JP3987399B2 - 定着装置及び該定着装置を有する画像形成装置 - Google Patents
定着装置及び該定着装置を有する画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無端状の定着ベルトと、該定着ベルトに圧接する加圧部材とを具備し、加熱されて走行駆動される定着ベルトと加圧部材との圧接部に、トナー像を担持した記録材を、そのトナー像が定着ベルト表面に接する向きにして通過させ、このとき記録材上のトナー像のトナーを熱によって溶融し、該記録材が前記圧接部を通過した後も、トナーを定着ベルト表面に密着させ、該トナーを冷却しながら記録材を搬送し、次いで記録材上のトナー像を定着ベルト表面から剥離して、記録材を定着ベルト表面から分離する定着装置と、該定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される画像形成装置に上記形式の定着装置を採用することは従来より公知である(例えば、特開平5−19646号公報参照)。この定着装置は、定着ベルトと加圧部材との圧接部を通過した記録材上のトナーを定着ベルトに密着させたまま記録材を搬送し、その搬送過程で定着ベルト自体の温度低下により、トナーを冷却してその粘度を高め、その後、トナー像を定着ベルト表面から剥離するので、高温となったトナーが定着ベルトに移行する現象、すなわち高温オフセットの発生を効果的に抑制し、ないしは防止することができる。
【0003】
ところで、画像形成装置によって形成された画像、特にカラー画像には、一般に、高い光沢度が要求され、光沢度が高い画像が高品質画像であるとされている。これは、画像形成装置によって、コンピュータからの写真画像や、銀塩写真のコピーなどの高い光沢度が要求される画像が出力される機会が多いためと考えられる。その一方、光沢度が低いほうが見やすい画像、例えばビジネスユースのカラーグラフや文字画像、或いはCAD図面などをプリントするためにも画像形成装置が利用されており、この場合には、光沢度の低い画像が好まれる。このように、出力された画像の光沢度に対するユーザの要望は一定しておらず、その都度変わるものである。
【0004】
そこで、冒頭に記載した形式の定着装置において、定着ベルトと加圧部材との圧接部を通過した定着ベルト部分に風を当てることにより、記録材上のトナーを冷却し、しかもその風量を変化させて、トナー像の冷却の程度を調整し、定着後のトナー像の光沢度を変化させることを可能とした定着装置が提案されている(特開平11−242399号公報参照)。ところが、この定着装置においては、定着ベルトに風を当てることにより、記録材上のトナーを冷却するので、そのトナーの温度を所望するところまで下げることが難しく、ユーザの要望する光沢度の画像を得ることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構成によって、ユーザの要望する光沢度の画像を形成できる定着装置、及びその定着装置を有する画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の定着装置において、前記圧接部を通過後の記録材上のトナーを冷却するために、内部に熱媒体の入った中空な冷却部材を、前記圧接部よりも定着ベルト移動方向下流側の定着ベルト部分の裏面側に配置し、定着後のトナー像の光沢度を調整すべく、前記冷却部材が前記記録材上のトナーから奪う熱量を変化させることができるように構成し、前記定着ベルトは、記録材が搬入される側の入口側ベルト支持部材と、記録材が排出される側の出口側ベルト支持部材の少なくとも2つのベルト支持部材に掛け渡され、前記出口側ベルト支持部材が前記冷却部材として構成され、該出口側ベルト支持部材に接触する定着ベルト部分の表面から記録材が離れる位置を変化させる記録材分離位置調整手段を設けたことを特徴とする定着装置を提案する(請求項1)。
【0012】
また、上記請求項1に記載の定着装置において、少なくとも1つの冷却部材に接触しながら移動する定着ベルトの走行速度を変化させることができるように構成すると有利である(請求項2)。
【0013】
さらに、上記請求項1又は2に記載の定着装置において、前記冷却部材は、放熱部を有するヒートパイプによって構成されていると有利である(請求項3)。
【0014】
また、上記請求項3に記載の定着装置において、前記放熱部に冷却空気を送る送風手段を有し、該送風手段から送り出される冷却空気の流量を調整可能に構成すると有利である(請求項4)。
【0015】
さらに、上記請求項3又は4に記載の定着装置において、前記放熱部に冷却空気を送る送風手段を有し、該送風手段から送り出される冷却空気が前記放熱部に当たる範囲を変更可能に構成すると有利である(請求項5)。
【0016】
また、上記請求項3乃至5のいずれかに記載の定着装置において、ヒートパイプより成る前記冷却部材は、放熱面積の異なった複数の放熱部を有し、該複数の放熱部に選択的に冷却空気を送る送風手段を設けると有利である(請求項6)。
【0017】
さらに、上記請求項1又は2に記載の定着装置において、前記冷却部材は、内部に冷却水が流通する冷却管より成ると有利である(請求項7)。
【0018】
また、上記請求項7に記載の定着装置において、冷却水を貯留した冷却水槽を有し、該冷却水槽内の冷却水を冷却管より成る前記冷却部材に供給し、該冷却部材の内部を流通した冷却水を前記冷却水槽に戻すように構成すると有利である(請求項8)。
【0019】
さらに、上記請求項8に記載の定着装置において、前記冷却水槽は、前記定着ベルトの下方に位置し、該冷却水槽内の冷却水を前記冷却部材に汲み上げるポンプを設けると有利である(請求項9)。
【0020】
また、上記請求項8に記載の定着装置において、前記冷却水槽は、前記定着ベルトの上方に位置し、前記冷却部材の内部の冷却水が、前記定着ベルトから与えられた熱により暖められて、前記冷却水槽へ移動して循環するように構成すると有利である(請求項10)。
【0021】
さらに、上記請求項8乃至10のいずれかに記載の定着装置において、前記冷却水槽に貯留された冷却水の温度を調節する温度調節手段を具備すると有利である(請求項11)。
【0022】
また、上記請求項11に記載の定着装置において、前記温度調節手段が、冷却水槽に貯留された冷却水を加熱するヒータと、該冷却水を冷却するクーラーの少なくとも一方を具備すると有利である(請求項12)。
【0023】
さらに、上記請求項7乃至12のいずれかに記載の定着装置において、前記冷却管より成る冷却部材内に冷却水供給管が挿入され、該冷却部材の内部に位置する冷却水供給管部分には、複数の貫通孔が形成され、該冷却水供給管内に流入した冷却水が前記貫通孔を通して冷却部材内に供給されるように構成すると有利である(請求項13)。
【0024】
また、上記請求項7乃至13のいずれかに記載の定着装置において、前記冷却管より成る冷却部材の内部に流入した冷却水が、該内部において蛇行して流れるように、冷却部材内に複数の邪魔部材が設けられていると有利である(請求項14)。
【0025】
さらに、本発明は、上記目的を達成するため、記録材にトナー像を形成する作像手段と、該トナー像を記録材に定着する定着装置とを具備し、該定着装置として、請求項1乃至14のいずれかに記載の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項15)。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0027】
図1は画像形成装置の一例であるカラープリンタの一部を示す概略図である。ここに示した画像形成装置は、記録材にトナー像を形成する作像手段1と、そのトナー像を記録材に定着する定着装置2とを有している。先ず作像手段1の概略を明らかにする。
【0028】
図1に示した作像手段1は、ドラム状の感光体として構成された第1乃至第4の像担持体3Y,3M,3C,3BKを有し、その各像担持体上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。第1乃至第4の像担持体3Y乃至3BKに対向して転写ベルト4が配置され、この転写ベルト4は、駆動ローラ5と従動ローラ6に巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される。
【0029】
第1乃至第4の各像担持体3Y,3M,3C,3BK上にトナー像を形成する構成と、その作用は実質的に全て同一であるため、第1の像担持体3Yにトナー像を形成する構成だけを説明する。この像担持体3Yは図1における時計方向に回転駆動され、このとき帯電ローラ7によって像担持体表面が所定の極性に均一に帯電される。次いでその帯電面に、レーザ書き込みユニット8から出射する光変調されたレーザビームLが照射される。これによって像担持体3Y上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置9によってイエロートナー像として可視像化される。
【0030】
一方、図示していない給紙部から、例えば転写紙又は樹脂シートや樹脂フィルムなどから成る記録材Pが給送され、その記録材Pが、矢印Bで示すように、像担持体3Yと転写ベルト4の間に送り込まれ、転写ベルト4に担持されて搬送される。転写ベルト4を挟んで、像担持体3Yにほぼ対向する位置には転写ローラ10が配置され、その転写ローラ10に対し、像担持体3Y上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、これによって像担持体3Y上のイエロートナー像が記録材P上に転写される。記録材Pに転写されず、像担持体3Y上に残された転写残トナーは、クリーニング装置11によって除去される。
【0031】
全く同様にして、第2乃至第4の像担持体3M,3C,3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、イエロートナー像の転写された記録材P上に順次重ねて転写される。このようにして4色の未定着トナー像を担持した記録材Pは、矢印Cで示すように定着装置2に送り込まれ、該定着装置2を通過する。このときそのトナー像が記録材P上に定着され、該定着装置2を通過した記録材は図示していない排紙トレイ上に排出される。
【0032】
図2は定着装置2の一例を示す拡大断面図であり、ここに示した定着装置2は無端状の定着ベルト12を有している。この定着ベルト12は、複数のベルト支持部材に巻き掛けられており、図2に示した例では、記録材Pが搬入される側の入口側ベルト支持部材の一例である入口側支持ローラ13と、記録材Pが排出される側の出口側ベルト支持部材の一例である出口側支持ローラ14とに、当該定着ベルト12が巻き掛けられている。定着ベルトを3以上のベルト支持部材に巻き掛けることもできる。
【0033】
また、定着ベルト12に対向して無端状の加圧ベルト15が配置され、この加圧ベルト15は、加圧部材の一例である加圧ローラ16と、出口側ローラ17とに巻き掛けられている。加圧ローラ16は、加圧ベルト15と定着ベルト12とを介して入口側支持ローラ13に圧接し、同じく出口側ローラ17は加圧ベルト15と定着ベルト12とを介して出口側支持ローラ14に圧接している。
【0034】
上述のように、図示した例では、加圧ローラ16が加圧ベルト15を介して定着ベルト12に圧接しているが、加圧ベルト15と出口側ローラ17を省略して加圧ローラ16を定着ベルト12の表面に直に圧接させてもよい。また図示した例では、入口側支持ローラ13に接触している定着ベルト部分に加圧ローラ16が圧接しているが、入口側支持ローラ13に接していない定着ベルト部分に加圧ローラ16を圧接させることもでき、さらに加圧ベルト15の代わりに、定着ベルト12に対向して位置する記録材案内板を用いることもできる。いずれの場合も、加圧部材は定着ベルト12の表面に直接又は他の部材を介して圧接する。
【0035】
入口側支持ローラ13の内部には、ヒータ18が配置され、このヒータ18によって入口側支持ローラ13を介して定着ベルト12が加熱される。また定着ベルト12の表面にはサーミスタ19が配置されていて、このサーミスタ19により定着ベルト表面の温度を検知し、その検知結果に基づいてヒータ18への通電がオン、オフ制御され、入口側支持ローラ13に接触する定着ベルト部分の表面温度がトナー像の定着に適した温度範囲に保たれる。ヒータを加圧ローラ16の内部に配置し、又は入口側支持ローラ13と加圧ローラ16の両者にヒータを内設してもよい。或いは定着ベルト12の外部に配置したヒータにより定着ベルトを加熱したり、後述するように磁気コイルなどの加熱手段により定着ベルトを加熱するように構成することもできる。
【0036】
各ローラ13,14,16,17はそれぞれ矢印方向に回転し、これに伴って定着ベルト12と加圧ベルト15は図2に矢印E,Fで示す方向にそれぞれ同期して走行駆動される。未定着トナー像Tを担持した記録材Pは、図1を参照して先に説明したように、矢印Cで示すように定着装置2に向けて搬送され、記録材ガイド121に案内されながら、定着ベルト12と加圧ベルト15との間に送り込まれる。このとき、そのトナー像Tが定着ベルト12の表面に接触する。このように、加熱されて走行駆動される定着ベルト12と、加圧部材の一例である加圧ローラ16との圧接部(ニップ部)Nに、トナー像Tを担持した記録材Pを、そのトナー像Tが定着ベルト表面に接する向きにして通過させるのである。このとき、記録材上のトナー像Tに圧力が加えられると共に、このトナー像のトナーに定着ベルト12から熱が与えられ、該トナーが熱によって溶融し、当該トナーが定着ベルト12の表面に密着する。このように、結着剤の主成分が樹脂より成るトナーが圧接部Nで溶融するので、記録材Pが圧接部Nを通過した後も、溶融したトナーは定着ベルト12の表面に密着し、記録材Pが定着ベルト12と加圧ベルト15との間に挟まれた状態で搬送される。記録材Pがこのように搬送される過程で、定着ベルト12が漸次冷却され、これによってトナーの温度が低下し、そのトナーの粘度が高まった状態で、記録材Pが定着ベルト12と加圧ベルト15との間から矢印Dで示すように排出される。このように、記録材Pが圧接部Nを通過した後も、トナーを定着ベルト表面に密着させ、該トナーを冷却しながら記録材Pを搬送し、次いで記録材上のトナー像を定着ベルト表面から剥離し、記録材Pを定着ベルト表面から分離するのである。
【0037】
以上説明した画像形成装置及びその定着装置2の基本構成は、後述する定着装置ないしは画像形成装置の各具体例に共通する構成である。
【0038】
定着装置の消費電力を抑えると共に、画像形成装置電源オン後の定着装置の立上げ時間を短縮できるように、融点の低いトナーを用い、例えば150℃以下という比較的低い温度でトナー像を定着できるように構成することが好ましい。このような低融点トナーは定着ベルトへのオフセットが発生しやすいのであるが、本例の定着装置2では、定着ベルト12と加圧ローラ16との圧接部Nを通過した後の記録材P上のトナーを定着ベルト12の表面に密着させて記録材Pを搬送し、そのトナーの温度が低下したところで、記録材Pを定着ベルト12から分離するので、トナーが定着ベルト表面に移行する現象、すなわち高温オフセットの発生を防止することができる。
【0039】
ここで、先にも説明したように、定着後のトナー像の光沢度に対するユーザの要望は一定しておらず、その都度変わるものである。例えば、写真画像には高い光沢度が要求され、逆に文字画像の場合には、その光沢度が低いほうが好まれる。従って、画像形成装置によって形成された画像の種類によって、その光沢度を変化させることが望ましい。
【0040】
そこで、本例の定着装置2においては、圧接部Nを通過後の記録材P上のトナーを冷却するために、内部に熱媒体の入った中空な冷却部材20が、圧接部Nよりも定着ベルト12の移動方向下流側の定着ベルト部分の裏面12Aの側に配置され、定着後のトナー像の光沢度を調整すべく、冷却部材20が記録材上のトナーから奪う熱量を変化させることができるように構成されている。記録材上のトナー像に接触する側の定着ベルト面がその表面であり、その表面の反対側の面が定着ベルトの裏面である。
【0041】
冷却部材20は、後述するように、熱を放出する放熱部を有するヒートパイプや、内部に冷却水が流通する冷却管などによって構成されている。いずれの場合も、冷却部材20は、アルミニウム又は銅などの熱伝導率の良好な材料によって構成されることが好ましく、また図示した例のように円筒状に形成されていることが望ましい。かかる冷却部材20は、上述の定着ベルト部分の裏面12Aの全幅に亘って接触し、定着ベルト12を介して、記録材上のトナーから熱を奪うことによって、記録材上のトナーの温度を低下させることができる。
【0042】
ここで、冷却部材20は、図示していない駆動装置によって上記定着ベルト部分の裏面12Aに、図2に示す如く接触する位置と、この裏面12Aから離間した位置との間を移動可能に支持されている。この駆動装置は、例えば、冷却部材20を支持する支持体(図示せず)に固定されたラックと、定着装置の図示していない枠体に回転自在に支持され、上記ラックに噛み合うピニオンとから構成することができ、当該ピニオンをモータにより回転駆動することにより、冷却部材20を矢印H方向に作動させ、冷却部材20を定着ベルト12の裏面12Aに接触させ、又は離間させることができる。この駆動装置として、例えばソレノイドや、カムなどから成る他の適宜な構成の装置を用いることもできる。
【0043】
ユーザが高光沢度の画像を望む場合には、冷却部材20が、図2に示すように、定着ベルト12の裏面12Aに接触する位置にもたらされ、その裏面12Aに強く圧接する。これにより、圧接部Nを通過した定着ベルト部分が、冷却部材20に接触しながら、その冷却部材20を通過するとき、冷却部材20によって定着ベルト12から多量の熱が奪われるので、この定着ベルト部分に密着したトナーから多量の熱が奪われ、該トナーが冷却され、トナー像が凝固する。冷却部材20と定着ベルト12との圧接力を強めることにより、定着ベルト12から冷却部材20へ熱を移行させやすくなり、しかも図示した例のように冷却部材20が円筒状に形成されていると、冷却部材20と定着ベルト12との圧接力を強めることによって、両者の接触面積が大きくなり、定着ベルト12の熱が冷却部材20に移行しやすくなる。
【0044】
記録材上のトナー像が圧接部Nを通過するとき、そのトナーが110℃に加熱されて溶融した場合、冷却部材20の冷却作用によって、そのトナー像面の温度が60℃まで下げられ、これによって定着装置2から排出された記録材上のトナー像の光沢度を35〜45%程度にすることができる。圧接部Nを通過したトナー像の温度を大きく下げることにより、そのトナー像が定着ベルト12の表面から剥離するとき、トナーが完全に固化するので、定着ベルト12から剥離したトナー像の表面は定着ベルト表面と同様な高い平滑性を示し、当該トナー像の表面の光沢度が高められるのである。
【0045】
逆に、ユーザが低光沢度の画像を望む場合には、冷却部材20が定着ベルト12の裏面から離される。これにより、圧接部Nを通過した後のトナーが冷却部材20によって冷却されることはなく、圧接部Nにて例えば110℃に加熱されたトナーは、そのトナー像面の温度が例えば100℃となった状態で定着装置2から排出される。このように圧接部Nで加熱されたトナーをわずかな温度だけ低下させるようにすると、該トナーの温度を大きく低下させた場合に比べ、トナー像が定着ベルト12から分離するときに、そのトナーが比較的柔らかいため、定着ベルト12から剥離したトナー像表面のトナーの固まり具合がまちまちになり、その表面に微小な凹凸ができる。このため、定着ベルト12から剥離されたトナー像表面で光が乱反射し、その表面の光沢度が低下し、当該トナー像がつや消し画像となる。このようにして、完成したトナー像の光沢度は、例えば5%以下となり、つや消し画像が得られる。
【0046】
より具体的に示すと、図示していない画像形成装置本体の外面に配置された操作部に、図3に示す如く高光沢度キーK1とつや消しキーK2の光沢度選択キーが設けられ、ユーザが高光沢度キーK1を押下することにより、図示していない制御部からの指令により、上述の図示していない駆動装置が作動して、冷却部材20が定着ベルト12の裏面12Aに強く圧接する。これに対し、ユーザがつや消しキーK2を押下すると、同じく駆動装置の作動により、冷却部材20が定着ベルト12の裏面12Aから離間する。
【0047】
次に、冷却部材20を定着ベルト12の裏面12Aに対して接離させる構成に代え、又はこの構成と共に、冷却部材20が上記定着ベルト部分の裏面12Aに接触する圧力を変化させるように構成することもできる。このようにすれば、トナーに対する冷却の程度をより多段階に調整でき、完成した画像の光沢度を多段階に変化させることができる。より具体的に示すと、画像形成装置本体の外面に配置された操作部に、図4に示す如く、高光沢度キーK1と、つや消しキーK2のほかに、中間光沢度キーK3が設けられている。高光沢度キーK1又はつや消しキーK2を押下すると、前述したところと同じく、冷却部材20が定着ベルト12の裏面12Aに強く圧接し、又はその裏面12Aから離間して、35〜45%という高い光沢度の画像、又は光沢度が5%以下のつや消し画像が得られる。これに対し、中間光沢度キーK3が押下されると、制御部からの指令により前述の駆動装置が作動して、冷却部材20が定着ベルト12の裏面12Aに極く軽く当接する。これにより、冷却部材20を定着ベルト12に強く圧接させた場合よりも、少量の熱が定着ベルト12から冷却部材20に奪われ、圧接部Nにおいて110℃に加熱されたトナー像の面が80℃にまで冷却される。これにより、定着装置2から排出された記録材上のトナー像の光沢度を10〜20%の中間的なものにすることができる。
【0048】
上述のように、内部に熱媒体の入った中空な冷却部材20によって、圧接部Nを通過したトナー像のトナーの温度を制御するので、定着ベルトに空気を直に吹き当ててトナーの温度を制御する場合に比べ、トナーの温度を広い範囲で調整でき、ユーザの好みに合った光沢度の画像を出力することができる。
【0049】
また、図5に示すように、前述の定着ベルト部分の裏面12Aの側に複数の冷却部材20を設け、その複数の冷却部材20を、定着ベルト12の移動方向Eに沿って配列することもできる。図5に示した例では2つの冷却部材20が設けられているが、その数は適宜設定できる。図5においては、各冷却部材20に対し、符号20A,20Bを付し、その各冷却部材を識別してある。
【0050】
図5に示した定着装置2の場合も、各冷却部材20A,20Bが定着ベルト12を介して、記録材上のトナーから奪う熱量をそれぞれ変化させることができるように、当該各冷却部材20A,20Bを、それぞれ独立して、前述の定着ベルト部分の裏面12Aに接触する位置と、その裏面12Aから離間した位置との間を移動可能に支持することができる。例えば、図5に示した各冷却部材20A,20Bに対して、前述の駆動装置をそれぞれ付設し、その各駆動装置により、各冷却部材20A,20Bをそれぞれ独立して定着ベルト12の裏面12Aに対して接離させることができる。これにより、定着ベルト12に接触する冷却部材の本数を変えることができ、記録材上のトナーから奪われる熱量を調整して出力画像の光沢度を変化させることができる。
【0051】
また、上述のように各冷却部材20A,20Bを定着ベルト12に対して接離させる代わりに、又はこの構成と共に、各冷却部材20A,20Bが上述の定着ベルト部分の裏面12Aに接触する圧力を、各冷却部材20A,20Bごとに変化させることができるように構成することもでき、これによっても出力画像の光沢度を調整することができる。この場合も、各冷却部材20A,20Bに前述の駆動装置を付設し、各駆動装置の作動によって、各冷却部材20A,20Bが定着ベルト12に接触する圧力を変化させることが可能である。
【0052】
ここで、図5に示した定着装置2に関連する上記構成のより具体的な例を示すと、ユーザが図4に示した高光沢度キーK1を押下すると、制御部からの指令により前述の駆動装置が作動して、2つの冷却部材20A,20Bが共に定着ベルト12の裏面12Aに接触する。これにより、定着ベルト12に密着したトナー像から多量の熱が奪われ、高光沢度の画像が得られる。つや消しキーK2が押下された場合には、上述したところと同様にして、2つの冷却部材20A,20Bが共に定着ベルト12の裏面12Aから離間する。これにより、圧接部Nを通過した後のトナーが冷却部材20A,20Bによって冷却されることはなく、これにより、つや消し画像が得られる。中間光沢度キ−K3が押下されると、一方の冷却部材20Aだけが定着ベルト12の裏面12Aに接触し、他方の冷却部材20Bは当該裏面12Aから離間する。これにより、両冷却部材20A,20Bを定着ベルト12の裏面12Aに当接させた場合よりも少量の熱がトナーから奪われ、中間的な光沢度の画像が得られる。
【0053】
また、独立して定着ベルト12の裏面に接離可能な3本の冷却部材20を設け、ユーザが高光沢度キーK1を選択したときは、3本の冷却部材20の全てを定着ベルト12に当接して記録材上のトナーから多量の熱を奪い、これによって出力画像の光沢度を高め、ユーザが中間光沢度キーK3を選択したときは、2本の冷却部材20を定着ベルト12に当接させてトナーから熱を奪い、出力画像の光沢度を中間的なものにし、ユーザがつや消しキーK2を選択したときは、1本の冷却部材20だけを定着ベルト12に当接させ、トナーが少量の熱を奪うようにして、つや消し画像が得られるように構成することもできる。
【0054】
ところで、本例の定着装置2においては、前述の如く定着ベルト12が、記録材Pの搬入される側の入口側ベルト支持部材(図の例では入口側支持ローラ13)と、記録材Pが排出される側の出口側ベルト支持部材(図の例では出口側支持ローラ14)の少なくとも2つのベルト支持部材に掛け渡されている。その際、図6に示すように、出口側ベルト支持部材(出口側支持ローラ14)を、圧接部Nよりも定着ベルト移動方向下流側の定着ベルト部分の裏面側に配置された冷却部材として構成することもできる。出口側支持ローラ14を、内部に熱媒体の入った中空な円筒状の冷却部材として構成し、この冷却部材によって、圧接部Nを通過後の記録材P上のトナーを冷却するのである。しかも、図6に矢印X1,X2,X3で示すように、出口側支持ローラ14に巻き掛けられて当該ローラ14の周面に接触した定着ベルト部分の表面から記録材が離れる位置を変化させることができるように構成し、出力画像の光沢度を高めるべきときは、記録材が定着ベルト12を介して出口側支持ローラ14に接触している時間を長くし、逆に光沢度を下げるべきときは、記録材が定着ベルト12を介して出口側支持ローラ14に接触している時間を短くする。
【0055】
より具体的に示すと、出口側支持ローラ14に接触した定着ベルト部分の表面に近接し、又は接触して位置する分離爪21を設け、この分離爪21を、図示していない作動装置によって、定着ベルト表面に沿って移動できるように支持する。ユーザによって、図4に示した高光沢度キーK1が押下されると、制御部からの指令によって上記作動装置が作動し、分離爪21が図6に符号Y1で示す位置にもたらされる。これにより、記録材Pは矢印X1で示すように定着ベルト12の表面から分離される。このときの出口側支持ローラ14に対する記録材Pの接触角αは、例えば140°である。このように接触角αを大きくすることにより、記録材Pは、定着ベルト12を介して、冷却部材として構成された出口側支持ローラ14に長い時間、接触することになるので、記録材Pに担持されたトナーから多量の熱が奪われ、定着ベルト12から剥離されたトナー像の光沢度が高められ、例えば35〜45%の高光沢度画像が得られる。ユーザによって図4に示したつや消しキーK2が押下されたときは、分離爪21は図6に符号Y3で示す位置に移動し、記録材Pは矢印X3で示すように定着ベルト12から分離される。このときの出口側支持ローラ14に対する記録材の接触角γは、例えば10°となって、記録材が定着ベルト12を介して出口側支持ローラ14に接触する時間は極く短くなり、記録材上のトナーから該ローラ14に奪われる熱量は極く少量となり、光沢度が例えば5%以下のつや消し画像が得られる。ユーザによって図4に示した中間光沢度キーK3が押下されると、分離爪21は図6に符号Y2で示した位置に移動し、記録材Pは矢印X2で示すように、定着ベルト12から分離される。このときの出口側支持ローラ14に対する記録材Pの接触角βは例えば70°であり、これによって例えば10〜20%の普通の光沢度の画像が得られる。このようにして、出口側支持ローラ14より成る冷却部材が記録材上のトナーから奪う熱量を変化させ、ユーザが要望する光沢度の出力画像が得られる。
【0056】
分離爪21と、これを作動させる作動装置は、出口側ベルト支持部材に接触する定着ベルト部分の表面から記録材が離れる位置を変化させる記録材分離位置調整手段の一例を構成している。なお、図6に符号X1,X2,X3で示したように定着ベルト12から分離された記録材は、図示していないガイドによって案内されて同じ排紙トレイに排出されるか、又は別々の排紙トレイに排出される。
【0057】
以上説明した各構成に代え、又はその各構成と共に、少なくとも1つの冷却部材に接触しながら移動する定着ベルト12の走行速度を変化させ、定着ベルト12に密着して搬送される記録材の搬送速さを変えることができるように構成することもできる。例えば、定着ベルト12の裏面12Aに当接した冷却部材20を有する図2に示した定着装置2において、図4に示した高光沢度キーK1がユーザにより押下されたときは、定着ベルト12及びこれに密着して搬送される記録材Pの速さを遅くして、これを例えば100mm/secにする。これにより、記録材上のトナーを充分に冷却し、光沢度が例えば35〜45%程の高光沢度の画像が得られる。またつや消しキーK2が押下されたときは、定着ベルト12とこれにより搬送される記録材Pの速さを速くし、これを例えば300mm/secとする。これにより、記録材上のトナーに対する冷却時間が短くなり、光沢度が例えば5%以下のつや消し画像が得られる。また、中間光沢度キーK3が押下されたときは、定着ベルト12と記録材Pの移動速さが、例えば200mm/secの中間の値に設定され、これにより光沢度が例えば10〜20%程度の中間的な光沢度の画像が出力される。このようにユーザの要望する光沢度の画像を得ることができる。
【0058】
前述のように、冷却部材20は放熱部を有するヒートパイプとして構成することができ、図7乃至図9はかかる冷却部材20の具体例を示す。ここに示した冷却部材20は、内部が中空な円筒状の冷却部材本体22と、同じく内部が中空な軸部23と、その軸部23のまわりに固定された多数の放熱フィンより成る放熱部24;24A,24B,24Cを有している。冷却部材本体22の内部空間と軸部23の内部空間は互いに連通し、これらの内部空間内に、図示していない熱媒体が封入されている。冷却部材本体22が定着ベルト12の裏面12Aに接触することにより、定着ベルト12の熱が冷却部材本体22に伝えられ、その内部に封入された液状の熱媒体が加熱され、該媒体が潜熱を吸収して蒸発する。このように気化した熱媒体は軸部23に移動し、その熱が放熱部24;24A,24B,24Cから外部に発散され、該熱媒体は潜熱を放出し、再び凝縮して液化し、その液化した熱媒体が冷却部材本体22内に移動する。このように冷却部材20の内部で熱媒体が循環し、かかる冷却部材20に接触した定着ベルト12を冷やし、記録材上のトナーから熱を奪い、当該トナーを冷却することができる。熱媒体としては、それ自体公知な適宜な物質を用いることができ、例えば水を用いることもできる。
【0059】
放熱部24を自然放熱によって冷却することもできるが、例えばファン25;25A,25B,25Cを有する送風手段26を設け、この送風手段26によって放熱部24に冷却空気を送り、該放熱部24を冷却するように構成することもできる。
【0060】
ここで、ユーザが出力画像の光沢度を選択するのに応じて、図7に示した送風手段26から送り出される冷却空気の流量を調整できるように構成することができる。例えば、図2に示した定着装置において、ユーザが図4に示した高光沢度キーK1を選択すると、ファン25に24Vの電圧が供給され、最大出力で放熱部24を冷却する。これにより、定着ベルト12の裏面12Aに接触する冷却部材20によって、記録材上のトナーから多量の熱を奪い、例えば35〜45%の高光沢度の画像が得られる。またユーザによって中光沢度キーK3が押下された場合には、ファン25に12Vの電圧を供給し、定着ベルト12に当接する冷却部材20によってトナーを冷却し、これによって例えば10〜20%の中間的な光沢度の画像が得られる。さらにつや消しキーK2が選択されるときは、ファン25に5Vの電圧を供給して、定着ベルト12に接触する冷却部材20によりトナーを極くわずかに冷却し、これにより光沢度が例えば5%以下のつや消し画像が得られる。このようにファン25の出力を変化させることにより、ユーザの所望する光沢度の画像を得ることができるのである。
【0061】
また、図7に示した上記構成に代え、又はこの構成と共に、図8に示すように、ファン25のほかに、そのファン25からの冷却空気を放熱部24に導くダクト27と、このダクト27に矢印方向に回動可能に支持された一対の開閉体28とを有する送風手段26を用い、ユーザにより選択された光沢度に応じて、開閉体28の開度を調整して、放熱部24に送風手段26から送り出される冷却空気が放熱部24に当たる範囲を変更できるように構成することもできる。
【0062】
例えば、ユーザが高光沢度キーK1を選択したときは開閉体28を最大に開いて放熱部24の全体に冷却空気を吹き当てて冷却部材20を最大に冷却し、これにより例えば35〜45%の高光沢度画像を得、つや消しキーK2が選択されたときは、開閉体28をほとんど閉じた状態にして例えば5%以下の光沢度の画像を得る。さらに中間光沢度キーK3が選択されたときは、一方の開閉体28だけ開放し、放熱部24に中程度の流量の冷却空気を送って冷却部材20を冷却する。これによって例えば10〜20%の中間的な光沢度の画像を得ることができる。
【0063】
さらに、図7及び図8に示した各構成に代え、又は当該各構成と共に次の構成を採用することもできる。すなわち、図9に示すように、放熱面積の異なった複数の放熱部24A,24B,24Cを有するヒートパイプより成る冷却部材20を用いると共に、その各放熱部24A,24B,24Cに対応して配置された第1乃至第3のファン25A,25B,25Cを有する送風手段26を用いる。ユーザが高光沢度の画像を出力することを選択したときは、第1のファン25Aだけを作動させ、最大の放熱面積を有する放熱部24Aに冷却空気を吹き当てて冷却部材20を最大に冷却する。これにより例えば35〜45%の高光沢度の画像を出力できる。また、ユーザが中間の光沢度の画像を出力することを選択したときは、第2のファン25Bだけを作動させて、中間の放熱面積を有する放熱部24Bに冷却風を当てて冷却部材20を冷却し、これにより例えば10〜20%の通常の光沢度を持った画像を出力する。さらに、ユーザがつや消し画像を選択したときは、第3のファン25Cだけを作動させて、最小の放熱面積を有する放熱部24Cに冷却空気を吹き当て、冷却部材20を極くわずかだけ冷却させ、記録材上のトナーに対する冷却量を減少させる。これにより、例えば5%以下の光沢度を有するつや消し画像を出力することができる。このように、ユーザによる出力画像の光沢の程度の選択に応じて、放熱面積の異なった複数の放熱部に、送風手段によって選択的に冷却空気を送ることにより、ユーザの要望する光沢度の画像を得ることができる。
【0064】
また、図1乃至図6に関連して先に説明した各構成において使用される冷却部材20として、内部に冷却水が流通する冷却管を用いることもできる。冷却部材20の内部に入った熱媒体として、この冷却部材20の内部を通る冷却水を用いるのである。図10はかかる冷却管より成る冷却部材20の一例を示す断面図であり、図11はこの冷却部材20を、圧接部Nよりも定着ベルト移動方向下流側の定着ベルト部分の裏面12Aに配置した例を示している。冷却部材20の冷却水入口と冷却水出口には、それぞれ給水管29と排水管30が接続され、図11に示した冷却水槽31に貯留された冷却水Wが、給水管29を通して、冷却管より成る冷却部材20に供給され、この冷却部材20の内部を流通した冷却水が排水管30を通して冷却水槽31に戻される。図11に示した例では、冷却水槽31が定着ベルト12の下方に位置し、その冷却水槽31内の冷却水Wをポンプ32によって冷却部材20に汲み上げ、該冷却部材20中に冷却水を循環させるように構成されている。このように冷却部材20内を冷却水が流通することにより、冷却部材20が冷却され、前述のように記録材上のトナーから熱を奪い、該トナーの温度を低下させることができる。その際、冷却水槽31に貯留された冷却水Wは、その全体の熱容量が大きく、よって冷却水Wの温度が、環境や使用条件によって大きく変化することはなく、温度がほぼ一定した冷却水を冷却部材20に供給して、これを冷却することができる。このため、前述のように、例えば冷却部材20を定着ベルト12に対して接離させたり、或いはその定着ベルト12の裏面12Aに対する冷却部材20の圧接力を調整するなどして、画像の光沢度を正しく変えることができる。しかも、図11に示した例では、冷却水槽31が定着ベルト12の下方に位置しているので、冷却水槽31内の冷却水Wが、定着ベルト12やヒータ18からの熱の影響を受け難くなり、その冷却水Wの温度を、より一層安定した状態で一定に保つことが可能となる。
【0065】
なお、前述のように冷却部材20を定着ベルト12の裏面12Aに対して接離させ、ないしはその裏面に対する接触圧を調整するように構成する場合には、給水管29と排水管30を可撓性材料により構成し、これらの管29,20によって冷却部材20の作動が妨げられないように構成することが好ましい。これは図12に示す例においても同様である。
【0066】
図12に示した例では、冷却水Wを貯留した冷却水槽31が、定着ベルトの上方に位置し、冷却部材20の内部の冷却水が、定着ベルトから与えられた熱により暖められ、その暖められた冷却水が排水管30を通して冷却水槽31に移動し、該冷却水槽31にて冷却された冷却水が給水管29を通して冷却部材20に移動して、当該冷却水が循環するように構成されている。このように構成すると、冷却水を自然対流によって循環させることができるので、図11に示したポンプ32を設けずともよく、装置全体のコストを低減できる。
【0067】
さらに、冷却水槽31に貯留された冷却水Wの温度を調節する温度調節手段を設けることもできる。すなわち、図11及び図12に示すように、冷却水槽31に貯留された冷却水Wを加熱するヒータ33と、この冷却水Wを冷却するクーラー34を設け、ユーザによる出力画像の光沢の程度の選択に応じて、ヒータ33とクーラー34によって、冷却水Wの温度を所定の範囲に制御する。例えば、ユーザによって図4に示した高光沢度キーK1が押下されたときは、クーラー34によって冷却水Wの温度を、例えば30〜50℃の範囲に低下させる。かかる冷却水を冷却部材20に供給するので、圧接部Nにおいて、例えば110℃にまで加熱された記録材上のトナー像面の温度が例えば60℃にまで下げられる。これにより、例えば35〜45%の高い光沢度の画像が出力される。また、ユーザによって中間光沢度キーK3が押下された場合には、冷却水槽31内の冷却水Wの温度を60〜70℃に制御し、その冷却水を冷却部材20に供給して、記録材上のトナーを冷却することにより、10〜20%の通常の光沢度の画像が得られる。さらに、ユーザによってつや消しキーK2が押下されたときは、冷却水槽31内の冷却水Wが80度以上となるようにその温度を制御し、その冷却水を冷却部材20に供給する。これにより、圧接部Nで110℃に加熱されたトナー像面の温度を90℃にまで下げた後、該トナー像を定着ベルト表面から剥離することができ、これによってつや消し画像を得ることができる。
【0068】
上述のように、冷却水槽31内の冷却水Wの温度をヒータ33とクーラー34の協働作用により制御するので、外部の環境や使用条件によらずに、その冷却水Wの温度を所望する範囲に保つことができるが、ヒータ33とクーラー34のいずれか一方を設けるだけであっても、冷却水槽31内の冷却水Wの温度を調節することができる。このように、前記温度調節手段は、冷却水槽に貯留された冷却水を加熱するヒータと、該冷却水を冷却するクーラーの少なくとも一方を具備するものである。
【0069】
上述した温度調節手段と、図7乃至図9を参照して説明した各構成は、図2乃至図6を参照して先に説明した、トナーから奪う熱量を変化させるための各構成と共に採用することもできる。
【0070】
また、冷却水槽31にヒータ33を設けた場合、画像形成装置の電源がオフされた時、自動的にそのヒータ33の電源が入り、冷却水槽31内の冷却水Wを所定温度、例えば50℃に維持するように構成することもできる。このようにすれば、画像形成装置の電源がオンされ、定着ベルト12の温度が定着温度(例えば110℃)になった時点で、直ちに、光沢度35〜45%の高光沢度モードのプリント動作が可能となる。画像形成装置の電源オン時に、冷却水槽31内の冷却水Wの温度が所定温度に上昇するまでの立上げ時間が長くなる不具合を阻止でき、また低温度環境下で冷却水Wの温度が下がりすぎて出力画像の光沢が過多となる不具合を阻止できるのである。
【0071】
内部に冷却水が流通する冷却管より成る冷却部材として、図10に示したものの他に、他の適宜な形態の冷却部材を用いることもできる。例えば、図13に示すように、冷却管より成る冷却部材20内に冷却水供給管35を挿入し、該冷却水供給管35を冷却部材20に一体に固着することもできる。冷却部材20の内部に位置する冷却水供給管35の部分には、複数の貫通孔36が形成され、矢印で示すように給水管29を通して冷却水供給管35内に流入した冷却水が、上記貫通孔36を通して冷却部材20内に供給される。この構成によると、多数の貫通孔36を通った冷却水が冷却部材20内に分散して流入するので、冷却部材20の横断面形状が、矩形であっても、冷却水が冷却部材20の内部でくまなく流通し、冷却部材20の外面の温度を均一化できる。これにより、トナー像を均一に冷却でき、その光沢度を均一化することができる。
【0072】
また、上述の冷却水供給管35を設ける代わりに、或いはこの構成と共に、図14に示す如く、冷却管より成る冷却部材20の内部に流入した冷却水が、矢印で示すように、その内部において蛇行して流れるように、冷却部材20内に複数の邪魔部材37を設けることもできる。かかる構成によっても、冷却部材20の横断面形状がいかなるときも、冷却部材20内の冷却水がその内部にくまなく流れ、冷却部材20の外面の温度を均一化でき、上述したところと同じ作用を奏することができる。
【0073】
図7乃至図14に示した各構成は、図6に示したように定着ベルト用の出口側支持ローラを兼ねた冷却部材にも適用できる。
【0074】
以上説明した冷却部材に関する構成は、図2に示した定着装置以外の各種形式の定着装置にも採用できる。例えば図15に示すように、定着ベルト12が掛けられる入口側のベルト支持部材として、回転することのない円柱状部材13Aを用い、出口側支持ローラ14の回転によって定着ベルト12を矢印E方向に走行駆動し、該定着ベルト12を円柱状部材13Aのまわりに摺動させることもできる。また、この円柱状部材13Aに磁気コイル18Aより成る加熱手段を設けると共に、磁性体を含む定着ベルト12を用い、磁気コイル18Aにより発生する交番磁界によって定着ベルト12に生じた渦電流によってその定着ベルト12を加熱することもできる。
【0075】
また、図1には複数の像担持体3Y乃至3BKを有し、記録材にカラー画像を形成する作像手段1を示したが、他の適宜な作像手段、例えば記録材上に専ら単色画像を形成する作像手段を有する画像形成装置や、複写機又はファクシミリなどのプリンタ以外の画像形成装置、或いはこれらの複合機などの画像形成装置にも、本発明を適用できる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成によって、異なった光沢度の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す部分断面概略図である。
【図2】定着装置の一例を示す部分断面図である。
【図3】光沢度選択キーの一例を示す図である。
【図4】光沢度選択キーの他の例を示す図である。
【図5】定着ベルトの移動方向に沿って複数の冷却部材を設けた定着装置を示す部分断面図である。
【図6】出口側支持ローラが冷却部材を兼ねた定着装置を示す部分断面図である。
【図7】ヒートパイプにより構成された冷却部材を示す斜視図である。
【図8】ヒートパイプにより構成された冷却部材を示す図である。
【図9】3つの放熱部を有するヒートパイプを示す図である。
【図10】冷却管より成る冷却部材の縦断面図である。
【図11】冷却水槽から冷却部材に冷却水を供給するように構成した定着装置の部分断面図である。
【図12】冷却水槽を冷却部材の上方に配置した例を示す断面図である。
【図13】冷却部材の他の例を示す縦断面図である。
【図14】冷却部材のさらに他の例を示す縦断面図である。
【図15】定着装置の他の例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 作像手段
2 定着装置
12 定着ベルト
12A 裏面
20 冷却部材
20A 冷却部材
20B 冷却部材
24 放熱部
24A 放熱部
24B 放熱部
24C 放熱部
26 送風手段
31 冷却水槽
32 ポンプ
33 ヒータ
34 クーラー
E 定着ベルト移動方向
N 圧接部
P 記録材
T トナー像
W 冷却水
Claims (15)
- 無端状の定着ベルトと、該定着ベルトに圧接する加圧部材とを具備し、加熱されて走行駆動される定着ベルトと加圧部材との圧接部に、トナー像を担持した記録材を、そのトナー像が定着ベルト表面に接する向きにして通過させ、このとき記録材上のトナー像のトナーを熱によって溶融し、該記録材が前記圧接部を通過した後も、トナーを定着ベルト表面に密着させ、該トナーを冷却しながら記録材を搬送し、次いで記録材上のトナー像を定着ベルト表面から剥離して、記録材を定着ベルト表面から分離する定着装置において、
前記圧接部を通過後の記録材上のトナーを冷却するために、内部に熱媒体の入った中空な冷却部材を、前記圧接部よりも定着ベルト移動方向下流側の定着ベルト部分の裏面側に配置し、定着後のトナー像の光沢度を調整すべく、前記冷却部材が前記記録材上のトナーから奪う熱量を変化させることができるように構成し、前記定着ベルトは、記録材が搬入される側の入口側ベルト支持部材と、記録材が排出される側の出口側ベルト支持部材の少なくとも2つのベルト支持部材に掛け渡され、前記出口側ベルト支持部材が前記冷却部材として構成され、該出口側ベルト支持部材に接触する定着ベルト部分の表面から記録材が離れる位置を変化させる記録材分離位置調整手段を設けたことを特徴とする定着装置。 - 少なくとも1つの冷却部材に接触しながら移動する定着ベルトの走行速度を変化させることができるように構成した請求項1に記載の定着装置。
- 前記冷却部材は、放熱部を有するヒートパイプによって構成されている請求項1又は2に記載の定着装置。
- 前記放熱部に冷却空気を送る送風手段を有し、該送風手段から送り出される冷却空気の流量を調整可能に構成した請求項3に記載の定着装置。
- 前記放熱部に冷却空気を送る送風手段を有し、該送風手段から送り出される冷却空気が前記放熱部に当たる範囲を変更可能に構成した請求項3又は4に記載の定着装置。
- ヒートパイプより成る前記冷却部材は、放熱面積の異なった複数の放熱部を有し、該複数の放熱部に選択的に冷却空気を送る送風手段を設けた請求項3乃至5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記冷却部材は、内部に冷却水が流通する冷却管より成る請求項1又は2に記載の定着装置。
- 冷却水を貯留した冷却水槽を有し、該冷却水槽内の冷却水を冷却管より成る前記冷却部材に供給し、該冷却部材の内部を流通した冷却水を前記冷却水槽に戻すように構成した請求項7に記載の定着装置。
- 前記冷却水槽は、前記定着ベルトの下方に位置し、該冷却水槽内の冷却水を前記冷却部材に汲み上げるポンプを設けた請求項8に記載の定着装置。
- 前記冷却水槽は、前記定着ベルトの上方に位置し、前記冷却部材の内部の冷却水が、前記定着ベルトから与えられた熱により暖められて、前記冷却水槽へ移動して循環する請求項8に記載の定着装置。
- 前記冷却水槽に貯留された冷却水の温度を調節する温度調節手段を具備する請求項8乃至10のいずれかに記載の定着装置。
- 前記温度調節手段が、冷却水槽に貯留された冷却水を加熱するヒータと、該冷却水を冷却するクーラーの少なくとも一方を具備する請求項11に記載の定着装置。
- 前記冷却管より成る冷却部材内に冷却水供給管が挿入され、該冷却部材の内部に位置する冷却水供給管部分には、複数の貫通孔が形成され、該冷却水供給管内に流入した冷却水が前記貫通孔を通して冷却部材内に供給される請求項7乃至12のいずれかに記載の定着装置。
- 前記冷却管より成る冷却部材の内部に流入した冷却水が、該内部において蛇行して流れるように、冷却部材内に複数の邪魔部材が設けられている請求項7乃至13のいずれかに記載の定着装置。
- 記録材にトナー像を形成する作像手段と、該トナー像を記録材に定着する定着装置とを具備し、該定着装置として、請求項1乃至14のいずれかに記載の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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