JP3960739B2 - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体層上にバリアメタル層および半田付け可能金属層が順次積層された電極を有する半導体装置において、バリアメタル層を、半導体層の構成元素、バリアメタルおよび半田付け可能金属の合金層にすることにより、複数の層間の密着性を向上させ、安定したオーミックコンタクトを実現した半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体装置において、半導体層であるシリコン基板の裏面側が裏面電極として用いられている。裏面電極は単独または複数の金属の積層により形成され、異なる金属層間および半導体層と金属層との間における原子の拡散や反応により他の相が形成されるのを防止するために、バリアメタル層が設けられる。また、半導体装置として、電気的に良好なオーミックコンタクトを得るために、一般にバリアメタル層としてはショットキー障壁の低い高融点金属が用いられる。
【0003】
しかし、裏面電極材料のバリアメタル層の金属としてショットキー障壁の低い高融点金属を使用した場合には、半導体層や他の金属層との密着性が悪く、層の剥がれなどの不具合が発生する。そこで、形成した金属層に熱処理を施して、層間の密着強度を向上させる方法が提案され、実用化されている(例えば、特開昭62-185330号公報)。
【0004】
しかしながら、熱処理によりバリアメタル層の金属のシリサイド化が促進され、シリコン基板のせん断強度の劣化、ダイシング時のチッピングが発生するため、このような問題を解決する手法の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、十分な密着性と安定した電気特性を備えた電極を有する半導体装置とその製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、表面に0.001〜0.002Ωcmの低抵抗率層を有する、Siからなる半導体層の電極形成面に、前記半導体層の構成元素、TiからなるバリアメタルおよびNiからなる半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記半田付け可能金属からなる層と、前記半田付け可能金属およびAgからなる第三金属からなる合金層と、前記第三金属からなる層とが順次積層されてなり、前記の各合金層が前記半導体層の電極形成面に前記バリアメタルからなる層、前記半田付け可能金属からなる層および前記第三金属からなる層を順次形成し、次いでシンター処理することにより形成された層であり、シンター処理前における前記バリアメタルからなる層、前記半田付け可能金属からなる層および前記第三金属からなる層の膜厚がそれぞれ25〜35nm、50〜350nmおよび250nm以上であり、かつ前記半田付け可能金属からなる層の膜厚が前記バリアメタルからなる層の膜厚の2〜10倍であることを特徴とする半導体装置が提供される。
この明細書において、バリアメタルからなる層および半田付け可能金属からなる層を、それぞれ「バリアメタル層」および「半田付け可能金属層」ともいう。
【0007】
また、本発明によれば、表面に0.001〜0.002Ωcmの低抵抗率層を有する、Siからなる半導体層の電極形成面に、前記半導体層の構成元素、TiからなるバリアメタルおよびNiからなる半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記半田付け可能金属からなる層と、前記半田付け可能金属およびAgからなる第三金属からなる合金層と、前記第三金属からなる層とが順次積層されてなる半導体装置の製造方法において、
前記半導体層の電極形成面に膜厚25〜35nmの前記バリアメタルからなる層を形成する工程、前記バリアメタルからなる層上に膜厚50〜350nmの前記半田付け可能金属からなる層を形成する工程、前記半田付け可能金属からなる層上に膜厚250nm以上の前記第三金属からなる層を形成する工程、窒素ガス雰囲気で温度480〜490℃、処理時間20〜30分間の条件で行われるシンター処理により、前記バリアメタルからなる層を前記半導体層の構成元素、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層にし、かつ前記半田付け可能金属からなる層と前記第三金属からなる層との近接領域を前記半田付け可能金属および前記第三金属からなる合金層にする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法、ならびに
半導体層の電極形成面の表面に0.001〜0.002Ωcmの低抵抗率層を形成する工程、前記半導体層の電極形成面に膜厚25〜35nmの前記バリアメタルからなる層を形成する工程、前記バリアメタルからなる層上に膜厚50〜350nmの前記半田付け可能金属からなる層を形成する工程、前記半田付け可能金属からなる層上に膜厚250nm以上の前記第三金属からなる層を形成する工程、窒素ガス雰囲気で温度480〜490℃、処理時間20〜30分間の条件で行われるシンター処理により、前記バリアメタルからなる層を前記半導体層の構成元素、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層にし、かつ前記半田付け可能金属からなる層と前記第三金属からなる層との近接領域を前記半田付け可能金属および前記第三金属からなる合金層にする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法
が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置は、半導体層の電極形成面に電極となるバリアメタル層および半田付け可能金属層が順次積層され、バリアメタル層が半導体層の構成元素、バリアメタルおよび半田付け可能金属の合金層で形成されてなることを特徴とする。
【0009】
半導体層としては、通常この分野で用いられる半導体基板自体または半導体基板上に形成された別の半導体層が挙げられる。半導体基板としては、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体基板、GaAs、InGaAsなどの化合物半導体基板が挙げられる。これらの中でも単結晶または多結晶のシリコン基板が好ましく、単結晶のシリコン基板が特に好ましい。
【0010】
半導体層は、良好なオーミック接触を確保するために、その表面に0.001〜0.002Ωcm程度の低抵抗率層を有しているのが好ましい。低抵抗率層は、イオン注入法、熱拡散法などの公知の方法により、P型またはN型(好ましくはP型)の不純物を半導体層の表面に拡散させることにより得られる(高濃度不純物拡散層)。
【0011】
バリアメタルとしては、通常この分野で用いられる金属材料であれば特に限定されないが、中でもTi、Crなどのショットキー障壁の低い高融点金属が好ましく、Tiが特に好ましい。バリアメタル層は、スパッタ蒸着法のような公知の方法により形成することができる。
【0012】
半田付け可能金属としては、通常この分野で用いられる金属材料であれば特に限定されないが、中でもNiが好ましい。半田付け可能金属層は、スパッタ蒸着法のような公知の方法により形成することができる。
【0013】
半導体層の構成元素、バリアメタルおよび半田付け可能金属の合金層は、後述するシンター処理などにより形成される。すなわち、シンター処理によって、半導体層の構成元素、バリアメタルおよび半田付け可能金属が別の層に拡散し、その拡散領域に合金層が形成される。また、同時にバリアメタルと半田付け可能金属の合金層も形成される。
【0014】
本発明の半導体装置は、
▲1▼バリアメタルの単独層が存在しないこと、
▲2▼バリアメタルが半田付け可能金属層の表面にまで拡散していない(這い上がっていない)、すなわち半田付け可能金属の単独層が存在すること、および
▲3▼半導体層へのバリアメタルと半田付け可能金属の拡散量が同程度であること、すなわち半導体層の構成元素、バリアメタルおよび半田付け可能金属の合金層におけるバリアメタルと半田付け可能金属の濃度が同程度であること
を特徴とする。このような特徴を有する半導体装置は、電極を構成する各金属層の厚さ(膜厚)およびシンター処理の条件を適宜選択することにより得られる。
【0015】
半田付け可能金属層上には、電極の表面を保護し、シンター処理時の酸素拡散による半田付け可能金属層表面の酸化を防止し、電極表面に半田付け可能金属が析出して酸化物を形成することを防止するために、半田付け可能金属と第三の金属との合金層および第三の金属層が順次積層されているのが好ましい。第三の金属層の構成金属(「第三金属」という)としては、通常この分野で用いられる金属材料であれば特に限定されないが、中でもAgが好ましい。第三金属層は、スパッタ蒸着法のような公知の方法により形成することができる。また、半田付け可能金属と第三金属との合金層は、後述するシンター処理などにより形成することができる。
なお、シンター処理が完全な還元雰囲気下で行われるのであれば、第三金属層は必ずしも形成する必要がない。
【0016】
本発明によれば、半導体層の電極形成面にバリアメタル層を形成する工程、バリアメタル層上に半田付け可能金属層を形成する工程、シンター処理によりバリアメタル層を半導体層の構成元素、バリアメタルおよび半田付け可能金属の合金層にする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0017】
次に、本発明の半導体装置の製造方法を図1〜3に基づいて説明するが、本発明はこの例示により限定されるものではない。
図1は、本発明の半導体装置のシンター処理前における電極の断面模式図である。図中、1は半導体層、2はバリアメタル層、3は半田付け可能金属層、4は第三金属層をそれぞれ示し、1’は半導体層1中の高濃度不純物拡散層を示す。
【0018】
まず、半導体層1の高濃度不純物拡散層1’上にバリアメタル層2、半田付け可能金属層3、必要に応じて第三金属層4を、スパッタ蒸着法のような公知の方法により順次形成する。これらの金属層を同一設備で連続して形成することにより、工程の簡素化を図ることができる。
半導体層とバリアメタル層との密着力を向上させるために、バリアメタル層を形成する前に、逆スパッタのような公知の方法により高濃度不純物拡散層の表面の自然酸化膜を除去しておくのが好ましい。
【0019】
スパッタ蒸着法は、真空蒸着法に比べて、粒径が均一で、結晶性が高く、緻密で平坦な金属膜を容易に形成できるので好ましい。このような金属膜を形成することにより、半導体チップダイボンド部のボイドが減少し、均一で安定した半田付け性が実現できる。
また、金属膜の薄膜化により、積層膜におけるストレスが低減でき、半導体ウエハの反りを大きく軽減できる。
【0020】
バリアメタル層2の膜厚は、例えば、25〜35nm程度、好ましくは30nm程度である。バリアメタル層の膜厚が薄い場合には、半田付け可能金属の半導体層への拡散が顕著になり、半導体層の構成元素のバリアメタルへの拡散(這い上がり)が大きくなり、バリアメタル層がバリアメタル層として機能しなくなるので好ましくない。この結果、半導体装置としての電流増幅率およびオン電圧が変動して、装置の信頼性が低下する。逆に、バリアメタル層の膜厚が厚い場合には、シンター処理後もバリアメタルが単独層として残り、半導体層の構成元素とバリアメタルとの硬くて脆い合金層が広範囲に形成され(半導体層がシリコンで構成される場合には、バリアメタルのシリサイド化が促進され)、電極のせん断強度が低下するので好ましくない。この結果、半導体装置の製造の最終工程でのダイシングプロセスにおいて、チップに加工する際に、チッピング、端面エグレが頻発し、ひいてはチップダイボンドに問題が生じる。
【0021】
半田付け可能金属層3の膜厚は、バリアメタル層の膜厚の2〜10倍、例えば、50〜350nm程度が好ましい。
半田付け可能金属層3の膜厚が薄い場合には、バリアメタルの半田付け可能金属層への拡散(這い上がり)の影響を受け易くなるので好ましくない。一方、半田付け可能金属層の膜厚が厚い場合には、電極中の半田付け可能金属の総量が増加して、半導体層の構成元素と半田付け可能金属との合金形成が促進されるので好ましくない。この結果、漏れ電流増加による耐圧低下、電流増幅率およびオン電圧の変動などの半導体装置としての電気的特性が劣化して、装置の信頼性が低下する。
【0022】
第三金属層は、シンター処理後も単独層として存在させることが必要であり、その膜厚は250nm以上、好ましくは250〜500nm程度である。
【0023】
次いで、シンター処理を行い、半導体層の構成元素、バリアメタルおよび半田付け可能金属の合金層、バリアメタルと半田付け可能金属との合金層、ならびに半田付け可能金属と第三金属との合金層を形成する。その条件は、各層の構成元素、各層の膜厚などにより適宜選択できる。
【0024】
シンター処理は、半導体装置の表面に形成されたトランジスタの最終の熱処理を兼ねることができ、半導体装置としての信頼性を確保する意味で、処理温度は460℃〜490℃程度が好ましい。また、処理時間は20〜30分程度、例えば20分程度が好ましい。最適な条件でシンター処理を行うことにより、デバイスにおいて良好な耐圧、電流増幅率およびオン電圧などを確保することができる。
【0025】
電極の金属層への酸素拡散、すなわち金属層の酸化を防止し、安定した半導体装置を得るために、シンター処理は、還元雰囲気(例えば、窒素ガスのような不活性ガス雰囲気)で行うのが好ましい。
シンター処理の方法としては、電気拡散炉装置を用いた一定温度処理、ランプアニール装置を用いたランピング処理などの公知の方法が挙げられる。
【0026】
図2は、本発明の半導体装置のシンター処理後における電極の深さと各金属元素の濃度の関係を表す図であり、図3は、図2の電極の金属層および合金層を模式的に表す図である。
図2は、半導体層1としてのP型シリコン基板(Si-bulk)上に、バリアメタル層2としてTiを30nm、半田付け可能金属層3としてNiを250nm、第三金属層4としてAgを300nmの膜厚で形成し、シンター処理を行った電極の深さと各金属元素の濃度の関係を示している。
【0027】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
【0028】
(試験例1)
半導体層1としてのP型シリコン基板上に、バリアメタル層2としてTiを、半田付け可能金属層3としてNiを、第三金属層4としてAgを、表1に示す膜厚でスパッタ蒸着法により、図1に示すように積層した。次いで、窒素ガス雰囲気にて、表1に示す処理温度および処理時間の条件でシンター処理を行い、裏面電極を得た。
【0029】
得られた裏面電極における深さ方向の金属元素の濃度分布を、オージェ電子分光分析(検出元素:Li以上、検出下限:0.数%〜数%、分析深さ:数nm)により解析した。比較として、シンター処理を行わない裏面電極についても同様に解析した。
得られた結果を図4〜8に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
図4〜8の(a)において、横軸のスパッタ時間は裏面電極の深さに、縦軸のピーク高さは各金属元素の濃度に、それぞれ相当する。(b)は(a)の縦軸のピーク高さを各金属元素の濃度に換算して表したものである。
シンター処理を行わない裏面電極(No.1)では、Ag、Ni、Ti、Siの各層の拡散が認められず、単独の金属層として存在することがわかる(図4)。このような裏面電極は、密着性が悪く、半導体装置としての信頼性確保に問題がある。
【0032】
処理温度420〜520℃でシンター処理を行った裏面電極(No.2〜5)では、NiおよびTiの単独層が消失し、Siとの反応層(合金層)が形成されている。この現象は、シンター処理の処理温度が高いほど、多層金属層間の相互作用が促進されて、反応層が形成される(図5〜8)。また、同一熱処理条件であっても、Ti層が薄いほどNiのSi層への拡散が顕著になり、Siの這い上がり(拡散)も大きくなる(図6および図7)。この結果、Ti層がバリアメタル層(バリアメタル層)として機能しなくなり、電流増幅率、オン電圧の変動が発生し、半導体装置としての信頼性が低下する。
【0033】
(試験例2)
半導体層1としてのP型シリコン基板上に、バリアメタル層2としてTiを、半田付け可能金属層3としてNiを、第三金属層4としてAgを、表2に示す膜厚でスパッタ蒸着法により、図1に示すように積層した。次いで、窒素ガス雰囲気にて、処理温度480℃、処理時間20分間の条件でシンター処理を行い、裏面電極を得た。
【0034】
【表2】
【0035】
得られた裏面電極における深さ方向の金属元素の濃度分布を、オージェ電子分光分析(検出元素:Li以上、検出下限:0.数%〜数%、分析深さ:数nm)により解析した。
得られた結果を図9に示す。
【0036】
図9(a)〜(c)は、バリアメタル層の膜厚の違いによるシンター処理後における裏面電極の深さと各金属元素の濃度の関係を表す図である。図9(a)は図7の場合に、図9(b)は図5、6、8の場合に対応し、図9(c)はバリアメタル層の膜厚が厚い場合に対応する。
【0037】
(試験例3)
半導体層1としてのP型シリコン基板上に、バリアメタル層2としてTiを、半田付け可能金属層3としてNiを、第三金属層4としてAgを、表3に示す膜厚でスパッタ蒸着法により、図1に示すように積層した。次いで、窒素ガス雰囲気にて、処理温度480℃、処理時間20分間の条件でシンター処理を行い、裏面電極を得た。
【0038】
【表3】
【0039】
得られた裏面電極における深さ方向の金属元素の濃度分布を、オージェ電子分光分析(検出元素:Li以上、検出下限:0.数%〜数%、分析深さ:数nm)により解析した。
得られた結果を図10に示す。
【0040】
図10(a)〜(c)は、半田付け可能金属層/バリアメタル(膜厚比)のNi/Tiの違いによるシンター処理後における裏面電極の深さと各金属元素の濃度の関係を表す図であり、(a)は360/30(12倍)、(b)は60/30(2倍)、(c)は300/30(10倍)の場合を表す。この結果、半田付け可能金属層の膜厚は、バリアメタル層の膜厚の2〜10倍程度が好ましいことがわかる。
【0041】
(試験例4)
半導体層1としてのP型シリコン基板上に、バリアメタル層2としてTiを30nm、半田付け可能金属層3としてNiを250nm、第三金属層4としてAgを250nm、200nmまたは150nmの膜厚でスパッタ蒸着法により、図1に示すように積層した。次いで、窒素ガス雰囲気にて、処理温度490℃、処理時間30分間の条件でシンター処理を行い、裏面電極を得た。
【0042】
得られた裏面電極の表面を目視および走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。目視観察の結果をAg層の膜厚と共に表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
また、SEM観察の結果を図11(Ag250nm、No.6)、図13(Ag200nm、No.7)および図15(Ag150nm、No.8)に示す。倍率は(a)が10,000倍、(b)が50,000倍である。また、これらの図中の分析点1〜5における金属元素の分布を、エネルギー分散型X線(EDX)分析により解析した。得られた結果を図12、図14(a)および(b)ならびに図16(a)および(b)に示す。
【0045】
上記の結果から、試験例4のシンター処理時の窒素ガス雰囲気が完全な還元雰囲気ではなく、酸素拡散による半田付け可能金属層表面の酸化を防止するためには、第三金属層の形成が必要であること、およびその膜厚が250nm以上必要であることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、電極形成に特殊な手段を施さなくても、電極が剥がれがない強固な密着性および良好な半田付け性を有し、電気特性に優れた電極を備えた信頼性の高い半導体装置を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置のシンター処理前における電極の断面模式図である。
【図2】本発明の半導体装置のシンター処理後における電極の深さと各金属元素の濃度の関係を表す図である。
【図3】図2の電極の金属層および合金層を模式的に表す図である。
【図4】シンター処理を行わない裏面電極における深さ方向の各金属元素の濃度分布を示す図である(試験例1、No.1)。
【図5】本発明の半導体装置の裏面電極における深さ方向の各金属元素の濃度分布を示す図である(試験例1、No.2)。
【図6】本発明の半導体装置の裏面電極における深さ方向の各金属元素の濃度分布を示す図である(試験例1、No.3)。
【図7】本発明の半導体装置の裏面電極における深さ方向の各金属元素の濃度分布を示す図である(試験例1、No.4)。
【図8】本発明の半導体装置の裏面電極における深さ方向の各金属元素の濃度分布を示す図である(試験例1、No.5)。
【図9】バリアメタル層の膜厚の違いによるシンター処理後における裏面電極の深さと各金属元素の濃度の関係を表す図である(試験例2)。
【図10】半田付け可能金属層/バリアメタル(膜厚比)のNi/Tiの違いによるシンター処理後における裏面電極の深さと各金属元素の濃度の関係を表す図である(試験例3)。
【図11】本発明の半導体装置における裏面電極表面のSEM観察の結果を示す図である(試験例4、No.6)。
【図12】図11における分析点1のEDX分析結果を示す図である。
【図13】本発明の半導体装置における裏面電極表面のSEM観察の結果を示す図である(試験例4、No.7)。
【図14】図13における分析点2および分析的3のEDX分析結果を示す図である。
【図15】本発明の半導体装置における裏面電極表面のSEM観察の結果を示す図である(試験例4、No.8)。
【図16】図15における分析点4および分析的5のEDX分析結果を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体層
1’高濃度不純物拡散層
2 バリアメタル層
3 半田付け可能金属層
4 第三金属層
Claims (3)
- 表面に0.001〜0.002Ωcmの低抵抗率層を有する、Siからなる半導体層の電極形成面に、前記半導体層の構成元素、TiからなるバリアメタルおよびNiからなる半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記半田付け可能金属からなる層と、前記半田付け可能金属およびAgからなる第三金属からなる合金層と、前記第三金属からなる層とが順次積層されてなり、前記の各合金層が前記半導体層の電極形成面に前記バリアメタルからなる層、前記半田付け可能金属からなる層および前記第三金属からなる層を順次形成し、次いでシンター処理することにより形成された層であり、シンター処理前における前記バリアメタルからなる層、前記半田付け可能金属からなる層および前記第三金属からなる層の膜厚がそれぞれ25〜35nm、50〜350nmおよび250nm以上であり、かつ前記半田付け可能金属からなる層の膜厚が前記バリアメタルからなる層の膜厚の2〜10倍であることを特徴とする半導体装置。
- 表面に0.001〜0.002Ωcmの低抵抗率層を有する、Siからなる半導体層の電極形成面に、前記半導体層の構成元素、TiからなるバリアメタルおよびNiからなる半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記半田付け可能金属からなる層と、前記半田付け可能金属およびAgからなる第三金属からなる合金層と、前記第三金属からなる層とが順次積層されてなる半導体装置の製造方法において、
前記半導体層の電極形成面に膜厚25〜35nmの前記バリアメタルからなる層を形成する工程、前記バリアメタルからなる層上に膜厚50〜350nmの前記半田付け可能金属からなる層を形成する工程、前記半田付け可能金属からなる層上に膜厚250nm以上の前記第三金属からなる層を形成する工程、窒素ガス雰囲気で温度480〜490℃、処理時間20〜30分間の条件で行われるシンター処理により、前記バリアメタルからなる層を前記半導体層の構成元素、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層にし、かつ前記半田付け可能金属からなる層と前記第三金属からなる層との近接領域を前記半田付け可能金属および前記第三金属からなる合金層にする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 表面に0.001〜0.002Ωcmの低抵抗率層を有する、Siからなる半導体層の電極形成面に、前記半導体層の構成元素、TiからなるバリアメタルおよびNiからなる半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記半田付け可能金属からなる層と、前記半田付け可能金属およびAgからなる第三金属からなる合金層と、前記第三金属からなる層とが順次積層されてなる半導体装置の製造方法において、
半導体層の電極形成面の表面に0.001〜0.002Ωcmの低抵抗率層を形成する工程、前記半導体層の電極形成面に膜厚25〜35nmの前記バリアメタルからなる層を形成する工程、前記バリアメタルからなる層上に膜厚50〜350nmの前記半田付け可能金属からなる層を形成する工程、前記半田付け可能金属からなる層上に膜厚250nm以上の前記第三金属からなる層を形成する工程、窒素ガス雰囲気で温度480〜490℃、処理時間20〜30分間の条件で行われるシンター処理により、前記バリアメタルからなる層を前記半導体層の構成元素、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層と、前記バリアメタルおよび前記半田付け可能金属からなる合金層にし、かつ前記半田付け可能金属からなる層と前記第三金属からなる層との近接領域を前記半田付け可能金属および前記第三金属からなる合金層にする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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