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JP3934996B2 - 平版印刷版用支持体 - Google Patents

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JP3934996B2
JP3934996B2 JP2002170328A JP2002170328A JP3934996B2 JP 3934996 B2 JP3934996 B2 JP 3934996B2 JP 2002170328 A JP2002170328 A JP 2002170328A JP 2002170328 A JP2002170328 A JP 2002170328A JP 3934996 B2 JP3934996 B2 JP 3934996B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷版用支持体に関するものであり、高度に親水化された表面を有し、優れた画質の画像形成が可能な平版印刷版用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷は、インキを受容する親油性領域と、インキを受容せず湿し水を受容する撥インク領域(親水性領域)を有する版材を利用する印刷方法であり、現在では広く感光性の平版印刷版原版(PS版)が用いられている。
PS版は、アルミニウム板などの支持体の上に、感光層を設けたものが実用化され広く用いられている。このようなPS版は、画像露光および現像により非画像部の感光層を除去し、基板表面の親水性と画像部の感光層の親油性を利用して印刷が行われている。このような版材では、非画像部の汚れ防止のため、基板表面には高い親水性が要求される。
【0003】
従来、平版印刷版に用いる親水性基板又は親水性層としては、陽極酸化されたアルミニウム基板、若しくはさらに親水性を上げるためにこの陽極酸化されたアルミニウム基板をシリケート処理することが一般的に行なわれている。さらに、これらアルミニウム支持体を用いた親水化基板若しくは親水性層に関する研究が盛んに行われており、例えば、特開平7−1853号公報には、ポリビニルホスホン酸で下塗り剤で処理された基板が、また、特開昭59−101651号公報には、感光層の下塗り層としてスルホン酸基を有するポリマーを使用する技術がそれぞれ記載されており、その他にも、ポリビニル安息香酸などを下塗り剤として用いる技術も提案されている。
【0004】
これらの親水性層は、従来のものより親水性が向上し、印刷開始時には汚れの生じない印刷物が得られる平版印刷版を与えたが、印刷を繰り返すうちに剥離したり、親水性が経時的に低下したりする問題があり、より厳しい印刷条件においても、親水性層が支持体から剥離したり、表面の親水性が低下することなく、多数枚の汚れの生じない印刷物が得られる平版印刷版用原版が望まれていた。また、実用的な観点から、さらなる親水性の向上も要求されるのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の諸問題を解決すべくなされた本発明の目的は、親水性が高く、また、その持続性に優れた親水性表面を備えることで、特に印刷汚れ性が改善され、厳しい印刷条件においても、高画質の印刷物が多数枚得られる平版印刷版用支持体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、アルミニウム基材上に、該アルミニウム基材表面と化学結合しうる反応性基を有する親水性ポリマーを結合させることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の平版印刷版用支持体は、砂目立てしたアルミニウム基材上に、該アルミニウム基材表面と直接もしくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合しうる反応性基を有する親水性ポリマーが化学結合してなる親水性表面を有することを特徴とする。
【0008】
前記親水性ポリマーとしては、アルミニウム基材表面と直接もしくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合しうる反応性基をポリマー末端に有するものであることが好ましい。
また、これらのうち、架橋構造を有する構成成分を介してアルミニウム基材表面に化学結合する親水性表面の好適な具体的な態様としては、前記親水性表面が、Si、Ti、Zr、Alから選択される元素を含むアルコキシド化合物の加水分解、縮重合により形成された架橋構造を有する態様が挙げられる。
【0009】
本発明に用いられる親水性ポリマーは、下記一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物である
【0010】
【化3】
Figure 0003934996
【0011】
式(1)で表されるポリマーは、構造単位(i)、(ii)で表されるポリマーユニットの末端に、構造単位(iii)で表されるシランカップリング基を有する。
式(1)中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、mは0、1または2を表し、xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは100:0〜1:99の範囲を表す。L、L、Lはそれぞれ独立に単結合又は有機連結基を表す。ただし、L が有機連結基を表す場合、珪素原子と結合している原子は炭素原子である。、Yはそれぞれ独立に−N(R7)(R8)、−OH、−NHCOR7、−COR7、−CO2M又は−SO3Mを表し、ここで、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表す。
【0012】
前記親水性ポリマーが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする。
【0013】
【化4】
Figure 0003934996
【0014】
前記式(2)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、mは0、1又は2を表し、xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは99:1〜50:50の範囲を表す。L、Lはそれぞれ独立に単結合又は有機連結基を表す。ただし、L が有機連結基を表す場合、珪素原子と結合している原子は炭素原子である。は−N(R7)(R8)、−OH、−NHCOR7、−COR7、−CO2M又は−SO3Mを表し、ここで、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Mは水素原子,アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表す。
【0015】
記親水性ポリマーと共に、下記一般式(3)で表される架橋成分を含有する親水性塗布液を調製し、アルミニウム基材表面に塗布、乾燥することで、強固な架橋構造を有する親水性表面を容易に形成することができる。
【0016】
【化5】
Figure 0003934996
【0017】
式(3)中、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R10はアルキル基又はアリール基を表し、XはSi、Al、Ti,又はZrを表し、mは0〜2の整数を表す。
また一般式(I)におけるL が−(CH 2 n −S−である(nは1〜8の整数)ことが好ましい。
さらに本発明の平版印刷版用支持体は、露光後にアルカリ現像する感光層を有することを特徴とし、平版印刷版用支持体の親水性表面の膜厚が乾燥後の塗布量で0.5〜5.0g/mであることを特徴とする。
【0018】
本発明の作用は明確ではないが、親水性基を有するポリマーが、その分子内にさらにアルミニウム基材表面に直接化学結合するか、或いは、架橋構造を有する構成成分を介して化学結合し得る反応性基を有するため、このような親水性ポリマーがそのアルミニウム基材表面に存在する−Al3+或いは−OH等の官能基とカップリング反応を生起して強固に結合される。一方、親水性基はこのアルミニウム基材との結合反応には関与せず、比較的フリーの状態で存在するため、強固な結合と高い親水性が両立する。さらに、好ましい態様においては、親水性基がグラフト構造を有し、且つ、Si、Ti、Zr、Alから選択される元素を含むアルコキシド化合物の加水分解、縮重合により形成された架橋構造を介してアルミニウム基材に吸着するため、この親水性表面は、グラフト鎖の状態で導入された親水性の官能基が表面にフリーの状態で偏在するとともに、アルコキシドの加水分解、縮重合により、高密度の架橋構造を有する有機無機複合体皮膜が形成されているため、高い親水性を有する高強度の皮膜となるものと考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の平版印刷版用支持体は、アルミニウム基材(以下、適宜「基材」と略する)上に、該基材表面と直接化学結合し得る反応性基、或いは、基材表面と架橋構造を有する構成成分を介して化学結合しうる反応性基、のうち少なくとも1種を有する親水性ポリマー(以下、適宜、「特定親水性ポリマー」と称する)が化学結合してなる親水性表面を有することを特徴とする。まず、特定親水性ポリマーについて説明する。
【0020】
ここで用いられる特定親水性ポリマーとしては、基材表面と直接もしくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合しうる反応性基を、該親水性ポリマーの末端、或いは側鎖に有し、且つ、親水性の官能基を有するものであれば特に制限はない。
このような特定親水性ポリマーとしては、該反応性基としてアルコキシ基等の架橋性基を有するものが好ましく、この架橋性基が直接基材表面上に存在する−Al3+或いは−OH等の官能基とカップリング反応により結合していてもよく、或いは、特定親水性ポリマーを含有する親水性塗布液を調製し、基材表面に塗布・乾燥することで、該架橋性基の加水分解、縮重合により、架橋構造を形成し、それを介して基材に結合されたものであってもよい。後者のようにして形成された架橋構造は、強固で耐久性に優れた親水性表面を容易に形成しうるため、本発明において好ましい態様といえる。なお、このような架橋構造を、本発明では以下、適宜、「ゾルゲル架橋構造」と称する。
【0021】
さらに、該架橋性基としては、Si、Ti、Zr、Alから選択される元素を含むアルコキシド化合物であることが好ましく、反応性、入手の容易性からSiのアルコキシドが好ましく、具体的には、シランカップリング剤に用いる化合物を好適に使用することができる。
以下、本発明の支持体における親水性表面の好ましい態様について、各構成及び親水性表面の形成方法について詳細に説明する。
【0022】
〔アルミニウム基材表面と直接もしくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合しうる反応性基を有する親水性ポリマー〕
アルミニウム基材表面と直接もしくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合しうる反応性基を末端、或いは側鎖に有する親水性ポリマー(特定親水性ポリマー)は、分子内に少なくとも親水性基と前記特定の反応性基とを有するものであれば、特に制限はないが、好ましい態様としては、下記一般式(1)または(2)で表される構造を有するものが挙げられる。
【0023】
(一般式(1)で表される特定親水性ポリマー)
下記一般式(1)で表される特定親水性ポリマー(以下、適宜、「特定親水性ポリマー(1)」と称する)は、末端にシランカップリング基を有することを特徴とする。
【0024】
【化6】
Figure 0003934996
【0025】
式(1)で表される高分子化合物は、構造単位(i)、(ii)で表されるポリマーユニットの両末端の少なくとも一方に、構造単位(iii)で表されるシランカップリング基を有していればよく、他の末端にもこの官能基を有していてもよく、水素原子、または重合開始能を有する官能基を有していてもよい。
上記一般式(1)において、mは0、1または2を表し、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数8以下の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、アルキル基、アリール基などが挙げられ、炭素数8以下の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
1〜R6は、効果及び入手容易性の観点から、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。
【0026】
これらの炭化水素基は更に置換基を有していてもよい。
アルキル基が置換基を有するとき、置換アルキル基は置換基とアルキレン基との結合により構成され、ここで、置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いらる。好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、Ν−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、
【0027】
N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイト基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−Ν−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、
【0028】
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、モルホルノ基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
【0029】
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル2基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。
【0030】
これら置換基のうち、より好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
【0031】
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12まての分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。該置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチルと、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチルル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキシエチル基、2−オキシプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、
【0032】
クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルアバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノへキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
【0033】
1およびL2は、単結合又は有機連結基を表す。ここで、有機連結基とは非金属原子からなる多価の連結基を示し、具体的には、1個から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つものである。より具体的な連結基としては下記の構造単位またはこれらが組合わされて構成されるものを挙げることができる。
【0034】
【化7】
Figure 0003934996
【0035】
3は、単結合又は有機連結基を表す。ここで、有機連結基とは、非金属原子からなる多価の連結基を示し、具体的には、上記L1およびL2と同様のものもを挙げることができる。中でも、特に好ましい構造としては、−(CH2n−S−である(nは1〜8の整数)。
【0036】
また、Y1およびY2それぞれ独立に−N(R )(R 、−OH、−NHCOR、−COR、−COM又は−SOMを表し、ここで、R 、R はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基を表す。また、−N(R )(R についてR、Rがお互い結合して環を形成していてもよく、また、形成された環は酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。R、Rはさらに置換基を有していてもよく、ここで導入可能な置換基としては、前記R〜Rがアルキル基の場合に導入可能な置換基として挙げたものを同様に挙げることができる。
【0037】
7、R8としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が好適に挙げられる。
Mとしては、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、又は、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウムなどのオニウムが挙げられる。
また、Y1、Y2としては具体的には、−NHCOCH3、−CONH2、−COOH、−SO3 -NMe4 +、モルホリノ基等が好ましい。
【0038】
xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは100:0〜1:99の範囲を表し、100:0〜5:95の範囲がさらに好ましい。
【0039】
特定親水性ポリマー(1)の分子量としては、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がさらに好ましく、1,000〜30,000が最も好ましい。
【0040】
本発明に好適に用い得る特定親水性ポリマー(1)の具体例(1−1)〜(1−23)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
【化8】
Figure 0003934996
【0042】
【化9】
Figure 0003934996
【0043】
【化10】
Figure 0003934996
【0044】
<合成方法>
本発明に係る特定親水性ポリマー(1)は、下記構造単位(i)及び(ii)で表されるラジカル重合可能なモノマーと、下記構造単位(iii)で表されるラジカル重合において連鎖移動能を有するシランカップリング剤を用いてラジカル重合することにより合成することができる。シランカップリング剤が連鎖移動能を有するため、ラジカル重合においてポリマー主鎖末端にシランカップリング基が導入されたポリマーを合成することができる。
この反応様式は特に制限されるものではないが、ラジカル重合開始剤の存在下、或いは、高圧水銀灯の照射下、バルク反応、溶液反応、懸濁反応などを行えばよい。
【0045】
また、重合反応において、(iii)で表される構造単位の導入量を制御し、これと構造単位(i)又は(ii)との単独重合を効果的に抑制するため、不飽和化合物の分割添加法、逐次添加法などを用いたじ重合法を行うことが好ましい。
構造単位(iii)に対する構造単位(i)、(ii)の反応比率は特に制限されるものではないが、構造単位(iii)1モルに対して、構造単位(i)、(ii)が0.5〜50モルの範囲内とすることが、副反応の抑制や加水分解性シラン化合物の収率向上の観点から好ましく、1〜45モルの範囲がより好ましく、5〜40モルの範囲であることが最も好ましい。
【0046】
【化11】
Figure 0003934996
【0047】
上記構造単位(i)、(ii)及び(iii)において、R1〜R6、L1〜L3、Y1、Y2、mは、上記一般式(1)と同義である。また、これらの化合物は、市販されおり、また容易に合成することもできる。
【0048】
特定親水性ポリマー(1)を合成するためのラジカル重合法としては、従来公知の方法の何れをも使用することができる。具体的には、一般的なラジカル重合法は、例えば、新高分子実験学3、高分子の合成と反応1(高分子学会編、共立出版)、新実験化学講座19、高分子化学(I)(日本化学会編、丸善)、物質工学講座、高分子合成化学(東京電気大学出版局)等に記載されており、これらを適用することができる。
【0049】
また、上記特定親水性ポリマー(1)は、後述するような他のモノマーとの共重合体であってもよい。用いられる他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーも挙げられる。このようなモノマー類を共重合させることで、製膜性、膜強度、親水性、疎水性、溶解性、反応性、安定性等の諸物性を改善することができる。
【0050】
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又はi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
【0051】
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0052】
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0053】
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0054】
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
【0055】
共重合体の合成に使用されるこれらの他のモノマーの割合は、諸物性の改良に十分な量である必要があるが、割合が大きすぎる場合には、平版印刷版用支持体としての機能が不十分となる。従って、特定親水性ポリマー(1)中の他のモノマーの好ましい総割合は80重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは50重量%以下である。
【0056】
(一般式(2)で表される特定親水性ポリマー)
下記一般式(2)で表される特定親水性ポリマー(以下、適宜、「特定親水性ポリマー(2)」と称する)は、側鎖にシランカップリング基を有することを特徴とする。
【0057】
【化12】
Figure 0003934996
【0058】
上記一般式(2)における、m、及びR1〜R6、L1、L2、Y1は、すべて一般式(1)と同義である。
xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは99:1〜50:50の範囲を表し、99:1〜60:40の範囲が好ましく、98:2〜70:30の範囲がさらに好ましい。
特定親水性ポリマー(2)の分子量としては、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がさらに好ましく、1,000〜30,000が最も好ましい。
ここで、本発明に好適に用い得る特定親水性ポリマー(2)の具体例(2−1)〜(2−7)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
【化13】
Figure 0003934996
【0060】
<合成方法>
特定親水性ポリマー(2)を合成するためのラジカル重合法としては、従来公知の方法の何れをも使用することができる。具体的には、一般的なラジカル重合法は、例えば、新高分子実験学3、高分子の合成と反応1(高分子学会編、共立出版)、新実験化学講座19、高分子化学(I)(日本化学会編、丸善)、物質工学講座、高分子合成化学(東京電気大学出版局)等に記載されており、これらを適用することができる。
また、特定親水性ポリマー(2)は、他のモノマーとの共重合体であってもよく、用いられる他のモノマーとしては、上記特定親水性ポリマー(1)で挙げたものと同様のものを用いることができる。
【0061】
〔一般式(3)で表される架橋性分〕
本発明に係る親水性表面は、上記特定親水性ポリマー中の架橋性基が直接アルミニウム基材表面上の−Al3+、或いは−OH基などの官能基と化学結合するか、もしくは、特定親水性ポリマーを含有する親水性塗布液を調製し、基材表面に塗布、乾燥することで、該架橋性基の加水分解、縮重合により、架橋構造(ゾルゲル架橋構造)を形成したものであってもよい。
ゾルゲル架橋構造を形成するにあたっては、特定親水性ポリマーと、下記一般式(3)で表される架橋成分とを混合して基材表面に塗布・乾燥することが好ましい。下記一般式(3)で表される架橋成分としては、その構造中に重合性の官能基を有し、架橋剤としての機能を果たす化合物であり、前記特定親水性ポリマーと縮重合することで、架橋構造を有する強固な皮膜を形成する。
【0062】
【化14】
Figure 0003934996
【0063】
一般式(3)中、R9は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R10はアルキル基又はアリール基を表し、XはSi、Al、Ti又はZrを表し、mは0〜2の整数を表す。
9及びR10がアルキル基を表す場合の炭素数は好ましくは1から4である。アルキル基又はアリール基は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、メルカプト基などが挙げられる。
なお、この化合物は低分子化合物であり、分子量1000以下であることが好ましい。
【0064】
以下に、一般式(3)で表される架橋成分の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
XがSiの場合、即ち、加水分解性化合物中にケイ素を含むものとしては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、γ−クロロプリピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げることができる。
これらのうち特に好ましいものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトルイメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げることができる。
【0065】
また、XがAlである場合、即ち、加水分解性化合物中にアルミニウムを含むものとしては、例えば、トリメトキシアルミネート、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシアルミネート、テトラエトキシアルミネート等を挙げることができる。
XがTiである場合、即ち、チタンを含むものとしては、例えば、トリメトキシチタネート、テトラメトキシチタネート、トリエトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、クロロトリメトキシチタネート、クロロトリエトキシチタネート、エチルトリメトキシチタネート、メチルトリエトキシチタネート、エチルトリエトキシチタネート、ジエチルジエトキシチタネート、フェニルトリメトキシチタネート、フェニルトリエトキシチタネート等を挙げることができる。
XがZrである場合、即ち、ジルコニウムを含むものとしては、例えば、前記チタンを含むものとして例示した化合物に対応するジルコネートを挙げることができる。
【0066】
〔親水性表面の形成〕
(親水性塗布液の調製)
前記特定親水性ポリマーを含む親水性塗布液組成物を調製するにあたっては、特定親水性ポリマーの含有量は固形分換算で、10重量%以上、50重量%未満とすることが好ましい。含有量が50重量%以上になると膜強度が低下する傾向があり、また、10重量%未満であると、皮膜特性が低下し、膜にクラックが入るなどの可能性が高くなり、いずれも好ましくない。
【0067】
また、好ましい態様である親水性塗布液組成物の調製に前記架橋成分を添加する場合の添加量としては、特定親水性ポリマー中のシランカップリング基に対して架橋成分が5mol%以上、さらに10mol%以上となる量であることが好ましい。架橋成分添加量の上限は親水性ポリマーと十分架橋できる範囲内であれば特にないが、大過剰に添加した場合、架橋に関与しない架橋成分により、作製した親水性表面がべたつくなどの問題を生じる可能性がある。
【0068】
シランカップリング基を末端に有する親水性ポリマー、好ましくは、さらに架橋成分とを溶媒に溶解し、よく攪拌することで、これらの成分が加水分解し、重縮合することにより製造される有機無機複合体ゾル液が本発明に係る親水性塗布液となり、これによって、高い親水性と高い膜強度を有する表面親水性層が形成される。有機無機複合体ゾル液の調製において、加水分解及び重縮合反応を促進するために、酸性触媒または塩基性触媒を併用することが好ましく、実用上好ましい反応効率を得ようとする場合、触媒は必須である。
【0069】
触媒としては、酸、あるいは塩基性化合物をそのまま用いるか、あるいは水またはアルコールなどの溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒という)を用いる。溶媒に溶解させる際の濃度については特に限定はなく、用いる酸、或いは塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて適宜選択すればよいが、濃度が高い場合は加水分解、重縮合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の高い塩基性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場合があるため、塩基性触媒を用いる場合、その濃度は水溶液での濃度換算で1N以下であることが望ましい。
【0070】
酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場合には乾燥後に塗膜中にほとんど残留しないような元素から構成される触媒がよい。
具体的には、酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸などが挙げられ、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。
【0071】
親水性塗布液の調製は、シランカップリング基を末端に有する親水性ポリマー、好ましくはさらに架橋成分をエタノールなどの溶媒に溶解後、所望により上記触媒を加え、攪拌することで実施できる。反応温度は室温〜80℃であり、反応時間、即ち攪拌を継続する時間は1〜72時間の範囲であることが好ましく、この攪拌により両成分の加水分解・重縮合を進行させて、有機無機複合体ゾル液を得ることができる。
【0072】
前記親水性ポリマー及び、好ましくは架橋成分を含有する親水性塗布液組成物を調製する際に用いる溶媒としては、これらを均一に、溶解、分散し得るものであれば特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、水等の水系溶媒が好ましい。
【0073】
以上述べたように、本発明に係る親水性表面を形成するための有機無機複合体ゾル液(親水性塗布液組成物)の調製はゾルゲル法を利用している。ゾルゲル法については、作花済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊)(1988年〕、平島硯「最新ゾル−ゲル法による機能性薄膜作成技術」総合技術センター(刊)(1992年)等の成書等に詳細に記述され、それらに記載の方法を本発明に係る親水性塗布液組成物の調製に適用することができる。
【0074】
本発明に係る親水性塗布液組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、種々の添加剤を目的に応じて使用することができる。例えば、塗布液の均一性を向上させるため界面活性剤を添加することができる。
【0075】
上記のようにして調製した親水性塗布液組成物を支持体の基板に塗布、乾燥することで親水性表面を形成することができる。親水性表面の膜厚は目的により選択できるが、一般的には乾燥後の塗布量で、0.5〜5.0g/m2の範囲であり、好ましくは1.0〜3.0g/m2の範囲である。塗布量が、0.5g/m2より少ないと親水性の効果が発現しにくくなり、5.0g/m2を超えると感度や膜強度の低下を生じる傾向があるためいずれも好ましくない。
【0076】
(支持体基板)
本発明に用いられるアルミニウム支持体は、平版印刷版原版への使用に適する寸度的に安定な板状物を形成して基材とする必要があり、強固な親水性表面を形成する観点から最表面はアルミニウムであることを要し、これらを考慮して、必要な強度、耐久性、可撓性などの特性を有するものを選択することが好ましい。例えば、代表的なものとして挙げられるアルミニウム板の他、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース等)、アルミニウム以外の金属板(例えば、亜鉛、銅等)、或いは、これらのプラスチックがラミネートされた紙など、のシート表面にアルミニウムが蒸着あるいは積層されたもの等が含まれる。
【0077】
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更に先に述べたようにアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0078】
基材として使用するアルミニウム板には必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの表面処理を行なっても良い。このような表面処理について簡単に説明する。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0079】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0080】
他の好ましい態様であるポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムを用いる場合には、親水性表面の形成性、或いは、その上に設けられる記録層との密着性の観点から、親水性表面が形成される面が粗面化されたものを用いることが好ましい。以下に、本発明で用いられる支持体表面(固体表面)の好ましい表面性状の例について説明する。
本発明に用いられる支持体機材の好ましい粗面化の状態としては、2次元粗さパラメータの中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1μm、最大高さ(Ry)が1〜10μm、十点平均粗さ(Rz)が1〜10μm、凹凸の平均間隔(Sm)が5〜80μm、局部山頂の平均間隔(S)が5〜80μm、最大高さ(Rt)が1〜10μm、中心線山高さ(Rp)が1〜10μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜10μmの範囲が挙げられ、これらのひとつ以上の条件を満たすものが好ましく、全てを満たすことがより好ましい。
【0081】
上記2次元粗さパラメータは以下の定義に基づくものである。
〔中心線平均粗さ(Ra)〕粗さ曲線から中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線と粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値。
〔最大高さ(Ry)〕粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線の間隔を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。
〔十点平均粗さ(Rz)〕粗さ曲線からその平均値の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(YP)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和をマイクロメートル(μm)で表した値。
〔凹凸の平均間隔(Sm)〕粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をマイクロメートル(μm)で表した値。
【0082】
〔局部山頂の平均間隔(S)〕粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、この多数の局部山頂の間隔の算術平均値をマイクロメートル(μm)で表した値。
〔最大高さ(Rt)〕粗さ曲線から基準長さだけ抜き取った部分の中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだときの2直線の間隔の値。
〔中心線高さ(Rp)〕粗さ曲線からその中心線方向に測定長さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平行で最高の山頂を通る直線との間隔の値。
〔中心線谷深さ(Rv)〕粗さ曲線からその中心線方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。
【0083】
(表面粗面化処理方法)
基材表面を粗面化処理する方法としては、先に述べたアルミニウム表面処理方法が代表的なものとして挙げられるが、特に、化学的、電気的な処理方法はアルミニウム板自体を基材として用いた場合のみに適用できるものであり、例えば、アルミニウムを蒸着したプラスチックなどの複合基材を表面処理する方法としては、先に述べた機械的粗面化方法をはじめとする他の公知の粗面化手段を採用することが好ましい。このような粗面化手段としては、例えば、基材表面をサンドブラスト加工やブラシ加工などで機械的にこすり、表面を削って凹部を形成し、粗面化する方法などが挙げられる。これらの手段は単独のみならず複数の方法を組み合わせて実施してもよい。
なかでも、サンドブラスト加工が、特に好ましく実施できる。
【0084】
<サンドブラスト法>
サンドブラストとは細かい粒度の研削材を基材表面に高速投射することにより表面に凹凸をつける方法であり、具体的には、サンドブラスト処理は、研削材を圧縮空気により基材表面に吹き付けることにより表面処理を行うものであり、それによって形成される凹凸は、サンドブラスト処理の条件により調整される。サンドブラスト処理は公知の方法でよく、例えはカーボランダム(炭化珪素粉)、金属粒子等を圧搾空気と共に表面に強力に吹き付け、その後水洗乾燥を経て目的を達成することができる。
サンドブラスト処理による基材の中心線平均表面粗さの制御は、吹き付ける粒子の粒径、処理量(面積当たりの処理頻度)により行うことができ、粒子の粒径が大きくなる程、或いは、処理量が多くなる程、表面の中心線平均表面粗さは大きくなる。
【0085】
処理条件としてはサンドブラスト吹き出しノズルから研削材を吹き出して表面に吹き付けるのであるが、研削材の吹き出し量(ブラスト量)、サンドブラスト吹き出しノズルと基材表面との角度及び間隔(ブラスト角度、ブラスト距離)を調整する必要がある。そして、エアチャンパーから送り出す圧縮空気によってホッパー内の研削材をサンドブラスト吹き出しノズルから吹き出させて基材表面に吹き付けることにより、適正化した処理条件でサンドブラスト処理をするのである。これらの方法は具体的にはたとえば、特開平8−34866号公報、特開平11‐90827号公報、特開平11−254590号公報などに公知の方法として記載されている。
ここで、かかるサンドブラスト処理における処理条件は、処理後に研削材や被研削物が基材表面に残存せず、また、基材自体の強度が低下しないような条件にする必要があるが、かかる処理条件は経験的に適宜設定することができる。
【0086】
具体的には、研削材としてはけい砂その他の研削材が用いられるが、粒径が0.05〜10mmのけい砂を用いることが好ましく、0.1〜11mmのけい砂を用いることがさらに好ましい。また、ブラスト距離は100〜300mmとするのが好ましく、ブラスト角度は45〜90度、更には45〜60度とするのが好ましい。また、ブラスト量は1〜10kg/minとすることが好ましい。このような条件は、サンドブラスト処理により基材表面に研削材や被研削物が残らないようにし、更に研削深さを制御するために設定される。なお、研削深さは0.01〜0.1μmにとどめることが好ましく、この範囲であれば、研削により基材自体の強度が低下し、実用強度を維持できないといった自体を防止することができる。
【0087】
本発明の平版印刷版用支持体においては、基材に形成された親水性表面上に所定の記録層(画像形成層)を設けることで平版印刷版原版を得ることができる。ここに設けられる画像形成層は任意であるが、その代表的なものを挙げて説明する。
【0088】
〔画像形成層〕
(感光性若しくは感熱性の画像形成層)
本発明において、親水性層上に設けられる画像形成層(感光性層若しくは感熱性層)は、ポジ作用感応性組成物又はネガ作用感応性組成物を含有してなる。
【0089】
(ポジ作用感応性組成物)
本発明において、ポジ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公知のポジ作用感応性組成物[(a)〜(b)]を用いることが好適である。
【0090】
(a)ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂とを含有してなる従来から用いられているコンベンショナルポジ作用感光性組成物。
(b)酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性化合物と酸発生剤との組み合わせを含有してなる化学増幅型ポジ作用感光性組成物。
【0091】
上記(a)及び(b)は、いずれも当分野においてはよく知られたものであるが、以下に示すポジ作用感応性組成物((c)〜(f))と組み合わせて用いることがさらに好適である。
【0092】
(c)特開平10−282672号に記載の現像処理不要な平版印刷版を作製することが出来る、スルホン酸エステルポリマーと赤外線吸収剤とを含有してなるレーザー感応性ポジ組成物。
(d)EP652483号、特開平6−502260号に記載の現像処理不要な平版印刷版を作製することが出来る、カルボン酸エステルポリマーと、酸発生剤若しくは赤外線吸収剤とを含有してなるレーザー感応性ポジ組成物。
(e)特開平11−095421号に記載のアルカリ可溶性化合物、及び熱分解性でありかつ分解しない状態ではアルカリ可溶性化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を含有してなるレーザー感応性ポジ組成物。
(f)アルカリ現像溶出型ポジ平版印刷版を作製することができる、赤外線吸収剤、ノボラック樹脂、及び溶解抑止剤を含有してなるアルカリ現像溶出ポジ型組成物。
【0093】
上記(a)〜(f)で示したポジ作用感応性組成物で用いられる化合物を以下に説明する。
「酸発生剤」
ポジ作用感応性組成物において使用される酸発生剤は、熱若しくは光により酸を発生する化合物であり、一般的には、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物及びそれらの混合物等を挙げることができ、これらを適宜選択して使用することができる。
【0094】
例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al.,Po1ymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al.,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al.,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478,Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al.,Macromolecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2−150,848号、特開平2−296,514号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al.,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.,J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem,Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al.,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al.,Macromolecules,14(5),1141(1981)、
【0095】
J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、米国特許第3,902,114号、欧州特許第233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al.,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S,Wen et al.,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478,Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩。
【0096】
米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al.,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gillet al.,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase et al.,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichman et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al.,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al.,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al.,J.Chem.Soc.,3571(1965)、P.M.Collins et al.,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、
【0097】
M.Rudinstein et al.,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al.,J.Am Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al.,J.Imaging Technol.,11(4),(1985)、H.M.Houlihan et al.,Macromolecules,21,2001(1988)、P.M.Co1lins et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase et al.,Macromolecules,18,1799(1985),E.Reichmanis et al.,J.Electrochem,Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al.,Macromolecules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、TUNOOKA et al.,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner et al.,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijset al.,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi et al.,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第4,618,554号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルホネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号等に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0098】
また、酸発生剤をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al.,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas et al.,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo et al.,Makromol.Chem.Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada et al.,Makromol,Chem.152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−14603号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al.,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al.,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0099】
本発明において、酸発生剤の添加量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分に対し、通常0.001〜40重量%程度であり、0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜5重量%がさらに好ましい。
【0100】
「アルカリ可溶性化合物」
ポジ作用感応性組成物において使用されるアルカリ可溶性化合物は、ポジ型に適用される場合には、溶解抑止剤との共存下によりアルカリ可溶性が低下し、溶解抑止剤の分解により、アルカリ可溶性が回復するアルカリ可溶性化合物である。
【0101】
ポジ作用感応性組成物において使用されるアルカリ可溶性化合物としては、ノボラック樹脂、ポリヒドロキンスチレン、アクリル樹脂等を挙げることができる。
本発明で使用されるノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を、酸性条件下で縮合させて得られる樹脂である。好ましいノボラック樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(o−、m−、p−又はm−/p−、m−/o−、o−/p−混合のいずれでもよい)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂等が挙げられる。これらのノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
【0102】
ポジ作用感応性組成物において使用されるノボラック樹脂以外のアルカリ可溶性化合物としては、例えばポリヒドロキシスチレン類、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、ヒドロキシスチレン−無水マレイン酸共重合体、アルカリ可溶性基を有するアクリル系ポリマー、アルカリ可溶性基を有するウレタン型ポリマー等が挙げられる。ここでアルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、イミド基等が挙げられる。
【0103】
また、ポリ−p−ヒドロキンスチレン、ポリ−m−ヒドロキンスチレン、p−ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、p−ヒドロキシスチレン−無水マレイン酸共重合体等のヒドロキシスチレン系ポリマーを用いる場合には重量平均分子量が2,000〜500,000、さらに、4,000〜300,000のものが好ましい。
【0104】
アルカリ可溶性基を有するアクリル系ポリマーの例としては、メタクリル酸−ベンジルメタクリレート共重合体、ポリ(ヒドロキシフェニルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシエチルアクリレート)、ポリ(2、4−ジヒドロキシフェニルカルボニルオキシエチルアクリレート)や、特願平8−211731明細書に記載のポリマー等が挙げられる。これらのアクリル系ポリマーは重量平均分子量が2,000〜500,000、好ましくは4,000〜300,000のものが好ましい。
【0105】
アルカリ可溶性基を有するウレタン型ポリマーの例としては、ジフェニルメタンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート、テトラエチレングリコール、2、2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を反応させて得られる樹脂等が挙げられる。
これらのアルカリ可溶性ポリマーのうち、ヒドロキシスチレン系ポリマー及びアルカリ可溶性基を有するアクリル系共重合体は現像性の点で好ましい。
【0106】
本発明において、アルカリ可溶性化合物は、酸分解性基で保護されていてもよく、該酸分解性基としては、エステル基、カーバメイト基等が挙げられる。
【0107】
本発明において、これらのアルカリ可溶性化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分中、10〜90重量%程度であり、20〜85重量%が好ましく、30〜80重量%がさらに好ましい。アルカリ可溶性化合物の含有量が10重量%未満であると感光性層若しくは感熱性層の耐久性が悪化し、また、90重量%を越えると感度、耐久性の両面で好ましくない。
また、これらのアルカリ可溶性化合物は、1種類のみで使用してもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0108】
「溶解阻止剤」
ポジ作用感応性組成物において使用される溶解阻止剤とは、酸の作用により分解しアルカリ可溶性となる化合物である。該溶解阻止剤としては、t−ブチルエステル、t−ブチルカーバーメート、アルコキシエチルエステル、等のレジスト分野で用いられている化学増幅系の酸分解性基で保護されたカルボン酸、フェノール化合物等が挙げられる。
本発明において、溶解阻止剤の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分中、5〜90重量%程度であり、10〜80重量%が好ましい。
【0109】
好適なキノンジアジド化合物類としては、o−キノンジアジド化合物を挙げることができる。
本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解によりアルカリ可溶性化合物の溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により、感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライトーセンシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号等に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノールーホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
【0110】
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許関連の文献に報告があり知られている。例えば、特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号等に記載されているものを挙げることができる。
【0111】
本発明において、o−キノンジアジド化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分中、1〜50重量%程度であり5〜30重量%が好ましく、10〜30重量%がさらに好ましい。これらの化合物は単独で使用することができるが、数種の混合物として使用してもよい。o−キノンジアジド化合物の含有量が1重量%未満であると画像の記録性が悪化し、一方、50重量%を超えると画像部の耐久性が劣化したり感度が低下したりする。
【0112】
本発明において、o−キノンジアジド化合物以外の上記化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分中、1〜50重量%程度であり、5〜30重量%が好ましく、10〜30重量%が好ましい。
【0113】
(ネガ型感応性組成物)
本発明において、ネガ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公知のネガ作用感応性組成物((g)〜(h))を用いることができる。
【0114】
(g)光架橋性基を有するポリマー、アジド化合物を含有してなるネガ作用感応性組成物。
(h)特開昭59−101651号に記載のジアゾ化合物を含有してなるネガ作用感応性組成物。
(i)US262276号、特開平2−63054号に記載の光重合開始剤、付加車台性不飽和化合物を含有してなる光重合性ネガ作用感応性組成物。
(h)特開平11−095421号記載のアルカリ可溶性化合物、酸発生剤、酸架橋性化合物を含有してなるネガ作用感応性組成物。
【0115】
上記(g)〜(h)で示したネガ作用感応性組成物で用いられる化合物を以下に説明する。
【0116】
「光架橋性基を有するポリマー」
ネガ作用感応性組成物において使用される光架橋性基を有するポリマーは、水性アルカリ現像液に対して親和性を持つ光架橋性基を有するポリマーが好ましく、例えば、US5064747号に記載び分子の主鎖又は側鎖に−CH=CH−CO−のような光架橋性基を有するポリマー;特公昭54−15711号に記載の桂皮酸基とカルボキシル基を有する共重合体;特開昭60−165646号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を有するポリエステル樹脂;特開昭60−203630号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール性水酸基を有するポリエステル樹脂;特公昭57−42858号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナトリウムイミノジスルホニル基を有するポリエステル樹脂;特開昭59−208552号に記載の側鎖にアジド基とカルボキシル基を有する重合体等が使用できる。
本発明において、光架橋性基を有するポリマーの含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分中、5〜100重量%程度であり、10〜95重量%が好ましく、20〜90重量%が好ましい。
【0117】
「アジド化合物」
ネガ作用感応性組成物において使用されるアジド化合物としては、2,6−ビス(4−アジドベンザール)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフイド等が挙げられる。
本発明において、アジド化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分中、5〜95重量%程度であり、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がさらに好ましい。
【0118】
「アルカリ可溶性化合物」
ネガ作用感応性組性物において使用されるアルカリ可溶性化合物は、前記ポジ作用感応性組成物に用いられるアルカリ可溶性化合物と同様である。
【0119】
「ジアゾ化合物」
ネガ作用感応性組性物において使用されるジアゾ樹脂としては、例えばジアゾジアリールアミンと活性カルボニル化合物との縮合物の塩に代表されるジアゾ樹脂があり、感光性、水不溶性で有機溶剤可溶性のものが好ましい。
特に好適なジアゾ樹脂としては、例えば4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−3’−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン,4−ジアゾ−3−メチル−4’−エトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン等とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4,4’−ビス−メトキシメチルジフェニルエーテル等との縮合物の有機酸塩または無機酸塩である。
この際の有機酸としては、例えばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等が挙げられ、無機酸としては、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、チオシアン酸等が挙げられる。
【0120】
更に、特開昭54−30121号公報に記載の主鎖がポリエステル基であるジアゾ樹脂;特開昭61−273538号公報に記載の無水カルボン酸残基を有する重合体と、ヒドロキシル基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂;ポリイソシアネート化合物とヒドロキシル基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂等も使用しうる。
【0121】
本発明において、ジアゾ樹脂の含有量は、感光性層若しくは感熱性層全固形分に対して、0〜40重量%程度が好ましい。また必要に応じて、2種以上のジアゾ樹脂を併用してもよい。
【0122】
「光重合開始剤及び付加重合性不飽和化合物」
ネガ作用感応性組成物において使用される付加重合性不飽和化合物及び光重合開始剤としては、米国特許第2,760,863号、同第3,060,023号、特開昭62−121448号等に記載の2個またはそれ以上の末端エチレン基を有する付加重合性不飽和化合物及び光重合開始剤が挙げられる。
【0123】
本発明において、付加重合性不飽和化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層全固形分に対して、5〜95重量%程度であり、5〜80重量%が好ましい。また、光重合開始剤の含有量は、感光性層若しくは感熱性層全固形分に対して、1〜80重量%程度であり、5〜50重量%が好ましい。
【0124】
「酸発生剤」
ネガ作用感応性組成物において使用される酸発生剤は、前記ポジ作用感応性組成物で用いられる酸発生剤と同様である。
【0125】
「酸架橋性化合物」
ネガ作用感応性組性物において使用される酸架橋性化合物とは、酸の存在下で架橋する化合物を指し、例えば、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基、若しくはアルコキシメチル基でポリ置換されている芳香族化合物及び複素環化合物が挙げられるが、その中でも好ましい例として、フェノール類とアルデヒド類を塩基性条件下で結合させた化合物が挙げられる。
前記の化合物のうち好ましいものとしては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドを前記のように塩基性条件下で縮合させた化合物、同様にして、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られる化合物、ビスフェノールAとホルムアルデヒドから得られる化合物、4,4’−ビスフェノールとホルムアルデヒドから得られる化合物、その他、GB第2,082,339号にレゾール樹脂として開示された化合物等が挙げられる。
これらの酸架橋性化合物は、重量平均分子量が500〜100,000で数平均分子量が200〜50,000のものが好ましい。
【0126】
他の好ましい例としては、EP−A第0,212,482号に開示されているアルコキシメチル又はオキシラニルメチル基で置換された芳香族化合物、EP−A第0,133,216号、DE−A第3,634,671号、DE第3,711,264号に開示された単量体及びオリゴマーメラミンーホルムアルデヒド縮合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化合物等がある。
さらに他の好ましい例は、例えば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル、N−アルコキシメチル又はN−アシルオキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体である。このなかでは、N−アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。
また、低分子量又はオリゴマーシラノールは、ケイ素含有架橋剤として使用できる。これらの例は、ジメチル−及びジフェニル−シランジオール、並びに既に予備縮合され且つこれらの単位を含有するオリゴマーであり、例えば、EP−A第0,377,155号に開示されたものを使用できる。
【0127】
本発明の平版印刷版用支持体上に前記画像形成光層(記録層)などの所望の層の塗布液用成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより製造することができる。目的に応じて、保護層、樹脂中間層、下塗り層、バックコート層なども同様にして形成することができる。
【0128】
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。
溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、感光性印刷版についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光膜の皮膜特性は低下する。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0129】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。
【0130】
〔実施例1〕
ポジ型感光性平版印刷版用原版
<合成例1:特定親水性ポリマーの合成>
500ml三口フラスコにアクリルアミド50g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.4g、及びジメチルアセトアミド220gを入れ、65℃窒素気流下、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加えた。6時間攪拌しながら同温度に保った後、室温まで冷却した。酢酸エチル2リットル中に投入し、析出した固体をろ取し、水洗して親水性ポリマー(1)を得た。乾燥後の重量は52.4gであった。GPC(ポリスチレン標準)により重量平均分子量3000のポリマーであり、13C−NMR(DMSO−d6)により末端にトリメトキシシリル基(50.0ppm)が導入された、前記例示化合物(1−1)の構造を有するポリマーであることが確認された。
【0131】
(支持体の作成)
厚さ0.3mmのアルミニウム版(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液とを用いその表面を砂目立てした後、水でよく洗浄した。この板を45℃の25重量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングし、水洗後、さらに2重量%硝酸に20秒間浸漬して水洗した。この時、砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、この板を7重量%硫酸を電解液として電流密度15A/dm2で、陽極酸化被膜の厚さが2.4g/m2になるように、直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗乾燥してアルミニウム基材を得た。
【0132】
(親水性表面の形成)
以下の組成物を均一に混合し、20℃にて2時間撹拌して加水分解を行い、ゾル状の親水性塗布液組成物1を得た。
(親水性塗布液組成物1)
・親水性ポリマー[例示化合物(1−1)] 0.21g
・テトラメトキシシラン 0.62g
・エタノール 4.70g
・水 4.70g
・硝酸水溶液(1N) 0.10g
【0133】
その後上記アルミニウム基板上に、上記親水性塗布液組成物1を乾燥後の塗布量が2g/m2となるように塗布し、100℃、10分加熱乾燥させて有機無機複合体からなる親水層を形成し、平版印刷版用支持体とした。
得られた支持体上の親水性表面の接触角(空中水滴)を協和界面科学(株)製、CA−Zを用いて測定したところ、7.9°であり、優れた親水性を有することが確認された。
【0134】
(画像形成層の形成)
<ポジ型画像形成塗布液1>
・ナフトキノン−1,2−ジアジト−4−スルホニルクロリドと
ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化合物 0.9g
・ビクトリアピュアブルーBOH 0.05g
・クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂
(メタ:パラ=6:4,重量平均分子量1800) 2.0g
・メチルエチルケトン 20g
・メチルアルコール 7g
上記画像形成塗布液を支持体表面に、乾燥後の塗布量が1.5g/m2となるように塗布し、100℃、30分加熱乾燥させて画像形成層を形成し、平版印刷版原版1を得た。
【0135】
〔印刷評価〕
得られたポジ平版印刷版原版1を富士フイルム社製ステップガイドを通してPSライトで露光した後、富士フイルム社製現像液DP−4(1:8)を仕込んだ自動現像機を通して処理した。
ついでハイデルSOR−M印刷機で印刷したことろ、非画像部に汚れのない良好な印刷物が5,000枚得られ、本発明の支持体を用いた平版印刷版は耐刷性に優れ、非画像部の高い親水性が維持されていることが確認された。
【0136】
〔比較例1〕
ポジ型感光性平版印刷版用原版
前記実施例1で用いた親水性塗布液組成物1において、末端にシランカップリング基を有する親水性ポリマー(1−1)に代えてポリアクリルアミド(重量平均分子量1,500)を配合したものを用いた以外は実施例1と同様の方法でポジ型印刷版原版を作製し、同様の条件で露光、現像、印刷を行った。
印刷の刷りはじめは非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られたが、徐々に汚れ始め500枚目には画像部、非画像部の区別がつかなくなり、非画像部の親水性が印刷を継続することで低下することがわかった。
【0137】
〔実施例2〕
ネガ型感光性平版印刷版用原版
(親水性表面の形成)
以下の組成物を均一に混合し、60℃にて2時間撹拌して加水分解を行い、ゾル状の親水性塗布液組成物2を得た。
<親水性塗布液組成物2>
・親水性ポリマー[例示化合物(1−9)] 0.21g
・テトラメトキシシラン 0.62g
・エタノール 4.70g
・水 4.70g
・硝酸水溶液(1N) 0.10g
【0138】
その後、実施例1で用いたのと同様のアルミニウム基板上に、上記親水性塗布液組成物2を乾燥後の塗布量が2g/m2となるように塗布し、100℃、10分加熱乾燥させて有機無機複合体からなる親水層を形成し、平版印刷版用支持体とした。
得られた支持体の親水性表面の接触角(空中水滴)を協和界面科学(株)製、CA−Zを用いて測定したところ、8.3°であり、優れた親水性を有することが確認された。
【0139】
(画像形成層の形成)
<ネガ型画像形成塗布液>
・p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/2−ヒドロキシエチル
メタクリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/
メタクリル酸=10/20/25/35/10(重量比)の組成
を有する共重合体(重量平均分子量60,000) 5.0g
・以下の構造で示されるジアゾ化合物
(重量平均分子量16,500) 0.5g
・ビクトリアピュアブルーBOH 0.1g
・セルロースエチルエーテル 0.2g
・トリクレジルフォスフェート 0.5g
・メチルセロソルブ 95ml
・水 5ml
【0140】
【化15】
Figure 0003934996
【0141】
上記ネガ型画像形成塗布液を支持体表面に、乾燥後の塗布量が1.7g/m2となるように塗布し、100℃、10分加熱乾燥させて画像形成層を形成し、平版印刷版原版2を得た。
【0142】
〔印刷評価〕
得られた平版印刷版原版2を富士フイルム社製ステップガイドを通して、ジェットプリンター2000((株)オーク製作所製)にて50秒間露光した後、下記現像液−1で現像した。
ついでハイデルSOR−M印刷機で印刷したことろ、非画像部に汚れのない良好な印刷物が6,000枚得られ、本発明の支持体を用いた平版印刷版は耐刷性に優れ、非画像部の高い親水性が維持されていることが確認された。
【0143】
<現像液−1>
・ベンジルアルコール 30ml
・炭酸ソーダ 5g
・亜硫酸ソーダ 5g
・ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 10g
・水 1L
【0144】
(実施例3〜14)
ポジ型感光性平版印刷版原版
実施例1において、親水性塗布液組成物の組成、及びその塗布量を下記表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、親水層を形成し、平版印刷版用支持体とした。
ここで、得られた支持体の親水性表面の接触角(空中水滴)を協和界面科学(株)製、CA−Zを用いて測定した。結果を表1に記す。
さらに、この支持体上に、実施例1と同様にしてポジ型画像形成層を設けて、実施例4〜15のポジ型平版印刷版原版4〜15を得た。
【0145】
〔印刷評価〕
得られた実施例3〜14の平版印刷版原版3〜14を、それぞれ実施例1と同様にして露光、現像、及び印刷を行った。
実施例3〜14のいずれの平版印刷版原版を用いた場合においても、汚れのない高画質の印刷物が得られた。その後、さらに印刷を継続し、9,000枚、15,000枚印刷を行った時点での印刷汚れ性を評価した。結果を表1に記す。なお、ここで用いた印刷汚れ性の評価基準としては、以下のものを用いるものとする。
【0146】
<印刷汚れ性の評価基準>
〇:地汚れなし
△:部分的に地汚れ
×:全面的に地汚れ
【0147】
【表1】
Figure 0003934996
【0148】
以上説明したように、本発明の平版印刷版用支持体は、親水性が高く、また、その親水性が厳しい印刷条件においても維持されるため、平版印刷版原版に用いた場合、耐刷性が良好であり、非画像部に汚れが生じない印刷物が多数枚得られる。
【0149】
【発明の効果】
本発明の平版印刷版用支持体は、親水性が高く、また、その持続性に優れた親水性表面を備えることで、特に印刷汚れ性が改善され、厳しい印刷条件においても、高画質の印刷物が多数枚得られるという効果を奏する。

Claims (5)

  1. 砂目立てしたアルミニウム基材上に、下記一般式(1)で表され、該アルミニウム基材表面に直接若しくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合し得る反応性基を有する親水性ポリマーと、下記一般式(3)で表される架橋構造を有する構成成分とにより形成され、該親水性ポリマーが化学結合してなる親水性表面を備える平版印刷版用支持体。
    Figure 0003934996
    式(1)は、構造単位(i)、(ii)で表されるポリマーユニットの末端に、構造単位(iii)で表されるシランカップリング基を有する高分子化合物であり、式(1)中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、mは0、1または2を表し、xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは100:0〜1:99の範囲を表す。L、L、Lはそれぞれ独立に単結合又は有機連結基を表す。ただし、L が有機連結基を表す場合、珪素原子と結合している原子は炭素原子である。、Yはそれぞれ独立に−N(R)(R)、−OH、−NHCOR、−COR、−COM又は−SOMを表し、ここで、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表す。
    Figure 0003934996
    式(3)中、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R10はアルキル基又はアリール基を表し、XはSi、Al、Ti又はZrを表し、mは0〜2の整数を表す。
  2. 砂目立てしたアルミニウム基材上に、下記一般式(2)で表され、該アルミニウム基材表面に直接若しくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合し得る反応性基を有する親水性ポリマーと、下記一般式(3)で表される架橋構造を有する構成成分とにより形成され、該親水性ポリマーが化学結合してなる親水性表面を備える平版印刷版用支持体。
    Figure 0003934996
    式(2)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、mは0、1又は2を表し、xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは99:1〜50:50の範囲を表す。L、Lはそれぞれ独立に単結合又は有機連結基を表す。ただし、L が有機連結基を表す場合、珪素原子と結合している原子は炭素原子である。は−N(R)(R)、−OH、−NHCOR、−COR、−COM又は−SOMを表し、ここで、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Mは水素原子,アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表す。
    Figure 0003934996
    式(3)中、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R10はアルキル基又はアリール基を表し、XはSi、Al、Ti又はZrを表し、mは0〜2の整数を表す。
  3. 前記一般式(1)におけるL が−(CH 2 n −S−である(nは1〜8の整数)ことを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版用支持体。
  4. 砂目立てしたアルミニウム基材上に、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表され、該アルミニウム基材表面に直接若しくは架橋構造を有する構成成分を介して化学結合し得る反応性基を有する親水性ポリマーが化学結合してなる親水性表面を有し、露光後にアルカリ現像する感光層を有する平版印刷版原版に使用されることを特徴とする平版印刷版用支持体。
    Figure 0003934996
    式(1)は、構造単位(i)、(ii)で表されるポリマーユニットの末端に、構造単位(iii)で表されるシランカップリング基を有する高分子化合物であり、式(1)中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、mは0、1または2を表し、xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは100:0〜1:99の範囲を表す。L、L、Lはそれぞれ独立に単結合又は有機連結基を表す。ただし、L が有機連結基を表す場合、珪素原子と結合している原子は炭素原子である。、Yはそれぞれ独立に−N(R)(R)、−OH、−NHCOR、−COR、−COM又は−SOMを表し、ここで、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表す。
    Figure 0003934996
    式(2)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、mは0、1又は2を表し、xおよびyは、x+y=100とした時の組成比を表し、x:yは99:1〜50:50の範囲を表す。L、Lはそれぞれ独立に単結合又は有機連結基を表す。ただし、L が有機連結基を表す場合、珪素原子と結合している原子は炭素原子である。は−N(R)(R)、−OH、−NHCOR、−COR、−COM又は−SOMを表し、ここで、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Mは水素原子,アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表す。
  5. 前記親水性表面の膜厚が乾燥後の塗布量で0.5〜5.0g/mであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の平版印刷版用支持体。
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