JP3982412B2 - 車両用デジタル照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、反射型デジタル光偏向装置を使用して所定の配光パターンで路面などを照明する車両用デジタル照明装置にかかるものである。特に、この発明は、光学エンジンの製造ばらつきや経時劣化に伴なう反射型デジタル光偏向装置から照射される配光パターン(反射型デジタル光偏向装置からの出力分布)の誤差を初期補正することができる車両用デジタル照明装置、すなわち、配光パターンのイニシャライズ機能を有する車両用デジタル照明装置に関するものである。
【0002】
なお、この明細書において、「路面など」とは、路面およびその路面上の人(歩行者など)や物(先行車や対向車や道路標識や建物など)などを言う。
【0003】
【従来の技術】
反射型デジタル光偏向装置を使用して所定の配光パターンで路面などを照明する車両用の照明装置は、従来からある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−104288号公報(段落番号「0007」〜「0018」)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の従来の車両用デジタル照明装置は、光学エンジンの製造ばらつきや経時劣化に伴なう反射型デジタル光偏向装置から照射される配光パターンの誤差を初期補正することができない。
【0006】
この発明は、前記の従来の技術の改良にかかるものであり、その目的とするところは、光学エンジンの製造ばらつきや経時劣化に伴なう反射型デジタル光偏向装置から照射される配光パターンの誤差を初期補正することができる車両用デジタル照明装置、すなわち、配光パターンのイニシャライズ機能を有する車両用デジタル照明装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、光源を有する光学エンジンと、多数個の極小ミラー素子がそれぞれ傾倒可能に配置されており、前記多数個の極小ミラー素子の傾倒角度を、無通電時のニュートラル状態に対して、第1傾倒角度と第2傾倒角度とにデジタル的に切り替えて、前記光学エンジンからの光の反射方向をONの第1反射方向とOFFの第2反射方向とにデジタル的にスイッチングする反射型デジタル光偏向装置と、前記反射型デジタル光偏向装置からのONの反射光であって所定の配光パターンの光を路面などに照射する光照射装置と、複数の配光パターンのデジタルデータが記憶されている記憶装置と、入力信号に基づいて前記記憶装置に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から所定の配光パターンのデジタルデータを選択し、この選択された所定の配光パターンのデジタルデータに基づいて前記多数個の極小ミラー素子の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する制御装置と、無通電時の前記反射型デジタル光偏向装置からの反射光を、前記多数個の極小ミラー素子と1:1の関係で受光する多数個の光半導体素子から構成されている光半導体素子パネルと、前記制御装置に設けられており、基準データが記憶されている基準データ記憶装置と、前記制御装置に設けられており、前記基準データ記憶装置からの基準データと前記光半導体素子パネルからの計測データとを比較して誤差を演算し、かつ、誤差分が補正された補正データを前記記憶装置に出力する比較演算装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この結果、請求項1にかかる発明は、光半導体素子パネルの多数個の光半導体素子が無通電時の反射型デジタル光偏向装置からの反射光を多数個の極小ミラー素子と1:1の関係でそれぞれ受光して計測データを比較演算装置に出力し、この比較演算装置が基準データ記憶装置からの基準データと前記の計測データとを比較して誤差を演算し、その誤差分を補正した補正データを記憶装置に出力する。このために、請求項1にかかる発明は、光学エンジンの製造ばらつきや経時劣化に伴なう反射型デジタル光偏向装置から照射される配光パターンの誤差を初期補正することができ、配光パターンのイニシャライズ機能を有することとなる。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、所定の配光パターンを選択して選択信号を出力する配光パターン選択装置を備え、制御装置が、前記配光パターン選択装置からの入力信号に基づいて記憶装置に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から所定の配光パターンのデジタルデータを選択し、この選択された所定の配光パターンのデジタルデータに基づいて多数個の極小ミラー素子の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する、ことを特徴とする。
【0010】
この結果、請求項2にかかる発明は、ドライバーが配光パターン選択装置を介して所定の配光パターンのデジタルデータを選択するので、その分、装置の構造が簡単となり、製造コストが安価となる。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、車両の周囲環境を検知して検知信号として出力する周囲環境検知装置を備え、前記制御装置が、前記周囲環境検知装置からの入力信号に基づいて車両の周囲環境を判断し、この判断に基づいて記憶装置に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンのデジタルデータを選択し、この選択された車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンのデジタルデータに基づいて多数個の極小ミラー素子の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する、ことを特徴とする。
【0012】
この結果、請求項3にかかる発明は、車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンを自動的に選択し、この選択された車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンで路面などを常時照明することができるので、交通安全上好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる車両用デジタル照明装置の実施の形態の2例について添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図において、符号「U」は、ドライバー側から見た上側を示す。符号「D」は、ドライバー側から見た下側を示す。符号「L」は、ドライバー側から前方を見た場合の左側を示す。符号「R」は、ドライバー側から前方を見た場合の右側を示す。符号「HL−HR」は、スクリーン上の左右水平線のことを示す。符号「VU−VD」は、同じく、スクリーン上の上下垂直線を示す。
【0015】
(実施の形態1の構成の説明)
「全体構成の説明」
図1〜図12は、この発明にかかる車両用デジタル照明装置の実施の形態1を示す。この車両用デジタル照明装置は、車両の周囲環境に最適な配光パターンP5で路面などを照明するものであって、この例では、自動車用のヘッドランプである。
【0016】
前記車両用デジタル照明装置は、図1に示すように、光学エンジン1と、反射型デジタル光偏向装置2と、光照射装置3と、記憶装置4と、周囲環境検知装置5と、制御装置6と、光半導体素子パネル8とを備えるものである。
【0017】
「光学エンジンの説明」
前記光学エンジン1は、図2に示すように、光源としての放電灯10(出力がたとえば35W)と、前記放電灯10からの光L1を反射させるリフレクタ11と、前記リフレクタ11からの反射光L2を平行光L3として出射させるコリメータレンズ(平行化レンズ)12とを備える。
【0018】
前記リフレクタ11の内面には、アルミ蒸着や銀塗装などが施されていて反射面13が設けられている。この反射面13は、NURBSの自由曲面(特開2001−35215号公報を参照)から形成されている反射面であって、反射光L2を前記コリメータレンズ12の入射面14に、図2(B)および(C)に示す配光分布で入射させるものである。図2(B)および(C)に示す配光分布は、中央における光度(照度)が高く、周囲における光度(照度)が低い配光分布をなすものであるから、車両用の照明の配光分布、すなわち、中央における光度(照度)が高く、周囲における光度(照度)が低い配光分布に一致するので、放電灯10からの光L1を有効に利用することができる。
【0019】
「反射型デジタル光偏向装置の説明」
前記反射型デジタル光偏向装置2(特開平8−201708号公報、特開平11−231234号公報を参照)は、極小ミラー素子群デジタル駆動装置、または、反射型光学変調素子、または、空間光変調器、または、光情報処理素子、または、光スイッチなどと称されている。
【0020】
前記反射型デジタル光偏向装置2は、図3〜図8に示すように、CMOS基板(SRAMメモリ半導体)20と、前記CMOS基板20上に配置された導体21と、前記導体21上にトーションヒンジ22を介して傾倒可能に配置されたヨーク23と、前記ヨーク23にポスト24を介して支持された極小ミラー素子25とから構成されている。すなわち、前記反射型デジタル光偏向装置2は、1個の半導体チップ上に機械的機能と、光学的機能と、電気的機能を集積したデバイスである。前記CMOS基板20は、駆動部であって、アドレスようのトランジスターからなる。前記ヨーク23は、可動部であって、ランディングチップ(スプリングチップ、バウンシングチップ)27を有する。
【0021】
前記反射型デジタル光偏向装置2は、多数個の前記極小ミラー素子25がそれぞれ傾倒可能に配置されているものである。前記多数個の極小ミラー素子25の個数は、たとえば、720×480=345600個、または、800×600=480000個、または、1024×768=786432個、または、1280×1024=1310720個、または、任意の個数である。
【0022】
前記反射型デジタル光偏向装置2は、前記多数個の極小ミラー素子25の傾倒角度を第1傾倒角度と第2傾倒角度とにデジタル的に切り替えて、前記光学エンジン1のコリメータレンズ12からの平行光L3の反射方向をONの第1反射方向とOFFの第2反射方向とにデジタル的にスイッチングするものである。前記反射型デジタル光偏向装置2は、いわゆる、光の高速スイッチング動作を行うデバイスである。以下、前記極小ミラー素子25の姿勢状態について図6を参照して詳細に説明する。
【0023】
すなわち、無通電時において、前記極小ミラー素子25は、点線で示すフラットステイトと称される水平状態(ニュートラル状態)にある。通電時において、前記極小ミラー素子25は、CMOS基板20のアドレスメモリへの出力に応じて静電引力により、水平状態から、実線で示す状態(ONの状態)に、または、一点鎖線で示す状態(OFFの状態)に、それぞれ傾倒するものである。
【0024】
前記極小ミラー素子25の実線で示すONの状態は、ニュートラル状態に対して第1傾倒角度+θ(たとえば、+10°または+12°など)に傾倒した状態であって、このONの状態においては、前記光学エンジン1からの光L3を実線矢印に示すONの第1反射方向に反射させる。この実線矢印で示されている反射光L4は、前記入射光L3に対して角度2θで前記光照射装置3側に反射して、路面などを照明する。
【0025】
また、前記極小ミラー素子25の一点鎖線で示すOFFの状態は、ニュートラル状態に対して第2傾倒角度−θ(たとえば、−10°または−12°など)に傾倒した状態であって、このOFFの状態においては、前記光学エンジン1からの光L3を一点鎖線矢印に示すOFFの第2反射方向に反射させる。この一点鎖線矢印で示されている反射光L5は、前記入射光L3に対して角度6θで光アブソーバー26側に反射して、無効化される。
【0026】
さらに、水平状態(ニュートラル状態)にある極小ミラー素子25は、前記光学エンジン1からの平行光L3を点線矢印に示す第3反射方向に反射させる。この点線矢印で示されている反射光L6は、前記入射光L3に対して角度4θで反射している。無通電時の反射型デジタル光偏向装置2からの反射光L6の光路上に前記光半導体素子パネル8が配置されている。なお、光半導体素子パネル8については、後記する。
【0027】
前記反射型デジタル光偏向装置2は、前記制御装置6から出力される制御信号により、前記多数個の極小ミラー素子25を1個ずつ、光の全白色、全黒色、中間の多数諧調(たとえば、8ビットの場合、256−2=254階調)の灰色と、精細に制御することができる。以下、多数個の極小ミラー素子25のON、OFFの制御について図7を参照して詳細に説明する。
【0028】
すなわち、図7(A)に示すように、多数個の極小ミラー素子25を1個ずつをピクセルとして、多数個の極小ミラー素子25のうち、x方向のピクセル(極小ミラー素子25)の位置を、0、1、2、3、4……mとし、y方向のピクセル(極小ミラー素子25)の位置を、0、1、2……nとする。(m×n)個、たとえば、720×480=345600個、または、800×600=480000個、または、1024×768=786432個、または、1280×1024=1310720個、または、任意の個数が、極小ミラー素子25の総数個である。また、前記制御装置6から出力される制御信号が「1」のときには、極小ミラー素子25がONの状態となり、前記制御装置6から出力される制御信号が「0」のときには、極小ミラー素子25がOFFの状態となるものとする。
【0029】
前記(m×n)個の極小ミラー素子25を、(0,0)→(1,0)→(2,0)→(3,0)→…→(m,0)→(0,1)→(1,1)→(2,1)→(3,1)→…→(m,1)→(0,2)→(1,2)→(2,2)→(3,2)→…→(m,2)→…→(m,n)の順に走査しながら、前記制御装置6から出力される制御信号「1」または「0」により、1個ずつONまたはOFFに制御するものである。
【0030】
前記制御装置6から出力される制御信号「1」または「0」は、2進数のビットデータである。たとえば、図7(B)に示すように、4ビットの場合においては、24 =2×2×2×2=16となるので、光の全白色、全黒色、中間の16−2=14階調の灰色と、精細に制御することができる。すなわち、4ビット(T1、T2、T3、T4)においては、図8に示すように、(1、1、1、1)の光度100%の全白色と、(0、0、0、0)の光度0%の全黒色と、(1、0、0、0)、(0、1、0、0)、(0、0、1、0)、(0、0、0、1)、(1、1、0、0)、(1、0、1、0)、(1、0、0、1)、(0、1、1、0)、(0、1、0、1)、(0、0、1、1)、(1、1、1、0)、(1、0、1、1)、(1、1、0、1)、(1、1、1、0)の14階調の灰色と、精細に制御することができる。
【0031】
なお、8ビットの場合においては、28 =2×2×2×2×2×2×2×2=256となるので、光の全白色、全黒色、中間の256−2=254階調の灰色と、精細に制御することができる。
【0032】
以上のように、前記反射型デジタル光偏向装置2は、一定時間のうち、階調に応じたパルス幅変調の手法を利用して、極小ミラー素子25からの反射光をある時間ONの白とし、残りの時間OFFの黒とする。すると、人間の視覚は、白の時間が積分されて階調(たとえば、8ビットの場合は、0〜255のグレースケール)として知覚することとなる。このために、前記反射型デジタル光偏向装置2は、単位時間当たりのONの時間を制御することにより、配光パターンの光の濃淡(光度差、照度差)が実現される。
【0033】
「光照射装置の説明」
前記光照射装置3は、前記反射型デジタル光偏向装置2からのONの光L4を発散させる発散レンズ30と、前記発散レンズ30からの出射光L7を照射光L8として路面などに照射する集光レンズ(投影レンズ)31とから構成されている。
【0034】
「記憶装置の説明」
前記記憶装置4は、たとえば、コンピュータに内蔵された内部記憶装置(ハードディスクなどの磁気ディスク、または、RAM、ROMなどの半導体記憶手段)、または、コンピュータに対して外付けの外部記憶装置(CD−ROMなどの光学系記憶媒体、記憶カードなどの半導体系記憶媒体)である。前記記憶装置4には、複数の配光パターンのデジタルデータが記憶されている。
【0035】
前記記憶装置4に記憶されている前記複数の配光パターンのデジタルデータは、車両が走行する地域・国別にそれぞれ群単位でユニット化されている。これにより、配光パターンのデジタルデータを地域・国別ごとに変えるだけで、車両用の照明装置全体を変えることなく、車両が走行する地域・国の道路状況に最適な配光パターンが得られることとなる。このために、各地域・国別ごとに、車両用の照明装置の光学設計や製造が不要となり、その分、製造コストが安価となる。
【0036】
ここで、車両が走行する地域・国の道路状況に最適な配光パターンとは、たとえば、日本の道路状況は左側通行で狭い交差路や曲線路が多く、この日本の道路状況に最適な配光パターンを言い、また、アメリカの道路状況は右側通行で広大な直線路が多く、このアメリカの道路状況に最適な配光パターンを言う。また、配光パターンとしては、たとえば、すれ違い用配光パターン、走行用配光パターン、一般道路用配光パターン、高速道路用配光パターン、市街地用配光パターン、郊外用配光パターン、直線用配光パターン、カーブ用配光パターン、交差点用配光パターン、山道用配光パターン、ワインディングロード用配光パターン、雨用配光パターン、霧用配光パターン、雪用配光パターンなどなどがある。
【0037】
前記の配光パターンのデジタルデータは、前記の種々の配光パターンを組み合わせたデジタルデータである。たとえば、図9に示すように、「1.一般道路・直線・走行用配光データ」、「2.一般道路・直線・すれ違い用配光データ」、「3.市街地・直線・すれ違い用配光データ」、「4.高速道路・直線・すれ違い用配光データ」、「5.高速道路・カーブ・すれ違い用配光データ」、また、図示しない「6.高速道路・直線・走行用配光データ」、「7.高速道路・カーブ・走行用配光データ」、「8.一般道路・カーブ・走行用配光データ」、「9.一般道路・カーブ・すれ違い用配光データ」、「10.一般道路・交差点用配光データ」、「11.市街地・直線・走行用配光データ」、「12.市街地・カーブ・すれ違い用配光データ」、「13.市街地・カーブ・走行用配光データ」、「14.市街地・交差点用配光データ」などなどである。
【0038】
「配光パターンのデジタルデータの説明」
以下、図9に示す配光データ、すなわち、配光パターンのデジタルデータについて説明する。前記配光パターンのデジタルデータは、車両の照明装置の配光設計においてコンピュータシミュレーション手法により作成され、複数の光度諧調が得られる2進数の複数ビットのデジタルデータである。なお、図9において、配光パターンの格子模様の中央部の光度(照度)が、白色の周辺部の光度(照度)より高い。すなわち、各配光パターンは、各規格を満足する配光パターンである。
【0039】
車両用の照明装置、たとえば、ヘッドランプ、フォグランプ、ベントランプ、カーブランプ、サイドランプなどは、交通安全上、法規や規格などで定められた所定の配光パターンで路面などを照明することが必要かつ重要である。このために、車両用の照明装置においては、各ランプごとにまた各機能ごとに所定の配光パターンが確実に得られるように、コンピュータを使用したシミュレーション手法により、配光設計が行われている。
【0040】
前記の配光設計は、所定の配光パターンを満足する理想の配光パターンに基づいて行われる。この理想の配光パターンは、実際に路面などを照明する配光パターンと一致するように、車両用の照明装置から10m前方のスクリーン上に照射されたパターンをコンピュータでデジタル的に作成されたものである。このコンピュータでデジタル的に作成された理想の配光パターンは、照度変化を色の分布により、人の目で見えるイメージで、たとえば、8ビット256階調のスケールで、デジタル的に表されている。
【0041】
ここで、前記スクリーンの大きさを、図2に示すように、上下垂直線VU−VDに対して左右両側にそれぞれ51.2°とし、かつ、左右水平線HL−HRに対して上下両側にそれぞれ38.4°とする。一方、前記スクリーンの0.1°×0.1°を1画素とした場合、前記スクリーンは、1024×768=786432画素となる。また、前記反射型デジタル光偏向装置2の極小ミラー素子25の個数を、1024×768=786432個とする。これにより、前記反射型デジタル光偏向装置2の極小ミラー素子25の1個と、前記スクリーンの1画素とは、それぞれ対応することとなる。
【0042】
この結果、1024×768=786432個の極小ミラー素子を1個ずつコントロールすることにより、配光パターンの786432個の画素を1個ずつ精細にコントロールすることができる。また、前記反射型デジタル光偏向装置2は、786432個の極小ミラー素子を1個ずつ、光の全白、全黒、中間の多数諧調(たとえば、8ビットの場合、256階調)の灰と、精細にコントロールすることができる。
【0043】
このように、この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置は、理想の配光パターンのデジタルデータ、すなわち、786432個の画素の256階調のデジタルデータに基づいて、前記反射型デジタル光偏向装置2の786432個の極小ミラー素子を、1個ずつ256階調デジタルコントロールすることにより、理想の配光パターンをデジタル的に形成して照射し、路面などを照明することができる。すなわち、この発明にかかる車両用デジタル照明装置装置は、前記の理想の配光パターンのデジタルデータをそのまま使用して、理想の配光パターンをそのままデジタル的に形成して照射し、路面などを照明するものである。
【0044】
「周囲環境検知装置の説明」
前記周囲環境検知装置5は、車両の周囲環境を検知して検知信号として出力するものである。前記周囲環境検知装置5は、たとえば、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して操舵信号を出力する操舵センサーと、雨を検知して雨信号を出力する雨滴センサーと、車両の周囲の明るさを検知して照度信号を出力する照度センサーと、ターンシグナルスイッチのON信号を検知してターン信号を出力するターンセンサーと、車速を検知して車速信号を出力する車速センサーと、ワイパースイッチのON信号を検知してワイパー信号を出力するワイパーセンサーと、車両の周囲の情報を撮像して画像に基づく信号(画像信号)を出力する撮像装置と、車両の周囲の対象物からの反射波を検知してレーダー信号を出力するレーダーと、車両の周囲の湿度を検知して湿度信号を出力する湿度センサーと、車両の周囲の温度を検知して温度信号を出力する温度センサーと、ライトスイッチのON信号を検知してライト信号を出力するライトセンサーと、車体の姿勢を検知して姿勢信号を出力する姿勢センサーと、GPSや地上局(電子基準点など)から出力された位置情報信号を受信するGPSレシーバー(たとえば、カーナビゲーション)と、有料道路に入る際に交信信号を出力するETCと、などなどのうち少なくとも1つから構成されている。このように、前記周囲環境検知装置5は、1個のセンサー、または、複数個のセンサーから組み合わされている。
【0045】
前記操舵センサーは、ハンドル操舵に連動して回転する回転体に複数のスリットを等間隔で設け、前記回転体のスリットを挟んでフォトインタラプトなどのセンサーを設けたものであって、センサーの出力からハンドル角度を電気信号に変換してハンドルの回転方向・位置を検出して検出信号を前記制御装置6に出力するものである。前記雨滴センサーは、雨が降っているときにHIレベルの信号を、雨が降っていないときにLOレベルの信号をそれぞれ前記制御装置6に出力するものである。前記照度センサーは、車両の周囲の明るさがある値以上のときにHIレベルの信号を、ある値以下のときにLOレベルの信号をそれぞれ前記制御装置6に出力するものである。前記ターンセンサーは、ターンシグナルスイッチがONのときにHIレベルの信号を、ターンシグナルスイッチがOFFのときにLOレベルの信号をそれぞれ前記制御装置6に出力するものである。前記車速センサーは、車両の速さに応じてパルスが変化する車速信号を前記制御装置6に出力するものである。前記ワイパーセンサーは、ワイパースイッチがONのときにHIレベルの信号を、ワイパースイッチがOFFのときにLOレベルの信号をそれぞれ前記制御装置6に出力するものである。前記撮像装置は、画像処理回路(図示せず)を有し、車両の周囲の情報を撮像して画像信号を前記画像処理回路に出力し、前記画像処理回路が画像信号を処理して対向車・先行車の有無、霧の有無、交差点の有無、高速道路・一般道路の判断によりHIレベルの信号またはLOレベルの信号をそれぞれ前記制御装置6に出力するものである。
【0046】
「制御装置の説明」
前記制御装置6は、図1に示すように、前記周囲環境検知装置5の検知信号などの外部信号を入力して処理信号として出力する外部信号入力装置60と、前記外部信号入力装置60の処理信号に基づいて車両の周囲環境を判断して判断信号として出力する周囲環境判断装置61と、前記周囲環境判断装置61の判断信号に基づいて前記記憶装置4に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータを選択するデータ選択装置62と、前記データ選択装置62により選択された車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータに基づいて前記多数個の極小ミラー素子25の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する制御信号を前記反射型デジタル光偏向装置2に出力する制御信号出力装置63と、を有するものである。
【0047】
前記制御装置6は、車両に搭載されているコンピュータを使用する。前記コンピュータとしては、たとえば、カーナビゲーション、カーオーディオ、携帯電話などをコントロール(制御)するコンピュータを使用する。また、前記制御装置6は、車両に搭載されていないコンピュータ、たとえば、携帯型パソコンなどを使用する場合であっても良い。この場合においては、携帯型パソコンにユーザー好みのデジタルデータを記憶させておけば、車両が変わっても、変わった車両に携帯型パソコンを接続することにより、ユーザー好みの配光パターンがいつでも得られることとなる。前記制御装置6は、一般のオペレーティングシステム(OS)で制御されるものである。このように、前記制御装置6は、前記反射型デジタル光偏向装置2と別個の構成となる。
【0048】
図1に示すように、前記制御装置6(コンピュータ)には、中央演算処理装置・CPU66が実装されている。前記中央演算処理装置・CPU66は、前記周囲環境判断装置61と、前記データ選択装置62と、後記バッファ記憶装置67と、後記比較演算装置68とから構成されている。また、前記中央演算処理装置・CPU66には、図示されていないが、制御プログラムが格納された主記憶装置が実装されている。
【0049】
前記制御装置6の外部信号入力装置60としては、たとえば、インターフェイス回路である。また、前記制御装置6の制御信号出力装置63としては、たとえば、ドライバー回路である。
【0050】
「周環境判断装置の説明」
前記周囲環境判断装置61は、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号から対向車・先行車の有無を判断して対向車・先行車有り信号または対向車・先行車無し信号を出力する対向車・先行車判断部と、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報(たとえば、路面上に引かれた白線や中央分離帯など)を撮像して出力された画像信号、前記周囲環境検知装置5の車速センサーの車速を検知して出力された車速信号、前記周囲環境検知装置5のGPSや地上局(電子基準点など)から出力されてGPSレシーバー(たとえば、カーナビゲーション)で受信された位置情報信号(この明細書において、GPSなどから出力された位置情報信号と称する)、前記周囲環境検知装置5のETCから出力された交信信号、のうち少なくとも1つの信号から高速道路・一般道路を判断して高速道路信号または一般道路信号を出力する高速道路・一般道路判断部と、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、前記周囲環境検知装置5の照度センサーの車両の周囲の明るさを検知して出力された照度信号、前記周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号、のうち少なくとも1つの信号から市街地であるか否かを判断して市街地である信号または市街地でない信号(たとえば、郊外である信号)を出力する市街地判断部と、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報(たとえば、路面に引かれた交差点の白線など)を撮像して出力された画像信号、前記周囲環境検知装置5のターンセンサーのターンシグナルスイッチのON信号を検知して出力されたターン信号、前記周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号、のうち少なくとも1つの信号から交差点であるか否かを判断して交差点である信号または交差点でない信号を出力する交差点判断部と、前記周囲環境検知装置5の操舵センサーのハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して出力された操舵信号および前記周囲環境検知装置5の車速センサーの車速を検知して出力された車速信号、前記周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報(たとえば、路面に引かれた曲線状の白線など)を撮像して出力された画像信号、のうち少なくとも1つの信号から道路線形の直線・カーブを判断して直線信号またはカーブ信号を出力する直線・カーブ判断部と、前記周囲環境検知装置5の雨滴センサーの雨を検知して出力された雨信号および前記周囲環境検知装置5のワイパーセンサーのワイパースイッチのON信号を検出して出力されたワイパー信号、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報(たとえば、路面の雨の濡れ具合による反射率など)を撮像して出力された画像信号、のうち少なくとも1つの信号から雨であるか否かを判断して雨である信号または雨でない信号を出力する雨判断部と、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、前記周囲環境検知装置5のレーダーの車両の周囲の対象物からの反射波を検知して出力されたレーダー信号、前記周囲環境検知装置5の湿度センサーの車両の周囲の湿度を検知して出力された湿度信号および前記周囲環境検知装置5の温度センサーの車両の周囲の温度を検知して出力された温度信号、のうち少なくとも1つの信号から霧であるか否かを判断して霧である信号または霧でない信号を出力する霧判断部と、前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、前記周囲環境検知装置5のワイパーセンサーのワイパースイッチのON信号を検出して出力されたワイパー信号および前記周囲環境検知装置5の温度センサーの車両の周囲の温度を検知して出力された温度信号、のうち少なくとも1つの信号から雪であるか否かを判断して雪である信号または雪でない信号を出力する雪判断部と、前記周囲環境検知装置5の姿勢センサーの車体の姿勢を検知して出力された姿勢信号から車体の姿勢の変化を判断して車体の姿勢の変化量に応じた姿勢変化信号を出力する姿勢判断部と、前記周囲環境検知装置5の車速センサーの車速を検知して出力された車速信号と、前記周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号またはおよび前記周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号とから信号待ちであるか否かを判断して信号待ちである信号または信号待ちでない信号を出力する信号待ち判断部と、などなどのうち少なくとも1つから構成されている。このように、前記周囲環境判断装置61は、1個の判断部、または、複数個の判断部から組み合わされている。なお、前記周囲環境検知装置5の撮像装置が車両の周囲の情報として撮像する路面に引かれた白線などは、道路交通法に規定されているので、高品質の情報として利用することができる。
【0051】
「データ選択装置の説明」
前記データ選択装置62は、前記周囲環境判断装置61の対向車・先行車判断部、高速道路・一般道路判断部、市街地判断部、交差点判断部、直線・カーブ判断部、雨判断部、霧判断部、雪判断部、のうち少なくとも1つの判断部からの判断信号に基づいて、前記記憶装置4に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータを選択する主データ選択部と、前記周囲環境判断装置61の信号待ち判断部または姿勢判断部からの判断信号に基づいて、前記記憶装置4に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から信号待ちまたは車体の姿勢に最適な配光パターンのデジタルデータを前記主データ選択部の選択を中止させて割り込んで選択する割り込みデータ選択部と、を有する。
【0052】
「光半導体素子パネルの説明」
前記光半導体素子パネル8は、図1および図6および図10に示すように、無通電時の前記反射型デジタル光偏向装置2からの反射光L6の光路上に配置されている。
【0053】
前記光半導体素子パネル8は、図10に示すように、無通電時の前記反射型デジタル光偏向装置2からの反射光L6を、前記多数個の極小ミラー素子25と1:1の関係で受光する多数個の光半導体素子80から構成されている。すなわち、この多数個の光半導体素子80と前記多数個の極小ミラー素子25とは、同数個であり、かつ、ほぼ同サイズである。
【0054】
なお、図10において、多数個の光半導体素子80と多数個の極小ミラー素子25とは、(x,y)=5×5=25個であるが、実際には、たとえば、前記のように、1024×768=786432個である。また、図10において、(x,y)=(3,1)の極小ミラー素子25(ピクセル)で反射された反射光L6は、(x,y)=(3,1)の光半導体素子80で受光され、また、(x,y)=(3,5)の極小ミラー素子25(ピクセル)で反射された反射光L6は、(x,y)=(3,5)の光半導体素子80で受光されている状態を示す。すなわち、多数個の光半導体素子80と多数個の極小ミラー素子25とは、1:1の相対関係にあることを示す。
【0055】
前記光半導体素子80は、たとえば、CCDから構成されており、受光した前記極小ミラー素子25からの反射光L6を受光データに光電変換し、この受光データを計測データにA/D変換し、この計測データを前記制御装置6の比較演算装置68に出力するものである。
【0056】
「バッファ記憶装置の説明」
前記制御装置6の中央演算処理装置・CPU66には、基準データ記憶装置としてのバッファ記憶装置67が実装されている。このバッファ記憶装置67には、図11(A)に示すビットデータの基準データD1が記憶されている。
【0057】
図11(A)において、Xは、図6(A)に示す多数個の極小ミラー素子25のx方向のピクセルの位置に対応し、たとえば、1024個である。Yは、同じく、図6(A)に示す多数個の極小ミラー素子25のy方向のピクセルの位置に対応し、たとえば、768個である。Zは、ビット値に対応し、たとえば、8ビット値である。
【0058】
「比較演算装置の説明」
前記制御装置6の中央演算処理装置・CPU66には、比較演算装置68が実装されている。この比較演算装置68は、前記バッファ記憶装置67からの基準データD1(図11(A)に示す基準データD1)と前記光半導体素子パネル8からの計測データD2(図11(B)に示す計測データD2)とを比較して誤差を演算し、かつ、誤差分が補正された補正データ(図11(C)に示す補正データD3)を前記記憶装置4に出力するものである。なお、前記基準データD1、前記計測データD2、前記補正データD3は、それぞれビットデータである。
【0059】
(実施の形態1の作用の説明)
この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について図12を参照して説明する。
【0060】
まず、周囲環境検知装置5が車両の周囲の環境、たとえば、車両が走行している地区状況や道路状況また天候状況などを検知し、その検知信号を制御装置6に出力する(S1)。検知信号が制御装置6に入力されると、外部信号入力装置60のインターフェイス回路が、前記周囲環境検知装置5の各検知信号などの外部信号を入力し、制御装置6で扱える信号に処理し、その処理信号を周囲環境判断装置61に出力する(S2)。処理信号が周囲環境判断装置61に入力されると、周囲環境判断装置61が、前記外部信号入力装置60の処理信号に基づいて車両の周囲環境を判断し、その判断信号をデータ選択装置62に出力する(S3)。
【0061】
前記周囲環境判断装置61は、下記の第1判断ステップから第10判断ステップまでを実行する。すなわち、対向車・先行車判断部が、周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号から対向車・先行車の有無を判断して対向車・先行車有り信号または対向車・先行車無し信号を出力する第1判断ステップ。高速道路・一般道路判断部が、周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、周囲環境検知装置5の車速センサーの車速を検知して出力された車速信号、周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号、前記周囲環境検知装置5のETCから出力された交信信号、のうち少なくとも1つの信号から高速道路・一般道路を判断して高速道路信号または一般道路信号を出力する第2判断ステップ。市街地判断部が、周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、周囲環境検知装置5の照度センサーの車両の周囲の明るさを検知して出力された照度信号、前記周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号、のうち少なくとも1つの信号から市街地であるか否かを判断して市街地である信号または市街地でない信号を出力する第3判断ステップ。交差点判断部が、周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、周囲環境検知装置5のターンセンサーのターンシグナルスイッチのON信号を検知して出力されたターン信号、周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号、のうち少なくとも1つの信号から交差点であるか否かを判断して交差点である信号または交差点でない信号を出力する第4判断ステップ。直線・カーブ判断部が、周囲環境検知装置5の操舵センサーのハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して出力された操舵信号および周囲環境検知装置5の車速センサーの車速を検知して出力された車速信号、周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号、のうち少なくとも1つの信号から道路線形の直線・カーブを判断して直線信号またはカーブ信号を出力する第5判断ステップ。雨判断部が、周囲環境検知装置5の雨滴センサーの雨を検知して出力された雨信号および周囲環境検知装置5のワイパーセンサーのワイパースイッチのON信号を検出して出力されたワイパー信号から雨であるか否かを判断して雨である信号または雨でない信号を出力する第6判断ステップ。霧判断部が、周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、周囲環境検知装置5のレーダーの車両の周囲の対象物からの反射波を検知して出力されたレーダー信号、周囲環境検知装置5の湿度センサーの車両の周囲の湿度を検知して出力された湿度信号および周囲環境検知装置5の温度センサーの車両の周囲の温度を検知して出力された温度信号、のうち少なくとも1つの信号から霧であるか否かを判断して霧である信号または霧でない信号を出力する第7判断ステップ。雪判断部が、周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号、周囲環境検知装置5のワイパーセンサーのワイパースイッチのON信号を検出して出力されたワイパー信号および周囲環境検知装置5の温度センサーの車両の周囲の温度を検知して出力された温度信号、のうち少なくとも1つの信号から雪であるか否かを判断して雪である信号または雪でない信号を出力する第8判断ステップ。姿勢判断部が、周囲環境検知装置5の姿勢センサーの車体の姿勢を検知して出力された姿勢信号から車体の姿勢の変化を判断して車体の姿勢の変化量に応じた姿勢変化信号を出力する第9判断ステップ。信号待ち判断部が、周囲環境検知装置5の車速センサーの車速を検知して出力された車速信号と、周囲環境検知装置5のGPSなどから出力された位置情報信号またはおよび周囲環境検知装置5の撮像装置の車両の周囲の情報を撮像して出力された画像信号とから信号待ちであるか否かを判断して信号待ちである信号または信号待ちでない信号を出力する第10判断ステップである。なお、前記周囲環境判断装置61が実行する判断ステップは、前記第1判断ステップから前記第10判断ステップのうち少なくとも1つから構成されているものであっても良いし、他の判断ステップから構成されているものであっても良い。
【0062】
前記判断信号がデータ選択装置62に入力されると、図11に戻って、データ選択装置62が、周囲環境判断手段5の各判断部の判断信号に基づいて記憶装置4に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータを選択する(S4)。データ選択装置62は、主データ選択部(図示せず)と、割り込みデータ選択部(図示せず)とから構成されている。データ選択装置62の主データ選択部が周囲環境判断装置61の対向車・先行車判断部、高速道路・一般道路判断部、市街地判断部、交差点判断部、直線・カーブ判断部、雨判断部、霧判断部、雪判断部、のうち少なくとも1つの判断部からの判断信号に基づいて、記憶装置4に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータを選択する。
【0063】
たとえば、高速道路・一般道路判断部が一般道路と判断し、直線・カーブ判断部が直線と判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車無しと判断すると、主データ選択部は、図9に示す「1.一般道路・直線・走行用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が一般道路と判断し、直線・カーブ判断部が直線と判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車有りと判断すると、主データ選択部は、図9に示す「2.一般道路・直線・すれ違い用配光データ」を選択する。市街地判断部が市街地であると判断し、直線・カーブ判断部が直線と判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車有りと判断すると、主データ選択部は、図9に示す「3.市街地・直線・すれ違い用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が高速道路と判断し、直線・カーブ判断部が直線と判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車有りと判断すると、主データ選択部は、図9に示す「4.高速道路・直線・すれ違い用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が高速道路と判断し、直線・カーブ判断部がカーブと判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車有りと判断すると、主データ選択部は、図9に示す「5.高速道路・カーブ・すれ違い用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が高速道路と判断し、直線・カーブ判断部が直線と判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車無しと判断すると、主データ選択部は、「6.高速道路・直線・走行用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が高速道路と判断し、直線・カーブ判断部がカーブと判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車無しと判断すると、主データ選択部は、「7.高速道路・カーブ・走行用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が一般道路と判断し、直線・カーブ判断部がカーブと判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車無しと判断すると、主データ選択部は、「8.一般道路・カーブ・走行用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が一般道路と判断し、直線・カーブ判断部がカーブと判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車有りと判断すると、主データ選択部は、「9.一般道路・カーブ・すれ違い用配光データ」を選択する。高速道路・一般道路判断部が一般道路と判断し、交差点判断部が交差点であると判断すると、主データ選択部は、「10.一般道路・交差点用配光データ」を選択する。市街地判断部が市街地であると判断し、直線・カーブ判断部が直線と判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車無しと判断すると、主データ選択部は、「11.市街地・直線・走行用配光データ」を選択する。市街地判断部が市街地であると判断し、直線・カーブ判断部がカーブと判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車有りと判断すると、主データ選択部は、「12.市街地・カーブ・すれ違い用配光データ」を選択する。市街地判断部が市街地であると判断し、直線・カーブ判断部がカーブと判断し、対向車・先行車判断部が対向車・先行車無しと判断すると、主データ選択部は、「13.市街地・カーブ・走行用配光データ」を選択する。市街地判断部が市街地であると判断し、交差点判断部が交差点であると判断すると、主データ選択部は、「14.市街地・交差点用配光データ」を選択する。なお、前記主データ選択部が選択する配光データは、前記「1.一般道路・直線・走行用配光データ」から前記「14.市街地・交差点用配光データ」まで以外に、前記主データ選択部の選択の組み合わせにより、種々の配光データがある。
【0064】
ここで、データ選択装置62の主データ選択部により選択された配光データで路面などを照明しているときに、周囲環境判断装置61の信号待ち判断部が信号待ちであると判断したり、または、周囲環境判断装置61の姿勢判断部が車体の姿勢の変化を判断したりする。すると、データ選択装置62の割り込みデータ選択部が信号待ち判断部または姿勢判断部からの判断信号に基づいて記憶装置4に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から信号待ちまたは車体の姿勢に最適な配光パターンのデジタルデータを、主データ選択部の選択を中止させて割り込んで選択する。すなわち、主データ選択部によるメインルーチンに対して、割り込みデータ選択部による割り込みルーチンが成立することとなる。なお、この割り込みルーチンが完了した後には、メインルーチンに戻る。
【0065】
データ選択装置62が周囲環境判断装置61の判断に基づいて車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータを選択すると、図11に戻って、制御信号出力装置63のドライバー回路が、データ選択装置62により選択された車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータに基づいて多数個の極小ミラー素子25の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する制御信号を反射型デジタル光偏向装置2に出力する(S5)。
【0066】
そして、制御装置6から制御信号が反射型デジタル光偏向装置2に出力されると、反射型デジタル光偏向装置2は、制御信号、すなわち、車両の周囲環境に最適な配光パターンのデジタルデータに基づいて、多数個の極小ミラー素子25のON、OFFのスイッチングを制御する。これにより、この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置は、車両の周囲環境に最適な配光パターンP5を自動的に選択してこの選択された車両の周囲環境に最適な配光パターンP5で路面などを照明することができる。
【0067】
ここで、この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置においては、光学エンジン1の放電灯10およびリフレクタ11の製造ばらつきがあり、しかも、放電灯10に関して経時劣化が伴なう。このために、反射型デジタル光偏向装置2の各極小ミラー素子25に入射する光学エンジン1からの入射光L3の入力光度値と、この入力光度値に対して割り当てられた基準データD1の基準ビット値との間においては、誤差(ずれ)が発生する場合がある。この結果、反射型デジタル光偏向装置2からの狙いどおりの適切な出力分布が得られなくなることとなる。すなわち、反射型デジタル光偏向装置2から所定の配光パターンP5が路面などに照射されないこととなる。
【0068】
そこで、この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置においては、光学エンジン1の製造ばらつきや経時劣化に伴なう反射型デジタル光偏向装置2から照射される配光パターンP5の誤差を初期補正する、すなわち、配光パターンP5のイニシャライズを行うものである。なお、このイニシャライズを行う時点は、任意である。たとえば、この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置の始動時、または、終了時、または、光学エンジン1が安定する時(始動後約10分)などなどである。
【0069】
まず、反射型デジタル光偏向装置2を無通電状態とし、かつ、放電灯10を点灯状態する。すると、光学エンジン1からの光L3は、無通電状態の反射型デジタル光偏向装置2の多数個の極小ミラー素子25に入射して、その多数個の極小ミラー素子25で反射する。その反射光L6は、光半導体素子パネル8の多数個の光半導体素子80に多数個の極小ミラー素子と1:1の関係でそれぞれ受光される。
【0070】
つぎに、光半導体素子パネル8の多数個の光半導体素子80は、1:1の関係で受光した多数個の極小ミラー素子25からの反射光L6を受光データに光電変換し、かつ、この受光データを計測データD2にA/D変換し、さらに、この計測データD2を制御装置6の比較演算装置68にそれぞれ出力する。
【0071】
それから、比較演算装置68は、バッファ記憶装置67に記憶されている図11(A)に示す基準データD1と、光半導体素子パネル8からの図11(B)に示す計測データD2とを比較して誤差を演算し、かつ、その誤差分を補正した図11(C)に示す補正データD3を記憶装置4に出力する。
【0072】
たとえば、図11(A)に示す基準データD1中の(h,i)のビットデータ(反射型デジタル光偏向装置2の各極小ミラー素子25に入射する光学エンジン1からの入射光L3の入力光度値に対して割り当てられた基準データD1の基準ビット値)と、図11(B)に示す計測データD2中の(h,i)のビットデータ(反射型デジタル光偏向装置2の各極小ミラー素子25に入射する光学エンジン1からの入射光L3の入力光度値)との間に−誤差(または、+誤差)があるとする。すると、図11(A)に示す基準データD1中の(h,i)のビットデータに対して、−誤差分(または、+誤差分)補正する。すなわち、図11(C)に示す補正データD3中の(h,i)のビットデータは、−誤差分+補正(または、+誤差分−補正)されている。
【0073】
そして、補正データD3は、記憶装置4にセーブ更新される。制御装置6は、この補正データD3に基づいて、反射型デジタル光偏向装置2を制御する。すなわち、補正データD3は、反射型デジタル光偏向装置2の制御にフィードバックされることとなる。
【0074】
(実施の形態1の効果の説明)
この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、その効果について説明する。
【0075】
この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置は、光学エンジン1の製造ばらつきや経時劣化に伴なう反射型デジタル光偏向装置2から照射される配光パターンP5の誤差を初期補正することができ、配光パターンP5のイニシャライズ機能を有することとなる。
【0076】
また、この実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置は、車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンP5を自動的に選択し、この選択された車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンP5で路面などを常時照明することができるので、交通安全上好ましい。
【0077】
(実施の形態2の説明)
図13は、この発明にかかる車両用デジタル照明装置の実施の形態2を示す。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。
【0078】
前記の実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置が、車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンP5を自動的に選択してその選択された所定の配光パターンP5で路面などを照明するものに対して、この実施の形態2にかかる車両用デジタル照明装置は、所定の配光パターンP7を選択してその選択された所定の配光パターンP7で路面などを照明するものである。
【0079】
すなわち、前記の実施の形態21かかる車両用デジタル照明装置が、周囲環境検知装置5および周囲環境判断装置61などにより車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンP5を自動的に選択するものに対して、この実施の形態2にかかる車両用デジタル照明装置は、配光パターン選択装置7によりドライバーが所定の配光パターンP7を選択するものである。
【0080】
前記配光パターン選択装置7は、制御装置6の外部信号入力信号装置60に接続されており、前記外部信号入力装置60は、中央演算処理装置・CPU66のデータ選択装置62に接続されている。前記配光パターン選択装置7は、ドライバーが路面などを照明する配光パターンを選択し、その選択に基づいた選択信号を制御装置6の外部信号入力信号装置60に出力するものである。
【0081】
この実施の形態2にかかる車両用デジタル照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について説明する。
【0082】
まず、ドライバーが、配光パターン選択装置7で路面などを照明する配光パターンを選択する。すると、配光パターン選択装置7が、ドライバーの選択に基づいた選択信号を外部信号入力信号装置60に出力する。この外部信号入力装置60のインターフェイス回路が、前記配光パターン選択装置7からの選択信号などの外部信号を入力し、制御装置6で扱える信号に処理し、その処理信号をデータ選択装置62に出力する。
【0083】
つぎに、データ選択装置62が、外部信号入力装置60を介した配光パターン選択装置7からの選択信号に基づいて記憶装置4に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中からドライバーが選択した配光パターンのデジタルデータを選択する。
【0084】
それから、制御信号出力装置63のドライバー回路が、データ選択装置62により選択された配光パターンのデジタルデータに基づいて多数個の極小ミラー素子25の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する制御信号を反射型デジタル光偏向装置2に出力する。
【0085】
そして、制御装置6から制御信号が反射型デジタル光偏向装置2に出力されると、反射型デジタル光偏向装置2は、制御信号、すなわち、ドライバーが選択した配光パターンのデジタルデータに基づいて、多数個の極小ミラー素子25のON、OFFのスイッチングを制御する。これにより、この実施の形態2にかかる車両用デジタル照明装置は、ドライバーが選択した配光パターンP7で路面などを照明することができる。たとえば、ドライバーが、一般道路・直線・走行用の配光パターンを配光パターン選択装置7で選択する。すると、データ選択装置62が記憶装置4から図9に示す「1.一般道路・直線・走行用配光データ」を選択し、この「1.一般道路・直線・走行用配光データ」に基づいて、反射型デジタル光偏向装置2が制御されて、ドライバーが選択した一般道路・直線・走行用の配光パターンで路面などを照明することができる。
【0086】
このように、この実施の形態2にかかる車両用デジタル照明装置は、前記の実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0087】
特に、この実施の形態2にかかる車両用デジタル照明装置は、前記の実施の形態1にかかる車両用デジタル照明装置の周囲環境検知装置5および周環境判断装置61の作用を、ドライバーが代わって行うものであるから、周囲環境検知装置5および周環境判断装置61が不要であり、その分、製造コストが安価となる。
【0088】
なお、この発明にかかる配光パターンは、AFS(Adaptive Front lighting System、または、Advanced Front lighting System)のロジックをそのまま使用する。
【0089】
(実施の形態以外の例の説明)
なお、前記実施の形態1、2においては、ヘッドランプについて説明したが、この発明は、その他のランプ、たとえば、フォグランプ、ターンシグナルランプ、ブレーキランプ(特に、急ブレーキ対応型で、急ブレーキを後続車に知らせるためのブレーキのフラッシュランプ)など、または、それらの組み合わせのランプであっても良い。
【0090】
また、前記実施の形態1、2においては、車両用デジタル照明装置が車両の左右にそれぞれ搭載されている場合、左右の配光パターンはそれぞれ異なるが、左右の配光パターンをトータルすることにより、所定の配光パターンが得られるように、配光データは構成されている。
【0091】
また、前記実施の形態1、2においては、反射型デジタル光偏向装置2の極小ミラー素子25のアスペクト比が、720×480、または、800×600、または、1024×768、または、1280×1024であるが、この発明は、車両用の配光パターンに適したアスペクト比としても良い。
【0092】
また、前記実施の形態1、2においては、光学エンジン1の光源として放電灯2を使用したものであるが、この発明においては、放電灯2以外の光源、たとえば、白熱灯、ハロゲンランプ、タングステンランプ、LED、赤外LEDなどを使用しても良い。しかも、光源は、1個でなく、複数個使用しても良い。
【0093】
また、前記実施の形態1、2において、光学エンジン1と反射型デジタル光偏向装置2とのレイアウトは、図2以外のレイアウトでも良い。たとえば、トラックなどの場合には、横長のフラットなレイアウトとし、また、軽自動車の場合には、縦長の筒型のレイアウトとする。すなわち、最終的に反射型デジタル光偏向装置2から反射される反射光L4がデジタル的に制御されているので、光学エンジン1から反射型デジタル光偏向装置2までの中間の光のアナログ的なずれは、無視できる。このために、光学エンジン1を車体スペックに合わせて、縦、横、上、下、斜め、などのレイアウトを取ることができ、また、冷却効果のあるエアダクト付近にレイアウトしても良い。
【0094】
また、前記の実施の形態1、2においては、光学エンジン1のリフレクタ11と反射型デジタル光偏向装置2との間にコリメータレンズ12を介在させてものであるが、この発明においては、リフレクタ11からの反射光を反射型デジタル光偏向装置2に直接入射させても良い。この場合、レンズによる色の収差むらや光むらがないなどの効果が得られる。
【0095】
また、前記の実施の形態においては、記憶装置として、コンピュータに内蔵された内部記憶装置(ハードディスクなどの磁気ディスク、または、RAM、ROMなどの半導体記憶手段)、または、コンピュータに対して外付けの外部記憶装置(CD−ROMなどの光学系記憶媒体、記憶カードなどの半導体系記憶媒体)を使用するものである。ここで、記憶カードなどの半導体系記憶媒体(以下、記憶媒体と称する)を使用する場合は、記憶媒体に記憶されているデータ(配光パターンのデジタルデータ、調光用のデジタルデータ)を読み取るための読取装置を外部信号入力装置60に接続する。また、制御装置6の中央演算処理装置・CPU66に実装されているバッファ記憶装置を外部信号入力装置60とデータ選択装置62に接続する。これにより、記憶媒体に記憶されているデータを読取装置および外部信号入力装置60を介してバッファ記憶装置に読み込まれて記憶されることとなる。
【0096】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかる車両用デジタル照明装置(請求項1)によれば、光学エンジンの製造ばらつきや経時劣化に伴なう反射型デジタル光偏向装置から照射される配光パターンの誤差を初期補正することができ、配光パターンのイニシャライズ機能を有することとなる。
【0097】
また、この発明にかかる車両用デジタル照明装置(請求項2)によれば、ドライバーが配光パターン選択装置を介して所定の配光パターンのデジタルデータを選択するので、その分、装置の構造が簡単となり、製造コストが安価となる。
【0098】
また、この発明にかかる車両用デジタル照明装置(請求項3)によれば、車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンを自動的に選択し、この選択された車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンで路面などを常時照明することができるので、交通安全上好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる車両用デジタル照明装置の実施の形態1を示す全体構成の機能ブロック図である。
【図2】(A)は、同じく、光学エンジンおよび光照射装置を示す説明図、(B)は(A)におけるB−B線矢視の光度分布を示す説明図、(C)は、同じく、(B)におけるC−C線矢視の高度分布を示す説明図である。
【図3】同じく、反射型デジタル光偏向装置を示す斜視図である。
【図4】同じく、反射型デジタル光偏向装置の構成を示す一部拡大斜視図である。
【図5】同じく、反射型デジタル光偏向装置の構成を示す一部拡大分解斜視図である。
【図6】同じく、反射型デジタル光偏向装置の作用を示す説明図である。
【図7】 (A)は、同じく、反射型デジタル光偏向装置のピクセルの位置を示す説明図、(B)は、同じく、反射型デジタル光偏向装置のピクセルの制御を示す説明図である。
【図8】同じく、4ビットにおける16階調の制御を示す説明図である。
【図9】同じく、配光データとその模式図の一部を示す説明図である。
【図10】同じく、反射型デジタル光偏向装置、光半導体素子パネルを示す説明図である。
【図11】(A)は、同じく、ビットデータの基準データを示す説明図、(B)は、同じく、ビットデータの計測データを示す説明図、(C)は、同じく、ビットデータの補正データを示す説明図である。
【図12】同じく、システムの作用を示すフローチャートである。
【図13】この発明にかかる車両用デジタル照明装置の実施の形態2を示す全体構成の機能ブロック図である。
【符号の説明】
U 上
D 下
L 左
R 右
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
HL−HR スクリーンの左右の水平線
L1 放電灯10からの光
L2 リフレクタ11からの反射光
L3 コリメータレンズ12からの平行光
L4 反射型デジタル光偏向装置2からのONの反射光
L5 反射型デジタル光偏向装置2からのOFFの反射光
L6 反射型デジタル光偏向装置2からの無通電時の反射光
L7 発散レンズ30からの出射光
L8 集光レンズ31からの出射光
P すれ違い用の配光パターン
P5 車両の周囲環境に最適な配光パターン
P7 選択された配光パターン
CL カットライン
D1 基準データ
D2 計測データ
D3 補正データ
1 光学エンジン
10 放電灯(光源)
11 リフレクタ
12 コリメータレンズ
13 反射面
14 入射面
2 反射型デジタル光偏向装置
20 CMOS基板
21 導体
22 トーションヒンジ
23 ヨーク
24 ポスト
25 極小ミラー素子
26 光アブソーバー
27 ランディングチップ
3 光照射装置
30 発散レンズ
31 集光レンズ(投影レンズ)
4 記憶装置
5 周囲環境検知装置
6 制御装置
60 外部信号入力装置
61 周囲環境判断装置
62 データ選択装置
63 制御信号出力装置
66 中央演算処理装置・CPU
67 バッファ記憶装置
68 比較演算装置
7 配光パターン選択装置
8 光半導体素子パネル
80 光半導体素子
Claims (3)
- 反射型デジタル光偏向装置を使用して所定の配光パターンで路面などを照明する車両用デジタル照明装置において、
光源を有する光学エンジンと、
多数個の極小ミラー素子がそれぞれ傾倒可能に配置されており、前記多数個の極小ミラー素子の傾倒角度を、無通電時のニュートラル状態に対して、第1傾倒角度と第2傾倒角度とにデジタル的に切り替えて、前記光学エンジンからの光の反射方向をONの第1反射方向とOFFの第2反射方向とにデジタル的にスイッチングする反射型デジタル光偏向装置と、
前記反射型デジタル光偏向装置からのONの反射光であって所定の配光パターンの光を路面などに照射する光照射装置と、
複数の配光パターンのデジタルデータが記憶されている記憶装置と、
入力信号に基づいて前記記憶装置に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から所定の配光パターンのデジタルデータを選択し、この選択された所定の配光パターンのデジタルデータに基づいて前記多数個の極小ミラー素子の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する制御装置と、
無通電時の前記反射型デジタル光偏向装置からの反射光を、前記多数個の極小ミラー素子と1:1の関係で受光する多数個の光半導体素子から構成されている光半導体素子パネルと、
前記制御装置に設けられており、基準データが記憶されている基準データ記憶装置と、
前記制御装置に設けられており、前記基準データ記憶装置からの基準データと前記光半導体素子パネルからの計測データとを比較して誤差を演算し、かつ、誤差分が補正された補正データを前記記憶装置に出力する比較演算装置と、
を備えたことを特徴とする車両用デジタル照明装置。 - 所定の配光パターンを選択して選択信号を出力する配光パターン選択装置を備え、
前記制御装置は、前記配光パターン選択装置からの入力信号に基づいて前記記憶装置に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から所定の配光パターンのデジタルデータを選択し、この選択された所定の配光パターンのデジタルデータに基づいて前記多数個の極小ミラー素子の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用デジタル照明装置。 - 車両の周囲環境を検知して検知信号として出力する周囲環境検知装置を備え、
前記制御装置は、前記周囲環境検知装置からの入力信号に基づいて車両の周囲環境を判断し、この判断に基づいて前記記憶装置に記憶されている複数の配光パターンのデジタルデータの中から車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンのデジタルデータを選択し、この選択された車両の周囲環境に最適な所定の配光パターンのデジタルデータに基づいて前記多数個の極小ミラー素子の切替スイッチングをデジタル的に個々に制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用デジタル照明装置。
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