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JP3944874B2 - ポリイミドフィルム、その製造方法およびこれを基材とした金属配線板 - Google Patents

ポリイミドフィルム、その製造方法およびこれを基材とした金属配線板 Download PDF

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JP3944874B2
JP3944874B2 JP2001251097A JP2001251097A JP3944874B2 JP 3944874 B2 JP3944874 B2 JP 3944874B2 JP 2001251097 A JP2001251097 A JP 2001251097A JP 2001251097 A JP2001251097 A JP 2001251097A JP 3944874 B2 JP3944874 B2 JP 3944874B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、その表面に金属配線を施してなる可撓性の印刷回路またはテープ自動化接合(Tape Automated Bonding)テープ(以下TABテープと称する)用の金属配線板基材として使用される場合に、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性、さらに製膜性に優れたポリイミドフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
TABテープは、基材である耐熱性フィルムの表面上に極細い金属配線を施し、基材に集積回路チップ(IC)を搭載するための「窓」が開口されており、更にTABテープの両端近傍にはTABテープを精密に送るためのスプロケットが設けられて構成されている。
【0003】
上記TABテープは、ICをTABテープに開口された「窓」に填め込み、TABテープの表面に施された金属配線と接合した後、ICを搭載したTABテープを電子機器配線用の印刷回路に接合することによって、ICを電子回路に実装する工程を自動化し、工程を簡素化するとともに、生産性を向上させ、ICを実装された電子機器の電気特性を改良するために使用されている。
【0004】
そして、TABテープには、耐熱性基材フィルムの表面に、ポリエステルベース、アクリルベース、エポキシベース或いはポリイミドベース等の接着剤を介して導電性の金属箔を積層する三層構造のものと、耐熱性基材フィルムの表面に、接着剤を介することなく、導電性の金属層を直接積層する二層構造のものとが使用されている。
【0005】
したがって、TABテープの基材フィルムには、耐熱性が要求され、特にICとTABテープ上の金属配線との接合や、ICを搭載したTABテープと電子機器配線用の印刷回路との接合の時に基材フィルムにかかるハンダ溶接等の高温に耐えられるように、従来からポリイミドフィルムが使用されてきた。
【0006】
しかるに、ポリイミドフィルムと金属箔または金属層とを積層し、金属箔または金属層をケミカルエッチングして金属配線を形成する際に、受ける熱によるポリイミドフィルムと金属との寸法変化の違いに起因するTABテープの変形が大きい場合には、ICを搭載する時やICを搭載したTABテープを電子機器配線用の印刷回路に接合する時に、作業性を著しく阻害したり、時にはその作業を不能ならしめることになるため、ポリイミドフィルムの熱膨張係数を金属と近似せしめて、TABテープの変形を小さくすることが要求される。
【0007】
さらに、ICを搭載し、電子機器配線用の印刷回路に接合されたTABテープにかかる引張力や圧縮力による寸法変化を小さくすることも、金属配線の細密化、金属配線への歪み負荷軽減および搭載されたICの歪み負荷軽減のためには重要であり、基材であるポリイミドフィルムには更なる高弾性率が要求される。
【0008】
ポリマーアロイまたはポリマーブレンドの定義(「ポリマーアロイの新展望と実用化:高分子の高付加価値シリーズ」、監修;秋山三郎、伊澤眞一、出版;(株)シーエムシー、発行年;1997年4月)などによると、ポリマーの高弾性率化については、ブロック、ブレンド、混交(IPN 、Interpenetrating-polymer-network) 、グラフト重合などがその範疇に入っているとされる。
【0009】
そして、特にポリイミドの高弾性率化については、三田ら(J.Polym.Sci.,Part C:Polym.Lett.,26(5),215-223)が、モレキュラー・コンポジット効果により、同一原料での比較においては、ポリイミドよりも、ポリイミド同士のブレンドの方が、高弾性率化し易いことを提案している。しかしながら、ポリイミド分子は分子凝集力が大きいことから、単なるブレンドでは相分離構造をとりやすいため、相分離を抑制するために何らかの物理的な結合が必要である。
【0010】
そのために提案されているポリマーが、、由井ら(「機能性超分子の設計と将来展望:新材料・新素材シリーズ」、監修;緒方直哉、寺野稔、由井伸彦、出版;(株)シーエムシー、発行年;1998年6月)によるInterpenetrating-network-polymer(以下混交ポリマーと称する)である。
【0011】
従来の混合による具体例としては、特開昭63−175025号公報に、ピロメリット酸および4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとのポリアミド酸(A)と、ピロメリット酸およびフェニレンジアミンとのポリアミド酸(B)とのポリアミド酸組成物(C)が提案されている。さらに、特開昭63−175025号公報には、上記ポリアミド酸組成物(C)より製造されるポリイミドが提案されている。
【0012】
しかしながら、これらの従来の混合方法では、予めポリアミド酸を重合した後混合するため充分な物理的な絡み合い(混交)ができないため、ポリアミド酸をイミド化する段階で相分離することがあり、場合によってはやや白濁したポリイミドフィルムしか得られないという問題を生じることがあった。
【0013】
また、特開平1−131241号公報、特開平1−131242号公報、USP5081229および特開平3−46292号公報には、ピロメリット酸二無水物、パラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるブロックポリアミド酸から製造されたブロックポリイミドフィルムが提案され、さらに途中の工程でジアミンと酸二無水物とを非当量で反応させることにより、最終的に等モル組成のブロック成分ポリアミド酸フィルムを製造する方法が提案されている。
【0014】
しかしながら、これらの従来方法では、ポリアミド酸ブレンド溶液は相分離を起こしにくいものの、モレキュラーコンポジット効果が不十分で高剛性化が不満足となる場合があった。また、分子鎖を制御したブロック成分を共重合成分とするポリマーを製造するために、反応工程が煩雑になること、反応時間が長時間になること、および反応性末端が過剰に存在する工程を経るため、途中工程のポリアミド酸が不安定で粘度変化しやすく、ゲル化することなどの製造上の問題があった。またこの方法では高ヤング率化が不十分な場合があった。
加えて、接着剤の密着力を向上させるため、基材であるポリイミドフィルム表面をアルカリ液でエッチングし粗面化して使用されることがある。また配線するための穴(スルーホール)をアルカリエッチングで形成する場合がある。このためアルカリエッチング性の優れたポリイミドフィルムへの要望が高まっている。
【0015】
また、製膜時の延伸倍率を大きくすることによりフィルムの平面性が改良される。このため高倍率延伸の可能なフィルム組成が望まれている。
【0016】
これらの要求特性を満たすポリイミドフィルムを得ることを目的とした従来方法としては、特開平1−131241号公報、特開平1−131242号公報および特開平3−46292号公報には、ピロメリット酸二無水物、パラ4,4’−オキシジアニリン及び44’−ジアミノジフェニルエ−テルからなるポリアミド酸から製造されたポリイミドフィルムが提案され、さらに途中の工程でジアミンと酸二無水物とを非当量で反応させブロック成分ポリアミド酸フィルムを製造する方法が提案されている。
【0017】
しかしながら、上記の従来方法では、金属配線板基材として使用される場合に、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性および製膜性を同時に満たすポリイミドフィルムを得ることができず、さらなる改良が求められていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、その表面に金属配線を施してなる可撓性の印刷回路、CSP、BGAまたはTABテープ用の金属配線板基材に適用した場合に、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性、および製膜性に優れたポリイミドフィルム、その製造方法及びそれを基材としてなる金属配線回路板を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ピロメリット酸二無水物、並びにジアミンを基準に30〜70モル%の4,4’−オキシジアニリン及び30〜70モル%の3,4’−オキシジアニリンから得られるブロック成分を有するポリイミドフィルムを製造する際に、下記工程(A)〜(E)を順次行うことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法である。
(A)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリン及び3,4’−オキシジアニリンを、不活性な溶剤中で、3,4’−オキシジアニリン及びピロメリット酸二無水物とのブロック成分または混交ポリマー成分を有するポリアミド酸を形成するように、少なくともピロメリット酸二無水物、または全ジアミンを使用量の1〜99重量%使用し反応させる工程、
(B)前記工程(A)からのポリアミド酸ポリマーに残りの原料を追加使用し、最終的に全使用量の全量を使用し反応させる工程
(C)前記工程(B)からのポリアミド酸溶液に、ポリアミド酸をポリイミドに転化することのできる転化用薬剤を混合する工程、
(D)前記工程(C)からの混合物を平滑面上にキャストまたは押出して、ポリアミド酸−ポリイミドゲルフィルムを形成する工程、および
(E)前記工程(D)からのゲルフィルムを、200〜500℃の温度で加熱してポリアミド酸をポリイミドに変換する工程。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成及び効果について詳述する。
【0025】
本発明のフィルムを構成するポリイミドは、ブロックポリマーか又はランダムポリマーか又は混交ポリマーのいずれかであり得る。
【0026】
好ましいブロック成分または混交ポリマーは、4,4’−オキシジアニリン及びピロメリット酸二無水物からなるポリアミド酸、または3,4’−オキシジアニリン及びピロメリット酸二無水物から成るポリアミド酸であり、これらのブロック成分または混交ポリマー成分を含有するポリアミド酸を形成後、イミド転化してブロック成分または混交ポリマー成分を含有するポリイミドとするものである。
【0027】
ポリアミド酸を形成する反応は少なくとも2回に分割して実行され、ブロック成分または混交ポリマー成分または混交ポリマー成分を含有するポリアミド酸を形成し、イミド転化することによりポリイミドポリマに組み込まれる。
【0028】
本発明のポリイミドポリマにより、可撓性の印刷回路、CSP、BGAまたはTABテープ用の金属配線板基材に適用した場合に、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性。製膜性を均衡して高度に満たすポリイミドフィルムを実現することができる。
【0029】
そして、ポリイミドポリマにさらにブロック成分または混交ポリマー成分を組み込むことにより、上記各特性をより好ましい範囲にすることができる。この場合に特に好ましいブロック成分または混交ポリマー成分は、3,4’−オキシジアニリン及びピロメリット酸二無水物との反応により得られるものである。
【0030】
本発明において使用されるジアミンには、4,4’−オキシジアニリンのような可撓性のないジアミンと、3,4’−オキシジアニリンのような直線性のジアミンとがある。本発明の目的を阻害しない添加量の範囲で他のジアミン類を併用できる。
【0031】
ブロック成分または混交ポリマー成分を有するポリマーである場合、ポリイミドはジアミンの全モル量基準で約10〜90モル%、好ましくは30〜70モル%の4,4’−オキシジアニリンまたは3,4’−オキシジアニリンを使用して得られるポリアミド酸をイミド転化して製造される。
【0032】
ランダムポリマーである場合、ポリイミドはジアミンの全モル量基準で20モル%超過ないし80モル%以下の4,4’−オキシジアニリンまたは3,4’−オキシジアニリンを使用して得られるポリアミド酸をイミド転化して製造される。
【0033】
本発明に置いて4,4’−オキシジアニリンはフィルムの可とう性を高める作用をする。
【0034】
本発明に置いて3,4’−オキシジアニリンはフィルムの伸度を大きくし、製膜性を良好にする作用をする。ブロック成分または混交ポリマー成分を有するポリマーである場合、3,4’−オキシジアニリンが10モル%未満ではフィルムの伸度が小さくなり製膜性が悪くなる場合や剛性が不足する場合がある。逆に3,4’−オキシジアニリンが90モル%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が低くなるため熱収縮率が大きくなり過ぎ耐熱性が悪くなる。
【0035】
ランダムポリマーである場合、3,4’−オキシジアニリンが20モル%以下ではフィルムの伸度が小さくなり製膜性が悪くなる場合や剛性が不足する場合がある。逆に3,4’−オキシジアニリンが80モル%を超えると、熱収縮率が大きくなり過ぎ耐熱性が悪くなる。
【0036】
本発明において使用されるテトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物であるが、本発明の目的を阻害しない添加量の範囲でテトラカルボン酸二無水物他を併用できる。例えばビフェニルテトラカルボン酸二無水物またはベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などを50モル%未満添加することが出来る。得られたポリアミド酸をイミド転化して製造される。
【0037】
ポリイミドフィルムの弾性率は、ポリアミド酸を製造する際に使用するジアミン成分における3,4’−オキシジアニリン成分の使用比率によって調整できる。3,4’−オキシジアニリン成分を多く使用すると、高弾性率及び寸法安定性が向上する反面、耐熱性が低下するという欠点がある。したがって、それぞれの特性値をバランスするために、各成分のモル比を注意深く調製する必要がある。
【0038】
本発明のポリアミド酸は、175℃以下、好ましくは90℃以下の温度で、上記テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を、モル比を約0.90〜1.10、好ましくは0.95〜1.05、更に好ましくは0.98〜1.02とし、それぞれの成分と非反応性の有機溶剤中で反応させることにより製造される。
【0039】
上記それぞれの成分は、単独で順次有機溶剤中に供給してもよいし、同時に供給してもよく、また混合した成分に有機溶剤を供給してもよいが、均一な反応を行わせるためには、有機溶剤中に各成分を順次添加することが好ましい。
【0040】
それぞれの成分を順次供給する場合の供給順序は、ブロック成分または混交ポリマー成分となるジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを優先して供給することが好ましい。すなわち、ブロック成分または混交ポリマー成分を含有するポリアミド酸を製造するために、その反応を少なくとも2回に分割して実行させ、まずブロック成分または混交ポリマー成分を含有するポリアミド酸を得てから、これをイミド転化することにより、得られるポリイミドにブロック成分または混交ポリマー成分を組み込ませるのである。
【0041】
ポリアミド酸のブロック成分または混交ポリマー成分を生成するために必要な時間は、反応温度とブロック成分または混交ポリマー成分のポリアミド酸中における比率で決定すればよいが、経験的には約1分から約20時間程度が適当である。
【0042】
このとき後述するようにブロック成分を含有するポリマーを形成するためには(A)反応工程中で反応させるジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とは実質的に非等モルである。また混交ポリマー成分を形成させるためには(A)反応工程中でのジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とは実質的に等モルであること、またはジアミン過剰の反応工程を経る場合はジカルボン酸無水物で末端を封鎖することが好ましい。ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とが実質的に等モルであること、またはジアミン過剰の反応工程でジカルボン酸無水物で末端を封鎖することは、これらの反応工程で形成されたブロック成分または混交ポリマー成分が化学的に不活性で後工程の反応で形成されるポリイミドポリマーの末端に組み込まれないことを意味する。しかるにブロック成分または混交ポリマー成分の反応とその後のポリイミドを形成する反応とが同一反応槽で行われることにより、モレキューラーコンポジット(異なる分子同士の複合体)が形成され易くなりブロック成分または混交ポリマー成分の特徴がより発現できるのである。
【0043】
具体的に、テトラカルボン酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物(PMDA)、ジアミン成分として、4,4’−オキシジアニリン(44’ODA)と3,4’−オキシジアニリン(34’ODA)を使用し、PMDAと34’ODAとからなるブロック成分または混交ポリマー成分を含有するポリイミドポリマの製造例を以下に説明する。
【0044】
まず、有機溶剤としてのジメチルアセトアミド(DMAc)に、34’ODAを溶解し、PMDAを加え、ブロック成分または混交ポリマー成分の反応を完了させる。
次いで、溶液に44’ODAを加え溶解した後、溶液にPMDAを加えて反応させることにより、34’ODAとPMDAとのブロック成分または混交ポリマー成分を含有する3成分ポリアミド酸溶液が得られる。
【0045】
この場合に、最初に供給するPDAに微量の34’ODAを添加したり、最初に反応させるPDAとPMDAとのモル比を非等量にし、過剰量のジアミン成分と十分に反応させる量の末端封止剤を添加することにより、ブロック成分または混交ポリマー成分の大きさを制御することも可能であるが、ブロック成分または混交ポリマー成分の効果を有効にするためには、34’ODAとPMDAとのモル比を実質的に等量とする混交ポリマーとすることが好ましい。
【0046】
用いる末端封止剤は無水ジカルボン酸、シリル化剤などの末端封止剤を固形分(ポリマー濃度)に対して0.001〜2%の範囲で添加することも好ましく行うことが出来る。この無水ジカルボン酸として無水酢酸または無水フタル酸、シリル化剤として非ハロゲン系であるヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレアが特に好ましく用いられる。
【0047】
ポリアミド酸の製造は、その溶液のポリアミド酸濃度と溶液の粘度とでその終了点を決定される。終了点の溶液の粘度を精度良く決定するためには、最後に供給する成分の一部を、反応に使用する有機溶剤の溶液として添加することは有効であるが、ポリアミド酸濃度をあまり低下させないような調節が必要である。
【0048】
溶液中のポリアミド酸濃度は、5ないし40重量%、好ましくは10ないし30重量%である。
【0049】
上記有機溶剤としては、それぞれの成分および重合生成物であるポリアミド酸と非反応性であり、成分の1つから全てを溶解でき、ポリアミド酸を溶解するものから選択するのが好ましい。
【0050】
望ましい有機溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらは単独でまたは混合使用することができ、場合によってはベンゼン等の貧溶媒と併用することも可能である。
【0051】
本発明のポリイミドフィルムを製造するに際しては、かくして得られたポリアミド酸溶液を押出機やギヤポンプで加圧して、ポリアミド酸フィルムの製造工程に送液する。
【0052】
ポリアミド酸溶液は、原料に混入していたり、重合工程で生成した異物、固形物及び高粘度の不純物等を除去するためにフィルターされ、フィルム成形用の口金やコーチングヘッドを通してフィルム状に成形され、回転または移動する支持体上に押出され、支持体から加熱されて、ポリアミド酸が一部イミド転化したポリアミド酸−ポリイミドゲルフィルムが生成され、このゲルフィルムが自己支持性となり、支持体から剥離可能となった時に支持体から剥離され、乾燥機に導入され、乾燥機で加熱されて、溶剤を乾燥し、イミド転化を完了することにより、ポリイミドフィルムが製造される。
【0053】
このとき、20μmカットの金属繊維焼結フィルター用いることは、途中で生成されたゲル物の除去に効果的である。更に好ましくは10μmカットの金属繊維焼結フィルターであり、最も好ましくは1μmカットの金属繊維焼結フィルターである。
【0054】
ポリアミド酸のイミド転化の方法は、加熱のみによる熱転化法と、イミド転化薬剤を混合したポリアミド酸を加熱処理したり、またはポリアミド酸をイミド転化薬剤の浴に浸漬する化学転化法のいずれも採用することができるが、本発明においては、化学転化法が熱転化法に比べて、可撓性の印刷回路、CSP、BGAまたはTABテープ用の金属配線板基材にに適用した場合に、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性よび製膜性を均衡して高度に実現するのに好適である。
【0055】
しかも、化学転化法によってポリアミド酸にイミド転化薬剤を混合し、フィルム状に成形後加熱処理する方法は、イミド転化に要する時間が短く、均一にイミド転化が行える等の利点に加え、支持体からの剥離が容易であり、さらには、臭気が強く、隔離を必要とするイミド転化用薬剤を密閉系で取り扱える等の利点を有することから、ポリアミド酸フィルム成形後に転化用薬剤や脱水剤の浴に浸漬する方法に比べて好ましく採用される。
【0056】
本発明においては、イミド転化用薬剤として、イミド転化を促進する3級アミン類と、イミド転化で生成する水分を吸収する脱水剤とを併用する。3級アミン類は、ポリアミド酸とほぼ等モルないしやや過剰に添加混合され、脱水剤は、ポリアミド酸の約2倍モル量ないしやや過剰に添加されるが、支持体からの剥離点を調整するために適当に調整される。
【0057】
そして、イミド転化用薬剤は、ポリアミド酸を重合完了した時点から、ポリアミド酸溶液がフィルム成形用口金やコーチングヘッドに達するいかなる時点で添加してもよいが、送液途中におけるイミド転化を防止する意味では、フィルム成形用口金またはコーチングヘッドに到達する少し前に添加し、混合機で混合するのが好ましい。
【0058】
3級アミンとしては、ピリジンまたはβ−ピコリンが好適であるが、α−ピコリン、4−メチルピリジン、イソキノリン、トリエチルアミン等も使用することができる。使用量は、それぞれの活性によって調整する。
【0059】
脱水剤としては、無水酢酸が最も一般的に使用されるが、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、安息香酸、蟻酸無水物等も使用することができる。
【0060】
イミド転化薬剤を含有するポリアミド酸フィルムは、支持体上で支持体および反対面空間から受ける熱により、イミド転化が進み、一部イミド転化したポリアミド酸−ポリイミドゲルフィルムとなり、支持体から剥離される。
【0061】
この場合に、支持体および反対面空間から与える熱量は多いほどイミド転化が促進されて、速く剥離するが、熱量が多すぎると支持体とゲルフィルムの間の有機溶剤のガスがゲルフィルムを変形させ、フィルムの欠点となるので、剥離点の位置とフィルム欠点を勘案して、熱量を決定することが望ましい。
【0062】
支持体から剥離されたゲルフィルムは、乾燥機に導入され、溶剤の乾燥およびイミド転化の完了がなされる。
【0063】
このゲルフィルムは、多量の有機溶剤を含有しており、その乾燥過程において体積が大幅に減少する。したがって、この体積減少による寸法収縮を厚さ方向に集中させるために、ゲルフィルムの両端をテンタークリップで把持し、このテンタークリップの移動によりゲルフィルムを乾燥機(テンター)に導入し、テンター内で加熱して、溶剤の乾燥とイミド転化とを一貫して実施するのが一般的である。
【0064】
この乾燥及びイミド転化は、200〜500℃の温度で行われる。乾燥温度とイミド転化温度は同一温度でもよいし、異なる温度でもよいが、溶剤を大量に乾燥する段階では、低めの温度として溶剤の突沸を防ぎ、溶剤の突沸のおそれがなくなったら、高温にしてイミド転化を促進するように、段階的に高温にすることが好ましい。
【0065】
なお、テンター内において、フィルム両端のテンタークリップの距離を拡大または縮小して、延伸またはリラックスをおこなうことができる。延伸倍率として機械軸方向は1.0〜1.3倍である。幅方向の延伸倍率は0.9〜1.3倍である。
【0066】
好ましくはブロック成分または混交ポリマー成分を含有し、化学転化法によりイミド転化して得られるカットシート状のポリイミドフィルムは、上記のように製造した連続したフィルムから切り取って製造することができるが、少量のフィルムを製造するには、後述の実施例で示しているように、樹脂製やガラス製のフラスコ内で、好ましくはブロック成分または混交ポリマー成分を含有するポリアミド酸を製造し、このポリアミド酸溶液に化学転化薬剤を混合して得られる混合溶液を、ガラス板等の支持体上にキャストし、加熱して、一部イミド転化した自己支持性のポリアミド酸−ポリイミドゲルフィルムとして、支持体から剥離し、金属製の固定枠等に固定して寸法変化を防止しながら加熱して、溶剤の乾燥およびイミド転化する方法により製造することができる。
【0067】
このようにして、化学転化法によりイミド転化して得られる本発明のポリイミドフィルムは、熱転化法により得られるポリイミドフィルムに比しても、可撓性の印刷回路、CSP、BGAまたはTABテープ用の金属配線板基材に適用した場合に、高弾性率、低熱膨張係数、低吸湿膨張係数、低吸水率を同時に満足するのに好適であり、なおかつ優れたアルカリエッチング性を有するものである。
【0068】
したがって、本発明のポリイミドフィルムを基材として、その表面に金属配線を施してなる可撓性の印刷回路、CSP、BGAまたはTAB用の金属配線板は、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性、および製膜性を同時に満たすという高性能な特性を発現するものである。
【0069】
なお、本発明のポリイミドフィルムにおいては、弾性率としては3〜5.5GPaが好ましく、さらには4〜5GPaが好ましい。弾性率が小さいとフィルム走行性が悪く取り扱いにくく、高いと可とう性が乏しくなる。線膨張係数が大きすぎても小さすぎても、金属と張り合わせた場合カールが大きくなりすぎ、熱膨張係数としては10〜20ppm/℃が好ましい。吸水率は2%以下、特に好ましくは1%以下である。
アルカリエッチング性についてはフィルムが溶解することが好ましい条件である。評価方法は下記するがアルカリ条件で評価し表面の浸食速度で評価できる。アルカリエッチング速度が早いと、CSPまたはBGAのスルーホール加工の生産性が良い。
【0070】
半田浴工程を経る際300℃近い高温にフィルムが晒されるため、熱収縮率は小さい方がよい。熱収縮率が1%を超えると使用しにくい場合がある。好ましくは1%以下で、より好ましくは0.1%以下である。
【0071】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお各フィルム特性値は、下記の方法で測定したものである。
【0072】
また、下記の実施例中で、略号DMAcはジメチルアセトアミドを、PMDAはピロメリット酸二無水物を、44’ODAは4,4’−オキシジアニリンを、また、34’ODAは3,4’−オキシジアニリンを示す略記である。
(1)弾性率および破断伸度
弾性率は、JISK7113に準じて、室温でORIENREC社製のテンシロン型引張試験器により、引張速度300mm/分にて得られる張力−歪み曲線の初期立ち上がり部の勾配から求めた。
【0073】
破断伸度は試料が破断するときの伸度を取った。
(2)熱膨張係数
熱膨張係数は、島津製作所社製のTMAー50型熱機械分析装置を用い、10℃/分の昇温速度、5℃/分の降温速度で、2回目の昇(降)温時の50℃から200℃の間の寸法変化から求めた。
(3)吸水率
吸水率は、25℃で、95%RHに調湿した恒温恒湿機(STPH−101、タバイエスペック(株)社製)中に、48時間置いた後、乾燥状態との重量差を百分率で求めた。
(4)アルカリエッチング性
アルカリエッチング性は、ポリイミドフィルムの一表面を、容積比80/20のエタノール/水混合液中の1Nの水酸化カリウム溶液に、40℃で120分間接触させた前後のフィルムの厚さを、ミツトヨ社製のLITEMATIC型厚さ計で測定して求めた。評価基準は厚み変化率に応じて以下のように判定した。
○レベルはポリイミドフィルムのアルカリエッチング処理工程でスルーホール加工速度が早く、良好な生産性を示す。△レベルはスルーホール加工速度は早くないが、実用レベルである。×レベルはスルーホール加工速度が遅く、実用レベルでない。
【0074】
○ 厚さ変化率 5%以上
△ 厚さ変化率 1%以上5%未満
× 厚さ変化率 1%未満。
(5)金属積層板の反り量評価
ポリイミドフィルムにポリイミドベースの接着剤を塗布し、この上に銅箔を250℃の温度で貼り合わせた。その後最高温度300℃まで昇温し接着剤を硬化させ、得られた金属積層板を35mm×120mmのサンプルサイズにカットし、25℃、60RH%雰囲気中で24時間放置した後、それぞれのサンプルの反りを測定した。反りはサンプルをガラス平板に置き、四隅の高さを測定平均化した。評価基準は反り量に応じて以下のように判定した。×レベルは金属配線回路板として用いる場合、後工程の搬送時に取り扱いが困難となるレベルである。
【0075】
○ 反り量 1mm未満
△ 反り量 1mm以上3mm未満
× 反り量 3mm以上
(6)製膜性
用意したフィルムを研究用高分子フィルム二軸延伸装置(BIX−703、(株)岩本製作所社製)により、400℃で両軸当速度二軸延伸方式により延伸させフィルム破断面積を求めた。予熱時間60秒、片側延伸速度10cm/min、
◎;極めて良好 破断延伸面倍率が1.3倍を超える。
【0076】
○;良好 破断延伸面倍率が1.1倍〜1.2倍。
【0077】
△;実用上問題ない 破断延伸面倍率が1倍〜1.1倍。
【0078】
×;製膜困難 破断延伸面倍率が1倍以下。
(7)熱収縮率
JIS−C2318に従って、300℃、1時間後の加熱前後の寸法変化率を測定する。
【0079】
熱収縮率C(%)=100(A−B)/A
但し、A・・・加熱前のフィルム寸法
B・・・加熱後のフィルム寸法
○;0.05%以下
△;0.05%〜0.1%以下
×;0.1%を超える。
(8)ガラス転移温度(Tg)
レオメトリック社製粘弾性アナライザー(RSA2)にて引張法で測定した動的粘弾性よりtanδおよびE’(貯蔵弾性率)より求める。簡便には、最大値を示すtanδピークの上昇し始める温度をTgとする。
[実施例1]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、34’ODAをDMAc中に供給して溶解させ、続いて44’ODA及びPMDAを順次供給し、室温で、約1時間攪拌する。最終的にテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分が約100モル%化学量論で表1に示す組成の成分からなるポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調製した。
【0080】
このポリアミド酸溶液30gを、12.7mlのDMAc、3.6mlの無水酢酸及び3.6mlのβ−ピコリンと混合した混合溶液を調製し、この混合溶液をガラス板上にキャストした後、150℃に加熱したホットプレート上で約4分間加熱して、自己支持性のポリアミド酸−ポリイミドゲルフィルムを形成し、これをガラス板から剥離した。
【0081】
このゲルフィルムを、多数のピンを備えた金属製の固定枠に固定し、250℃から330℃に昇温しながら30分間、その後400℃で約5分間加熱し、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。
【0082】
得られたポリイミドフィルムの特性値評価結果を表1に示した。
[実施例2〜5]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、44’ODAをDMAc中に供給して溶解させ、続いてPMDAを供給し、室温で約1時間攪拌した。このポリアミド酸溶液に34’ODAを供給し、完全に溶解させた後室温で約1時間攪拌した。引き続きジアミン成分に対して1モル%の無水フタル酸を添加し更に約1時間攪拌し、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分が約100モル%化学量論で表1に示す組成の成分からなるポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調製した。
【0083】
このポリアミド酸濃度20重量%の溶液を実施例1と同じ方法で処理して、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。
【0084】
得られたポリイミドフィルムの特性値評価結果を表1に併せて示した。
[実施例6〜8]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、34’ODAをDMAc中に供給し、溶解させ、続いてPMDAを供給し、室温で、約1時間攪拌した。引き続きジアミン成分に対して1モル%の無水酢酸を添加し更に約1時間攪拌し(第一ポリマーの重合完了)、このポリアミド酸溶液に44’ODAを供給し、完全に溶解させた後、PMDAを供給し、室温で約1時間攪拌し、第二ポリマーの重合完了)テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分が約100モル%化学量論で表2に示す組成の成分からなるポリアミド酸濃度23重量%の溶液を調製した。
【0085】
このポリアミド酸溶液を、実施例1と同じ方法で処理して、厚さ約50μmのポリイミドフィルムを得た。
【0086】
得られたポリイミドフィルムの特性値評価結果を表2に併せて示した。
【0087】
【表1】
Figure 0003944874
【0088】
【表2】
Figure 0003944874
[比較例1]
500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、34’ODAをDMAc中に供給して溶解させ、PMDAを溶解させ、室温で、約1時間攪拌し、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分が約100モル%化学量論で表1に示す組成の成分からなるポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調製した。
【0089】
このポリアミド酸溶液を、実施例1と同じ方法で処理して、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。
【0090】
得られたポリイミドフィルムの特性値評価結果を表3に示した。
[比較例2]
比較例1に準じて、500ccのガラス製フラスコに、DMAc150mlを入れ、表2に示す原料およびその組成物をDMAc中に順次供給して溶解させ、室温で約1時間攪拌し、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分が約100モル%化学量論で表1に示す組成の成分からなるポリアミド酸濃度またはポリアミド酸濃度20重量%の溶液を調製した。
【0091】
このポリアミド酸溶液またはポリアミド酸溶液を、実施例1と同じ方法で処理して、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。
【0092】
得られたポリイミドフィルムの特性値評価結果を表3に併せて示した。
【0093】
【表3】
Figure 0003944874
表1〜表3に記載された結果から明らかなように、PMDA、44’ODAおよび34’ODAからなる化学転化法で得られた本発明のランダムポリイミドフィルムおよびブロックポリイミドフィルム、または混交ポリマーは、2成分ポリイミドフィルムに比較して、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性、および製膜性を同時に満足しており、可撓性の印刷回路,CSP,BGAまたはTABテープ用の金属配線板基材としての好適な性能を有するものである。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリイミドフィルムは、熱転化法により得られるポリイミドフィルムに比しても、可撓性の印刷回路,CSP,BGAまたはTABテープ用の金属配線板基材に適用した場合に、高弾性率、低熱膨張係数、アルカリエッチング性、および優れた製膜性を有するものである。
【0095】
したがって、本発明のポリイミドフィルムを基材として、その表面に金属配線を施してなる可撓性の印刷回路,CSP,BGAまたはテープ自動化接合テープ用の金属配線板は、高弾性率、低熱膨張係数、低吸湿膨張係数、低吸水率及びアルカリエッチング性を均衡して高度に満たすという高性能な特性を発現する。

Claims (1)

  1. ピロメリット酸二無水物、並びにジアミンを基準に30〜70モル%の4,4’−オキシジアニリン及び30〜70モル%の3,4’−オキシジアニリンから得られるブロック成分を有するポリイミドフィルムを製造する際に、下記工程(A)〜(E)を順次行うことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
    (A)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリン及び3,4’−オキシジアニリンを、不活性な溶剤中で、3,4’−オキシジアニリン及びピロメリット酸二無水物とのブロック成分または混交ポリマー成分を有するポリアミド酸を形成するように、少なくともピロメリット酸二無水物、または全ジアミンを使用量の1〜99重量%使用し反応させる工程、
    (B)前記工程(A)からのポリアミド酸ポリマーに残りの原料を追加使用し、最終的に全使用量の全量を使用し反応させる工程
    (C)前記工程(B)からのポリアミド酸溶液に、ポリアミド酸をポリイミドに転化することのできる転化用薬剤を混合する工程、
    (D)前記工程(C)からの混合物を平滑面上にキャストまたは押出して、ポリアミド酸−ポリイミドゲルフィルムを形成する工程、および
    (E)前記工程(D)からのゲルフィルムを、200〜500℃の温度で加熱してポリアミド酸をポリイミドに変換する工程。
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