091】
【化6】
Figure 0003990071
【0092】
[中間層用塗布液の調製]
15重量%のゼラチン水溶液(「#750GEL」、新田社製)140g、界面活性剤として10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3g、粘度調整用に5重量%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量76万、三協化学社製)7g、雲母2.5重量%分散液21gを140gの水に溶解し、中間層用塗布液を調製した。
【0093】
[保護層用塗布液の調製]
(ワックス微粒子乳化分散液の調製)
融点68〜70℃の固体パラフィンワックス(関東科学(株)製)20.0gにポリオキシエチレンステアリルエーテル系界面活性剤(「花王エマルゲン320P」、花王(株)製)5.0gを加え、75℃に加熱し溶融混合した。これを、75℃の5重量%ポリビニルアルコール水溶液(「PVA205C」、クラレ(株)製)60gに加え、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用い回転数15000rpmで平均粒径0.7μmになるように乳化を行った。
乳化を行うに際し、乳化が常に75℃以上の温度で行われるように上記ホモジナイザーの周囲に温度85℃の温水を流し、保温を行った。乳化終了後、温水8.3gを加えた後、液温を徐々に下げて常温まで冷却し、30重量%のワックス微粒子乳化分散液を得た。
【0094】
(保護層用顔料分散液の調製)
水110gに水酸化アルミニウム(「H42S」、昭和電工(株))30gを加え3時間撹拌した後、これに分散助剤(「ポイズ532A」、花王(株)製)0.2g、10重量%ポリビニルアルコール水溶液(「PVA105」、クラレ(株)製)30g、10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液1.0gを加えサンドミルで分散し、平均粒径0.275μmで粒径1.0μm以上の粒子含有率が2%の保護層用顔料分散液を得た。
尚、「平均粒径」は、用いる顔料を分散助剤共存下で分散し、その分散直後の顔料分散物に水を加えて0.5重量%に希釈した被検液を、40℃の温水中に投入し光透過率が75±1.0%になるように調整した後、30秒間超音波処理しレーザー回折粒度分布測定装置(「LA700」、(株)堀場製作所製)により測定した、全顔料の50%体積に相当する顔料粒子の平均粒径を使用し、以下に記載の「平均粒径」は全て同様の方法により測定した平均粒径を表す。
【0095】
(保護層用塗布液の調製)
水20gに、6重量%ポリビニルアルコール水溶液(「PVA124C」、クラレ(株)製)90g、20.5重量%ステアリン酸亜鉛分散物(「F155」、中京油脂(株)製)0.5g、1.0%ホウ酸水溶液25g、上記30重量%ワックス微粒子乳化分散液3.0g、上記保護層用顔料分散液60g、30重量%シリコーンオイル水分散液(「SH490」、東レ・ダウコーニング(株)製)5.0g、10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液2.0g、下記構造式(15)で表される化合物の2重量%水溶液15g、および40重量%グリオキザール水溶液1.0gを混合して保護層用塗布液を得た。
【0096】
【化7】
Figure 0003990071
【0097】
[紫外線フィルター層用塗布液の調製]
(紫外線フィルター層用マイクロカプセル液の調製)
下記構造式(16)で表される化合物1.58gと、下記構造式(17)で表される化合物6.30gと、下記構造式(18)で表される化合物5.20gと、下記構造式(19)で表される化合物1.40gと、下記構造式(20)で表される化合物7.30gとを酢酸エチル8.2gに添加して70℃に加熱、溶解した後、35℃まで冷却した。これに、カプセル壁剤(「タケネートD110N」、武田薬品工業(株)製)0.9g、カプセル壁剤(「バーノックD750」、大日本インキ(株)製)0.3gを加え、35℃のまま5分間保温した。この溶液を、15重量%のポリビニルアルコール水溶液(「PVA205」、クラレ(株)製)120gと10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液8.0gを混合した水相中に加えた後、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数15000rpmで15分間乳化を行い、平均粒径0.25μmの乳化液を得た。
得られた乳化液に、更に水60gとテトラエチレンペンタミン0.15gを添加した後、40℃で3時間カプセル化反応を行い、平均粒径0.25μmの紫外線フィルター層用マイクロカプセル液を調製した。
【0098】
【化8】
Figure 0003990071
【0099】
(紫外線フィルター層用塗布液の調製)
水42.31gに10重量%シラノール変性ポリビニルアルコール(「R2105」、クラレ(株)製)40.0gを混合した溶液中に、上記の紫外線フィルター層用マイクロカプセル液(固形分濃度24.2%)13.5gを加え、更に下記構造式(21)で表される化合物の50重量%水溶液17g、および20重量%コロイダルシリカ(「スノーテックスO」、日産化学(株))65gを混合して紫外線フィルター層用塗布液を調製した。
【0100】
【化9】
Figure 0003990071
【0101】
[光反射防止層用塗布液の調製]
水50gに平均粒径5μmのライススターチ(松谷化学(株)製)0.1gを加え充分に分散した後、2重量%スルフォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶液2.5g、下記構造式(22)で表される化合物の2重量%水溶液1.5g、および20重量%コロイダルシリカ(「スノーテックスO」、日産化学(株))17gを混合して光反射防止層用塗布液を調製した。
【0102】
【化10】
Figure 0003990071
【0103】
[透明支持体の作製]
厚みが175μmであり、JIS−Z8701記載の方法により規定された色度座標において、x=0.2850,y=0.2995に着色された青色のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、SBRラテックスを乾燥塗布量が0.3g/m2になるように塗布した。この上に、5重量%ゼラチン水溶液(新田ゼラチン#810)200g、5重量%の粒径2μmポリメチルメタクリレート樹脂粒子のゼラチン分散物(ポリメチルメタクリレート樹脂の含有率10重量%)0.5g、3重量%1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン水溶液1.0gおよび2重量%スルフォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶液10gを混合した溶液を、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布した。
また、他方の面にも同様にして塗布を行い、支持体の両面に下塗り層を形成した。
【0104】
[感熱記録材料の作製]
上記の両面下塗り層を塗設した支持体の一方の表面に、前記紫外線フィルター層用塗布液を乾燥塗布量が1.8g/m2になるように塗布、乾燥し、紫外線フィルター層を形成した。
更に、この紫外線フィルター層上に前記光反射防止層用塗布液を乾燥塗布量が2.2g/m2になるように塗布、乾燥し、前記紫外線フィルター層上に光反射防止層を形成した。
【0105】
次に、紫外線フィルター層および光反射防止層を塗設した面と反対側の支持体表面上に、前記感熱記録層用塗布液を、乾燥塗布量が16.5g/m2になるように塗布、乾燥し、感熱記録層を塗設した。
この感熱記録層上に、前記中間層用塗布液、および前記保護層用塗布液を順次、乾燥塗布量がそれぞれ1.0g/m2、および2.5g/m2になるように塗布、乾燥して中間層および保護層を形成し、本発明の透明な感熱記録材料を得た。得られた感熱記録材料は、透明性が高かった。
【0106】
得られた感熱記録材料を、23℃、RH20%の環境下、および23℃RH70%の環境下において、各々、印画し、双方の環境下における光学濃度(OD)を測定し、その差(ΔOD)を求めた。尚、印画は、サーマルヘッドを用い、23℃、RH45%の環境下において、ODが1.2となる条件で行った。ODの測定は、透過濃度計(「マクベスTD904」、マクベス社製、ビジュアルフィルター使用)により行った。ΔODが小さい程、環境湿度依存性がない、良好な感熱記録材料である。評価結果を表1に示す。
【0107】
また、感熱記録材料の作製に使用した感熱記録層用塗布液を4時間保管し、該塗布液の状態を目視にて観察し、発色の有無を確認した。評価結果を表1に併せて示す。
尚、表1中、「液かぶり」の欄は、ブレンド液の段階にて全く発色しなかった場合を「〇」、発色した場合を「×」とし、さらに、著しく発色した場合を「××」とした。
【0108】
(実施例2)
実施例1において、マイクロカプセル分散液の調製の際に、末端疎水化ポリビニルアルコールとともに、ドデシルスルホン酸ナトリウム(10重量%水溶液)0.5gを水相中に添加し、平均粒径1.0μmのマイクロカプセルの分散液を調製した以外は、実施例1と同様に感熱記録材料を作製した。得られた感熱記録材料は、実施例1よりも透明性が高かった。また、実施例2では、カプセル化反応時に、アニオン性界面活性剤を併用しているので、実施例1よりも微粒化が可能であった。さらに、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
Figure 0003990071
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、感度が印字時の環境湿度に依存し難いとともに、透明性の高い感熱記録材料を提供することができる。

Claims (7)

  1. 支持体と、その上に、マイクロカプセルを含有する感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記マイクロカプセルを形成しているカプセル壁剤が、少なくともイソホロンジイソシアネート系化合物を含有するとともに、前記マイクロカプセルのカプセル化反応の際に用いられる保護コロイドが、末端疎水化ポリビニルアルコールであり、
    前記マイクロカプセルの内部に発色成分が内包され、かつ、前記感熱記録層の内部で前記マイクロカプセルの外部に、前記発色成分と反応して発色させる化合物が含まれることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 支持体と、その上に、マイクロカプセルを含有する感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記マイクロカプセルが、少なくともイソホロンジイソシアネート系化合物を含有するカプセル壁剤を、末端疎水化ポリビニルアルコールを含有する液中でカプセル化反応させてなり、
    前記マイクロカプセルの内部に発色成分が内包され、かつ、前記感熱記録層の内部で前記マイクロカプセルの外部に、前記発色成分と反応して発色させる化合物が含まれることを特徴とする感熱記録材料。
  3. 前記発色成分が電子供与性染料前駆体であり、かつ、前記発色成分と反応して発色させる化合物が電子受容性化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記発色成分が光分解性ジアゾ化合物であり、かつ、前記発色成分と反応して発色させる化合物がカプラーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  5. カプセル壁剤が、イソホロンジイソシアネートの3量体を20重量%以上含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の感熱記録材料。
  6. カプセル化反応の際に、界面活性剤を使用することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の感熱記録材料。
  7. 界面活性剤がアニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項に記載の感熱記録材料。
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