JP3965787B2 - 2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は医薬や農薬などの合成原料として有用である2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
「J.of Med.Chem.,16,4,319(1973)」には2−クロロ−5−アミノピリジンを2N硫酸水溶液中で亜硝酸ナトリウムと反応させて合成したジアゾ化合物水溶液を、さらに硫酸銅を含む2N硫酸水溶液に85〜98℃の温度で滴下して反応し、収率20%で目的とする2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンが得られることが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、収率が極めて低く、また、大量の硫酸水溶液を必要とするため、工業的に有利ではない。実際、本発明者らが上記方法を実施したところ、重合物が大量に生成し、反応時の収率は14%にすぎなかった。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、より安価でより効率良く2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンを製造する方法の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、2−クロロ−5−アミノピリジンを無機酸水溶液中で亜硝酸化合物と反応して得られる化合物を加水分解するに当たり、カルボン酸存在下で行うことにより、従来法よりも高収率で目的とする2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンを製造できるとの知見を得た。
すなわち、本発明の要旨は、下記式(1)で示される2−クロロ−5−アミノピリジンを無機酸または酢酸の水溶液中で亜硝酸または亜硝酸塩と反応させた後、該反応液をカルボン酸中に添加ないしは滴下し、得られた化合物を水と反応させることを特徴とする、下記(2)で示される2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンの製造方法に存する。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】
【発明実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で原料として使用する2−クロロ−5−アミノピリジンは、2−クロロ−5−ピリジンカルボキサミドを次亜塩素酸ナトリウム水溶液中で反応させることにより容易に製造することができる。
【0009】
2−クロロ−5−アミノピリジンと亜硝酸または亜硝酸塩との反応は、通常、無機酸水溶液に2−クロロ−5−アミノピリジンを溶解した後、亜硝酸または亜硝酸塩水溶液を添加することにより行われる。
このうち、亜硝酸または亜硝酸塩としては、亜硝酸アルカリ金属塩が好ましく、特に好ましくは、亜硝酸ナトリウムである。
上記亜硝酸化合物は、原料2−クロロ−5−アミノピリジンに対し1.0 倍モル以上用いられ、1.0 〜2.0 倍モルの範囲が収率及び経済的にも好ましい。
この反応により、2−クロロ−5−アミノピリジンのジアゾ化化合物が得られていると考えられる。
【0010】
無機酸としては、硫酸の他、塩酸等が使用され、他に酢酸も使用される。酸水溶液の濃度は収率面から10%以上、好ましくは30〜60%である。酸水溶液の量は、2−クロロ−5−アミノピリジン1重量に対し2倍重量以上、経済的な観点から2〜6倍重量程度が好ましい。反応温度は通常0〜20℃、好ましくは0〜10℃である。
【0011】
2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンの製造は、上記反応により生成した化合物の水溶液をカルボン酸溶液に添加することにより行われる。
亜硝酸または亜硝酸塩との反応で得られる化合物は、通常、水溶液として得られるので、そのまま、カルボン酸溶液中に徐々に添加ないしは滴下する方法が最も簡便で好ましいが、該化合物が水溶液以外の状態、例えば、有機溶媒の溶液である場合には、カルボン酸と水の混合溶液中に該化合物を添加する方法、カルボン酸溶液中に該化合物を添加後、水を添加する方法等が挙げられる。この場合、水の添加量は、原料の2−クロロ−5−アミノピリジンに対して、1〜50倍モル、中でも特に1〜20倍モルが好ましい。
亜硝酸または亜硝酸塩との反応で得られる化合物の水溶液をカルボン酸溶液中に徐々に添加ないしは滴下する方法を採用する場合には、添加の速度は、カルボン酸溶液100重量部に対して0.1〜10重量部/分が好ましい。
【0012】
カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、乳酸等のカルボン酸類、これらカルボン酸類のナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩類、および、これらの混合溶媒を用いることができるが、特にカルボン酸類が好ましい。中でも特に、経済性の面から酢酸単独溶媒が好ましい。
カルボン酸の量は2−クロロ−5−アミノピリジン1重量に対し3倍重量以上、好ましくは5〜50倍重量が生産性の面で好適である。反応温度は、通常50℃以上、好ましくは60〜120℃である。
【0013】
反応により生成した2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンは、反応液を濃縮した後、水を添加し食塩等の塩を添加して塩析することにより容易に単離することが出来る。さらに、水を添加した濃縮液を有機溶媒により抽出処理した後、抽出液から有機溶媒を蒸留分離する方法も採用することが出来る。また、単離した目的物が着色している場合は、活性炭等により容易に脱色することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
50%硫酸水溶液125.0gに2−クロロ−5−アミノピリジン25.0g(0.195mol)を溶解し0〜5℃に冷却した。その溶液に39%亜硝酸ナトリウム水溶液41.1g(0.234mol)を上記温度を保持しながら、1.5時間で滴下した。この反応液を、100℃の酢酸500gに30分間で滴下し、2時間撹拌を続行して反応を終了した。反応終了後、液体クロマトグラフィーで反応液を分析した結果、2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンが21.4g(収率85%)で生成していることがわかった。
【0016】
実施例2
実施例1において、カルボン酸としてプロピオン酸500gを使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンが21.0g生成していることがわかった。収率は83%であった。
【0017】
比較例1
実施例1において、カルボン酸として85%乳酸500gを使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンが15.2g生成していることがわかった。収率は60%であった。
【0018】
比較例2
実施例1において、カルボン酸類に換えて硫酸銅48.7g(0.195モル)含む10%硫酸500gを使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンが3.5g生成していることがわかった。収率は14%であった。
【0019】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、医薬や農薬などの原料として有用な2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンを工業的に有利に製造することが出来る。
Claims (7)
- カルボン酸が酢酸である請求項1に記載の製造方法。
- カルボン酸がプロピオン酸である請求項1に記載の製造方法。
- 無機酸が硫酸である請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
- 無機酸が塩酸である請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
- 2−クロロ−5−アミノピリジンを無機酸または酢酸の水溶液中で亜硝酸または亜硝酸塩と反応させた後、該反応液をカルボン酸中に添加ないしは滴下し、得られた化合物を水と反応させる時の温度が、60〜120℃であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法。
- 亜硝酸または亜硝酸塩が亜硝酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
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