JP3936488B2 - 工業用織物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた耐加水分解性を有する黒色ポリエステルモノフィラメントを用いた工業用織物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは、優れた物性を有しているため、各種工業用部品、衣料用および工業用繊維材料、各種織物などに使用されてきた。
【0003】
例えばポリエステルモノフィラメントとして、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、各種ブラシ、筆毛、印刷スクリーン用紗、釣り糸、ゴム補強用繊維材料などに広く用いられてきた。しかしながら、高温・多湿など加水分解されやすい条件下で使用される用途、例えば抄紙ドライヤーキャンバスの構成素材やタイヤコードとして使用した場合は、使用中にポリエステルモノフィラメントが加水分解劣化による強度低下を起こすため、長期間の使用に耐えることが困難であった。このため、このポリエステルモノフィラメントの欠点である耐加水分解性を向上するため種々の提案がなされてきた。
【0004】
例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ−4−メチルペンテン1,ポリスチレンなどのポリオレフィンを特定量添加したポリエステルモノフィラメント(特開昭51−136923号公報)が知られているが、この技術で得られるモノフィラメント、例えばポリエチレンを添加したポリエチレンテレフタレート製モノフィラメントは、耐加水分解性向上効果が小さいことから実用的でない。
【0005】
また、カルボジイミド化合物を添加することにより、ポリエステルの耐加水分解性を向上せしめる方法が知られている。例えば、モノまたはビスカルボジイミド化合物を添加し、短時間で混練紡糸することにより、未反応カルボジイミドを含有しないフィラメントを形成させる方法(特開昭50−95517号公報)、分子内に3個以上のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物を添加する方法(特公昭38−15220号公報)、カルボキシル末端基がカルボジイミドとの反応でキャップされ、遊離のモノおよび/またはビスカルボジイミド化合物30〜200ppmと遊離のポリカルボジイミドまたはなお反応性を有するポリカルボジイミド基を含む反応生成物を少なくとも0.02重量%含有するポリエステル繊維およびフィラメント(特開平4−289221号公報)、末端封鎖剤と反応しない高分子キャリヤーを含有する末端封鎖剤マスターバッチを用いた加水分解抵抗性ポリエステルファイバー、マスターバッチ、フィラメントおよびその製造方法(特開平9−195123公報)などが提案されている。
【0006】
また、本発明者等においても、特定のカルボジイミド化合物を未反応の状態で特定量残存させた抄紙キャンバス用ポリエステルモノフィラメント(特開昭56−121388号公報)、特定量のリン原子を含むポリエステルに特定のカルボジイミド化合物を添加する工業用ポリエステルモノフィラメントの製造方法(特開昭56−85704号公報)および末端カルボキシル基濃度が10当量/ポリエステル106 g以下であって、カルボジイミド化合物を未反応の状態で0.005〜1.5重量%含有し、かつ弗素系重合体を0.01〜30重量%含有したポリエステルモノフィラメント(国際公開番号 WO 92/07126 号公報)、未反応のモノカルボジイミド化合物(A)を230ppm〜1.5重量%含有し、未反応のポリカルボジイミド化合物および/またはポリエステルのカルボキシル末端基と一部反応し、かつ未反応のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物(B)を0.05〜1.5重量%含有するポリエステルモノフィラメント(特開平7−216647号公報)、ポリマ成分が、末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下のポリエステル(A)99.8〜60重量%と、フッ素原子を含有しない熱可塑性ポリマ(B)0.2〜40重量%からなり、該ポリマ成分が未反応の状態のカルボジイミド化合物(C)を0.005〜1.5重量%含有するポリエステルモノフィラメント(特開平7−258524号公報)、およびポリエステル(A)70〜99.8重量%にスチレン系ポリマ(B)0.2〜30重量%を含有し、この(A)と(B)の合計100重量部に未反応の状態のモノカルボジイミド化合物(C)0.01〜1.5重量部およびポリカルボジイミド化合物(D)0.05〜1.5重量部を含有するカルボキシル末端濃度が10当量/106 g以下のポリエステル組成物(特開平10−168661公報)などを提案することにより種々の改善を行なってきた。
【0007】
しかしながら、こうした中近年では、耐加水分解性改善ポリエステル繊維も、その使用目的に応じ赤、青、黄色、オレンジ、緑、黒などさまざまな色に着色を施されることが多くなってきており、これら着色ポリエステル繊維の使用量の増加にともない、この着色による弊害が見られるようになってきた。
【0008】
つまり、着色を施したポリエステル繊維のうち黒色、中でもカーボンブラックを用い着色を施した黒色ポリエステル繊維は、他の色に着色を施したものや未着色のものに比較して、耐加水分解性が低下する問題が顕在化しており、この改善が強く望まれるようになってきているのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、上述した方法は、ポリエステルの耐加水分解性を改善する方法としては相当に優れたものではあるものの、いずれも着色を施したポリエステル繊維について詳細な検討を行なったものではなく、着色することにより生起する問題については解明されていなかったのが実情であった。
【0010】
以上のような状況を鑑み、本発明は、上述したカーボンブラックを含有する黒色ポリエステル繊維における耐加水分解性低下の問題を解決するため検討した結果なされたものであり、従来の黒色ポリエステル繊維にはない優れた耐加水分解性能を有する黒色ポリエステルモノフィラメントを使用した抄紙用ドライヤーキャンバスなどの工業用織物およびその製造方法の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく種々検討を重ねた結果、(A)ポリエステルに対し、(B)スチレン系ポリマ、オレフィン系ポリマ、メタクリレート系ポリマから選ばれた少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂を含有させたポリエステル組成物に対し、カーボンブラックおよび未反応の状態のカルボジイミド化合物を含有させた組成物からなる黒色ポリエステル繊維が、上記目的に合致するものであり、さらに、このポリエステル繊維をモノフィラメントとした際に、特にこの黒色ポリエステルモノフィラメントを抄紙ドライヤーキャンバスなどの工業用織物に適用した場合に、最適な効果を発現することを見出し、本発明に到達した。
【0012】
すなわち、本発明の工業用織物は、カーボンブラックを含有する黒色ポリエステルモノフィラメントを経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用いたことを特徴とする工業用織物であって、前記黒色ポリエステルモノフィラメントが、(A)ポリエステル80重量%〜99.9重量%および(B)スチレン系ポリマ、オレフィン系ポリマ、メタクリレート系ポリマから選ばれた少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂0.1重量%〜20重量%の合計100重量部に対し、カーボンブラック0.001重量部〜20重量部および未反応の状態のカルボジイミド化合物0.01重量部〜1.5重量部を含有せしめたポリエステル組成物からなり、末端カルボキシル基濃度が10当量/106g以下であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の黒色ポリエステル繊維に用いられるポリエステルはポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
【0014】
本発明の黒色ポリエステル繊維を構成する(B)熱可塑性樹脂のうち、スチレン系ポリマはシンジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマであることが好ましく、オレフィン系ポリマはポリエチレン(以下、PEという)またはポリプロピレン(以下、PPという)であることが、メタクリレート系ポリマはポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという)であることが、それぞれ一層優れた効果の発現を期待する上で好ましい。
【0016】
そして、本発明の黒色ポリエステル繊維がモノフィラメントである場合に、より好ましい効果の発現に繋がる。
【0017】
すなわち、前述の特性を満たす黒色ポリエステルモノフィラメントを経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用いた工業用織物は、特に抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトさらにはフィルターなどの用途に極めて好適に利用され得るものである。
【0018】
本発明の黒色ポリエステル繊維の製造方法は、カーボンブラックを黒色ポリエステル繊維の溶融紡糸工程で添加する方法、もしくはカーボンブラックを高濃度で含有するポリエステルマスターバッチ(以下、マスターバッチはMBという)として添加する方法、もしくはカーボンブラックがあらかじめ添加された(A)ポリエステルおよび/または(B)熱可塑性樹脂を用いる方法である。
【0020】
そして、この黒色ポリエステルMBは、繊維製造以外の熱可塑性樹脂組成物の製造においても好適に利用でき非常に好ましいものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントを構成する(A)ポリエステルは、ジカルボン酸と、グリコールからなるポリエステルである。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジカルボン酸成分とグリコール成分とを適宜組み合わせて使用することができる。また、上記のジカルボン酸成分の一部を、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換えてもよく、また、上記のグリコール成分の一部をジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリアルキレングリコールなどで置き換えてもよい。更に、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸、硼酸などの鎖分岐剤を少量併用することもできる。
【0023】
これらの内でも、ジカルボン酸成分の90モル%以上がテレフタル酸からなり、グリコール成分の90モル%がエチレングリコールからなる、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)が好適である。
【0024】
本発明の効果を効率よく発現させるために、ポリエステル中にリン化合物を、リン原子として50ppm 以下で、かつ一般式5×10-3≦P≦M+8×10-3(式中のPはポリエステルを構成する二塩基酸に対するリン原子のモル%であり、Mはポリエステル樹脂中の金属で、周期律表II族、VII 族、VIII族でかつ第3,4周期の内より選択された1種もしくは2種以上の金属原子のポリエステルを構成する二塩基酸に対するモル%である。また、M=0であってもよい)の範囲内の量含有させることができる。
【0025】
本発明に用いる(A)ポリエステルには、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐候剤、包接化合物、帯電防止剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤、各種強化繊維類などが添加されていてもよい。
【0026】
また、本発明で用いる(A)ポリエステルには、上記のポリエステルの2種類以上のブレンドポリマーが含まれるものであり、更には上記のポリエステル以外の樹脂、例えばポリアミド、ポリエステルアミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン樹脂、ポリアクリレート、およびフッ素樹脂などを本発明の特性を疎外しない範囲で必要に応じてブレンドしたものでもよい。
【0027】
本発明で用いる(A)ポリエステルの極限粘度は、通常は0.6以上であればよいが、0.7以上の場合には、強度に優れるため特に好ましい。ここで、極限粘度はオルソクロロフェノール溶液中25℃で測定した粘度より求めた極限粘度であり、〔η〕で表わされる。これらのポリエステルの製造は、公知の溶融重縮合方法あるいは溶融重縮合と固相重縮合を組合わせて行なうことができる。
【0028】
本発明の黒色ポリエステル繊維は、カーボンブラックを含有することが必要である。本発明でいうカーボンブラックとは、JIS K6200にある炭化水素、または炭素を含む化合物を空気の供給が不十分な状態で燃焼または熱分解させてできる結晶子の集合体のことを示し、例えば、チャンネルブラック、ローラーブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、アセチレンブラック、ファインサーマルブラック、メディアムサーマルブラック、ランプブラック、ボーンブラック、松煙、油煙、ベジタブルブラックなどが挙げられる。なお、これらカーボンブラックをポリエステルおよび/または熱可塑性樹脂へ添加する際には、粉末状、スラリー状またはペースト状などの状態で使用される。
【0029】
本発明において、黒色ポリエステル繊維を構成するポリエステル組成物に含有させるカーボンブラックの配合量は、(A)ポリエステルと(B)熱可塑性樹脂の合計100重量部に対し0.001重量部〜20重量部、好ましくは0.05重量部〜10重量部、さらに好ましくは0.1重量部〜5重量部の範囲である。
【0030】
すなわち、カーボンブラックの含有量が0.001重量部未満の場合は、黒色ポリエステル繊維としての十分な色調が得られないため好ましくなく、20重量部を越える場合は、所望とする耐加水分解性が得られないため好ましくない。
【0031】
なお、本発明の黒色ポリエステル繊維は、カーボンブラックを前記(A)ポリエステル中および/または(B)熱可塑性樹脂中に含有している場合のいずれの場合でも所望とする効果を得ることができるが、黒色の色調をより鮮明とするためには(A)ポリエステル中もしくはポリエステルを含有するMB中にカーボンブラックを含有させ溶融紡糸してなるものが特に好ましい。
【0032】
また、本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントを構成するポリエステル組成物は、スチレン系ポリマ、オレフィン系ポリマ、メタクリレート系ポリマから選ばれた少なくとも1種類以上の(B)熱可塑性樹脂を含有することが必要である。
【0033】
本発明で用いられる(B)熱可塑性樹脂におけるスチレン系ポリマとしては、アタクチック構造ポリスチレン、アイソタクチック構造ポリスチレン、シンジオタクチック構造ポリスチレン(以下、SPSという)、ポリ−p−メチルスチレン、スチレンとp−メチルスチレンとの共重合体などを挙げることができる。また、好ましくは、これらスチレン系ポリマの中でも、ポリマの50重量%以上がシンジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマを用いることが、製造時の工程通過性が良好になるため好ましく、ポリマの90重量%以上がシンジオタクチック構造を有するSPSである場合には、よりすぐれた効果を期待することができる。
【0034】
また、オレフィン系ポリマとしては、環状オレフィン系重合体、PE、PP、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1、ポリペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1などを挙げることができるが、これらの中でも溶融紡糸時の安定性の点から、PE、PPが特に好ましく用いられる。
【0035】
さらに、メタクリレート系ポリマとしては、PMMA、ポリエチルメタクリレート、ポリn−プロピルメタクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリn−オクチルメタクリレート、ポリn−デシメタクリレート、ポリn−テトラデシルメタクリレートなどを挙げることができるが、これらの中でも特にPMMAが最も好ましい効果を招くものである。
【0036】
上述したこれら(B)熱可塑性樹脂の(A)ポリエステルへの配合は、1種類以上であれば良く、それぞれの(B)熱可塑性樹脂同士のブレンド比率は任意に選択でき、(A)ポリエステルに対するブレンドされた(B)熱可塑性樹脂の配合率は、本発明の範囲内であれば所望とする効果を発揮することができる。
【0037】
そして、上記の(B)熱可塑性樹脂の中でも、黒色ポリエステル繊維や黒色ポリエステルモノフィラメントの強度および耐加水分解性改善の点からは、特にスチレン系ポリマであるSPSを使用することにより、最も好ましい効果の発現が期待できる。
【0038】
ここで、(B)熱可塑性樹脂は、ポリエステルにあらかじめ高濃度に含有させたMBとして用いても十分な効果を発揮する。さらに(B)熱可塑性樹脂を含有するポリエステルMBに、上述したカーボンブラックを必要量添加したものは特に好適に利用することができる。
【0039】
すなわち、カーボンブラックおよび(B)熱可塑性樹脂を含有するポリエステルMBは、本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントの原料組成物とした場合に、原料として非常に取り扱いが良くて生産効率性に優れ、(B)熱可塑性樹脂の繊維中における分散状態が非常に均一となるばかりか、上述したように黒色の色調を損なうこともなく、生産工程通過性も良好であることから、特に好ましい結果に繋がるものである。
【0040】
本発明において黒色ポリエステル繊維を構成する(A)ポリエステルと(B)熱可塑性樹脂との合計100重量部中における(B)熱可塑性樹脂の配合量は、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%であり、(B)熱可塑性樹脂が0.1重量%未満では、十分な耐加水分解性を有する黒色ポリエステル繊維を得ることができないため好適でない。また、(B)熱可塑性樹脂が20重量%を越える場合は、得られる黒色ポリエステル繊維の強度が不足するばかりか、製糸性に悪影響を及ぼすなどの結果に繋がるため好ましくない。
【0041】
本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントは、末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下であることを特徴とする。さらには末端カルボキシル基濃度が5当量/106 g以下であることがより好ましい。
【0042】
ここで、黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントの末端カルボキシル基濃度が10当量/106 gを越える場合は、耐加水分解性が不十分となるため好ましくない。
【0043】
なお、本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントの末端カルボキシル基濃度の測定は、PohlによりANALYTICAL CHEMISTRY 第26巻、1614頁に記載された方法で測定したものであり、本発明の黒色ポリエステル繊維もしくは黒色ポリエステルモノフィラメントからポリエステルだけを分析前に分離することなく、本発明の黒色ポリエステル繊維もしくは黒色ポリエステルモノフィラメントそのものを分析に供して測定することができる。
【0044】
本発明の末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントを得るには、末端カルボキシル基濃度が10当量/106 gより多いポリエステルに対し、ポリエステルの溶融状態で原料となるポリエステルの末端カルボキシル基濃度および反応条件などから、反応後のポリエステル中に0.01重量部〜1.5重量部が未反応の状態で残存するようにカルボジイミド化合物を反応させることが必要である。
【0045】
ここで、本発明の黒色ポリエステル繊維あるいは黒色ポリエステルモノフィラメント中の未反応の状態のカルボジイミド化合物の含有量は次の方法で測定したものである。
(1)100mlメスフラスコに試料約200mgを秤取する、
(2)ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム(容量比1/1)2mlを加えて試料を溶解させる、
(3)試料が溶解したら、クロロホルム8mlを加える、
(4)アセトニトリル/クロロホルム(容量比9/1)を徐々に加えポリマを析出させながら100mlとする、
(5)試料溶液を目開き0.45μmのディスクフィルターで濾過し、HPLCで定量分析する。HPLC分析条件は次の通り、
カラム:Inertsil ODS−2 4.6mm×250mm
移動相:アセトニトリル/水(容量比94/6)
流 量:1.5ml/min.
試料量:20μl
検出器:UV(280nm)。
【0046】
本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントが含有する未反応のカルボジイミド化合物としては、1分子中に1個または2個以上のカルボジイミド基を有する化合物であればいかなるものでもよく、例えば、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジフェニルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert. −ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミドや、下記一般式〈I〉で示される芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられる。
【0047】
【化1】
(ただし、式中のRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは2〜20の整数を示す)。
【0048】
本発明では、これらのカルボジイミド化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択してポリエステルに含有させればよいが、ポリエステルに添加後の安定性の観点から、芳香族骨格を有する化合物が有利な傾向にあり、中でもN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert. −ブチルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミドなどが有利な傾向にあり、特にN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(以下、TICという)が反応性に優れていることから最も好適に用いられ、またTICと上記一般式〈I〉で示される芳香族ポリカルボジイミドとを併用する場合には、さらなる耐加水分解性の向上効果が認められるため一層好ましい。
【0049】
本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントに含有される未反応の状態のカルボジイミド化合物は、(A)ポリエステルと(B)熱可塑性樹脂との合計100重量部に対し、0.01重量部〜1.5重量部であることが必要であり、0.05〜1.2重量部であることがさらに好ましい。すなわち、カルボジイミド化合物の含有量が0.01重量部未満の場合は、耐加水分解性向上効果が不十分であり、逆に1.5重量部を越える場合は、黒色ポリエステル繊維や黒色ポリエステルモノフィラメントの物性を損なうばかりか、ポリマ中よりカルボジイミド化合物がブリードアウトしやすくなり、さらには溶融紡糸時にエクストルーダなど紡糸機への原料供給不良などの問題が生じるため好ましくない。
【0050】
なお、上述した本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントには、耐加水分解性以外の機能の付与として防汚性(撥水・撥油性)を発現させる目的で公知の各種フッ素樹脂を含有することもでき、また耐乾熱性付与の目的のため公知の酸化防止剤を含有させることも可能である。
【0051】
上記特性を有する本発明の黒色ポリエステル繊維は、優れた耐加水分解性を有し、各種工業用繊維材料や織物に好適に利用できるものである。また、これをモノフィラメントとした場合は特に好ましい結果を招き、この黒色ポリエステルモノフィラメントを用いた工業用織物は、本発明のモノフィラメントの優れた耐加水分解性から抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトさらにはフィルターなどとして非常に好ましいものである。
【0052】
なお、本発明でいう工業用織物とは、本発明の黒色ポリエステルモノフィラメントを織物の経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用いた織物のことを意味する。
【0053】
本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントは、その用途や特性を満足させるため、繊維軸方向に垂直な断面の形状を円形、楕円形、扁平、正多角形および不定形な形状を含む多角形といかなる形状をも取り得るものであり、必要に応じて複合繊維であってもよい。なお、ここでいう扁平とは楕円もしくは長方形のことを意味するが、数学的に定義される正確な楕円、長方形以外に概ね楕円、長方形またはこれに類似した形状を含み、正多角形とは数学的に定義される正多角形以外に、概ねこれに類似した形状を含むものである。
【0054】
また、本発明の黒色ポリエステル繊維がモノフィラメントの場合は、その直径も用途に合わせ適宜選択することができるが、通常は0.05〜5mm程度の範囲のものが好適に使用される。
【0055】
次に、本発明の黒色ポリエステル繊維の好ましい製造方法について説明する。
【0056】
本発明の黒色ポリエステル繊維を構成するポリエステル原料組成物中にカーボンブラックを添加する方法ついては、溶融紡糸工程で原料中にカーボンブラックを添加する、カーボンブラックを高濃度で含有させたポリエステルMBとして添加する、(A)ポリエステルおよび/または(B)熱可塑性樹脂中にカーボンブラックを含有する原料を用いることなどで対処することができるが、原料の取り扱いや生産効率の観点から、カーボンブラックおよび(B)熱可塑性樹脂を配合させたポリエステルMBとして添加することがより好ましく、このカーボンブラックおよび(B)熱可塑性樹脂を含有するポリエステルMBは、本発明の黒色ポリエステル繊維の製造以外にも広く利用できるものであり、極めて好ましい黒色ポリエステルMBであるといえる。
【0057】
次いで、カルボジイミド化合物と前記ポリエステル組成物との混合・反応は、重縮合反応終了直後の溶融状態のポリエステルにカルボジイミド化合物を添加し、撹拌・反応させる方法、ポリエステルチップにカルボジイミド化合物を添加・混合した後に反応缶やエクストルーダなどの紡糸機で混練・反応させる方法、および紡糸機でポリエステルにカルボジイミド化合物を連続的に添加し、混練・反応させる方法などにより行なうことができる。
【0058】
その中でも操業の簡便さから、上記(A)ポリエステルおよび(B)スチレン系ポリマ、オレフィン系ポリマ、メタクリレート系ポリマから選ばれた少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂、カーボンブラックおよびカルボジイミド化合物を適宜所望の範囲であらかじめ混合したポリエステル原料混合物を用い、エクストルーダなどの紡糸機で混練・反応させる方法、または上記(A)ポリエステルおよび(B)スチレン系ポリマ、オレフィン系ポリマ、メタクリレート系ポリマから選ばれた少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂、カーボンブラックを適宜所望の範囲で混合したポリエステル原料混合物を、通常の溶融紡糸に使用されるエクストルーダ型紡糸機などに供給すると同時に、エクストルーダなどの入り口またはベント部などから所定量のカルボジイミド化合物を連続的に供給しながら、紡糸機で混練・反応させる方法が好ましく用いられ、混練・反応後の溶融ポリエステルポリマを紡糸機先端に設けられた紡糸口金から押し出し、公知の方法で冷却、延伸、熱セットを行なうことにより、本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントを効率よく製造することができる。
【0059】
かくしてなる本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントは、従来の黒色ポリエステル繊維にはない優れた耐加水分解性を有し、これをモノフィラメントとした場合は、特に工業用織物として好適に利用することができ、中でも優れた耐加水分解性を有することから、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトさらにはフィルターなどとして極めて優れた特性を発揮するものであるといえる。
【0060】
また、本発明の黒色ポリエステル繊維や黒色ポリエステルモノフィラメントの製造に用いられるカーボンブラックおよび(B)熱可塑性樹脂を含有する黒色ポリエステルマスターバッチは、本発明の黒色ポリエステル繊維の製造以外にも好適に利用でき、非常に好ましい工業用熱可塑性樹脂材料であるといえる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の黒色ポリエステル繊維がモノフィラメントの場合の実施例に関しさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0062】
また、上記および下記に記載の本発明の黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントの物性などは以下の方法により測定した値である。
【0063】
(1)引張強度(N/dtex):JIS L1013 7.5項に準じて測定した。
【0064】
(2)耐加水分解性試験:黒色ポリエステルモノフィラメントを100リットルオートクレーブに入れ、121℃の飽和水蒸気で12日間連続処理した後、処理後のモノフィラメントおよび未処理(処理前)のモノフィラメントの強力を上記の引張強度と同一の測定により求め、処理前後のモノフィラメントの強力保持率を算出し、耐加水分解性の尺度とした。なお、算式は強力保持率(%)=(処理後モノフィラメントの強力÷処理前モノフィラメントの強力)×100であり、強力保持率が高いほど耐加水分解性が優れることを示す。
【0065】
(3)製糸性(操業性):24時間の連続紡糸を行ない、○(良好)…原料の噛込み不良による製糸不能状態や製糸中の糸切れが全くない、×(不良)…原料の噛込み不良による製糸不能状態になるまたは製糸中に糸切れが発生する、という2基準に評価した。
【0066】
[実施例1]
ポリエステルとして、特開昭56−85704公報に記載の方法に準じて得た極限粘度0.93、末端カルボキシル濃度15当量/106 gのPET乾燥チップ、熱可塑性樹脂としてポリマを構成するモノマの99重量%以上がスチレンでポリマの99重量%以上がシンジオタクチック構造を有するSPSチップ(出光石油化学(株)ザレック(登録商標))、カーボンブラックとしてカーボンブラックを5重量部含有する極限粘度0.63のPET MBを用い、かかるPET、SPSおよびPET MBを、重量比でPET:SPS:PET MB=94:1:5の割合で混合したポリエステル混合原料を準備した。
【0067】
次いで、カルボジイミド化合物としてTIC(ラインケミー社製Stabaxol(登録商標)I)を撹拌装置付き加熱溶解槽で80℃にて溶解し、このTIC溶液を上記ポリエステル混合原料と同時にエクストルーダ紡糸機供給口から1.45%供給し、紡糸機温度290℃にて混練溶融し、溶融ポリエステル組成物を紡糸ノズルから押し出した後、ただちに温度80℃の温水中で冷却固化させた未延伸糸を得た。
【0068】
引き続き、上記未延伸糸を常法に従って、トータル倍率5.6倍に延伸、熱セットを行ない、直径0.50mmの(A)ポリエステル:99重量%、(B)熱可塑製樹脂SPS:1重量%、カーボンブラック:0.2重量部、未反応TIC:0.159重量部を含有する黒色ポリエステルモノフィラメントを得た。
【0069】
得られた黒色ポリエステルモノフィラメントを構成する原料ポリマ組成、カーボンブラック含有量、TIC添加量、末端カルボキシル基含有量、未反応TIC含有量、引張強度、耐加水分解性試験後強力保持率、製糸性を評価した結果を表1に示す。
【0070】
[実施例2〜8および比較例1〜8]
実施例1と同一の(A)ポリエステル原料およびカーボンブラックのみを含有するPET MBを用い、(B)熱可塑性樹脂の種類および添加量、TIC添加量、カーボンブラックの添加量を表1および3に示すように変更し、直径0.50mmの黒色ポリエステルモノフィラメントを得た。
【0071】
得られた各モノフィラメントの末端カルボキシル基含有量、未反応TIC量、引張強度、耐加水分解性試験後強力保持率および製糸性を評価した結果を表1〜表2に示す。
【0072】
なお、実施例2以降においては、(B)熱可塑製樹脂として、PEは三井石油化学工業(株)ハイゼックス(登録商標)、PPはチッソ(株)チッソポリプロ(登録商標)、PMMAは住友化学工業(株)スミペックス(登録商標)をそれぞれ用いた。
【0073】
[実施例9〜16]
実施例1と同一の(A)ポリエステルおよび(B)熱可塑性樹脂とカーボンブラックを含有させたポリエステルMBの組成、TIC添加量、モノフィラメント断面形状を表3に示すように変更し、同様に0.50mmのモノフィラメント(長方形断面糸は0.30×0.65mm)を得た。
【0074】
得られたモノフィラメントの末端カルボキシル基含有量、未反応TIC量、引張強度、耐加水分解性試験後強力保持率、および製糸性を評価した結果を表3に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
表1および2の結果から明らかなように、本発明による黒色ポリエステルモノフィラメントは、カーボンブラックをPET MBとして添加した場合、(B)熱可塑性樹脂とカーボンブラックをあらかじめ混合し配合したポリエステルMBとして添加した場合のいずれとも製糸性が良好であり、またいずれも高い耐加水分解性を有し、工業用織物原糸としての十分な強度を兼ね備えるものであった。
【0078】
一方、表3の結果から明らかなように、本発明の条件を満足しない比較例1〜8の場合は、耐加水分解性が不十分であるかまたは製糸性が不満足なものであった。
【0079】
すなわち、(B)熱可塑性樹脂であるSPSの添加量が多すぎる比較例1の場合は、ポリエステル組成物をエクストルーダで溶融混練した後、紡糸機の先端に設置された紡糸口金孔から紡出する溶融ポリマーが、多量すぎるSPSの溶融による増粘の結果と考えられる太細の状態となり、未延伸糸の延伸が行なえず不十分であった。
【0080】
また、(B)熱可塑性樹脂であるSPSの添加量が本発明より少ない、あるいは(B)熱可塑性樹脂を全く添加しなかった比較例2および3の場合は、得られた黒色ポリエステルモノフィラメントの耐加水分解性が不十分であり、抄紙ドライヤーキャンバスなどの工業用織物原糸としては不満足なものであった。
【0081】
さらに、(B)熱可塑性樹脂をPEに変更し、本発明より多く添加した比較例5においては、紡糸機への原料組成物の供給、噛み込み不良による紡糸機の停止(いわゆる内圧低下現象)が多発し紡糸不能となってしまった。
【0082】
また、カーボンブラックを本発明より多く添加した比較例4の場合は、得られた黒色ポリエステルモノフィラメントの耐加水分解性が低くなり不十分であるばかりか、多量すぎるカーボンブラックの添加による延伸性の低下によると考えられる延伸工程での糸切れが頻発し製糸性も不十分なものとなってしまった。
【0083】
TICの添加量が多すぎる、または少なすぎるためモノフィラメント中に残存する未反応TIC量が本発明外となった比較例6〜8の場合、TICの添加量を多くした比較例6の場合では、耐加水分解性は良好であったものの、原料組成物の噛込み不良による内圧低下現象が発生し好ましくないものであった。一方、TICを全く添加しなかった比較例7においては、耐加水分解性試験処理を行なったサンプルが完全に加水分解劣化し強力測定ができない状況であった。また、(B)熱可塑性樹脂を3種類混合添加した比較例8においても、TIC添加量が少なすぎたため、モノフィラメント中に残存する未反応TIC量が本発明外となり、耐加水分解性が満足いかないものであった。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の黒色ポリエステルモノフィラメントを使用した工業用織物は、従来にはない優れた耐加水分解性ならびに工業用織物として十分な強度を兼ね備えていることから、特に抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布熱接着用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルターとして好適に利用できるものである。
【0085】
また、本発明の製造方法によれば、上記の特性を有する黒色ポリエステル繊維および黒色ポリエステルモノフィラメントを効率的に製造することができる。
Claims (8)
- カーボンブラックを含有する黒色ポリエステルモノフィラメントを経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用いたことを特徴とする工業用織物であって、前記黒色ポリエステルモノフィラメントが、(A)ポリエステル80重量%〜99.9重量%および(B)スチレン系ポリマ、オレフィン系ポリマ、メタクリレート系ポリマから選ばれた少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂0.1重量%〜20重量%の合計100重量部に対し、カーボンブラック0.001重量部〜20重量部および未反応の状態のカルボジイミド化合物0.01重量部〜1.5重量部を含有せしめたポリエステル組成物からなり、末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下であることを特徴とする工業用織物。
- 前記(A)ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1に記載の工業用織物。
- 前記(B)熱可塑性樹脂におけるスチレン系ポリマがシンジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマであることを特徴とする請求項1または2記載の工業用織物。
- 前記(B)熱可塑性樹脂におけるオレフィン系ポリマがポリエチレンまたはポリプロピレンであることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
- 前記(B)熱可塑性樹脂におけるメタクリレート系ポリマがポリメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物。
- 前記工業用織物が、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルターであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の工業用織物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の工業用織物を製造するに際し、前記カーボンブラックをポリエステルマスターバッチとして添加することにより黒色ポリエステルモノフィラメントを得ることを特徴とする工業用織物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の工業用織物を製造するに際し、前記カーボンブラックを前記(B)熱可塑性樹脂を含有せしめたポリエステルマスターバッチとして添加することにより黒色ポリエステルモノフィラメントを得ることを特徴とする工業用織物の製造方法。
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