JP3973231B2 - 粒子−光学機器内における粒子波の再構築方法 - Google Patents
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Description
本発明は、粒子−光学機器内で検査されるべき試料の映像の繰り返し形成方法に関する。
本発明は、特に、一連の実測的映像(実測的映像群)に基づく粒子−光学機器内において検査されるべき試料の映像の繰り返し形成方法であって、各実測的映像は少なくとも一つの結像パラメータの各々の異なる値で記録され、
a) 試料の真裏における照射粒子波(試料波)のシミュレーションを決定する工程と、
b) 試料の一連の映像の評価(評価された映像群)を決定する工程(この群においては、前記結像パラメータは毎時の前記各々の異なる値を持ち、この決定は前記試料波のシミュレーションに対して周波数領域内において処理する一方当該粒子−光学機器の関数を使用することにより実行され、この関数は該機器の該周波数領域における伝達特性を表している)と、
c) 前記各映像の評価と検査されるべき前記試料の対応する各実測的映像との間の各々の差を形成する工程と、
d) これらの差が所定の近似評価基準を満足しているかどうかに関しテストを実行する工程(このテストは第1または第2のテスト結果を持っても良い)と、
e) 最初に、前記一連の映像の各映像に対して、前記差に対する演算を前記周波数領域において実行する一方、該映像と関連付けられ当該粒子−光学機器の前記周波数領域における前記伝達特性を表す該機器の関数を使用することにより、前記第1のテスト結果に依存して、補助補正波を形成し、次いで、前記個別の補助補正波と得られる補正波による前記試料波のシミュレーションの次なる補正との加算により補正波を形成する工程と、
f) 前記第1のテスト結果に依存して前記工程a〜eを繰返す工程と、
g) 前記第2のテスト結果に依存して前記繰り返し処理を終了する工程とを有する繰り返し形成方法に関する。
この種の方法は、1984年刊行、Ultramicroscopy 15、151〜172ページに記載のE.J. Kirklandによる論文“Improved high resolution image processing of bright field electron micrographs”に記載されている。
この引用論文は、診断されるべき試料の映像群を形成することにより電子顕微鏡内における映像の形成方法を記載し、各映像は、最適焦点に関する設定付近における結像レンズの焦点距離の異なる設定で形成される。このように形成される群は、焦点のずれた群として参照される。このように、顕微鏡の解像度は、原則として、結像エラーの作用を評価するためにこの焦点のずれた群に実行される演算により向上される。これに関連して、解像度は、直接読取ることが可能であり、もはや、レンズの欠陥により生じる映像加工物により影響を受けない(映像または試料波内の)情報を意味すると理解されるべきである。電界放出TEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)においては、解像度の向上が、HRTEM(High-Resolution TEM)映像内の高度の干渉が高い情報限界に至るために、2倍の高さになるかもしれない。熱電子源が備えられたTEMにおいては、解像度の利得が小さいにもかかわらず、技術的観点から意味をなすためには非常に充分である。焦点設定の代わりに、他の関連する粒子−光学パラメータ、例えば、対物レンズを介する電子ビームの傾きを変更することが可能である。
背景技術
既知のように、電子顕微鏡内で検査されるべき試料の微細構造に関する情報は、電子ビーム内に含まれ、これにより、該試料が該電子顕微鏡内に設けられるレンズにより検出器(例えば、写真フィルムまたはビデオカメラ)上に結像される。
このビーム内の電子の波動特性は、試料内への前記ビームに垂直な二次元の位置ベクトル
の関数として電子波の位相及び振幅を規定する複素電子波関数
によりこの情報を表している。HRTEMにおいては、試料面のレベルでの複素電子波関数の直接測定は不可能であり、その代わり、検出器のレベルでの電子波の振幅の二乗分布が測定される。この測定は、結像レンズの焦点距離等の結像パラメータの異なる設定に対して実行することが可能である。
前記引用論文においては、第1の仮定が、試料の真裏における電子波関数
に関してなされる。本発明に関して言えば、この仮定がどのように到達されるかは不可欠に重要なものではない。仮定された電子波関数は、実際の電子波関数を表す必要はない。と言うのも、この仮定された電子波関数は、試料が実際に照射される場合に生じるが、単に(前記試料の微細構造を表す)この実際の電子波関数を再構築するために該試料の実際の映像との比較のため及び繰り返し特性の他の数学的処理のための開始位置しか構成しないからである。
前記引用論文からの既知の方法は、以下の工程a〜eの形態で簡単に要約することが出来る。
a 仮定された電子波関数
に基づいて、最適焦点に関する設定周辺の結像レンズの多数の設定に対してこの電子波関数により得られるであろう一連の映像、いわゆる、焦点のずれた群に対して計算が実行される。この計算は実際の電子関数ではなく仮定された電子波関数に基づいているため、この処理は、焦点のずれた群の評価として参照される。
b このように得られる焦点のずれた群が、実測的な映像群(焦点のずれた群)と比較される。いわゆる差群が、実際の群から評価された群を減算することにより得られる。
c 前記評価された群と前記実際の群との間の差を最小にするために、最小化処理工程、すなわち、いわゆる最ゆう(MAL:MAximum Likelihood)処理工程が前記差群に適用され、該差群の他の繰り返し処理に関する法則を生成する。
d 前記差群に基づいて、MAL法則を使用して、最初に仮定された電子波関数に対する補正として使用される補正関数に対して計算がなされ、すなわち、補正された電子波関数を生成する。この補正された電子波関数の計算は、
“フィードバック”工程として参照される。
e このように補正された電子波関数は、それ自体が上述のポイントa〜dに従う繰り返し処理演算に対する開始位置として働くことが可能である。これらの演算は、前記評価された群と前記実際の群との間の差が所望の値よりも小さくなる場合に停止される。
前記引用論文に従って実施されるような前記既知の方法の上述の工程は、多数の欠点を持つ。工程aの欠点を最初に述べる。
従来技術における評価工程
上述の工程aが以下に詳細に記載される。この工程は、1980年刊行、Ultramicroscopy 5、55〜65ページに記載のK. Ishizukaによる論文“Contrast transfer of crystal images in TEM”から本質的に既知である。
前記評価された焦点のずれた群の計算は、試料の真裏における電子波関数
に基づいている。また、電子顕微鏡の光学系の伝達関数
が知られていると仮定される。(この技術において知られるように、電子顕微鏡の伝達関数は、これらの機器による結像における映像収差の干渉作用を表す。“干渉”映像収差は、顕微鏡の球面収差及び焦点設定に関連する。非干渉性結像エラー、例えば、(i)(空間的非干渉性として知られる)試料に入射する(非相関)電子波面の入射方向に関する拡がり及び(ii)(時間的非干渉性として知られる)対物レンズの色収差に結び付けられる電子顕微鏡内の電子不安定性も考慮されなければならない。)通常のように、この伝達関数は、試料内に生じ得る空間周波数
(G=θ/λ、ここで、θは試料内の回折偏向角であり、λは電子波の波長である。偏向が2つの独立した方向に生じる可能性があるため、Gはベクトル特性
を持つ。)の関数として表される。
HRTEMにおける映像品質は、電子放出及び電子加速における不安定性並びにレンズ電流における不安定性により生じるいわゆる時間的非干渉性によりある程度まで決定される。結像レンズの焦点の位置、すなわち、結像系における結像は、電子ビームの加速電圧、該ビーム内の電子の熱エネルギ及び、最も重要な結像(磁気)レンズである対物レンズに対する駆動電流等の多数の変数により影響を受ける。各これらの大きさは、(例えば、雑音または熱的拡がりによる)それらの公称値に関する拡がりを必然的に示す。これは、映像上の各これら変数の作用が知られているため演算することが可能な公称調整焦点に関する付加的な焦点ずれとして表現することが出来る。このように、これら変数における拡がりは、調整された焦点距離周辺における正規分布を示す焦点距離における拡がりをもたらす。交渉調整値からずれている焦点距離の各値は、伝達関数
すなわち、
の各関連する異なる値に至る。上述したような時間的非干渉性と知られるこの現象は、
(ここで、映像における強度であるIは、該映像における二次元位置ベクトル
に依存する)が、個々の伝達関数各々と関連づけられる補助映像
の重み付き平均値だと考えられるように評価工程において考慮される。この重み付き係数は、正規分布関数である焦点分布の関連づけられる値である。この重み付き平均値は、補助映像の強度分布と焦点分布関数との積の焦点パラメータにわたる積分として数学的に表される。この数値を詳細に述べると、この積分は、以下のような和演算により置き換えられる。
数値的には、焦点分布関数は、最大焦点分布関数により表される公称焦点設定周辺に中心づけられる空間εを持つ(2M+1)の等距離焦点の限定された群でサンプリングされる。各これらの点i各々に関し、giは、合計されるべき補助映像群のi番目の補助映像
と関連付けられる正規焦点分布関数の重み付け係数を表す。表現を簡単にするために、式(1)が、giにより表される焦点分布関数にわたる解析積分及びその数値的表現のために以下で使用される。後者の場合において、指数iは、最小値−Mから最大値+Mにわたり、ゆえに、式(1)の和において2M+1の項がある。(空間εで等距離焦点上に規定される)−M≦i≦+Mにおける値giの組は、“焦点中心(focal kernel)”として知られている。
時間的非干渉性の作用は、光学における波動理論(1975年ロンドンにおいてpergamonにより刊行されたM. Born、E. Wolfによる“Principles of Optics”参照)と類似のIshizukaによる前記引用論文に詳細に述べられているいわゆる伝達クロス係数(TCC:Transmission Cross Coefficient)により周波数領域において述べられる。以下に、考え方の方針が、映像評価に関し、式(12)に記載されるようなこの形式論に至るように述べられている。
最終的に形成されるべき補助映像
の計算を可能にするために、
が、映像領域における波動関数
の絶対値の二乗である、ゆえに、
従って、複数関数の絶対値の二乗であると考慮されなければならない。ここで、
は、
の複素共役である。
は、焦点設定fi=f+iε(ここで、fは公称調整焦点距離である)に関する伝達関数piにより実現される波動関数
により特徴付けられる座標
を持つ検出器の位置における衝突された電子の確率分布を表している。結像理論から一般的に知られるように、補助映像
の周波数成分
は、
のフーリエ変換FT、すなわち、
により与えられる。(ここで、▲×▼は2つの関数F1及びF2の間の相関積であり、すなわち、定義として、F1(x)▲×▼F2(x)は∫F1(x+u)F2(u)duに等しい。)
検出器の領域における波動関数
のフーリエ変換は、
として書かれ、ゆえに、
であり、式(3)は、
になる。変換された波動関数
は、前記伝達関数の試料
の真裏における電子波関数による周波数領域内における乗算の結果である。これは以下の式により表すことが出来る。
式(5)は、焦点設定fi=f+iεを持つ検出器に限る試料からの電子波の電子光学レンズ系を介する伝搬を述べている。式(4)及び(5)を使用して、式(3)は、
となり、また、式(6)に前記相関積の定義を適用することにより、
となる。式(1)にフーリエ変換を適用すると、
を示し、ゆえに、式(7)及び(8)を組合わせることにより、
となり、配置を換えると、
のように書くことが出来る。式(10)における
は、伝達クロス係数(TCC)として参照される。Ishizukaによる前述の論文から知られる展開に従って、このTCCは、
に等しいと仮定される。ここで、pnom(=pi=0)は、焦点距離の公称設定fに(すなわち、時間的非干渉性を考慮することなしに)適用可能な伝達関数であり、Efsは、
に等しい焦点の拡がりに関するエンベロープ関数である。ここで、A=(πΔλ)2/2であり、ここで、Δ=Cc{(ΔV/V)2+(ΔE/E)2+4(ΔI/I)2}1/2であり(Ccは色収差定数、Vは電子ビームの加速電圧、Eは電子エミッタから出る電子の熱エネルギ、Iは結像レンズの駆動電流である)。TCCを導入することにより、式(10)は、
となる。既に述べたように、電子顕微鏡内の映像は、診断されるべき試料のK個の映像の群を形成することにより、最適焦点に関する設定周辺における結像レンズの焦点距離の異なる設定で毎時形成される。レンズの各n番目の設定で、別個のTCCが関連付けられ、ゆえに、(n番目の映像に適用可能な)式(12)において、通常、TCCnが、K個の異なるTCCの合計で生じる。
上述のような映像の評価は、数値積分により実行されなければならないであろう。この場合、以下に説明することが出来るような問題に直面する。この積分における付加的な重み付け係数として(ベクトル
に依存する)TCCnが存在するために、積分式(12)はもはや純粋な相関ではなく、ゆえに、数値積分に対し、高速フーリエ変換(FFT)をこれら相関を包囲するために使用することは出来ず、重み付き相関積分を明らかに計算しなければならない。この場合、これは以下のように実現される。各Gの値に関し、全ての
の値にわたって実行する必要がある。すなわち、各
及び
の値に関して、以下の式を乗算しなければならない。
上述の乗算を、全ての
の値に対して実行しなければならない。N=1000×1000=106のピクセルを有する映像に関して、ベクトル
は共に、106個の値を持ち、ゆえに、上述の5個の式の値の決定を無視しすると、明らかな相関からの積の構成は、すでに、焦点のずれた群からの一つの映像に関して総数N2=106×106=1012の乗算を実行する必要がある。時間的非干渉性の現象に加えて、ほかに、比較することの出来る作用が、数学的記述において生じることに注意されたい。すなわち、この作用は、照射電子ビームの空間的非干渉性から生じる。これは、電子の入射方向の拡がりを生じさせる。これは、以下において“ソーススプレッド(source spread)”として参照されるであろう。この空間的非干渉性の説明は、このソーススプレッド(Eso=source)に関するエンベロープ関数
の形態をとる。これは、原則的に、Ishizukaによる引用論文に従った式(11)におけるTCCに係数として付加されなければならない。このエンベロープ関数の形態は、使用される電子源のタイプ及びコンデンサーレンズの集束状況に依存する。この電子源が純粋な点電子源(これは、原則的には実現することは出来ない)である場合、Eso≡1である。この電子源が熱電子源(例えば、既知のLaB6電子源)である場合、関数
が付加されなければならない。この電子源が電界効果電子源(電界放出GunまたはFEG)である場合、この電子源のタイプの高干渉性特性のために、Esoに関して因数分解された形態で、以下の近似的な説明、
を与えることができる。式(11)において、この場合、
と組合わされ、
と組合わされる。このように形成される2つの積は、元の関数
の変形された形態及び関数
の変形された形態であると考えることが出来る。このように形成された新しい伝達関数も、レンズ収差による位相変調に加えて、前記空間的非干渉性による周波数領域内における振幅変調を表す部分を含んでいる。これは、実行されるべき計算処理数に対する本質的な違いをもたらしはしない。
従来技術におけるフィードバック工程
上述の章“背景技術”においてb、c及びdを述べたように、評価された焦点のずれた群は、検出器により実際に検出された焦点のずれた群から減算される。すなわち、これは、互いから対応する映像の対応するピクセルの強度値を減算することにより実現される。所望ならば、このような減算は、周波数領域において考慮することが出来る、すなわち、
の代わりに
の値が互いから減算される(インデックスnは、焦点のずれた群からのn番目のアイテムに関する)。このように、群
が形成される。この群から、補正関数
が、新しい繰り返し工程に対する開始位置として新規の
を得るために、繰り返しサイクルの開始時において仮定された
(空間周波数の観点からの試料の真裏における電子波関数)に付加されるように計算されなければならない。補正関数
は、焦点のずれた群
のK個の個々の補正波にわたる平均をとることにより得られる。ゆえに、
である。“新しい”波は、“古い”波とフィードバックパラメータである係数γによる乗算後の補正波との和により得られる。ゆえに、実際の焦点のずれた群と評価された焦点のずれた群との間の二乗偏差が、最適に、最小化される。すなわち、目的は、関数
から関数
を得るための数学的処理工程を決定することである。
上述の数学的処理工程に関する基本は、既知の“最ゆう”処理工程(MAL)である。従来技術(Kirklandによる引用文献、167ページ、公式66参照)によれば、この最ゆう処理工程の適用は、関数
により満足されるべき以下の法則、
になる。ここで、積分記号以下の種々の表現は、式(11)及び(12)に従った意味を持つ。評価に関する演算処理工程(すなわち、式(12)の数値立案)におけるように、式(13)は、ΔIn及び
の間の相関を表す純粋な相関積分ではなく、この被積分関数は、TCCにより重み付けがなされる。明らかな重み付き相関の実行のために、ふたたび、乗算(すなわち、式(13)における積分記号以下の係数)を、各
の値に対して実行しなければならない。すなわち、これは、ふたたび、焦点のずれた群の各アイテムに対するN2(数値例においては、すなわち、1012)個の乗算を必要とする。
発明の開示
本発明の目的及び工程
焦点のずれた群の映像を評価するため及び電子波の再構築(フィードバック)のための上述の繰返し処理工程は、多数のピクセル(N=1000×1000)から成る映像について、演算時間が、従来技術の方法の実行が汎用コンピュータでは実質的に不可能な程に非常に長くなってしまうという欠点を有する。
本発明は、実際に再構築の数値精度を維持しつつ実施可能な程度にこの様な方法の演算時間を削減することを目的とする。
この目的のため、本発明の方法は、以下に記載された工程を有することを特徴とする。すなわち、本発明の方法は、前記実測的映像郡の各映像
に対する前記繰り返し処理の各繰り返し工程において、
* 当該粒子−光学機器の前記周波数領域
における伝達特性を表す該機器の関数は該機器の伝達関数
により形成され、
* このような伝達関数の組が規定され(この組の各アイテム)
は非干渉性に至る結像パラメータの値の各々の異なる組に対応する)
* 前記周波数領域
における試料波
の前記シミュレーションを毎時の前記伝達関数の組の異なるアイテム
を乗算することにより及びその積
に逆フーリエ変換を施すことにより実空間における補助映像波
の組を形成し、
評価時に、
* 補助映像
の組が実空間
における各前記補助映像波の絶対値の二乗
から検出器の領域で形成され、
* 前記評価された群の各アイテム
の評価が非干渉性に至る前記結像パラメータの拡がりから得られる重み付け係数giと前記補助映像
の重み付き和
として形成され、
フィードバック時に、
* 差映像
の組が前記検出器の領域における前記一連の映像
の各アイテムの評価を前記実測的映像群の対応するアイテムから減算することにより形成され、
* 前記一連の差映像
の各アイテムが実空間における前記補助映像波
の組の関連付けられるアイテムにより乗算され、その後、このように形成された積にフーリエ変換が施され、
* 中間積の組がこのようにフーリエ変換された前記一連の積
の各アイテムを前記伝達関数の組の関連付けられるアイテム
の複素共役により乗算することにより得られ、
* 各補助補正波
が非干渉性に至る前記結像パラメータの拡がりから得られる前記重み付け係数giと前記中間積との重み付き和
として形成される、ことを特徴とする。
本発明による評価工程が基づく見解
従来技術のように、波関数の周波数成分
が、フーリエ変換により試料の真裏における電子波関数
すなわち、
から得られる。従来技術のように、焦点のずれた群が形成される。この焦点のずれた群の映像の一つの
(周波数ベクトル
に関する)の評価が以下に述べられている。時間的非干渉性及びこれにより生じる焦点距離の拡がりにより、映像面への変換が、連続する伝達関数
により説明される。これら関数
は、数値解法(−M≦i≦+M)における伝達関数
の個別の組により置き換えられ、この結果、電子波関数
(周波数ベクトルGに関する)に関して、映像の領域において、以下の数式が成り立つ。
映像の領域における電子波関数
(位置座標
に関する)が、逆フーリエ変換(FT)-1により、映像の領域における電子波関数
(周波数
に関する)から得られる。すなわち、
となり、この結果、数式(15)と組合って、以下の数式(16)が成り立つ。
この場合、部分的な映像
は、波関数
から再び既知のように導かれる。ここで、
であり、結果として、数式(1)を組合って、映像
に関して以下の式が成り立つ。
すなわち、式(17)は、2M+1個の焦点中心にわたる合計に関する。
式(17)における式(16)の
に関する式の代替は、
となる。再び、式(8)は、焦点のずれた群の一つの映像の評価に対してのみ適用することに注意されたい。
本発明の評価行程の技術的な作用
ここで、本発明の最後の式(18)は、従来から既知の式(12)の代わりをする。映像の評価が上述のように実行されるべきである場合、従来技術のように、数値積分が適用されなければならないだろう。この目的のため、各補助画像Ii(R)(ここでは−M≦i≦+M)に関し、表示
は、値
の各々について決定されなければならず、これらの表示は、1:1で連続的に乗算されなければならない。N=1000×1000個のピクセルの映像に関し、ベクトル
は106個の値を有し、この結果、後者の1:1乗算は、106回実施されねばならず、更に演算時間がNに直接的に比例する。逆フーリエ変換(FT)-1はこの場合、乗算の結果に適用されねばならない。しかしながら、TCCを使用する従来技術に反して、本発明による演算は、式(12)の重み付け相関積分(TCCにより重み付けられる)が、既知のようにFFTにより演算可能な純相関積分の焦点中心にわたる個別の和により式(18)に置き換えられるため、FFTにより実行することが出来る。既知のように、FFTが使用される場合、要求される演算時間は、N2log(N)に比例する。ここでNは、ベクトル
により仮定され得る値の数である。前述の演算処理工程は、焦点中心のインデックスiの2M+1個の値の全てに関し(すなわち、数値により生じる伝達関数の個別の表現全て、すなわち、時間的非干渉性の個別の説明に関して)実行されなければならない。Mの値が3である(ゆえに、インデックスiは7個の異なる値と仮定することが出来る)場合、それゆえ、焦点のずれた群の映像の繰り返し評価に関する演算時間は、(2M+1)(N2log(N))=7・20・106=140・106程度の大きさである。(式(18)の他の演算に要求される演算時間は、FFTに関して要求される演算時間と比べて非常に短い。)この演算時間(2M+1)(N2log(N))の値は、従来技術のようにN2=1012の値と比較されなければならなく、評価時の繰返し工程において、演算時間が、N:106の大きさ程度の{(2M+1)2log(N)}すなわち140=7000の係数により低減されていることを示す。
本発明のフィードバック工程が基づく見識
従来技術のように、本発明のフィードバック処理工程は、関数
からの関数
の展開に関する。
焦点のずれた群の関数
一つの形成に関し、映像の領域における電子波関数
(周波数ベクトル
に関する)が、伝達関数
と試料の真裏における電子波関数
との積(式(15)も参照)、すなわち、
により形成される。(これは、時間的非干渉性による毎時の一つの伝達関数
各々に関して成り立ち、ゆえに、インデックスiがこの数式に生じる。可変値
は、焦点設定fn+iεに関連付けられる伝達関数に関連する。インデックスnは、考慮された公称の実測的焦点設定を指示し、この場合のインデックスiは、公称焦点nの周辺に中心付けられる焦点中心におけるi番目のポイントを指示している。)逆フーリエ変換
に適用することにより、
が得られる。すなわち、
となる。時間的非干渉性対して平均をとる焦点合わせに関する映像設計に適用されるMAL原理の法則に従って、積
がここで形成される。この積は、次いで、フーリエ変換が施され、すなわち、
となり、この場合、(フーリエ変換に再び起因する周波数ベクトル)
の関数になっている)後者の式は、伝達関数
の複素共役
により(MAL法則に再度従って)乗算される、すなわち、
となる。この場合、所望の関数
は、正規焦点分布から得られた関連す付けられる重み付け係数giをと共に時間的非干渉性の(インデックスiを有する)個々の貢献の全ての貢献を合計することにより見いだされる。すなわち、
となる。
本発明のフィードバック工程の技術的作用
本発明による上述の式(19)は、従来技術から既知の式(13)の代わりをする。試料の領域における電子波関数の補正に関するフィードバック処理工程が上述のように実行されるべきである場合、従来技術と同様に、数値積分が適用されなければならないであろう。このため、
の各々の値に関し、表現
が決定され、次いで1:1で乗算されなければならない。N=1000×1000個のピクセルを有する映像に関し、ベクトルRは106個の値を有し、ゆえに、後者の1:1乗算は106回実施されねばならない。この場合、フーリエ変換FTは、この積分結果に適用されなければならない。(TCCを使用する)従来技術に関連する相違の核心部分は、(TCCにより重み付けられた)式(13)による重み付き相関積分が、既知のようにFFTにより演算可能な純粋な相関積分の個別の合計により数式(19)に置き換えられることからなる。評価工程に関する実例と同様に、試料の領域の電子波関数の補正に関するフィードバック処理に関して、(2M+1)(N2log(N))に比例する本発明により要求される演算時間は、N2に比例するTCCを必然的に含む従来技術の演算時間と比較されねばならないように思われ、考慮された数値例、ここでは、M=3、N=106に関して、演算時間は、7000の大きさ程度の係数により減少されているように再び思える。
照射ビームの空間的非干渉性の作用
(評価工程に関する)式(12)と(フィードバック工程に関する)式(13)において、エンベロープ関数Efsのみが、伝達クロス係数における時間的非干渉性に関して生じる。既に述べたように、特に熱電子源の場合において、空間的非干渉性の作用があり、これは、電子源の空間的拡張により、照射ビームにおける波面が、該電子源の輻射面の原点に依存して平行ではなく、異なる方向に延在することを意味している。既に述べたように、従来技術においては、これは、伝達クロス係数における付加的なエンベロープ関数Esoの発生をもたらす。
本発明によると、空間的非干渉性は以下のように考慮することができる。電子源の輻射面は、多数の領域(例えば5個)に分割されると仮定され、各領域は、空間的非干渉性なしに、関連する領域の重心の領域において、補助電子源として考慮される。この場合、評価及びフィードバックに関する上述の処理工程は、各補助電子源に関する別個の毎時の異なる伝達関数を使用して、該各補助電子源に関して毎時別個に実行される。補助電子源からの貢献は、結果として生じる一連の映像または結果として生じる補助補正波を得るために、試料の一連の映像の評価の形成時に及び(フィードバック処理時の)補助補正波の形成時に和がとられる。まして、演算時間が補助電子源の数の増加に比例して増加されるが、依然従来技術と比較して著しい利得が実現され、そして、係数7000による利得が実現される以前に仮定された数値例において、5個の補助電子源が仮定される場合、依然利得は全体で7000:5=140となる。
時間的非干渉性のみが取り上げられる式(18)は、空間的非干渉性が取り上げられる場合、以下の数式、
になる。ここで、
は作用する電子源の輻射面における位置ベクトルである。
は、空間的非干渉性に関連付けられる重み付け係数の組の一つの係数である。
は、空間的非干渉性も考慮される伝達関数の組の一つの関数である。更に、空間的非干渉性が考慮される場合、式(19)は、
のようになる。ここで、
は、空間的非干渉性もインデックスベクトル
により考慮されている映像の領域における電子波関数の組の一つの関数である。
本発明の更なる実施例(I)
試料の真裏における照射粒子波の第1のシミュレーションは、任意の方法で選択でき、繰り返し演算もこれに基づいて実施できる。例えば、(複素波である)この照射粒子波の第1のシミュレーションを、この波の強度(すなわち、二乗振幅)が実測的映像における平均強度と等しく、この波の位相が全てのピクセルについて同一の値、例えばゼロを持つように選択することが望ましいであろう。しかしながら、この処理工程は、この波の初期形態の適切な選択により大幅に促進することができる。
この目的のため、本発明は更に、以下に記載された工程を有する。具体的には、本発明は、好ましくは、前記繰り返し処理において、前記試料の真裏における前記照射粒子波の第1のシミュレーションが、
* 前記映像数の実測的映像の各アイテムを各該実測的映像から線形結像に貢献するものを選択する関連付けられるフィルタ関数により前記周波数領域において乗算する(このフィルタ関数は前記関連する映像に対して有効な前記伝達関数に対する補正をなす)
* 全ての実測的映像に対してこのように得られた積の和をとる、
ことにより得られる。
また線形近似として知られるような後者の方法における試料波を決定は、米国特許第5,134,288号から既知である。
本発明は更に、以下に記載した工程を有することを特徴とする。具体的には、本発明は、好ましくは、前記映像数の実測的映像を記録するために毎時設定が変更される前記結像パラメータは照射ビームが結像レベルを通過する角度である。ここで、照射ビームが結像レンズを通過する角度は、照射ビームが前記結像レンズの光軸に対する前記結像レンズを通過する角度である。また、本発明は、好ましくは、前記映像数の実測的映像を記録するために毎時設定が変更される前記結像パラメータは結像レンズの焦点距離である。なお、前記粒子−光学機器には、結像レンズが備え付けられる。即ち、一連の実測的映像が、最適な焦点に関する設定の周辺における焦点ずれの異なる設定で毎時形成される。最適な焦点に関する設定は、考慮される映像周波数帯域にわたる映像の非極値を最小にするいわゆる“光焦点”であっても良い。電界放出TEMに関しては、この最適な焦点は、標準HRTEMにおける従来の最適焦点設定での焦点よりも大幅にさらに下の焦点、即ちいわゆるScherzer focusであっても良い。
この結像パラメータが焦点距離である場合、本発明の望ましい実施例は、以下に記述された工程を有することを特徴とする。具体的には、本発明は、好ましくは、
* 前記映像数の実測的映像の記録の際に、前記焦点距離が一定のステップサイズで変更され(焦点ステップサイズ)、
* 毎時の時間的非干渉性に至る結像パラメータの値の異なる組(この組に対して毎回前記伝達関数の組のアイテム
が規定される)が、この毎時の値の異なる組の各アイテムに関連付けられる焦点距離が一定のステップサイズ(干渉性ステップサイズ)で変更されるように選択され、
* 前記焦点ステップサイズと前記干渉性ステップサイズは大きさが等しい。その他の工程に従う処理工程は、以下に、類似比較(parallelization)として参照される。
類似比較の作用
a)映像評価に関して
式(17)を使用して、以下の式が、焦点のずれた群のn番目の映像の映像評価に対して成り立つ。
この式において、
は、焦点設定fn+iεに対して計算される、i番目の補助映像である。焦点のずれた群のn番目の映像毎に、2M+1個の補助映像が計算されなければならなく、ゆえに、焦点のずれた群におけるK個の映像に対して総数(2M+1)Kの補助映像、すなわち、(2M+1)K個のフーリエ変換を計算しなければならない。解析は、実測的映像群における2つの連続する映像の間の焦点距離εexpが実際に望まれる再構築精度を実現するためにεと同程度の大きさのものでなければならないことを示している。大幅な演算における利益を、両方の値が正に等しいと見なされる場合、すなわち、εexp=εの場合実現することが出来る。これら補助映像に関して、この場合、1≦n≦K及び−M≦i≦+MでIn,i=In+i,0が成り立ち、ゆえに、以下の式、
がn番目の映像の映像評価に関して成り立つ。この場合、補助映像
のインデックスn+iは、総数K+2Mの可能な値を持つ−M+1≦n+i≦K+Mの範囲にわたる。この場合、焦点のずれた群全体に関する映像評価を実現するために必要とされる異なる補助映像の数は、前述した数(2M+1)Kに代わってK+2Mに等しい。M=3及びK=20に関し、これは、全体で{(2M+1)K}/(K+2M)=140/26≒5となる減少率となる。必要とされる計算時間に関するこの利得を、ここでは、中心がオーバーラップする焦点は同一であり、ゆえに、同一の伝達関数、従って、同一の補助映像に至るために、焦点のずれた群の複数の映像
の評価に対して各計算された補助映像
を用いることが出来るように実現される。これは、以下のように容易に理解することが出来る。n番目の映像
の映像評価において、焦点中心は、公称焦点nの周辺に中心付けられ、中心点は、n−Mからn+Mにわたる。(n+1)番目の映像
映像評価において、焦点中心は、公称焦点n+1の周辺に中心付けられ、中心点は、n+1−Mからn+1+Mにわたる。このように、2M−1個の焦点のオーバーラップが2つの連続する焦点の値に関連付けられる2つの焦点中心において生じる。
b) フィードバック処理に関して、
式(19)から、
により与えられる最終的な補正波が導かれる。それゆえ、全補正波の演算に関し、K(2M+1)個のフーリエ変換が要求とされる。上述のεexp=εの場合、
が成り立ち、ゆえに、式(24)は、
のように書き換えられる。これら2つの和を配置換えし、新しい和インデックスm=n+iを使用すると、
が生じる。式(26)から、全補正波の計算に要求されるフーリエ変換数が、K+2Mに減少される、すなわち、これは、映像評価に関して上述したのと同一の減少率を生じることが導かれる。
焦点中心における重み付け係数giの選択:他の実施例(II)
本発明の方法はまた、以下に記載されるような工程を有することを特徴としている。具体的には、本発明は、好ましくは、時間的非干渉性により生じる前記結像レンズの焦点距離における拡がりにより生じる前記重み付け係数giは、最小化されるべき量を時間的非干渉性により決定される伝達クロス係数における解析エンベロープ関数とこれら重み付け係数により決定されるフォームとの間の最大絶対偏差により形成するような最小化処理工程を適用することにより選択される。また、本発明は、好ましくは、時間的非干渉性により生じる前記結像レンズの前記焦点距離における拡がりにより生じる前記重み付け係数giは、最小化されるべき数量を時間的非干渉性により決定される伝達クロス係数における解析エンベロープ関数とこれら重み付け係数により決定されるフォームとの間の平均二乗偏差の平方根により形成するような最小化処理工程を適用することにより選択される。これらの工程は、以下に説明されるようにより良好な近似となる。
式(18)及び(19)は、純相関積分の有限の組により従来技術の対応する式(12)及び(13)における重み付き(TCCによる)相関積分を置き換えることにより実現されている。この組は、公称焦点fn周辺に中心付けられる焦点中心の点i=−M、...、+Mに一対一で対応する。数学的記述においては、これは、式(11)における焦点拡がりに関するエンベロープ関数Efsの書き換え、すなわち、
を意味する。これは、数値的近似において、
として書かれる。ここで、gmは、選択された焦点中心に関連付けられる重み付け係数である。重み付け係数gmを選択する第1の実行可能な方法は、段落“従来技術における評価工程”において述べたように時間的非干渉性による焦点分布関数の等距離サンプリングからなる。
重み付け係数gmの選択に関する他の可能性は、規定したように近似式(28)による焦点拡がりに関するエンベロープ関数Efsに導入される偏差を最適化することからなる。一つの方法は、周波数帯域
において生じる最大偏差を最小にすることである。Gmaxは、式(28)による近似式が使用される最大空間周波数である。数学的に述べると、これは、以下の量、
が、L∞近似である、領域
において最小化されることを意味する。
第2の方法は、周波数帯域
における平均RMS(root mean square)誤差を最小にする、すなわち、以下の量、
の最小化からなる。式(30)におけるフォーム<−−−>は、Gmaxまで使用される周波数帯域にわたる平均値の決定を表している。これは、L2近似として参照される。焦点中心の焦点ステップサイズ(干渉性ステップサイズ)の最適な選択に関して、L2、しかも特に、L∞が、時間的非干渉性による焦点分布関数の等距離サンプリングの明らかな選択よりも(より良好なある程度の大きさまでの)小さな偏差しかもたらさないことが分かった。
【図面の簡単な説明】
本発明のこれらの及び他の特徴は、以下に記載の実施例を参照して明白に説明されるであろう。
各図において、
第1図は、本発明を実行することが可能な電子顕微鏡を示し、
第2図は、電子顕微鏡における結像の理論を図示する図を示し、
第3図は、電子顕微鏡における焦点変化による再構築の原理を図示する図を示し、
第4図は、本発明による再構築においての結像における時間的非干渉性を処理する原理を図示する図を示し、
第5図は、電子顕微鏡における評価及びフィードバックによる繰り返し再構築に関する本発明の原理を図示する図を示し、
第6図は、本発明による評価及びフィードバックによる繰り返し再構築の全計算における種々の工程を持つフローチャートを示している。
発明を実施するための最良の形態
第1図は、電子顕微鏡の形態の粒子−光学機器を示している。この機器は、電子源1、ビーム位置合わせ系3及びビーム絞り4、コンデンサーレンズ6、対物レンズ8、ビーム走査系10、内部に試料担体13が配置される対物空間11、回折レンズ12、中間レンズ14、投影レンズ16並びに電子検出器18を有している。対物レンズ8、中間レンズ14及び投影レンズ16は共に、結像レンズ系を構築する。これらの部品は、前記電子源に関する電源リード20、視界窓7及び真空ポンピング装置17が設けられたハウジング19内に収容される。対物レンズ8の励磁コイルは、電子制御処理ユニット5の制御の下で前記結像レンズ系を励磁するように構成された励磁ユニット15に接続されている。この電子顕微鏡はまた、電子検出器18、制御処理ユニット5の一部を形成する映像処理ユニット及び形成された映像を観察するためのビデオディスプレイ9を含む記録ユニットも有している。
第2図は、電子顕微鏡におけるフーリエ光学による結像の理論を図示する図である。電子源1は、並行矢印により図的に示される電子ビーム32を放出する。この電子源は、原則として、例えば、電界効果電子源(電界効果GunまたはFEG)または既知のLaB6電子源等の熱電子源等のいかなる電子源のタイプであっても良い。原理を説明するために、電子ビーム32が単色であり、いかなる時間的又は空間的非干渉性を示さないとこの図においては仮定される。前記ビームは、試料34の微細構造に関する情報がこのビーム内に存在するように該試料34に入射する。前記ビーム内の電子の波動特性のために、この情報は、前記試料の真裏における、ゆえに、この図においては領域36における複素電子波関数
(試料波)により述べられる。ここで、位置ベクトル
は、平面36内の場所を指示する。試料波
は、前記試料の裏を電子波38として伝搬し、さらに当該電子顕微鏡の(対物レンズ8により記号的に表されている)結像レンズ系により偏向される。前記試料の構造が該試料に入射する(並行)波の回折を生じさせるために、対物レンズ8の背面焦点面42は、回折パターンを有し、これは、試料34内に存在し、周波数ベクトル
により表される空間周波数の表現を構築する。ここで、G=θ/λであり、θ=前記試料内の回折偏向角であり、λ=前記電子波の波長である。すなわち、偏向が2つの独立した方向に生じる可能性があるため、Gはベクトル特性
を持つ。数学的に述べると、これは、実空間における前記試料波
がフーリエ変換により、周波数領域における試料波
に変換されることを意味する。映像50の領域における前記試料から前記検出器(図示せず)への前記試料波の伝達の説明は、レンズエラーの作用も考慮される前記周波数領域における(複素)伝達関数
により既知のように生じる。映像面48内の結像は、試料波
を当該電子顕微鏡の関連する設定に関連付けられる伝達関数
により乗算することにより生じる。このように、前記周波数領域において、映像波
が得られ、これから、逆フーリエ変換を介して、映像波
が実空間において生じる(位置ベクトル
は、映像面48内の位置を述べている)。この波の振幅の二乗は、前記検出器の領域における前記ビーム内の電子の位置の確率分布、ゆえに、映像面48内の映像強度I(R)、従って、該検出器により観察可能な映像50を構築する。
第3図は、電子顕微鏡における焦点変化による再構築の原理を図示する図を示している。第2図のように、電子源1により放出された電子ビーム32は、試料34を通過し、このビームを使用して、当該電子顕微鏡の結像系(図示せず)は検出器18の領域において映像50を形成する。50−1乃至50−Nの多数の映像が、映像パラメータ、特に、結像対物レンズの焦点距離の変化により異なる焦点距離で毎時形成される。計算により、好ましくは、コンピュータ54により、試料の真裏における試料波
の様相は、焦点のずれた群から既知のように決定される。このように、電子顕微鏡のレンズ欠陥、特に、球面収差により決定される限界値以下の解像度を得ることが出来る。
第4図は、本発明による再構築における結像においての時間的非干渉性を処理する原理を図示する図を示している。既に述べたように、電子顕微鏡における時間的非干渉性は、焦点距離の調整された値周辺において正規分布を示す該焦点距離の拡がりを生じさせる。顕微鏡により形成される映像は、連続する部分映像の重みつき平均であると考えられる。別個の近似においては、この重みつき平均は、部分映像の重みつき和により置き換えられ、各部分映像は、関連する焦点ずれの値と毎時の関連付けられる異なる伝達関数
と周波数領域
における試料の真裏における試料波との積からなっていると仮定される。焦点距離における種々の大きさの作用は知られているため、その拡がりもまた知られている。この場合、部分映像の和の形成に関する重み付け係数を、各焦点距離が正規(ガウス)分布を示すと仮定して計算することが出来る。
第4図は、公称焦点面fnomに相対的な所定の空間δεでもって多数の面58として焦点の位置を図的に示し、これら焦点面の位置は、間隔δεでサンプリングされた正規分布56として示されている。別個の近似においては、各焦点距離に関し、部分映像は、関連付けられる伝達関数
を用いて形成され、毎時波関数
がこれから決定され、この波関数は前記重み付け係数と共に付加される。ここで、結像波
が、逆フーリエ変換の後に得られる。
第5図は、電子顕微鏡における評価及びフィードバックによる繰り返し再構築に関する本発明の原理を図示する図を示している。電子顕微鏡において、検査されるべき試料の一連の映像は、結像レンズの焦点距離の個別の設定で毎時形成される。焦点のずれた群として参照されるこの一連の映像は、この図においてはボックス64内に参照記号In,expにより示されている。繰り返し処理工程の評価部において、第1の仮定が、試料波
に関してなされ、ここから、一連の評価された映像が計算により決定される。これら映像は、この図においてボックス62内に参照記号In,jにより示されている。この計算は、第6図を参照して詳細に述べられるであろう。各繰り返し工程において、実測的な焦点のずれた群と評価された焦点のずれた群との間の差が決定される。(ボックス66を参照して、この差は、参照記号δIn,jにより示されている。)試料波は、評価された映像と実測的な映像との間の差が満足行くほど小さくなるまで(この図においてボックス60内にφj(jはj番目の繰り返し工程を示す)により示される)各繰り返し工程に対して更新される。これら2つの焦点のずれた群の適切な対応関係に関する判定基準は、実測的映像と評価された映像との間の平均二乗誤差MSEに基づいて決定される。前述の差δIn,jが満足行くほど小さい場合、この繰り返しは停止され(ボックス70)、この時点で有効な試料波φfinalが試料の所望の映像であると考慮される(ボックス72)。前述の差δIn,jが依然満足行くほど小さくない場合、補正波δφjがこの繰り返し処理工程のフィードバック部において決定される。このため、既知の方法、すなわち、いわゆる最ゆう(MAL)法が使用される(ボックス68)。この方法は、試料波の新しいバージョンφj+1を得るためにこの場合有効な試料波φjのバージョンを補正する。この後、新しい繰り返し工程を開始しても良い。
第6図は、本発明による評価及びフィードバックによる繰り返し再構築の全計算における種々の工程を図示するフローチャートを示している。本発明による処理工程の評価部は、式(18)により述べられ、フィードバック部は、式(19)により述べられている。
式(18)に従って、再構築が、試料の真裏における複素試料波φ(r)の仮定で始まる(ボックス80)。この試料波は、例えば米国特許第5134288号に記載されているような既知のように得ることが出来る。映像の所望のサンプリングは、N=103×103=106ピクセルであると仮定される。この場合、試料波の数値表現は、106の複素数または2N=2×106の実数からなる。実空間内の試料波のこの表現は、フーリエ変換により周波数領域における対応する試料波
に最初に変換される(ボックス82)。試料波
の数値表現φi,jに適用されるフーリエ変換の数値バージョン(ここで、位置ベクトル
がすなわち位置インデックスi,jの対により置き換えられる)は、以下のようである。
ここで、N2はピクセル数である。
二次フーリエ変換を表す式(31)は、2つの一次元フーリエ変換の積として書き換えることが出来る。すなわち、
となる。この場合、式(32)における2つの項各々は、一次フーリエ変換に対応し、これから導かれる、
を高速フーリエ変換により演算することが出来る。それゆえ、一次変換(33)の各要素kに対し、j=103の要素全てからの貢献が必要である。この演算は、全てのkの値に対して、ゆえに、106回実行されなければならない。変換(33)の多数の項を高速フーリエ変換を使用する際に多数回使用することが出来るため、計算時間は期待されうるようなN2に比例しないが、高速フーリエ変換の特性に従うN2log(N)に比例する。ボックス82に従うフーリエ変換の結果は、103×103の複素数、ゆえに、2×106の実数のマトリクスの形態での周波数領域内における試料波の数値表現となる。
試料波
から、検出器の領域における電子波関数
が、伝達関数
による乗算により(周波数ベクトル
に関して)計算される(ボックス84)。電子顕微鏡等の粒子−光学機器の伝達関数は、既知のように決定される。先に述べたように、この伝達関数は、焦点のずれた群における焦点距離の一つの所定値に対して及び時間的非干渉性により生じる焦点ずれの一つの所定値に対して有効である。空間的非干渉性の作用を考慮するならば、この関数は、また、実際の電子源の一部を形成する一つの補助電子源のみに対しても有効である。伝達関数
の数値表現は、与えられた数値例においては106の複素数からなる。ボックス84内に示される乗算は、1:1乗算、すなわち、電子波関数
の各要素φk,lが、伝達関数
の対応する要素pi,k,lにより乗算される。時間的非干渉性による焦点ずれの値における拡がりを、7個の個別の値により数値的に表すことが出来ると仮定するならば、この1:1乗算は7回実行されなければならなく、ゆえに、伝達関数
のインデックスiは、1ステップでi=−3からi=+3までわたる。ボックス84による乗算の結果は、各106の複素数の7個のマトリクスの形態で検出器の領域において7個の電子波関数
の数値表現により形成される。
ここで、各電子波関数
は、逆フーリエ変換を受ける(ボックス86)。逆フーリエ変換は、ボックス82を参照して述べたように式(28)に従うフーリエ変換に匹敵するように実行される。ここには、以下のような違い、すなわち、
1)指数の記号が異符号により置き換えられている、
2)係数1/N2(すなわち、1/N×1/N)が省かれている、
が存在する。7個の電子波関数
に実行されるボックス86による逆フーリエ変換の結果は、各106の複素数の7個のマトリクスの形態の7個の電子波関数
により形成される。
7個の電子波関数
各々から、関連付けられる部分映像
が、これら7個のマトリクスの各要素をその複素共役により乗算することにより決定される(ボックス88)。各106の実数の7個のマトリクスがこのように形成される。
ボックス88において決定された7個の部分映像
は、関連付けられる重み付け係数giと共に一対一加算により、最終映像
を形成するために組合わされる(ボックス90)。式(18)を参照して既に述べたように、映像
は、単に焦点のずれた群の一つの映像の評価にすぎない。それゆえ、この映像は、インデックスn、すなわち、
でもって実際には再現されるべきである。ここで、nは、1乃至kの値を仮定しても良く、kは、使用される数値例においては20である。
ボックス92においては、一対一減算が、焦点のずれた群のn番目のアイテム全てに関する、評価された映像In,estと実測的映像In,estとの間の差映像
を決定するために適用される。差映像
は、繰り返し工程が停止され得る近似評価基準が満足言っているものであるかどうかテストを実行するため貢献するように用いられる。このため、量MSE=<(ΔIn)2>が形成される(ボックス94)。ここで、MSEは、計算法則MSE=(1/106)Σi,j|ΔIi,j|2に従う平均二乗誤差MSEの平均値である。このように決定される量MSEは、焦点のずれた群の一つの映像から導かれる値であり、全ての映像のMSEの和が近似評価基準との比較のために必要とされるため、この個々のMSEは近くのMSEに付加されるために記憶される(“STO<(ΔIn)2>”)。さらに、差映像
を表す整数の完全マトリクスが、以下に詳細に記載されるように、式(19)から既に明らかなように繰り返し演算のフィードバック部においても使用されるために記憶される。
最後に、参照番号96により示される記号は、n番目の焦点のずれた映像の評価工程の終わりに到達していることを指示している。焦点のずれた群の全ての映像に対して上述の工程を繰返すことが適しているであろう。ゆえに、評価処理工程の終わりにおいて、全ての評価された映像が利用可能であろう。しかしながら、これは余分な大メモリ容量を必要とするであろう。それゆえ、ボックス92において決定される差映像
を使用して、最初にフィードバック処理工程が、関連する焦点のずれた映像nに関連付けられる補助補正波
を形成するために実行される。
本発明による処理工程のフィードバック部は、式(19)により述べられている。この式に従って、最初に積
が形成されなければならない(ボックス98)。ボックス92を参照して述べられているように、
を表すマトリクス(106の実数)が既に計算されているが、一方では、検出器の領域における電子波関数
(106の複素数)も、ボックス86を参照して述べられているように既に計算されている。
フーリエ変換が、ボックス98の結果に適用される(ボックス100)。このフーリエ変換は、ボックス82を参照して述べられるように完全に実行される。ボックス100における演算の結果は、伝達関数pi,k,lの複素共役p* i,k,lにより1:1で乗算される。この後者の関数は、ボックス84を参照して述べられるように既に計算されている。それゆえ、ボックス102の実行に関して、ただ複素共役のみしか演算される必要がなく(これは、関連する複素数の虚部の記号の反転を単に示す)、そして、一対一乗算が実行されなければならない。ボックス98、100及び102に従う演算は、全てのiの値に対して、ゆえに、全部で7回実行される。この結果は、各106の複素数の7個のマトリクスとして形成される。
ボックス102において決定された7個の複素マトリクスは、関連付けられる重み付け係数giと共に一対一加算により、補助補正波
を形成するために組合わされる(ボックス104)。
ボックス96を参照して既に言及されているように、述べられた処理工程は、ただ焦点のずれた群の一つの映像に対してしか実行されていない。最終的な補正波
の決定に関してては、評価処理工程とフィードバック処理工程とが、焦点のずれた群の全ての映像に対して実行されなければならない(ボックス106)。最終的に、これは、一対一加算
を介して、所望の補正波
を形成するために組合わされるK(K=20)個の部分補正波
に結果としてなる。
ボックス94を参照して述べられ、焦点のずれた群の映像の関連する一つに関連付けられる量<(ΔIn)2>が、Kによる除算後最終的な量MSEを形成するために加算される(ボックス110)。
ボックス108において得られる補正波
を使用して、(この場合、
により示される)前回の繰り返しサイクルの開始時に仮定された試料波が、加算
(ここで、γは既に述べられたフィードバックパラメータである)を介して(この場合、
により示される)新しい試料波を得るために補正される(ボックス114)。
ボックス110におけるMSEに関して形成された値は、繰り返し工程を継続すべきか終了すべきかどうかを決定する近似評価基準を構成する所定の閾値と比較される(ボックス112)。MSEの値が、繰り返し工程を終了するような閾値を下回る場合、ボックス114において見出された試料波
が、検査されるべき試料の所望の表現であると考慮される(ボックス116)。
MSEの値が閾値を越える場合、繰り返し工程は継続される。この場合、ボックス114において見出された試料波
は新しいサイクルを開始することが出来る(ボックス118)。
Claims (8)
- 一連の実測的映像に基づく粒子−光学機器内において検査されるべき試料の映像の繰り返し形成方法であって、
前記一連の実測的映像は、さらに実測的映像群と名付けられ、
各実測的映像は少なくとも一つの結像パラメータの各々の異なる値で記録され、
a) 試料の真裏における照射粒子波の任意のシミュレーションを決定する工程を含み、前記試料の真裏における照射粒子波は、さらに試料波と名付けられ、
b) 試料の一連の映像の評価を決定する工程を含み、前記試料の一連の映像の評価は、さらに評価された映像群と名付けられ、この群においては、前記結像パラメータは毎時の前記各々の異なる値を持ち、この決定は前記試料波のシミュレーションに対して周波数領域内において処理する一方当該粒子−光学機器の関数を使用することにより実行され、この関数は該機器の該周波数領域における伝達特性を表し、
c) 前記各映像の評価と検査されるべき前記試料の対応する各実測的映像との間の各々の差を形成する工程と、
d) これらの差が所定の近似評価基準を満足しているかどうかに関しテストを実行する工程を含み、
e) 工程d)で実行されたテストが、前記差が前記所定の近似評価基準を満足しないことを示すとすれば、最初に、前記一連の映像の各映像に対して、前記差に対する演算を前記周波数領域において実行する一方、該映像と関連付けられ当該粒子−光学機器の前記周波数領域における前記伝達特性を表す該機器の関数を使用することにより、補助補正波を形成し、次いで、前記個別の補助補正波の加算により補正波を、及びこのようにして得られた補正波により前記試料波のシミュレーションの次なる補正を、形成する工程と、
f) 前記差が工程d)における前記所定の近似評価基準を満足しないとき、前記工程b)〜e)を繰返す工程と、
g) 前記差が工程d)における前記所定の近似評価基準を満足するとき、前記工程b)、c)、及びd)のいずれの処理をも終了する工程と
を有する繰り返し形成方法において、
前記実測的映像郡の各映像
当該粒子−光学機器の前記周波数領域
このような伝達関数の組が規定され、この組の各アイテム
補助映像波
ステップbの間に、
補助映像
前記評価された群の各アイテム
及びステップb)とf)との間で、
一連の差映像
前記一連の差映像
中間積の組がこのようにフーリエ変換された前記一連の積
各補助補正波
ことを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記粒子−光学機器には、結像レンズが備え付けられ、且つ
前記映像数の実測的映像を記録するために毎時設定が変更される前記結像パラメータは照射ビームが前記結像レンズの光軸に対する前記結像レンズを通過する角度であることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記粒子−光学機器には、結像レンズが備え付けられ、且つ
前記映像数の実測的映像を記録するために毎時設定が変更される前記結像パラメータは前記結像レンズの焦点距離であることを特徴とする方法。 - a) 一連の実測的映像を記録する手段を含み、前記一連の実測的映像は、さらに実測的映像群と名付けられ、各実測的映像は少なくとも一つの結像パラメータの各々の異なる設定で記録され、
b) 前記試料の真裏における照射粒子波の任意のシミュレーションを決定する手段とを含み、前記試料の真裏における照射粒子波は、さらに試料波と名付けられ、
c) 一連の映像の評価を決定する手段を含み、この一連の映像においては、前記結像パラメータは毎時の前記各々の異なる値を持ち、この決定は前記試料波のシミュレーションに対して実行される一方当該粒子−光学機器の関数を使用することにより実行され、この関数は該機器の該周波数領域における伝達特性を表し、
d) 前記各映像の前記評価と検査されるべき前記試料の対応する実測的映像との間の各々の差を形成する手段と、
e) これらの差が所定の近似評価基準を満足しているかどうかに関しテストを実行する手段を含み、
f) 工程e)で実行されたテストが、前記差が前記所定の近似評価基準を満足しないことを示すとすれば、最前記一連の映像の各映像に対して、前記差に対する演算を前記周波数領域において実行する一方、該映像と関連付けられ当該粒子−光学機器の前記周波数領域における前記伝達特性を表す該機器の関数を使用することにより、補助補正波を形成し、次いで、前記個別の補助補正波の加算により補正波を、及び、このようにして得られた補正波により前記試料波のシミュレーションの次なる補正を、形成する手段と、
g) 前記差が工程e)における前記所定の近似評価基準を満足しないとき、前記工程c)〜f)を繰返す手段と、
h) 前記差が工程e)における前記所定の近似評価基準を満足するとき、前記工程c)、d)、及びe)のいずれの処理をも終了する手段と
を有する粒子−光学機器において、
前記粒子−光学機器はまた、前記繰り返し処理における各繰り返し工程時に、以下の処理、
当該粒子−光学機器の前記周波数領域
このような伝達関数の組を規定することを実行することができ、この組の各アイテム
前記周波数領域
ステップc)の間に、
補助映像
前記評価された群の各アイテム
及びステップc)とg)との間に、
差映像
前記一連の差映像
中間積の組がこのようにフーリエ変換された前記一連の積
各補助補正波
ことを特徴とする粒子−光学機器。 - 請求項5に記載の粒子−光学機器において、
前記機器は、結像レンズ及び、前記映像数の実測的映像を記録するために毎時設定が変更される前記結像パラメータが、照射ビームが前記結像レンズの光軸に対して前記結像レンズを通過する角度であるような手段を有することを特徴とする粒子−光学機器。 - 請求項5に記載の粒子−光学機器であって、
前記機器は、結像レンズ及び、前記映像数の実測的映像を記録するために毎時設定が変更される前記結像パラメータが前記結像レンズの焦点距離であるような手段を有することを特徴とする粒子−光学機器。 - 請求項7に記載の粒子−光学機器であって、
前記機器は、以下のような工程、
前記映像数の実測的映像の記録の際に、前記焦点距離を一定のステップサイズで変更することを実行し、前記ステップサイズは、さらに焦点ステップサイズと名付けられ、
毎時の時間的非干渉性に至る結像パラメータの値の異なる組を、この組に対して毎回前記伝達関数の組のアイテム
前記焦点ステップサイズと前記干渉性ステップサイズはそれらの大きさが等しくなるように選択することを実行するように
構成される手段を有することを特徴とする粒子−光学機器。
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