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JP3945217B2 - 乗用型作業機 - Google Patents

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JP3945217B2
JP3945217B2 JP2001329443A JP2001329443A JP3945217B2 JP 3945217 B2 JP3945217 B2 JP 3945217B2 JP 2001329443 A JP2001329443 A JP 2001329443A JP 2001329443 A JP2001329443 A JP 2001329443A JP 3945217 B2 JP3945217 B2 JP 3945217B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、操向用前輪の直進状態から所定角以上の操向作動によって、左右後輪の伝動を入り切りする左右サイドクラッチのうち旋回内側のものを切り作動させる旋回連繋機構を設けると共に、ペダルの踏込み操作により左右後輪ブレーキを制動するように構成した乗用型田植機等の乗用型作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、特開2000−350507号公報に示すように、操向用前輪の直進状態から所定角以上の操向作動によって左右後輪の旋回内側のものを制動する旋回連繋機構を設けた乗用型田植機がある。この乗用型田植機では、前輪に対する操向操作を行うだけで、旋回内側の後輪を制動させて小回り旋回を操作性良く行える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然乍ら、上記従来技術に示す乗用型田植機は、左右後輪を軸支する後部ケースに左右後輪の制動装置を設けた構成であって、機体前部にある前輪の操向機構とは機体前後方向に非常に離れたものとなっている為に、前輪の操向機構と左右後輪の制動装置とを連繋する機構が機体前後方向に長いものとなり、その作動精度を上げる為に連繋機構の強度を上げる必要があって、機体の重量が重くなるという課題と、また、連繋機構が機体前後方向に長いものである為に、他の構成部材との干渉等の恐れがあり、故障の発生等の課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、ステアリングハンドル(16)の操作に伴うステアリング軸の回転をミッションケース(11)内に設けたステアリング変速歯車を介して出力軸(174)へ伝動し、該出力軸(174)の下端をミッションケース(11)底面から突出させて該出力軸(174)の下端にピットマンアーム(175)を固定し、該ピットマンアーム(175)の前部左右側と左右前輪支持ケース(22)とを左右ロッド(176)にて連結した構成として、ステアリングハンドル(16)の回動操作で左右前輪(6)を左右操向操作する構成とし、前記ミッションケ−ス(11)に左右後輪(7)への伝動を各別に入り切りする左右サイドクラッチ(I)と左右後輪(7)を制動する左右後輪ブレーキ(J)とを設け、ステアリングハンドル(16)の操作による前輪(6)の直進状態から設定角以上の操向作動に伴って、左右後輪(7)の旋回内側のサイドクラッチ(I)を切り作動させる旋回連繋機構(A)を設けると共に、ステアリングハンドル(16)の下方付近に設けたペダル(140)にて連繋機構(B)を介して左右後輪ブレーキ(J)及びメインクラッチ(43)を作動させる乗用型作業機においてステアリングハンドル(16)及びペダル(140)の下方付近にミッションケ−ス(11)を配置し、前記旋回連繋機構(A)は、ピットマンアーム(175)に設けた作動ローラ(177)と、該作動ローラ(177)の左右両側を囲むように平面視でコ字状に切り欠かれた切欠き部(178)を有する従動体(179)と、該従動体(179)の左右両側部と左右サイドクラッチIの左右クラッチ操作アーム(86I)とを連結する左右ロッド(180)とを備え、前記従動体(179)をミッションケース(11)の底面に回動自在に支持し、ステアリングハンドル(16)を所定量以上操作すると、前記作動ローラ(177)が前記切欠き部(178)の側面(178a,178b)を押して従動体(179)を回動させて左右一方のロッド(180)を引き、左右一方のサイドクラッチ(I)を切り作動させる構成とし、前記連繋機構(B)は、ペダル(140)の踏込操作で一体回動するブレーキ作動アーム(143)並びに回動支軸(142)と、該ブレーキ作動アーム(143)と右アーム(146R)とを連結するブレーキ用の作動ロッド(144)と、前記右アーム(146R)並びに左アーム(147L)を固定する回動自在に支持されたカウンター軸(145)と、前記該右アーム(146R)並びに左アーム(147L)と左右後輪ブレーキ(J)の左右ブレーキ操作アーム(86J)とを連結する左右連結ロッド(147L、147R)と、前記回動支軸(142)に固定されるアーム(148)と、該アーム(148)の先端部に設けたメインクラッチ作動カムローラ(148a)に押されて作動するクラッチカム(149)と、該クラッチカム(149)とメインクラッチ(43)のアーム(152)とを連結するクラッチ用の作動ロッド(150)とを備え、ペダル(140)の踏込操作でメインクラッチ(43)を切操作されるまでは左右後輪ブレーキ(J)は作動せず、更なるペダル(140)の踏込操作で、前記メインクラッチ作動カムローラ(148a)がクラッチカム(149)を殆ど作動させずに、左右後輪ブレーキ(J)が作動する構成とした乗用型作業機としたものである。
【0005】
従って、機体旋回の為に、ステアリングハンドル(16)を操作して前輪(6)を直進状態から設定角以上に操向すると、左右後輪(7)の旋回内側のサイドクラッチ(I)が旋回連繋機構(A)により自動的に切り作動されて、旋回内側の後輪(7)が遊転状態となるので、旋回内側の後輪(7)が耕盤を傷めることなく、また、泥土を多量に持ち上げて泥面を荒してしまうようなこともなく、旋回がスムーズできれいにでき、また、小回り旋回を操作性良く行える。また、ペダル(140)の踏込み操作にて連繋機構(B)を介して左右後輪ブレーキ(J)及びメインクラッチ(43)を作動させて、機体を停止させることができる。そして、ステアリングハンドル(16)及びペダル(140)の下方付近にミッションケ−ス(11)を配置したので、ステアリングハンドル(16)にて操作される部材と左右後輪(7)の左右サイドクラッチ(I)とを近くに配置でき、且つ、ペダル(140)と左右後輪ブレーキ(J)とを近くに配置できることとなり、旋回連繋機構(A)及び連繋機構(B)を簡潔で軽量コンパクトな構成にすることができ、各部材の組立て誤差等も少なくなって性能の良い機構を得ることができて、良好な機体旋回及び機体の停止が行なえ、作業が良好に行なえる。
【0006】
また、ペダル(140)を踏込操作すると、すぐにメインクラッチ(43)が切操作されるが、左右後輪ブレーキ(J)は作動しない。そして、更にペダル(140)を踏込操作すると、前記メインクラッチ作動カムローラ(148a)がクラッチカム(149)を殆ど作動させずに、左右後輪ブレーキ(J)が作動する。
【0007】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、ステアリングハンドル16を操作して前輪6を直進状態から設定角以上に操向すると、左右後輪7の旋回内側のサイドクラッチIが旋回連繋機構Aにより自動的に切り作動されて、旋回内側の後輪7が遊転状態となるので、旋回内側の後輪7が耕盤を傷めることなく、また、泥土を多量に持ち上げて泥面を荒してしまうようなこともなく、旋回がスムーズできれいにでき、また、小回り旋回を操作性良く行える。また、ペダル140の踏込み操作にて連繋機構Bを介してメインクラッチ43及び左右後輪ブレーキJを作動させて、機体を停止させることができる。そして、ステアリングハンドル16及びペダル140の下方付近にミッションケ−ス11を配置したので、ステアリングハンドル16にて操作される部材と左右後輪7の左右サイドクラッチIとを近くに配置でき、且つ、ペダル140と左右後輪ブレーキJとを近くに配置できることとなり、旋回連繋機構A及び連繋機構Bを簡潔で軽量コンパクトな構成にすることができ、各部材の組立て誤差等も少なくなって性能の良い機構を得ることができて、良好な機体旋回及び機体の停止が行なえ、作業が良好に行なえる。
【0008】
また、ペダル140の踏込操作でメインクラッチ43を切操作されるまでは左右後輪ブレーキJは作動せず、更なるペダル140の踏込操作で、前記メインクラッチ作動カムローラ148aがクラッチカム149を殆ど作動させずに、左右後輪ブレーキJが作動する構成としたので、ペダル140を踏込操作する力は、最初はメインクラッチ43を切操作するだけで、メインクラッチ43が切操作された後は左右後輪ブレーキJを作動させるだけとなり、非常に軽い踏込力でよくて、操作性が非常に良い。
【0009】
従って、簡潔な構成で、適切な機体の旋回及び停止が行えて、能率良く作業が行え、従来技術の課題を解消することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施例である8条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。走行車両1に昇降用リンク装置2で作業装置の一種である田植装置3を装着すると共に施肥装置4を設け、全体で乗用施肥田植機として構成されている。走行車両1は、駆動輪である左右各一対の前輪6,6および後輪7,7を有する四輪駆動車両である。
【0011】
メインフレーム10の上にミッションケース11とエンジン12が前後に配設されており、該ミッションケース11の後部上面に油圧ポンプ13が一体に組み付けられ、またミッションケース11の前部からステアリングポスト14が上方に突設されている。
【0012】
そして、ステアリングポスト14の上端部にステアリングハンドル16と操作パネル17が設けられている。機体の上部には操縦用のフロアとなるステップ19が取り付けられ、エンジン12の上方部に操縦席20が設置されている。前輪6,6は、ミッションケース11の側方に変向可能に設けた前輪支持ケース22,22に軸支されている。また、後輪7,7は、ローリング杆23の左右両端部に一体に取り付けた後輪支持ケース24,24に軸支されている。ローリング杆23はメインフレーム10の後端部に突設したローリング軸25で進行方向と垂直な面内で回動自在に支持されている。
【0013】
エンジン12の回転動力は、ベルト31を介して油圧ポンプ13の駆動軸であるカウンタ軸32に伝えられ、さらに該カウンタ軸からベルト33を介して油圧式変速装置HSTの入力軸35に伝えられ、油圧式変速装置HSTの出力軸36からベルトを介してミッション入力軸34に伝えられる。尚、ミッション入力軸34上には、メインクラッチ43が設けられており、油圧式変速装置HSTの駆動力はメインクラッチ43を介してミッション入力軸34に伝動される。メインクラッチ43は周知の多板クラッチであり、図中の44はメインクラッチ軸側の摩擦板、45はミッション入力軸側の摩擦板、46は両摩擦板を押し付けるスプリング、47,48は切替操作用の固定部材と摺動部材である。
【0014】
ミッションケース11のケーシング40の前部には、ミッション入力軸34、カウンタ軸50、走行一次軸51、走行二次軸52、植付一次軸53、植付二次軸54がそれぞれ平行に支承されている。ミッション入力軸34のギヤG1とカウンタ軸50のギヤG2、およびギヤG2と走行一次軸51のギヤG3がそれぞれ互いに噛合しており、ミッション入力軸34の回転が走行一次軸51に順方向に伝えられる。
【0015】
主変速装置Bとして、走行一次軸51に前記ギヤG3とギヤG4がそれぞれ定位置に嵌着され、走行二次軸52に互いに一体に成形されたギヤG5,G6が軸方向に摺動自在に嵌合している。シフタ56でギヤG5,G6を移動させ、ギヤG4,G5が噛合すると低速の作業速、ギヤG3とギヤG4が噛合すると高速の路上走行速になる。また、植付一次軸53にはギヤG4に常時噛合するギヤG7とバックギヤG8が嵌着されており、ギヤG6をバックギヤG8に噛合させると後進速になる。ギヤG5,G6がいずれのギヤとも噛合しない位置がニュートラルになる。この主変速装置Bの操作するチェンジレバー90は操作パネル17に設けられている。
【0016】
また、株間変速装置Cとして、植付一次軸53に互いに一体に成形されたギヤG9,G10が軸方向に摺動自在に嵌合しているとともに、植付二次軸54にギヤG11,G12がそれぞれ取り付けられている。シフタ57でギヤG9,G11を適宜に移動させることにより、ギヤG9とギヤG10、ギヤG10とギヤ11、およびギヤG10とギヤG12の3通りの組み合わせが得られ、3段階の株間切替を行える。植付二次軸54からベベルギヤG13,G14を介して植付部伝動軸58に伝動される。
【0017】
ケーシング40の後部には、リヤアクスル60,60とフロントアクスル61,61が支承され、前記走行二次軸52からリヤデフ装置Dを介してリヤアクスル60,60に伝動されるとともに、リヤデフ装置Dからフロントデフ装置Eを介して左右フロントアクスル61,61に伝動される。そして、左右フロントアクスル61,61により各々左右前輪6,6が駆動回転される構成となっている。
【0018】
リヤデフ装置Dは、走行二次軸52のギヤG15に噛合するギヤG16が外周部に形成された容器63を備え、該容器内の縦軸64に取り付けた一次ベベルギヤG17と左右のリヤアクスル60,60に各別に取り付けた二次ベベルギヤG18,G18とが互いに噛合する状態で収納されており、各アクスルに伝動される駆動力が適宜変動するようになっている。
【0019】
フロントデフ装置Eもリヤデフ装置Dと同様の構成で、図中の65は容器、66は縦軸、G19はリヤデフ装置側のギヤ、G20はフロントデフ装置側のギヤ、G21は縦軸66に取り付けたベベルギヤ、G22はフロントアクスル61に取り付けたベベルギヤである。上記リヤデフ装置Dおよびフロントデフ装置Eにはデフ機能を停止し、左右両アクスルに駆動力が均等に伝動されるようにするデフロック装置F,Hが設けられている。このデフロック装置F(H)は、容器63(64)に形成された爪69(70)とアクスルの角棒部に嵌合するデフロック部材71(72)の爪73(74)とアクスル50(51)を互いに固定するようになっている。この後輪のデフロック装置Fを操作するデフロックレバー91は操作パネル17に設けられている。尚、前輪のデフロック装置Hは、ステップ19に設けたデフロックペダル91'を踏み込むとデフ機能が停止される構成となっている。このデフロックレバー91及びデフロックペダル91'は、共に機体の前部に配置されており、例えば圃場の畦を乗り越えて機体を圃場から出す時等に、操縦者は機体から降りて機体の前方に立って(自分の身体をウエイト代わりにする為に機体の前端部に乗って)機体を前進若しくは後進させてこの畦越えを安全に行うが、この時、左右前輪6,6の何れか又は左右後輪7,7の何れかが空回りした場合に即座に操縦者は機体前部にあるデフロックレバー91及びデフロックペダル91'を容易な姿勢で操作できてデフロック状態にして安全に畦越えを行うことができる。
【0020】
リヤアクスル60,60はベベルギヤG23,G24,…によってサイドクラッチ軸76,76に伝動連結され、さらに該サイドクラッチ軸からリヤ出力軸77,77にサイドクラッチI,Iを介して伝動される。サイドクラッチIは多板クラッチであり、80はサイドクラッチ軸側の摩擦板、81はリヤ出力軸側の摩擦板である。82はリヤ出力軸77に摺動自在に嵌合する作動筒で、板ばね83によって両摩擦板を押し付ける方向に付勢されており、常時はサイドクラッチIが入った状態となっている。シフタ85Iで作動筒82を付勢方向と逆向きに移動させると、サイドクラッチIが切れる。
【0021】
更に、リヤ出力軸77,77には後輪ブレーキ装置J,Jが設けられている。後輪ブレーキ装置Jは、リヤ出力軸77に取り付けたディスク87,…にプレッシャプレート88,…を押し付けて制動するものであり、このプレッシャプレート88,…の作動はシフタ85Jで行う。すなわち、常時はサイドクラッチIが入で、後輪ブレーキ装置Jが掛かっていない状態であり、シフタ85Iを操作して作動筒82を付勢方向と逆向きに移動させるとサイドクラッチIが切れ、シフタ85Jを操作すると後輪ブレーキ装置Jが掛かるのである。これらサイドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jの操作(左右シフタ85I・85Jの操作)は、後述のステップ19上に設けたペダル140で行う。尚、左右シフタ85Iには、左右クラッチ操作アーム86Iの基部が固着されており、左右シフタ85Jには、左右ブレーキ操作アーム86Jの基部が固着されている。
【0022】
リヤ出力軸77,77の後端部はケーシング40外に突出し、この突出端部に前記後輪支持ケース24,24に伝動する左右後輪伝動軸89,89が接続されている。そして、この左右後輪伝動軸89,89により各々左右後輪7,7が駆動回転される構成となっている。
【0023】
チェンジレバー90の操作位置は、後から前方に操作する順に後進速、ニュートラル、作業速、路上走行速となっている。また、デフロックレバー91を前方に操作するとデフロック、後方に操作するとデフオンとなる。
【0024】
従って、圃場内で田植作業を行なう場合には、デフロックレバー91をデフロックにし、チェンジレバーを作業速にシフトし、田植装置3の苗載台に苗を載置し施肥装置4の肥料タンクに粒状肥料入れて、各部を駆動させて前進すると、左右後輪7,7のデフロック装置Fはデフロックされてデフ機能が停止した状態であるので、機体の直進性が良くて良好な田植作業と施肥作業が同時に行なえる。また、路上走行の場合には、リヤデフ装置D及びフロントデフ装置E共にデフ機能が働く状態に操作すれば、安全に走行できる。
【0025】
油圧式変速装置HSTは、操縦席20の右側に設けられたHST操作レバー110にて操作される。機体斜め前方から見た作動説明用斜視図である図5に示すように、HST操作レバー110は、機体に前後方向に軸111にて回動自在に支持された操作レバー基部112に軸113にて左右方向に回動自在に支持されており、クランク状に操作される構成になっている。尚、112aは、操作レバー基部112を操作位置で止める為の一般的な皿バネよりなる付勢機構である。
【0026】
そして、操作レバー基部112は、ロッド114にて機体に回動自在に支持された位置決め軸115のアーム116に連結されている。位置決め軸115には、扇型のカム板117が固定されており、このカム板117には、HST操作レバー110がニュートラル位置Nの時にバネ118にて付勢されているポジションローラ119が嵌入する円弧溝117Nと、HST操作レバー110が前進最大速位置Fの時にバネ118にて付勢されているポジションローラ119が嵌入する円弧溝117Fと、HST操作レバー110が後進最大速位置Rの時にバネ118にて付勢されているポジションローラ119が嵌入する円弧溝117Rとが形成されている。
【0027】
また、位置決め軸115には、HST操作アーム120が設けられており、このHST操作アーム120が油圧式変速装置HSTのトラニオン軸121に固定されたトラニオン操作アーム122にロッド123にて連結されている。
【0028】
従って、HST操作レバー110をニュートラル位置Nにしている時には、カム板117の円弧溝117Nにポジションローラ119が嵌入して、油圧式変速装置HSTはニュートラルに保持されて機体は停止状態である。そして、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから前進最大速位置Fに向けて操作するほど、ロッド114・アーム116・位置決め軸115・HST操作アーム120・ロッド123・トラニオン操作アーム122・トラニオン軸121と連携して作動し、トラニオン軸121が前進方向に徐々に操作されて、機体は徐々に前進速度が速くなる。逆に、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから後進最大速位置Rに向けて操作するほど、ロッド114・アーム116・位置決め軸115・HST操作アーム120・ロッド123・トラニオン操作アーム122・トラニオン軸121と連携して作動し、トラニオン軸121が後進方向に徐々に操作されて、機体は徐々に後進速度が速くなる。
【0029】
一方、機体に前後方向に回動自在に支持されたスロットルレバー130に連結された操作ワイヤー131がエンジン12のアクセル作動機構に連携しており、スロットルレバー130を増速方向に操作すると操作ワイヤー131はイ方向に作動してアクセル作動機構を全開方向に向けて作動させてエンジン12の回転を上げる。そして、この操作ワイヤー131の中途部に係合部材132が固定されており、前記位置決め軸115に上下方向に設けられた2つの上アーム133Rと下アーム133Fに各々連結された操作ワイヤ134R・134Fが共にアクセル連動アーム135の下端に連結され、このアクセル連動アーム135は機体に回動自在に支持され、その上部はフック状部135aになっており係合部材132のエンジン側の操作ワイヤー131を抱き込むように構成されている(フック状部135aは、操作ワイヤー131の外側を自由に移動できるようになっている。換言すると、操作ワイヤー131は、フック状部135aの内側を自由にイ方向及び反イ方向に移動できる構成となっている)。
【0030】
従って、スロットルレバー130を増速及び減速方向に操作すると、操作ワイヤー131を介してエンジン12の回転数を調節できる。一方、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから前進最大速位置F又は後進最大速位置Rに向けて操作するほど、下アーム133F又は上アーム133Rの回動により操作ワイヤ134F・134Rを引いてアクセル連動アーム135のフック状部135aをロ方向に移動させるので、フック状部135aが係合部材132に接当して操作ワイヤー131をイ方向に作動してアクセル作動機構を全開方向に向けて作動させてエンジン12の回転を上げる。即ち、HST操作レバー110にて車速を速くするほど連動して、エンジン12の回転数も上がるように構成されている。従って、HST操作レバー110にて変速操作とエンジン12の回転数の操作が同時に行えるので、操作性が良くて作業効率が良い(スロットルレバー130を操作する必要がない)。また、HST操作レバー110がニュートラル位置Nでスロットルレバー130を最低速に減速した時に、フック状部135aが係合部材132に接当し始める構成となっているので、HST操作レバー110がニュートラル位置Nではスロットルレバー130にて自由にエンジン12の回転数を上下調節でき、HST操作レバー110をニュートラル位置Nから前進最大速位置F又は後進最大速位置Rに向けて途中まで操作しているときには、自動的に連動して上げられたスロットル位置からスロットルレバー130にて自由にエンジン12の回転数を上げることができる。
【0031】
次に、図6乃至図11に基づいて、ペダル140の連携構成を説明する。
140はメインクラッチ43と左右後輪ブレーキ装置Jを共に操作するペダルであって、ステアリングハンドル16の右下側に配置されており、このペダル140を踏み込むとメインクラッチ43が切れ、続いて左右後輪ブレーキJがかかり、機体は停止する。
【0032】
ペダル140の基部に設けたボス部140aは、機体に回動自在に支持された回動支軸142に外嵌され割りピン140bにて固定され、ペダル140を踏込み操作すると回動支軸142も一体に回動するように構成している。そして、ペダル140のボス部140aには、左右ブレーキ作動アーム143の基部が溶接固定されており、該左右ブレーキ作動アーム143の先端には下方に向けて作動ロッド144が設けられている。そして、作動ロッド144の下端は、その下端部に形成された長孔144aを介して機体に回動自在に支持されたカウンター軸145の右端部に溶接して固定されたL字状の右アーム146Rの上部に連結されている。そして、カウンター軸145の左端部には、左アーム146Lが溶接固定されている。
【0033】
そして、右アーム146R・左アーム146Lの各下部から後方に向けて左右連結ロッド147L・147Rが設けられ、各左右連結ロッド147L・147Rの後端は左右後輪ブレーキ装置J,Jを操作する左右シフタ85J,85Jを操作する左右ブレーキ操作アーム86J,86Jに連結されている。
【0034】
一方、回動支軸142の右端部には、アーム148の基部が溶接固定されており、そのアーム148の先端部にはメインクラッチ作動カムローラ(ベアリング)148aが設けられており、ペダル140が踏み込み操作されてアーム148が上動された時に、機体に基部が回動自在に枢支して設けられたクラッチカム149を押し上げ作動させるように設けられている。クラッチカム149の先端には下方に向けて作動ロッド150が設けられ、作動ロッド150の下端は、機体に回動自在に支持されたクラッチシフタ151に設けられたアーム152の先端部に連結されている。そして、クラッチシフタ151は、前記摺動部材48を作動させてメインクラッチ43を入・切操作できる構成になっている。
【0035】
また、クラッチカム149のメインクラッチ作動カムローラ148aが接当する下面149aの形状は、ペダル140が踏み込み操作されてアーム148が上動し始めるとすぐにクラッチカム149を押し上げ作動させてメインクラッチ43を切操作し、メインクラッチ43が切れた後は、メインクラッチ作動カムローラ148aは下面149aの直線部149bを転動するのみで殆どクラッチカム149を上動させないような構成となっている。
【0036】
即ち、操縦者が、ペダル140を踏み込み操作すると、左右ブレーキ作動アーム143・アーム148が上動回動するが、その時、アーム148のメインクラッチ作動カムローラ148aはすぐにクラッチカム149を押し上げ作動させてメインクラッチ43を切操作する。そして、メインクラッチ43が切操作されるまでは、左右ブレーキ作動アーム143が上動回動しても作動ロッド144下端には長孔144aがある為に右アーム146Rは回動されない。メインクラッチ43が切操作された後に、更に、操縦者が、ペダル140を踏み込み操作すると、更に、左右ブレーキ作動アーム143が上動回動して、作動ロッド144にて右アーム146Rは回動し、左右後輪ブレーキJ,Jが作動する。この時、メインクラッチ43が切操作された後は、メインクラッチ作動カムローラ148aはクラッチカム149の下面149aの直線部149bを転動するのみで殆どクラッチカム149を上動させないような構成となっているので、操縦者がペダル140を踏み込み操作する力は、最初はメインクラッチ43を切操作するだけで、メインクラッチ43が切操作された後は左右後輪ブレーキJ,Jを作動させるだけとなり、非常に軽い踏み込み力でよくて、操作性が非常に良い。
【0037】
そして、ペダル140の左右後輪ブレーキJ,Jを作動させる連繋用の作動ロッド144等は機体右側に配置し、メインクラッチ43を操作する連繋用の作動ロッド150等は機体左側に配置して、夫々を機体左右に振り分けて配置したので、簡潔な構成でコンパクトに配置できて、機体の小型化に貢献できる。
【0038】
一方、ペダル140は、踏込んだ任意の位置で固定及び固定解除できる構成となっているので、その構成を説明する。
ペダル140の踏込み面153は、その上部左角部が切り欠かれた形状となっており、その切り欠き部にペダル固定部材154の踏込み面154aが位置するように、ペダル固定部材154がペダル140に枢支軸155にて回動自在に支持されている。尚、ペダル固定部材154の踏込み面154aは、ペダル140の踏込み面153より少し操縦者側に出た配置となっている。
【0039】
そして、ペダル固定部材154には、その踏込み面154aとは反対側の下面にノコギリ状の係合部154bが形成されていると共に、ペダル固定部材154とペダル140との間にはトルクスプリング156が設けられており、常に、ペダル固定部材154下面のノコギリ状の係合部154bが下方に向けて付勢されている。また、機体側には、ペダル固定部材154のノコギリ状の係合部154bが係合する係合板157が固定されており、操縦者がペダル140の踏込み面153を踏込むと、自動的に係合板157の先端157aにペダル固定部材154のノコギリ状の係合部154bが係合して、ペダル140はその踏込んだ位置で自動的に固定される。そして、操縦者がペダル固定部材154の踏込み面154aを踏込むと、トルクスプリング156の付勢力に抗して係合部154bが上動して係合板157の先端157aから係合部154bがはずれ、ペダル140の固定は解除されてペダル140は踏込み前の状態に戻る。尚、158は、ペダル140を最大に踏込んだ時に、ペダル140の踏込み面153の裏面に接当して、ペダル140を止めるゴム材よりなるストッパーである。
【0040】
例えば、圃場にて田植え作業中に苗載台163の苗が残り少なくなって、予備苗載台200に載せた予備苗を供給するために、ペダル140を踏込めば、メインクラッチ43が切操作されて左右後輪ブレーキJ,Jが作動して機体は停止し、ペダル140はペダル固定部材154にて自動的にその踏込み状態で固定されるので、直ちに、操縦者は操縦席20を離れて苗供給作業が行なえ作業性が良い。そして、苗供給を終えると、操縦者は操縦席20に座って、ペダル固定部材154の踏込み面154aを踏込むと、トルクスプリング156の付勢力に抗して係合部154bが上動して係合板157の先端157aから係合部154bがはずれ、ペダル140の固定は解除されてペダル140は踏込み前の状態に戻り、すぐに、田植え作業を続行できて作業能率が良い。
【0041】
また、走行時に、単に機体を止めるだけの時は(路上走行時等)、ペダル140の踏込み面153とペダル固定部材154の踏込み面154aとを同時に踏込めば、ペダル140の固定は行なわれないので、踏込みを止めれば即座に発進できる。
【0042】
次に、田植装置3は、走行車両1に昇降用リンク装置2で昇降自在に装着されているのであるが、その昇降させる構成と田植装置3の構成について説明する。先ず、走行車両1に基部が回動自在に設けた一般的な油圧シリンダー160のピストン上端部を昇降用リンク装置2に連結し、走行車両1に設けた油圧ポンプ13にてソレノイド油圧バルブ161を介して油圧シリンダー160に圧油を供給・排出して、油圧シリンダー160のピストンを伸進・縮退させて昇降用リンク装置2に連結した田植装置3が上下動されるように構成されている。
【0043】
田植装置3は、昇降用リンク装置2の後部にローリング軸を介してローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース162と、該植付伝動ケース162に設けられた支持部材に支持されて機体左右方向に往復動する苗載台163と、植付伝動ケース162の後端部に装着され前記苗載台163の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具164…と、植付伝動ケース162の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート165・サイドフロート166…等にて構成されている。センターフロート165・サイドフロート166…は、圃場を整地すると共に苗植付け具164…にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。
【0044】
167は両端にユニバーサルジョイントを有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース168の動力を田植装置3の植付伝動ケース162に伝達すべく設けている。169はセンターフロート165前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成されるセンターフロートセンサーであって、センターフロート165の前部上面とリンクにより連携されている。そして、センターフロートセンサー169のセンターフロート165前部の上下位置検出に基づいて、制御装置170の田植装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ161を制御して油圧シリンダー160にて田植装置3の上下位置を制御するように構成されている。
【0045】
即ち、センターフロート165の前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ13にてミッションケース11内から汲み出された圧油を油圧シリンダー160に送り込んでピストンを突出させ昇降用リンク装置2を上動させて田植装置3を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート165の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー160内の圧油をミッションケース11内に戻して昇降用リンク装置2を下動させて田植装置3を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート165の前部が適正範囲にあるとき(田植装置3が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー160内の圧油の出入りを止めて田植装置3を一定位置に保持せしめるべく設けられている。このように、センターフロート165を田植装置3の自動高さ制御のための接地センサーとして用いている。
【0046】
171は操縦ハンドル10の下方に配置されたフィンガーレバーであって、該フィンガーレバー171を上下方向に操作するとポテンショメータにより構成されるフィンガーレバースイッチ172が作動されて、制御装置170のPTOクラッチ作動手段によりPTOクラッチ作動SOL173を操作して、施肥駆動ケース168内に設けられた動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置4及び田植装置3への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置170の田植装置昇降手段により、ソレノイド油圧バルブ161を操作して手動にて田植装置3を上下動できるように構成されている。
【0047】
即ち、フィンガーレバー171を「上」に操作すると、PTOクラッチが切れ施肥装置4及び田植装置3の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ161が強制的に田植装置3を上昇する側に切換えられる。
【0048】
そして、フィンガーレバー171を「上」に操作した後に、フィンガーレバー171を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ161がセンターフロート165の上下動にて切換えられる自動制御状態となり、田植装置3が上昇された状態であればセンターフロート165が接地して適正姿勢になるまで田植装置3は下降する。更にもう一回、フィンガーレバー171を「下」に操作すると、ソレノイド油圧バルブ161がセンターフロート165の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置4及び田植装置3が駆動される。以降、フィンガーレバー171を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ161がセンターフロート165の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。
【0049】
ここで、走行車両1に対して田植装置3をピッチング作動させるピッチング機構について、説明する。
昇降用リンク装置2の上部リンク2aの途中に油圧式のピッチングシリンダ210を設けて、該ピッチングシリンダ210の伸縮動によって上部リンクの長さが変更されて、田植装置3を走行車両1に対して駆動ピッチング動できるようにしてある。構成を詳述すると、前上部リンク2aを中空の角パイプ材にて構成し、後上部リンク2bの前端に固定した嵌合部材2cを前上部リンク2aの後端部に摺動自在に嵌入した状態とし、前上部リンク2aに固定したピッチングシリンダ210の進退するピストン210a先端を後上部リンク2b側に固定している。従って、ピッチングシリンダ210に圧油が供給・排出されてピストン210aが進退することにより、後上部リンク2bの前端に固定した嵌合部材2cが前上部リンク2aの後端部内で摺動し、上部リンクの長さが変更される。
【0050】
一方、走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサ211をメインフレーム10上に設け、走行車両1の前後傾斜姿勢の変化に拘わらずに田植装置3の圃場面に対する前後傾斜姿勢を所定の姿勢に維持するように、傾斜センサ21の検出情報に基づいて制御装置170のピッチング制御手段によりピッチングシリンダ15の制御弁212を切換作動させる。
【0051】
従って、田植装置3が所定の姿勢となるように強制ピッチング動される。例えば、泥面及び硬盤が水平な圃場での正規の走行状態から、前輪6が凹部に落ち込んで走行車両1が大きく前下がり傾斜する場合には、ピッチングシリンダ210を伸長駆動させて上部リンクの長さを長くすることにより、田植装置3の前下がり移動を相殺して田植装置3を所定の姿勢に維持する。逆に、前輪6が凸部に乗り上がる等して走行車両1が大きく前上がり傾斜する場合には、ピッチングシリンダ210を短縮駆動させて上部リンクの長さを短くすることにより、田植装置3の前上がり移動を相殺して田植装置3を所定の姿勢に維持する。
【0052】
ここで、ステアリングハンドル16にて前輪6,6が操向操作される部分の構成について図8・図12に基づいて説明する。
ステアリングハンドル16は、ステアリングポスト14内に設けられたステアリング軸上部に固定されており、ステアリング軸の回転はミッションケース11内に設けられたステアリング変速歯車を介して減速されて出力軸174に伝動される。そして、出力軸174の下端は、ミッションケース11底面から突出してピットマンアーム175が固定されている。ピットマンアーム175の前部左右側と左右前輪支持ケース22,22とは左右ロッド176,176にて連結されている。従って、ステアリングハンドル16を回動操作すると、ステアリング軸・ステアリング変速歯車・出力軸174・ピットマンアーム175・左右ロッド176,176・左右前輪支持ケース22,22へと伝達されて、左右前輪6,6が左右操向操作される。
【0053】
一方、ピットマンアーム175の後部上面には、作動ローラ177が回転自在に設けられており、その作動ローラ177の左右両側を囲むように平面視でコ字状に切り欠かれた切欠き部178を有する従動体179がミッションケース11の底面に回動自在に支持されている。そして、従動体179の左右両側部には、前記左右クラッチ操作アーム86I,86Iに連結された左右ロッド180,180の前部が連結されている。従って、ステアリングハンドル16を所定量(機体を右旋回させる意思を持って作業者が右に回す量)以上右に回すと、ピットマンアーム175も右回動し作動ローラ177がハ方行に回動し従動体179の切欠き部178の左側面178aを押す為に、従動体179を二方向に回動させ右ロッド180を引き、右クラッチ操作アーム86Iが操作されて右サイドクラッチIが切れ、旋回中心側の右後輪7が遊転状態となるので、右後輪7が耕盤を傷めることなく、また、泥土を多量に持ち上げて泥面を荒してしまうようなこともなく、右旋回がスムーズできれいにできる。逆に、ステアリングハンドル16を所定量以上左に回すと、ピットマンアーム175も左回動し作動ローラ177が反ハ方行に回動し従動体179の切欠き部178の右側面178bを押す為に、従動体179を反二方向に回動させ左ロッド180を引き、左クラッチ操作アーム86Iが操作されて左サイドクラッチIが切れ、旋回中心側の左後輪7が遊転状態となるので、左後輪7が耕盤を傷めることなく、また、泥土を多量に持ち上げて泥面を荒してしまうようなこともなく、左旋回がスムーズできれいにできる。
【0054】
更に、ピットマンアーム175の前部上面には、左右センサ押片182、182が設けられており、ステアリングハンドル16を左右何れかに200度回転させると、ミッションケース11の底面に固定されたオートリフトスイッチ183がONになる(ステアリングハンドル16は左右に最大360度〜400度回転する)。
【0055】
次に、田植装置3を自動的に上昇させる制御構成について説明する。
先ず、チェンジレバー90を後進速に操作すると、チェンジレバー90の基部に設けた接当片190が接当してONになるバックリフトスイッチ191が設けられており、制御装置170の田植装置上昇手段によりソレノイド油圧バルブ161を制御して油圧シリンダー160にて田植装置3を最大位置まで上昇させるように構成されている。
【0056】
このように、チェンジレバー90を後進速に操作すると、自動的に田植装置3を最大位置まで上昇させるように構成しておくと、圃場の畦際で機体を旋回させる為等に機体を畦に向かって後進させる時に、自動的に田植装置3は最大位置まで上昇しているので、田植装置3が畦に衝突して破損することが未然に防止でき作業性が良い。
【0057】
また、前記ステアリングハンドル16を左右何れかに200度回転させた時にオートリフトスイッチ183がONになると、制御装置170の田植装置上昇手段によりソレノイド油圧バルブ161を制御して油圧シリンダー160にて田植装置3を最大位置まで上昇させるように構成されている。
【0058】
このように、畦際で機体を旋回させる為にステアリングハンドル16を左右何れかに最大限まで回転させると、オートリフトスイッチ183がONになり、自動的に田植装置3は最大位置まで上昇するので、機体旋回時に田植装置3を上昇させる操作が不要となり、能率良く機体旋回が行えて作業性が良い。
【0059】
一方、操作パネル17には、田植装置3の自動上昇を行わせる状態と行わせない状態とに切替える自動リフト切替えスイッチ192が設けられており、即ち、自動リフト切替えスイッチ192を自動にしていると、上記のようにバックリフトスイッチ191がONになるかオートリフトスイッチ183がONになると自動的に田植装置3は制御装置170の田植装置上昇手段により自動上昇される。そして、自動リフト切替えスイッチ192をOFFにしていると、バックリフトスイッチ191がONになってもオートリフトスイッチ183がONになっても田植装置3は自動上昇されない。
【0060】
このように、一つの自動リフト切替えスイッチ192で、バックリフトスイッチ191がONになってもオートリフトスイッチ183がONになっても田植装置3は自動上昇されない状態にすることができるので、バックリフトとオートリフトの各々を入り切りするスイッチを別々に設けた構成よりも簡潔な構成となり、一つのスイッチで両者の状態切替えが行えるので、操作ミスが少なくなり作業性が良い。
【0061】
尚、自動リフト切替えスイッチ192をOFFにして、バックリフトスイッチ191がONになってもオートリフトスイッチ183がONになっても田植装置3が自動上昇しない状態にしておくと、機体を後進で納屋等にしまう時にチェンジレバー90を後進速に操作しても田植装置3が自動上昇しないので、田植装置3を下げたまま後進することができ、納屋の入口上部や納屋内の他の部材に田植装置3をぶつけてしまうような事態が回避できる。また、扇型やひょうたん型等の変形圃場で畦際に沿って周り植えをする場合に、曲がった畦に沿ってステアリングハンドル16を回しながら植付け作業を行うが、この時に、自動リフト切替えスイッチ192を自動位置にしていると、ステアリングハンドル16を左右何れかに200度以上回転すると自動的に田植装置3が上昇してしまい植付け作業が行えないが、自動リフト切替えスイッチ192をOFFにしていると、ステアリングハンドル16を左右何れかに200度以上回転しても田植装置3は上昇しないので植付け作業が行え、変形圃場でも適切に苗植付け作業が行える。
【0062】
また、上記の自動リフト切替えスイッチ192をOFFにして田植装置3が自動上昇しないように手動にて操作する以外にも、前記傾斜センサー211が走行車両1が所定角以上に前後方向に傾斜したことを検出すると(機体が転倒する恐れがある角度まで傾斜したことを検出すると)、制御装置170の田植装置上昇阻止手段によりステアリングハンドル16を左右何れかに200度以上回転しても田植装置3を上昇させないように制御している。これは、圃場から前進で出る時に、機体が前上がりになった状態でステアリングハンドル16を操作した時に、田植装置3が自動上昇すると、バランスが崩れて機体が後方に転倒してしまうことがあるので、そのような事態を回避して、安全な走行が行なえるようにしたものである。これは、機体をトラック等に積込む時や降ろすときも、同様で、機体が前上がりになった状態若しくは後上がりになった状態でステアリングハンドル16を操作しても田植装置3が自動上昇しないので、バランスが崩れて機体が転倒してしまうようなことが回避できる。
【0063】
図15は、エンジン12の燃料を入れる燃料タンク230の支持構成を示す側面図である。燃料タンク230は、合成樹脂にて成形されており、上下中央部のパーティング部231の一側に成形した丸孔にボルト232を通して機体に固定してる。また、パーティング部231の他側を機体に固定した支持部材233にて支持し、該支持部材233に基部が固定されたU字状のピン体234をパーティング部231の他側に成形した長孔235に挿通して割りピン236にて抜け止めをして、燃料タンク230は機体に支持固定されている。
【0064】
燃料タンクの両側をボルト等で固定すると、燃料タンクが熱膨張した時に燃料タンクが破損してしまうことがあるが、このように、燃料タンク230を支持する片方をU字状のピン体234にて止めておくと、燃料タンク230が熱膨張しても、U字状のピン体234がホ方向に撓んでこの燃料タンク230の熱膨張に対応するので、燃料タンク230が熱膨張により破損(割れる)ような事態が防止できて、安全である。
【0065】
尚、図16に示すように、U字状のピン体234に代えて板バネ材にて構成した支持材237とすると、更に、有効に燃料タンク230の熱膨張による破損を防止できる。
図中、200は機体前部に設けた予備苗載台、201は直進走行の指標とするセンターマスコットである。
【0066】
以上のように、ステアリングハンドル16にて操作されるピットマンアーム175の近くの機体の前部にミッションケース11を設け、該ミッションケ−ス11に左右後輪7,7への駆動を入り切りする左右サイドクラッチI,Iを設けたので、ステアリングハンドル16にて操作される部材(ピットマンアーム175等)と左右後輪7,7の左右サイドクラッチI,Iとを近くに配置できることとなり、上記ステアリングハンドル16の操作にて左右後輪7,7の左右サイドクラッチI,Iを切る連繋機構が簡潔でコンパクトなものとなり、各部材の製造誤差等が少なくなって性能の良い機構を得ることができ、良好な機体旋回が行なえて、田植え作業が良好に行なえる。尚、図面に示すように、ミッションケ−ス11の左右サイドクラッチI,Iと左右後輪ブレーキ装置J、Jとは、機体側面視で前輪6と重複する位置となっており、ピットマンアーム175から非常に近い距離となっている。
【0067】
また、そのミッションケ−ス11に左右後輪7,7の左右後輪ブレーキ装置J、Jを設けているので、ペダル140からの距離が短くて、ペダル140と左右後輪ブレーキ装置J、Jとの連繋機構が簡潔でコンパクトなものとなり、各部材の製造誤差等が少なくなって性能の良い機構を得ることができる。特に、ペダル140は、メインクラッチ43も入り切り操作するものであるから、ミッションケ−ス11にメインクラッチ43を設けたことと相乗して、ペダル140とメインクラッチ43と左右後輪ブレーキ装置J、Jとの連繋機構が簡潔でコンパクトなものとなり、各部材の製造誤差等が少なくなって性能の良い機構を得ることができる。
【0068】
最後に、上記実施例においては、ステアリングハンドル16の所定角以上の操作により、旋回内側の後輪7のサイドクラッチIを切る例を示したが、ステアリングハンドル16の所定角以上の操作により、旋回内側の後輪7のサイドクラッチIを切って、且つ、旋回内側の後輪7のブレーキ装置Jを制動するように構成しても良いことは謂うまでもない。また、左右後輪7がデフ装置を介して駆動されている場合には、ステアリングハンドル16の所定角以上の操作により、旋回内側の後輪7のブレーキ装置Jを制動するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である8条植え乗用型田植機を示す全体側面図である。
【図2】図1に示す乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】走行車両の伝動構成を示す概略平面図である。
【図4】ミッションケースの展開断面図である。
【図5】油圧式変速装置HSTの操作構成を示す斜視図である。
【図6】主クラッチ及び後輪ブレーキの操作構成を示す正面図である。
【図7】主クラッチ及び後輪ブレーキの操作構成を示す左側面図である。
【図8】主クラッチ及び後輪ブレーキの操作構成を示す平面図である。
【図9】主クラッチの操作構成を示す左側面図である。
【図10】主クラッチ及び後輪ブレーキの操作構成を示す右側面図である。
【図11】主クラッチ及び後輪ブレーキの操作構成を示す斜視図である。
【図12】左右前輪の操向構成を示す斜視図である。
【図13】チェンジレバー部の斜視図である。
【図14】制御系のブロック回路図である。
【図15】燃料タンクの支持構成を示す側面図である。
【図16】別例を示す燃料タンクの支持構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1;乗用型走行車両
3;作業装置(田植装置)
6;左右前輪
7;左右後輪
11;ミッションケ−ス
16;ステアリングハンドル
20;操縦席
22:左右前輪支持ケース
43;メインクラッチ
140;ペダル
144;連繋部材(作動ロッド)
150;連繋部材(作動ロッド)
A;旋回連繋機構(ピットマンアーム175・作動ローラ177・切欠き部178・切欠き部の左側面178a・切欠き部の右側面178b・従動体179・左右ロッド180・左右クラッチ操作アーム86I)
B;連繋機構(回動支軸142・左右ブレーキ作動アーム143・作動ロッド144・カウンター軸145・右アーム146R,左アーム146L・左右連結ロッド147L,147R・左右ブレーキ操作アーム86J・アーム148・メインクラッチ作動カムローラ148a・クラッチカム149・アーム152・作動ロッド150
174:出力軸
176:左右ロッド
I;左右サイドクラッチ
J;左右後輪ブレーキ

Claims (1)

  1. ステアリングハンドル(16)の操作に伴うステアリング軸の回転をミッションケース(11)内に設けたステアリング変速歯車を介して出力軸(174)へ伝動し、該出力軸(174)の下端をミッションケース(11)底面から突出させて該出力軸(174)の下端にピットマンアーム(175)を固定し、該ピットマンアーム(175)の前部左右側と左右前輪支持ケース(22)とを左右ロッド(176)にて連結した構成として、ステアリングハンドル(16)の回動操作で左右前輪(6)を左右操向操作する構成とし、前記ミッションケ−ス(11)に左右後輪(7)への伝動を各別に入り切りする左右サイドクラッチ(I)と左右後輪(7)を制動する左右後輪ブレーキ(J)とを設け、ステアリングハンドル(16)の操作による前輪(6)の直進状態から設定角以上の操向作動に伴って、左右後輪(7)の旋回内側のサイドクラッチ(I)を切り作動させる旋回連繋機構(A)を設けると共に、ステアリングハンドル(16)の下方付近に設けたペダル(140)にて連繋機構(B)を介して左右後輪ブレーキ(J)及びメインクラッチ(43)を作動させる乗用型作業機においてステアリングハンドル(16)及びペダル(140)の下方付近にミッションケ−ス(11)を配置し、前記旋回連繋機構(A)は、ピットマンアーム(175)に設けた作動ローラ(177)と、該作動ローラ(177)の左右両側を囲むように平面視でコ字状に切り欠かれた切欠き部(178)を有する従動体(179)と、該従動体(179)の左右両側部と左右サイドクラッチIの左右クラッチ操作アーム(86I)とを連結する左右ロッド(180)とを備え、前記従動体(179)をミッションケース(11)の底面に回動自在に支持し、ステアリングハンドル(16)を所定量以上操作すると、前記作動ローラ(177)が前記切欠き部(178)の側面(178a,178b)を押して従動体(179)を回動させて左右一方のロッド(180)を引き、左右一方のサイドクラッチ(I)を切り作動させる構成とし、前記連繋機構(B)は、ペダル(140)の踏込操作で一体回動するブレーキ作動アーム(143)並びに回動支軸(142)と、該ブレーキ作動アーム(143)と右アーム(146R)とを連結するブレーキ用の作動ロッド(144)と、前記右アーム(146R)並びに左アーム(147L)を固定する回動自在に支持されたカウンター軸(145)と、前記該右アーム(146R)並びに左アーム(147L)と左右後輪ブレーキ(J)の左右ブレーキ操作アーム(86J)とを連結する左右連結ロッド(147L、147R)と、前記回動支軸(142)に固定されるアーム(148)と、該アーム(148)の先端部に設けたメインクラッチ作動カムローラ(148a)に押されて作動するクラッチカム(149)と、該クラッチカム(149)とメインクラッチ(43)のアーム(152)とを連結するクラッチ用の作動ロッド(150)とを備え、ペダル(140)の踏込操作でメインクラッチ(43)を切操作されるまでは左右後輪ブレーキ(J)は作動せず、更なるペダル(140)の踏込操作で、前記メインクラッチ作動カムローラ(148a)がクラッチカム(149)を殆ど作動させずに、左右後輪ブレーキ(J)が作動する構成とした乗用型作業機。
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