JP3951652B2 - ガスタービン発電設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は再生再熱サイクルを適用したガスタービン発電設備およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンを用いて発電機を駆動するガスタービン発電設備において、タービン入口温度を上昇させること無く発電効率を向上させる一つの手段として、ガスタービン発電設備を圧縮機駆動用の第一タービンと発電機駆動用の第二タービンを異なる回転軸上に設けた構成にすることが挙げられる。このような構成を実際に適用した例として、例えば、アイ・ジー・ティー・アイ、グローバル ガスタービン ニュース、ボリューム39、ナンバー1(1999年)第4頁から第8頁(IGTI,Global Gas Turbine News,Volume 39,No.1(1999),PP4−8)において紹介されているガスタービン発電設備が挙げられる。
【0003】
このような構成のガスタービン発電設備では、失火が即発電停止に繋がるため液化天然ガスや都市ガス等の燃焼安定性を比較的容易に確保できる燃料を使用している。また、発電機を駆動するのに用いる第二タービンと発電機の間に設けた可変変速機により、発電機の回転数を常に一定に保って出力周波数を需要先と一致させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示した従来技術に関わるガスタービン発電設備の発電効率をより向上させる一つの手段として、タービン入口温度をより高温にすることが挙げられる。しかしながら、タービン入口温度をより高温にすると、タービンに用いる材料の耐熱化やタービン翼の冷却が必要となるほか、排気ガス中のNOx濃度が増大するという問題も発生する。
【0005】
また、従来技術に関わるガスタービン発電設備では、失火が起こると即発電停止に繋がるので、燃焼安定性を確保するのが比較的困難な石炭ガス化ガス,残し油改質ガスおよび木材乾溜ガスなどの低カロリーガスを燃料に使用して運転するのは非常に困難である。
【0006】
本発明の目的は、タービン入口温度をより高温にすること無く発電効率を向上させると供に、燃料の多用化にも対応したガスタービン発電設備を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガスタービン発電設備は、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された空気と第一の燃料とを燃焼する第一燃焼器と、該第一燃焼器で発生する燃焼ガスを膨張させ回転動力を取り出し前記圧縮機第一タービンと、該第一タービンと同一軸上に設けられ前記第一タービンにより駆動され発電を行う第一発電機と、前記第一タービンとは異なる回転軸上に設けられ前記第一タービンの排気ガスを膨張させ回転動力を取り出し第二タービンと、該第二タービンからの排気と前記圧縮機からの吐出空気との間で熱交換を行う再生熱交換器と、前記第二タービンと同一軸上に設けられ前記第二タービンにより駆動され発電を行う前記第二発電機と、前記第一発電機により発電された発電周波数と、前記第二発電機により発電された発電周波数のそれぞれを系統と一致させるインバーターとを備えたガスタービン発電設備において、前記第一タービンと前記第二タービンとの間に、第一タービンの排気ガスと第二燃料とを燃焼する第二燃焼器を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関わるガスタービン発電設備の一実施例について図1を用いて詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明に関わるガスタービン発電設備の一実施例のシステム構成を示すものである。このガスタービン発電設備は二軸構成の再生式ガスタービンにおいて、ともに900〜1050℃を最高のタービン入口ガス温度とする第一タービン3と第二タービン5との間に、600℃以上の温度を保持した第一タービン3の排気ガスと第二燃料23とを燃焼する第二燃焼器4を備えた構成となっている。この実施例のガスタービン発電設備における各構成要素機器およびその動作について説明する。
【0010】
外部より吸入された空気21は圧縮機1により圧縮された後、再生熱交換器
11において第二タービン5からの排気より熱を回収して予熱され第一燃焼器2へ導かれる。
【0011】
第一燃焼器2において、圧縮機1により圧縮された空気は第一燃料22と混合・燃焼され高温の燃焼ガスとなり、最高900〜1050℃の温度で第一タービン3へ流入する。
【0012】
第一タービン3は、第一燃焼器2から流入してきた燃焼ガスを断熱膨張することにより燃焼ガスのエネルギーを回転動力として取り出し、圧縮機1および第一発電機6を駆動する。ここで、圧縮機1,第一発電機6および第一タービン3は第一回転軸31上に設けられている。
【0013】
第二燃焼器4は600℃以上の温度を保持した第一タービン3からの排気と、第二燃料23を混合・燃焼し高温の燃焼ガスを生成して、第二発電機10を駆動する第二タービン5へ供給する。ここで、第二燃焼器4は必ずしも第一燃焼器2と同じ仕様である必要はない。
【0014】
第二タービン5は、最高入口温度を除いては必ずしも第一タービン3と同じ仕様である必要はなく、第二燃焼器4から流入してきた燃焼ガスを断熱膨張することにより燃焼ガスのエネルギーを回転動力として取り出し、第二発電機10を駆動する。ここで、第二発電機10および第二タービン5は、圧縮機1,第一発電機6および第一タービン3が設けられた第一回転軸31とは異なる第二回転軸32上に設けられている。
【0015】
第二タービン5からの排気は、再生熱交換器11において圧縮機1からの吐出空気との熱交換により熱回収された後、設備外へ排出される。
【0016】
このガスタービン発電設備を起動する方法として次の二通りの方法が適用できる。
【0017】
第一の方法としては、圧縮した空気を第一タービン3に送流して第一タービン3を駆動し、第一回転軸31の回転数が自立回転数以上になった時点で第一燃焼器2に第一燃料22を供給して着火する。
【0018】
第二の方法としては、第一発電機6を、ガスタービン発電設備を起動するためのモーターとして使用する。すなわち、モーターである第一発電機6により圧縮機1および第一タービン3を駆動し、第一回転軸31の回転数が自立回転数以上になった時点で第一燃焼器2に第一燃料22を供給して着火する。この起動方法を採用する場合、第一発電機6はガスタービン発電設備が発電を行っている間は発電機として使用する。
【0019】
また、このガスタービン発電設備の出力電力を需要先の負荷変動に追従させる運転は、第一タービン3および第二タービン5の出力を変化させることで行う。この際の出力電力の周波数を需要先と一致させる方法は、大きく分けて次の二通りの方法が適用できる。
【0020】
第一の方法として第一タービン3および第一発電機6が設けられた第一回転軸31と、第二タービン5および第二発電機10が設けられた第二回転軸32の回転数変化を許す場合には、第一発電機6および第二発電機10により発電された電力の周波数も変化するが、インバーター7を設けることにより発電周波数を需要先と常に一致させる。また、インバーター7の代わりに可変変速機を設け発電された電力の周波数を制御してもよい。
【0021】
第二の方法として第一タービン3および第一発電機6が設けられた第一回転軸31と、第二タービン5および第二発電機10が設けられた第二回転軸32の回転数変化を許さない場合には、第一発電機6および第二発電機10の磁界電流を制御する、あるいはインバーター7に入力される整流器出力直流電圧を制御することにより、第一タービン3および第二タービン5の負荷を変化させて一定回転を行い、発電周波数を需要先と常に一致させる。
【0022】
次に、本発明の他の実施例について図2を用いて説明する。
【0023】
図2に示したガスタービン発電設備は、図1に示したガスタービン発電設備において圧縮機1を二分割構成とし、外部より吸入された空気21を前段圧縮機8により圧縮した後に、後段圧縮機9へ導き、後段圧縮機9でより高圧まで圧縮して第一燃焼器2へ導く構成をとっている。
【0024】
ここで、前段圧縮機8,第二発電機10および第二タービン5は第二回転軸
32上に設けられており、後段圧縮機9,第一発電機6および第一タービン3は第一回転軸31上に設けられている。また、前段圧縮機8は必ずしも後段圧縮機9と同じ仕様である必要はない。
【0025】
このガスタービン発電設備を起動する方法として大きく分けて次の二通りの方法が適用できる。
【0026】
第一の方法としては、圧縮した空気を第一タービン3に送流して第一タービン3を駆動し、第一タービン3が設けられた第一回転軸31の回転数が自立回転数以上になった時点で第一燃焼器2に第一燃料22を供給して着火する。
【0027】
第二の方法としては、第一発電機6および第二発電機10を、ガスタービン発電設備を起動するためのモーターとして使用する。すなわち、モーターである第二発電機10により前段圧縮機8および第二タービン5をすると同時に、モーターである第一発電機6により後段圧縮機9および第一タービン3を駆動し、第一回転軸31の回転数が自立回転数以上になった時点で第一燃焼器2に第一燃料22を供給して着火する。この起動方法を採用する場合、第一発電機6および第二発電機10はガスタービン発電設備が発電を行っている間は発電機として使用する。
【0028】
また、このガスタービン発電設備の出力電力を需要先の負荷変動に追従させる運転は、第一タービン3および第二タービン5の出力を変化させることで行う。この際の出力電力の周波数を需要先と一致させる方法は、前述した実施例と同様な方法が適用できるので、ここで改めて説明するのは割愛する。
【0029】
また、本実施例に関わるガスタービン発電設備において、圧縮機1を二分割構成とする場合は特に、吸気を加湿する手段を取り入れたシステム構成を採用することで、本実施例に関わるガスタービン発電設備の発電効率をより向上させ、発電出力も増大させることが可能である。
【0030】
本発明に関わるガスタービン発電設備において、吸気を加湿する手段を取り入れたシステム構成を適用した一実施例について図3を用いて説明する。
【0031】
図3に示す本実施例では、ガスタービン発電設備の圧縮機1を二分割構成とし、前段圧縮機8へ吸入される空気を加湿・冷却する手段を設けた場合のシステム構成のうち、前段圧縮機8の入口部から後段圧縮機9を経て再生熱交換器11の入口部までの吸気経路部分を示すものである。
【0032】
本実施例におけるガスタービン発電設備の吸気経路部分において圧縮機1を二分割構成とし、前段圧縮機8の空気吸入部に吸気噴霧器12を設けて水24を噴霧し、前段圧縮機8に吸入される空気の加湿・冷却を実施することにより、圧縮機入口温度を低下させ空気流量の増大を図ることができる。ここで、前段圧縮機8および後段圧縮機9を同一回転軸上に設けてもよいが、図2に示したガスタービン発電設備の構成と同様に異なる回転軸上に設けてもよい。またこの場合、圧縮機1を必ずしも前段圧縮機8と後段圧縮機9の二分割構成とする必要はなく、図1に示したガスタービン発電設備における圧縮機と同様な構成としてもよい。
【0033】
次に、吸気を加湿する手段を取り入れたシステム構成を適用した別の実施例について図4を用いて説明する。
【0034】
図4は圧縮機1を二分割構成とし、前段圧縮機8により圧縮された吸気を加湿・冷却する手段を設けた場合のシステム構成のうち、前段圧縮機8の入口部から後段圧縮機9を経て再生熱交換器11の入口部までの吸気経路部分を示すものである。
【0035】
本実施例では、吸気経路部分において圧縮機1を二分割構成とし、前段圧縮機8と後段圧縮機9の間に中間噴霧器13を設けて水24を噴霧し、前段圧縮機8により圧縮された吸気の加湿・冷却を実施することにより、後段圧縮機9で吸気をより高圧まで圧縮するのに伴う吸気の温度上昇を抑えて、高圧力部分での圧縮動力の低減を図ることができる。ここで、前段圧縮機8および後段圧縮機9を同一回転軸上に設けてもよいが、図2に示したガスタービン発電設備の構成と同様に異なる回転軸上に設けてもよい。
【0036】
次に、本発明に関わるガスタービン発電設備において、吸気を加湿する手段を取り入れたシステム構成を適用した別の実施例について図5を用いて説明する。
【0037】
図5は本発明に関わるガスタービン発電設備の圧縮機1を二分割構成とし、後段圧縮機9により圧縮された吸気を加湿・冷却する手段を設けた場合のシステム構成のうち、前段圧縮機8の入口部から後段圧縮機9を経て再生熱交換器11の入口部までの吸気経路部分を示すものである。
【0038】
本発明に関わるガスタービン発電設備の吸気経路部分において圧縮機1を二分割構成とし、後段圧縮機9の吐出部に加湿器14を設けて水24を噴霧し、後段圧縮機9により圧縮された吸気の加湿・冷却を実施することにより、再生熱交換器11へ流入する吸気の温度を低下させ、再生熱交換器11における熱交換量を増大し、更なる発電効率の向上を図ることができる。ここで、前段圧縮機8および後段圧縮機9を同一回転軸上に設けてもよいが、図2に示したガスタービン発電設備の構成と同様に異なる回転軸上に設けてもよい。またこの場合は、圧縮機1を必ずしも前段圧縮機8と後段圧縮機9の二分割構成とする必要はなく、図1に示したガスタービン発電設備における圧縮機と同様な構成としてもよい。
【0039】
本実施例において、吸気を加湿する手段を取り入れたシステム構成は、図3,図4および図5に示したように吸気経路部分を変更することで実現できる。なお、図3,図4および図5に示したそれぞれの吸気を加湿する手段は、それぞれを単独で使用してもよいが、吸気噴霧器12と中間噴霧器13および加湿器14,吸気噴霧器12と中間噴霧器13,中間噴霧器13と加湿器14,吸気噴霧器12と加湿器14のように組み合わせて使用してもよい。
【0040】
次に、図1に示した本発明に関わるガスタービン発電設備の構成を採用した場合と、アイ・ジー・ティー・アイ、グローバル ガス タービン ニュース、ボリューム39、ナンバー1(1999年)第4頁から第8頁(IGTI,Global Gas Turbine News,Volume 39,No.1(1999),PP4−8)にて紹介された従来技術に関わるガスタービン発電設備の構成を採用した場合において、熱バランス計算を行い、計算より得られた発電出力および発電効率を、本発明に関わるガスタービン発電設備と、従来技術に関わるガスタービン発電設備とで比較した結果を図6に示す。
【0041】
なお、ここでの熱バランス計算では、本実施例のガスタービン発電設備と従来技術に関わるガスタービン発電設備とを同一条件の下で比較するため、実施例のガスタービン発電設備においては第一発電機6を発電機として用いない構成とし、アイ・ジー・ティー・アイ、グローバル ガス タービン ニュース、ボリューム39、ナンバー1(1999年)第4頁から第8頁(IGTI,Global Gas Turbine News,Volume 39,No.1(1999),PP4−8)にて紹介された従来技術に関わるガスタービン発電設備においては排熱回収器を備えず、可変変速機をインバーターに置換えた構成とした。また、空気流量,外気温度,外気圧力,圧縮機効率,圧縮比,再生熱交換器温度効率,燃焼器燃焼効率,第一タービンおよび第二タービンそれぞれのタービン効率および膨張比,発電機効率,インバーター効率は全て同一値を用い、第一タービンおよび第二タービンのタービン入口温度はともに910℃とし、第一タービン排気ガス温度は729℃とした。なお、計算を簡略化するため作動流体および燃料である灯油の比熱は一定とし、圧力損失は無視した。
【0042】
この計算結果によれば、本実施例のガスタービン発電設備を従来技術に関わるガスタービン発電設備と比較した場合、発電出力が18%増大し、発電効率では29%向上する。
【0043】
これは、本実施例のガスタービン発電設備では、第一タービンからの排気ガス温度が高温であるため、第一タービンからの排気ガスを再び燃焼するのに必要な燃料が比較的少量で済むことと、第二燃焼器で加えた熱エネルギーを再生熱交換器により回収するため再生熱交換量が増大することが要因である。
【0044】
次に、上記で説明した本実施例のガスタービン発電設備の運用方法について以下に説明する。
【0045】
ガスタービン発電設備を運用する方法の実施例として、次に説明するような運用方法がある。
【0046】
本実施例のガスタービン発電設備において、第一燃焼器2で使用する第一燃料22には失火などにより発電が停止することを避けるため、燃焼安定性が確保できる燃料、例えば天然ガスないし石油などを用いる。入口ガス温度が900〜1050℃である第一タービン3の排気ガスは温度が600℃以上であり、酸素濃度が低く、かつ二酸化炭素や水蒸気などの不活性ガスを多く含んでおり、低NOx燃焼安定性が比較的容易に確保できる状態にある。さらに、例え第二燃焼器4で失火した場合、最低でも第一発電機6による出力電力は確保できるので、発電停止には至らない。従って、例えば石炭ガス化ガス,残し油改質ガスおよび木材乾溜ガスのような低カロリーガスを第二燃料23として用いる運用方法を採用することが可能である。ただし、第二燃焼器4で失火した場合は、発電効率に加え発電出力も低下してしまうので、例えば、系統と連結して使用し、要求負荷電力に対する発電出力の不足分電力は系統から購入できる場合のように需要先が制限される。
【0047】
ここで、第二燃焼器4における燃焼安定性をより容易に確保するため、図7に示したガスタービン発電設備の構成のように、外部より空気を吸入し圧縮する補助圧縮機15を、第一タービン3及び第二発電機10が設けられた軸上に設け、補助圧縮機15により圧縮された空気を第一タービン3からの排気と供に第二燃焼器4に流入させてもよい。なお、補助圧縮機15の吸気25として、外気の代わりにトルエンやベンゼン等の揮発性有機化合物を含む汚染された空気を用いてもよい。
【0048】
本発明に関わるガスタービン発電設備を運用する方法の別の実施例として、次に説明するような運用方法がある。
【0049】
本実施例のガスタービン発電設備の出力電力を、需要先の負荷変動に追従して運転する場合、第一燃焼器2で使用する燃料22の流量は一定とし、第二燃焼器4で使用する第二燃料23の流量を調節することで第二タービン5の出力を調節し、ガスタービン発電設備自体の出力電力を変化させて運用する。すなわち、第一発電機6で需要先の最低負荷は満足しておき、需要先の負荷の増加に応じて第二発電機10の出力電力を第一発電機6の出力電力に加えることにより、ガスタービン発電設備自体の出力電力を変化させる。
【0050】
以上述べてきたように、本実施例のガスタービン発電設備において、ともに900〜1050℃を最高のタービン入口ガス温度とする第一タービンと第二タービンとの間に、第一タービンの排気ガスと燃料とを混合・燃焼し、第二タービン入口ガス温度が最高900〜1050℃になるよう昇温する第二燃焼器を備えることにより、タービン入口温度を900〜1050℃より上昇させること無く発電効率を向上させることができる。
【0051】
また、ともに900〜1050℃を最高のタービン入口ガス温度とする第一タービンと第二タービンとの間に、600℃以上の温度を保持した酸素濃度の低い第一タービンの排気ガスと燃料とを燃焼する第二燃焼器を備え、失火が即発電停止に繋がらないシステム構成とすることにより、燃焼安定性を確保するのが比較的困難な石炭ガス化ガス,残し油改質ガスおよび木材乾溜ガスなどの低カロリーガスでも燃料に使用できる。
【0052】
また、二軸構成の再生式ガスタービンを用いたガスタービン発電設備において、第二燃焼器で加えた熱エネネルギーを再生熱交換器により回収して再生熱交換量を増大させることにより、タービン入口温度をより高温にすること無く、発電効率を向上させることができる。
【0053】
よって、本実施例によれば、タービン入口温度を900〜1050℃より上昇させること無く、発電効率を向上させることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、タービン入口温度をより高温にすること無く発電効率を向上させると供に、燃料の多用化にも対応したガスタービン発電設備を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である再生再熱式ガスタービン発電設備のシステム構成例。
【図2】本発明の他の実施例である二分割構成の圧縮機を備えた再生再熱式ガスタービン発電設備のシステム構成例。
【図3】本発明の他の実施例である吸気噴霧器を備えた再生再熱式ガスタービン発電設備の吸気経路部分の構成例。
【図4】本発明の他の実施例である二分割構成の圧縮機を備えた再生再熱式ガスタービン発電設備に中間噴霧器を設けた場合の吸気経路部分の構成例。
【図5】本発明の他の実施例である加湿器を備えた再生再熱式ガスタービン発電設備の吸気経路部分の構成例。
【図6】本発明の他の実施例であるガスタービン発電設備と従来技術に関わるガスタービン発電設備の発電出力および発電効率の比較。
【図7】本発明の他の実施例である補助圧縮機を備えた再生再熱式ガスタービン発電設備のシステム構成例。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…第一燃焼器、3…第一タービン、4…第二燃焼器、5…第二タービン、6…第一発電機、7…インバーター、8…前段圧縮機、9…後段圧縮機、10…第二発電機、11…再生熱交換器、12…吸気噴霧器、13…中間噴霧器、14…加湿器、15…補助圧縮機、21…空気、22,23…燃料、24…水、25…補助圧縮機吸気、31…第一回転軸、32…第二回転軸。
Claims (8)
- 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された空気と第一の燃料とを燃焼する第一燃焼器と、該第一燃焼器で発生する燃焼ガスを膨張させ回転動力を取り出し前記圧縮機を駆動する第一タービンと、該第一タービンと同一軸上に設けられ前記第一タービンにより駆動され発電を行う第一発電機と、前記第一タービンとは異なる回転軸上に設けられ前記第一タービンの排気ガスを膨張させ回転動力を取り出す第二タービンと、該第二タービンからの排気と前記圧縮機からの吐出空気との間で熱交換を行う再生熱交換器と、前記第二タービンと同一軸上に設けられ前記第二タービンにより駆動され発電を行う第二発電機と、前記第一発電機により発電された発電周波数と、前記第二発電機により発電された発電周波数のそれぞれを系統と一致させるインバーターとを備えたガスタービン発電設備において、前記第一タービンと前記第二タービンとの間に、第一タービンの排気ガスと第二燃料とを燃焼する第二燃焼器を備えたことを特徴とするガスタービン発電設備。
- 外部より空気を吸入し圧縮する前段圧縮機と、該前段圧縮機とは異なる回転軸上に設けられ前記前段圧縮機の吐出空気をさらに圧縮する後段圧縮機と、該後段圧縮機により圧縮された空気と第一燃料とを燃焼する第一燃焼器と、該第一燃焼器で発生する燃焼ガスを膨張させ回転動力を取り出し前記後段圧縮機を駆動する第一タービンと、該第一タービンと同一軸上に設けられ前記第一タービンにより駆動され発電を行う第一発電機と、前記第一タービンとは異なる回転軸上に設けられて前記第一タービンの排気ガスを膨張させ回転動力を取り出し前記前段圧縮機を駆動する第二タービンと、該第二タービンからの排気と前記後段圧縮機からの吐出空気との間で熱交換を行う再生熱交換器と、前記第二タービンと同一軸上に設けられ前記第二タービンにより駆動され発電を行う第二発電機と、前記第一発電機により発電された発電周波数と、前記第二発電機により発電された発電周波数のそれぞれを系統と一致させるインバーターとを備えたガスタービン発電設備において、前記第一タービンと前記第二タービンとの間に、第一タービンの排気ガスと第二燃料とを燃焼する第二燃焼器を備えたことを特徴とするガスタービン発電設備。
- 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された空気と第一燃料とを燃焼する第一燃焼器と、該第一燃焼器で発生する燃焼ガスを膨張させ回転動力を取り出し前記圧縮機を駆動し900〜1050℃を最高のタービン入口ガス温度とする第一タービンと、該第一タービンと同一軸上に設けられ前記第一タービンにより駆動され発電を行う第一発電機と、600℃以上の温度を保持した第一タービンの排気ガスと第二燃料とを燃焼する第二燃焼器と、前記第一タービンとは異なる回転軸上に設けられて前記第二燃焼器で発生する燃焼ガスを膨張させ回転動力を取り出し、900〜1050℃を最高のタービン入口ガス温度とする第二タービンと、該第二タービンからの排気と前記圧縮機からの吐出空気との間で熱交換を行う再生熱交換器と、前記第二タービンと同一軸上に設けられ前記第二タービンにより駆動され発電を行う第二発電機と、前記第一発電機により発電された発電周波数と、前記第二発電機により発電された発電周波数のそれぞれを系統と一致させるインバーターとを備えたガスタービン発電設備において、前記第二タービンおよび前記第二発電機と同一軸上に設けられ、外気または揮発性有機化合物を含む空気を吸入・圧縮して前記第二燃焼器に供給する補助圧縮機を備えたことを特徴とするガスタービン発電設備。
- 請求項1または請求項2に記載したガスタービン発電設備において、前記圧縮機入口または前記前段圧縮機入口において水を噴霧し、前記圧縮機または前記前段圧縮機への吸入空気を加湿・冷却する手段を設けたことを特徴とするガスタービン発電設備。
- 請求項2に記載したガスタービン発電設備において、前記前段圧縮機と前記後段圧縮機の間において水を噴霧し、前記前段圧縮機により圧縮された空気を加湿・冷却する手段を設けたことを特徴とするガスタービン発電設備。
- 請求項1または請求項2に記載したガスタービン発電設備において、前記圧縮機吐出部または前記後段圧縮機吐出部において水を噴霧し、前記圧縮機または前記後段圧縮機により圧縮された空気を加湿・冷却する手段を設けたことを特徴とするガスタービン発電設備。
- 請求項1から3の何れかに記載したガスタービン発電設備において、前記第一燃焼器で燃焼させる前記第一燃料を、前記第二燃焼器で燃焼させる第二燃料よりカロリーが高い燃料としたことを特徴とするガスタービン発電設備。
- 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された空気と第一燃料とを燃焼する第一燃焼器と、該第一燃焼器で発生する燃焼ガスを膨張させ回転動力を取り出し前記圧縮機を駆動し900〜1050℃を最高のタービン入口ガス温度とする第一タービンと、該第一タービンと同一軸上に設けられ前記第一タービンにより駆動され発電を行う第一発電機と、600℃以上の温度を保持した第一タービンの排気ガスと第二燃料とを燃焼する第二燃焼器と、前記第一タービンとは異なる回転軸上に設けられて前記第二燃焼器で発生する燃焼ガスを膨張させ回転動力を取り出し、900〜1050℃を最高のタービン入口ガス温度とする第二タービンと、該第二タービンからの排気と前記圧縮機からの吐出空気との間で熱交換を行う再生熱交換器と、前記第二タービンと同一軸上に設けられ前記第二タービンにより駆動され発電を行う第二発電機と、前記第一発電機により発電された発電周波数と、前記第二発電機により発電された発電周波数のそれぞれを系統と一致させるインバーターとを備えたガスタービン発電設備の運転方法において、前記第一燃焼器で使用する燃料流量は一定とし、前記第二燃焼器で使用する燃料流量を調節することで前記第一発電機および前記第二発電機の発電出力を変化させることを特徴とするガスタービン発電設備の運転方法。
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JP2001277419A JP3951652B2 (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | ガスタービン発電設備 |
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