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JP3955616B2 - 画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、偏光フィルタを通して被写体を撮影した画像において、拡散反射成分及び鏡面反射成分を、両者の確率的独立性を利用して分離する方法に関し、特に、一般の照明環境において反射成分分離を可能とする技術に属する。
物体からの反射光は、鏡面反射成分と拡散反射成分の2成分の和として表現できる。この2成分による反射は、非特許文献1において、2色性反射モデル(dichromatic reflection model)として提案されている。鏡面反射成分は、物体表面と空気層の間の境界で反射される光であり、拡散反射成分は、物体表面を通過して物体内部に入射した光が色素により反射を繰り返して再び空気中に戻ってきた光である。
対応点探索や照度差ステレオ等の画像処理アルゴリズムの多くは拡散反射を前提にしており、鏡面反射は多くの画像処理アルゴリズムの性能低下要因となる。このため、鏡面反射成分と拡散反射成分を分離する技術が数多く提案されてきた。
鏡面反射成分と拡散反射成分とを分離する手法では、(A)反射光の色特性を利用するもの、(B)鏡面反射の偏光特性を利用するもの、の2方式が数多く提案されてきた。
(A)は、被写体が誘電体の場合に、拡散反射光は物体色を反映し、鏡面反射光は照明色を反映することから、色ベクトルの違いを利用して両反射成分を分離するものである。しかしながら、物体色と照明色が類似している場合や、他の物体が相互反射により映り込んでいる場合には、うまく分離できないという問題がある。また、被写体が金属の場合には、金属の種類によってはフレネル係数の波長依存性が大きく、鏡面反射光と照明光の色ベクトルが一致しないため色特性を利用した分離方法を適用できない。
一方、(B)は、鏡面反射成分が多くの場合偏光しており、拡散反射成分が殆どの場合非偏光とみなせることを利用して両反射成分を分離するものである。偏光を利用した方式としては、非特許文献2、非特許文献3、特許文献1、特許文献2等が提案されている。これらの手法は偏光を用いた方法であるため、色特性を用いる方法とは異なり、照明色及び物体色に依存しないで処理が行い得るという利点がある。
非特許文献2では、ガラスの表面で反射する光がガラスを通過してくる光よりも強く偏光していることを利用して、カメラに取り付けた偏光フィルタを回転させながら取り込んだ複数の画像から各画素の輝度最小値を求めることにより、ガラスに映り込んだ像とその背後にある物体からの像とを分離している。しかしながら、ガラスに映り込んだ像が良好に分離できるのは、ガラスへの入射角がブリュースタ角に近い場合のみである。
非特許文献3では、カメラに取り付けた偏光フィルタを回転させながら取り込んだ複数の画像において、画素毎に、輝度最小値及び最大値を求め、それらの比を基にフレネル係数の平行成分・垂直成分の比を推定して、入射角がブリュースタ角以外でも被写体からの鏡面反射光と拡散反射光を分離している。しかしながら、鏡面反射が存在する領域では拡散反射成分が一定であるという仮定を用いており、拡散反射によるテクスチャがある被写体には適用できない。
特許文献1では、照明側とカメラ側の両方に偏光フィルタを使用する。照明光を直線偏光させ、カメラ側に取り付けた偏光フィルタを回転させながら取り込んだ複数の画像において、画素毎に輝度最小値を求め、それらの最小値で構成される画像を拡散反射画像として記録するものである。この手法は、照明光が完全に偏光している場合、その鏡面反射光は入射角によらず完全に偏光する性質を利用している。しかしながら、この手法は完全偏光の照明以外からの鏡面反射光を取り除くことが出来ないので、無光沢・黒色の遮光箱内で利用しており、一般的な環境では使用することができない。
特許文献2では、鏡面反射成分と拡散反射成分間には確率的独立性があることを仮定して、偏光フィルタを通して撮影した複数の画像から両反射成分を分離する。この手法は、非特許文献2とは異なり、ブリュースタ角以外でも反射成分分離が可能であり、また非特許文献3とは異なり、拡散反射によるテクスチャがある被写体にも適用可能であり、さらに特許文献1とは異なり、照明を偏光させる必要がない。
この特許文献2の方法について以降説明を行うが、その前に物体からの光の反射と偏光について一般的な説明を行っておく。
先に触れた2色性反射モデルによれば、物体からの反射光は、拡散反射成分と鏡面反射成分の2成分の和で表現される。拡散反射成分Ldiffは(数1)で表されるLambertianモデルで表現されることが多い。
ここで、Lは入射光の強度であり、θは入射角、κdiffは物体の拡散反射率である。この拡散反射成分は、殆どの場合非偏光とみなすことができる。
一方、鏡面反射成分Lspecは(数2)で表されるTorrance-Sparrowモデルで表現されることが多い。
ここで、LはLambertianモデルの時と同じく入射光の強度であり、θは物体表面の法線と視線方向のなす角度であり、αは鏡面反射を形成するマイクロファセットの法線方向と物体表面の法線方向とのなす角であり、σαは物体表面の粗さを表すパラメータである。また、Fは反射エネルギについてのフレネル係数であり、マイクロファセットへの入射角θ'及び2つの媒質の屈折率η,ηの比である相対屈折率ηに依存する。媒質が誘電体の場合は実数となり、以後nで表す。Gは幾何減衰率であり、マイクロファセットによる入射光の遮蔽(masking)、反射光の遮蔽(shadowing)の影響を表す。cは拡散反射と鏡面反射の比率を表す定数である。
この鏡面反射成分は、光の入射面に対して平行な成分と垂直な成分に対するフレネル係数が異なることにより偏光する。平行成分と垂直成分に対する、反射エネルギについてのフレネル係数は、それぞれ(数3)、(数4)のようになる。
ここで、θ"はマイクロファセットに関する屈折角であり、Snellの法則から(数5)が成り立つ。
ここで、n及びnは、それぞれ、入射側の媒質1の屈折率,屈折側の媒質2の屈折率である。以後は、屈折率nとnとの比を相対屈折率nで表す。
図26に相対屈折率n=1.6の場合の、入射面に対する平行成分と垂直成分に対するフレネル係数のグラフを示す。
以上から、非偏光である入射光に対する反射光の強度Lは(数6)のように表すことができる。ここで、L'specは、(数2)で表される鏡面反射成分Lspecから、フレネル強度反射率の項を除いたものである。
偏光フィルタを通して物体からの反射光を観測した場合、その強度は、偏光フィルタを通過する前の反射光のうち、偏光フィルタの主軸に平行な成分の強度となる。偏光フィルタを回転させながら物体からの反射光を観測した場合、その強度は偏光フィルタの主軸の角度に応じて、図27のようにsin関数的に変化する。図26が示すように、殆どの入射角において、反射光の入射面に対する垂直成分は平行成分よりも大きくなる。よって、観測される鏡面反射成分強度は、偏光フィルタの主軸が入射面に平行な場合(偏光フィルタの主軸と入射面のなす角ψが0radの時)に最小となり、垂直な場合(偏光フィルタの主軸と入射面のなす角ψがπ/2radの時)に最大となる。また、拡散反射成分は、非偏光とみなすことができるので偏光フィルタの主軸方向によらず一定である。
Torrance-Sparrowモデルにおいては、入射光が物体表面上のマイクロファセットにより反射されることで鏡面反射が生じているとされている。即ち、観測画像の各画素における鏡面反射成分の入射面及び局所入射角は、光源方向とカメラ視線方向によって決定され、物体表面の法線方向とは独立である。
特許文献2の方法は、光源が十分遠くにあり、カメラモデルとして正射影モデルを仮定している。この場合には、図33のように、撮影画像における、鏡面反射を生じる全画素において入射面と局所入射角が同一であるとみなすことができる。ここで、「入射面が同一である」とは、図5のような、注目している画素に対応する入射面を画像平面に投影した方向が、鏡面反射を生じている画素について全て等しいことを表すものとする。また、同時に、物体の屈折率が一様であると仮定している。これらの仮定の下では、物体に対応する全画素のフレネル係数が同一となり、偏光フィルタを回転させたときの鏡面反射の輝度値変化は、全画素において同位相となる。
ここで、I,I,Iをそれぞれ拡散反射画像ベクトル、鏡面反射画像ベクトル、観測画像ベクトルとすると、(数7)の関係が成り立つ。尚、ベクトルI,I,Iは、いずれも画素数分の次元数を持つ列ベクトルである。f(ψ)は、偏光フィルタの主軸と入射面がなす角度ψの関数(スカラー)である。
これらの関係を図示すると、図28のようになる。観測画像ベクトルは、f(0)Iとf(π/2)Iの範囲で増減することになる。異なった主軸を持った偏光フィルタを介して、複数、例えば2枚の画像ベクトルI,Iを観測した場合、図29に示すように、その差(I−I)から、鏡面反射画像ベクトルIの方向が得られる。よって、この差のベクトルに適当な定数kを乗じて観測画像ベクトルから減じれば、拡散反射画像ベクトルIが得られる。
特許文献2の方法は、拡散反射画像ベクトルIと鏡面反射ベクトルIとの間の確率的独立性を仮定し、両ベクトルと係数f(ψ)を得ている。具体的には、
(1)観測された複数の画像行ベクトルを要素に持つ行列を、最大階数分解を利用して積の形に分解する。
(2)任意の2×2正則行列を導入し、拡散反射画像ベクトル候補と鏡面反射画像ベクトル候補を仮決定する。
(3)両者の相互情報量を評価することにより、相互情報量が最小(確率的独立性が最大)となる拡散反射画像ベクトル、鏡面反射画像ベクトル、係数f(ψ)行列を推定値として採用する。
特開平11−41514号公報 特許第3459981号公報 S.Shafer, "Using color to separate reflection components", Color Research and Applications, vol.10, no.4, pp.210-218, 1985 岩瀬正樹,山村毅,田中敏光,大西昇,「映り込み分離カメラシステム」,電子情報通信学会論文誌D-II, Vol.J81-D-II, No.6, pp.1224-1232, 1998年6月 L.B.Wolff, "Using Polarization to Separate Reflection Components", Proc. IEEE Conf. CVPR, pp.363-369, 1989
特許文献2の方法では、図33のように、平行光光源(光源が十分遠くにある状態と等価)を仮定し、同時に、カメラモデルとして正射影モデルを仮定している。しかしながら、我々が普段生活をしている一般環境おいては、平行光の仮定は殆ど成り立たない。屋外においては、晴天の太陽光は平行光とみなせるものの、曇天の場合は空全体が拡散面光源の状態となり平行光とみなすことができない。また、室内においては、ある程度の大きさを持った照明器具が近距離にある場合や、複数の照明器具が存在する場合は平行光とみなすことができない。また、屋外又は室内において、相互反射が存在する場合は平行光とみなすことができない。
図30は、図31に示す環境下で、なめらかな表面を持つゴム製の球体を撮影した画像である。図31から分かるように、被写体のゴム球の左側方及び上方に蛍光灯照明が設置されている。図30においては、図31の蛍光灯照明Aから、鏡面反射領域1が、蛍光灯照明群Bの一部から鏡面反射領域2が、被写体のゴム球上に生じている。これらの鏡面反射は異なる方向からの照明によって生じており、照明環境全体では平行光とみなすことはできないので、カメラ前に設置した偏光フィルタを回転させたときの鏡面反射の輝度値変化が全画素において同位相にならない。図30の小領域1及び小領域2における、カメラ前の偏光フィルタ角度に対する輝度値変化のグラフを図32に示す。偏光フィルタは、ある基準方向を0度とし、180度まで10度間隔で回転させた。領域1と領域2とでは、輝度値の位相がほぼ逆転していて、同位相にならないため、特許文献2の方法では、このような照明環境下において鏡面反射を分離できない。
前記の問題に鑑み、本発明は、一般の照明環境においても、偏光フィルタを通して被写体を撮影した画像から拡散/鏡面反射成分を分離することを課題とする。
本発明は、被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通して撮影した複数の画像から、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に入射面を特定するとともに、入射角を算出し、前記画素群について、前記入射面及び入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つ以上の画素集合を形成し、前記各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離するものである。
本発明によると、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に、入射面及び入射角を求めた後、両者がそれぞれ類似している画素同士をクラスタリングし、クラスタリングされた各画素集合において、確率的独立性を用いた反射成分分離を行う。すなわち、任意の照明下で撮影した画像において、様々な入射面および入射角の鏡面反射光が混在している場合であっても、入射面及び入射角の両方が類似している画素同士がクラスタリングされ、クラスタリングされた各画素集合において反射成分分離が行われる。このため、入射面及び入射角が画素毎にまちまちであっても、反射成分分離を精度良く実行することが可能となる。したがって、一般的な照明環境にて撮影された画像においても拡散反射成分及び鏡面反射成分を分離することができる。
ただし、確率的独立性を用いた反射成分分離が可能となるためには、各画素集合において、被写体の屈折率が略一定であることが必要となる。また、被写体が、撮影画像の一画素に対応する局所領域において光学的に滑らかであるとき、一画素内で、入射面および入射角が一定とみなすことができるので、反射成分分離がより精度良く実行可能となる。
図34は、ある入射面において、非平行光の環境下で生じた鏡面反射光が中心射影のカメラに入射する様子を示している。図34では、入射角でクラスタリングを行った結果、(ア)、(イ)、(ウ)の3通りに分類できたことを示している。(ア)、(イ)、(ウ)のそれぞれで確率的独立性を用いた反射成分分離を行うことで、拡散反射成分と鏡面反射成分を分離することができる。
本発明によると、一般の照明環境においても、偏光フィルタを通して被写体を撮影した画像から拡散/鏡面反射成分を分離することができる。
本発明の第1態様は、画像処理方法として、被写体を、主軸が互いに異なる偏光素子を通してカメラにより複数画像、撮影するステップと、前記撮影した複数の画像から、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に入射面を特定するステップと、前記撮影した複数の画像から、前記画素群について画素毎に入射角を算出するステップと、前記画素群について、前記入射面及び入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成するステップと、前記各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離するステップと、を備えたものを提供する。
本発明の第2様態は、前記入射面特定ステップは、前記画素群の画素毎に被写体の法線ベクトルを算出するステップと、前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射面を特定するステップと、を備えた第1様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第3様態は、前記入射角算出ステップは、前記画素群の画素毎に被写体の法線ベクトルを算出するステップと、前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射角を算出するステップと、を備えた第1様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第4様態は、前記法線ベクトルを算出するステップは、既知である前記被写体の3次元形状データを用いて、撮影した前記画像における被写体の見えを基に、カメラ座標系における前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を推定するステップを備え、推定した前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を用いて、前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出する第2様態又は第3様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第5様態は、前記入射面特定ステップは、撮影した前記画像の数が3以上のとき、前記画素群の画素毎に、前記偏光素子の主軸角度に対する輝度値変化の位相を検出するステップを備え、検出した位相から入射面を特定する第1様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第6様態は、前記入射角算出ステップは、前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップと、前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射角を算出するステップとを備え、前記法線ベクトルを算出するステップは、撮影した前記画像の数が3以上のとき、前記入射面特定ステップにおいて前記画素群の画素毎に特定した入射面を画像平面に射影した方向の、第1の2次元分布を算出するステップと、既知である被写体の3次元形状モデルを用いて、カメラ座標系における被写体の3次元位置及び3次元姿勢を仮定し、仮定した前記3次元位置及び3次元姿勢を有する前記3次元形状モデルを射影した画像平面における画素毎に入射面を計算し、前記計算した入射面を画像平面に射影した方向の、第2の2次元分布を算出するステップと、前記第1及び第2の2次元分布同士をマッチングさせることにより、前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を決定するステップと、決定した前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を基に、前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップと、を備えた第5様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第7様態は、前記入射面特定ステップの後に、前記画素群について、入射面が類似している画素同士を暫定的にクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成する暫定クラスタリングステップを実行し、その後、前記反射成分分離ステップを、前記暫定クラスタリングステップで形成された各画素集合において、実行し、その後、前記入射角算出ステップ、前記クラスタリングステップおよび前記反射成分分離ステップを、所定回数、繰り返し実行するものであり、前記入射角算出ステップは、前回実行された反射成分分離ステップによって得られた拡散反射成分を用いて、前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップと、前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射角を算出するステップとを備えたものである第1様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第8様態は、撮影した前記画像の数が3以上のとき、前記画素群中の注目画素について、前記偏光素子の主軸角度に対する前記鏡面反射成分の輝度値変化から、当該輝度値の最大値と最小値を算出し、前記最大値と前記最小値との比の値及び、前記入射角算出ステップにおいて算出した前記注目画素における入射角から前記被写体の屈折率を算出するステップをさらに備えた第1様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第9様態は、撮影した前記画像の数が3以上のとき、前記画素群中の注目画素について、前記偏光素子の主軸角度に対する前記鏡面反射成分の輝度値変化から、当該輝度値の最小値を算出し、前記最小値が予め定めた第1の閾値より小さいとき、前記入射角算出ステップにおいて算出した前記注目画素における入射角はブリュースタ角であると判断し、このブリュースタ角から前記被写体の屈折率を算出するステップをさらに備えた第1様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第10様態は、撮影した前記画像の数が3以上のとき、前記画素群中の注目画素について、前記偏光素子の主軸角度に対する前記鏡面反射成分の輝度値変化から、当該輝度値の最大値と最小値とを算出し、前記最小値が予め定めた第2の閾値以上であるときは、前記最大値と前記最小値との比の値及び、前記入射角算出ステップにおいて算出した前記注目画素における入射角から前記被写体の屈折率を算出するステップをさらに備えた第1様態の画像処理方法を提供する。
本発明の第11様態は、画像処理装置として、被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通して撮影する偏光画像取得部と、前記偏光画像取得部によって、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通して撮影された複数の画像から、鏡面反射が生じている画素群について画素毎に入射面を特定する入射面特定部と、前記複数の画像から、前記画素群について画素毎に入射角を算出する入射角算出部と、前記画素群について、前記入射面特定部により特定された入射面及び前記入射角算出部により特定された入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成する分類部と、前記分類部により形成された各画像集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離する反射成分分離部と、を備えたものを提供する。
本発明の第12様態は、画像処理プログラムとして、被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通して撮影した複数の画像を取り込んで、当該複数の画像から鏡面反射が生じている画素群について画素毎に入射面を特定する処理と、前記複数の画像から、前記画素群について画素毎に入射角を算出する処理と、前記画素群について、前記入射面及び入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成する処理と、前記各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離する処理と、をコンピュータに実行させるものを提供する。
本発明の第13態様では、画像処理方法として、被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通してカメラにより複数画像、撮影するステップと、前記撮影した画像から、屈折率が一様であり、かつ、局所領域において光学的に滑らかである領域を特定するステップと、前記撮影した複数の画像における前記領域から、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に、入射面を特定するステップと、前記撮影した複数の画像における前記領域から、前記画素群について、画素毎に、入射角を算出するステップと、前記画素群について、前記入射面及び入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成するステップと、前記各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離するステップとを備えたものを提供する。
本発明の第14態様では、前記被写体は、人の顔であり、前記領域特定ステップは、眼の領域または眼鏡のレンズの領域を、前記領域として特定するものである第13態様の画像処理方法を提供する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施時における、各種条件を説明する。
照明は、平行光である必要はない。即ち、照明が複数あってもよいし、1つの照明は点光源でなく面光源であってもよい。他の被写体からの反射光は照明と見なすことができるので、他の被写体からの反射光も存在していてもよい。また、照明の分光特性や照明方向に関する知識も不要である。
被写体は、屈折率が略一定であり、局所領域において光学的に滑らかな性質を持つとする。「屈折率が略一定」である必要性は、特許文献2と同様である。即ち、被写体の撮影時、鏡面反射を生じている各画素について、屈折率が略一定であり、かつ、鏡面反射の入射面および入射角が揃っている場合は、各画素におけるフレネル係数が略一定となり、確率的独立性を利用した鏡面反射分離が可能となる。ここで、屈折率は厳密に一定である必要はなく、フレネル係数が一定と見なせることができ、確率的独立性を利用した鏡面反射分離が可能となる程度に略一定であればよい。
「局所領域において光学的に滑らか」であるとは、局所領域におけるマイクロファセットの法線がほぼ均一に揃っており、マイクロファセット法線と形状を表すマクロ法線が同一であるとみなせるということである。このような被写体上の鏡面反射が生じている局所領域を観測するとき、たとえ全周囲に面光源が存在したとしても、その局所領域の鏡面反射は一方向の入射光から生じているといえる。即ち、カメラを用いて鏡面反射を観測する場合、撮影画像での一画素に対応する被写体上の局所領域では、マイクロファセット法線方向が全て揃っており、その結果、鏡面反射の入射面と入射角が全て揃っているということである。但し、局所領域で滑らかである必要はあるが、大局的に滑らかである必要はない。すなわち、マクロ法線が空間的に不連続に変化するような、稜線(法線エッジ)が存在していても構わない。
また、被写体の形状については、少なくとも鏡面反射が生じている領域におけるマクロ法線(=マイクロファセット法線)方向を知る必要がある。以下、第1の実施形態では、既知の被写体の形状モデルを用いて、被写体の3次元位置および3次元姿勢を求めることにより、法線方向を求めている。第2の実施形態では、分離した拡散反射成分を用いてステレオ視を行い、ステレオ視から求めた法線方向を用いて反射成分分離を行う処理を繰り返すことにより、法線方向を求めている。
カメラモデルに関しては、中心射影等の任意のモデルを用いることができる。
表1に、本発明と特許文献2が前提とする各種条件の比較を示す。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る画像処理方法を実行する画像処理装置の構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、偏光画像取得部100、フレームメモリ104、法線算出部105、形状データベース106、入射面特定部107、入射角算出部108、分類部109、反射成分分離部110を備えている。偏光画像取得部100は、偏光素子101、カメラ102及び、制御部103を含む。
また、図2は本発明の第1の実施形態に係る画像処理方法のフローチャートである。
以下、図1のブロック図及び図2のフローチャートに従って、本実施形態に係る画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
まず、偏光画像取得部100において、被写体の画像を撮影する(SA0)。
制御部103は、偏光素子101の主軸方向の角度をF通り(本実施形態ではF=2)変化させると共に、異なった主軸方向に対してそれぞれ画像を撮影するようにカメラ102の撮影タイミングを制御する。得られたF個の画像は、フレームメモリ104に格納される。本実施形態では、偏光素子101として直線偏光フィルタを使用し、直線偏光フィルタをモータ等により回転させることにより主軸の角度を変化させる。主軸角度は、図3のように0,π/2(rad)の2通りを用いる。本画像処理装置は、これらの角度の値を知る必要はない。また、カメラ102として、鏡面反射の輝度が飽和しない露出条件において、鏡面反射の存在する画素での拡散反射のテクスチャが十分取得可能なダイナミックレンジ及び量子化ビット数を有するものを用いる。また、予め、カメラキャリブレーションにより、焦点距離、画像中心座標、撮像素子の画素ピッチ及びレンズ歪みの内部パラメータを算出しておく。これらのパラメータは、法線算出ステップSA1で使用する。
撮影された2枚の画像において、輝度値に予め定めた所定値以上の差が存在する画素には鏡面反射が存在すると判断する。2枚の撮影画像をI(x,y),I(x,y)とすると、(数8)のように、被写体上の注目画素位置(x,y)における輝度値I(x,y),I(x,y)に、所定値以上の輝度差Thが生じている場合に、画素位置(x,y)には鏡面反射が存在すると判断する。
尚、偏光素子101の主軸方向の角度が3通り以上の場合は、輝度変化に正弦(余弦)関数をフィッティングさせることで得られた振幅が所定値以上であることにより、鏡面反射が存在するか否かを判断できる。
以下の処理では、鏡面反射が生じている画素群のみを処理対象とする。
尚、特許文献2の方法ではカメラモデルとして正射影モデルを仮定していたが、本発明の場合は、偏光素子の入射角依存性がない場合、中心射影(透視投影)モデルも加えて使用可能である。例えば、有効入射角が±20度の偏光素子を用いる場合、画角40度までの中心射影カメラを用いることができる。
ここでは、主軸角度として0,π/2のように直交する2軸を用いたが、観測される鏡面反射に輝度差が生じるような設定であれば、他の角度でもよい。
ここでは、物理的に偏光フィルタを回転させることにより、複数の偏光画像を取得したが、例えば、特開平11−313242号公報に開示されているような、液晶を利用した、電気的に主軸方向を制御可能な素子を用いても良い。また、「J.D.Barter, H.R.Thompson, and C.L.Richardson: “Visible-Regime polarimetric imager: a fully polarimetric, real-time imaging system”, Applied Optics-LP, Vol.42, No.9, pp.1620-1628(2003)」に開示されているように、複数の撮像素子、複数の偏光フィルタと、光路を分離するプリズムとを用いることにより、主軸方向の互いに異なる偏光フィルタを通した画像を、同タイミングで取得してもよい。また、「J.Guo, and D.Brady: “Fabrication of thin-film micro polarizer arrays for visible imaging polarimetry”, Applied Optics-OT, Vol39, No.10, pp.1486-1492(2000)」で開示されているように、主軸方向の互いに異なる微小偏光フィルタを、撮像素子の各画素上に並べた構成を持つ、微小偏光板アレイを用いてもよい。
次に、法線算出部105において、被写体上の法線方向を計算する(SA1)。本画像処理装置は、撮影対象となっている被写体の3次元形状に関する知識を有する(形状データベース106に予め記憶されている)ものとする。法線算出部105は、形状データベース106から被写体の3次元形状データを取得し、撮影画像における被写体の見え(appearance)から、被写体の3次元姿勢及び3次元位置を推定する。被写体が人間の目の角膜である場合の、見えから3次元位置及び3次元姿勢を推定する例が、「K.Nishino and S.K.Nayar: "The World in an Eye", in Proc. of Computer Vision and Pattern Recognition CVPR '04, vol.I, pp444-451, Jul., 2004.」に開示されている。見えから3次元位置及び3次元姿勢を推定できる被写体は限られるが、そのような被写体であれば上記文献の手法を本発明に適用することが可能である。
被写体の3次元姿勢及び3次元位置が推定されれば、被写体上の任意の位置において、カメラ座標系における単位法線ベクトルN=(n,n,n)が算出できる。以上の処理を、撮影画像において鏡面反射が存在している全画素について繰り返し、被写体の法線ベクトルNを算出する。
尚特殊な例であるが、被写体が図30で表されるような球体であれば、輪郭線に円をフィッティングするだけで、撮像された球体の各画素において、カメラ座標系での法線ベクトルNを算出可能である。
次に、入射面特定部107において、被写体上の鏡面反射をカメラで観測している時の入射面を、鏡面反射が存在する画素毎に特定する(SA2)。予め求めておいた、焦点距離、画像中心座標、画素サイズ及びレンズ歪みの内部パラメータを用いて、まず、被写体上の注目画素での視線方向ベクトルVを決定する。視線方向ベクトルVの決定方法を、図4を用いて説明する。
図4のように、カメラ座標系O-X-Y-Z, 画像座標系O-x-yを考える。カメラキャリブレーションにより求められた焦点距離をf、画像中心座標Oを(x,y)、x方向,y方向の画素ピッチをそれぞれd,dで表す。レンズ歪み、及び、撮像素子の設置ずれ(光軸と素子面が垂直でない等)は補正済であるとする。被写体上の点Pobjに対応する、注目画素Pの座標を(x,y)とすると、被写体上の点Pobjへの視線方向ベクトルVは(数9)となる。
よって、点Pobjを観測したときの入射面は、視線方向ベクトルVとステップSA1で算出した法線ベクトルNとを含む平面となる。この入射面を図5のように画像平面に射影すると、図6で表されるように角度φで入射面方向を表現することができる。ここで、方向のみを考慮し、向きは考慮しないので0≦φ<πである。鏡面反射が存在している全画素について、以上の処理を行うと、図7のように入射面方向を表す角度φの2次元分布が得られる。
次に、入射角算出部108において、被写体上の鏡面反射をカメラで観測している時の入射角を、鏡面反射が存在する画素毎に特定する(SA3)。ステップSA1で算出した法線ベクトルNと、ステップSA2で算出した視線方向ベクトルVから、(数10)を用いて入射角θを算出する。入射角であるため0≦θ<π/2である。鏡面反射が存在している全画素について、以上の処理を行うと、図8のように入射角θの2次元分布が得られる。
次に、分類部109において、入射面と入射角の両方がそれぞれ類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つ以上の画素集合を形成する(SA4)。クラスタリング手法として任意の方法を用いることができるが、ここではk-meanアルゴリズムを用いる。まず、初期クラスタとして、φ−θの2次元空間内に、C個のクラスタ中心(φc0,θc0)を均等に配置する(c=0,…,C-1)。クラスタ数Cは、予備実験において事前に決定しておく。鏡面反射が生じている画素数をK個とすると、入射面方向φ及び入射角θを有するk番目の画素が属するクラスタ番号は、(数11)を満たすckjとなる(k=0,…,K-1)。
ここで、jはクラスタリング回数を表し、初回はj=0である。(φcj,θcj)は、クラスタリングj回目のc番目のクラスタ中心を表す。λは、入射面に関する距離と入射角に関する距離の影響の強さを決定するパラメータであり、ここではλ=1とする。また、関数d(x)は、図9で表されるように、x=±π/2のときに極大値をとり、x=0,±πのときに極小値0をとる関数である。K個の画素を全てC個のクラスタのどれかに属させた後は、クラスタ中心を更新(同時にjをインクリメント)し、繰り返しクラスタリングを行う。全クラスタ中心の移動距離が予め定めた距離閾値よりも小さくなればクラスタリングを終了する。尚、クラスタリング回数jが予め定めた所定回数に達した場合にクラスタリングを終了するようにしてもよい。
ここまでの処理で、鏡面反射が生じている画素において、入射面と入射角の両方がそれぞれ類似している画素同士は同じ集合にクラスタリングされる。被写体が図30で表されるような球体であり、球体の全面に鏡面反射が生じている場合には、クラスタリング結果は図10のようになる。尚、被写体の形状が球体のような単純な形状でない場合は、画素位置が互いに離れていても、入射面及び入射角の両方が類似している場合には、同一のクラスタに分類されることもありうる。
次に、反射成分分離部110において、同一のクラスタに含まれる画素の集合毎に反射成分分離を行う(SA5)。同一のクラスタに含まれる画素同士は、入射面及び入射角がほぼ揃っているので、特許文献2の方法を用いることができる。特許文献2の方法は、特異値分解を利用しているが、一般的な独立成分分析の手法を用いることもできる。
このように、入射面及び入射角がそれぞれ類似した画素同士にクラスタリングした後、確率的独立性を仮定した反射成分分離を行うことで、平行光以外の光源環境下でも反射成分分離が可能となる。
反射成分分離を行うことで、拡散反射を利用する多くの画像処理アルゴリズムの前処理として利用可能である。また、物体の反射特性を計算機上に取り込み(modeling)、見えを正確に再現する(rendering)というCV(Computer Vision)/CG(Computer Graphics)の分野において、modelingの第1ステップとしても利用可能である。
特に、虹彩認証は、虹彩からの拡散反射光を入力として個人を同定する、画像処理・認識アプリケーションの1つである。虹彩画像の入力の際、角膜上で生じる、照明光の鏡面反射が、撮影画像における虹彩領域と重なることが課題の1つになっている。角膜表面はある程度の曲率を有しており、周囲に存在する広範囲の光源が映り込むため、照明位置を調整することにより映り込みを防止することは難しい。ここで、
1)角膜表面は涙の膜に覆われており、屈折率一様、局所的に光学的滑らかという両特徴を有すること
2)人間の角膜形状・大きさは個人に係らずほぼ一定であるため、予め形状モデルを用意しておくことが容易であること
3)角膜による鏡面反射は周囲の光源の分布により生じ、虹彩による拡散反射は虹彩自体の反射率から生じることから、両者の確率的独立性が仮定できる
ということから、角膜による鏡面反射分離に対して、本発明を適用できる。
なお、虹彩認証の鏡面反射対策として、特開平9−212644号、特開平10−162146号、特開平11−203478号などの方法が提案されているが、これらは主に、虹彩撮影装置に備えられた照明(近赤外光LEDが多く用いられている)に対応するものである。屋外で虹彩認証を行う場合には、太陽光に近赤外成分が多く含まれ、太陽光に照らされた多くの物体が新たな光源としてほぼ全周囲から角膜表面に映り込むため、上記従来手法の適用が難しい。しかしながら、本発明は、このような屋外での虹彩認証に対しても適用可能である。
なお、顔画像における眼(角膜)領域のように、全体の一部が、屈折率一様であり、かつ、光学的滑らかである被写体の場合は、前処理として、屈折率一様であり、かつ、光学的滑らかである領域を特定した後、特定した領域に対して本発明を適用すればよい。例えば、顔画像から眼領域を抽出する方法としては、虹彩認証や顔認証で用いられている既存の技術を利用することができる。
すなわち、被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通してカメラにより複数画像、撮影し、この撮影した画像から、屈折率が一様であり、かつ、局所領域において光学的に滑らかである領域を特定する。そして、以降の処理は、この特定した領域について実行する。例えば、被写体が人の顔である場合、眼の領域を、屈折率が一様であり、かつ、局所領域において光学的に滑らかである領域として特定すればよい。
また、顔画像認証において、眼鏡の着脱に対して認証を頑健にするために、色情報や形状情報から眼鏡フレーム領域を特定・除去し、除去された領域の周辺の色情報を用いて、除去された領域を補間することによって、眼鏡を着用していない顔画像を擬似的に生成する取り組みが行われている。このとき、眼鏡のフレーム領域は除去できるが、眼鏡のレンズ領域に映り込んだ周囲の像は色や形状が不定であるため特定・除去することができず、擬似的に生成された顔画像においてノイズとなってしまい、顔認証精度を低下させるという問題がある。そこで、特定された眼鏡のフレーム領域からレンズ領域をさらに特定し、レンズ領域に対して本発明を適用し鏡面反射成分を除去することによって、顔認証の精度をさらに向上させることが可能である。眼鏡のレンズは、局所的に光学的に滑らかであり、かつ、屈折率一様という条件を満たすと考えられるため、本発明を適用可能である。
図11は、第1の実施形態の変形例に係る画像処理方法を実行する画像処理装置の構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、図1の入射面特定部107の代わりに、位相検出部111を備える。また、第1の実施形態の変形例に係る画像処理方法のフローチャートとして図12を用いる。
以下、図11のブロック図及び図12のフローチャートに従って、第1の実施形態の変形例に係る画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
まず、偏光画像取得部100において、被写体の画像を撮影する(SB0)。制御部103は、偏光素子101の主軸方向の角度をF通り(本実施形態ではF=4)変化させると共に、異なった主軸方向に対してそれぞれ画像を撮影するようにカメラ102の撮影タイミングを制御する。得られたF個の画像は、設定された主軸方向の角度情報と共に、フレームメモリ104に格納される。本実施形態では、偏光素子101として直線偏光フィルタを使用し、直線偏光フィルタをモータ等により回転させることにより主軸の角度を変化させる。主軸角度は、図13のように0,π/4,π/2,3π/4(rad)の4通りを用いる。
次に、位相検出部111にて、撮影された画像の画素毎に入射面を特定する(SB1)。フレームメモリ104に格納されたF(=4)枚の画像から、画素位置(座標)毎に輝度値変化の位相を検出する。図14は、ある画素位置において、偏光フィルタを回転させて観測した4個の輝度値をsin関数にフィッティングさせた結果である。同図における白抜きの四角のプロットは、それぞれ、偏光フィルタの主軸を0,π/4,π/2,3π/4(rad)の4通りに設定した時の輝度計測値(z;i=1,2,3,4)である。実線は、輝度計測値zを(数12)のsin関数にフィッティングさせたものである。
sin関数へのフィッティングは、計測値zと(数12)の関数との自乗誤差が最小となる基準で算出した。即ち、(数13)を最小化するようなパラメータA,B,φを求める。ここで、F=4であり、θ=0,θ=π/4,θ=π/2,θ=3π/4である。
(数13)を最小化するには(数14)を満たせばよい。(数12)からも分かるように(数14)は非線形連立方程式であるため、ここでは非線形最適化法の1つであるLevenberg-Marquardt法を用いる。Levenberg-Marquardt法の詳細は、「J.J. More: "The Levenberg-Marquardt Algorithm: Implementation and Theory," in G.A. Watson (ed.), Lecture Notes in Mathematics 630, Springer-Verlag, Berlin, 1978, 105-116.」に記載されているため説明を省略する。
図27で説明したように、鏡面反射をカメラで観測している場合、カメラ前方に設置した偏光素子の主軸を回転させて観測される輝度値はsin関数的に変化する。よって、偏光素子の主軸角度とsin関数の輝度値変化の関係(数12における位相φ)から、入射面を画像平面に投影した方向が特定できることになる。図5は、ある画素位置において鏡面反射を観測している場合の図である。特定した入射面を画像平面に投影すると、方向に関する情報が得られる。方向を表現するために、位相φ(0≦φ<π)を用いることができる。図14のような輝度値変化が観測できず輝度値がほぼ一定である画素に対しては、その画素には鏡面反射が生じていないと判断し、位相φの情報を以降の処理に用いない。輝度値がほぼ一定であるかどうかは、例えば、(数15)のように(数12)における振幅Aが予め定めた閾値Thよりも小さいかどうかで判断できる。
次に、法線算出部105において、被写体上の法線方向を計算する(SB2)。本画像処理装置は、撮影対象となっている被写体の3次元形状に関する知識を有するものとする。法線算出部105は、形状データベース106から被写体の3次元形状データを取得し、撮影画像における被写体の見え(appearance)から、カメラ座標系における被写体の3次元姿勢及び3次元位置を推定する。3次元姿勢及び3次元位置が推定されれば、被写体上の任意の位置において、カメラ座標系における単位法線ベクトルN=(n,n,n)が算出できる。以上の処理を、撮影画像において鏡面反射が存在している全画素について繰り返し、被写体の法線ベクトルNを算出する。
本実施の形態では、被写体の3次元姿勢及び3次元位置を推定するために、被写体の見えに加えて、被写体の表面法線ベクトルと視線方向ベクトルとを含む面である、入射面を画像平面に射影した方向(図5)の2次元分布を利用する。図15に示すように、ステップSB1にて偏光素子を用いて実測した入射面を画像平面に投影した方向の2次元分布Aが得られている場合について考える。被写体の3次元形状データを用いて、カメラ座標における3次元姿勢及び3次元位置を仮定すれば、照明方向が不明でも入射面が定義でき、入射面を画像平面に射影した方向の2次元分布Bが得られる。3次元姿勢および3次元姿勢は、6次元ベクトルxで表現することができる。
この2次元分布Aと2次元分布Bが一致するように、カメラ座標における3次元姿勢及び3次元位置xを更新すればよい。3次元姿勢及び3次元位置xを決定すれば、被写体上の法線が算出できる。
図16を用いて、入射面を画像平面に射影した方向の2次元分布A、Bの一致度算出の様子を説明する。座標(i,j)における方向φについて、偏光素子を用いて実測したAと3次元姿勢および3次元位置xを仮定して得られたBが存在している場合、対応する座標(i,j)での方向φの類似度si,jは(数16)で表現できる。
(数16)を用いると、0≦si,j≦1であり、2つの方向φ,φのなす角が0の時はsi,j=1,直交する時は類似度si,j=0となる。
2次元分布A,B同士の一致度は、(数16)を用いて(数17)で表すことができる。ここで、Ωは、実測した画像について鏡面反射が生じている座標(i,j)の集合である。
(数17)が最大となるような、3次元姿勢および3次元位置xを求めた後、被写体上の法線を算出する。
被写体上の法線が算出できた場合、以降の処理は、第1の実施形態と同様にできる。
尚、ここでは異なる主軸を持った偏光素子を通して撮影した画像の個数をF=4としたが、サンプリング定理からF≧3であればよい。
本実施の形態では、第1の実施形態よりも3次元位置および3次元姿勢の推定のために利用できる情報が多くなるため、それらの推定が容易になるという利点がある。
(屈折率の推定)
本発明は、さまざまな方向から入射する照明光が、さまざまな法線を持った被写体で鏡面反射を生じる場合でも鏡面反射成分と拡散反射成分を分離することができる。換言すれば、さまざまな入射角で生じた鏡面反射を分離することができる。この分離結果を利用して、屈折率は被写体に関して略一様であるという前提の下で、被写体の物理特性の一つである屈折率を推定可能である。この屈折率は画素単位で推定できるため、画素単位で推定した値の平均値や中間値を算出することで、より確からしい推定が可能になる。
屈折率を推定することにより、非接触で物質の種類を推定することができる。また、屈折率は被写体の鏡面反射特性を決定するフレネル係数を決定するため、物体の反射特性を計算機上に取り込み(modeling)、見えを正確に再現する(rendering)というCV(Computer Vision),CG(Computer Graphics)に貢献することができる。
以下に、図17のフローチャートを用いて屈折率推定方法を説明する。上述した本発明に係る反射成分分離を行って、既に鏡面反射成分と拡散反射成分が分離されているとする。
カメラの前方に設置した偏光素子の主軸方向を変化させて鏡面反射を含む画素を観測した場合、その輝度値は、主軸方向角度に対してsin関数的に変化することを図27にて説明した。図18からも分かるように、偏光素子の主軸と入射面が直交しているとき輝度値は最大となる。この時、偏光素子を通過する前の輝度値における拡散反射成分をI,鏡面反射成分をIとした場合、偏光素子を通して観測される輝度Imaxは(数18)で表される。ここで用いるI,Iは、(数7)で用いたベクトルI,Iとは異なりスカラーである。
ここで、F,Fはそれぞれ(数3)、(数4)で表される、反射エネルギについてのフレネル係数である。同様に、偏光素子の主軸と入射面が平行であるとき、輝度値は最小となり、この時、偏光素子を通して観測される輝度Iminは(数19)で表される。
異なる主軸を持った偏光素子を通して撮影した画像の個数Fが3以上であるとき、図14のように、注目画素での輝度値変化にsin関数をフィッティングさせることにより、観測される輝度値変化の最大値Imax及び最小値Iminを求めることができることについては既に述べた。本発明の反射成分分離方法を用いた後、同様にして、それぞれ(数20),(数21)で表される鏡面反射成分Isの最大値Ismax、最小値Isminを求める(SD0)。
図19は、偏光素子の主軸と入射面のなす角度に対する輝度値変化について、(a)反射成分分離前と(b)反射成分分離後(鏡面反射成分のみ)の場合について表したグラフの例である。
次に、最小値Isminが予め定めた閾値Th以上であるかどうかを判定する(SD1)。閾値Th以上である場合は、以下のステップSD2を実行する。
鏡面反射成分Isの最大値Ismax、最小値Isminの比を計算すると(数22)が得られる。
(数5)のスネルの法則を利用すると、鏡面反射成分の最大値と最小値の比は、マイクロファセットへの局所入射角θ',相対屈折率nで表すことができる。被写体が光学的に滑らかである場合、局所入射角θ'とマクロ法線に関する入射角θは等しい。入射角θは画素毎に算出済であるため、鏡面反射を生じている画素位置毎に(数23)を解くことにより、画素位置毎の相対屈折率nが算出できる。
ここで、入射角がブリュースタ角に近い画素位置の場合はフレネル係数Fが0に近づくため、鏡面反射成分の最小値Isminが0に近づき、(数23)の比の値は非常に大きくなり、相対屈折率nの推定誤差が大きくなるために、上記の処理は行わない。つまり、閾値Th2は、1/Isminを数値計算に用いることができるか否かを判断するための閾値であり、最小値Isminが閾値Th2よりも小さいときには、上記の処理は行わない。
図20は、鏡面反射成分の最小値Isminが閾値Th2以上である場合の、偏光素子の主軸と入射面のなす角度に対する輝度値変化を表したグラフの例である。この例では、鏡面反射成分の最小値Isminが閾値Th以上であるため、(数23)の比の値が所定の精度で計算できる。
ステップSD1にて閾値Th未満であった場合は、以下のステップSD3以降を実行する。
まず、最小値Isminが予め定めた閾値Th未満であるかどうかを判定する(SD3)。閾値はTh≦Thの関係を満たすものとする。ここで、Th<Thとした場合は、最小値Ismin閾値Th 以上である場合が存在する。その場合(ステップSD3にてNoの場合)は、現在注目している画素位置については、ステップSD2及び、後述するステップSD5の計算のそれぞれにおいて計算誤差が大きいと判断し、屈折率計算を行わない(SD6)。尚、Th=Thとした場合において、ステップSD1において閾値Th未満と判定されたときは、全て次のステップSD4を実行する(ステップSD3,SD6が省略される)。
ステップSD3にて、最小値Isminが予め定めた閾値Th未満であった場合、現在注目している画素の入射角はブリュースタ角であると判断する(SD4)。つまり、閾値Thは最小値Isminが0(ゼロ)とみなすことができるか否かを判断する閾値である。
図21は、鏡面反射成分の最小値Isminが閾値Th未満である場合の、偏光素子の主軸と入射面のなす角度に対する輝度値変化を表したグラフの例である。この例では、鏡面反射成分の最小値IsminがTh未満であるため、現在注目している画素の入射角がブリュースタ角であると判断される。
そして、既に求められた、現在の注目画素における入射角θを利用して、(数24)により相対屈折率nを算出する(SD5)。
媒質1が空気の場合、相対屈折率の値はそのまま媒質2(被写体)の屈折率となる。本実施の形態では、複数の画素位置において独立に屈折率を算出した。また、被写体の屈折率は略一様であるという仮定があるので、算出した複数の屈折率の中間値又は平均値を計算することで、屈折率をよりロバストに推定可能である。
(第2の実施形態)
図22は、第2の実施形態に係る画像処理方法を実行する画像処理装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態及びその変形例で説明した、偏光画像取得部100、偏光素子101、カメラ102、制御部103、フレームメモリ104、入射角算出部108、位相検出部111、分類部109、反射成分分離部110をそれぞれ2つずつ備えている。添え字a、bを用いて2組を区別する。また、法線算出部105を1つ備える。第2の実施形態に係る画像処理方法のフローチャートとしては、図23を用いる。
以下、図22のブロック図及び図23のフローチャートに従って、第2の実施形態に係る画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
まず、偏光画像取得部100a,100bのそれぞれにおいて、被写体の画像を撮影する(SB0)。それぞれにおける処理は、第1の実施形態の変形例におけるステップSB0と同様である。すなわち、偏光画像取得部100a,100bにて、それぞれF(=4)個ずつの画像を撮影する。偏光画像取得部100a,100bによって撮影された画像セットを、それぞれ、画像セットA,Bと呼ぶ。また、2台のカメラ102a、102bは、以降の法線算出ステップSC4にてステレオ計測を行うために、予めカメラキャリブレーションを行っておくものとする。
次に、位相検出部111a,111bのそれぞれにおいて、撮影された画像セットA,Bの画素毎に入射面を特定する(SB1)。それぞれにおける処理も、第1の実施形態の変形例におけるステップSB1と同様である。
次に、反復回数のカウンタrを0にセットする(SC2)。
次に、分類部109a,109bのそれぞれにおいて、画像セットA,Bのそれぞれに対して、入射面が類似している画素同士をクラスタリングする(SC3)。以降は、画像セットAに対する処理を説明するが、画像セットBに対する処理も同様である。
クラスタリング手法として任意の方法を用いることができるが、ここではk-meanアルゴリズムを用いる。まず、初期クラスタとして、位相φで張られる1次元空間内に、C個のクラスタ中心φc0を均等に配置する(c=0,…,C-1)。クラスタ数Cは、予備実験において事前に決定しておく。鏡面反射が生じている画素数をK個とすると、位相(入射面方向)φkを有するk番目の画素が属するクラスタ番号は、(数25)を満たすckjとすることができる(k=0,…,K-1)。
ここで、jはクラスタリング回数を表す。現在はj=0である。φcjは、クラスタリングj回目のc番目のクラスタ中心を表す。また、関数d(x)は、図9で表されるように、x=±π/2のときに極大値をとり、x=0,±πのときに極小値0をとる関数である。K個の画素を全てC個のクラスタのどれかに属させた後は、クラスタ中心を更新(同時にjをインクリメント)し、繰り返しクラスタリングを行う。全クラスタ中心の移動距離が予め定めた距離閾値よりも小さくなればクラスタリングを終了する。尚、クラスタリング回数jが予め定めた所定回数に達した場合にクラスタリングを終了するようにしてもよい。
この段階では、鏡面反射が生じている画素を、入射面の方向が類似している画素同士にクラスタリングしただけであり、同一クラスタの中で入射角の大きさは類似していない場合がある。被写体の法線方向が未知の場合は入射角が算出できないので、ここでは、暫定クラスタリングとして、画像平面の座標が近いもの同士を更にクラスタリングする。C個のクラスタに対し、それぞれを更にC個のクラスタに分割する。結果としてC×C個のクラスタに分割されたことになる。クラスタリングの詳細については省略する。
以上の処理を、画像セットBに対しても行う。
次に、反射成分分離部110a,110bのそれぞれにおいて、画像セットA,Bのそれぞれおける、同一のクラスタに含まれる画素の集合毎に反射成分分離を行う(SC7)。同一のクラスタに含まれる画素同士は、入射面がほぼ揃っている。また、画像平面での座標が近いもの同士をクラスタリングしているため、同一のクラスタに含まれる画素同士は入射角がほぼ揃っているとみなせる。よって、反射成分分離手法として特許文献2の方法を用いることができる。特許文献2の方法は特異値分解を利用しているが、一般的な独立成分分析の手法を用いることもできる。
この段階で、異なる2つのカメラ102a、102bにより撮影された2つの画像セットA,Bから、それぞれ拡散反射成分と鏡面反射成分とを分離した。図24に、ここまでの処理の概要を図示する。ただし、被写体上に法線によるエッジがある場合は、同一のクラスタに含まれる画素同士は入射角が揃っていないために、反射成分分離の精度が低くなっている可能性がある。そのため、本実施の形態では、分離した拡散反射成分より法線を推定し、得られた法線を用いて反射成分分離をする処理(ステップSC4〜SC7)を少なくとも1回以上繰り返す。
反復回数rが上限Rに達していないかのチェックを行い(SC8)、上限R以上であれば終了する。そうでなければrを1だけインクリメントする(SC9)。
次に、法線算出部105にて、被写体上の法線方向を算出する(SC4)。ここでは、カメラ102a,102bのそれぞれにより撮影された画像セットA,Bから分離された、2つの拡散反射画像を用いてステレオ視を行い、距離画像を得た後、法線方向を算出する。ステレオ視として、area-basedステレオ視を用いることができる。ステレオ視に関しては、多くの文献に記載があるが、例えば、「コンピュータビジョン 技術評論と将来展望,松山隆司・久野義徳・井宮淳編,新技術コミュニケーションズ,第8章ステレオ視」に概要が記載されているので、ここでは説明を省略する。
ステレオ視により、両カメラ102a、102bにより撮影した輝度画像に対応するdepth画像Da(x,y),Db(x,y)が得られる。ここで、(x,y)は、図4で説明した画像平面におけるx、y座標値であり、depth画像の要素はカメラ座標系におけるZ座標値である。次に、depth画像Da(x,y)から法線画像Na(x,y)を、depth画像Db(x,y)から法線画像Nb(x,y)をそれぞれ生成する。法線画像の要素は、カメラ座標系(X,Y,Z)における単位法線ベクトル方向(n,n,n)の3次元となる。
depth画像から法線画像を算出するさまざまな方法が提案されているが、ここでは以下のような方法を用いる。depth画像において、図25(a)のように座標(i,j)に注目した場合、8近傍のdepth値を利用して、図25(b)のように注目点と隣接8点との間に三角面を定義する。そして、各三角面の単位法線ベクトルを算出し、それらの単位法線ベクトルの平均を計算することにより、注目画素(i,j)の単位法線ベクトルNを算出する。各三角面の法線ベクトル方向は、三角面を張る2つのベクトルの外積から計算できる。以上の方法を、depth画像Da,Dbの全画素に対して適用することにより、法線画像Na,Nbを得る。
本実施の形態では、反射成分分離処理で得られた拡散反射画像をステレオ視に用いて、一度距離値を求め、その後、法線を算出したが、「L.B.Wolff, “Surface orientation from two camera stereo with polarizers”, in Proc. Opt. Illumination Image Sensing Machine Vision IV, vol.1194 (Philadelphia, PA), Nov. 1989, pp.287-297.」で開示されているように、鏡面反射の入射面を利用したステレオ視を用いて、法線を直接算出してもよい。この従来技術では、被写体上の同一点を2台のカメラで観測している場合、2台のカメラ両方で鏡面反射を観測する必要がある。2個のカメラ画像における対応点検出には、先に説明した拡散反射成分を利用したステレオ視を用いることができる。対応点が分かれば、鏡面反射成分の輝度値変化から求めた入射面を利用したステレオ視により法線を算出することができる。
次に、入射角算出部108a,108bのそれぞれにおいて、被写体上の鏡面反射をカメラで観測している時の入射角を、鏡面反射が存在する画素毎に特定する(SC5)。ここでの処理は、第1の実施形態におけるステップSA3と同様であるので詳細は省略する。
次に、分類部109a,109bのそれぞれにおいて、画像セットA,Bのそれぞれに対して、入射面と入射角の両方がそれぞれ類似している画素同士をクラスタリングする(SC6)。ここでの処理は、第1の実施形態におけるステップSA4と同様であるので詳細を省略する。
次に、反射成分分離部110a,110bのそれぞれにおいて、画像セットA,Bのそれぞれおける、同一のクラスタに含まれる画素の集合毎に反射成分分離を行う(SC7)。同一のクラスタに含まれる画素同士は、入射面がほぼ揃っている。また、入射角に関しては、j=0回目の反射成分分離で得られた拡散反射成分を利用して法線を算出しており、前回よりも入射角が揃ったクラスタリングが達成できている。よって、特許文献2の方法を再度用いて、反射成分分離を行う。
以上説明した、ステップSC4〜SC7の各処理を、所定回数Rに達するまで繰り返し行うことにより、精度の良い反射成分分離が行い得る。
尚、第2の実施形態に係る画像処理方法に従って反射成分分離を行った後に、上述した屈折率推定を行うことも可能である。
本発明は、一般的な照明環境で撮影した画像について、拡散反射成分と鏡面反射成分とを分離するための画像処理方法を提供するので、拡散反射成分を利用する、多くの画像処理アルゴリズムの前処理として利用できる。また、物体の反射特性を計算機上に取り込み(modeling)、見えを正確に再現する(rendering)というCV(Computer Vision)/CG(Computer Graphics)の分野において、modelingの第1ステップとしても利用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における偏光フィルタの主軸方向を示す図である。 本発明の各実施形態における座標系を説明する図である。 鏡面反射の入射面を画像平面に射影してできる直線(入射面方向)を示す図である。 鏡面反射の入射面を画像平面に射影してできる入射面方向を表現する角度を説明する図である。 入射面方向の2次元分布を示す図である。 入射角の2次元分布を示す図である。 本発明の第1の実施形態における、クラスタリング時の距離尺度を決定する関数の例を示すグラフである。 被写体が球体のときのクラスタリング結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る画像処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の変形例における偏光フィルタの主軸方向を示す図である。 鏡面反射を含む被写体上の領域を、偏光フィルタの主軸方向を変化させて観測した時の輝度値に、sin関数をフィッティングさせた結果を示すグラフである。 被写体の3次元姿勢及び3次元位置を決定するために、入射面方向の2次元分布を利用する様子を示した図である。 被写体の3次元姿勢および3次元位置の決定のため、入射面方向の2次元分布のマッチングを行う様子を示した図である。 本発明の屈折率推定方法を示すフローチャートである。 屈折率を推定する際に利用する、偏光フィルタ主軸角度と鏡面反射輝度値の関係を示すグラフである。 偏光素子の主軸と入射面のなす角度に対する輝度値変化について、(a)反射成分分離前と(b)反射成分分離後(鏡面反射成分のみ)との場合について表したグラフの例である。 鏡面反射成分の最小値Isminが閾値Th2以上である場合の、偏光素子の主軸と入射面のなす角度に対する輝度値変化を表したグラフの例である。 鏡面反射成分の最小値Isminが閾値Th未満である場合の、偏光素子の主軸と入射面のなす角度に対する輝度値変化を表したグラフの例である。 本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る画像処理方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態において、反射成分分離までを行う様子を示した図である。 depth画像から法線を算出する方法の例を示す図である。 相対屈折率が1.6の場合のフレネル強度反射率を示すグラフである。 偏光フィルタ主軸角度と観測される輝度値の関係を示すグラフである。 平行光照明・正射影カメラモデルの下で屈折率一様の被写体を、偏光フィルタ主軸を変化させながら観測した場合の、画像ベクトルの変化範囲を示す図である。 平行光照明・正射影カメラモデルの下で屈折率一様の被写体を、2通りの偏光フィルタ主軸で観測した場合の、2つの画像ベクトル、拡散反射画像ベクトル、鏡面反射画像ベクトルの関係を示す図である。 複数方向に照明が存在する環境下で球状の被写体を撮影した画像である。 図30の画像を撮影した照明環境を示す図である。 図30の被写体の鏡面反射領域における、偏光フィルタ角度と観測輝度値の関係を示すグラフである。 特許文献2の方法が前提とする条件を図示した図である。 本発明において、入射角が等しい画素同士をクラスタリングした様子を示した図である。
符号の説明
100 偏光画像取得部
101 偏光素子
102 カメラ
106 法線算出部
107 入射面特定部
108 入射角算出部
109 分類部
110 反射成分分離部

Claims (14)

  1. 被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通してカメラにより複数画像、撮影するステップと、
    前記撮影した複数の画像から、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に、入射面を特定するステップと、
    前記撮影した複数の画像から、前記画素群について、画素毎に、入射角を算出するステップと、
    前記画素群について、前記入射面及び入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成するステップと、
    前記各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離するステップとを備えた
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    前記入射面特定ステップは、
    前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップと、
    前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射面を特定するステップとを備えた
    ことを特徴とする画像処理方法。
  3. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    前記入射角算出ステップは、
    前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップと、
    前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射角を算出するステップとを備えた
    ことを特徴とする画像処理方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の画像処理方法において、
    前記法線ベクトル算出ステップは、
    既知である前記被写体の3次元形状データを用いて、撮影した前記画像における被写体の見えを基に、カメラ座標系における前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を推定するステップを備え、
    推定した前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を用いて、前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するものである
    ことを特徴とする画像処理方法。
  5. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    前記入射面特定ステップは、撮影した前記画像の数が3以上のとき、
    前記画素群の画素毎に、前記偏光素子の主軸角度に対する輝度値変化の位相を検出するステップを備え、
    検出した位相から、入射面を特定するものである
    ことを特徴とする画像処理方法。
  6. 請求項5に記載の画像処理方法において、
    前記入射角算出ステップは、
    前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップと、
    前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射角を算出するステップとを備え、
    前記法線ベクトル算出ステップは、撮影した前記画像の数が3以上のとき、
    前記入射面特定ステップにおいて前記画素群の画素毎に特定した入射面を画像平面に射影した方向の、第1の2次元分布を算出するステップと、
    既知である被写体の3次元形状モデルを用いて、カメラ座標系における被写体の3次元位置及び3次元姿勢を仮定し、仮定した前記3次元位置及び3次元姿勢を有する前記3次元形状モデルを射影した画像平面における画素毎に入射面を計算し、前記計算した入射面を画像平面に射影した方向の、第2の2次元分布を算出するステップと、
    前記第1及び第2の2次元分布同士をマッチングさせることにより、前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を決定するステップと、
    決定した前記被写体の3次元位置及び3次元姿勢を基に、前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップとを備えたものである
    ことを特徴とする画像処理方法。
  7. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    前記入射面特定ステップの後に、
    前記画素群について、入射面が類似している画素同士を暫定的にクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成する暫定クラスタリングステップを実行し、
    その後、前記反射成分分離ステップを、前記暫定クラスタリングステップで形成された各画素集合において、実行し、
    その後、前記入射角算出ステップ、前記クラスタリングステップ、および前記反射成分分離ステップを、所定回数、繰り返し実行するものであり、
    前記入射角算出ステップは、
    前回実行された反射成分分離ステップによって得られた拡散反射成分を用いて、前記画素群の画素毎に、被写体の法線ベクトルを算出するステップと、
    前記画素群の画素毎に、当該画素に対応する被写体の法線ベクトルと視線ベクトルとから、入射角を算出するステップとを備えたものである
    ことを特徴とする画像処理方法。
  8. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    撮影した前記画像の数が3以上のとき、
    前記画素群中の注目画素について、前記偏光素子の主軸角度に対する前記鏡面反射成分の輝度値変化から、当該輝度値の最大値と最小値を算出し、
    前記最大値と前記最小値との比の値及び、前記入射角算出ステップにおいて算出した前記注目画素における入射角から、前記被写体の屈折率を算出するステップをさらに備えた
    ことを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    撮影した前記画像の数が3以上のとき、
    前記画素群中の注目画素について、前記偏光素子の主軸角度に対する前記鏡面反射成分の輝度値変化から、当該輝度値の最小値を算出し、
    前記最小値が予め定めた第1の閾値より小さいとき、前記入射角算出ステップにおいて算出した前記注目画素における入射角はブリュースタ角であると判断し、このブリュースタ角から、前記被写体の屈折率を算出するステップをさらに備えた
    ことを特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    撮影した前記画像の数が3以上のとき、
    前記画素群中の注目画素について、前記偏光素子の主軸角度に対する前記鏡面反射成分の輝度値変化から、当該輝度値の最大値と最小値を算出し、
    前記最小値が予め定めた第2の閾値以上であるときは、前記最大値と前記最小値との比の値及び、前記入射角算出ステップにおいて算出した前記注目画素における入射角から、前記被写体の屈折率を算出するステップをさらに備えた
    ことを特徴とする画像処理方法。
  11. 被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通して撮影する偏光画像取得部と、
    前記偏光画像取得部によって、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通して撮影された複数の画像から、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に、入射面を特定する入射面特定部と、
    前記複数の画像から、前記画素群について、画素毎に、入射角を算出する入射角算出部と、
    前記画素群について、前記入射面特定部により特定された入射面及び前記入射角算出部により特定された入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成する分類部と、
    前記分類部により形成された各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離する反射成分分離部とを備えた
    ことを特徴とする画像処理装置。
  12. 被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通して撮影した複数の画像を取り込んで、当該複数の画像から、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に、入射面を特定する処理と、
    前記複数の画像から、前記画素群について、画素毎に、入射角を算出する処理と、
    前記画素群について、前記入射面及び入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成する処理と、
    前記各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離する処理と
    をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
  13. 被写体を、任意の照明下で、主軸方向が互いに異なる偏光素子を通してカメラにより複数画像、撮影するステップと、
    前記撮影した画像から、屈折率が一様であり、かつ、局所領域において光学的に滑らかである領域を特定するステップと、
    前記撮影した複数の画像における前記領域から、鏡面反射が生じている画素群について、画素毎に、入射面を特定するステップと、
    前記撮影した複数の画像における前記領域から、前記画素群について、画素毎に、入射角を算出するステップと、
    前記画素群について、前記入射面及び入射角の両方が類似している画素同士をクラスタリングして、少なくとも1つの画素集合を形成するステップと、
    前記各画素集合において、拡散反射成分と鏡面反射成分との間の確率的独立性を仮定して反射成分分離を行い、各画素の輝度値を拡散反射成分と鏡面反射成分とに分離するステップとを備えた
    ことを特徴とする画像処理方法。
  14. 請求項13に記載の画像処理方法において、
    前記被写体は、人の顔であり、
    前記領域特定ステップは、眼の領域、または眼鏡のレンズの領域を、前記領域として特定するものである
    ことを特徴とする画像処理方法。
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