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JP3952039B2 - 測定装置、光伝送システム、及びラマン利得測定方法 - Google Patents

測定装置、光伝送システム、及びラマン利得測定方法 Download PDF

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JP3952039B2 JP2004152906A JP2004152906A JP3952039B2 JP 3952039 B2 JP3952039 B2 JP 3952039B2 JP 2004152906 A JP2004152906 A JP 2004152906A JP 2004152906 A JP2004152906 A JP 2004152906A JP 3952039 B2 JP3952039 B2 JP 3952039B2
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Description

本発明は、測定装置、光伝送システム、及びラマン利得測定方法に関する。
昨今、低損失光ファイバ、低損失波長帯を利用した波長域の開拓及び増幅技術の開発に伴い、光ファイバによる長距離伝送化が進んできている。また、さらに低コストで効率的な伝送を行うため、将来的には低損失な無中継伝送の実現が期待されており、光ファイバ伝送路自身を増幅媒体とする光ファイバアンプ、例えばEDFAや、より広帯域な光増幅技術の適用も考えられている。
このような光ファイバ伝送路を用いた通信システムにおいて、分布ラマン増幅(Distributed Raman Amplification:DRA)という技術の商用化に向けた開発が進んでいる。ラマン増幅とはシリカガラスで構成される光ファイバに信号光と、信号光より周波数が約13THz高い励起光とを同時に入力すると、シリカガラス中の誘導ラマン散乱現象により、励起光のエネルギーの一部が信号光に移る、即ち信号光が増幅される現象である。ラマン増幅による利得を以下ではラマン利得と呼ぶ。実際にはラマン利得は励起光より周波数が13THz低い波長をピークに、図5のような波長依存性を持っている。以下ではこれをラマン利得プロファイルと呼ぶ。図5はラマン利得プロファイルを示す説明図である。
また、分布ラマン増幅とは、信号光を伝送する光ファイバに励起光を入力し、光ファイバ伝送路自体を増幅媒体としてラマン増幅効果を得る形態である。分布ラマン増幅を適用した光ファイバ伝送システムでは、伝送路の伝播損失がラマン増幅で補償されるため、伝送可能距離を延伸することができる。《ラマン利得効率》上記長距離伝送に対応した光伝送システムにおいては、送信局から、光ファイバ伝送路を介し一定の損失を受けた信号光が、受信側で所望の入力レベルを保つことが必要であり、従来、受信側で、送信されてきた信号光の入力レベルを測定し、送信局の信号光のパワーまたは中継伝送路における増幅率を設定・調整していた。
以下、従来の光伝送システムにおける測定方法について説明する。また、ここでは、特に、上記信号光の入力レベル調整の為に、光ファイバの利得効率を用いる。利得効率とは、各ファイバについて送信光源のパワー1Wに対し、受信側の計測点で、どれくらいの利得が得られるかを示すパラメータとして用いられる。すなわち、1Wの励起光を増幅媒体に入力した場合に、その増幅媒体を伝播する信号光が受けるラマン利得(dB)をラマン利得効率(dB/W)とよぶ。ラマン利得効率は、個々のファイバによって異なる。その理由は、ラマン利得効率がモードフィールド径、GeO2添加量、水(OH)の吸収などによって左右されるためであり、これらはファイバの種類、メーカー、製造時期、さらにはロットごとに異なっているからである。従って、特に敷設済みの光ファイバ伝送路を使った光ファイバ伝送システムにおける分布ラマン増幅で、信号光の受ける利得を制御するためには、伝送路光ファイバの特性、及び中継局舎内の損失特性といった現場の状態を、ラマン利得効率という形で測定する必要がある。
《ラマン利得効率測定方法》以下図面を用いて従来の技術について説明する。伝送路自体を増幅媒体とする分布ラマン増幅のラマン利得効率の測定は、従来、図2のような構成で行われてきた。図2は、従来のラマン利得及びラマン利得効率測定方法例の構成図である。また、ラマン利得効率の測定において励起光によってラマン利得を受ける光をテスト光と呼ぶ。伝送路の一方の端にテスト光源120を備え、他方の端に励起光波長とテスト光波長を合分波するWDM(Wavelength Division Multiplex)カプラ114を備える。WDMカプラ114の励起光波長帯ポートに励起光源140を備え、テスト光波長帯ポートにはテスト光パワーを測定するための受光器130を備える。受光器130としては、たとえば光スペクトラムアナライザ、光パワーメータ等が適用できる。テスト光を伝送路に入力し、励起光源出力を停止した状態で受光器にて検出されるテスト光パワー(P1と呼ぶ)を測定する。次に励起光源を出力させた状態で受光器にて検出されるテスト光パワー(P2と呼ぶ)を測定する。デシベル表示でP2からP1を減算することで、テスト光がうけたラマン利得が求まる。この利得を励起光出力パワーで除算することで、ラマン利得効率が求まる。
ラマン利得効率を測定しようとする際、従来の手法では伝送路の両端に測定器、光源、及び作業者を配置して作業を行わねばならず、作業性に難があっため、伝送路の一方の端での作業のみで利得効率を測定する手段が求められていた。すなわち、前述の従来の手法を用いる場合、例えば中継区間80km以上先の敷設ファイバの片端に配置されたテスト用光源120と、他端に配置された受光器130を連動して操作し測定する必要がある。また、測定を行う保守者が中継局舎内に入り、人手により操作を行なっていた為、測定タイミングの調整他、中継局舎への人員配備、測定用機器の移動が必要など、手続きが必要となっていた。また測定可能な箇所に通信事業者毎の運用形態により制約が生じ、柔軟な測定区間の設定ができない等の問題があった。そこで、本発明では利得効率の測定を伝送路の一方の端での作業のみで行う手段を提供する。
また、複数種類の励起波長に対してそれぞれ所望の波長におけるラマン利得効率を得たい場合、励起波長の種類と同数の波長の異なるテスト光が必要となり、コスト、汎用性といった面で問題があった。そこで、本発明では1つのテスト光波長を用いて、複数種類の励起波長に対してそれぞれ所望の波長におけるラマン利得効率を得る手段を提供する。
本発明は、励起光が供給された光ファイバ伝送路のラマン利得に適用される測定装置、光伝送システムあるいはラマン利得測定方法に関する発明である。
本発明では、OTDR測定法をベースに、ラマン利得効率も測定できるようにする。伝送路の一方の端から他方の端までの伝播損失をOTDR手法で測定する。図3はA端から入力したパルス光が減衰しながらB端の手前近傍に達する様子を示したものである。また、図4はB端の手前近傍で発生した戻り光が減衰しながらA端に達する様子を示したものである。励起光を入力したことにより減った分の損失がラマン利得と考えられるが、図3図4に示すように、このラマン利得は、テスト光がB端の手前近傍に達するまでに励起光と同方向に伝播しながら受けたラマン利得:図3と、戻り光がA端に至るまでに励起光と逆方向に伝播しながら受けたラマン利得:図4の和である。伝送路のB端の手前近傍で生じる戻り光から検出される伝播損失(dB)をL1とし、励起光を出力した状態でOTDR測定を行い、伝送路のB端の手前近傍で生じる戻り光から検出される伝播損失(dB)をL2とすると、ラマン利得の大きさはテスト光(戻り光)と励起光の互いの伝播方向によらないため、L2からL1を減算したものを1/2倍することで、伝送路においてテスト光が受けたラマン利得を得ることが出来る。このラマン利得を励起光出力パワーで除算することで、OTDRパルス光波長におけるラマン利得効率(dB/W)を算出することが出来る。
また、1つのテスト光波長による測定から、複数種類の励起波長に対してそれぞれ所望の波長におけるラマン利得効率を得ることが出来るようにする。1つのテスト光波長を用いて、複数種類の励起波長に対するラマン利得効率を測定し、さらにラマン利得プロファイルを用いて各励起波長で所望の波長におけるラマン利得効率に換算する。
本発明を用いることにより、伝送路の一方の端での作業のみで利得効率を測定することが可能となる。その結果、伝送路の両端の中継局間が数10km離れていることなどから、伝送路の両端で同時に作業を行うこと困難な場合においても、伝送路におけるラマン利得効率を得ることが出来る。
本発明を用いることにより、1つのテスト光波長を用いて、複数種類の励起波長に対してそれぞれ所望の波長におけるラマン利得効率を得ることができる。結果として、複数種類の励起波長に対してそれぞれ所望の波長におけるラマン利得効率を得たい場合、励起波長の種類と同数の波長の異なるテスト光を用意する必要がなく、低コスト、かつ汎用性に富んだラマン利得効率測定が可能となる。
本願発明は、光ファイバの一端に励起光が供給された前記光ファイバのラマン利得を測定する測定装置において、前記励起光を出力した状態における第1の戻り光パワーと、前記励起光を停止した状態における第2の戻り光パワーとの比が一定となる、前記光ファイバの他端を除く点における前記第1及び第2の戻り光パワーに基づいて、前記光ファイバの全長で生じるラマン利得を測定することを特徴とする測定装置、であることを特徴とする。
さらに前記測定装置においては、前記比が一定となるように前記励起光のパワーを調整することが望ましい。
さらに前記測定装置においては、前記戻り光は、前記光ファイバの一端に入力されるテスト光の戻り光であることが望ましい。
本願発明は、光ファイバを有する光伝送システムにおいて、前記光ファイバに励起光を入力する入力手段と、前記励起光を出力した状態における第1の戻り光パワーと、前記励起光を停止した状態における第2の戻り光パワーとの比が一定となる、前記光ファイバの他端を除く点における前記第1及び第2の戻り光パワーに基づいて、前記光ファイバの全長で生じるラマン利得を測定する測定手段と、を前記光ファイバの一端に有することを特徴とする光伝送システム、であることを特徴とする。
さらに前記光伝送システムにおいては、前記比が一定となるように前記励起光のパワーを調整する調整手段を前記光ファイバの一端に有することが望ましい。
さらに前記光伝送システムにおいては、前記戻り光は、前記光ファイバの一端に入力されるテスト光の戻り光であることが望ましい。
本願発明は、励起光を入力するステップと、前記励起光を出力した状態における第1の戻り光パワーを測定するステップと、前記励起光を停止した状態における第2の戻り光パワーを測定するステップと、前記第1の戻り光パワーと前記第2の戻り光パワーとの比を得るステップと、前記比が一定となる、前記光ファイバの他端を除く点における前記第1及び第2の戻り光パワーに基づいて、前記光ファイバの全長で生じるラマン利得を測定するステップと、を前記光ファイバの一端にて行うことを特徴とするラマン利得測定方法、であることを特徴とする。
さらに前記ラマン利得測定方法においては、前記比が一定となるように前記励起光のパワーを調整するステップを前記光ファイバの一端に有することが望ましい。
さらに前記ラマン利得測定方法においては、前記戻り光は、前記光ファイバの一端に入力されるテスト光の戻り光であることが望ましい。
図1は本実施例の構成を示す構成図である。図1の構成において、伝送路の一方の端に励起光波長とテスト光波長を合分波するWDMカプラ114を接続する。WDMカプラ114の励起光波長ポートに励起光源140を備え、テスト光波長ポートには光波長フィルタ116、光アッテネータ115、OTDR装置110の順に接続する。
本発明ではラマン利得効率を測定するために、OTDR(Optical Time−Domain Reflectometry:時間領域光反射測定)装置110を用いる。
OTDRとは、光ファイバ伝送路の一方の端からパルス光を入射し、光ファイバ伝送路中で起こる後方散乱による戻り光を時間分割測定することで、光ファイバ伝送路の分布的な損失を測定する手法である。検出されるパルス光パワーは入射端と反射点を往復しているため、往復の減衰量を半分に割れば片道の減衰量となる。
戻り光の発生要因には、ファイバの接続点や端点で起こるフレネル反射と光ファイバで連続的に起こるレーリー散乱がある。図1に示すように、以下では、伝送路の端のうち、OTDRを接続した方をA端、もう一方の端をB端と呼ぶ。図6(a)、(b)はOTDRで測定される戻り光パワーを示したもので、横軸は戻り光の発生した点のA点からの距離を表している。以下では、このようなグラフをOTDRグラフと呼ぶ。図6(a)、(b)ではB端以外の伝送路中でレーリー散乱以外の戻り光は発生しない。図6(a)は、B端がアイソレータ等で無反射終端されている場合を示しており、ファイバの終わりと共にレーリー散乱による戻り光が0になっている。図6(b)は、B端でファイバの不連続等によるフレネル反射が起きている場合を示しており、ファイバの終端で大きな反射が起こり、その先でレーリー散乱による戻り光が0になっている。伝送路をOTDR測定した場合、OTDRグラフは、B端において図6(a)または(b)のような特徴を示す。従ってこのような特徴からA端からB端までの距離を知ることができ、A端からB端の手前近傍まで伝播したパルス光の受けた損失を測定することが出来る。
本実施例ではテスト光となるOTDRパルス光のスペクトル幅を特に1nmとした。テスト光波長を取り出す光フィルタの通過帯域を1nmとすることで、ラマン増幅による自然放出増幅光(Amplified SpontaneousEmission:ASE)を除去し、ASE光によるOTDRの受光器の飽和を防いだ。また、OTDRの受光器が飽和せず、かつB端の手前近傍で発生した戻り光が感度良く測定できるように光アッテネータ量を調節した。
次に測定手順について説明する。まず励起光出力を停止した状態でOTDR測定を行い、伝送路のB端の手前近傍で生じる戻り光から検出される伝播損失(dB)(L1と呼ぶ)を得る。次に励起光を出力した状態でOTDR測定を行い、伝送路のB端の手前近傍で生じる戻り光から検出される伝播損失(dB)(L2と呼ぶ)を得る。L2からL1を減じることでラマン利得が求まる。このラマン利得を励起光パワーで除算することで、ラマン利得効率が求まる。ただし、B点において励起光パワーが十分に減衰しており、ラマン利得が生じなくなっている、即ち励起光出力停止時と励起光出力時のOTDRグラフが平行になっている必要がある。このような条件を満たすB点についての伝搬損失を求めることにより、伝送路全長で生じるラマン利得が求まる。さらにラマン利得を励起光パワーで除算することで、伝送路全長におけるラマン利得効率が求まる。
B点において光励起光出力停止時と励起光出力時のOTDRグラフが平行にならない場合には、平行になるまで励起光パワーを減少させれば良い。本実施例では伝送路ファイバとして80kmのシングルモードファイバ(SMF)を、励起光波長として1463.8nmを、テスト光波長としては励起光波長よりも13THz周波数が低い1562.2nmを用い、励起光の出力パワーを166mWとした。その結果、図7のOTDRグラフに示すようにL1=17dB、L2=12dBであり、ラマン利得としてL2−L1=5.0dBが求まった。これを励起パワーで除算し、ラマン利得効率30.1dB/Wを得た。図8は本実施例の励起波長、テスト光波長、ラマン利得プロファイルの関係を示したものである。図8では、励起光に対して、テスト光波長がラマン利得プロファイルのピークに位置している。
また、本実施例ではテスト光のスペクトル幅を1nmとしたが、これと異なるスペクトル幅の適用も有効である。ただし、スペクトル幅が狭すぎるとOTDR測定が不安定になるという事例を踏まえると、OTDR測定が不安定にならない程度広く、かつラマン利得プロファイルの変化の周期に対して十分狭いスペクトル幅であることが条件となる。
本実施例ではテスト光として、DFB(Distributed FeedBack)レーザーを適用したが、上記の条件のスペクトル幅にすることが可能な、波長可変なレーザーの適用も有効である。また、本実施例では、通過帯域1nmの光波長フィルタを適用したが、テスト光のスペクトルを切り取らず、かつASE光を十分除去できる限り、異なる通過帯域の適用も有効である。
その他、本実施例では、光波長フィルタに誘電体多層膜(Di−electric)タイプを適用したが、光フィルタリング機能を持つ他のデバイスの適用も有効である。例えば、グレーティング(Grating)タイプ波長フィルタ、ファブリペロー(Fabry−Perot)タイプ波長フィルタ、マッハツェンダ(Mach−Zehnder)干渉計タイプ波長フィルタ等の適用が有効である。
さらに、実施例では光アッテネータにマッハツェンダ(Mach−Zehnder)干渉計タイプを適用したが、光アッテネーション機能を持つ他のデバイスの適用も有効である。例えば、誘電体多層膜(Di−electric)タイプ光アッテネータ、LNタイプアッテネータ、LBOタイプアッテネータの適用も可能である。
また、励起光源として、ファイバーグレーティング(Fiber Grating)で波長を狭窄化したファブリペロー(Fabry−Perot)レーザーを適用したが、十分なパワーを出力することのできる波長可変なレーザーの適用も有効である。
そして、本実施例では、伝送路ファイバとしてSMFを用いたが、ノンゼロディスパージョンシフテッドファイバ(Non Zero DispersionShifted Fiber:NZDSF)、1.55μmディスパージョンシフテッドファイバ(Dispersion Shifted Fiber:DSF)等の適用も可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施例では、伝送路のB端の手前近傍で生じる戻り光から検出される伝播損失を用いて、ラマン利得効率を得た。しかし、図9に示すように、テスト光波長における損失が大きな伝送路においては、ノイズによってB端が検出できない場合がある。このような場合、ノイズに埋もれない点(図9のB’点)で生じる戻り光から利得効率を得ることも可能である。ただしB’点において励起光パワーが十分に減衰しており、ラマン利得が生じなくなっている、即ち励起光出力停止時と励起光出力時のOTDRグラフが平行になっている必要がある。B’点において励起光出力停止時と励起光出力時のOTDRグラフが平行にならない場合には、平行になるまで励起光パワーを減少させれば良い。
図9は伝播損失30dBの点で生じる戻り光まで測定可能なOTDRを用いて、テスト波長におけるA端からB端までの伝播損失が40dBのSMFを測定した場合のOTDRグラフを示している。本実施例では、第1の実施例と同様に、励起光波長として1463.8nmを、テスト光波長としては励起光波長よりも13THz周波数が低い1562.2nmを用い、励起光の出力パワーを166mWとした。励起光を停止した状態におけるB’点までの伝播損失をL’1とし、励起光を出力した状態におけるB’点までの伝播損失をL’2とすると、図9に示すように、L=30dB、L2=25.2dBであり、ラマン利得として4.8dBが求まった。このラマン利得を励起光パワーで除算し、ラマン利得効率28.9dB/Wを得た。
本実施例では伝送路ファイバとしてSMFを用いたが、ノンゼロディスパージョンシフテッドファイバ(Non Zero Dispersion Shifted Fiber:NZDSF)、1.55μmディスパージョンシフテッドファイバ(Dispersion Shifted Fiber:DSF)等の適用も可能である。
本発明の第3の実施例について説明する。第1の実施例は、テスト光波長が励起光から13THz周波数が低い場合のラマン利得効率を示したが、これに限らず、他の波長間隔についてもラマン利得効率を測定することができる。例えば、第一の実施例と同一のSMFにおいて、テスト光波長1550.0nmを用い、励起光波長1463.8nm、励起光出力パワーを166mWとした場合、ラマン利得4.6dB、ラマン利得効率27.7dB/Wを得た。図10は本実施例の励起波長、テスト光源、ラマン利得プロファイルの関係を示したものである。
本実施例では伝送路ファイバとしてSMFを用いたが、ノンゼロディスパージョンファイバ(Non Zero Dispersion Fiber:DSF)、1.55μmディスパージョンシフテッドファイバ(DispersionShifted Fiber:DSF)等の適用も可能である。
次に本発明の第4の実施例について以下に示す。1つテスト光波長を用いて、複数種類の励起光波長に対するラマン利得効率を測定することが出来る。例えば、第一の実施例と同一のSMFにおいて、テスト光波長1550.0nmを用い、励起光波長1463.8nm、励起光出力パワーを166mWとした場合、ラマン利得4.6dB、ラマン利得効率27.7dB/Wを得た。同じくテスト波長1550.0nmを用い、励起光波長1450.4nm、励起光出力パワー166mWとした場合、ラマン利得5.1dB、ラマン利得効率30.7dB/Wを得た。もちろん、テスト光波長の選び方により、3つ以上の励起光波長に対するラマン利得効率を1つのテスト光波長を用いて測定することも可能である。図11は本実施例の励起波長、テスト光源、ラマン利得プロファイルの関係を示したものである。
本実施例では伝送路ファイバとしてSMFを用いたが、ノンゼロディスパージョンファイバ(Non Zero Dispersion Fiber:DSF)、1.55μmディスパージョンシフテッドファイバ(DispersionShifted Fiber:DSF)等の適用も可能である。
本発明の第5の実施例を以下に示す。図12のように、ある励起光波長に対するラマン利得プロファイルが分かっている場合、テスト光に対するラマン利得効率から他の波長のラマン利得効率を算出することができる。図12はSMFにおける励起光波長1463.8nmに対するラマン利得プロファイルを示している。ラマン利得プロファイルは、励起光出力パワーによって絶対値が変化するが、プロファイルの形はファイバ種類に固有のものである。図12のラマン利得プロファイルは1550nmで2.5dBのラマン利得を示しているが、1540nmでは2dBのラマン利得を示している。このラマン利得プロファイルの形状から1540nmのラマン利得効率は1550nmの2÷2.5=0.8倍であることがわかる。従って、実施例1と同一のSSMFにおいて励起波長を1463.8nmとした場合、第2の実施例の結果から、1550nmにおけるラマン利得効率は27.7dB/Wであるから、1540nmにおけるラマン利得効率は27.7×0.8=22.2dB/Wと算出することが出来る。
また、本実施例では伝送路ファイバとしてSMFを用いたが、ノンゼロディスパージョンファイバ(Non Zero Dispersion Fiber:DSF)、1.55μmディスパージョンシフテッドファイバ(Dispersion Shifted Fiber:DSF)等の適用も可能である。
本発明の第6の実施例を以下に示す。1つのテスト光波長を用いて、複数の励起光それぞれの波長より13THz低い周波数の波長、即ちラマン利得プロファイルのピーク波長におけるラマン利得効率を得ることができる。ラマン利得プロファイルのピーク波長を、以下ではラマン利得ピーク波長と呼ぶ。第4の実施例の手法により、複数の励起波長に対する1つのテスト光波長におけるラマン利得効率を測定する。測定結果から、第5の実施例の手法により、各励起波長のラマン利得ピーク波長におけるラマン利得効率を算出する。もちろん、本実施例の手法で得られるラマン利得効率は、各励起波長のラマン利得ピーク波長のものに限られない。本実施例の手法により、分かっているラマン利得プロファイル内の任意の波長におけるラマン利得効率を得ることが出来る。
本発明のラマン利得及びラマン利得効率測定方法を示す構成図である。 従来のラマン利得及びラマン利得効率測定方法例の構成図である。 本発明の作用を示す伝送路におけるテスト光パワーの推移の説明図である。 本発明の作用を示す伝送路における戻り光パワーの推移の説明図である。 ラマン利得プロファイルを示す説明図である。 OTDRグラフにおける伝送路端の特徴を説明する図である。(a)B端が無反射終端されている場合、(b)B端で反射が発生している場合。 本発明の第1の実施例で得られる結果(OTDR)を示す説明図である。 本発明の第1の実施例の励起波長、テスト光波長、利得プロファイル波長配置を示す説明図である。 本発明の第2の実施例で得られる結果(OTDRグラフ)を示す説明図である。 本発明の第3の実施例の励起波長、テスト光波長、利得プロファイル波長配置を示す説明図である。 本発明の第4の実施例の励起波長、テスト光波長、利得プロファイル波長配置を示す説明図である。 本発明の第5の実施例の励起波長、テスト光波長、利得プロファイルを示す説明図である。
符号の説明
10、20 中継局
11、21 増幅器
110 OTDR
111,113 光増幅器
112 光ファイバ伝送路
114 WDMカプラ
115 光アッテネータ
116 波長フィルタ
113 WDMカプラ
120 テスト光源
130 受光器
140 励起光源


Claims (6)

  1. 光ファイバの一端に励起光が供給された前記光ファイバのラマン利得を測定する測定装置において、
    前記励起光のパワーを調整し、前記励起光を出力した状態における第1の戻り光パワーと、前記励起光を停止した状態における第2の戻り光パワーとの比が一定となる他端を除く、前記光ファイバの任意の点における前記第1及び第2の戻り光パワーに基づいて、前記光ファイバの全長で生じるラマン利得を測定することを特徴とする測定装置。
  2. 前記戻り光は、前記光ファイバの一端に入力されるテスト光の戻り光であることを特徴とする請求項に記載の測定装置。
  3. 光伝送システムにおいて、
    光ファイバの一端に励起光を入力する入力手段と、
    前記励起光のパワーを調整する調整手段と、
    該調整された前記励起光を出力した状態における第1の戻り光パワーと、前記励起光を停止した状態における第2の戻り光パワーとの比が一定他端を除く、前記光ファイバの任意の点における前記第1及び第2の戻り光パワーに基づいて、前記光ファイバの全長で生じるラマン利得を測定する測定手段と、
    有することを特徴とする光伝送システム。
  4. 前記戻り光は、前記光ファイバの一端に入力されるテスト光の戻り光であることを特徴とする請求項に記載の光伝送システム。
  5. 励起光を光ファイバの一端に入力するステップと、
    前記励起光のパワーを調整するステップと、
    該調整された前記励起光を出力した状態における第1の戻り光パワーを測定するステップと、
    前記励起光を停止した状態における第2の戻り光パワーを測定するステップと、
    前記第1の戻り光パワーと前記第2の戻り光パワーとの比を得るステップと、
    前記比が一定他端を除く、前記光ファイバの任意の点における前記第1及び第2の戻り光パワーに基づいて、前記光ファイバの全長で生じるラマン利得を測定するステップと、
    行うことを特徴とするラマン利得測定方法。
  6. 前記戻り光は、前記光ファイバの一端に入力されるテスト光の戻り光であることを特徴とする請求項に記載のラマン利得測定方法。
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