JP3983829B2 - Cbモルタル組成物、cbモルタル浸透抑制方法および基礎構造物の土中固定方法 - Google Patents
Cbモルタル組成物、cbモルタル浸透抑制方法および基礎構造物の土中固定方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CB(セメント/ベントナイト)モルタル組成物、CBモルタル浸透抑制方法および基礎構造物の土中固定方法に関する。詳しく述べると、CBモルタルの土中への浸透抑制組成物、その組成物を用いる浸透抑制方法およびCBモルタルの地盤への浸透を抑制した基礎構造物の土中固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既製コンクリート杭による杭基礎は工場製品であるため、材料品質の確実さと打込み施工に伴なう地盤の圧密効果によって、大きな支持力が得られ、施工管理が明確で経済性にも基礎工法として発展してきた。しかしながら、打込みに伴なって発生する騒音、振動やディーゼルパイルハンマの油煙の飛散などが、次第に建設公害として社会的にクローズアップされてからは、これらの公害対策を講じた施工法が市街地での施工条件となっている。
【0003】
したがって、打込み工法に代わって埋込み工法が最近使用されるようになってきている。埋込み工法としては、種々のものがあるが、代表的なものとしては(a)プレボーリング工法、(b)中掘り工法、(c)回転圧入工法等がある。これらの工法は、いずれもアースオーガや掘削ロッドなどを用いて、予め地盤中の所定深度(一般には支持層まで)まで掘削したのちに、杭を支持層へ定着する工法である。杭の埋設は、杭の自重による埋設を基本にしているが、圧入力、軽打および杭回転などを併用して埋設を行なう工法もある。
【0004】
これらの工法として代表的な工法として、セメントミルク工法があり、掘削した穴に杭を挿入したのち、穴壁と杭の間隙にCBモルタルを注入したのち固化することにより杭が固定される。
【0005】
また、コンクリート管等を土地に埋設する場合、トンネル掘削工事において鋼鉄ないしコンクリート枠を掘削部位に挿入する場合、あるいはケーソンを掘削部位に挿入する場合等、掘削杭の壁部とこれらの基礎構造物との間にCBモルタルを注入したのち、固化することにより該基礎構造物が固定されている。
【0006】
しかしながら、このような間隙にCBモルタルを注入する際に、地盤、すなわち穴壁の透水性が大きい場合には、例えば砂、礫等の層においては、CBモルタルが固化する間に地盤中へ浸透するため、注入されたCBモルタルが減少するという問題があった。すなわち、CBモルタルが硬化を開始して前記透水性層へ浸透しないだけの充分な粘度を生じるためには約5時間以上を要するため、この時間だけは実質的に浸透しないようなCBモルタル組成物の開発が望まれていた。
このような問題点を解決するために、吸水して膨潤ゲル化する樹脂粉粒体を地盤中に混入することにより該樹脂粉粒体を含有する壁状地盤体を形成することによる止水壁構築法が提案されている(特公平2−9123号)。しかしながら、このような方法では、予め樹脂粉粒体含有壁状地盤帯を形成する必要があるので、工法が煩雑となるという欠点があった。
【0007】
一方、セメント100重量部に対して高吸水性樹脂0.05〜5重量部を配合したセメント組成物が提案されている(特開昭62−132747号)。しかしながら、このセメント組成物は、モルタルに断熱性能と同時に結露防止を目的とするものであって、地盤へのセメントミルクの浸入防止についてはなんら示唆していない。
【0008】
さらに、高吸水膨張性高分子材料と鉱物質粉体とを混合してなる土中充填材も提案されている(特公平2−16953号)。しかしながら、該土中充填材は、あくまでも土中の空隙内に吸水膨張余力を有する状態で充填され、経時変動する空隙に追従して吸水膨張して空隙を閉塞止水し続けるためのものである。したがって、該土中充填材そのものが固化して他の物体を固定する作用はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、新規なCB(セメント/ベントナイト)モルタル組成物、CBモルタル浸透抑制方法および基礎構造物の土中固定方法に関する。
本発明の他の目的は、砂、礫等の地盤層への浸透速度を遅延させたCBモルタル組成物、その組成物を用いる浸透抑制方法および該組成物を用いて該組成物の土中への浸透量を抑制してコンクリート杭、コンクリート管等の基礎構造物を土中に固定する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記諸目的は、水100重量部当りベントナイト1〜15重量部、平均粒子径が50〜1000μmでかつ1重量%セメント水に対する吸水倍率が5〜70g/gである吸水性樹脂0.05〜5重量部およびセメント10〜100重量部の割合で配合してなる土中浸透性が抑制されたCBモルタル組成物により達成される。
【0011】
本発明は、該吸水性樹脂が(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドとのモル比が1:9〜5:5である該(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドよりなる単量体混合物を重合して得られる第1の架橋共重合体(I)である前記CBモルタル組成物である。
【0012】
本発明はまた、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸塩のモル比が5:5〜0:10である前記CBモルタル組成物である。
【0013】
本発明はさらに、該(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドのモル比が2:8〜4:6である前記CBモルタル組成物である。
【0014】
本発明はさらに、該吸水性樹脂が一般式(1)
【0015】
【化2】
【0016】
(ただし、Rは水素またはメチル基、Xは全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル分率が50%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Yは炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノキシ基または炭素数1〜9のアルキル基を1〜3個置換基として有するオキシアルキルフェニル基であり、nは平均で3〜100の正数である。)表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)20〜100重量%および(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)80〜0重量%(ただし、(A)と(B)の合計量は100重量%である。)からなる単量体混合物を重合して得られる第2の架橋重合体(II)である前記CBモルタル組成物である。
【0017】
上記諸目的は、透水係数が0.2〜5cm/秒である地盤に、CBモルタルが浸透するのを抑制するに際し、該CBモルタルに平均粒子径が50〜1000μmで、かつ、1重量%セメント水に対する吸水倍率が5〜70g/gである吸水性樹脂を0.05〜5重量部配合することを特徴とするCBモルタルの浸透抑制方法によって達成される。ここで、CBモルタルは、水100重量部当たりベントナイト1〜15重量部およびセメント10〜100重量部を含むものであることが好ましい。
【0018】
本発明はまた、透水係数が0.2〜1.0cm/秒、該平均粒子径が50〜250μm、吸水性樹脂の配合量が0.05〜1重量部である前記CBモルタルの浸透抑制方法である。
【0019】
本発明はさらに、透水係数が1.0〜2.5cm/秒、該平均粒子径が200〜400μm、吸水性樹脂の配合量が0.1〜2重量部である前記CBモルタルの浸透抑制方法である。
【0020】
また、本発明は、透水係数が2.5〜5.0cm/秒、該平均粒子径が300〜1000μm、吸水性樹脂の配合量が0.5〜5重量部である前記CBモルタルの浸透抑制方法である。
【0021】
上記諸目的は、基礎構造物を削孔地盤中に埋設固定する方法において、該基礎構造物を該削孔地盤壁との間に、前記CBモルタルを注入して固化することを特徴とする基礎構造物の土中固定方法によっても達成される。
【0022】
本発明はまた、該基礎構造物がコンクリート杭である前記基礎構造物の土中固定方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明によるCBモルタル組成物は、セメント、ベントナイト、吸水性樹脂および水を必須成分とするものである。
【0024】
セメントとしては、ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、マグネシアセメント、高炉セメント、ローマンセメント、アルミナセメント、高硫酸塩スラグセメント、混合ポルトランドセメント、石灰混合セメント等があるが、好ましくは(普通)ポルトランドセメントである。
【0025】
ベントナイトは、シリカとアルミナとを主成分とするモンモリロナイトを主とした粘土であり、その平均粒子径が10〜100μm、好ましくは30〜50μmの微粉末であり、吸水および膨潤性に富んでいる。本発明の組成物においては、水100重量部当り1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部である。すなわち、この範囲より少ないと、適切な粘度が得られず、ブリージングも極めて大きく発生し、CBモルタルの浸透抑制性が低下する。一方、この範囲を越えるとベントナイトの分散および混練に時間を要し、ポンプによる圧送能力を低下させるとともに掘削性も低下させるものである。
【0026】
吸水性樹脂としては、セメント水を吸収して体積膨張を起こすものであり、1重量%のセメント水に対する吸水倍率が5〜70g/g、好ましくは10〜60g/g、最も好ましくは20〜50g/gのものであり、その平均粒子径は50〜1000μmである。なお、ここに1重量%のセメント水に対する吸水倍率とは、1重量%の普通ポルトランドセメント水を濾紙(例えば東洋濾紙2号)で濾過し、得られる濾液に対する該吸水性樹脂の吸水量(g/g)を意味する。しかして、吸水性樹脂の平均粒子径が50μm未満では、たとえ吸水性樹脂粒子が吸水膨張してもなお止水効果は不充分であり、一方、1000μmを越えると、吸水膨潤してもなお止水効果が不充分となるばかりか、固化後のCBモルタルの強度が低下する傾向にあるため好ましくないものである。また、1重量%のセメント水に対する吸水倍率が5g/g未満では、吸水性樹脂の吸水膨張によってもなお、止水効果が不充分であり、一方、70g/gを越えると、CBモルタル中で、吸水した吸水性樹脂(含水ゲル)同士が接着しやすくなる結果、止水効果が不充分となるものである。
【0027】
このような吸水性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドとのモル比が1:9〜5:5である該(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドよりなる単量体混合物を重合して得られる第1の架橋共重合体(I)がある。
【0028】
本発明で用いられる第1の架橋共重合体(I)中に含有される(メタ)アクリル酸塩としては、重合性および重合後の吸水性等の著しい低下がないものであれば特に制限なく、例えば(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の金属塩、(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリル酸の有機アミン塩などを挙げることができる。
【0029】
第1の架橋共重合体(I)で用いられる(メタ)アクリル化合物における(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸塩の混合割合は、とくに制限はないが吸水能力などを考慮すれば(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸塩のモル比が5:5〜0:10、特に3:7〜0:10であることが好ましい。
【0030】
また、第1の架橋共重合体(I)で用いられる単量体中に重合性や止水性能を阻害しない範囲での他の単量体、例えばクロトン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和モノカルボン酸系単量体、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和ジカルボン酸系単量体、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和スルホン酸系単量体、イソプロピルアクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、ポリエチレングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノールエーテル、3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、ポリエチレングリコールモノプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノプレノールエーテル、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレアンアルコール)、ポリエチレングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノアリルエーテル、ビニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のカチオン性単量体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の含リン単量体等や無機物を加えることができる。
【0031】
本発明で用いられる第1の架橋共重合体(I)を得るためには、上記(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドのモル比が1:9〜5:5、好ましくは2:8〜4:6の範囲である。上記(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドのモル比が5:5(5:5は含まない)〜10:0の範囲では、架橋重合体は多価金属塩の影響を受けやすくなり、長期間にわたり安定した止水能力が得られにくくなくなる。また、上記(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドのモル比が1:9(1:9は含まない)〜0:10の範囲では、吸水能力が低下し、長期間にわたり安定した止水能力が得られなくなる。
【0032】
また、吸水性樹脂としては一般式(1)
【0033】
【化3】
【0034】
(ただしRは、水素またはメチル基、Xは全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル分率が50%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Yは炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノキシ基または炭素数1〜9のアルキル基を1〜3個置換基として有するオキシアルキルフェニル基であり、nは平均で3〜100の正数である。)表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)20〜100重量%および(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)80〜0重量%(ただし、(A)と(B)の合計量は100重量%である。)からなる単量体混合物を重合して得られる第2の架橋重合体(II)も好適に使用できる。
【0035】
第2の架橋重合体(II)に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)は、前記一般式(1)で表されるような末端に疎水性炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体であり、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ベンジルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0036】
また、第2の架橋重合体(II)に用いられる単量体(B)としては特に制限はなく、広い範囲の単量体が使用できる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和モノカルボン酸系単量体、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和ジカルボン酸系単量体、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和スルホン酸系単量体、(メタ)アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、ポリエチレングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノールエーテル、3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、ポリエチレングリコールモノプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノプレノールエーテル、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレンアルコール)、ポリエチレングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノアリルエーテル、ビニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のカチオン性単量体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の含リン単量体等を挙げることができるが、中でも安価で(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合性に優れた不飽和モノカルボン酸系単量体および不飽和スルホン酸系単量体が特に好ましい。
【0037】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)の共重合比率は(A)20〜100重量%、(B)80〜0重量%とすることが好ましい。
【0038】
(A)の共重合比率が20重量%未満量の場合、得られた吸水性樹脂の耐塩性が悪くなる傾向がある。特に好ましい共重合比率は(A)40〜90重量%、(B)60〜10重量%である。(A)の共重合比率が90重量%を越えた場合、吸水倍率が低下する傾向がある。
【0039】
本発明における吸水性樹脂を得るための重合溶媒としては特に制限はなく、通常水性媒体および有機溶媒が賞用される。水性媒体とは、水あるいは水と水に溶解可能な無機または有機溶媒との混合溶媒を意味する。水に溶解可能な有機溶媒の例として炭素数1〜4のアルコール、低級ケトン系溶媒などを例示することができる。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族酸化水素類、シクロヘキサン等の脂環炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等を例示することができる。
【0040】
吸水性樹脂を得るための架橋剤としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等の1分子中にエチレン系不飽和基を2個以上有する化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトール、ソルビット、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖等の多価アルコール;エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のポリエポキシ化合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上用いることができる。
【0041】
中でも特に好ましい架橋剤はトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートである。第2の架橋重合体(II)を得る際に用いられる架橋剤としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート中のエチレンオキサイドの付加モル数としては4〜100モル好ましいが、架橋効率より5〜50モルが特に好ましい。
【0042】
また、架橋剤量としては、全単量体1モルに対して、0.0005〜0.02モルの範囲とすることが好ましい。この範囲を外れた場合、吸水膨潤しても止水効果が不十分となる場合がある。また、0.0005モル量未満の少ない架橋剤量では、重合中あるいは重合完結後の含水ゲルの解砕性が悪くなる傾向がある。また、乾燥後の製品中の可溶分量が増加する傾向がある。0.02モル量より多い架橋剤量では吸水倍率が低下する傾向がある。
【0043】
重合開始剤としては特に制限はなく、広い範囲の開始剤が用いられる。例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素、2−2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリン酸等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸等の有機過酸化物系;アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ化合物などを挙げることができる。また、これらの重合開始剤の分解を促進する目的で還元剤を併用することも勿論可能である。このような還元剤の例として(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、還元性金属(塩)、アミン類などを挙げることができる。
【0044】
重合時の温度は、用いる触媒の種類により異なるが、比較的低温の方が架橋重合体の分子量が大きくなり好ましい。しかし、重合が完結するためには20℃〜100℃の範囲であることが好ましい。
【0045】
重合系の単量体濃度は、特に制限はないが、重合反応の制御のし安さと収率・経済性を考慮すれば、20〜80重量%、特に30〜60重量%の範囲にあることが好ましい。重合形態としては種々の形態が採用できるが、懸濁重合、注型重合、双腕碗型ニーダーの剪断力によりゲル状含水重合体を細分化しながら重合する方法(特開昭57−34101号)が好ましい。止水性能は本願発明におけるか共重合体より劣るが、上記架橋重合体の他に、本発明で使用し得る吸水性樹脂としては組成的には、つぎのごとき吸水性樹脂がある。例えば、イソブチレン/マレイン酸架橋重合物、酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル架橋重合物のケン化体、スルホン酸基含有架橋重合物、ポリアルキレングリコール架橋重合物、ポリビニルアルコール架橋重合物、ポリビニルアセトアミド架橋重合物等である。
【0046】
水は、セメント100重量部に対して100〜1000重量部、好ましくは200〜500重量部使用される。すなわち、100重量部未満では、混練が困難となり、一方、1000重量部を越えると固化後の強度が低下するものである。このようにして構成される本発明のCBモルタル組成物は、透水係数が0.2cm/秒以上の地盤に対して特に有効である。
【0047】
なお、ここで地盤の透水係数とは、「土質試験の方法と解説」(社団法人土質工学会平成3年2月28日発行)第271〜288頁に記載のJSF T 311−1990「土の透水試験」中の定水位透水試験の方法に準じて求めたものである。
【0048】
すなわち、図1に示すように、試料の最大粒径に比べて十分の大きい内径と長さとを有する透水円筒1、該透水円筒の頂部に取付けられ、給水側の水位を一定に保ち得る越流口8を有する透水円筒カラー2、透水円筒1内の供試体6およびフィルター3を保持する多数の小孔を有する有孔板4、供試体とフィルター3の間に置く耐食性金網5および排水側の水位を一定に保ち得る越流口7を有する越流水槽9よりなる透水試験用具を用いる。なお、10はメスシリンダーである。
つぎに、試料の土粒子の密度ρs(g/cm3 )をJSF T111「土粒子の密度試験方法」に規定する方法によって求め、さらに試料の最大粒径をはかる。ついで、透水円筒1の内径をはかり断面積A(cm2 )を求める。透水円筒1を有孔板4に固定し、フィルター3を設置し、その上に金網5を置く。試料6を金網5の上に所定の厚さに入れ、層状に締固める。1層の厚さは、締固め後の厚さが15mmまたは最大粒径の1.5倍のうち大きい方とする。締固め後の供試体の長さL(cm)、質量m(g)をはかり、試料の含水比ω(%)を求める。さらに、供試体の上面を金網5とフィルター3で覆い、有孔板4を載せて透水円筒1に固定する。
【0049】
供試体6の飽和度を高めたのち、透水円筒1の上部に透水円筒カラー2を取付け、水を満した越流水槽9に空気が入らないようにしながら透水円筒1を静かに入れる。ついで、透水円筒カラー2に注水して越流口8から越流させ、給水側の水位を一定に保つ。越流水槽9からの越流量がほぼ一定になるのを待って、時刻t1 からt2 までの間の流出量Q(cm3 )をメスシリンダー10ではかる。測定は3回以上行なう。透水槽の中の水温T(℃)をはかり、さらに試験後の含水比ω(%)を求める。
【0050】
(1)供試体の乾燥密度ρd(g/cm3 )、間隙比e、飽和度Sr(%)を次式により算定する。
【0051】
【数1】
【0052】
(2)測定時の水温T℃に対する透水係数kg(cm/sec)を次式で算定する。
【0053】
【数2】
【0054】
ここに、h:水位差(cm)
Q:流出水量(cm3 )
(t2 −t1 ):測定時間(sec)
このようにして構成される本発明のCBモルタル組成物は、透水係数が02.〜5cm/秒である地盤に注入すると、特にCBモルタルの地中への浸透が抑制できる。透水係数がこの範囲外ではCBモルタルはその浸透効果を有効に発揮することができず好ましくない。CBモルタル組成物の地盤への注入法は、特に限定されるものではなく公知の方法が採用できるが、予め地盤の所定深度まで掘削したのちに、コンクリート杭等の基礎構造物を埋設したのち係る基礎構造物と削孔地盤との間に、CBモルタルを注入することによりなされる。
【0055】
また、CBモルタル組成物を注入する地盤の透水性に応じて、使用する吸水性樹脂の平均粒子径及びCBモルタル組成物に対する配合割合を変更することによって、CBモルタル組成物の地中への浸透を効果的に抑制できる。地盤の透水係数と吸水性樹脂の平均粒子径との関係は、透水係数が小さい場合にはその平均粒子径は相対的に小さいものが好ましく、その配合割合も少ないほうが好ましい。また、透水係数が大きい場合には、その平均粒子径は大きいものが好ましく、その配合割合も大きいことが好ましい。例えば、地盤の透水係数が0.2〜5cm/秒の場合には、吸水倍率が5〜70gの吸水性樹脂の平均粒子径を50〜1000μm、その配合割合を0.05〜5重量部とすることによって達成される。特に、地盤の透水係数が0.2〜1.0cm/秒の場合には、吸水性樹脂の平均粒子径を50〜150μm、その配合割合を0.05〜1重量部とすることが好ましく、地盤の透水係数が1.0〜2.5cm/秒の場合には、吸水性樹脂の平均粒子径を200〜400μm、その配合割合を0.1〜2重量部とすることが好ましく、さらに地盤の透水係数が2.5〜5.0cm/秒の場合には、吸水性樹脂の平均粒子径を300〜1000μm、その配合割合を0.5〜5重量部とすることが好ましい。したがって、予め地盤である土層の吸水係数を測定することが好ましい。
【0056】
本発明のCBモルタルは、固化速度が速いため、工期が短くてすむ。また固化後の強度が大きいため、基礎構造物を土中に強固に固定することが可能となる。さらに、CBモルタルが拡散・浸透による無駄がないため、建設コストを大幅に低減せしめることが可能となるなど、工業的利用価値が極めて高いものである。
なお、本発明のCBモルタル組成物に、土砂、粘土、クレー、炭酸カルシウムなどの無機物質や木粉、パルプ、吸水性繊維、ガラス繊維などの無機あるいは有機の繊維質物質やカルボキシメチルセルロール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の天然あるいは合成増粘剤を併用することは勿論可能である。
【0057】
【実施例】
以下、参考例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部、重量%を表わすものとする。
【0058】
参考例1
500mlの円筒型セパラブルフラスコにアクリル酸ナトリウム31.3g(0.33モル)、アクリルアミド55.2g(0.78モル)、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.17g(0.0011モル)および水164.9gを仕込み、均一に溶解させた。
【0059】
フラスコ内を窒素置換したのち、湯浴上で25℃に加熱し、20%過硫酸ナトリウム水溶液1.94gおよび2%L−アスコルビン酸水溶液1.94gを添加し、攪拌を停止して重合させた。重合開始後発熱し、40分後に90℃まで上昇した。液温の上昇が停止した時点で浴温を90℃まで昇温させ、40分間熟成を行なった。得られた重合物を細分化したのち、160℃で3時間熱風乾燥し、粉砕したのち篩分し、表1に示される平均粒子径を有する粉末状吸水性樹脂を得た。また、1重量%セメント水に対する吸水倍率は、各吸水性樹脂の全てが38g/gであった。
【0060】
なお、1%セメント水に対する吸水倍率は以下のようにして測定されたものである。
【0061】
<セメント水吸水倍率測定法>
すなわち、脱イオン水99重量部に普通ポルトランドセメント(トクヤマ社製)1重量部を入れ2時間撹拌した。次いで、東洋濾紙株式会社製NO2濾紙で濾過して1%セメント水を得た。
【0062】
ティーバッグに吸水性樹脂粉末約0.1gをとり、上記セメント水100gに24時間浸析した後の重量を測定し、次式に従って算出した。
【0063】
吸水倍率=(B−C)/A
A:採取した吸水性樹脂粉末の重量(g)
B:吸水後のティーバッグを含めた全重量(g)
C:空試験におけるティーバッグを含めた重量(g)
参考例2
N、N−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.085g(0.00055モル)とした他は参考例1と同様にして1%セメント水に対する吸水倍率が70g/gで平均粒子径が260μmの吸水性樹脂を得た(表1参照)。
【0064】
参考例3
N、N−メチレンビスアクリルアミドの使用量を3.4g(0.022モル)とした他は参考例1と同様にして1%セメント水に対する吸水倍率が5g/gで平均粒子径が260μmの吸水性樹脂を得た(表1参照)。
【0065】
参考例4
温度計を備えた容量2.5リットルの卓上型ジャケット付ニーダー(内面は3弗化エチレンでライニング処理)に37%アクリル酸ナトリウム水溶液517.5部(32重量%)、メトキシポリエチレングリコール(EO付加モル数9モル)メタクリレート408.5部(68重量%)、イオン交換水261.5部及び架橋剤としてポリエチレングリコール(EO付加モル数8モル)ジアクリレート(PEGDA−8)0.68部(対単量体0.05モル%)を仕込んだ。
【0066】
これを窒素ガス気流下、攪拌しながらジャケットに40℃の温水を流して内容物を40℃に昇温した後、重合開始剤として10%2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩(V−50,0.15モル%)水溶液11.8部を添加して10秒間攪拌した後、攪拌を停止した。直ちに重合が開始して59分でピーク温度69℃に到達した。次いで、ジャケット温度を80℃に上げて、1時間熟成した。熟成終了後、ブレード回転数36rpmで10分間の解砕を行なった。ニーダーを反転し、含水ゲルを重合容器から取り出した。含水ゲルの重合容器への付着は全く認められなかった。また含水ゲルの平均粒子径は1mmで極めて良好に解砕されていた。また、粒子径が5mm以上の玉ゲルは全く認められなかった。
【0067】
このようにして得られた微細な含水ゲルを熱風循環式乾燥機で120℃、4時間乾燥した。乾燥後、卓上簡易型粉砕機(協立理工株式会社製)を用いて粉砕し、吸水性樹脂微粉末を得た。この吸水性樹脂微粉末を篩分し、表1に示される平均粒子径を有する粉末状吸水性樹脂を得た。
【0068】
また、1重量%セメント水に対する吸水倍率は、各吸水性樹脂の全てが29g/gであった。
【0069】
【表1】
【0070】
試験方法
A. CBモルタル組成物の調製
水、セメント、ベントナイトおよび参考例で得られた各吸水性樹脂を表2に示される割合で配合し、CBモルタル組成物を調製し、つぎの方法によって試験した。
【0071】
【表2】
【0072】
なお、同表2においてクニゲルV2は、クニミネ工業株式会社製のベントナイト(平均粒子径35μm)である。
【0073】
B.ガラスビーズ(粒径別)でのCBモルタル段階的加圧による浸透抑制効果試験
吸水性樹脂を配合したCBモルタルを、CBモルタル浸透試験装置(図2参照)に充填し、大気圧から、2kg/cm2 までの段階的に加圧し、CBモルタル充填部の液面低下(CBモルタル浸透長)、排出水量および設定地盤(ガラスビーズ)へのCBモルタルの浸透距離を測定した。ただし、大気圧または加圧したことによりCBモルタルが全量浸透した場合は、その時点で測定を中止した。
【0074】
C.CBモルタル浸透試験装置の概要
図2に示すように、外径7.0cm、内径6.0cm、高さ118cmのアクリル樹脂製の円筒容器11の最下部にCBモルタル排出のための開閉弁12を設け、最上部には窒素ガス供給源17に連通する加圧用のノズル13および圧抜き弁14を設けてなるものである。
【0075】
まず円筒11の底部から規定の高さ(例えば、高さ620mm、容積1752cm3 )にガラスビーズ15を充填し、その上部の空洞部にCBモルタル16を注入し上部まで(例えば高さ320mm、容積904cm3 )充填させたのちに、条件に合わせて測定を行なった。
【0076】
実施例1〜4
透水係数(前記JSF T311−1990の方法に準じて測定した。)が0.75cm/sec相当のガラスビーズを用い,表3に示される吸水性樹脂を表2に示される基本配合に基づき,図2に示される装置を用いてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
【0078】
実施例5〜8
透水係数が2.04cm/sec相当のガラスビーズを用い,表4に示される吸水性樹脂を表2に示される基本配合に基づき,図2に示される装置を用いてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】
実施例9〜14
透水係数が2.39cm/sec相当のガラスビーズを用い,表5に示される吸水性樹脂を表2に示される基本配合に基づき,図2に示される装置を用いてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】
実施例15〜16
透水係数が2.79cm/sec相当のガラスビーズを用い,表6に示される吸水性樹脂を表2に示される基本配合に基づき,図2に示される装置を用いてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表6に示す。
【0083】
【表6】
【0084】
実施例17〜22
透水係数が4.11cm/sec相当のガラスビーズを用い,表7に示される吸水性樹脂を表2に示される基本配合に基づき,図2に示される装置を用いてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表7に示す。
【0085】
【表7】
【0086】
実施例23
土層(透水係数が1.70cm/sec)を利用し,表8に示される吸水性樹脂を表2に示される基本配合に基づき,図2に示される装置を用いてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表8に示す。
【0087】
【表8】
【0088】
比較例1、3〜6
表2に示す基本配合において、吸水性樹脂を配合せず、透水係数がそれぞれ0.75〜4.11cm/sec相当のガラスビーズについてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0089】
【表9】
【0090】
比較例2および7
表2に示す基本配合において、吸水性樹脂として表9に示す吸水性樹脂を用いて、透水係数がそれぞれ0.75および4.11cm/sec相当のガラスビーズについてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0091】
比較例8
表2に示す基本配合において、添加材としてポリアクリル酸系吸水性樹脂(平均粒子径260μm,吸水倍率4g/g)を用い、透水係数が2.39cm/sec相当のガラスビーズについてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0092】
比較例9
表2に示す基本配合において、吸水性樹脂の代わりに添加材としてパルプ(ウラゴメール、三井東圧化学社製)を用い、透水係数が2.39cm/sec相当のガラスビーズについてCBモルタルの浸透試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0093】
表3〜8に示されるように、ガラスビーズを使用した場合、本願発明に基づく実施例の結果は、比較例に示される結果よりも優れていることは明らかである。特に、実施例1〜4と比較例1において、積算排出量、CBモルタル浸透長、CBモルタル浸透量、対ガラスビーズへの浸透長の全てにおいて、本願発明は優れている。また、本願発明では、加えられる圧力が変動した場合にもCBモルタルの浸透性が十分に抑制される。
【0094】
ガラスビーズを使用した実施例8(透水係数2.04cm/sec)を土層を使用した場合の実施例23(透水係数1.70cm/sec)と比較すると、両者の透水係数は略おなじであるが、透水係数が同じ場合、ガラスビーズでも土層でも同じような浸透性を示している。つまり、これらの実験結果は、極めて似た傾向を示しており、ガラスビーズを用いた場合と実際の土層の実験結果は相関関係があることが判る。
【0095】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるCBモルタル組成物は、有効な吸水性樹脂とベントナイトの相乗作用により砂、礫等のごとき浸透性の高い地盤に対して極めて優れた浸透抑制効果を有するものである。したがって、コンクリート杭などの基礎構造物を掘削孔内に挿入し、該基礎構造物と、掘削孔壁との間に該CBモルタル組成物を注入した場合、たとえ地盤が砂、礫等のように浸透性の高いものであっても、充分浸透が抑制され、その硬化によって基礎構造物が固定されるのである。したがって、CBモルタルの地盤中への浸透による損失は極めて少量に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、地盤の透水係数測定装置の概略図である。
【図2】は、本発明によるCBモルタル組成物の試験装置を示す概略断面図である。
【図3】は、参考例1で得られた吸水性樹脂(平均粒子径100μm、吸水倍率38g/g)の粒度分布を示す図である。
【符号の説明】
1…透水円筒、
2…透水円筒カラー
3…フィルター
4…有孔板、
5…耐食性金網、
6…供試体
7,8…越流口
9…越流水槽、
10…メスシリンダー、
11…円筒容器、
12…開閉弁、
13…加圧力ノズル、
14…圧抜き弁、
15…ガラスビーズ、
16…CBモルタル、
17…窒素ガス供給源。
Claims (5)
- 水100重量部当りベントナイト1〜15重量部、平均粒子径が50〜1000μmでかつ1重量%セメント水に対する吸水倍率が5〜70g/gである(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドとのモル比が1:9〜5:5である該(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドよりなる単量体混合物を重合して得られる第1の架橋共重合体(I)よりなる吸水性樹脂0.05〜5重量部およびセメント10〜100重量部の割合で配合してなることを特徴とする土中浸透性が抑制されたCBモルタル組成物。
- (メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸塩のモル比が5:5〜0:10である請求項1に記載のCBモルタル組成物。
- 該(メタ)アクリル化合物と(メタ)アクリルアミドのモル比が2:8〜4:6である請求項1または2に記載のCBモルタル組成物。
- 基礎構造物を削孔地盤中に埋設固定する方法において、該基礎構造物を該削孔地盤壁との間に、請求項1〜3のいずれか一つに記載のCBモルタル組成物を注入して固化することを特徴とする基礎構造物の土中固定方法。
- 該基礎構造物がコンクリート杭である請求項4に記載の基礎構造物の土中固定方法。
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