[go: up one dir, main page]

JP3989983B2 - 光源保護カバー用色調保持性シート - Google Patents

光源保護カバー用色調保持性シート Download PDF

Info

Publication number
JP3989983B2
JP3989983B2 JP17546896A JP17546896A JP3989983B2 JP 3989983 B2 JP3989983 B2 JP 3989983B2 JP 17546896 A JP17546896 A JP 17546896A JP 17546896 A JP17546896 A JP 17546896A JP 3989983 B2 JP3989983 B2 JP 3989983B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light source
sheet
color tone
chromaticity coordinates
transparent resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17546896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09147613A (ja
Inventor
修司 保科
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP17546896A priority Critical patent/JP3989983B2/ja
Publication of JPH09147613A publication Critical patent/JPH09147613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3989983B2 publication Critical patent/JP3989983B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露出した光源を保護するカバー用シートに関し、詳しくは各種色調の光源の点灯時に光源本来の色調を損なうことがないと共に、消灯時に光源の影を映す等によって色調が損なわれることがなく、かつ光透過性と光拡散性に優れた光源保護カバー用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光源からの光を充分に透過させて光源エネルギーを供給すると同時に、光を均一に拡散して直接光源が観察者の目に触れるのを防止する光源保護カバーの使用例としては、家庭用及び施設用照明カバー、各種ディスプレイ、表示用看板等が挙げられる。従来より、これらの部材に関しては、任意の形状に成形することができ、かつ光源の光量をより透過及び拡散させる機能が要求されており、透明樹脂中に屈折率の異なる微粒子を分散させた高透過高拡散性材料の検討が行われている。例えば、メタクリル樹脂中にガラス等の無機粉末を分散させた樹脂組成物(特開昭54−155244号公報)や、透明樹脂に特定の構造と粒径を有するシリコーン樹脂を含有させた樹脂板(特開平1−172801号公報)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの先行技術により開示されている光拡散性樹脂は、光源保護カバーとして光源の輝度を最大限に利用し、かつ光源の輪郭が透けずに均一な明るさを持つ面を得ることが目的であり、光源保護カバー材料としての色調に関する検討は行われていない。つまり、上記2件の材料の色調はいわゆる乳白色であるが、光源カバーとして使用すると、光源点灯時に光源本来の色調が変化してしまったり、消灯時に内部の光源の影を映し出して黒ずみ、色調が損なわれて外観が低下する等の問題がある。
【0004】
近年の照明器具は、エネルギーの有効活用が叫ばれる社会環境の中で、低電力高輝度タイプの光源の使用が進んでいるが、同時に快適な空間を創り出す手段として注目されており、室内インテリアとの調和、ギャラリー施設や店舗での演出、建造物のライトアップによる景観向上等、生活環境を豊かにする商品として位置付けられている。特に、演出性の高い照明に対するニーズは大きく、各種色調を有する光源が豊富に提示されており、これらの光源の色調を損なうことがないと共に、消灯時にも変わらぬ色調を維持できる光源保護カバー材料が求められている。
【0005】
本発明は、露出した光源を保護するカバー用シートに関し、詳しくは各種色調の光源の点灯時に光源本来の色調を損なうことがないと共に、消灯時に光源の影を映す等によって本来の色調が損なわれることがなく、かつ光透過性と光拡散性に優れた光源保護カバー用色調保持性シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、透明樹脂を主体とし、かつ特定の形状及び重量平均粒径を有する白色系微粒子を含有したシートが、JIS・Z−8720で規定された三種類の標準光源(A、C、D65)を用いて測定した透過光の色度座標について特定の関係を満たす場合にのみ、上記目的を達成できることを見い出して本発明を完成したものである。
【0007】
即ち本発明は、透明樹脂を主体としと、該透明樹脂の成形温度で溶融せず、形状が実質的に略立方体でかつ重量平均粒径が0.1〜30μmの範囲にある一種類以上の白色系微粒子を含有し、かつJIS・Z−8720で規定された標準光源を用いて透過光の色度座標を測定した場合、各々の標準光源での測定値が全て下記式(I)及び(II)を同時に満足することを特徴とする光源保護カバー用色調保持性シートである。
【0008】
0.001≦|xL −xT |≦0.015 ……(I)
0.0005≦|yL −yT |≦0.02 ……(II)
(上記式中、xL 、yL は標準光源の色度座標、xT 、yT はシートの透過光の色度座標を示す。)
上記発明に於いて、JIS・Z−8720で規定された標準光源を用いて反射光の色度座標を測定した場合、各々の光源での測定値が全て下記式(III)及び(IV)を同時に満足することが更に好ましい。
【0009】
0.005≦|xL −xR |≦0.03 ……(III)
0.0005≦|yL −yR |≦0.035……(IV)
(上記式中、xL 、yL は標準光源の色度座標、xR 、yR はシートの反射光の色度座標を示す。)
【0010】
また、本発明に於いては、蛍光増白剤を0.001〜0.1重量部含有することが好ましく適用される。
【0011】
また、上記本発明のシートを基材層(A)とし、その片面もしくは両面に透明樹脂を主体とする表面層(B)が設けられた構成も好ましく適用される。
【0012】
更に、本発明に於いては、上記透明樹脂としてメタクリル樹脂が好ましく適用される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、透明樹脂を主体とするとは、50重量%以上の透明樹脂が含まれていることを言う。また、本発明に用いられる透明樹脂とは、JIS・K−7105に準じて測定した曇り度が10%以下となる物質として定義される。具体的にはメタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。透明樹脂として特に好ましく採用されるものは、メタクリル樹脂である。
【0014】
本発明で用い得るメタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルを主体とする樹脂が挙げられ、これにはメチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートとこれと共重合可能な一種以上のモノマーとの共重合体、耐熱性アクリル樹脂、低吸湿性アクリル樹脂等が含まれる。これらは単独で用いても良いし、ブレンドしても良い。また、メチルメタクリレートと共重合可能なモノマーとしては、メチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルピリジン、ビニルモルホリン、ビニルピリドンテトラヒドロフルフリルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、グリセリンモノアクリレート、無水マレイン酸、スチレン、もしくはα−メチルスチレン等が挙げられる。透明性を維持して耐衝撃性を同時に持たせるためには耐衝撃性アクリル樹脂が用いられ、そのゴム弾性体は特開昭53−58554号公報、同55−94917号公報、同61−32346号公報等に開示されている。簡単に説明すると、アクリル系重合体芯材料のまわりに弾性層及び非弾性層を交互に生成させる多段階逐次重合法により製造される多段重合体である。
【0015】
本発明に用いられる白色系微粒子は、上記透明樹脂の成形温度に於いて溶融しないことが必要である。透明樹脂の成形温度に於いて溶融しないことにより、透明樹脂中に分散させた時に白色系微粒子の形状及び粒径等の形態が保たれ、安定した色調と光学特性を示す光源保護カバー用シートが得られる。
【0016】
本発明に用いられる白色系微粒子の形状は、実質的に略立方体であることが必要である。即ち、該白色系微粒子の実体像を一般的な光学顕微鏡又は電子顕微鏡にて観察し、実質的に略立方体を呈する粒子が観察像中の全粒子の60%以上の割合で存在していることが好ましい。但し、略立方体とは、ほぼ等面積の6つの面が構成されており、それらの面同士の角は直角でも斜めでも良く、また面間の境界の辺が多少削れた形状も、頂点の角が多少削れて丸まった形状も含まれると定義する。白色系微粒子の形状が実質的に略立方体である場合、透明樹脂中に分散させた時に透過光及び反射光の色調の差が小さくなり、各種光源にて光源本来の色調が発現されるという、驚くべき効果を持つ光源保護カバー用シートが得られるものである。
【0017】
本発明に用いられる白色系微粒子は、重量平均粒径が0.1〜30μmの範囲にあることが必要である。白色系微粒子の粒径分布は、公知の光透過式沈降粒度分布測定法等により測定することができ、得られる粒径分布から重量平均粒径を求めることができる。重量平均粒径が0.1〜30μmの範囲に入らない場合は、粒子を分級して前記範囲に入るようにすれば使用することができる。白色系微粒子の重量平均粒径が0.1〜30μmの範囲にある場合、透明樹脂中にて各粒子の界面における可視光線の屈折、反射が有効に生じ、光透過性と光拡散性に優れた光源保護カバー用シートが得られる。
【0018】
本発明に用いられる白色系微粒子の具体例としては、炭酸カルシウム、沸化カルシウム、沸化カリウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、結晶形シリカ、不定形シリカ、ガラスフレーク、ガラス繊維、アルミナ、マイカ、タルク、クレー等の無機物質粒子、及び架橋スチレン系重合体、架橋アクリル系重合体、架橋スチレン−アクリル系共重合体、架橋スチレン−ブタジエン系共重合体、架橋シロキサン系重合体、架橋ウレタン系重合体等の有機化合物粒子等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いが、二種以上を組合せで使用しても良い。
【0019】
本発明に用いられる白色系微粒子の使用量は、透明樹脂100重量部に対して一種類以上の白色系微粒子の合計含有量が0.1〜30重量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜20重量部である。この範囲にある時、透明樹脂中に分散させた時の光学特性、特に全光線透過率を極端に低下させることなく色調の調整が可能となり、好ましい光源保護カバー用シートが得られる。
【0020】
本発明に於いては、更に蛍光増白剤を透明樹脂中に含有させると、上記白色系微粒子との併用効果によって色調が更に安定し、各種光源にて本来の色調を発現するという驚くべき効果を持つ光源保護カバー用シートが得られる点で好ましい。該蛍光増白剤の含有量は、透明樹脂100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範囲にあることが好ましい。
【0021】
本発明の光源保護カバー用シートの構造は、透明樹脂を主体とし、その中に上記白色系微粒子を含有する単層構造でも良いし、該単層シートを基材層(A)としてその片面もしくは両面に透明樹脂を主体とする表面層(B)が形成された多層構造も好ましく適用される。透明樹脂を主体とする表面層(B)を形成することにより、該シートの色調を微調整することができる点や、該シート表面に帯電防止性、導電性、撥水性、外光反射性、表面艶消し性、表面光沢性、表面硬化性、耐溶剤性、防曇性等のあらゆる種類の機能を付与することができる点で好ましい。白色微粒子を含有する透明樹脂を主体とする層は、単層で用いる場合は、透明樹脂を60%以上含んでいることが好ましく、基材層(A)として用いる場合は、透明樹脂を70重量%以上含んでいることが好ましい。上記表面層(B)は、透明樹脂を60重量%以上含んでいることが好ましい。また、本発明の光源保護カバー用シートは、単層、多層共に厚みが0.1〜10mmであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5mmである。
【0022】
上記表面層(B)の透明樹脂としては、光源保護カバーに使用した時の表面の質感や高級感に優れ、かつ加工性に優れるという点で、メタクリル樹脂が好ましく用いられる。また、基材層(A)と表面層(B)の透明樹脂は、同一のものでも異なるものでも良いが、両者間の接着性が向上する点で同種のものであることが好ましい。
【0023】
本発明の多層構造の光源保護カバー用シートに於いては、上記基材層(A)と表面層(B)の厚みが重要である。
【0024】
即ち、シート全体の厚みを1とした場合の基材層(A)の厚みは0.1〜1、更に好ましくは0.5〜1である必要がある。全シート厚みに対する基材層(A)の厚みの比率が0.5〜1の範囲にあれば、基材層(A)の色調及び光学特性により光源保護カバー用シートの特性が決定され、層構造にとらわれることなく多種多様な光源保護カバー用シートの設計が可能となるので好ましい。
【0025】
また、上記基材層(A)の厚みtA に対する表面層(B)の厚みtB の比率tA /tB は5〜90、更に好ましくは20〜90の範囲にある必要がある。基材層(A)の厚みtA に対する表面層(B)tB の厚みの比率tA /tB が20〜90の範囲にあれば、表面層(B)は光源保護カバーシートの色調及び光学特性に殆ど影響を及ぼすことがないので好ましい。
【0026】
本発明の光源保護カバー用シートの製造方法は、透明樹脂中に白色系微粒子を均一に分散させることができる方法が好ましく、例えば重合性単量体もしくは部分重合した重合性単量体のシラップ中に該粒子を分散させて重合する方法、又は予め重合しておいた透明樹脂に該粒子を混合・溶融混練して押出す方法等により得た一種類以上の樹脂組成物を原料として、各種成形法により得ることができる。
【0027】
平滑なシート、波形のシート及びプリズム形のシートを得る方法としては、Tダイによる押出シート成形法が一例として挙げられる。当該シートは、真空成形、圧空成形、スタンパブル成形等の方法により二次加工し、光源保護カバーとして使用することができる。更に、環状ダイによる異形押出成形、ブロー成形、射出成形、圧縮成形等の方法でも本発明の光源保護カバー用シートを得ることができる。
【0028】
多層構造のシートを得るには、二種類以上の樹脂組成物を同時に溶融し押し出す共押出成形方法、二種類の樹脂組成物の一方を単層押出しながら予め成形された他方をラミネートする方法、二種類の樹脂組成物を予め成形した後プレスして熱圧着する方法、連続的に重ねて貼り合わせる方法、真空成形、圧空成形時に積層する方法等がある。
【0029】
本発明の光源保護カバー用シートには、その色調、光学特性、及びその他物性を損なわない範囲において、他の成分、例えば補強剤、充填剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤等のあらゆる種類の添加剤をシート原料の製造時やシートの成形過程等、製造する任意の過程において含有させることができる。
【0030】
本発明に於いて、JIS・Z−8720で規定された標準光源を用いた透過光及び反射光の色度座標の測定は、JIS・Z−8722法に準じた市販の測定機を用いて行うことができる。
【0031】
以上の様にして製造された光源保護カバー用シートにて、JIS・Z−8720で規定された標準光源三種類を用いて透過光の色度座標を測定した場合、各々の標準光源の色度座標(xL 、yL )と該シートの透過光の色度座標(xT 、yT )との関係が、全ての標準光源に於いて下記式(I)及び(II)を同時に満足する場合、本発明は達成される。
【0032】
0.001≦|xL −xT |≦0.015 ……(I)
0.0005≦|yL −yT |≦0.02 ……(II)
更に、上記シートに於いて、上記標準光源三種類を用いて反射光の色度座標を測定した場合、各々の標準光源の色度座標(xL 、yL )と該シートの反射光の色度座標(xR 、yR )との関係が、全ての標準標準光源に於いて下記式(III)及び(IV)を同時に満足する場合、より好ましく本発明は達成される。
【0033】
0.005≦|xL −xR |≦0.03 ……(III)
0.0005≦|yL −yR |≦0.035……(IV)
【0034】
【実施例】
以下、実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。なお、各実施例、比較例で用いた評価及び試験方法は次の通りである。
【0035】
(1)白色系微粒子の形状観察:白色系微粒子を約0.01g採取し、カーボン蒸着し、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製「S−530型」)にて3000倍の倍率にて形状を観察する。
【0036】
(2)白色系微粒子の粒径分布の測定:白色系微粒子を界面活性剤水溶液中に超音波で分散させ、遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所社製「CAPA−700型」)を用いて、光透過式沈降粒度分布測定法により粒径分布を測定する。得られた粒径分布から、重量平均粒径Dd を求める。
【0037】
(3)色度座標の測定:JIS・Z−8722法に準じて、東京電色工業社製「TC−1800型」オートマチックカラーアナライザーを用いて、標準光源の色度座標xL 、yL と、シート試験片の透過光の色度座標xT 、yT 、及び反射光の色度座標xR 、yR を測定する。標準光源にはA光源、C光源、D65光源の三種類を用いて評価を実施する。評価結果を簡略に表現するために、各々の色度座標の差の絶対値をΔxT =|xL −xT |、ΔyT =|yL −yT |、ΔxR =|xL −xR |、ΔyR =|yL −yR |として示す。
【0038】
(4)蛍光ランプの色調評価:JIS・C−7601で規定された一般照明用蛍光ランプ三種(電球色(L)、昼白色(N)、昼光色(D))にシート試験片を実装し、ランプを点灯及び消灯させた時の色調を目視で評価する。評価結果に於いて、○印は点灯及び消灯時の何れも蛍光ランプの色調を損なわない状態、×印は点灯又は消灯時のどちらかで色調が変化してしまう状態を表す。三種類のランプ全てに問題なく使用できる色調の場合、判定を◎、一種類でも使用上の問題がある場合、判定を×とする。
【0039】
(5)光透過性、光拡散性の評価:JIS・K−7105法に準じて、日本電色工業社製「1001−DP型」ヘイズメーターを用いて、試験片の全光線透過率及びヘイズを測定する。
【0040】
また、各実施例及び比較例で用いた材料は以下のようにして調製したものを用いた。
【0041】
白色系微粒子の調整:
表1に示した各種の白色系微粒子について、上記(1)の方法により形状を確認する。また、粒子の沈降速度の差を利用した沈降分級法と遠心分級法を組み合わせた方法で分級を行い、その後上記(2)の方法で粒子径分布を測定し、得られた分布から重量平均粒径を求める。形状、及び重量平均粒径の結果を表1に示す。
【0042】
光源保護カバー用シート原料の調整:
表1に示した通りに、メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)、白色系微粒子、及びその他成分を配合し、タンブラーを用いて均質に混合後ベント付き押出機30mmφ二軸押出機にて樹脂温度250℃で溶融混練してペレット化し、原料(A−1)〜(A−6)を得る。
【0043】
同様に、表2に示した通りに、メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と、その他成分を配合し、タンブラーを用いて均質に混合後ベント付き押出機30mmφ二軸押出機にて樹脂温度250℃で溶融混練してペレット化し、原料(B−1)〜(B−3)を得る。
【0044】
実施例1〜2
表3に示した通りに、第一押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=32、単軸)のフィード口には基材層(A)用として、第二押出機(スクリュー径25mmφ、L/D=32、単軸)のフィード口には表面層(B)用として原料を投入し、フィードブロックダイ、及びポリッシングロール3本から成るユニットを用いて共押出シート成形を行い、幅280mmの3層シートを作成した。得られたシートは、基材層(A)の両面に表面層(B)が積層された構成を示した。各樹脂層の厚みは二機の押出機の吐出量バランスで調整した。シート全体の厚みは、ポリッシングロールのクリアランスで2.0mmを目標に調整した。該シートを試験片として上記(3)〜(5)の評価を行った。結果を表4、表5に示す。
【0045】
標準光源と試験片の透過光の色度差は、何れの光源に於いてもΔxT =0.001〜0.015、ΔyT =0.0005〜0.02の範囲内にあり、非常に好ましいものであった。また、反射光の色度差も何れの光源に於いてもΔxT =0.005〜0.03、ΔyT =0.0005〜0.03の範囲内にあり、好ましいものであった。また、蛍光ランプ三種何れを用いてもその色調を損なうことがなく、全てのランプにて問題なく使用できるので、判定は◎であった。更に、全光線透過率は53〜55%、ヘイズは93%で光透過性と光拡散性のバランスも保たれていて、この点においても好ましいものであった。
【0046】
実施例3〜4
第一の押出機のみを起動させること以外は全て実施例1〜2と同じ方法にて、表3に示した基材層(A)用原料のみから成る単層シートを得た。該シートを試験片として上記(3)〜(5)の評価を行った。結果を表4、表5に示す。
【0047】
標準光源と試験片の透過光の色度差は何れの光源に於いてもΔxT =0.001〜0.015、ΔyT =0.0005〜0.02の範囲内にあり、非常に好ましいものであった。また、反射光の色度差も何れの光源に於いてもΔxT =0.005〜0.03、ΔyT =0.0005〜0.03の範囲内にあり、好ましいものであった。また、蛍光ランプ三種何れを用いてもその色調を損なうことがなく、全てのランプにて問題なく使用できるので、判定は◎であった。更に、全光線透過率は54〜58%、ヘイズは93%で光透過性と光拡散性のバランスも保たれていて、この点においても好ましい。
【0048】
比較例1〜2
表3に示したように、基材層(A)用原料と表面層(B)用原料を変更する以外は全て実施例1〜2と同様の方法にて3層シートを得た。得られたシートは、基材層(A)の両面に表面層(B)が積層された構成を示あいた。該シートを試験片として上記(3)〜(5)の評価を行った。結果を表4、表5に示す。
【0049】
比較例1では、C光源とD65光源に於いて標準光源と試験片の透過光の色度差ΔxT が0.001〜0.015の範囲に入らず、好ましいものではなかった。また、D色蛍光ランプに設置した場合、その色調が損なわれてしまい、判定は×であり、好ましいものではなかった。
【0050】
比較例2では、A光源とD65光源に於いて標準光源と試験片の透過光の色度差ΔxT が0.001〜0.015の範囲に入らず、好ましいものではなかった。また、L色蛍光ランプとD色蛍光ランプに設置した場合、その色調が損なわれてしまい、判定は×であり、好ましいものではなかった。更に、全光線透過率が44%と低く、光透過性と光拡散性のバランスが悪く、この点においても好ましいものではなかった。
【0051】
比較例3〜4
表3に示したように、基材層(A)用原料を変更する以外は全て実施例3〜4と同様の方法にて、基材層(A)用原料のみから成る単層シートを得た。該シートを試験片として上記(3)〜(5)の評価を行った。結果を表4、表5に示す。
【0052】
比較例3では、C光源とD65光源に於いて標準光源と試験片の透過光の色度差ΔxT が0.001〜0.015の範囲に入らず、好ましいものではなかった。また、三種類すべての蛍光ランプに設置した場合、その色調が損なわれてしまい、判定は×であり、好ましいものではなかった。更に、ヘイズが89%と低く、光透過性と光拡散性のバランスが悪く、この点においても好ましいものではなかった。
【0053】
比較例4では、A光源に於いて標準光源と試験片の透過光の色度差ΔxT が0.001〜0.015の範囲に入らず、好ましいものではなかった。また、三種類すべての蛍光ランプに設置した場合、その色調が損なわれてしまい、判定は×であり、好ましいものではなかった。更に、全光線透過率が91%と高く、光透過性と光拡散性のバランスが悪く、この点においても好ましいものではなかった。
【0054】
【表1】
Figure 0003989983
【0055】
【表2】
Figure 0003989983
【0056】
【表3】
Figure 0003989983
【0057】
【表4】
Figure 0003989983
【0058】
【表5】
Figure 0003989983
【0059】
【発明の効果】
本発明の光源保護カバー用色調保持性シートは、露出した光源を保護し、光源が発する光を有効に透過及び拡散させると共に、各種光源に於いて点灯時にその色調を損なわなず、しかも消灯時に光源の影映りによる色調変化も生じないことから、各種光源に共通して使用できる外観に優れたものであって、極めて有用である。

Claims (5)

  1. 透明樹脂を主体とし、該透明樹脂の成形温度で溶融せず、形状が実質的に略立方体でかつ重量平均粒径が0.1〜30μmの範囲にある一種類以上の白色系微粒子を含有しており、かつJIS・Z−8720で規定された標準光源を用いて透過光の色度座標を測定した場合に、各々の標準光源での測定値が全て下記式(I)及び(II)を同時に満足することを特徴とする光源保護カバー用色調保持性シート。
    0.001≦|xL −xT |≦0.015 ……(I)
    0.0005≦|yL −yT |≦0.02 ……(II)
    (但し、xL 、yL は標準光源の色度座標、xT 、yT はシートの透過光の色度座標を表す。)
  2. 請求項1に記載のシートに於いて、更にJIS・Z−8720で規定された標準光源を用いて反射光の色度座標を測定した場合に、各々の標準光源での測定値が全て下記式(III)及び(IV)を同時に満足することを特徴とする光源保護カバー用色調保持性シート。
    0.005≦|xL −xR |≦0.03 ……(III)
    0.0005≦|yL −yR |≦0.035……(IV)
    (但し、xL 、yL は標準光源の色度座標、xR 、yR はシートの反射光の色度座標を表す。)
  3. 蛍光増白剤を0.001〜0.1重量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載された光源保護カバー用色調保持性シート。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載されたシートを基材層(A)とし、その片面もしくは両面に透明樹脂を主体とする表面層(B)が設けられたことを特徴とする光源保護カバー用色調保持性シート。
  5. 透明樹脂がメタクリル樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の光源保護カバー。
JP17546896A 1995-09-18 1996-06-17 光源保護カバー用色調保持性シート Expired - Fee Related JP3989983B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17546896A JP3989983B2 (ja) 1995-09-18 1996-06-17 光源保護カバー用色調保持性シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23865395 1995-09-18
JP7-238653 1995-09-18
JP17546896A JP3989983B2 (ja) 1995-09-18 1996-06-17 光源保護カバー用色調保持性シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09147613A JPH09147613A (ja) 1997-06-06
JP3989983B2 true JP3989983B2 (ja) 2007-10-10

Family

ID=26496730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17546896A Expired - Fee Related JP3989983B2 (ja) 1995-09-18 1996-06-17 光源保護カバー用色調保持性シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3989983B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4017303B2 (ja) * 1999-09-30 2007-12-05 日東電工株式会社 磁気ヘッドサスペンションの製造方法および磁気ヘッドサスペンション用の金属基板の検査方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58141232A (ja) * 1982-02-17 1983-08-22 Asahi Chem Ind Co Ltd 防眩効果のすぐれた表面艶消しアクリル樹脂板
JP2994687B2 (ja) * 1990-05-11 1999-12-27 株式会社クラレ アクリル樹脂多層板
JPH06111612A (ja) * 1992-09-25 1994-04-22 Sumitomo Chem Co Ltd 照明用樹脂板状体
JPH079884A (ja) * 1993-02-09 1995-01-13 Asahi Glass Co Ltd ヘッドアップディスプレイおよびそれに用いるコンバイナー

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09147613A (ja) 1997-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI336407B (en) Multi-layered light diffusion plate and liquid crystal display device comprising the same
JPH11105207A (ja) 光拡散性積層樹脂板
US20090233012A1 (en) Light Diffusion Plate for Liquid Crystal Display
KR100994909B1 (ko) 내열성이 향상된 다층구조 광확산판 및 그를 포함하는 액정디스플레이 장치
CN1985192A (zh) 光反射体及使用该光反射体的面光源装置
JPH0418346A (ja) アクリル樹脂多層板
JP3989983B2 (ja) 光源保護カバー用色調保持性シート
JPH1160966A (ja) 光拡散性樹脂組成物
JP2000169722A (ja) 光拡散性熱可塑性樹脂組成物及びその成形体
JP2000239407A (ja) 光拡散性及び色調に優れた照明カバー用樹脂シート
JPH1044285A (ja) 照明機器カバー用光拡散性樹脂積層板及び照明機器カバー
WO2016088701A1 (ja) 透視可能な積層体、それを備えた反射型スクリーン、およびそれを備えた画像投影装置
JP4190649B2 (ja) 耐衝撃性光拡散樹脂板
JP2006106185A (ja) 光拡散性多層板
JPH10202760A (ja) 光源保護カバー用色調シート
JPH11227115A (ja) 磨りガラス調表面を有する樹脂積層板
JP2005276566A (ja) 照明カバー及びその製造方法
JP4866075B2 (ja) 光反射体およびそれを用いた面光源装置
JP4325753B2 (ja) 反射フィルム及び液晶表示装置
JPH0632973A (ja) 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物
JP5341053B2 (ja) 光拡散性積層樹脂板およびその製造方法
JP2000296581A (ja) 耐衝撃性に優れた光拡散樹脂板
JPH11170449A (ja) クリスタル調磨りガラス外観のアクリル系樹脂積層板
JP2007153959A (ja) 光拡散板用樹脂組成物及び光拡散板
JPH1012023A (ja) 光源保護カバー用表面艶消し性シート

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070719

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130727

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees