JP3978626B2 - 人体局部洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の局部を洗浄するための人体局部洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の人体局部洗浄装置を示している。図中1は水道水の流路を開閉するための主閉止弁、2は吐水量が水道の元圧に拠らず一定となるように流量制御を行なう流量制御弁、3は人体の局部を洗浄するための温水が蓄えられた温水タンク、5は人体の肛門部を洗浄可能な位置に配置され且つ温水タンク3からの温水を吐き出すおしり洗浄ノズル、6はビデ洗浄を行ない得る位置に配置され且つ温水タンク3からの温水を吐き出すビデ洗浄ノズル、7は便器の内面を洗浄可能な位置に配置され且つ温水タンク3からの温水を吐き出す便器洗浄ノズル、4は温水タンク3からの温水をおしり洗浄ノズル5とビデ洗浄ノズル6と便器洗浄ノズル7とに選択的に流すための切換弁である。なお、切換弁4は、おしり洗浄ノズル5に通じる水路(おしり洗浄水路9a)に介装された電磁弁41と、ビデ洗浄ノズル6に通じる水路(ビデ洗浄水路9b)に介装された電磁弁42と、便器洗浄ノズル7に通じる水路(便器洗浄水路9c)に介装された電磁弁43とを有している。
【0003】
このような構成では、使用者が操作スイッチ等を介して人体または便器の洗浄を指示すると、それに対応したおしり洗浄ノズル5,ビデ洗浄ノズル6又は便器洗浄ノズル7が選択されるように3つの電磁弁41,42,43のうちの1つが開かれ、その後に主閉止弁1が開かれる。主閉止弁1が開かれると、水道水が温水タンク3内に流入し、温水タンク3に貯留された温水が切換弁4側に押し出されていく。切換弁4に流入した温水は、切換弁4中の開放された電磁弁を介して、選択された洗浄ノズルから噴出される。なお、使用者が操作スイッチ等を介して洗浄動作の中止を指示すると、主閉止弁1が閉じられた後、切換弁4の全ての電磁弁41,42,43が閉じられ、温水タンク3の出口とおしり洗浄ノズル5,ビデ洗浄ノズル6又は便器洗浄ノズル7とが完全に閉塞される。
【0004】
図8は、図7に示した人体局部洗浄装置の電磁弁41,42,43の動作をおしり洗浄時を例にとって示した動作シーケンスである。図示のように、使用者がおしり洗浄を指示すると、まず、電磁弁41が開動作され、その後一定の時間的遅れをもって、主閉止弁1が開かれる。この時間的な遅れは、電磁弁41が十分に作動するために必要な時間(約1〜2秒)に設定される。これにより、おしり洗浄水路9aを通じておしり洗浄ノズル5から温水が噴出される(おしり洗浄水路9aが開かれる)。
【0005】
一方、使用者が洗浄動作の中止を指示すると、まず、主閉止弁1が閉じられ(おしり洗浄水路9aが閉じられ)、その後一定の時間的遅れをもって、電磁弁41が閉じられる。この時間的な遅れは、水路9a内の残圧を十分に洗浄ノズル5から放出するために必要な時間(約2〜4秒)に設定される。これにより、温水タンク3の出口と洗浄ノズル5とが完全に閉塞される。
【0006】
このように、従来にあっては、主閉止弁1が閉止された状態で、切換弁4(電磁弁41,42,43)が開閉動作される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように主閉止弁1を閉止させた状態で切換弁4を開閉動作させる理由は、切換弁4が複数の電磁弁で構成されているため、仮に主閉止弁1が開状態のままで、洗浄対象を変更するために2つの電磁弁の開閉を切り換えて温水の流れを一方の水路から他方の水路に切り換え(例えば、おしり洗浄水路9aからビデ洗浄水路9bに切り換える)ようとすると、その切換動作の過渡期において、水路内での温水の流れが不安定になり、両方の水路が同時に閉塞されたり、あるいは、水路から吐き出される水量が極端に低下してしまうことを阻止するためである。
【0008】
すなわち、主閉止弁1が開状態のままで2つの電磁弁の開閉が切換えられると、水路での流量が水道法で定められているところの最低水量(不感水量)を下回るだけでなく、低水量のために流量制御弁2による適正な水制御(水量制御、水圧制御)ができなくなり、流量制御2の下流側の水圧が著しく上昇してしまう等の不具合が生じる。そのため、おしり洗浄ノズル5,ビデ洗浄ノズル6,便器洗浄ノズル7への吐水を適宜選択するために切換弁4を作動させる場合には、洗浄水を吐水するための付勢手段である主閉止弁1を閉止させた後に、切換弁4(電磁弁41,42,43)を動作させるようにしている。
【0009】
しかし、このように電磁弁の切換動作の度に閉止弁1を閉止させると、水路の切換えに要する時間が長くなる。
【0010】
また、このように切換弁4が電磁弁で構成されている場合には、主閉止弁1の閉止後に直ぐ電磁弁を閉じると、主閉止弁1と電磁弁との間の管路内に圧力が残るため、管路内残圧を排出するために前述したように主閉止弁1の閉止後も一定時間だけ電磁弁を開いておく必要があり、そのための制御回路が複雑になるという問題がある。また、電磁弁の閉塞故障に備えて過圧逃がし弁等を設ける必要もある。
【0011】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、水路を短時間で切換えることができ、管路内残圧や切換弁の閉塞故障の問題がない人体局部洗浄装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の人体局部洗浄装置は、図3に示すように、水道からの給水を開閉するための主閉止弁1と、内部に温水が蓄えられ、主閉止弁1を介して流れる水道水の付勢力によって温水を吐き出す温水タンク3と、温水タンク3からの温水を人体局部または便器に向けて吐き出す複数の洗浄ノズルと、温水タンク3からの温水を各洗浄ノズルに個別に流す複数の水路と、温水タンク3からの温水を前記各水路に選択的に流すための切換弁4とを具備し、前記切換弁4は、その動作状態とは無関係に、前記各水路側に対する弁開度の総和が常に一定以上に保たれ、前記便器に向けて吐き出す洗浄ノズルの圧損が、他の洗浄ノズルよりも少なく、この便器に向けて吐き出す洗浄ノズルの先端が、他の洗浄ノズルの先端より低い位置に配置され、前記温水タンクから人体局部に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路が完全に連通した洗浄状態から、前記温水タンクから便器に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路が完全に連通した待機状態に戻る過程においては、前記主閉止弁を閉じ、前記人体局部に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路を、前記便器に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路と連通させることを特徴とする。
【0013】
この請求項1に記載の発明によれば、主閉止弁1を開いたままで水路切換動作を行なっても、主閉止弁1の下流側の水圧を著しく上昇させないで済む。すなわち、主閉止弁1を開いた状態で水路切換動作を行なうことができるため、水路の切換えに要する時間が短くなる。また、切換弁4の動作状態に拠らず、常にいずれかの水路が開状態となっているため、切換弁4の閉塞故障の問題は生じず、また、水路内の残圧を排出させるための特別な制御回路を組み込む必要もなくなる。また、洗浄終了後、配管内部に残った残水も、圧損の少ない便器洗浄ノズル7からサイホン現象により排出されるため、残水による雑菌の繁殖や冷水による不決感がなくなるばかりでなく、洗浄開始初期に冷水を排出させるための方策をとる必要もなくなる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、切換弁4を通じて各水路に流される温水の総量は、各水路と温水タンク3との連通状態を変化させる切換動作中で、水道水の不感水量以上に確保されていることを特徴とする
この請求項2に記載の発明によれば、各水路と温水タンク3との連通状態を変化させる切換動作中で、主閉止弁1の下流側の水圧を著しく上昇させないで済む。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、主閉止弁1を介して流れる水道水の流量制御を行なう流量制御弁2が温水タンク3の上流側に設けられており、切換弁4を通じて各水路に流される温水の総量は、前記流量制御弁2による流量制御が可能な最低水量以上に確保されることを特徴とする。
【0016】
この請求項3に記載の発明によれば、主閉止弁1を開いたままで水路切換動作を行なっても、流量制御弁2による適正な水制御が可能となり、主閉止弁1の下流側の水圧を著しく上昇させないで済む。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明において、図4に示すよう、切換弁4は、前記各水路が接続される複数のポートa,b,cを有する円筒状の弁本体46と、弁本体46の内部に配置されて回転動作され、その内部が温水タンク3に連通する円筒状のバルブシャフト45と、前記バルブシャフト45の周面に設けられ、前記各ポートa,b,cに対応して位置された複数の通孔47a,47b,47cとから成り、バルブシャフト45の回転角度とは無関係に、ポートa,b,cとオーバーラップする通孔47a,47b,47cの開口面積の総和が常に所定の値以上に保たれることを特徴とする。
【0018】
この請求項4に記載の発明によれば、請求項1と同様の作用効果を得ることができるだけでなく、バルブシャフト45の回転角度に拠らず、常にいずれかの水路が開状態となっているため、切換弁4の閉塞故障の問題は生じない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係る人体局部洗浄装置の外観図である。図示のように、人体局部洗浄装置は、便器51に着脱自在に取付けられ且つ後述する作動装置が組み込まれた本体53を有している。本体53には、便座54と、便蓋55と、操作パネル56とが設けられている。
【0021】
図2は人体局部洗浄装置の本体53に組み込まれた作動装置の概略図、図3はこの作動装置を記号化して示した回路図である。図示のように、作動装置は、水道水の流路を開閉するための主閉止弁(給水弁)1と、吐水量が水道の元圧に拠らず一定となるように流量制御を行なう流量制御弁2と、人体の局部を洗浄するための温水が蓄えられた温水タンク3と、人体の肛門部を洗浄可能な位置に配置され且つ温水タンク3からの温水を吐き出すおしり洗浄ノズル5と、ビデ洗浄を行ない得る位置に配置され且つ温水タンク3からの温水を吐き出すビデ洗浄ノズル6と、便器の内面を洗浄可能な位置に配置され且つ温水タンク3からの温水を吐き出す便器洗浄ノズル7と、おしり洗浄ノズル5に通じるおしり洗浄水路9aと、ビデ洗浄ノズル6に通じるビデ洗浄水路9bと、便器洗浄ノズル7に通じる便器洗浄水路(排水路)9cと、温水タンク3からの温水を各洗浄水路9a,9b,9cに選択的に流すための1つの切換弁4とを有している。
【0022】
温水タンク3にはヒータ59が内蔵されており、このヒータ59によって温水の温度が常に30℃〜80℃に保たれる。具体的には、温水タンク3の内部に設けられたサーミスタ58によって温水の温度が監視されて、ヒータ59の動作が制御される。また、温水タンク3の出口にはバキュームブレーカ10が設けられている。
【0023】
図4は切換弁4の構造を示している。図示のように、切換弁4は、円筒状の弁本体46と、弁本体46の内部に回転可能に配置された円筒状のバルブシャフト45とから成る。弁本体46の周面には弁本体46の内部に通じる3つのポートa,b,cが形成され、各ポートa,b,cには各洗浄水路9a,9b,9cが接続されている。また、弁本体46には温水タンク3に通じる管路11が接続され、この管路11は弁本体46内に配置されたバルブシャフト45の内部と連通している。バルブシャフト45の周面には、各ポートa,b,cと対応する部位にそれぞれ、後述する所定の大きさをもった通孔47a,47b,47cが形成されている。また、バルブシャフト45は、バルブモータ8の駆動軸8aに連結して回転する。
【0024】
このような構成の切換弁4は、バルブモータ8によって回転するバルブシャフト45の回転変位(回転角度)によってポートa,b,cと通孔47a,47b,47cとの一致状態が変化し、これによって各水路9a,9b,9cの開閉状態(半開状態を含む)を制御する。以下、これについて詳しく説明する。
【0025】
図5は、バルブシャフト45の回転角度と各水路9a,9b,9cの開閉状態との関係を示している。図示のように、バルブシャフト45の回転角度が0度の時には、ポートcと通孔47cとが完全に一致し(図4の(a)参照)、温水タンク3からの管路11が便器洗浄水路9cと完全に連通した待機状態にある(便器洗浄水路9cが完全に開かれた状態にある)。なお、この時、ポートaと通孔47aおよびポートbと通孔47bは全く一致せず、おしり洗浄水路9aおよびビデ洗浄水路9bと管路11との連通が遮断される(おしり洗浄水路9aおよびビデ洗浄水路9bが閉じられた状態にある)。
【0026】
この待機状態からバルブシャフト45が正方向に回転されると、ポートaと通孔47aとが重なり始めるとともに、ポートcと通孔47cとがずれ始める。すなわち、おしり洗浄水路9aと管路11(温水タンク3)とが連通し始めるとともに、便器洗浄水路9cと管路11(温水タンク3)との間の通路が閉塞し始める。そして、バルブシャフト45が30度以上回転すると、おしり洗浄水路9aと温水タンク3とが完全に連通するとともに、便器洗浄水路9cが温水タンク3側から完全に閉塞される(図4の(b)参照)。
【0027】
また、このようにバルブシャフト45が0度〜30度回転する間、おしり洗浄水路9aに流入する温水と便器洗浄水路9cに流入する温水との総和は、水道法で定められているところの最低水量(不感水量)以上あるいは流量制御弁2による適正な水制御が可能な最低水量以上に常時確保される。すなわち、おしり洗浄水路9aと便器洗浄水路9cとに流入する温水の総和がこのような最低水量以上に常に確保されるように、通孔47a,47cの大きさが設定される。言い換えると、バルブシャフト45が0度〜30度回転する間において、ポートaにオーバーラップする通孔47aの開口面積とポートcにオーバーラップする通孔47cの開口面積との総和が前記最低水量以上を確保し得る一定の値に常に保たれるように、通孔47a,47cの大きさが設定されている。
【0028】
一方、図4の(a)に示す待機状態からバルブシャフト45が逆方向に回転されると、ポートbと通孔47bとが重なり始めるとともに、ポートcと通孔47cとがずれ始める。すなわち、ビデ洗浄水路9bと管路11(温水タンク3)とが連通し始めるとともに、便器洗浄水路9cと管路11(温水タンク3)との間の通路が閉塞し始める。そして、バルブシャフト45が−30度以上回転すると、ビデ洗浄水路9bと温水タンク3とが完全に連通するとともに、便器洗浄水路9cが温水タンク3側から完全に閉塞される(図4の(c)参照)。
【0029】
また、このようにバルブシャフト45が0度〜−30度回転する間、ビデ洗浄水路9bに流入する温水と便器洗浄水路9cに流入する温水との総和は、水道法で定められているところの最低水量(不感水量)以上あるいは流量制御弁2による適正な水制御が可能な最低水量以上に常時確保される。すなわち、ビデ洗浄水路9bと便器洗浄水路9cとに流入する温水の総和がこのような最低水量以上に常に確保されるように、通孔47b,47cの大きさが設定される。言い換えると、バルブシャフト45が0度〜−30度回転する間において、ポートbにオーバーラップする通孔47bの開口面積とポートcにオーバーラップする通孔47cの開口面積との総和が前記最低水量以上を確保し得る値(例えば一定の値)に常に保たれるように、通孔47b,47cの大きさが設定されている。
【0030】
以上のように、バルブシャフト45がどの回転角度(正確には、バルブモータ8によって制御される回転可能角度範囲(−90度〜+90度))に位置しても、いずれかの水路9a,9b,9cが常時温水タンク3に連通し、ポートa,b,cとオーバーラップする通孔47a,47b,47cの開口面積の総和が常に所定の値以上(例えば一定の値)に保たれる。すなわち、温水タンク3から各水路9a,9b,9cに流入する温水の総量は、バルブシャフト45の回転角によらず常に所定量以上(例えば一定量)に保たれている。
【0031】
図6は、主閉止弁1および切換弁4の動作をおしり洗浄時を例にとって示した動作シーケンスである。図示のように、待機状態においては、バルブシャフト45の回転角度が0度にあり、便器洗浄水路9cだけが温水タンク3の出口と連通している。また、主閉止弁1が閉止されており、温水タンク3からの温水の吐出が阻止されている。なお、温水タンク3では、主閉止弁1が閉止されていても、温水沸き上げ中に温水温度の上昇に伴って若千の膨張水が少しずつ漏れ出すが、この膨張水は、温水タンク3の出口に設けられたバキュームブレーカ10により、3つのノズル5,6,7のうち最も低い位置に開口部が位置する便器洗浄ノズル7(図2参照)のみを通じて排出され、死に水になることはない。仮に、この状態で使用者が便器洗浄を指示した場合には、主閉止弁1が開かれて、膨張水が温水とともに便器洗浄ノズル7から吐き出される。
【0032】
このような待機状態(バルブシャフト45の回転角度が0度の状態)から、使用者が操作パネル56のスイッチを操作しておしり洗浄を指示すると、主閉止弁1が開かれるとともに、バルブシャフト45が回転し始める。この時、温水タンク3から送出された温水は、おしり洗浄水路9aと便器洗浄水路9cの両方に流入し、おしり洗浄ノズル5と便器洗浄ノズル7の両方から同時に吐水される。この場合、両方のノズル5,7から吐水される温水の量は、水道法で定められているところの最低水量(不感水量)以上あるいは流量制御弁2による適正な水制御が可能な最低水量以上に常時確保される。
【0033】
バルブシャフト45が30度以上回転すると、便器洗浄水路9cが完全に閉塞されて便器洗浄ノズル7からの吐水が停止されるとともに、温水タンク3からの温水の全量がおしり洗浄ノズル5から吐出される。そして、バルブシャフト45は、90度まで回転した時点で、停止される。
【0034】
次に人体局部の洗浄が終了し、使用者が人体局部の洗浄終了を指示すると、直ちに主閉止弁1が閉塞され、バルブシャフト45が洗浄開始初期の角度すなわち0度に戻される。これにより、おしり洗浄ノズル5側が閉塞され、便器洗浄ノズル7と温水タンク3とが連通されるようになる。すなわち、洗浄開始前の状態に設定される。この時、水路内の残圧は、バルブシャフト45が直ぐに0度まで戻された場合であっても、常にいずれかの水路が開状態となっているため、自然に排出される。つまり、水路内の残圧は、バルブシャフト45の回転角度(切換弁4の動作状態)に拠らず、自然に排出される。また、洗浄終了後、配管内部に残った残水も、圧損の少ない便器洗浄ノズル7からサイホン現象により排出されるため、残水による雑菌の繁殖や冷水による不快感がなくなるばかりでなく、洗浄開始初期に冷水を排出させるための方策をとる必要もなくなる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の人体局部洗浄装置において、切換弁4は、電磁弁ではなく、回転可能なバルブシャフト45によって3つの水路9a,9b,9cを所定の開閉状態に切換える1つの弁として構成され、バルブシャフト45がどの回転角度に位置しても、いずれかの水路9a,9b,9cを常時温水タンク3に連通させ、ポートa,b,cとオーバーラップする通孔47a,47b,47cの開口面積の総和が常に所定の値以上(例えば一定の値)に保たれるようになっている。すなわち、温水タンク3から各水路9a,9b,9cに流入する温水の総量がバルブシャフト45の回転角によらず常に所定量以上(例えば一定量)に保たれるようになっている。しかも、その温水の総量は、水道法で定められているところの最低水量(不感水量)以上あるいは流量制御弁2による適正な水制御が可能な最低水量以上に常時確保されるようになっている。
【0036】
したがって、主閉止弁1を開いたままで水路切換動作を行なっても、流量制御弁2による適正な水制御が可能となり、また、流量制御弁2の下流側の水圧を著しく上昇させないで済む。すなわち、主閉止弁1を開いた状態で水路切換動作を行なうことができるため、使用者による洗浄指示から吐水閉始までの時間を短くすることができる(水路の切換えに要する時間が短くなる)。
【0037】
また、バルブシャフト45の回転角度(切換弁4の動作状態)に拠らず、常にいずれかの水路が開状態となっているため、切換弁4の閉塞故障の問題は生じない。すなわち、バルブシャフト45の回転角度に拠らず、温水タンク3からの湯量が確実に確保されるため、万が一、切換弁4が誤動作しても、切換弁4の出口の全てが閉塞されることがなく、温水タンク3の内部で異常に圧力が上昇することがない。したがって、過圧逃がし弁を設ける必要がなくなる。また、主閉止弁1の閉止動作時に、水路内の残圧を排出させるための特別な制御回路を組み込む必要もなくなる。さらに、洗浄終了後、配管内部に残った残水が、圧損の少ない便器洗浄ノズル7からサイホン現象により排出されるため、残水による雑菌の繁殖や冷水による不快感がなくなるばかりでなく、洗浄開始初期に冷水を排出させるための方策をとる必要もなくなる。
【0038】
また、本実施形態の人体局部洗浄装置において、切換弁4は、円筒状の弁本体46と、弁本体46の内部に回転可能に配置された円筒状のバルブシャフト45とによって構成され、バルブシャフト45の側面に通孔47a,47b,47cが設けられ、ポートa,b,cに対する通孔47a,47b,47cの位置を変化させることにより3つの水路の切換えを行なうようになっている。すなわち、切換弁4は、簡単なドラム式構造によって複雑な動作を行なうことができ、小型で安価に製造することができる。また、電磁弁のように、特定水路の開放を維持するために通電し続ける必要もない。例えば、待機状態において便器洗浄ノズル7を温水タンク3の出口に連通させていても、バルブモータ8で電力を消費することがない。したがって、省エネルギー化を実現できる。
【0039】
なお、本実施形態では、切換弁4がドラム式構造の単一の弁として構成されているが、切換弁4を従来のように複数個の電磁弁によって構成し且つ電磁弁を図5に示すように制御しても、同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、主閉止弁を開いたままで水路切換動作を行なっても、主閉止弁の下流側の水圧を著しく上昇させないで済む。すなわち、主閉止弁を開いた状態で水路切換動作を行なうことができるため、水路の切換えに要する時間が短くなる。また、切換弁の動作状態に拠らず、常にいずれかの水路が開状態となっているため、切換弁の閉塞故障の問題は生じず、また、水路内の残圧を排出させるための特別な制御回路を組み込む必要もなくなる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、各水路と温水タンクとの連通状態を変化させる切換動作中であっても、流量が不感水量以下とはならない。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、主閉止弁を開いたままで水路切換動作を行なっても、流量制御弁による適正な水制御が可能となり、主閉止弁の下流側の水圧を著しく上昇させないで済む。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1と同様の作用効果を得ることができるだけでなく、バルブシャフトの回転角度に拠らず、常にいずれかの水路が開状態となっているため、切換弁の閉塞故障の問題は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る人体局部洗浄装置の外観図である。
【図2】図1の人体局部洗浄装置の本体に組み込まれた作動装置の概略図である。
【図3】図2の作動装置を記号化して示した回路図である。
【図4】切換弁の動作状態を示す断面図であり、(a)は待機状態を、(b)はおしり洗浄を、(c)はビデ洗浄を示す。
【図5】バルブシャフトの回転角度と各水路の開閉状態との関係を示す動作シーケンスである。
【図6】主閉止弁および切換弁の動作をおしり洗浄時を例にとって示した動作シーケンスである。
【図7】従来の人体局部洗浄装置の作動装置の構成図である。
【図8】図7に示した人体局部洗浄装置の電磁弁の動作をおしり洗浄時を例にとって示した動作シーケンスである。
【符号の説明】
1.主閉止弁(給水弁) 2.流量制御弁 3.温水タンク 4.切換弁 5.おしり洗浄ノズル 6.ビデ洗浄ノズル 7.便器洗浄ノズル 8.バルブモータ 8a.駆動軸 9a.おしり洗浄水路 9b.ビデ洗浄水路 9c.便器洗浄水路 10.バキュームブレーカ 11.管路 41.電磁弁 42.電磁弁43.電磁弁 45.バルブシャフト 46.弁本体 47a.通孔 47b.通孔 47c.通孔 51.便器 53.本体 54.便座 55.便蓋 56.操作パネル 58.サーミスタ 59.ヒータ
Claims (4)
- 水道からの給水を開閉するための主閉止弁と、
内部に温水が蓄えられ、主閉止弁を介して流れる水道水の付勢力によって温水を吐き出す温水タンクと、
前記温水タンクからの温水を人体局部または便器に向けて吐き出す複数の洗浄ノズルと、
前記温水タンクからの温水を各洗浄ノズルに個別に流す複数の水路と、
前記温水タンクからの温水を前記各水路に選択的に流すための切換弁と、を具備し、
前記切換弁は、その動作状態とは無関係に、前記各水路側に対する弁開度の総和が常に一定以上に保たれ、
前記便器に向けて吐き出す洗浄ノズルの圧損が、他の洗浄ノズルよりも少なく、
この便器に向けて吐き出す洗浄ノズルの先端が、他の洗浄ノズルの先端より低い位置に配置され、
前記温水タンクから人体局部に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路が完全に連通した洗浄状態から、前記温水タンクから便器に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路が完全に連通した待機状態に戻る過程においては、前記主閉止弁を閉じ、前記人体局部に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路を、前記便器に向けて吐き出す洗浄ノズルへの水路と連通させる人体局部洗浄装置。 - 請求項1において、
切換弁を通じて各水路に流される温水の総量は、各水路と温水タンクとの連通状態を変化させる切換動作中で、水道水の不感水量以上に確保されている人体局部洗浄装置。 - 請求項1又は、2において、
主閉止弁を介して流れる水道水の流量制御を行なう流量制御弁が温水タンクの上流側に設けられており、切換弁を通じて各水路に流される温水の総量は、前記流量制御弁による流量制御が可能な最低水量以上に確保される人体局部洗浄装置。 - 請求項1、2又は3において、
切換弁は、前記各水路が接続される複数のポートを有する円筒状の弁本体と、弁本体の内部に配置されて回転動作され、その内部が温水タンクに連通する円筒状のバルブシャフトと、前記バルブシャフトの周面に設けられ、前記各ポートに対応して位置された複数の通孔と、から成り、バルブシャフトの回転角度とは無関係に、ポートとオーバーラップする通孔の開口面積の総和が常に所定の値以上に保たれる人体局部洗浄装置。
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