JP3985174B2 - ヒドロペルオキシド類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するヒドロペルオキシド類に選択的に転化することによるヒドロペルオキシド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素を触媒の不存在下に酸素含有気体にて酸化して、対応するヒドロペルオキシド類を製造することは、自動酸化技術として知られている。しかしこの反応では、ヒドロペルオキシド類の蓄積速度を上げるためには反応温度を上げる必要がある。ところが、蓄積速度を上げるために反応温度が高くなると生成物であるヒドロペルオキシドが熱分解をおこし、その選択率が低下するという結果となる。すなわち、蓄積速度と選択率の間には、一方を上げれば他方が下がるという関係にあるため、その両方を高い水準に維持することができなかった。
【0003】
蓄積速度及び/又は選択率に影響を与えるために、触媒の存在下に、炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するヒドロペルオキシド類を製造することも試みられている(例えば、特公昭55−50020号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、蓄積速度と選択率の関係を打破し、実用的な蓄積速度を維持しながら、高い選択率を得ることができる方法があるものと確信し、鋭意研究を重ねた結果、その課題を解決できる発明に到達したのである。
本発明によれば、炭化水素を酸素含有気体にて酸化を、特定の化合物の存在下に行うことが、対応するヒドロペルオキシド類に転化させるのに有用であることを見出して、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、特定の化合物の存在下で炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するヒドロペルオキシド類を高い選択率で製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるヒドロペルオキシド類の製造方法は、炭化水素を酸素含有気体にて酸化する際に、特定の化合物としてラジカルを捕捉できる化合物を用いることにより、非常に高い選択率を達成できるということに基づくものである。本発明は、ラジカルを捕捉できる化合物の存在下に、炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するヒドロペルオキシド類に選択的に転化することを特徴とする。
【0006】
好ましくは、炭化水素が一般式(I)
【化15】
(式中、P及びQは、水素又はアルキル基を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよく、xは1〜3の整数を示し、Arはx価の芳香族炭化水素基を示す。)で表されるアリールアルキル炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するアリールアルキルヒドロペルオキシド類に選択的に転化する方法を提供する。
さらには、一般式(I)で表されるアリールアルキル炭化水素がクメン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル又はこれらの2種以上の混合物であることを特徴とする方法を提供する。
また、上記ラジカルを捕捉できる化合物が、酸素,窒素,リン,イオウ,炭素またはケイ素のラジカル、あるいは反応系中でそれらのラジカルを生成する化合物であることを特徴とする方法も提供する。
本発明は、さらにニトロキシドラジカルの存在下で、上記一般式(I)で表されるアリールアルキル炭化水素を、酸素含有気体にて酸化して、対応するアリールアルキルヒドロペルオキシド類に選択的に転化するヒドロペルオキシド類の製造方法を提供する。
その他の手段を含めて課題を解決する手段は以下の説明から明らかとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
出発原料である炭化水素は、2級炭素を有するパラフィン、オレフィン、シクロパラフィン、アリールアルキル炭化水素等が挙げられ、具体的な好ましい例として、2級炭素を有するパラフィンとしてイソブタン等、オレフィンとしてペンテン、イソブテン等、シクロパラフィンとしてシクロペンタン、シクロヘキサン等、アリールアルキル炭化水素としてクメン、サイメン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0008】
アリールアルキル炭化水素として、下記一般式(I)で示される化合物を挙げることができる。
一般式(I)の化合物
【化16】
(式中、P及びQは、水素又はアルキル基を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよく、xは1〜3の整数を示し、Arはx価の芳香族炭化水素基を示す。)で表される化合物。
【0009】
一般式(I)において、P及びQの少なくともいずれかがアルキル基であることが好ましく、特に、いずれもがアルキル基であることが好ましい。上記アルキル基としては、特にメチル基が好ましい。また、芳香族炭化水素基はベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル等から導かれるx価の炭化水素基を挙げることができるが、好ましくはベンゼン又はナフタレンから導かれるx価の炭化水素基である。
【0010】
従って、本発明において、アリールアルキル炭化水素の好ましい具体例としては、例えば、クメン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン等のジイソプロピルベンゼン類、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等のトリイソプロピルベンゼン類、エチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、sec-ブチルエチルベンゼン、イソプロピルナフタレン類、2,6−ジイソプロピルナフタレン等のジイソプロピルナフタレン類、イソプロピルビフェニル類、4,4’−ジイソプロピルビフェニル等のジイソプロピルビフェニル類や、これらの2種以上の混合物を挙げることができる。しかし、これらに限定されるものではない。特には、クメンが好ましい。
【0011】
本発明のラジカルを捕捉できる化合物とは、ラジカル捕捉能力を有する化合物をいい、その能力を有するのが化合物自体あると反応条件下で生成されるものであるとを問わない。
発明のラジカルを捕捉できることができる化合物としては、酸素、窒素、リン、イオウ、炭素、ケイ素のラジカル、または反応系中でそれらのラジカルを生成する化合物を挙げることができる。
本発明の製造方法においては、室温で安定なラジカルを使用してもよいし、あるいは反応条件下でラジカルを生成する化合物を使用してもよい。
【0012】
炭化水素を酸素含有気体にて酸化する反応においては、種々の副生物が生成する。クメンを自動酸化するときを例にとると、副生物としてジメチルフェニルカルビノール、アセトフェノン、ジクミルペルオキシド等が挙げられる。反応過程においては、クミルラジカル、クメンヒドロペルオキシラジカル等のアルキルラジカル,ヒドロキシラジカル、ヒドロキシラジカル等が存在するものと推定される。本発明ではラジカルを捕捉できる化合物が、副生物生成反応を誘因するラジカルを捕捉するなど、これらラジカルに何らかの作用をする結果、原料炭化水素に対応するヒドロペルオキシドの選択率が向上するものと推定される。
【0013】
本発明のラジカルを捕捉できる化合物を選択するにあたって、そのラジカルのSOMO(Single Occupied Molecular Orbit)エネルギーレベルと、捕捉を目指すラジカルのSOMOエネルギーレベルの差△ε(SOMO)の値を使用することができる。SOMOエネルギーレベルは以下の方法で計算される。本発明において好ましく使用されるラジカル又は反応条件下生成するラジカルは、上記SOMOエネルギーレベルの差△ε(SOMO)が、通常0〜10eV、好ましくは0〜4eV、さらに好ましくは0〜1eVのものを選ぶことが好ましい。
例えば本発明のラジカルを捕捉できる化合物と、酸化される炭化水素に対応するラジカル(下記式I-2)が以下の関係にあるものを選ぶことが好ましい。
△ε(SOMO)=|εa(SOMO)―εb(SOMO)|=0〜10eV
ここで、εa(SOMO)は、ラジカルを捕捉できる化合物またはそこから生成されるラジカルのSOMOエネルギーレベルであり、εb(SOMO)は、酸化される炭化水素に対応するラジカルのSOMOエネルギーレベルである。
【化17】
(式中、P及びQは、水素又はアルキル基を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよく、xは1〜3の整数を示し、Arはx価の芳香族炭化水素基を示す。)
(ε(SOMO)の計算方法)
半経験的分子軌道法(MNDO−PM3法:MOPACプログラム)により、ラジカルの構造計算を行い、ε(SOMO)を算出する。
ラジカルでないものは、対応するラジカルの構造計算を行って算出する。
上記△ε(SOMO)が小さい程、炭化水素ラジカルが捕捉され易いことを示し、通常0〜10eV、好ましくは0〜4eV、さらに好ましくは0〜1eVの範囲である。
【0014】
△ε(SOMO)が適切な値である化合物を用いることにより、該化合物を添加しない場合と比較して、同一の蓄積速度における他の反応のヒドロペルオキシドの選択率よりも高くするという特徴を有する。それにより、炭化水素を選択的かつ高濃度に転化することができる。
【0015】
ラジカルを捕捉できる化合物の具体例の一つとして、酸素ラジカル,または反応系中で酸素ラジカルを生成する化合物を上げることができる。
本発明の酸素ラジカルとしては、一般式(II)
【化18】
(式中、Zは窒素、イオウ、リンを示し、Xは任意の置換基を示す。nはZの価数を満たす1〜4の整数を示す。)で表される化合物、または反応系中で一般式(II)で表される化合物を生成することができる化合物を例示できる。
【0016】
一般式(II)の置換基Xとして、以下のものを例示できる。
Xは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、またはケイ素含有基であってよく、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
【0017】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;などが挙げられる。
【0018】
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
【0019】
また、上記炭化水素基は、上述した他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基、トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基、アリール基にアルコキシ基、アリール基またはアリーロキシ基などの置換基が置換した置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、さらにまた、後述するヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基を含んでいてもよい。
【0020】
特に好ましい炭化水素基は、これらのうち、特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基である。
【0021】
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
【0022】
酸素含有基としては、アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などを挙げることができる。
これらのうちアルコキシ基として、炭素数1ないし30のアルコキシ基、具体的にはメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。 アリーロキシ基としては、炭素数6ないし30のアリーロキシ基、具体的には、フェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシなどが挙げられる。 エステル基としては、炭素数1ないし30エステル基、具体的には、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが挙げられる。 アシル基としては、炭素数1ないし30のアシル基、具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基などが挙げられる。
【0023】
窒素含有基としては、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどが挙げられる。
これらのうちアミノ基としては、炭素数0ないし30の具体的には、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジフェニルアミノなどが挙げられる。 イミノ基としては、炭素数1ないし30のイミノ基、具体的には、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどが挙げられる。 アミド基としては、炭素数1ないし30のアミド基、具体的には、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルベンズアミドなどが挙げられる。 イミド基としては、炭素数2ないし30のイミド基、具体的には、アセトイミド、ベンズイミドなどが挙げられる。
【0024】
ホウ素含有基としては、ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などを挙げられる。
【0025】
イオウ含有基としては、メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などを挙げられる。
この内チオエステル基としては、炭素数1ないし30のチオエステル基、具体的には、アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルなどが挙げられる。 アルキルチオ基としては、炭素数1ないし30のアルキルチオ基、具体的には、メチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。スルホンアミド基としては、炭素数0ないし30のスルホンアミド基、具体的には、フェニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエンスルホンアミドなどが挙げられる。 アリールチオ基としては、炭素数6ないし30のアリールチオ基、具体的には、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。スルホンエステル基としては、炭素数1ないし30のスルホンエステル基、具体的には、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルなどが挙げられる。
【0026】
リン含有基としては、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などを挙げられる。
【0027】
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基など、具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。
【0028】
一般式(II)の化合物の具体例としては例えば下記のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【化19】
【0029】
一般式(II)において、Zが窒素であるニトロキシドラジカルとしては、下記一般式(III)で示される化合物を挙げることができる。
【0030】
【化20】
(式中、mは0〜3の整数を示し、-D-,-D'-は各々独立に、
【化21】
を示す。A,B、X1、X2、R1、R2、R3、R4及びWは各々独立に、水素または水素、炭素、酸素、窒素、イオウ、リン、ケイ素及びハロゲンから選ばれた元素を含む置換基を示し、さらに各環員炭素原子または各環員窒素原子は、隣接する原子間で二重結合を形成してもよい。)
【0031】
ここで一般式(III)における置換基は、前述の一般式(II)における置換基Xとして例示したの同じ基であってもよい。好ましい一般式(III)における水素またはその他の置換基としては、水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、イソチオシアン酸基、−COORa(ここでRaは水素、アルキル基、アリール基を示す。)、(ジ)アルキルアミノアルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、−CONRbRc(ここで、Rb、Rcは各々独立に水素、アルキル基、アリール基)、オキソ基(=O)、マレイミド基、リン酸基、=NH基または二価の基を挙げることができる。
【0032】
一般式(III)において、X1、X2、A,B、Wのいずれかの基を介して2つ以上の一般式(III)の構造が架橋されている構造の化合物であってもよい。
【0033】
一般式(III)においては、R1、R2、R3、R4がともにアルキル基である化合物が好ましい。例えば、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジノオキシラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラアルキル−ピペリジニルオキシ、ビス−(2,2,6,6−テトラアルキルピペリジノオキシル)−セバケートまたは2,2,5,5−テトラアルキルピロリジノオキシラジカル、あるいはそれらに前述の基が置換したものを好ましい化合物として例示できる。
【0034】
一般式(III)の化合物の具体例としては例えば下記のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
(なお、上記式で、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を表す。以下本発明では同じである。。また、p及びqは、それぞれ0ないし30の整数を表す。)
【0038】
反応条件下でニトロキシドラジカルになる化合物としては、反応条件下で前記一般式(III)で示されるニトロキシドラジカルになる化合物を使用してもよいし、下記一般式(V)、(VI)、(VII)で示される化合物を使用してもよい。
【0039】
【化25】
(式中、nは0〜4の整数を示し、R5、R6は各々独立に、水素、または水素、炭素、酸素、窒素、イオウ、リン、ケイ素及びハロゲンから選ばれた元素を含む置換基を示す。)
【0040】
一般式(V)の各置換基は、前述の一般式(II)の置換基Xとして例示したものと同じ基であってもよい。好ましい置換基としては、R5はハロゲン、アルキル基、アリールアルキル基、アルコキシ基またはアリールアルコキシ基が好ましく、R6は水素またはアルキル基が好ましい。
【0041】
一般式(V)の各置換基として、ハロゲンとしては、F、Cl、BrまたはIを挙げることができる。アルキル基としては、炭素数1〜10の範囲のものが好ましく、例えば具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基等を挙げることができる。アリールアルキル基としては、クミル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、炭素数1〜10の範囲のものが好ましく、例えば具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。アリールアルコキシ基としては、クミルオキシ基等を例示することができる。
【0042】
一般式(V)の化合物の具体例としては、N−ヒドロキシフタルイミド、N−メトキシフタルイミド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
【化26】
(式中、R7,R8及びR9は各々独立に水素、または水素、炭素、酸素、窒素、イオウ、リン、ケイ素及びハロゲンから選ばれた元素を含む置換基を示す。)
【0044】
一般式(VI)の各置換基は、前述の一般式(II)の置換基Xとして例示したものと同じ基であってもよい。好ましい置換基として、R7,R8及びR9は、ハロゲン、アルキル基またはハロアルキル基を挙げることができる。
一般式(VI)の各置換基として、ハロゲンとしては、F、Cl、BrまたはIを挙げることができる。アルキル基としては、炭素数1〜10の範囲のものが好ましく、例えば具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基等を挙げることができる。ハロアルキル基としては例えばトリフルオロメチル基等を挙げることができる。
【0045】
【化27】
(式中、lは0〜3の整数を示し、Y、R10、R11は各々独立に、水素、または水素、炭素、酸素、窒素、イオウ、リン、ケイ素及びハロゲンから選ばれた元素を含む置換基を示す。)
【0046】
一般式(VII)の各置換基は、前述の一般式(II)の置換基Xとして例示したものと同じ基であってもよい。好ましい置換基としてはハロゲン、アルキル基、アリールアルキル基、アルコキシ基またはアリールアルコキシ基を挙げる事ができる。
【0047】
ハロゲンとしては、F、Cl、BrまたはIを挙げることができる。アルキル基としては、炭素数1ないし30の範囲のものが好ましく、例えば具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基等を挙げることができる。アリールアルキル基としては、クミル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、炭素数1ないし30の範囲のものが好ましく、例えば具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。アリールアルコキシ基としては、クミルオキシ基等を例示することができる。
【0048】
ラジカルを捕捉できる化合物の具体例の一つとして、窒素ラジカル、または反応系中で窒素ラジカルを生成する化合物を挙げることができる。
これらのラジカルを捕捉できる化合物として、、具体的に下記のような例が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【化28】
【0049】
ラジカルを捕捉できる化合物の具体例の一つとして、リンラジカル,または反応系中でリンラジカルを生成する化合物を挙げることができる。
これらのラジカルを捕捉できる化合物として、具体的に下記のような例が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【化29】
【0050】
ラジカルを捕捉できる化合物の具体例の一つとして、イオウラジカル、または反応系中でイオウラジカルを生成する化合物を挙げることができる。
イオウラジカルとして、具体的に下記のような例が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【化30】
【0051】
ラジカルを捕捉できる化合物の具体例の一つとして、炭素ラジカル,または反応系中で炭素ラジカルを生成する化合物を挙げることができる。
炭素ラジカルとして、具体的に下記のような例が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【化31】
【0052】
ラジカルを捕捉できる化合物の具体例の一つとして、ケイ素ラジカル,または反応系中でケイ素ラジカルを生成する化合物を挙げることができる。
ケイ素ラジカルとして、具体的に下記のような例が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【化32】
【0053】
ラジカルを捕捉できる化合物として2級アミンを挙げることができ、好ましくは例えば一般式(IV)で表される2級アミンを挙げることができる。
【化33】
(式中、mは0〜3の整数を示し、-D-,-D'-は各々独立に、
【化34】
を示す。A,B、X1、X2、R1、R2、R3、R4及びWは各々独立に、水素または水素、炭素、酸素、窒素、イオウ、リン、ケイ素及びハロゲンから選ばれた元素を含む置換基を示し、さらに各環員炭素原子または各環員窒素原子は、隣接する原子間で二重結合を形成してもよい。)で表される化合物であることを特徴とする請求項記載の方法。
【0054】
一般式(IV)における置換基は、前述の一般式(II)の置換基Xととして例示したのと同じ基であってもよい。一般式(IV)における水素または他の置換基として好ましいものとして、水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、イソチオシアン酸基、−COORa(ここでRaは水素、アルキル基、アリール基を示す。)、(ジ)アルキルアミノアルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、−CONRbRc(ここで、Rb、Rcは各々独立に水素、アルキル基、アリール基)、オキソ基(=O)、マレイミド基、リン酸基、=NH基または二価の基を挙げることができる。
置換基は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、またはケイ素含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
【0055】
一般式(IV)において、X1,X2,A,B、Wのいずれかの基を介して2つ以上の一般式(III)の構造が架橋されている構造の化合物であってもよい。
【0056】
一般式(IV)においては、R1、R2、R3、R4がともにアルキル基である化合物が好ましい。例えば、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン、2,2,6,6−テトラアルキル−4−ピペリジノール、ビス−(2,2,6,6−テトラアルキルピペリジニル)−セバケートまたは2,2,5,5−テトラアルキルピロリジン、あるいはそれらに前述の基が置換したもの等が挙げられる。
【0057】
2級アミンの具体例としては例えば下記のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
【化35】
【化36】
【0059】
【化37】
【0060】
ラジカルを捕捉できる化合物として一般式(VIII)で表されるヒンダードフェノール類を挙げることができる。
【化38】
(式中、pは0〜3の整数を示し、R12,およびR13は各々独立に置換基を、Zは水素またはその他の置換基を示す。)
R12、およびR13は炭素数1〜30のアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基が好ましく、Zは水素、ハロゲン、アルキル基、またはアリール基が好ましい。)で表される化合物。
【0061】
一般式(VIII)における置換基は、前述の一般式(II)の置換基Xとして例示したのと同じ基であってもよい。
【0062】
一般式(VIII)の化合物の具体例としては例えば下記のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
【化39】
【0064】
ラジカルを捕捉できる化合物としてホスフィンオキシドが挙げられる。
本発明のホスフィンオキシドとしては、下記一般式(IX)で示されるホスフィンオキシド等を挙げることができる。
【0065】
一般式(IX)の化合物
【化40】
(式中、R14、R15、及びR16は各々独立に、水素、またはその他の置換基を示す。)
R14、R15、及びR16は、アルキル基、またはアリール基が好ましい。
一般式(IX)の置換基は、前述の一般式(II)の置換基Xとして例示したのと同じ基であってもよい。
【0066】
一般式(IX)の化合物の具体例としては例えば下記のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
【化41】
【0068】
また本発明の製造方法においては、室温で安定なホスフィンオキシドを使用してもよいし、あるいは反応条件下でホスフィンオキシドになる化合物を使用してもよい。
【0069】
反応条件下でホスフィンオキシドになる化合物は一般式(X)で表される化合物を挙げることができる。
【化42】
(式中、R17、R18、及びR19は各々独立に、水素またはその他の置換基を示す。)
【0070】
一般式(X)の置換基は、前述の一般式(II)の置換基Xととして例示したのと同じ基であってもよい。これらの置換基は、アルキル基、またはアリール基が好ましい。
一般式(X)の化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィン,トリブチルホスフィン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
【化43】
【0072】
ラジカルを捕捉できる化合物として、スピントラップ剤を使用することもできる。スピントラップ剤とは、ESRで直接観測できないほどの短寿命のラジカルを、スピントラップ剤に付加させ、生成したスピントラップ化合物ラジカルのESRを解析して付加前のラジカルを同定するのに用いられる化合物である。
【0073】
具体的には下記のようなニトロン、ニトロソ化合物等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【化44】
【0074】
本発明のラジカルを捕捉できる化合物がラジカルを捕捉したとして、ラジカルを捕捉した化合物が被捕捉ラジカルとの結合を切断して、再び元のラジカルを捕捉する化合物と被捕捉ラジカルに戻るためのエンタルピー(△H)を下記の方法によって計算で求めることができる。適切な△Hの範囲は、被捕捉ラジカルの種類に依存するが、その値を捕捉を目標とするラジカルに対応した本発明のラジカルを捕捉できる化合物の選定に使うことができる。
【0075】
捕捉されるラジカルが、酸化される炭化水素に対応するラジカル(式I−2)を仮定し、それに基づいて計算したときに、エンタルピー(△H)の値が−30〜50KJ/molとなるような化合物を、本発明のラジカルを捕捉できる化合物に選ぶと好結果が得られる。その△Hの好ましい値は−25〜50KJ/molであり、さらに好ましくは−20〜50KJ/molである。△Hが適切な範囲にあるラジカルを捕捉できる化合物を使用することが、本発明の目的にはより好ましい結果を与える。
【化45】
【0076】
(H(生成熱)の計算方法)
分子力場法(CHARMm力場:QUANTAプログラム)によるコンフォメーションサーチ後、エネルギーが最も低かった構造(最安定構造)について半経験的分子軌道法(AM1法:MOPACプログラム)により構造最適化を行い、Hを算出した。
前述の△ε(SOMO)と△Hがともに適切な範囲にいある化合物を、ラジカルを捕捉できる化合物として使用することが好ましい。
【0077】
次に本発明の反応条件について説明する。
本発明のラジカルを捕捉できる化合物、ないし反応系中でラジカルを捕捉できる化合物になる化合物の使用量は、出発物質である炭化水素100重量部に対して、通常、0.00001〜5.0重量部の範囲であり、好ましくは、0.0001〜0.1重量部の範囲である。
酸化剤としての酸素含有気体としては、通常、空気が用いられるが、酸素や酸素と窒素の任意の混合ガスを用いてもよい。
反応は、通常、常圧下で行なえばよいが、必要に応じて、加圧下に行なってもよい。反応温度は、通常、40〜120℃の範囲であるが、好ましくは、50〜100℃の範囲である。
【0078】
また、本反応は固体または水溶液とした塩基性化合物の共存下に行なっても良い。塩基性化合物の例としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム等を挙げる事ができる。反応に用いる塩基性化合物の量は、出発物質である炭化水素100重量部に対して、通常、0.0001〜10.0重量部、好ましくは0.001〜5.0重量部である。
【0079】
本発明による反応は、回分式、連続式のいずれでも行なうことができる。回分式で反応を行なう場合は、出発物質である炭化水素が反応温度で液体であれば、それに前記ラジカルを捕捉できる化合物ないし反応系中でラジカルを捕捉できる化合物になる化合物を加え、加熱攪拌下に、通常、空気を吹き込むことによって、酸化反応を行なう。必要であれば、反応に不活性な有機溶剤を反応溶剤として用いてもよい。他方、出発物質であるアリールアルキル炭化水素が反応温度で固体であれば、不活性な有機溶剤に溶解させて、溶液とし、それに前記ラジカルを捕捉する化合物ないし反応系中でラジカルを捕捉できる化合物になる化合物を加え、加熱攪拌下に、空気を吹き込んで、酸化反応を行なえばよい。
【0080】
更に、本発明においては、必要に応じて、反応の開始に際して、炭化水素に、これに対応する少量のヒドロペルオキシドを開始剤として存在させてもよい。
また、必要に応じて遷移金属錯体等の触媒を併用することも可能である。
触媒を固定床に形成し、出発物質である炭化水素又はその溶液と空気を混合しつつ、この固定床を通過させてもよい。
本発明の方法によれば、目的とするヒドロペルオキシドは、反応終了後、必要に応じて、触媒を濾別した後、得られた反応混合物を蒸留等の通常の手段によって、反応混合物から容易に回収することができる。
【0081】
【実施例】
以下にアリールアルキル炭化水素からの有機ヒドロペルオキシド類の製造を実施例として説明する。しかし、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0082】
実施例1
クメン144gとクメンヒドロペルオキシド36gの混合物に2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシを18mg加えたところ全量が溶解した。これに0.05重量%炭酸ナトリウム水溶液90gを加え、この混合物を6K加圧下105℃に加熱し、強攪拌しながら、空気を400ml/分の割合にて吹き込み、3時間、クメンを空気酸化した。
反応開始から3時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求めたところ5.0重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ91mol%であった。
なお、使用されている2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシと、クメンに対応するクメンラジカルについて△ε(SOMO)及びエンタルピー(△H)を計算すると、それぞれ0.2eV、及び−6.4KJ/molであった。
【0083】
実施例2
2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシに代えて、ジt−ブチルニトロキシドを添加剤として用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
反応開始から3時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求めたところ5.2重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ90もl%であった。
なお、使用されているジt−ブチルニトロキシドと、クメンに対応するクメンラジカルとの間のエンタルピー(△H)を計算すると、−15.0KJ/molであった。
【0084】
実施例3
2,2,6,6,−テトラメチルピペリジノオキシに代えて、N−ヒドロキシフタルイミドを添加剤として用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。反応開始から3時間のヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求めたところ5.0重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ87mol%であった。
【0085】
実施例4
2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシに代えて、ニトロソジスルフォネートのジカリウム塩を添加剤として用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
反応開始から3時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求めたところ5.1重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ89mol%であった。
【0086】
実施例5
クメン126gとクメンヒドロペルオキシド54gの混合物に2、2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールを50mg加えたところ全量が溶解した。これに精製水5.6gを加え、この混合物を6K加圧下105℃に加熱し、強攪拌しながら空気を400ml/分の割合にて吹き込み、滞留時間1時間の連続反応でクメンを酸化した。
反応開始から4,5,6時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、平均したところ3.7重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求め、平均したところ92mol%であった。
【0087】
実施例6
実施例5において2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールに代えてビス−(2,2,6、6−テトラメチルピペリジニル)−セバケートを36mg加えた以外は実施例5と同様に反応を行った。
反応開始から4,5,6時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、平均したところ3.8重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求め、平均したところ90mol%であった。
【0088】
実施例7
クメン122gとクメンヒドロペルオキシド53gの混合物に純水5g、及び2,4,6−トリフェニルフェノールを36mg加えたところ全量が油相に溶解した。この混合物を6K加圧下105℃に加熱し、強攪拌しながら、空気を180ml/分の割合にて吹き込み、クメンを空気酸化した。
保持時間が1時間の連続反応となるように、クメン122gとクメンヒドロペルオキシド53gの混合物に2,4,6−トリフェニルフェノールを36mg溶解したものを175g/時間の割合で、また純水を5g/時間の割合で反応容器に圧力ポンプで注入した。反応液はオーバーフローにより別容器に集め、反応開始から4時間以上経過後、1時間毎に3回、回収した。
クメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ3.8重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ89mol%であった。
なお、使用されている2,4,6−トリフェニルフェノールから生成すると考えられる2,4,6−トリフェニルフェノキシラジカルと、クメンに対応するクメンラジカルとの間の△ε(SOMO)及びエンタルピー(△H)を計算すると、0.4eV及び16.5KJ/molであった。
【0089】
実施例8
2,4,6−トリフェニルフェノールに代えて、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを添加剤として用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
クメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ3.5重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ90mol%であった。
【0090】
実施例9
クメン122gとクメンヒドロペルオキシド53gの混合物に純水5g、及びトリフェニルホスフィンオキシドを36mg加えたところ全量が油相に溶解した。この混合物を6K加圧下105℃に加熱し、強攪拌しながら、空気を180ml/分の割合にて吹き込み、クメンを空気酸化した。
保持時間が1時間の連続反応となるように、クメン122gとクメンヒドロペルオキシド53gの混合物にトリフェニルホスフィンオキシドを36mg溶解したものを175g/時間の割合で、また純水を5g/時間の割合で反応容器に圧力ポンプで注入した。反応液はオーバーフローにより別容器に集め、反応開始から4時間以上経過後、1時間毎に3回、回収した。
クメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ4.5重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ90mol%であった。
【0091】
実施例10
トリフェニルホスフィンオキシドに代えて、トリ-t-ブチルホスフィンオキシドを添加剤として用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
クメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ3.5重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ90mol%であった。
【0092】
比較例1
実施例1において、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシを用いずに実施例1と同様に反応を行なった。
反応開始から3時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求めたところ5.5重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ84mol%であった。
【0093】
比較例2
比較例1において、反応温度を100℃にした以外は比較例1と同様に反応を行なった。
反応開始から3時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求めたところ4.1重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ88mol%であった。
【0094】
比較例3
実施例5において、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールを用いずに実施例5と同様に反応を行った。
反応開始から4,5,6時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、平均したところ5.5重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求め、平均したところ86mol%であった。
【0095】
比較例4
比較例3において反応温度を100℃にした以外は比較例3と同様に反応を行った。
反応開始から4,5,6時間のクメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、平均したところ3.9重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求め、平均したところ89mol%であった。
【0096】
比較例5
実施例7において、2,4,6−トリフェニルフェノールを用いずに実施例7と同様に反応を行った。
クメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ5.5重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ86mol%であった。
【0097】
比較例6
比較例5において、反応温度を100℃にした以外は比較例5と同様に反応を行なった。
クメンヒドロペルオキシド蓄積速度をヨードメトリー及びガスクロマトグラフィーにより求め、3回の平均をとったところ3.9重量%/hrであった。さらにその間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率を高速液体クロマトグラフィーにより求めたところ88mol%であった。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ラジカルを捕捉できる化合物の存在下で炭化水素を酸素含有気体によって酸化することによって、対応するヒドロペルオキシド類の選択率を向上させることができる。
Claims (21)
- 下記の(a)〜(d)からなる群から選ばれるラジカルを捕捉できる化合物の存在下で、炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するヒドロペルオキシド類に選択的に転化することを特徴とするヒドロペルオキシド類の製造方法。
(a)ホスフィンオキシドまたは反応系中でホスフィンオキシドを生成する化合物、
(b)一般式 (II)
(c)一般式( III )
(d)一般式 (IV)
- 一般式(I)で表されるアリールアルキル炭化水素がクメン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル又はこれらの2種以上の混合物であることを特徴とする請求項2記載の方法。
- アリールアルキル炭化水素がクメンである請求項3記載の方法。
- ラジカルを捕捉できる化合物が、X1、X2、A、Bのいずれかの基を介して2つ以上の一般式(III)の構造が架橋されている構造の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 一般式(III)における水素またはその他の置換基が、水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、イソチオシアン酸基、−COORa(ここでRaは水素、アルキル基、アリール基を示す。)、(ジ)アルキルアミノアルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、−CONRbRc(ここで、Rb、Rcは各々独立に水素、アルキル基、アリール基)、オキソ基(=O)、マレイミド基、リン酸基、=NH基または二価の基であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 一般式(III)において、R1、R2、R3、R4がアルキル基であることを特徴とする請求項1、5または6に記載の方法。
- 一般式(III)で表される化合物が2,2,6,6−テトラアルキルピペリジノオキシラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラアルキル−ピペリジニルオキシ、ビス−(2,2,6,6−テトラアルキルピペリジノオキシル)−セバケートまたは2,2,5,5−テトラアルキルピロリジノオキシラジカルであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- ラジカルを捕捉できる化合物が、X1、X2、A、Bのいずれかの基を介して2つ以上の一般式(IV)の構造が架橋されている構造の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法
- 一般式(IV)における水素または他の置換基が、水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、イソチオシアン酸基、−COORa(ここでRaは水素、アルキル基、アリール基を示す。)、(ジ)アルキルアミノアルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、−CONRbRc(ここで、Rb、Rcは各々独立に水素、アルキル基、アリール基)、オキソ基(=O)、マレイミド基、リン酸基、=NH基または二価の基であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 一般式(IV)において、R1、R2、R3、R4がアルキル基であることを特徴とする請求項1,9または10に記載の方法。
- 一般式(IV)で表される化合物が2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン、2,2,6,6−テトラアルキル−4−ピペリジノール、ビス−(2,2,6,6−テトラアルキルピペリジニル)−セバケートまたは2,2,5,5−テトラアルキルピロリジンであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- ラジカルを捕捉できる化合物と、捕捉を目指すラジカルのSOMOエネルギーレベルを、MNDO−PM3法で計算によって得て、その差をラジカルを捕捉できる化合物の選択に用いる請求項1記載の方法。
- ラジカルを捕捉できる化合物と、捕捉を目指すラジカルとのSOMOエネルギーの差(△ε(SOMO))が、MNDO−PM3法で計算して10eV以下であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- ニトロキシドラジカルに代えて、反応系中でニトロキシドラジカルになる化合物を反応系に存在させることを特徴とする請求項17の方法。
- ニトロキシドラジカルになる化合物が一般式(V)、(VI)及び(VII)から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項19の方法。
- 炭化水素がクメンである請求項第17に記載の方法。
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