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JP3978498B2 - 単一分子ラマン分光用金属ナノ三角柱構造アレイ基板の形成方法及びそれによる単一分子分析法 - Google Patents

単一分子ラマン分光用金属ナノ三角柱構造アレイ基板の形成方法及びそれによる単一分子分析法 Download PDF

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Description

本発明は、単一分子測定における、ナノ構造、特にナノビーズリソグラフィーによって形成された三角柱及び類似形状を有する金属表面での強い電場によるラマン散乱スペクトルの増強を利用した単一分子の分析方法とその基板の作成方法に関する。
この発明は表面に光学的活性の高い構造を作る方法に関するものであり、その表面の活性を利用することによって生化学に関連する物質等を単一分子感度で検出し、定量、定性分析を行えるデバイスも含むものである。さらに詳しくは、この発明はナノメートルの単位の微粒子を規則正しく並べる方法とその単粒子層膜を鋳型として利用することによって得られる金属のナノ構造表面での表面プラズモンによる強い電場形成を利用したラマン散乱スペクトルの単一分子感度での測定原理とそのデバイス(基板)に関するものである。また、このデバイスにより、生化学関連物質の単一分子のラマン散乱信号での測定とそれによる目的分子の状態分析、その他幅広い分野における単一分子の測定に関する方法も含む。
従来より単粒子層膜を形成する方法は、主に移流集積法による単粒子層膜、多粒子層膜の作成方法、さらには、LB膜の作成方法などが知られている。これらのうち、移流集積法では、溶媒(おもに水)に長時間分散が可能な球状ナノ粒子などを懸濁させた溶液にガラスを長時間浸透させ、引き上げる方法である原理に基づき、発明者によって改良が加えられ、ガラスの表面処理を行ったものを利用して(具体的にはガゼインを糊として利用したものなど)、温度、湿度、粒子の濃度、ガラスの引き上げ速度などを制御することによって、ガラス基板の上に単粒子層膜、多粒子膜を作成するものである。非特許文献1および2に見られるような乾燥により懸濁した溶液から単粒子層膜を形成しようとする場合には、単粒子層膜の部分のほかにも、多くの粒子の欠けている部分が見られる。また、非特許文献3に報告されているもののようにガラスの表面をガゼインで処理し、溶液中に懸濁しているナノ粒子とガラスの間の糊として利用する場合なども、方法として存在するが、この報告にもあるように多くの欠損部分が見られ、ガラスの基板と糊になるガゼインの付着作業など、単粒子層膜の作成過程が複雑である。また、分子の自己集積力と溶媒の乾燥による力を利用した単粒子層膜の作成の方法としては非特許文献4に見られるように、ガラスの基板を一定の速度で移動し、その表面にナノ粒子を懸濁液から流しこみ、その溶媒の流れと乾燥速度を制御することによって作成するものがある。しかし、この方法ではガラスの表面からの距離、基板となるガラスの移動を制御する装置などが必要となり、また、できた単粒子層膜とされる部分には、単粒子層でなく二粒子層や三粒子層になっている部分も見られる。
LB膜の作成方法は単に懸濁液からガラス基板を引き上げる方法ではなく、主に水溶液表面に有機溶媒などを溶解させた親水性あるいは疎水性の物質を展開し、表面エントロピーを制御することによって作成した水面上の単粒子層膜を固体基板上にうつし取り、それを繰り返すことによって多粒子層に集積するためのよく知られた薄膜の作成方法である。この方法は薄膜の作成方法としては大変優れた方法であるが、作成の際にはその薄膜の状態が基板の表面の濡れ性に強く影響をうける。しかし、この濡れ性を制御することは表面の粗さや表面との化学的な相互作用の制御など、複雑な要素が絡み合うために、いまだ難しい。また、水溶液中に浮遊するナノ粒子の懸濁球を利用する場合には、それ自身の重さや、化学的な表面状態の要素が加わるために、その再現性、単粒子層膜の連続性に問題が出てくる。たとえ制御できたとしても、ナノ粒子同士の斥力または引力により、ガラス基板上での単粒子層膜の形成に影響をもたらし、結果として、単粒子層膜の欠損部分や一部で多層膜を作ってしまう。
ところで、ナノ粒子の混濁液を利用して何らか方法で単粒子層膜を作成し、その表面にナノ構造をもつ金属のアレイを蒸着の方法によって作成し、その金属ナノ構造の特性を調べた例は、非特許文献6および11に見られる。これらにおいて、金属ナノ構造の表面の表面増強ラマン散乱測定時の安定性がサイクリックボルタンメントリにより調べられ、また金属ナノ構造間隔を、蒸着時の基板の蒸着源に対する向きを傾けることで、各構造体間隔を制御し、そこに局在する表面プラズモンのカップリングを増大させ、大きなラマン増強度を得ようという試みが行われている。しかし、こうした試みで単一分子感度ラマン信号強度を得ることは原理的に困難である。なぜならば、上記の方法では、金属ナノ構造体間に極めてシャープな接合部を持たせない限り、局在表面プラズモンによる1010以上の巨大な増強度は得られないことが、非特許文献7に示されているように電磁気学計算により明らかになっているからである。これに対して、ナノ粒子の単層膜を鋳型として、蒸着条件の制御により形成される金属ナノ構造において、特に三角柱構造のエッジ部分での電場が著しく強くなり、きわめて効率的に表面プラズモンの効果を利用することができるため、ラマン散乱信号強度が1010以上に増強されるものと期待される。それにより、吸着化学種のラマンスペクトルの単一分子感度での測定が可能と考えられる。
単一分子の測定に関して、これまで多くの方法でその可能性が試されてきた。その中でも分光学的な方法を利用して、単一分子を測定しようとする試みは蛍光法を利用する方法とラマン散乱、特に表面増強ラマン散乱を利用する方法がある。蛍光法による単一分子の測定はローダミン6Gを始めとする強い蛍光を示すものの単一分子の測定、さらには、標識したDNAなどの顕微鏡下での観察など、多くの場合に利用されている。しかし、蛍光のスペクトルは特徴となるピークがブロードであり、多くの場合、あらかじめマーカーとしてラベルされている場合を除き、未知物質の単一分子レベルで分析の方法としては適さない。
一方、ラマン散乱を利用した場合には、入射光が分子にあたるとその分子内または分子間の結合に基く固有のエネルギー状態を反映した散乱光(散乱光のエネルギー=入射光のエネルギー±振動エネルギー)が分子内結合の数に応じて複数発生する。すなわち、物質の構造やその周囲との相互作用を示す特徴的なスペクトルピークが複数得られるので、化学種の定性、定量分析には、蛍光法よりも優れている。しかし、ラマン散乱光は蛍光に比べて本質的に弱いので、単一分子での測定には向かない。ところが、表面増強ラマン散乱を利用することによって、単一分子での測定は可能であることが、いくつかのグループ、たとえば、Nieらによって非特許文献8に報告されている。表面増強ラマン散乱は1974年Richard van Dyneによって発見された分子を粗い金属表面に付着させたときに起こるラマン散乱の増強効果である。そのシグナルの増強強度は、同時に測定される多数の分子についての平均として最高で10にも達する場合がある。最近のプローブ顕微鏡や高感度光検出器の発達により、大きな信号強度を与える最適な形状を有する金属粒子のみからの信号検出が可能になった。それにより、1010〜1014の巨大なラマン信号の増強が報告されている。
この表面増強ラマン散乱を利用した単一分子の測定では、「ブリンキング(Blinking)」と呼ばれる現象(ラマン信号強度が、大きく且つ繰り返し時間変化する現象で、吸着分子1個の金属表面での熱拡散によると考えられている)が観測される。このブリンキングに対する報告は非特許文献8に最初に報告された表面増強ラマン散乱による単一分子の測定である。Nieらは化学還元より生成された銀粒子面でのローダミン6Gの表面増強ラマン散乱を観測し、直径約150nmの球状粒子の銀表面での単一分子からの信号であることを、信号強度の吸着量依存性、偏向特性などから確かめた。
また、ブリンキングについては、非特許文献9にあるような最適サイズが励起波長に依存すること、さらには非特許文献10のように、表面プラズモンに加えて金属と吸着種の間の電子移動が寄与していることなどが指摘されている。完全に巨大増強メカニズムが解明されたわけではないが、そのオリジンについて種々の検討が進められ、いろいろな知見が得られつつある。
しかし、これらの報告で作成された表面増強ラマン散乱用の金属ナノ粒子は硝酸銀などをクエン酸で還元して得られる銀コロイド粒子を基板上に固定した簡易なものであり、種々の形状・サイズ・凝集状態からなる。膨大な数の粒子のうちから、最適形状を有するごくわずかな粒子を選別し、測定に用いるのは、応用を考えると非効率的であり実用性は低い。さらに、このような方法では、(1)表面増強ラマン散乱に対する最適形状を有する金属ナノ構造を効率的に作成できない。また、(2)たとえできたとしても2次元に配列することはできないなどのこれを単一分子分析デバイスとして利用するためにはいくつかの欠点を有する。
ラングミュア(Langmuir)、第8巻、1992年、pp3182−3190 ネイチャー(Nature)、第361巻、1993年、p26 ラングミュア(Langmuir)、第10巻、1994年、pp432−440 ラングミュア(Langmuir)、第14巻、1998年、pp6441−6447 ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー・B(Journal of Physical Chemistry B)、第103巻、1999年、pp9846−9853 ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー・B(Journal of Physical Chemistry B)、第106巻、2002年、pp853−860 ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー・B(Journal of Physical Chemistry B)、第107巻、2003年、pp7607−7617 サイエンス(Science)、第107巻、1997年、pp1102−1106 ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、第121巻、1999年、pp9208−9214 ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、第121巻、1999年、p9932−9939 ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー・B(Journal of Physical Chemistry B)、第107巻、2003年、pp7426−7433
ナノ粒子が懸濁した溶液を利用したナノ粒子の単粒子層膜の作成は従来の方法でも可能ではあるが、広域に作成することは困難であり、また、それに伴う設備、装置も煩雑かつ面倒なものである。さらに、作成した金属の三角柱の構造で、表面増強ラマン散乱が確認されているものの、おそらくは蒸着時の条件の制御が十分でないために形成されたナノ三角柱のエッジは10nm程度の曲率半径を有し、そのために、10〜10程度の単一分子検出には不十分な増強度しか得られていない。また、生化学などでの高感度分析に関連して、多糖類の試料をできるだけ短時間で分析するためには、可能な限り広い2次元アレイが必要とされる。従ってここでの目的は、(1)できるだけ広く秩序配列した領域(1000μm×100μm)のナノ粒子の単層膜を形成すること、(2)それを利用して、蒸着条件の制御によるシャープなエッジを含む金属ナノ三角柱構造アレイを形成すること、(3)それにより1010以上のラマン増強度を得ることで、ナノ構造表面に存在する幅広い化学種の単一分子の表面増強ラマン散乱を効率よく検出、定性分析する方法を提供することである。
本発明は、
(1)基板上にナノ粒子の最密充填した単層膜を形成し、その上から金属を真空蒸着した後ナノ粒子を洗い流すことにより形成される金属ナノ三角柱構造アレイを有する基板の作成方法において、前記ナノ粒子の2次元配列した単層膜の形成が、ナノ粒子に対して親和性の異なる2枚のガラス基板を用い、親和性の高い一方の基板を水平に静置して、その表面にナノ粒子の懸濁液を滴下し、その上からもう一方の親和性の相対的に低い基板を、その一端をスペーサに立てかけ、斜めに置き、湿度が60%以上に管理された装置の中で乾燥させることにより行われることを特徴とする金属ナノ三角柱構造アレイを有する基板の作成方法
(2)前記2枚の基板がいずれもガラスであり、それぞれのガラス表面の親水性の強度が異なることを特徴とする(1)項記載の基板の作成方法、および、
(3)(1)または(2)項のように作成された基板を用い、金属ナノ三角柱構造アレイでの表面増強ラマン散乱スペクトル及びそのブリンキングを測定することを特徴とする単一分子の状態分析方法およびその基板
を提供するものである。
本発明の中で使用する用語について定義する。
本明細書内で使用する「ナノ粒子」とはその半径(r)が1ナノメートル<r<1000ナノメートル(1ナノメートル=10−9メートル)の球を示す。
本明細書内で使用する「ブリンキング」とは単一分子に由来する表面増強ラマン散乱信号の強度が、時間とともに数ヘルツの周期で繰り返し点滅することを示す。
本明細書内で使用する「アレイ」とは、ナノ粒子を用いたリソグラフィーにより作成された金属のナノスケールの立体構造(三角柱を含む)が規則正しく並んだ構造、あるいは一部その構造が途切れた場合での2つ以上のナノスケールの立体構造が並んでいるような構造を示す。
本明細書内で使用する「平坦な部分」とは、アレイ以外の部分でナノ粒子によるテンプレートの基板が存在しない部分に金属が蒸着した部分である。
本発明により、強い電場を生成することのできるデバイスの作成を簡便かつ容易にし、生体分子などの単一分子レベルでの状態分析を可能とすることができる。
本発明の一つの好ましい実施態様は、(1)適当な基板表面にナノ粒子の単粒子層2次元最密充填構造を形成し、(2)その上方から金属を蒸着し、隙間に巨大増強度を与える金属ナノ構造を形成し、さらに、(3)その後不要になったナノ粒子を洗い流すことで、金属ナノ構造のアレイを有する単一分子ラマン分光用基板を形成する方法である。
(4)実際の分析では、この基板表面に種々の手法、例えばもっとも簡易な方法では、1ナノ構造あたり単一分子レベルの被覆率になるようにあらかじめ濃度を調整した試料溶液を、基板表面に滴下し、乾燥後、顕微鏡下に設置して試料のラマン散乱を測定する。
この際に、(1)の目的で、基板の表面処理や、溶媒蒸発メカニズム・蒸着速度の制御により、ナノ粒子と基板との動的親和性を制御することで、できるだけ大きな最密充填構造を有する単粒子層を形成することが好ましい。また、(2)に関して、金属ナノ構造に十分シャープなエッジを形成するために、基板と蒸着源との空間配置、蒸着手法、速度・真空度などの条件を制御することが好ましい。さらに、(3)ナノ粒子のみを基板からはがすために、溶媒の種類・超音波洗浄出力・温度・時間などを最適化することが好ましい。
また、ナノ粒子の単粒子層膜の作成方法の具体例は、以下のとおりである。(1)ナノ粒子に対して、表面処理等により親和性の異なる2枚の平坦な板を用意する。(2)あらかじめ、親和性の高い一方の基板を水平に静置し、ナノ粒子の懸濁液を適当量滴下する。その上にナノ粒子に対する親和性が異なる基板を、反対側にスペーサをはさんで斜めに置く。
このときに利用できる基板としてはいろいろな材料が考えられるが、その後に行われるラマン散乱の測定に妨害となる散乱光や蛍光を発しないなど影響のできるだけ少ないものが望ましい。その一つとして多くの種類のガラスが挙げられる。また、2枚目のカバーする板は、単粒子層構造を安定化するためにナノ粒子の表面張力に負けないように十分堅いものである必要がある。二つの板で傾いてはさまれたナノ粒子はこのまま、湿度の管理されたデシケーターなどの装置の中でゆっくりと乾燥される。この過程では、単粒子層構造をできるだけ大きくするように、溶媒の乾燥に伴う表面張力や毛細管現象を有効に使う必要がある。そのために、乾燥速度を抑える目的で湿度として約60%以上が望ましい。
この方法で作られたナノ粒子の単粒子層膜は1000μm×1000μmと広域に広がらせることができる。さらに、上記のとおりその作成方法は簡便である。形成されたナノ粒子二次元配列構造は、光学顕微鏡のほか、原子間力顕微鏡によりそのナノスケールでの構造を測定することで、調製法にフィードバックすることで、最密充填した2次元配列構造がより広範囲に形成されるように役立てる。
本発明により作成される金属ナノ構造のアレイは、理論計算で予測された三角柱状ナノ構造がシャープなエッジを有することから、三角柱の上面(断面)はできるだけ平滑であることが好ましい。一般的に蒸着で形成される金属薄膜がナノ粒子集合体からなることから、蒸着方法や装置内での蒸着源と基板との配置、蒸着条件を制御し、できるだけ平滑な金属膜を形成し、また、形成された金属構造体と基板との十分な密着性を有することが好ましい。
これらについての予備的な検討の結果、抵抗加熱方式を利用し、できるだけ蒸着時の金属原子・クラスタの流れ(フラックス)が平行になるように蒸着源からの距離が十分遠いものを利用するのがよい。また、このような特性を有する蒸着装置によれば、アレイでの電場の強度について増強効果が期待できるとともに、それによって作られたアレイを構成する三角柱の平面部分が比較的平坦(高低差±3nm程度)にすることができるために、アレイの作成には適している。また、真空蒸着により単一分子表面増強ラマン散乱用ナノアレイ構造を形成できる金属は特に限定はなく、金、銀、銅のほか白金、ニッケルなどの遷移金属を含む。蒸着方法としては、常法により行うことができるが、抵抗加熱、スパッタ、電子ビーム蒸着法などが好ましい。
表面増強ラマン散乱のブリンキングの測定のための分光イメージ装置は対物レンズ等を用いた顕微鏡を基本としてイメージ観察用のCCD(電荷結合素子)などの2次元検出器を設置したものである。その検出器の前にはノッチフィルターなどのレーリー光(Rayleigh光、入射光と同じ波長を有する弾性散乱光で、ラマン散乱光の1010以上の強度を有するために特に微弱な信号測定の妨害となる。)を効率よく除去する光学フィルターを置き使用する。また、化学種の同定などの詳しい情報を得るために表面増強ラマン散乱のスペクトル測定を行う必要がある。そのために上記顕微鏡に光学的に接続した分光器・2次元光検出器からなる測定系を構築する。これにより、ブリンキングの検出とともに、表面増強ラマン散乱スペクトル測定が可能になり、目的化学種の単一分子レベルでの状態分析が可能になる。
以下、本発明の内容について実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例について限定されるものではない。
直径が500nmのポリスチレンのナノ粒子(DUKE Scientific社、米国)の懸濁液は原液の濃度(1g/ml)を蒸留水によって1/2に希釈された。市販の顕微鏡用スライドガラスを洗剤でよく洗った後超音波洗浄器中で蒸留水でさらによく洗浄する。次に、図1に示すように、ガラス基板3になる上記スライドガラス上に30μlの懸濁液2を滴下し(図1(A))、その上にガラス基板3とは親水性の異なるガラス基板4(ガラス基板3を希薄アルカリ水溶液に約10分浸漬し、取り出したあと、純水で1〜2回洗浄したもの)でカバーする。その際にはスペーサ(1mmのカバーガラスを切ったもの)をおき、ガラス基板4の一端をスペーサ1に立てかけるようにガラス基板4でカバーする(図1(B))。ガラス基板4の片側をスペーサ1で浮かせることによって、溶媒である水の蒸発速度をコントロールできる(図1(C))。そのまま湿度が65〜80に制御されたデシケーター内に約12時間放置し、乾燥させる。すると図1(D)に示すように単粒子層膜5が広域にできる。この方法により、ナノ粒子の単粒子層膜がガラス基板の上に形成されていることが、目視および光学顕微鏡により明瞭に確認できた。このことを両方が同じ親性の力を持つもので実行すると、うまく単粒子層膜が作成されない。また、異なる親和性を有する基板により作成された単粒子層膜の大きさとしては、約1mm×500μmに達するものも見られた。さらに、倍率100倍の開口数(N.A.)0.9の対物レンズをもつ光学顕微鏡(オリンパス製)に、SONYのDSC−50Cの2MピクセルデジタルCCDカメラを光学顕微鏡設置しその画像を得ると、その単粒子層膜の構造をもつ部分の色は、そうでない場所に比べて明らかに違った色を与えた。
このことをはっきり示すために、単粒子層膜表面の散乱スペクトルを測定した結果を図2に示す。この散乱スペクトルはガラスの部分の散乱スペクトルをバックグラウンドとして引いたものである。ピークが450nmあたりにある特徴的なスペクトルが得られた。これは、ナノ粒子の2次元配列構造の引き起こす回折現象として最近注目されているもの(フォトリフラクティブ効果)と同様の現象であるが、この場合も肉眼でのおおよその単粒子層膜の位置を知るために利用できる。
また、原子間顕微鏡(Atomic Force Microscopy,AFM)を利用してナノ粒子の単粒子層膜を観測した結果、非常に最密な広範囲の配列構造の形成が確認できた。また、光学顕微鏡では明らかでなかったビーズ構造の隙間(欠陥)の部分がAFMの画像では明瞭に解像できているのが分かった。さらに、その欠陥部分は非常に少なかった。ここで、原子間顕微鏡(AFM, Digital Instrument CA USA)はタッピングモード、スキャンの広さは50μm×50μmの範囲で使用した。分解能は高さ方向(Z−軸)が約3nmで、横方向の分解能は約5nmである。測定した画像の処理にはAFM装置添付のソフトを利用した。今回のナノビーズ単粒子層形成で用いたスライドグラス間の広がり角は、1mm厚さのスペーサを利用した場合には約3.18°であった。
上記で作成した500nmのナノ粒子(ナノビーズ)を用いた単粒子層膜を利用し、以下の方法により銀ナノ基板を作成した。
単粒子層膜に真空蒸着装置(Varian製ターボ分子ポンプ、ロータリーポンプを有する多目的用ステンレス製チャンバ、抵抗加熱電源付、またはスパッタ電源付)を利用して銀の蒸着を行った。また、膜厚は水晶振動子式膜厚モニタ(INFICON, East Syracuse,NY)で随時測定し、全体の膜厚は500Aであった。銀蒸着膜の鋳型となったポリスチレンのナノビーズは銀の蒸着後、超音波洗浄によって取り除いた。
エタノールを洗浄溶液とし、100kHz(50W)で3分間洗浄した。洗浄の際、ビーズが蒸着表面から白くはがれ落ちているのを肉眼で確認できた。
ナノビーズを洗浄した後のアレイを図3に示す。一部が超音波の洗浄によって流れてしまっているが、アレイの構造を確認できた。また、それは広域であり、少なくとも30μm×30μmに広がっている。また、ナノ粒子の鋳型によって、三角柱構造が六角形の頂点の位置に存在しているのが分かり、この三角柱は高さが80nm、裾から裾までの長さが450nmであった(図4)。また図5に、銀のアレイの3次元立体図を示した。
次に、このアレイ表面にローダミン6Gを滴下してその表面増強ラマン散乱のブリンキングを観察した。ブリンキングの測定にはRenishawの分光器にCCDが付けられた顕微ラマンの分光計を使用した。対物レンズはOlympusのN.A=0.55を使用し、レーザーの強度はサンプルの表面で30μW程度であった。また、表面増強ラマン散乱ブリンキングのイメージの測定は30フレーム/秒のCCDカメラにイメージインテンシファイアーを組み合わせたものを使用した。そのときのイメージインテンシファイアーの増幅度は560であった。CCDで撮られたイメージはA/D変換され、コンピューターに保存される。ローダミン6Gのブリンキングからの表面増強ラマン散乱を図6(A)に示す。このスペクトルはすでに述べたように定常的に発生しているわけでなく、10秒間の積分の値である。ただし、この10秒の間にも、ブリンキングが発生しない場合があり、その場合には表面増強ラマン散乱は測定できなかった。ローダミン6Gはその濃度が10−10Mのものを、それぞれの部分に0.5μlだけ滴下し、それをしばらく放置することにより付着させた。なお、図6Bはバックグラウンドを示す。
ブリンキングの効果の頻度を比較するために、アレイの部分と銀が単に裸のガラス基板に50〜100nmの直径の粒子集合体(以下、連続膜と言う)として蒸着した部分との比較をした。連続膜はガラスの表面に銀を50nmだけ蒸着したものである。結果は図7に示す。アレイの部分と銀の連続膜の部分について約10μm×10μmの範囲をそれぞれ重複のないようにトリミングし、その内部でのブリンキングの数について統計を行った。光学的な分解能(約600nm=0.61λ/N.A.,λ=波長)を考慮し、その内部を4ピクセル×4ピクセルの正方形で区画する。これを観測単位として、この区画内でのブリンキングの有無を計測した。このとき顕微光学系の特性とCCD1ピクセルあたりのサイズから、試料上でのサイズは0.347μm/ピクセルに相当するので、4ピクセルは理論上の分解能(約600nm)の2倍に相当する。これを7×7の区画で標準化(この領域の中には49の観測領域ができる)すると、その全体の部分の大きさは9.716μm×9.716μmとなる。この領域内での10秒間のブリンキングの有無を評価する(10秒間の間に1回でもBlinkingを示した領域(4×4ピクセル)は1と数える。10秒間でのそのような領域の数を数える)。全体がブリンキングした場合には、図7の横軸に示すような“ブリンキングが起こった箇所の数”は49となる。また、表面に滴下した試料の濃度は10−10Mであり、表面の広がりを1cmの等濃度の円であると仮定したときの10μm×10μmの範囲での試料分子の数は38.25個と見積もられる。
全く同様の方法で形成した複数のアレイ構造試料について、約10μm×10μmの範囲でトリミングした部分の総数は104であった(異なる試料を含めて、10μm×10μmの範囲を全部で104個サンプリングした)。アレイ構造の部分と連続膜部分の比較を行うと、まず、ブリンキングが約10μm×10μmの範囲で全く観測できない部分(図7の横軸の“箇所の数”0に相当)は連続膜表面で約37%(=38/108)、アレイの部分で約9.6%(=10/108)であった。さらに、5箇所以上のブリンキングの起きた箇所数(図7の横軸の値5)を比較すると、連続膜では25.9%(28/108)、アレイの部分では60.5%(66/108)であり、アレイの部分での頻度は平坦な部分の約2.3倍となっている。これは、表面増強ラマン散乱の測定に約2.3倍有利であることを意味する。全体のブリンキングの数(ブリンキングの起こった箇所X(n=1,2,…)、頻度Yとして、ΣX×Y)では、平坦な部分では325個所、アレイの部分では653個所であった。
完全なアレイが観測領域全面に形成されているとしたとき、アレイの基板全体に占める割合(=1個の金属ナノ構造の占める断面積の総和/基板の総断面積)は、9.35%となる。つまり、ブリンキングの観測された部分では金属ナノ構造体で連続膜に比べて、単位面積当たり約21倍の効率が得られていることになる。
また、図3のAFMの画像から実験で用いられた試料についてアレイ構造が形成されている割合(=実際の銀三角柱状構造の面積分率/基板の総面積)は12%であり、理論値に比べてむしろ大きい。これは、図3に示すように一部三角柱構造が洗い流されているため、および本来流されるべき領域が残って細長く連続した構造体になっているためである。理論計算に基づくと、実測形状ではシャープなエッジの面積が理論値に比べてずっと小さい(エッジの数の比較によると、実測値/理論値は1/2以下)ので、実際に単一分子ラマン感度を与えるために有効に働いているナノ三角柱構造は1/2以下とみなされる。従って、ブリンキングの発現効率は、ナノ粒子の洗い流し条件の制御などにより、大幅に(2倍以上)改善されるものと考えられる。さらに、今回用いた“連続膜部分”については、特にアニールなどの加熱処理を行っていないために、50〜100nm直径の粒子状銀集合体が形成されている。実際に完全に平坦な試料ではそのエッジ以外の部分では、巨大な増強度が得られないことは理論計算および実験により広く知られている(例えばJournal of Physics: Condensed Matter 1992年第4巻1143ページ)。
そこで、今回形成したアレイ部分で単一分子感度が得られる効率をより正確に評価するために、ガラス基板上に形成した50nm厚さの銀連続膜のアニール処理による平坦化を行い、この膜を用いて、先に述べたと全く同じ条件での色素試料の調製とそれによる表面増強ラマン散乱測定を行った。その結果は極めて明瞭で、200℃で2時間アニールして得られた銀連続膜では、今回アレイ上でのブリンキング測定に用いた条件では、R6G薄膜からのブリンキングは全く観測されず、表面増強ラマン散乱信号は得られなかった。連続膜のアニールにより粒子サイズが約2〜3倍に増加するとともに、アニール前の粒子間のシャープなエッジが、滑らかにつながった連続膜に変化していることがAFM測定で確かめられた。このことから、加熱処理によりアニール前のナノ粒子接合部の面積が大幅に減少したために、接合部で起きていたブリンキングが完全に抑制されたものと考えられる。以上のように、金属ナノ三角柱構造が単一分子感度表面増強ラマン散乱検出のために極めて有効に働くこと、及びここでその2次元アレイ構造を形成し単一分子表面増強ラマン散乱基板として利用できることを見出した。
以上述べてきたように、より簡便な方法で作成されたナノ粒子の単粒子層膜を利用して金属のアレイを作成し、その表面での表面増強ラマン散乱の効果を効率的に測定できることができた。さらに、このブリンキングの効果は単一分子からの効果であり、結果として高分子ではなく比較的小さい色素分子を単一分子レベルで測定できたことになる。
本発明は、生化学分析の分野にとどまらず、ボトムアップナノテクノロジーで形成される単一分子素子やナノ化学工場の実現のための構成分子の分析、単一分子レベルからの触媒設計や、単一分子レベルで機能や構造が制御される必要のある幅広い分野においての有用な基盤技術である。
ナノ粒子を単粒子層膜に並べる方法とその簡易装置の説明図である。 実施例で作成されたナノ粒子の単粒子層膜の散乱光のスペクトルである。 実施例で作成した銀のアレイの原子間力顕微鏡写真の平面図である。 実施例で作成した銀のアレイの原子間力顕微鏡写真の拡大図である。 実施例で作成した銀のアレイの原子間力顕微鏡写真の3次元立体図である。 実施例における(A)ブリンキング部分の表面増強ラマンスペクトルと(B)バックグラウンドを示すグラフである。 実施例における銀のアレイの部分(A)と50nmの膜厚の銀の薄膜上(B)でのブリンキングの頻度を示すグラフである。
符号の説明
1 スペー
2 ナノ粒子の懸濁液
3 ガラス基板
4 ガラス基板
5 ナノ粒子の単粒子層膜の形成部分

Claims (4)

  1. 基板上にナノ粒子の最密充填した単層膜を形成し、その上から金属を真空蒸着した後ナノ粒子を洗い流すことにより形成される金属ナノ三角柱構造アレイを有する基板の作成方法において、前記ナノ粒子の2次元配列した単層膜の形成が、ナノ粒子に対して親和性の異なる2枚のガラス基板を用い、親和性の高い一方の基板を水平に静置して、その表面にナノ粒子の懸濁液を滴下し、その上にからもう一方の親和性の相対的に低い基板を、その一端をスペーサに立てかけ、斜めに置き、湿度が60%以上に管理された装置の中で乾燥させることにより行われることを特徴とする金属ナノ三角柱構造アレイを有する基板の作成方法。
  2. 前記2枚の基板がいずれもガラスであり、それぞれのガラス表面の親水性の強度が異なることを特徴とする請求項1記載の基板の作成方法。
  3. 請求項1または2の方法で作成された基板を用い、金属ナノ三角柱構造アレイでの表面増強ラマン散乱スペクトル及びそのブリンキングを測定することを特徴とする単一分子の状態分析方法。
  4. 請求項1または2の方法で作成され、金属ナノ三角柱構造のアレイでの表面増強ラマン散乱スペクトル及びそのブリンキングを測定することを特徴とする単一分子の状態分析方法に用いられる基板。
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