JP3976231B2 - トンネル磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびにトンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
トンネル磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびにトンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3976231B2 JP3976231B2 JP2001344701A JP2001344701A JP3976231B2 JP 3976231 B2 JP3976231 B2 JP 3976231B2 JP 2001344701 A JP2001344701 A JP 2001344701A JP 2001344701 A JP2001344701 A JP 2001344701A JP 3976231 B2 JP3976231 B2 JP 3976231B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- ferromagnetic
- tunnel
- alloy
- tunnel barrier
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N—ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N50/00—Galvanomagnetic devices
- H10N50/10—Magnetoresistive devices
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y10/00—Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/127—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
- G11B5/33—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
- G11B5/39—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
- G11B5/3903—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/127—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
- G11B5/33—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
- G11B5/39—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
- G11B5/3903—Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
- G11B5/3906—Details related to the use of magnetic thin film layers or to their effects
- G11B5/3909—Arrangements using a magnetic tunnel junction
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
- H01F10/324—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
- H01F10/3254—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being semiconducting or insulating, e.g. for spin tunnel junction [STJ]
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N—ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N50/00—Galvanomagnetic devices
- H10N50/01—Manufacture or treatment
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10S428/90—Magnetic feature
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Hall/Mr Elements (AREA)
- Measuring Magnetic Variables (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体の磁場を検出するトンネル磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびそれらの製造方法に関し、特に、高いトンネル効果を維持しつつ、接合抵抗値を低減することができる特定の材料からなるトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto-Resistance, 以下、AMR)効果あるいはスピンバルブ(Spin-Valve, 以下、SV)効果に基づいた磁気抵抗(Magneto-Resistive,以下、MR)センサは、磁気記録媒体を再生するための再生変換器(トランスデューサ)として広く用いられている。このようなMRセンサは、磁性材料よりなる再生ヘッド部で生じる抵抗変化を利用して、記録媒体に記録された信号の変化によって生じる漏洩磁界を検出するものである。AMR効果を利用したMRセンサ(AMRセンサ)の磁気抵抗変化率ΔR/Rは低く、一般に1〜3%である。これに対し、同じ磁場を印加した場合のSVセンサのΔR/Rは一般に2〜7%に及ぶ。このような高感度SVヘッドは非常に高い記録密度に対応することができ、その記録密度は、1平方センチメートルあたり数ギガ・ビット以上(数Gbits/cm2 以上)になる。従って、SV磁気再生ヘッドは次第にAMR再生ヘッドに取って代わるようになった。
【0003】
基本的なSVセンサは、米国特許第5,159,513号に記載されているように、2つの強磁性層が非磁性層によって隔てられている構造を有している。さらに、このSVセンサでは、2つの強磁性層のうちの1つに隣接するように、例えば、鉄マンガン(FeMn)合金で形成された交換結合層(ピン止め層)が形成されている。交換結合層とこれに隣接する強磁性層との間には交換結合が生じ、その強磁性層の磁化方向が特定の一方向へ強くピン止め、すなわち固定されている。この磁化方向が固定された強磁性層は強磁性ピンド層と呼ばれる。他方の強磁性層、つまり強磁性フリー層の磁化方向は、小さな外部磁場に応じて自由に回転する。このようなSVセンサでは、2つの強磁性層の磁化方向が、平行から反平行状態に変化するにつれて電気抵抗が増加するようになっており、これにより、比較的高い抵抗変化率(MR比)が得られる。
【0004】
最近では、トンネル磁気抵抗効果(Tunneling Magneto-Resistance, TMR)を使用する新しいMRセンサ(TMRセンサ)を超高密度記録媒体へ適用することが期待されている。これらのセンサは、磁気トンネル接合型(Magnetic Tunnel Junction, MTJ)センサ、あるいは磁気抵抗トンネル接合型(Magneto-Resistive Tunnel Junction,MRTJ)センサとも呼ばれ、大きなTMRが室温で最初に確認されてから重要な技術として注目されるようになった。これに関しては、Moodera らによる「室温下で大きな磁気抵抗をもつ強磁性薄膜トンネル接合」("Large magneto resistance at room temperature in ferromagnetic thin film tunnel junctions",Phys.Rev.Lett.v.74,pp.3273-3276,1995 )に記載されている。SVセンサと同様、TMRセンサは、2つの強磁性層によって非磁性層を挟み込んだ構造を有している。2つの磁性層のうち、一方の強磁性層は、特定の一方向に固定された磁気モーメントを有する強磁性ピンド層であり、もう一方の強磁性層は、外部磁場に応じて自由に回転する磁気モーメントを有する強磁性フリー層(または、センス層)である。ところが、SVセンサと異なり、TMRセンサにおける上記2つの強磁性層間に挟まれた非磁性層は、薄い絶縁層、すなわちトンネルバリア層として形成されている。電子が絶縁層をトンネルできるように、絶縁層は十分に薄くなっている。さらに、SVセンサと異なり、TMRセンサの動作は、いわゆるCPP(current perpendicular to the plane)型であって、TMRセンサのセンス電流が、積層膜の厚み方向つまり強磁性層表面に対して垂直方向に流れる。
【0005】
トンネルバリア層を流れるセンス電流は、2つの強磁性層のスピン分極状態に強く依存する。センス電流が第1の強磁性層を通過すると、電子はスピン分極化される。2つの強磁性層の磁化方向が互いに反平行な場合は、トンネルバリア層を介した電子トンネル効果が得られる確率は低下し、その結果、センス電流は流れにくくなり、大きな接合抵抗Rapが得られる。一方、2つの強磁性層の磁化方向が互いに平行な場合、電子トンネル効果が得られる確率は高くなり、センス電流が流れやすくなるので、これにより、小さな接合抵抗Rp が得られる。両方の強磁性層の磁化方向が互いに直交な状態、すなわち、平行状態と反平行状態との中間の状態では、接合抵抗Rm はRapとRp の中間の大きさとなり、Rap>Rm >Rp という関係が得られる。これらの記号を使用して磁気抵抗変化率(TMR比)を定義すると、ΔR/R=(Rap−Rp )/Rp と表すことができる。
【0006】
磁気記録媒体における磁化遷移のように、2つの強磁性層の相対的な磁化方向の配置、すなわち角度は、外部磁場に影響されて変化する。この相対的な磁化方向の角度変化は、TMRセンサの電気抵抗にも影響するため、出力電圧が変化する。したがって、電気抵抗の変化、すなわち、相対的な磁化方向の角度変化に基づく出力電圧の変化を検出することにより、外部磁場の変化を検出することが可能となる。このようにして、TMRセンサは、磁気記録媒体に記録された情報の再生を行うことができるようになっている。
【0007】
しかし、TMRセンサにおいては、高TMR比と接合抵抗値との両立が困難であるという問題がある。TMR比は、2つの強磁性層におけるそれぞれのスピン分極に比例する。Parkinらによる「交換バイアス磁気トンネル接合および不揮発性磁気RAMへの応用」("Exchange-biased magnetic tunnel junctions and application to nonvolatile magnetic random access memory",J.Appl.Phys.,v.85,pp.5828-5833,15 April 1999)によれば、2つの強磁性層を良好な組み合わせにすると、40%程度のTMR比が達成されたことが示されている。しかし、このような高いTMR比が得られているにもかかわらず、上記のようなTMRセンサは再生ヘッドに適用されていない。接合抵抗値が大きいため、ショットノイズ(電子がトンネルバリア層を通過する際に生じるノイズ)が高く、信号対雑音比(S/N:Signal to Noise )が低くなってしまうためである。ここで、ショットノイズVrms 、センス電流I、周波数帯域Δfおよび接合抵抗値Rの相互の関係は、以下の(1)式で表される。なお、式中eは電気素量であり約1.6×10-19 C(クーロン)である。
【0008】
Vrms =(2・e・I・Δf)0.5 ・R ・・・ (1)
【0009】
このショットノイズを低減するには、TMRセンサの接合抵抗値Rと面積Aとの積R・A(RAと記す。)の値を小さくすればよい。TMRセンサの製造過程での酸化工程において、自然酸化法(いわゆる"in situ" 酸化法)を採用すれば、RAを低減することは可能である。RAはトンネルバリア層の特徴を表し、ある接合面積についての接合抵抗値R′は、R′=RA/(接合面積)で表される。また、接合抵抗値Rは、トンネルバリア層の厚みdと、障壁高さΦの平方根に指数関数的に比例する。これを式で表すとR∝exp(d・Φ0.5 )となる。接合抵抗値Rを低下させるためには、トンネルバリア層の厚みdを減少させればよい。例えば、厚さ0.7nm以下のアルミニウム(Al)層に適切な自然酸化処理を施したトンネルバリア層を用いたTMRセンサでは、15Ωμm2 程度の低いRAを得ることができる。このように、RAが著しく低いためショットノイズを低減することができ、かつ、高いTMR比を有するTMRセンサは超高密度記録媒体に対応する再生ヘッドに適用できると期待されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、金属層の自然酸化法によってトンネルバリア層を形成する方法は、より小さな接合抵抗値Rを得るには好適であると考えられる。また、この金属層の厚みを減らすことも、接合抵抗値Rの低減には必要とされる。しかしながら、TMRセンサが備えた薄いトンネルバリア層は非常に敏感であり、製造過程中のラッピング工程とよばれる工程において問題となる。ラッピング工程とは、TMRヘッドのABS(Air Bearing Surface )の形成精度に関わる工程である。TMRセンサのトンネルバリア層は非常に薄く、損傷を受けやすい。このため、このラッピング工程において、トンネルバリア層の一部が破壊され、トンネルバリア層によって隔てられるべき2つの隣り合う強磁性層間に電気的短絡(ショート)が生じて、センサとして役に立たなくなる可能性がある。従って、この点を考慮するとトンネルバリア層を可能な限り厚くすることが望ましく、接合抵抗値Rの低減からなされる要求と矛盾するものとなる。
【0011】
ところで、TMRに関しては、1975年にJulliereの「強磁性薄膜間でのトンネル効果」("Tunneling Between Ferromagnetic Films",Physics Letters,54A225,1975 )にて論じられているが、それ以降、1995年までに報告されたTMRセンサは、室温下におけるTMR比が低く、せいぜい約1〜2%程度にとどまるものであった。一例として、S.Maekawa およびU.Gafvert による「強磁性薄膜間の電子トンネル効果」("Electron Tunneling Between Ferromagnetic Films",IEEE Transactions on Magnetics,MAG-18,707-708,1982 )がある。これは、トンネルバリア層の材料としてニッケル酸化物(NiOx)の適用を検討した報告であるが、TMR比は2%未満である。この構造においてTMR比が低くなる原因は、NiOxが室温では反強磁性を示し、伝導電子のスピン分極が表面反射の際に失われるという、いわゆる、スピンフリップ散乱を生じてしまうことにある。
【0012】
10%以上という高TMR比を室温下で得られるTMRセンサは、前述のMoodera らによる「室温下で大きな磁気抵抗をもつ強磁性薄膜トンネル接合」("Large Magnetoresistance at Room Temperature in Ferromagnetic Thin Film tunnel Junctions",Physics.Review.Letters,74,327,1995)によって報告された。この文献によれば、ベース電極の成長による表面粗さを低減し、極低温に冷却された基板を乾燥させ、シード層を用い、かつ、ベース電極を非常に薄くすることによって、TMR比を向上することができると考えられた。このときのトンネルバリア層は、低温下でアルミニウム(Al)層を積層したのち、アルミニウム(Al)層を暖め、プラズマ酸化によってより多くのアルミニウム(Al)を酸化するという方法で形成された。このときの接合抵抗値は、200×300μm2 の断面積の接合部に対し、数百Ωから数十kΩの範囲であった。
【0013】
比較的高い接合抵抗値をもつTMRセンサは、S/N比が低くなってしまい、特定用途の再生ヘッドや装置にしか適用できないものとなってしまう。上記のような比較的高い接合抵抗値をもつTMRセンサの中にも、好ましい、高TMR比を示すものもあるが、S/N比は低いので、得られる効果が少ない。さらに、高密度記録になると必然的に接合部のサイズが小さくなる。接合部のサイズが小さくなると接合抵抗値が高くなるため、接合抵抗値によるS/N比の低下はより深刻な問題になる。したがって、室温下において十分に高いTMR比を達成すると共に、適度に低い接合抵抗を提供できるTMRセンサが必要とされている。
【0014】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、トンネルバリア層に適した特定の材料を選択し、最大限の磁気抵抗変化率が得られるトンネル磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびそれらの製造方法を提供することである。すなわち、室温下において優れた磁気抵抗変化率を維持することができ、かつ、高いS/N比を得ることができるトンネル磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびそれらの製造方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、トンネルバリア層の障壁高さを低くすることで、低い接合抵抗を維持すると共に、トンネルバリア層の厚みを比較的大きくすることのできるトンネル磁気抵抗効果素子、トンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびそれらの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子は、外部磁場により磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極と、外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極と、強磁性フリー層と強磁性ピンド層との間に挟まれたトンネルバリア層とを備え、このトンネルバリア層が、0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム(NiCr)合金層が酸化したニッケルクロム合金酸化物(NiCrO x )からなるようにしたものである。
【0017】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子では、トンネルバリア層が0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層が酸化したニッケルクロム合金酸化物からなるので、そのトンネルバリア層の障壁高さを低減することができる。
【0024】
さらに、本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子は、強磁性ピンド層に隣接し、この強磁性ピンド層の磁化方向を特定方向に固定する反強磁性層を備えていることが望ましい。
【0025】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子では、強磁性ピンド層が、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)およびクロムからなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性金属層と、この非磁性金属層を挟んで反強磁性的に結合する2つの強磁性層とを含んでいることが望ましい。この場合、反強磁性的に結合する2つの強磁性層の磁化方向が互いに反対向きとなるため、強磁性ピンド層の作る磁界が強磁性フリー層に与える影響を小さくすることが可能になる。
【0026】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子では、強磁性フリー層の下に隣接するシード層を有し、このシード層は、タンタル、クロム、チタン、ニッケルクロム合金(NiCr)合金およびニッケルクロム鉄(NiCrFe)合金からなる群のうち少なくとも1種を含んでいるようにすることが望ましい。
【0028】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法は、外部磁場により磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極を形成する工程と、強磁性フリー層の上に0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層を形成したのち、これを酸化することによりトンネルバリア層を形成する工程と、このトンネルバリア層上に外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極を形成する工程とを含むようにしたものである。
【0029】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法では、強磁性フリー層の上に0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層を形成したのち、これを酸化することによりトンネルバリア層を形成するようにしたので、トンネルバリア層の障壁高さを低減することができる。
【0036】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法は、強磁性ピンド層の磁化方向を特定方向に固定する反強磁性層を、強磁性ピンド層上に隣接するように形成する工程を含んでいることが望ましい。
【0037】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法は、ルテニウム、レニウム、ロジウム、銅およびクロムからなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性金属層を、反強磁性的に結合する一対の強磁性層で挟み込むことによって前記強磁性ピンド層を形成する工程を含んでいることが望ましい。これにより、反強磁性的に結合する2つの強磁性層の磁化方向が互いに反対向きとなるため、強磁性ピンド層の作る磁界が強磁性フリー層に与える影響を小さくすることが可能になる。
【0038】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法は、タンタル、クロム、チタン、ニッケルクロム合金およびニッケルクロム鉄合金からなる群のうち少なくとも1種を含む材料によりシード層を形成する工程を含んでいることが望ましい。
【0040】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果型ヘッドは、電気回路に接続され、前記電気回路により外部磁場の印加によって発生するセンス電流の電気抵抗変化を検出するトンネル磁気抵抗効果型ヘッドである。このヘッドは、第1の電気リード層と、第2の電気リード層と、この第2の電気リード層から第1の電気リード層ヘセンス電流経路が形成されるように第1および第2の電気リード層の間に隣接して設けられたトンネル磁気抵抗効果素子とを備えている。トンネル磁気抵抗効果素子は、外部磁場より磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極と、外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極と、強磁性フリー層と強磁性ピンド層との間に挟まれ、強磁性フリー層および強磁性ピンド層の積層面に対してほぼ垂直にトンネル電流が流れるように形成されたトンネルバリア層とを備える。このトンネルバリア層は、0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層が酸化したニッケルクロム合金酸化物からなるものである。
【0041】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果型ヘッドでは、トンネルバリア層が0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層が酸化したニッケルクロム合金酸化物によって構成されているので、その障壁高さを低減することができる。
【0048】
さらに本発明によるトンネル磁気抵抗効果型ヘッドは、強磁性ピンド層に隣接し、この強磁性ピンド層の磁化方向を特定方向に固定する反強磁性層を備えていることが望ましい。
【0049】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果型ヘッドでは、強磁性ピンド層が、ルテニウム、レニウム、ロジウム、銅およびクロムからなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性金属層と、この非磁性金属層を挟んで、反強磁性的に結合する2つの強磁性層とを含んでいることが望ましい。この場合、反強磁性的に結合する2つの強磁性層の磁化方向が互いに反対向きとなるため、強磁性ピンド層の作る磁界が強磁性フリー層に与える影響を小さくすることが可能になる。
【0050】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果型ヘッドは、強磁性フリー層の下に隣接するシード層を有し、このシード層は、タンタル、クロム、チタン、NiCr合金およびNiCrFe合金からなる群のうち少なくとも1種を含んでいることが望ましい。
【0052】
本発明によるトンネル磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法は、電気回路に接続され、前記電気回路により外部磁場の印加によって発生するセンス電流の電気抵抗変化を検出するトンネル磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法であって、基板上に、第1の電気リード層を形成する工程と、第1の電気リード層の上に、外部磁場により磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極を形成する工程と、強磁性フリー層の上に0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層を形成したのち、これを酸化することによりトンネルバリア層を形成する工程と、このトンネルバリア層の上に、外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極を形成する工程と、第2の電極の上に第2の電気リード層を形成する工程とを含むようにしたものである。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。まず、図1および図2を参照して、本実施の形態に係るトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子およびこれを含むトンネル磁気抵抗効果型(TMR)ヘッドの構成について説明する。
【0054】
なお、本発明の実施の形態には、様々な構成要素、構成要素の配置、様々な工程および工程の手順があり、添付した図面は好ましい実施の形態を例証するためのものであって、本発明を制限するものではない。
【0055】
<TMR素子およびTMRヘッドの構成>
図1は、本実施の形態に係るTMR素子70を含むTMRヘッド1の平面図である。TMR素子70は、トンネル磁気抵抗効果を発揮し、図示しない磁気記録媒体に書き込みされた情報を読み取るためのものであり、図2に示したような積層構造を有する。
【0056】
TMRヘッド1は、基板9の上に、下部電気リード層10、TMR素子70および絶縁層50、ならびに上部電気リード層60が順に積層された構造を有している。ここで、TMR素子70は絶縁層50に埋設され、TMR素子70の下部表面は下部電気リード層10に接し、一方、上部表面は上部電気リード層60に接している。
【0057】
下部電気リード層10および上部電気リード層60は、TMR素子70に対して、積層面に垂直な方向にセンス電流を流す電流経路としての機能を果たす。絶縁層50は、下部電気リード層10と上部電気リード層60とを電気的に絶縁するためのものである。なお、下部電気リード層10は、本発明の「第1の電気リード層」の一具体例に対応し、上部電気リード層60は、本発明の「第2の電気リード層」の一具体例に対応する。
【0058】
下部電気リード層10に接して、下部電極積層体20が形成され、この下部電極積層体20上にトンネルバリア層30および上部電極積層体40が順に積層されている。なお、下部電極積層体20は本発明の「第1の電極」の一具体例に対応し、上部電極積層体40は本発明の「第2の電極」の一具体例に対応する。
【0059】
トンネルバリア層30を挟んで隣り合う下部電極積層体20および上部電極積層体40は、共に強磁性層を含んでいる。下部電気リード10の上部表面上に形成された下部電極積層体20は、シード層22と、シード層22上に形成される強磁性フリー層24とを含んでいる。シード層22は非磁性層であり、その上に形成される強磁性フリー層24の磁気特性と結晶性を向上させるものである。
【0060】
上部電気積層体40は、強磁性ピンド層42、反強磁性層(交換結合層とも呼ばれる)44および保護層46が順に形成された構造を有している。強磁性ピンド層42は、固定層とも呼ばれる。これは、TMR素子に対してある方向の外部磁場が印加されても、強磁性層42における磁気モーメントの回転は反強磁性層44によって妨げられ、磁化方向が固定されているからである。一方、フリー強磁性層24の磁気モーメントは固定されず、したがって、所定の範囲で磁場が印加された状態でも、磁気モーメントは自由に回転できる。ここで、強磁性ピンド層42の磁化方向43は外部磁場に対して平行に合わせるのが好ましい。強磁性フリー層24の磁化方向23は、外部磁場のない状態で、強磁性ピンド層42の磁化方向43に対して垂直に位置するのが好ましい。
【0061】
センス電流は、上部電気リード層60から下部電気リード層10へ向かって流れる。したがって、保護層46、反強磁性層44、強磁性ピンド層42、トンネルバリア層30、強磁性フリー層24、シード層22および下部電気リード層10の順に、積層面に対して垂直に通過する。トンネルバリア層30を流れるトンネル電流の量は、トンネルバリア層30に隔てられて隣接している2つの強磁性層の磁化方向、すなわち、強磁性フリー層24の磁化方向23と強磁性ピンド層42の磁化方向43との相対的な方向に依存する。このように、TMR素子には、上部電気リード層60から下部電気リード層10へと電流経路が形成されている。
【0062】
磁気記録媒体からの磁場によって、磁化方向23は、磁化方向43に平行あるいは反平行になるように回転する。これによって、2つの強磁性層、すなわち、強磁性フリー層24および強磁性ピンド層42の磁気モーメントの相対的配向が変わり、さらにトンネル電流の量も変わる。よって、TMR素子70の接合抵抗値が変化し、この抵抗変化は、例えば、ディスク駆動装置(図示せず)によって出力電圧変化として検出され、再生データに変換される。
【0063】
<TMRヘッドの製造方法>
次に、図1および図2を参照して、TMR素子70を含むTMRヘッド1の製造方法を説明する。
【0064】
まず、基体9の上に、スパッタリング等により、アルミナ等からなる絶縁層(図示せず)を形成したのち、この絶縁層の上に、複数の導電性非磁性材料を積層した構造、例えば、タンタル、銅、タンタルを順に積層した構造からなる下部電気リード層10を形成する。次に、下部電気リード層10上の一部にTMR素子70を形成すると共に、そのTMR素子70の周囲領域を埋め込むようにして、下部電気リード層10上にアルミナ等の絶縁層50を形成する。こののち、TMR素子70および絶縁層50を覆うように、スパッタリング等により、例えば、タンタル、銅、タンタルを順に積層した構造からなる上部電気リード層60を形成する。
【0065】
以上により、トンネル磁気抵抗効果を利用するTMR素子70と、TMR素子70に対して、積層面に垂直な方向にセンス電流を流すための電流経路(下部電気リード層10および上部電気リード層60)とを備えた磁気記録媒体再生用のTMRヘッドの形成が完了する。
【0066】
ここで、TMR素子70は、例えば、次のようにして形成される。図2に示したように、下部電極リード層10上に、スパッタリング等によりシード層22を形成する。シード層22は、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケルクロム(NiCr)合金およびニッケルクロム鉄(NiCrFe)合金からなる群より選択される材料によって形成されるのが好ましい。シード層22上に、例えば、スパッタリング等により、ニッケル鉄(NiFe)合金とコバルト鉄(CoFe)合金とを順に積層し、磁性材料の積層体からなる強磁性フリー層24を形成する。このように、下部電極リード層10上に、下部電極積層体20を形成する。
【0067】
続いて、下部電極積層体20の上に、アルミニウム等の金属層をスパッタリング等で形成し、これを例えば、自然酸化法(いわゆる、in situ法)によって金属層を酸化処理することにより、トンネルバリア層30を形成する。トンネルバリア層30は、厚さ2nm以下の極薄い絶縁材料からなるものであり、具体的には後述する。
【0068】
トンネルバリア層30を形成した後、CoFe合金等の磁性層、ルテニウム(Ru)等の非磁性層およびCoFe合金等の磁性層を順に積層し、強磁性ピンド層42を形成する。なお、好ましい強磁性ピンド層42は、ルテニウムの他にレニウム(Re)、ロジウム(Rh)、銅およびクロム等からなる群より選択される非磁性金属層を挟んで反強磁性結合した、2つの強磁性層を含む構造を備えたものである。次いで、やはり、スパッタリング等により、白金マンガン(PtMn)合金等からなる反強磁性層44を形成する。強磁性ピンド層42と反強磁性層44との界面において交換結合が生じ、強磁性ピンド層42における磁化の向きが固定される。最後に、反強磁性層44上に、タンタルからなる保護層46を形成する。こうして、TMR素子70の形成が完了する。
【0069】
< ニッケルクロム酸化合金層を含むTMR素子の評価>
先述したS.Maekawa およびU.Gafvert による「強磁性薄膜間の電子トンネル効果」("Electron Tunneling Between Ferromagnetic Films",IEEE Transactions on Magnetics,MAG-18,707-708,1982 )によれば、トンネルバリア層の材料としてニッケル酸化物(NiOx)を適用した場合、それが室温下では反強磁性を示し、いわゆる、スピンフリップ散乱を生じるため、高いTMR比が得られないことは明らかである。しかし、NiOxのエネルギーギャップ(障壁高さとも呼ばれる)が比較的低いので、トンネルバリア層の材料としてNiOxを適用することは、小さな接合抵抗値Rを得るためには有利と考えられる。そこで、本出願人は、非磁性を示すニッケルを主成分とする合金を酸化し、トンネルバリア層となる材料に適用することとした。
【0070】
本実施の形態に係るTMR素子を構成するトンネルバリア層30の材料となる合金薄層は、ニッケルと少なくとも1種の非磁性材料との合金を含んでいることが望ましい。この非磁性材料とは、例えば、クロム、モリブデン、タンタル、ニオブ、銅、白金、パラジウム、ボロン、炭素、アルミニウム、タングステン、シリコン、チタン、バナジウム、ルテニウム、レニウム、ジルコニウム、ハフニウム、マグネシウム、ガリウム等の単体金属およびそれらの合金である。
【0071】
上記の合金薄膜を酸化処理し、トンネルバリア層に使用すれば、TMR素子全体の接合抵抗値を低減できるとともに、不要なスピンフリップ散乱を低減することができる。以上の優れた効果は、後述するように、合金の組成および構成要素を適切に選択して初めて得られるものである。本実施の形態のTMR素子70について、従来のAlOx からなるトンネルバリア層を有するTMR素子と比較しながら評価を行ったので、以下に詳述する。
【0072】
<<接合抵抗値およびTMR比の磁場依存性>>
本実施の形態のTMR素子70の一例として、NiCrOx(ニッケルクロム合金の酸化物)のトンネルバリア層30Aを有するTMR素子70A(1×1μm2 )を形成し、これに対する比較例としてアルミニウム酸化物(AlOx)のトンネルバリア層30A′を有するTMR素子70A′(1×1μm2 )を形成した。次に、室温下でTMR素子70A,70A′に磁場を印加し、接合抵抗値およびトンネル磁気抵抗変化率(TMR比)について磁場依存性を調査した。図3および図4にその結果を示す。図3は、AlOxのトンネルバリア層30A′を有するTMR素子70A′で得られた結果(比較例)であり、図4は、NiCrOxのトンネルバリア層30Aをもつ本実施の形態のTMR素子70Aで得られた結果である。図3および図4は共に、左側の縦軸が接合抵抗値Rと接合面積Aとの積R×A(RA)を示し、右側の縦軸がTMR比を示し、さらに横軸が印加した磁場Hを示す。この実験で用いられたトンネルバリア層30Aは、厚み0.9nmのNiCr層を酸化して形成し、一方、トンネルバリア層30A′は、厚み0.9nmのアルミニウム層を酸化して形成したものである。
【0073】
図3に示したように、比較例として評価したAlOxからなるトンネルバリア層30A′を有するTMR素子70A′では、室温下でRAは約150Ωμm2 、TMR比は約18%であった。一方、図4に示したように、本実施の形態によるNiCrOxからなるトンネルバリア層30Aを有するTMR素子70Aでは、接合抵抗値RAが約6.6Ωμm2 であり、比較例(AlOx)よりもはるかに低い値となった。さらに、図4によれば、TMR素子70AのTMR比も相対的に僅かに小さな値であることがわかる。TMR比が小さくなった原因は、スピンフリップ散乱の影響によるものと考えられる。
【0074】
<<接合面積依存性>>
本実施の形態に係るTMR素子として、NiCrOxのトンネルバリア層30Bを有するTMR素子70Bを形成し、比較例としてAlOxのトンネルバリア層を有するTMR70B′を形成した。これらTMR素子70B,70B′について、接合面積を変数とし、接合抵抗値Rの変化を調査した。ここで、トンネルバリア層30Bは、厚み0.9nmのNiCr層を酸化して得たものであり、一方、トンネルバリア層30B′は、厚み0.9nmのアルミニウム層を酸化して得たものである。図5に、その結果を示す。縦軸は接合抵抗Rを表し、横軸は接合面積Aを表す。本実施の形態であるNiCrOxを含むTMR素子70Bについての測定結果を□でプロットし、一方、比較例であるAlOxを含むTMR素子70B′についての測定結果を●でプロットした。図5に示したように、TMR素子70B,70B′は共に、接合面積Aが接合抵抗Rに反比例して増減している(R∝1/Aに従って増減している)。しかし、同じ接合面積Aで比較すると、NiCrOxを含むTMR素子70Bの方が、より小さい接合抵抗値Rを示している。
【0075】
さらに、TMR素子70B,70B′について、TMR比の接合面積依存性を調査した。図6に、その結果を示す。縦軸はTMR比を表し、横軸は接合面積Aを表す。図5と同様、本実施の形態であるNiCrOx層を含むTMR素子70Bについての測定結果を□でプロットし、一方、比較例であるAlOxを含むTMR素子70B′についての測定結果を●でプロットした。図6に示したように、NiCrOx層を含むTMR素子70Bでは、接合面積Aが1μm2 以下である場合、TMR比は接合面積Aと関係なく約11〜12%であるが、接合面積Aが9(=3×3)μm2 以上の場合は、TMR比は接合面積Aと共に上昇し、より好ましい傾向となる。その一方、図5に示したように、NiCrOx層を含むTMR素子70Bでは、9(=3×3)μm2 より大きい接合面積の場合、接合抵抗値Rがリード抵抗(□抵抗R 0.45Ω)と同等の値、もしくはリード抵抗よりもより低い値になる。以上の結果から、接合面積Aが9(=3×3)μm2 以上の場合、接合抵抗をある程度低減できると共に、よりTMR比が得られる。
【0076】
<<電圧依存性>>
次に、本実施の形態のTMR素子70の一例として、NiCrOxを含むトンネルバリア層を備えたTMR素子70C(サイズは0.6×0.6μm2 )を形成し、センス電流とバイアス電圧との関係およびコンダクタンスとバイアス電圧との関係について調査した。図7は、TMR素子70Cにおけるセンス電流のバイアス電圧依存性を示すものである。縦軸はセンス電流(mA)を示し、横軸はバイアス電圧(V)を示す。図8は、TMR素子70Cにおけるコンダクタンスの電圧依存性を示すものであり、縦軸はコンダクタンス(1/Ω)を示し、横軸はバイアス電圧(V)を示す。なお、上記実施の形態のトンネルバリア層は、厚み0.9nmのNiCr合金層を酸化することによって形成した。
【0077】
図7に示したように、センス電流の変化はバイアス電圧に対し、非線形の曲線で表され、単調増加を示す。一方、図8に示したように、コンダクタンスの変化は印加されるバイアス電圧に依存する。バイアス電圧がゼロのときに極小値を示し、バイアス電圧の絶対値増加と共にコンダクタンスも増加する。図7および図8により、NiCrOxをトンネルバリア層として用いた場合、TMR素子70Cにおけるトンネル現象は、一般的なコンダクタンスの変化を示すことがわかる。
【0078】
さらに、図9は、TMR70Cについて、TMR比のバイアス電圧依存性について調査した結果を示すものである。縦軸がTMR比(%)を示し、横軸がバイアス電圧(V)を示す。
【0079】
図9に示したように、バイアス電圧の絶対値が増加すると、TMR比は、ほぼ線形に急激な減少を示し、バイアス電圧に対して高い減少率となっている。これは上記のような構成のTMR素子においてよく見られる現象である。例えば、図9に示されているように、電圧がゼロから正あるいは負の方向に変化すると、TMR比は初期値(バイアス電圧がゼロのときのTMR比)から減少し、電圧が−0.16Vあるいは0.14VになるとTMR比は初期値の半分の値になる。なお、図9において、正の値のバイアス電圧は上部電極から下部電極に向かうバイアス電圧のことを言う。このように、バイアス電圧の変化に従ってTMR比が急激に減少することは、低い障壁高さをもつTMR素子で見られる共通の特徴である。
【0080】
<<トンネルバリア層の厚みと接合抵抗>>
次に、トンネルバリア層の厚みと、接合抵抗値との関係について調査をおこなった。図10は、アルミニウム層を酸化処理することによりAlOx からなるトンネルバリア層30D′を形成し、これを含むTMR素子70D′における接合抵抗値と接合面積との積R×A(RA)の変化を示したものである。図10において、横軸は酸化処理前のアルミニウム層の厚み(nm)を示し、縦軸はRA(Ωμm2 )を示す。一方、図11は、本実施の形態のトンネルバリア層30の一例として、NiCr合金層を酸化処理することにより厚みの異なる複数のトンネルバリア層30Dを形成した場合のTMR素子70DにおけるRAの変化を示したものである。図11において、横軸は酸化処理前のNiCr合金層の厚さ(nm)を示し、縦軸はRA(Ωμm2 )を示す。
【0081】
図10および図11に示したように、トンネルバリア層の厚みが増加するにしたがって、RAも増加する。図10に示したAlOxからなる従来のトンネルバリア層30D′のRAの増加は、図11に示したNiCrOxを含むトンネルバリア層30DのRAの増加と比較して、トンネルバリア層の厚みがかなり小さいときから始まっている。これはAlOxの障壁高さがNiCrOxよりも大きいためである。さらに、RAについて同じ厚みで比較した場合、NiCrOxを含むトンネルバリア層30Dの方が大幅に低減されることが明らかである。この場合、本実施の形態のトンネルバリア層30Dの形成に用いたNiCr合金層は、1原子層厚より2nmまでの厚みであることが望ましい。特に、図11に示されているように、1.1nm以下の厚みであることが望ましい。
【0082】
図12は、従来のトンネルバリア層30D′を備えたTMR素子30D′について、トンネルバリア層の厚みによる、TMR比の変化を調査した結果である。図12において、横軸は、トンネルバリア層30D′に含まれるAlOx の原材料となった酸化処理前のアルミニウム層の厚み(nm)を示す。同様に、図13は、本実施の形態の一例であるトンネルバリア層30Dを備えたTMR素子30Dについて、TMR比のトンネルバリア層の厚み依存性を調査した結果である。図13において、横軸は、トンネルバリア層30Dに含まれるNiCrOx の原材料となった酸化処理前のNiCr合金層の厚み(nm)を示す。
【0083】
図12に示したように、AlOxを含むトンネルバリア層30D′では、厚みが0.7nmのときにTMR比が最大値(25%超)を示すことがわかる。一方、図13に示したように、AlOxを含むトンネルバリア層30D′と同じ酸化条件で形成されたNiCrOxでは、NiCrの厚みが0.9nmのときに、TMR比は最大値(約11〜12%)を示すことがわかる。これらの結果から、NiCr合金膜における最適な酸化条件は、アルミニウム層の最適な酸化条件とは異なるということが推定される。
【0084】
上述したように、NiCrOxを含むトンネルバリア層のTMR比は、様々な方法で最適化することができる。最適なNiCr組成を確保しつつ最適な酸化条件を確保する方法はその一つの方法である。
【0085】
<トンネルバリア層の形成方法>
本出願人は、上記実施の形態に挙げたTMR素子70におけるNiCrOxを含むトンネルバリア層30を、以下の方法に従って形成すれば、最適なトンネル磁気抵抗効果(TMR)がより確実に得られることを見出した。以下、その形成方法について述べる。
【0086】
本実施の形態によるトンネルバリア層30の形成方法は、スパッタリング条件の最適化を図ることと、NiCr合金層を形成する基板温度の適正化を図ることの2点によってNiCr合金薄層の質を最適化するものである。適切なスパッタリング条件としては、NiCr蒸着時のアルゴン(Ar)の圧力と印加電力とを適切な値に設定することである。一方、基板9は、室温未満(約150K)に冷却されることが好ましい。上記したように、スパッタリング条件と基板温度とを適切に設定することによって、NiCr層の粒子サイズを小さく制御することができ、これにより、トンネル磁気抵抗効果を向上させることができる。NiCr合金のクロム含有量は、非磁性を示す組成になるように設定され、全体の30%から90%程度の比較的大きな範囲を占めることになる。
【0087】
スパッタリングを行うにあたって、ターゲット組成物を選択して適切なNiCr合金組成を選ぶことにより、NiCrOxを含むトンネルバリア層の最適な組成を得る。このようにすればより高いTMR比を得ることができる。以下、これについて詳述する。
【0088】
本実施の形態によるトンネルバリア層30の形成方法においては、酸化条件も、より優れたTMR比を得るための必要な条件である。AlOx 層の形成と同じ酸化プロセスを適用して、NiCr合金層を酸化することによりNiCrOx層を形成することができ、このような場合でも好ましい結果が得られる。例えば、アルミニウム薄層と同様にNiCr合金薄層を室温で1時間、26kPaの圧力で純粋な酸素雰囲気中に暴露して酸化する。この酸化法が自然酸化法と呼ばれるもので、好適な酸化方法である。この場合において、NiCr合金層の全ての反応が完了するまで、真空破壊が発生しないことが望ましい。
【0089】
最適な酸化条件を整える方法として、上述の自然酸化方法以外の酸化方法を選択することもできる。例えば、プラズマ酸化や酸素ラジカルによる酸化が挙げられる。例えば0.1Paから数十kPaまでの範囲から適切な酸素圧力を選択する方法や、後述するようにTMR素子70に少し熱を加えて酸化を加速させる方法も好ましい。好ましい酸化所要時間は、例えば、数分から数時間の範囲内にある。このような酸化圧力や酸化所要時間などのパラメータの最適値は、どの酸化法を使用するかによって変わる。
【0090】
このように、特定の材料を選択し、トンネルバリア層および強磁性層を形成することで結晶構造が改善され、特定の結晶配向を有するNiCr合金層を成長させることができる。その結果、トンネル磁気抵抗効果はさらに向上することになる。
【0091】
以上、実施の形態を挙げて本発明をしたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記各実施の形態では、トンネルバリア層30としてNiCrOxを形成する例を挙げたがこれに限定されるものではない。
【0092】
なお、上記実施の形態に挙げたTMR素子によれば、ハードディスクドライブなどのデータ再生に関わる磁気ディスク装置だけでなく、その他の磁気記録装置媒体を備えた装置や、その他の磁場検出デバイスにも適用でき、実用上要求される室温下において、高TMR比と高S/N比との両立が図れなかったことによる従来技術の制限および欠点による様々な問題を解決することが可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のトンネル磁気抵抗効果素子および請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載のトンネル磁気抵抗効果型ヘッドによれば、0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層が酸化したニッケルクロム合金酸化物からなるトンネルバリア層を備えるようにしたので、室温下において優れた磁気抵抗変化率を維持しながら、適度に低い接合抵抗値を得ることができる。したがって、室温下においても高TMR比と高S/N比とを両立することが可能となる。
【0095】
請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法および請求項13記載のトンネル磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法によれば、強磁性フリー層の上に0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム合金層を形成したのち、これを酸化することによりトンネルバリア層を形成するようにしたので、室温下において優れた磁気抵抗変化率を維持しながら、適度に低い接合抵抗値を得ることができる。したがって、室温下においても高TMR比と高S/N比とを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るトンネルバリア層を含むトンネル磁気抵抗効果型ヘッドの平面図である。
【図2】図1のトンネル磁気抵抗効果型ヘッドの部分断面図である。
【図3】従来型のAlOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子について、印加した磁場に対する接合抵抗値およびトンネル磁気抵抗変化率の変化を表す特性図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るNiCrOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子について、印加した磁場に対する接合抵抗値およびトンネル磁気抵抗変化率の変化を表す特性図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るNiCrOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子および従来型のAlOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子について、接合面積と接合抵抗値との関係を表す特性図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るNiCrOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子および従来型のAlOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子について、接合面積とトンネル磁気抵抗変化率との関係を表す特性図である
【図7】本発明の一実施の形態に係るNiCrOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子について、センス電流とバイアス電圧との関係を表す特性図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るNiCrOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子について、コンダクタンスとバイアス電圧との関係を表す特性図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るNiCrOxのトンネルバリア層を有するトンネル磁気抵抗効果素子について、トンネル磁気抵抗変化率とバイアス電圧との関係を表す特性図である。
【図10】従来型のトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層を形成するアルミニウム層の厚みと接合抵抗値との関係を表す特性図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層を形成するNiCr合金層の厚みと接合抵抗値との関係を表す特性図である。
【図12】従来型のトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層を形成するアルミニウム層の厚みとトンネル磁気抵抗変化率との関係を表す特性図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係るトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層を形成するNiCr合金層の厚みとトンネル磁気抵抗変化率との関係を表す特性図である。
【符号の説明】
1…トンネル磁気抵抗効果型ヘッド、9…基板、10…下部電気リード、20…下部電極積層体、22…シード層、23…磁化方向、24…強磁性フリー層、30…トンネルバリア層、40…上部電極積層体、42…強磁性ピンド層、44…反強磁性層、46…保護層、50…絶縁層、60…上部電気リード、70…トンネル磁気抵抗効果素子
Claims (13)
- 外部磁場により磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極と、
外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極と、
前記強磁性フリー層と前記強磁性ピンド層との間に挟まれたトンネルバリア層と
を備え、前記トンネルバリア層は、0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム(NiCr)合金層が酸化したニッケルクロム合金酸化物(NiCrO x )からなる
ことを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。 - さらに、前記強磁性ピンド層に隣接し、前記強磁性ピンド層の磁化方向を特定方向に固定する反強磁性層を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。 - 前記強磁性ピンド層は、
ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)およびクロム(Cr)からなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性金属層と、
前記非磁性金属層を挟んで、反強磁性的に結合する2つの強磁性層と
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。 - 前記強磁性フリー層の下に隣接するシード層を有し、
このシード層は、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケルクロム(NiCr)合金およびニッケルクロム鉄(NiCrFe)合金からなる群のうち少なくとも1種を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。 - 外部磁場により磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極を形成する工程と、
前記強磁性フリー層の上に0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム(NiCr)合金層を形成したのち、これを酸化することによりトンネルバリア層を形成する工程と、
前記トンネルバリア層上に外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極を形成する工程と
を含むトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。 - さらに、前記強磁性ピンド層の磁化方向を特定方向に固定する反強磁性層を、前記強磁性ピンド層上に隣接するように形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。 - ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)およびクロム(Cr)からなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性金属層を、反強磁性的に結合する一対の強磁性層で挟み込むことによって前記強磁性ピンド層を形成する
ことを特徴とする請求項5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。 - さらに、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケルクロム(NiCr)合金およびニッケルクロム鉄(NiCrFe)合金からなる群のうち少なくとも1種を含む材料によりシード層を形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 電気回路に接続され、前記電気回路により外部磁場の印加によって発生するセンス電流の電気抵抗変化を検出するトンネル磁気抵抗効果型ヘッドであって、
第1の電気リード層と、
第2の電気リード層と、
前記第2の電気リード層から第1の電気リード層ヘセンス電流経路が形成されるように、前記第1および第2の電気リード層の間に隣接して設けられたトンネル磁気抵抗効果素子と
を備え、前記トンネル磁気抵抗効果素子は、
外部磁場より磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極と、
外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極と、
前記強磁性フリー層と前記強磁性ピンド層との間に挟まれ、前記強磁性フリー層および前記強磁性ピンド層の積層面に対してほぼ垂直にトンネル電流が流れるように形成されたトンネルバリア層と
を備え、前記トンネルバリア層は、0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム(NiCr)合金層が酸化したニッケルクロム合金酸化物(NiCrO x )からなる
ことを特徴とするトンネル磁気抵抗効果型ヘッド。 - さらに、前記強磁性ピンド層に隣接し、前記強磁性ピンド層の磁化方向を特定方向に固定する反強磁性層を備えている
ことを特徴とする請求項9に記載のトンネル磁気抵抗効果型ヘッド。 - 前記強磁性ピンド層は、
ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)およびクロム(Cr)からなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性金属層と、
前記非磁性金属層を挟んで、反強磁性的に結合する2つの強磁性層と
を含む
ことを特徴とする請求項9に記載のトンネル磁気抵抗効果型ヘッド。 - 前記強磁性フリー層の下に隣接するシード層を有し、
このシード層は、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケルクロム(NiCr)合金およびニッケルクロム鉄(NiCrFe)合金からなる群のうち少なくとも1種を含む
ことを特徴とする請求項9に記載のトンネル磁気抵抗効果型ヘッド。 - 電気回路に接続され、前記電気回路により外部磁場の印加によって発生するセンス電流の電気抵抗変化を検出するトンネル磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法であって、
基板上に、第1の電気リード層を形成する工程と、
前記第1の電気リード層の上に、外部磁場により磁化方向が自由に変化可能な強磁性フリー層を含む第1の電極を形成する工程と、
前記強磁性フリー層の上に0.8nm以上1.0nm以下の厚みを有するニッケルクロム(NiCr)合金層を形成したのち、これを酸化することによりトンネルバリア層を形成する工程と、
前記トンネルバリア層の上に、外部磁場に影響されず特定方向に磁化が固定される強磁性ピンド層を含む第2の電極を形成する工程と、
前記第2の電極の上に第2の電気リード層を形成する工程と
を含むことを特徴とするトンネル磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US24675300P | 2000-11-09 | 2000-11-09 | |
US09/903,696 US6574079B2 (en) | 2000-11-09 | 2001-07-13 | Magnetic tunnel junction device and method including a tunneling barrier layer formed by oxidations of metallic alloys |
US09/903696 | 2001-07-13 | ||
US60/246753 | 2001-07-13 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002237628A JP2002237628A (ja) | 2002-08-23 |
JP3976231B2 true JP3976231B2 (ja) | 2007-09-12 |
Family
ID=26938192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001344701A Expired - Lifetime JP3976231B2 (ja) | 2000-11-09 | 2001-11-09 | トンネル磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびにトンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6574079B2 (ja) |
JP (1) | JP3976231B2 (ja) |
Families Citing this family (57)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001312803A (ja) * | 2000-04-28 | 2001-11-09 | Fujitsu Ltd | 磁気ヘッド及び磁気ヘッドの製造方法 |
FR2809185B1 (fr) * | 2000-05-19 | 2002-08-30 | Thomson Csf | Capteur de champ magnetique utilisant la magneto resistance, et procede de fabrication |
US6937446B2 (en) * | 2000-10-20 | 2005-08-30 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetoresistance effect element, magnetic head and magnetic recording and/or reproducing system |
US6791805B2 (en) * | 2001-05-03 | 2004-09-14 | Seagate Technology Llc | Current-perpendicular-to-plane spin valve reader with reduced scattering of majority spin electrons |
JP3877985B2 (ja) * | 2001-08-15 | 2007-02-07 | 富士通株式会社 | 磁気抵抗ヘッド及びその製造方法 |
FR2832542B1 (fr) * | 2001-11-16 | 2005-05-06 | Commissariat Energie Atomique | Dispositif magnetique a jonction tunnel magnetique, memoire et procedes d'ecriture et de lecture utilisant ce dispositif |
US7035062B1 (en) * | 2001-11-29 | 2006-04-25 | Seagate Technology Llc | Structure to achieve sensitivity and linear density in tunneling GMR heads using orthogonal magnetic alignments |
JP2003198004A (ja) * | 2001-12-27 | 2003-07-11 | Fujitsu Ltd | 磁気抵抗効果素子 |
JP2003218425A (ja) * | 2002-01-18 | 2003-07-31 | Hitachi Ltd | 有限電圧下で高磁気抵抗率を示す強磁性トンネル接合素子、および、それを用いた強磁気抵抗効果型ヘッド、磁気ヘッドスライダ、ならびに磁気ディスク装置 |
JP3749873B2 (ja) * | 2002-03-28 | 2006-03-01 | 株式会社東芝 | 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気再生装置 |
US6713801B1 (en) * | 2002-07-09 | 2004-03-30 | Western Digital (Fremont), Inc. | α-tantalum lead for use with magnetic tunneling junctions |
US7192787B2 (en) * | 2002-12-10 | 2007-03-20 | International Business Machines Corporation | Highly nonlinear magnetic tunnel junctions for dense magnetic random access memories |
JP3557442B1 (ja) | 2003-04-23 | 2004-08-25 | 学校法人慶應義塾 | 磁気抵抗効果を用いた磁気センサ、磁気抵抗効果を用いた磁気センサの駆動方法、及び、磁気記録装置 |
US20050014295A1 (en) * | 2003-07-16 | 2005-01-20 | Manish Sharma | Method of manufacture of a magneto-resistive device |
JP2005101441A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Anelva Corp | 磁気抵抗多層膜 |
US20050073878A1 (en) * | 2003-10-03 | 2005-04-07 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. | Multi-sensing level MRAM structure with different magnetoresistance ratios |
US20050110004A1 (en) * | 2003-11-24 | 2005-05-26 | International Business Machines Corporation | Magnetic tunnel junction with improved tunneling magneto-resistance |
US7233461B2 (en) * | 2004-01-20 | 2007-06-19 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands, B.V. | Stabilization structure for CPP GMR/TV |
US7183893B2 (en) * | 2004-02-04 | 2007-02-27 | Seagate Technology Llc | TMR sensor with oxidized alloy barrier layer and method for forming the same |
US7256971B2 (en) * | 2004-03-09 | 2007-08-14 | Headway Technologies, Inc. | Process and structure to fabricate CPP spin valve heads for ultra-high recording density |
US7672086B1 (en) * | 2004-04-28 | 2010-03-02 | Western Digital (Fremont), Llc | Method and system for providing a magnetic element having a current confined layer |
US6960480B1 (en) | 2004-05-19 | 2005-11-01 | Headway Technologies, Inc. | Method of forming a magnetic tunneling junction (MTJ) MRAM device and a tunneling magnetoresistive (TMR) read head |
US7449345B2 (en) * | 2004-06-15 | 2008-11-11 | Headway Technologies, Inc. | Capping structure for enhancing dR/R of the MTJ device |
US7357995B2 (en) * | 2004-07-02 | 2008-04-15 | International Business Machines Corporation | Magnetic tunnel barriers and associated magnetic tunnel junctions with high tunneling magnetoresistance |
US7270896B2 (en) * | 2004-07-02 | 2007-09-18 | International Business Machines Corporation | High performance magnetic tunnel barriers with amorphous materials |
US7331100B2 (en) * | 2004-07-07 | 2008-02-19 | Headway Technologies, Inc. | Process of manufacturing a seed/AFM combination for a CPP GMR device |
US20060012926A1 (en) * | 2004-07-15 | 2006-01-19 | Parkin Stuart S P | Magnetic tunnel barriers and associated magnetic tunnel junctions with high tunneling magnetoresistance |
US7595967B1 (en) | 2004-09-07 | 2009-09-29 | Western Digital (Fremont), Llp | Method for fabricating a spacer layer for a magnetoresistive element |
US7300711B2 (en) * | 2004-10-29 | 2007-11-27 | International Business Machines Corporation | Magnetic tunnel junctions with high tunneling magnetoresistance using non-bcc magnetic materials |
US7351483B2 (en) * | 2004-11-10 | 2008-04-01 | International Business Machines Corporation | Magnetic tunnel junctions using amorphous materials as reference and free layers |
JP2006156685A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Sony Corp | 記憶素子及びメモリ |
US7635654B2 (en) * | 2006-01-27 | 2009-12-22 | Everspin Technologies, Inc. | Magnetic tunnel junction device with improved barrier layer |
US7732881B2 (en) * | 2006-11-01 | 2010-06-08 | Avalanche Technology, Inc. | Current-confined effect of magnetic nano-current-channel (NCC) for magnetic random access memory (MRAM) |
US7595520B2 (en) | 2006-07-31 | 2009-09-29 | Magic Technologies, Inc. | Capping layer for a magnetic tunnel junction device to enhance dR/R and a method of making the same |
US7672093B2 (en) * | 2006-10-17 | 2010-03-02 | Magic Technologies, Inc. | Hafnium doped cap and free layer for MRAM device |
US8331064B2 (en) * | 2008-04-18 | 2012-12-11 | International Business Machines Corporation | System having a TMR sensor with leads configured for providing joule heating |
US7985994B2 (en) | 2008-09-29 | 2011-07-26 | Seagate Technology Llc | Flux-closed STRAM with electronically reflective insulative spacer |
US8058646B2 (en) | 2008-10-29 | 2011-11-15 | Seagate Technology Llc | Programmable resistive memory cell with oxide layer |
US8536669B2 (en) * | 2009-01-13 | 2013-09-17 | Qualcomm Incorporated | Magnetic element with storage layer materials |
WO2010119928A1 (ja) * | 2009-04-16 | 2010-10-21 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 強磁性トンネル接合体とそれを用いた磁気抵抗効果素子並びにスピントロニクスデバイス |
US7999338B2 (en) * | 2009-07-13 | 2011-08-16 | Seagate Technology Llc | Magnetic stack having reference layers with orthogonal magnetization orientation directions |
US8767345B2 (en) * | 2011-04-12 | 2014-07-01 | HGST Netherlands B.V. | Magnetic head having a contact detection sensor |
JP5701701B2 (ja) * | 2011-06-30 | 2015-04-15 | 株式会社東芝 | 磁気抵抗素子及び磁気メモリ |
JP5988019B2 (ja) * | 2012-02-27 | 2016-09-07 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 強磁性トンネル接合体とそれを用いた磁気抵抗効果素子及びスピントロニクスデバイス |
US9142226B2 (en) | 2012-06-29 | 2015-09-22 | Seagate Technology Llc | Thin film with tuned grain size |
WO2014024358A1 (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-13 | キヤノンアネルバ株式会社 | トンネル磁気抵抗素子の製造装置 |
KR102078849B1 (ko) * | 2013-03-11 | 2020-02-18 | 삼성전자 주식회사 | 자기저항 구조체, 이를 포함하는 자기 메모리 소자 및 자기저항 구조체의 제조 방법 |
US9134385B2 (en) * | 2013-05-09 | 2015-09-15 | Honeywell International Inc. | Magnetic-field sensing device |
US10673288B2 (en) | 2013-10-31 | 2020-06-02 | General Electric Company | Method for forming a nitrogenation barrier and machine formed using a body having the nitrogenation barrier |
US9378760B2 (en) | 2014-07-31 | 2016-06-28 | Seagate Technology Llc | Data reader with tuned microstructure |
JP2017108067A (ja) * | 2015-12-11 | 2017-06-15 | Tdk株式会社 | 磁気抵抗効果素子 |
US10170697B2 (en) * | 2016-09-07 | 2019-01-01 | International Business Machines Corporation | Cryogenic patterning of magnetic tunnel junctions |
US10255935B2 (en) * | 2017-07-21 | 2019-04-09 | Applied Materials, Inc. | Magnetic tunnel junctions suitable for high temperature thermal processing |
US10971176B2 (en) * | 2019-02-21 | 2021-04-06 | International Business Machines Corporation | Tunnel magnetoresistive sensor with adjacent gap having chromium alloy seed layer and refractory material layer |
CN110061128B (zh) * | 2019-05-20 | 2023-05-23 | 中国科学院微电子研究所 | 一种磁隧道结的形成方法及磁阻式随机存储器 |
US11661646B2 (en) | 2021-04-21 | 2023-05-30 | General Electric Comapny | Dual phase magnetic material component and method of its formation |
US11926880B2 (en) | 2021-04-21 | 2024-03-12 | General Electric Company | Fabrication method for a component having magnetic and non-magnetic dual phases |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5159513A (en) | 1991-02-08 | 1992-10-27 | International Business Machines Corporation | Magnetoresistive sensor based on the spin valve effect |
US5729410A (en) | 1996-11-27 | 1998-03-17 | International Business Machines Corporation | Magnetic tunnel junction device with longitudinal biasing |
JP3896789B2 (ja) * | 1998-06-22 | 2007-03-22 | ソニー株式会社 | 磁気トンネル素子及び磁気ヘッド |
JP2000215415A (ja) * | 1999-01-26 | 2000-08-04 | Nec Corp | 磁気抵抗効果素子 |
US6361863B1 (en) * | 1999-05-17 | 2002-03-26 | The Research Foundation Of State University Of New York | Device having magnetoresistive material |
US6219274B1 (en) * | 1999-06-08 | 2001-04-17 | Tdk Corporation | Ferromagnetic tunnel magnetoresistance effect element and method of producing the same |
US6359289B1 (en) * | 2000-04-19 | 2002-03-19 | International Business Machines Corporation | Magnetic tunnel junction device with improved insulating tunnel barrier |
US6347049B1 (en) * | 2001-07-25 | 2002-02-12 | International Business Machines Corporation | Low resistance magnetic tunnel junction device with bilayer or multilayer tunnel barrier |
-
2001
- 2001-07-13 US US09/903,696 patent/US6574079B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2001-11-09 JP JP2001344701A patent/JP3976231B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002237628A (ja) | 2002-08-23 |
US6574079B2 (en) | 2003-06-03 |
US20020054462A1 (en) | 2002-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3976231B2 (ja) | トンネル磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびにトンネル磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法 | |
US7026063B2 (en) | Spin-valve type magnetoresistance sensor and thin-film magnetic head | |
JP4421822B2 (ja) | ボトムスピンバルブ磁気抵抗効果センサ素子およびその製造方法 | |
US7413636B2 (en) | Method for manufacturing a dual spin valve sensor having a longitudinal bias stack | |
US7551409B2 (en) | Current-perpendicular-to-the-plane (CPP) magnetoresistive sensor with improved ferromagnetic free layer structure | |
US6735058B2 (en) | Current-perpendicular-to-plane read head with an amorphous magnetic bottom shield layer and an amorphous nonmagnetic bottom lead layer | |
US20120063034A1 (en) | Current-perpendicular-to-the-plane (cpp) magnetoresistive (mr) sensor with improved insulating structure | |
US8107202B2 (en) | Magnetoresistive sensor with novel pinned layer structure | |
JPH11134620A (ja) | 強磁性トンネル接合素子センサ及びその製造方法 | |
KR20070106433A (ko) | 자기-저항 소자 및 이를 제조하는 방법 | |
EP1850144A1 (en) | Current-perpendicular-to-the-plane (CPP) magnetoresistive sensor with antiparallel-free layer structure and low current-induced noise | |
JP2015015068A (ja) | 結晶性CoFeX層およびホイスラー型合金層を含む、多重層からなる基準層を含む平面垂直通電型(CPP)磁気抵抗センサ | |
US7796364B2 (en) | Current-perpendicular-to-plane sensor epitaxially grown on a bottom shield | |
JP2000057527A (ja) | スピンバルブ型薄膜素子 | |
US8675319B2 (en) | Data reader with heusler alloy reference lamination | |
JP3473016B2 (ja) | 強磁性トンネル接合素子と磁気ヘッドと磁気メモリ | |
JP2003152245A (ja) | スピンバルブ型磁気抵抗効果センサ素子およびその製造方法 | |
US8675316B2 (en) | Magnetoresistive sensor with sub-layering of pinned layers | |
JPH10177706A (ja) | スピンバルブ型薄膜素子 | |
JP2001307308A (ja) | 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置 | |
US8091209B1 (en) | Magnetic sensing device including a sense enhancing layer | |
JP2000068569A (ja) | 交換結合膜およびそれを用いた磁気抵抗効果素子 | |
JP2001202606A (ja) | 磁気スピンバルブヘッドおよびその形成方法 | |
JP3822313B2 (ja) | 磁気抵抗効果多層膜の製造方法 | |
JP3619475B2 (ja) | 磁性積層膜、磁気記録媒体、磁気抵抗効果積層膜、及び磁気ヘッド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060825 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061024 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070206 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070614 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070615 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |