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JP3933793B2 - シリコン酸化膜の形成方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

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JP3933793B2 JP16892398A JP16892398A JP3933793B2 JP 3933793 B2 JP3933793 B2 JP 3933793B2 JP 16892398 A JP16892398 A JP 16892398A JP 16892398 A JP16892398 A JP 16892398A JP 3933793 B2 JP3933793 B2 JP 3933793B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン酸化膜の形成方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法に係り、特に、低温でCVD法により薄く形成する場合であっても大きい絶縁耐力を得ることができるシリコン酸化膜の形成方法、及び記録ビットの微細化に対応しうる薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア化の進展に伴い、コンピュータ用の磁気記録ディスクは、年間約1.6倍もの勢いで大容量化が進んでおり、記録容量の増大に応じて記録ビットがますます微細になってきている。
微細化された記録ビットから十分な再生出力を得るため、今日では磁気抵抗効果素子(Magneto-Resistive element)(以下、MR素子という)を用いた薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】
従来の薄膜磁気ヘッドを図13を用いて説明する。図13(a)は、従来の薄膜磁気ヘッドを示す断面図であり、図13(b)は従来の薄膜磁気ヘッドの断面を表した斜視図である。
図13に示すように、基板210上には、シールド膜212が形成されており、シールド膜212上には、アルミナ(Al23)膜又はシリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜214が形成されている。
【0004】
ギャップ絶縁膜214上には、端部がテーパ状であるMR素子216が形成されており、MR素子216の両端部には、それぞれ電極218が接続されている。
ギャップ絶縁膜214上、MR素子216上、電極218上には、更にギャップ絶縁膜220、シールド膜222、及びギャップ層224が順に形成されており、ギャップ層224上には、書き込みに用いられるライト磁極226が形成されている。そして、ライト磁極226と交差するように、コイル227が形成されている。
【0005】
このような従来の薄膜磁気ヘッドでは、シールド膜212とシールド膜222との間にMR素子216が挟まれた構造が採用されており、シールド膜212、222により遮蔽することによりMR素子216に対する外部磁場の影響が低減されている。
従来よりギャップ絶縁膜には、シリコン酸化膜やアルミナ膜等が用いられており(特開昭58−220240号公報、特開昭58−19718号公報、特開平6−176322号公報)、ギャップ絶縁膜は下記のような点を考慮して形成されていた。
【0006】
即ち、MR素子は磁性体より成るものであるため、磁化の状態を維持するために、その磁性体のキュリー点より低い温度でギャップ絶縁膜を形成しなければならない。例えば、代表的な磁性体であるFeNi膜をMR素子に用いた場合には、ギャップ絶縁膜は250℃以下で形成しなければならない。従って、ギャップ絶縁膜を形成する際には、成膜時に350℃〜400℃の高温が加わるCVD法は用ることができず、比較的低温で成膜することができる電子ビーム蒸着法やスパッタ法等が用いられていた。
【0007】
また、FeNi膜のキュリー点以下の低い温度でシリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜を形成する技術として、構造式
【0008】
【化5】
Figure 0003933793
【0009】
で示されるTEOS(テトラエトキシシラン)とオゾンとを原料ガスとして用いたCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法や、2周波励起によるプラズマCVD法(特開昭59−207626号公報、特開平7−183236号公報、特開平6−175116号公報)等が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の薄膜磁気ヘッドのギャップ絶縁膜は50nm以上と膜厚の厚いものであり、これによりシールド膜間の間隔が広くなってしまっていた。図14において左側は、微細化された磁気記録ディスクの記録ビット250に従来の薄膜磁気ヘッド200を対向した場合を模式的に示したものであるが、記録ビット250の大きさに対してシールド膜212とシールド膜222との間隔が大きすぎ、このため十分な分解能を得ることはできない。
【0011】
そこで、図14の右側に示すように、薄膜磁気ヘッド200aのギャップ絶縁膜214a、220aを薄く形成してシールド膜212aとシールド膜222aとの間隔を小さくすることにより分解能を向上し、磁気記録ディスクの記録ビット250の微細化に対応することが考えられる。この場合、ギャップ絶縁膜214a、220aの厚さは例えば50nm以下にまで薄くすることが望ましいが、上記のようなギャップ絶縁膜の形成方法では、50nm以下まで薄く形成するとピンホールの数が増加してしまい、十分な絶縁耐力を確保することはできなかった。
【0012】
また、TEOSとオゾンとを原料ガスとして用いたCVD法では、リーク電流等の電気的特性を向上するために後処理、即ち高温の熱処理を行わなければならず(特開平7−263441)、MR素子の磁性体のキュリー温度より高い温度の熱処理を行うこととなるので、MR素子の磁化の状態を維持することができなかった。また、2周波励起によるプラズマCVDでは、高周波を発生するための電源が複数個必要であるため、高価な製造設備を用いなければならなかった。
【0013】
本発明の目的は、低温でCVD法により薄く形成する場合であっても大きい絶縁耐力を得ることができるシリコン酸化膜の形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、記録ビットの微細化に対応しうる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、有機シランガスと酸素とを用いたプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成するシリコン酸化膜の形成方法であって、酸素に対する有機シランガスの流量比を0.0001〜0.05とし、励起周波数を10kHz〜150kHzとし、基板の温度を170℃〜250℃として、前記基板上にシリコン酸化膜を形成することを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法により達成される。これにより、TEOS/Oの流量比と励起周波数とを適切な値に設定したプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成するので、低温でCVD法により薄いシリコン酸化膜を形成する場合であっても、シリコン酸化膜を劣化させることなく、絶縁耐力の大きい良質なシリコン酸化膜を形成することができる。
【0016】
また、上記のシリコン酸化膜の形成方法において、前記有機シランガスは、構造式
【0017】
【化6】
Figure 0003933793
【0018】
で示されるアルコキシシランであることが望ましい。
また、上記のシリコン酸化膜の形成方法において、前記有機シランガスは、構造式
【0019】
【化7】
Figure 0003933793
【0020】
で示されるテトラエトキシシランであることが望ましい。
また、上記のシリコン酸化膜の形成方法において、前記有機シランガスは、構造式
【0021】
【化8】
Figure 0003933793
【0022】
で示されるテトラメトキシシランであることが望ましい。
また、上記のシリコン酸化膜の形成方法において、前記有機シランガスは、構造式
【0023】
【化9】
Figure 0003933793
【0024】
で示されるテトラプロポキシシランであることが望ましい。
また、上記目的は、基板上に、第1のシールド膜を形成する第1シールド膜形成工程と、前記第1のシールド膜上に、第1のシリコン酸化膜を形成する第1シリコン酸化膜形成工程と、前記第1のシリコン酸化膜上に、MR素子を形成するMR素子形成工程と、前記MR素子上及び前記第1のシリコン酸化膜上に、第2のシリコン酸化膜を形成する第2シリコン酸化膜形成工程と、前記第2のシリコン酸化膜上に、第2のシールド膜を形成する第2シールド膜形成工程とを有し、前記第1又は前記第2シリコン酸化膜形成工程では、酸素に対する有機シランガスの流量比を0.0001〜0.05とし、励起周波数を10kHz〜150kHzとし、前記基板の温度を170℃〜250℃として、有機シランガスと酸素とを用いたプラズマCVD法により前記第1又は前記第2のシリコン酸化膜を形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法により達成される。これにより、TEOS/Oの流量比と励起周波数とを適切な値に設定したプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成するので、低温でCVD法により薄いシリコン酸化膜を形成する場合であっても、シリコン酸化膜を劣化させることなく、絶縁耐力の大きい良質なシリコン酸化膜を形成することができる。絶縁耐力の大きいシリコン酸化膜を低温で薄く形成することができるので、薄膜磁気ヘッドの分解能を向上することができ、記録ビットの微細化に対応することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明は、TEOSと酸素とを原料ガスとしてプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成するものであって、励起周波数とTEOS/O2流量比とを適切な値に設定してシリコン酸化膜を形成することに主な特徴があるものである。
TEOSと酸素とを原料としてシリコン酸化膜を形成する際に、励起周波数を低く設定したプラズマCVD法を用いれば、プラズマ中のイオンが電場の変化に追従できるようになり、成膜中のシリコン酸化膜の表面へのイオンの入射が可能となる。従って、このようにしてイオンを入射すれば、成膜中のシリコン酸化膜の表面に存在する反応活性種に電場のエネルギーを供給することが可能となり、マイグレーションや化学反応に必要なエネルギーを供給された反応活性種がシリコン酸化膜の表面を活発に移動しながらシリコン酸化膜の形成が進行すると考えられる。
【0026】
また、TEOS/O2の流量比(TEOS流量:TEOS飽和蒸気圧×キャリアアルゴン流量/全圧)を低くすれば、良質なシリコン酸化膜を形成することができると考えられる。即ち、TEOS/O2の流量比を低くすれば、遅い速度でシリコン酸化膜が形成されることとなる。遅い速度でシリコン酸化膜を形成すれば、シリコン酸化膜の形成過程において十分な反応が生じるため、薄いシリコン酸化膜を形成する場合であってもピンホールの数の少ない良質なシリコン酸化膜を形成することができると考えられる。
【0027】
しかし、単に励起周波数を低く設定したプラズマCVD法を用い、TEOS/O2の流量比を低くした場合には、絶縁耐力の大きい良質なシリコン酸化膜を形成することは困難である。即ち、シリコン酸化膜の表面にイオンが入射することによりシリコン酸化膜やシリコン酸化膜の下地がスパッタリングされてしまい、しかも成膜時間が長いため、シリコン酸化膜やシリコン酸化膜の下地が劣化してしまう。
【0028】
シリコン酸化膜やシリコン酸化膜の下地を劣化させることなく、絶縁耐力の大きいシリコン酸化膜を形成するためには、TEOS/O2流量比と励起周波数とを適切な値に設定すればよいと考えられる。TEOS/O2流量比と励起周波数とを適切な値に設定すれば、低温でCVD法により50nm以下と薄く形成する場合であっても、ピンホールの数が少なく、絶縁耐力の大きい、良質なシリコン酸化膜を形成することができると考えられる。
【0029】
そこで、本発明では、170℃〜250℃程度でのプラズマCVD法において、TEOS/O2流量比と励起周波数とを適宜設定してシリコン酸化膜を形成することを特徴としている。
TEOS/O2流量比と励起周波数の適切な値を検討するために行ったシリコン酸化膜の評価結果について、図7乃至図12を用いて説明する。図7は、薄膜磁気ヘッドを模して形成した試料を示す断面図及び平面図である。図8は、TEOS/O2の流量比と平均絶縁耐力との関係を示すグラフであり、図9は励起周波数と平均絶縁耐力との関係を示すグラフである。図10はピンホール密度を測定するための試料を示す断面図である。図11は、TEOS/O2の流量比とピンホール密度との関係を示すグラフであり、図12は励起周波数とピンホール密度との関係を示すグラフである。
【0030】
(絶縁耐力)
まず、絶縁耐力の評価結果について図7乃至図9を用いて説明する。
図7は、シリコン酸化膜の絶縁耐力を評価するために薄膜磁気ヘッドを模して形成した試料である。即ち、図7(a)に示すように、シリコン基板110上には、電極層112、シリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜114、電極層117が順に形成されており、電極層117上には2つの電極118が形成されている。なお、電極118として、図7(a)のような平面形状のものを用いた。電極層117上、電極118上には、シリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜120が形成されており、ギャップ絶縁膜120上には電極層122が形成されている。なお、電極層112、117、122、及び電極118は、電子ビーム蒸着法を用いて形成した。
【0031】
また、ギャップ絶縁膜114、120は、平行平板型プラズマCVD装置を用いたプラズマCVD法により形成した。成膜条件は、放電出力100W、励起周波数10kHz〜13.56MHz、TEOS/O2流量比0.0001〜0.09、成膜圧力0.5Torr、基板温度200℃とした。
このような試料を用い、電極層117と電極層122との間の絶縁耐力、及び電極層112と電極層117との間の絶縁耐力を、絶縁耐力試験器150を用いて測定した。ここではリーク電流量が1×10-6A以上となったときの電位傾度を絶縁耐力とし、その平均を求めることにより平均絶縁耐力を求めた。
【0032】
図8は、TEOS/O2の流量比を0.0001〜0.09の範囲で適宜設定することによりギャップ絶縁膜114、120を形成した場合の、平均絶縁耐力の測定結果を示すグラフである。励起周波数を0.1MHzとし、ギャップ絶縁膜114、120の膜厚が20nmの場合と50nmの場合について測定した。
図8からわかるように、TEOS/O2の流量比が0.0001〜0.05の範囲において、ギャップ絶縁膜114、120の膜厚が50nmの場合には8MV/cmを越える良好な平均絶縁耐力が得られ、ギャップ絶縁膜114、120の膜厚が20nm場合であっても6MV/cmを越える平均絶縁耐力が得られた。
【0033】
また、図9は、励起周波数を10kHz〜13.56MHzの範囲で適宜設定することによりギャップ絶縁膜114、120を形成した場合の、平均絶縁耐力の測定結果を示すグラフである。TEOS/O2の流量比を0.016とし、ギャップ絶縁膜114、120の膜厚が20nmの場合と50nmの場合について測定した。
【0034】
図9からわかるように、励起周波数が10kHz〜150kHzの範囲において、ギャップ絶縁膜114、120の膜厚が20nmの場合と50nmの場合のいずれも平均絶縁耐力10MV/cmと良好な平均絶縁耐力が得られた。
(ピンホール密度)
次に、シリコン酸化膜のピンホール密度の評価結果、即ち単位面積当たりのピンホールの数の評価結果について図10を用いて説明する。
【0035】
図10は、ピンホール密度を測定するために用いた試料を示す断面図である。
図10に示すように、シリコン基板110a上には、FeNi膜より成る金属層112aが形成されており、金属層112a上にはシリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜114aが形成されている。
このような試料をFeNi膜用のエッチング液(Fe(Cl)3+HCl)に30秒間浸し、この後、エッチピットを用いてピンホールの数を測定することにより、ピンホール密度を算出した。
【0036】
図11は、TEOS/O2の流量比を0.0001〜0.09の範囲で適宜設定することにより、シリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜114aを形成した場合の、ピンホール密度の測定結果を示すグラフである。励起周波数を0.1MHzとし、ギャップ絶縁膜114aの膜厚が20nmの場合と50nmの場合について測定した。
【0037】
図11からわかるように、TEOS/O2の流量比が0.0001〜0.05の範囲において、ギャップ絶縁膜114aの膜厚が50nmの場合には、ピンホール密度は2個/cm2以下、即ち従来のピンホール密度の100分の1以下となり、また、ギャップ絶縁膜114aの膜厚が20nm場合であっても、2個/cm2以下、即ち従来のピンホール密度の100分の1以下となった。
【0038】
また、図12は、励起周波数を10kHz〜13.56MHzの範囲で適宜設定することによりギャップ絶縁膜114aを形成した場合の、ピンホール密度の測定結果を示すグラフである。TEOS/O2の流量比を0.016とし、ギャップ絶縁膜114aの膜厚が20nmの場合と50nmの場合について測定した。
【0039】
図12からわかるように、励起周波数が10kHz〜150kHzの範囲において、ギャップ絶縁膜114aの膜厚が50nmの場合にはピンホール密度は2個/cm2以下、即ち従来のピンホール密度の100分の1以下となり、また、ギャップ絶縁膜114、120の膜厚が20nm場合であっても、2個/cm2以下、即ち従来のピンホール密度の100分の1以下となった。
【0040】
上記のような評価結果から、本願発明者らは、TEOS/O2の流量比を0.0001〜0.05とし、励起周波数を10kHz〜150kHzとすれば、薄いギャップ絶縁膜を形成する場合であっても、絶縁耐力が大きく、ピンホールの数の少ない、良質なギャップ絶縁膜を形成することができることを見いだした。次に、本発明の一実施形態として、上記のシリコン酸化膜の形成方法を適用した薄膜磁気ヘッド及びその製造方法について説明する。図1は、本実施形態による薄膜磁気ヘッドを示す断面図である。図2乃至図6は、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す工程断面図である。
【0041】
(薄膜磁気ヘッド)
まず、本実施形態による薄膜磁気ヘッドを図1を用いて説明する。
図1に示すように、基板10上には、膜厚2μmのFeN膜より成るシールド膜12が形成されており、シールド膜12上には、膜厚50nmのシリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜14が形成されている。なお、ギャップ絶縁膜14は、上記のようにTEOS/O2の流量比と励起周波数とを適宜設定したプラズマCVD法により形成されたものである。
【0042】
ギャップ絶縁膜14上には、膜厚400nmの磁気抵抗効果膜より成るMR素子16が形成されており、MR素子16の両端部には、それぞれ電極18が接続されている。
ギャップ絶縁膜14上、MR素子16上、電極18上には、更に膜厚50nmのシリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜20、膜厚3.5μmのFeNi膜より成るシールド膜22、及び膜厚0.5μmのAl23膜より成るギャップ層24が順に形成されている。更に、ギャップ層24上には、FeNi膜より成る書き込み用のライト磁極26が形成されている。なお、ギャップ絶縁膜20は、ギャップ絶縁膜14と同様の方法により形成されたものである。
【0043】
このように本実施形態による薄膜磁気ヘッドは、ギャップ絶縁膜14、20の厚さが50nmと薄いため、シールド膜14、20間の間隔を小さくすることができる。シールド膜14、20間の間隔が小さいため、分解能を向上することができ、これにより、微細化された磁気記録ディスクの記録ビットにも対応することができる。
【0044】
(薄膜磁気ヘッドの製造方法)
次に、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法を図2乃至図6を用いて説明する。
まず、基板10上に、膜厚2μmのFeN膜より成るシールド膜12を形成する(図2(a)参照)。
【0045】
次に、シールド膜12上に、プラズマCVD法により、膜厚50nmのシリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜14を形成する(図2(b)参照)。この際、成膜装置としては、平行平板型のプラズマCVD装置を用いることができる。成膜条件は、例えば、放電出力100W、TEOS/O2流量比0.0001〜0.05、励起周波数10kHz〜150kHz、成膜圧力0.5Torr、基板温度200℃とすればよい。なお、成膜室内の温度は適宜設定することが望ましく、例えば170℃〜250℃とすればよい。このように、励起周波数とTEOS/O2の流量比とを適切な値に設定したプラズマCVD法によりギャップ絶縁膜14を形成するので、薄いギャップ絶縁膜14を形成する場合であっても、ギャップ絶縁膜14を劣化させることなく、絶縁耐力の大きい良質なギャップ絶縁膜14を形成することができる。
【0046】
次に、ギャップ絶縁膜14上に、膜厚400nmの磁気抵抗効果膜15を形成する。磁気抵抗効果膜15としては、例えばFe19Ni81膜等を用いることができる。
次に、磁気抵抗効果膜15上に、フォトレジストを塗布することにより、レジスト膜28を形成する。
【0047】
次に、レジスト膜28上に、スパッタ法により、アルミナ膜30を形成する。
次に、アルミナ膜30上に、フォトレジストを塗布することにより、レジスト膜32を形成する。
次に、レジスト膜32をパターニングすることにより、アルミナ膜30に達する開口部34を有するレジストマスク32aを形成する(図3(b)参照)。
【0048】
次に、レジストマスク32aをマスクとして、イオンミリングにより、アルミナ膜30をエッチングする(図3(c)参照)。
次に、ドライエッチングにより、レジスト膜28とレジストマスク32aとをエッチングする。これにより、アルミナ膜30下のレジスト膜28がサイドエッチングされることとなる(図4(a)参照)。
【0049】
次に、アルミナ膜30をマスクとして、イオンミリングにより、磁気抵抗効果膜15をエッチングする。これにより、磁気抵抗効果膜15の端部がテーパ状に形成されることとなる(図4(b)参照)。
次に、全面に、スパッタ法により、膜厚800nmのTiW膜19を形成する(図4(c)参照)。
【0050】
次に、リフトオフを行い、レジスト膜28と共に、レジスト膜28上のアルミナ膜30及びTiW膜19を除去する(図5(a)参照)。
次に、磁気抵抗効果膜15及びTiW膜19とをパターニングすることにより、MR素子16及び電極18を形成する(図5(b)参照)。
次に、全面に、膜厚50nmのシリコン酸化膜より成るギャップ絶縁膜20を形成する。なお、ギャップ絶縁膜20は、ギャップ絶縁膜14と同様にして形成することができる(図5(c)参照)。
【0051】
次に、全面に、膜厚3.5μmのFeNi膜より成るシールド膜22を形成する。
次に、全面に、膜厚0.5μm、Al23膜より成るギャップ層24を形成する(図6(a)参照)。
次に、ギャップ層24上に、膜厚3μmのFeNi膜を形成する。
【0052】
次に、FeNi膜をパターニングすることにより、FeNi膜より成るライト磁極26を形成する(図6(b)参照)。
こうして、本実施形態による薄膜磁気ヘッドが形成される。
このように、本実施形態によれば、励起周波数とTEOS/O2の流量比とを適切な値に設定したプラズマCVD法によりギャップ絶縁膜を形成するので、低温でCVD法により薄いギャップ絶縁膜を形成する場合であっても、ギャップ絶縁膜を劣化させることなく、絶縁耐力の大きい良質なギャップ絶縁膜を形成することができる。絶縁耐力の大きい良質なギャップ絶縁膜を薄く形成することができるので、薄膜磁気ヘッドの分解能を向上することができ、これにより記録ビットの微細化に対応しうる薄膜磁気ヘッドを提供することができる。
【0053】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、薄膜磁気ヘッドのギャップ絶縁膜に適用する場合を例に説明したが、上記の技術は薄膜磁気ヘッドのギャップ絶縁膜に適用する場合に限定されるものではなく、あらゆる用途に適用することができる。
【0054】
また、上記実施形態では、原料ガスとしてTEOSを用いたが、原料ガスはTEOSに限定されるものではなく、構造式
【0055】
【化10】
Figure 0003933793
【0056】
で示されるアルコキシシラン全般を用いることができ、具体的には、例えば構造式
【0057】
【化11】
Figure 0003933793
【0058】
で示されるテトラメトキシシランや、構造式
【0059】
【化12】
Figure 0003933793
【0060】
で示されるテトラプロポキシシラン等を用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、TEOS/O2の流量比と励起周波数とを適切な値に設定したプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成するので、低温でCVD法により薄いシリコン酸化膜を形成する場合であっても、シリコン酸化膜を劣化させることなく、絶縁耐力の大きい良質なシリコン酸化膜を形成することができる。
【0062】
また、本発明によれば、TEOS/O2の流量比と励起周波数とを適切な値に設定したプラズマCVD法によりギャップ絶縁膜を形成するので、低温でCVD法により薄いギャップ絶縁膜を形成する場合であっても、ギャップ絶縁膜を劣化させることなく、絶縁耐力の大きい良質なギャップ絶縁膜を形成することができる。絶縁耐力の大きい良質なギャップ絶縁膜を薄くすることができるので、薄膜磁気ヘッドの分解能を向上することができ、これにより記録ビットの微細化に対応しうる薄膜磁気ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図3】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図4】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図5】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図6】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図7】薄膜磁気ヘッドを模して形成した試料を示す断面図及び平面図である。
【図8】TEOS/O2の流量比と平均絶縁耐力との関係を示すグラフである。
【図9】励起周波数と平均絶縁耐力との関係を示すグラフである。
【図10】ピンホール密度を測定するための試料を示す断面図である。
【図11】TEOS/O2の流量比とピンホール密度との関係を示すグラフである。
【図12】励起周波数とピンホール密度との関係を示すグラフである。
【図13】従来の薄膜磁気ヘッドを示す断面図及び断面を表した斜視図である。
【図14】磁気記録ディスクの記録ビットに薄膜磁気ヘッドを対向した場合の模式図である。
【符号の説明】
10…基板
12…シールド膜
14…ギャップ絶縁膜
15…磁気抵抗効果膜
16…MR素子
18…電極
19…TiW膜
20…ギャップ絶縁膜
22…シールド膜
24…ギャップ層
26…ライト磁極
28…レジスト膜
30…アルミナ膜
32…レジスト膜
32a…レジストマスク
34…開口部
110…シリコン基板
110a…シリコン基板
112…電極層
112a…金属層
114…ギャップ絶縁膜
114a…ギャップ絶縁膜
117…電極層
118…電極
120…ギャップ絶縁膜
122…電極層
150…絶縁耐力試験器
200…薄膜磁気ヘッド
200a…薄膜磁気ヘッド
210…基板
212…シールド膜
212a…シールド膜
214…ギャップ絶縁膜
214a…ギャップ絶縁膜
216…MR素子
216a…MR素子
218…電極
220…ギャップ絶縁膜
220a…ギャップ絶縁膜
222…シールド膜
222a…シールド膜
224…ギャップ層
226…ライト磁極
227…コイル
250…記録ビット

Claims (6)

  1. 有機シランガスと酸素とを用いたプラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成するシリコン酸化膜の形成方法であって、
    酸素に対する有機シランガスの流量比を0.0001〜0.05とし、励起周波数を10kHz〜150kHzとし、基板の温度を170℃〜250℃として、前記基板上にシリコン酸化膜を形成する
    ことを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  2. 請求項1記載のシリコン酸化膜の形成方法において、
    前記有機シランガスは、構造式
    Figure 0003933793
    で示されるアルコキシシランである
    ことを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  3. 請求項記載のシリコン酸化膜の形成方法において、
    前記有機シランガスは、構造式
    Figure 0003933793
    で示されるテトラエトキシシランである
    ことを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  4. 請求項記載のシリコン酸化膜の形成方法において、
    前記有機シランガスは、構造式
    Figure 0003933793
    で示されるテトラメトキシシランである
    ことを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  5. 請求項記載のシリコン酸化膜の形成方法において、
    前記有機シランガスは、構造式
    Figure 0003933793
    で示されるテトラプロポキシシランである
    ことを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  6. 基板上に、第1のシールド膜を形成する第1シールド膜形成工程と、
    前記第1のシールド膜上に、第1のシリコン酸化膜を形成する第1シリコン酸化膜形成工程と、
    前記第1のシリコン酸化膜上に、MR素子を形成するMR素子形成工程と、
    前記MR素子上及び前記第1のシリコン酸化膜上に、第2のシリコン酸化膜を形成する第2シリコン酸化膜形成工程と、
    前記第2のシリコン酸化膜上に、第2のシールド膜を形成する第2シールド膜形成工程とを有し、
    前記第1又は前記第2シリコン酸化膜形成工程では、酸素に対する有機シランガスの流量比を0.0001〜0.05とし、励起周波数を10kHz〜150kHzとし、前記基板の温度を170℃〜250℃として、有機シランガスと酸素とを用いたプラズマCVD法により前記第1又は前記第2のシリコン酸化膜を形成する
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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