JP3931022B2 - 細胞死抑制剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容積感受性Cl-チャネルブロッカーによる細胞死抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
細胞死は、いくつかの防御線がドミノ現象に破綻していくことによってもたらされる。細胞死の一型であるアポトーシス時には細胞収縮を伴い、またネクローシス時には細胞膨張を伴うため、細胞容積調節機構もその防御線の一つであると考えられる。
【0003】
細胞死とは、細胞代謝および細胞の包括的な生命現象の終焉を意味し、形態的かつ生化学的にアポトーシスおよびネクローシスに分類される。アポトーシスは、生理学的、病理学的条件において様々な刺激に反応して起こる。アポトーシスの顕著な特徴の一つは、(特にネクローシスと比較して)細胞死に至る過程にみられる細胞収縮である(Wyllie, A. H. et al.,(1980) Int. Rev. Cytol. 68, 251-307)。
【0004】
ところで、Cl-チャネルは、細胞内外へのCl-イオンの交通を調節するという機能及びそれに伴う細胞の電気活動の担い手という機能を有している。細胞の容積が変化したときにその容積を元の大きさに戻すという、調節性容積収縮にもCl-チャネルが必須であることが広く知られている。しかしながら、一般的にCl-チャネルは生命に必須であり、Cl-チャネルブロッカーはこれまでCl-チャネルの研究には広く用いられてきたが、疾患の治療薬として用いられたことはない。
また、これまでCl-チャネルブロッカーと細胞死又はアポトーシスとの関係について明らかにされたことはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、容積感受性Cl-チャネルブロッカーを含む細胞死抑制剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、Cl-チャネルの働きをブロッカーにより抑制すると、アポトーシスの際にみられる細胞収縮が抑制され、さらにその後のアポトーシス諸反応(ミトコンドリアからのチトクロームc放出、カスパーゼ活性化、核のヌクレオソーム単位の断片化、形態変化)が阻止され、細胞死が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、容積感受性Cl-チャネルブロッカーを有効成分として含む細胞死(例えばアポトーシス)抑制剤である。容積感受性Cl-チャネルブロッカーとしては、スチルベン誘導体、カルボン酸誘導体、ニフルミン酸、グリベンクラミド及びフロレチンからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0008】
さらに、本発明は、容積感受性Cl-チャネルブロッカーを有効成分として含む、細胞死に起因する疾患の治療剤又は予防剤である。細胞死に起因する疾患としては、脳虚血性疾患、心虚血性疾患、神経変性疾患及びうっ血性心不全からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0009】
さらに、本発明は、容積感受性Cl-チャネルブロッカーを含む細胞死検出用試薬である。
さらに、本発明は、アポトーシス性細胞容積収縮を測定することを特徴とする細胞死の検出方法である。
さらに、本発明は、容積感受性Cl-チャネルブロッカーを用いてアポトーシス性細胞容積収縮を測定することを特徴とする細胞死の検出方法である。◎
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
細胞死の一型である アポトーシスは、虚血などの病的現象で広範囲に見られることが知られている。本発明は、いくつかの容積感受性Cl-チャネルブロッカーがアポトーシスを抑制する知見に基づいて完成されたものであり、本発明の細胞死抑制剤は、脳虚血、心筋虚血などの幅広い疾患の治療や予後改善に大きく寄与するものと考えられる。
【0011】
1.細胞死抑制剤
本発明の細胞死抑制剤において、「細胞死」とは細胞代謝および細胞の包括的な生命現象の終焉を意味し、アポトーシスおよびネクローシスが細胞死に含まれる。
【0012】
本発明において、「容積感受性Cl-チャネル」とは、細胞の容積変化により活性化され、その容積を変化させるべく作用するCl-チャネルの一種を意味する。また、「容積感受性Cl-チャネルブロッカー」とは、容積感受性Cl-チャネルを抑制する一群の薬剤を意味する。
上記容積感受性Cl-チャネルブロッカーの例としては以下のものを挙げることができる。
【0013】
(1)スチルベン誘導体
SITS、DIDSなどを含むスチルベン骨格を有する化合物の多くがいくつものCl-チャネルを抑制することが知られており、Cl-チャネルの研究に広く用いられている。
【0014】
SITS:4-アセトアミド-4'-イソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルフォネート(4-acetamido-4'-isothiocyanatostilbene-2,2'-disulphonate)
DIDS:4,4'-ジイソチオシアノ-2,2'-スチルベンスルフォネート(4,4'-diisothiocyano-2,2'-stilbenedisulfonate)
【0015】
(2)カルボン酸誘導体
同様に、NPPBなどを含む有機陰イオンであるカルボン酸誘導体のいくつかもさまざまなCl-チャネルを抑制することが知られており、Cl-チャネルの研究に広く用いられている。
NPPB:5-ニトロ-2-(3-フェニルプロピルアミノ)-安息香酸(5-nitro-2-(3-phenylpropylamino)-benzoic acid)
【0016】
(3)グリベンクラミド
(4) ニフルミン酸 (niflumic acid)
(5)フロレチン
また、これらのCl-チャネルブロッカーは、市販品を購入することにより得ることができる。
【0017】
細胞死抑制作用は、例えばアポトーシスを起こす系に本発明の抑制剤を加え、アポトーシス活性を測定して、アポトーシス活性の抑制率を算出することによって評価される。アポトーシス活性の測定は、例えばTNF-α、シクロヘキサミド(CHX)、アクチノマイシンDなどを目的の細胞に作用させてアポトーシスを誘導し、本発明の抑制剤を添加した場合と添加しない場合について、それぞれ(1)細胞のDNAラダー(DNA ladder)を検出する方法[Shiokawa,D. et al.(1994) Eur. J. Biochem. 226, 23-30]、(2)基質の蛍光定量法などによりカスパーゼの活性を測定する方法[Thornberry, N. A. (1994) Meth. Enzymol. 244, 615-631]、(3)ミトコンドリアからのチトクロームc放出を、抗チトクロームc抗体を用いて測定する方法[Deshmukh, M. & Johnson, E. M. Jr.(1998) Neuron 21, 695-705]、(4)顕微鏡下で細胞の形態を観察する方法などにより行われる。
【0018】
本発明の細胞死抑制剤は、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し、細胞死に起因する疾患(例えばアポトーシスの促進が関わる疾患)の予防又は治療剤として用いられる。このような疾患としては、例えば虚血性疾患(心筋梗塞、脳虚血など)、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)、うっ血性心不全などが挙げられる。本発明においては、上記疾患が1種であっても、複数の疾患が併発したものであっても、さらに別の疾患と合併したものであっても、本発明の抑制剤の適用の対象となる。そして、本発明の抑制剤は、特に虚血性疾患の遅発性細胞死の予防又は治療のために好適に用いられる。
【0019】
本発明の細胞死抑制剤は、「容積感受性Cl-チャネルブロッカー」をそのまま用いてもよいが、通常、容積感受性Cl-チャネルブロッカー又はその塩と、薬理学的に許容される担体などとを用いて、医薬組成物の製造法として公知の手段に従って製造することができる。具体的には、容積感受性Cl-チャネルブロッカー又はその塩と担体とを常法に従って混合し、医薬組成物として用いることができる。
【0020】
ここで、薬理学的に許容される担体には、製剤素材として使用可能な各種有機又は無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、又は液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、デンプン、結晶セルロースなどが挙げられ、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。また、結合剤としては、例えばα化デンプン、メチルセルロース、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、トレハロース、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、トリカプリリンなどが挙げられる。溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤、あるいは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子が挙げられる。等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。本発明の細胞死抑制剤における「容積感受性Cl-チャネルブロッカー」の含量は、例えば約5〜約100重量%、好ましくは、約10〜約80重量%である。
【0021】
本発明の細胞死抑制剤は、製剤技術分野において慣用の方法により製造することができる。本発明の細胞死抑制剤の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の経口剤のほか、注射剤、坐剤、ペレット、点滴剤等の非経口剤が挙げられ、これらは毒性も低く、それぞれ経口的又は非経口的に投与できる。
【0022】
本発明の細胞死抑制剤は、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し、細胞死に起因する疾患(例えばアポトーシスの促進が関わる疾患)の予防又は治療剤として用いられる。このような疾患としては、例えば虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など)、神経変性疾患、うっ血性心不全等が挙げられる。本発明においては、上記疾患が1種であっても、複数の疾患が併発したものであっても、さらに別の疾患と合併したものであっても、本発明の抑制剤の適用の対象となる。そして、本発明の抑制剤は、特に虚血性疾患の予防又は治療のために好適に用いられる。
【0023】
本発明のアポトーシス抑制剤の投与量は、投与対象、投与ルート、症状などによっても異なるが、例えば成人の虚血性疾患発症直後の患者に対して経口投与する場合、有効成分である「容積感受性Cl-チャネルブロッカー」として、通常1回量約0.1mg/kg〜約100mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約20mg/kg投与することが好ましく、この量を1日1〜4回投与することが好ましい。
【0024】
2.細胞死検出用試薬及び検出方法
本発明において、アポトーシス性細胞容積収縮(AVD)を測定することを特徴とする細胞死の検出方法として使用する場合は、これまで発表されているさまざまな細胞容積測定法に則り、その細胞の経時的な細胞容積収縮の亢進を測定することにより検出が行われる。本発明には対照の比較方法として容積感受性Cl-チャネルブロッカーのほか、Kチャネルブロッカー、緩衝液を含めることができる。
【0025】
アポトーシスの開始時には、これまで知られているどのようなアポトーシス検出法よりも早く、AVDを指標として検出することができる。AVDとは、アポトーシス性早期細胞収縮を意味し、正常浸透圧時に対照と比較して細胞容積が5〜20%、好ましくは10%収縮減少したときにアポトーシスが開始していると判断される。また、AVDは低浸透圧刺激後におこる調節性容積収縮(RVD)の程度を、対照として容積感受性Cl-チャネルブロッカーを与えた一群の細胞と比較する事によっても検出できる。この際には、低浸透圧刺激後約4〜15分、望ましくは5〜10分後に容積感受性Cl-チャネルブロッカーを与えた一群の細胞と比較して、統計的有意に細胞容積が収縮していることを測定することにより検出する。
【0026】
例えば、虚血発作をおこした患者のバイオプシーから得られる種々の組織切片より、単離細胞を常法により調製し、そのAVDを測定することにより細胞死が進行するかどうか、さらには、患者の病態や予後について判断することができる。さらに、AVDは、細胞死よりも前に起こる反応であるため、この値を指標として細胞死が生じるのを未然に検出することができ、たとえば、本発明の実施形態1項に記したように、疾患の予防等に利用することが可能である。◎
なお、本発明において細胞死の指標として使用することができるは、AVDやRVD値に限られるものではなく、カスパーゼ活性や電子顕微鏡下形態観察なども判断資料として用いることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〕 アポトーシス抑制活性試験
(1)材料と方法
(1-1)細胞培養とアポトーシスの誘導
アポトーシス抑制活性試験の対象となる細胞として、HeLa細胞、U937細胞、PC12細胞及びNG108−15細胞を用いた。HeLa細胞及びU937細胞は、それぞれ10%ウシ胎児血清(FBS)を添加したMEM培地、RPMI培地にて培養した。PC12及びNG108-15細胞は、10%FBSを添加したDMEM培地にて培養し、ニューロンへの分化は誘発せずに実験に供した。
アポトーシスを誘導するために、上記細胞の対数増殖期にスタウロスポリン(STS)、または腫瘍壊死因子α(TNFα)及びシクロヘキサミド(CHX)にて処理した。
【0029】
(i)STS処理群: U937細胞に0.1 μg ml-1、PC12細胞に1 μg ml-1、NG108−15細胞に1 μg ml-1
(ii) TNFα及びCHX処理群:
TNFαの使用濃度:U937細胞に1μM、HeLa細胞に4μM、NG108−15細胞に4μM、PC12細胞に8μM
CHFの使用濃度:U937細胞に2 ng ml-1、PC12細胞に10 ng ml-1、NG108−15細胞に10 ng ml-1
【0030】
(1-2) 細胞容積の測定
細胞の容積は、細胞サイズ分析器(CDA−500、Sysmex、神戸市)を用いて電気的サイジングの技法により測定した。試験群の平均容積は、既知の容積を用いるラテックスビーズの値に基づいた細胞容積分布から、コンピュータで算出した。細胞容積の測定に使用する等浸透圧又は低浸透圧溶液の組成は以下の通りである。
【0031】
NaCl 95mM、KCl 4.5 mM、MgCl2 1 mM、CaCl2 1 mM、マンニトール110又は0 mM、HEPES/NaOH 5 mM(pH7.3、310又は200 mosmol kg・H2O-1)
(1-3) チトクロームc放出アッセイ
チトクロームc放出アッセイは、抗チトクロームcモノクローナル抗体(6H2.B4:Pharmingen、San Diego、CA)を用い、共焦レーザ走査蛍光顕微鏡(BioRad MRC−1024、Hercules、CA)下で免疫染色を行ってミトコンドリアから失われるチトクロームcを観察することにより行った。カウンター染色には、プロピジウムヨウ化物を用いた。チトクロームcの細胞質ゾルへの放出を、細胞質ゾルの画分に抗チトクロームcモノクローナル抗体(7H8.2C12:Pharmingen)を作用させてウェスタンブロッティング分析を行った。
(1-4) カスパーゼ−3活性化の測定
【0032】
カスパーゼ−3の活性は、蛍光測定アッセイを用いて測定した。関連するその他のプロテアーゼの関与を排除するため、カスパーゼ−3の特定抑制因子の不在下又は存在下における蛍光の違いを観察した。カスパーゼ−3(Ac-DEVD-AMC)、及びカスパーゼ−3のテトラペプチド抑制因子(Ac-DEVD-CHO)について、蛍光色素7−アミノ4−メチルクマリン(AMC)で標識した蛍光発色物質をCaspASETMアッセイシステム(Promega、Madison、WI)に供した。
【0033】
(1-5) DNA断片化アッセイ
被検細胞のヌクレオソームDNA断片化をDNAラダーにより検出した。すなわち、細胞を溶解緩衝液(EDTA 10 mM、0.5% Na-N-ラウオイルサルコシネート、RNAse 500 μg ml-1、Tris-HCl 50 mM、pH 7.8)中、37℃で1時間分解させ、プロテイナーゼK 500 μg ml-1を用いて37℃で1時間処理した。次いで、アガロースゲル電気泳動(2%)により染色体DNAを分析し、臭化エチジウムで染色した。
【0034】
(1-6) 透過型電子顕微鏡によるアポトーシスの観察
アポトーシスの形態的観察は、以下の通り行った。すなわち、細胞培養物をCaCl2を添加しない0.1MのNa-リン酸緩衝液を用いて、Karnovsky 定着剤によりあらかじめ固定させた。水中、1%OsO4でオスミウム酸染色した後、細胞を一連のエタノール勾配により脱水し、Epon中に包埋した。その後、電子顕微鏡観察用切片を作製し、電子顕微鏡JEM 100CX(東京)を用いて観察を行った。
【0035】
(1-7) 細胞の生存能力
生存能力のある細胞は、臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム(MTT)を還元できるという事実に基づいて、細胞計数キット(同人堂、熊本県)を製造業者の使用説明書に従って使用した。96−ウェル培養プレートを用いて細胞を培養した後、比色分析MTTアッセイにより、ミトコンドリアのデヒドロゲナーゼ活性を指標として生存能力を評価した。また、細胞の生存率は、0.4%トリパンブルーで5分間インキュベートした後のトリパンブルー排除によっても評価した。
【0036】
(2) 結果
(2-1) AVDの誘導及びそのチャネルブロッカーに対する感受性
スタウロスポリン(STS)で2時間処理したところ、上皮HeLa細胞、リンパ系U937細胞及び神経系NG108−15細胞の平均細胞容積が有意に減少した(図1A)。TNF/CHXを2時間適用したところ、NG108−15細胞とU937細胞(図1A)ならびにHeLa細胞とPC12細胞(n=20)においても収縮を引き起こした。アポトーシス誘導刺激の3時間後においても、光学的顕微鏡下ならびに電子顕微鏡下におけるアポトーシス小体の形成や細胞の断片化は観察されず、細胞の容積収縮は細胞の断片化による容積分布の変化に伴う見かけ上のものではないことが明らかにされた。
【0037】
このアポトーシス性早期細胞収縮(AVD)は、Cl-チャネルブロッカーであるNPPB又はDIDS(0.5 mM)によって完全に抑制された(図1A)。その他のCl-ブロッカーであるSITS、ニフルミン酸(niflumic acid)とグリベンクラミドもまた有効であった(0.5mM、各n=10)。
【0038】
非常に広範囲にわたる細胞タイプにおいて細胞膨張により活性化される、容積感受性Cl-チャネルをこうした化学物質がブロックすることは周知であることから(Okada, T.(1997) Am. J. Physiol. 273, C755-C789)、本発明者は、別の薬剤であるフロレチン(phloretin)の効果を試験した。その結果、フロレチン(30μM)は、U937細胞においてSTSとTNF/CHXにより誘発されたAVDと、さらにその他3つの細胞タイプにてどのアポトーシス誘発因子によるAVDをも防ぐことができた(n=10)。
【0039】
(2-2) アポトーシス時におけるRVD促進とチャネルブロッカの前処理によるそのブロック
図1Bは、AVDの誘導された細胞において、RVDも促進されていることを示す。細胞は低浸透圧性刺激(65%低浸透圧)に対して浸透性膨張応答し、その後、U937細胞とHeLa細胞はCHX処理とは無関係に調節性容積減少(RVD)を示した。しかし、STS又はTNF/CHXで2時間処理することによりAVDを誘導すると(図1B:黒丸(●))、RVDが通常(白四角(□))と比べて促進されていることが明らかになった。また、容積感受性Cl-チャネル(DIDS 0.5 mM、NPPB 0.5 mM又はフロレチン 30 μM)又はK+チャネル(Ba2+ 5mM又はキニン0.5 mM)のブロッカーで処理すると(図1B:白丸(○))、このアポトーシス時にみられるRVDの促進が抑止された。各データは、16個のサンプルを観察した結果の平均±SEM(縦軸)を表す(*P<0.05 対 対応する対照)。PC12細胞、NG108−15細胞は、低浸透圧性刺激(65%低浸透圧)に対する浸透性膨張応答の後、対象群ではほとんど調節性容積減少(RVD)を示さなかったが(図1B、最下パネル:白四角(□))、アポトーシス進行中ではRVDを示し(黒丸(●))、その効果はやはり上記の容積感受性Cl-チャネル又はK+チャネルのブロッカーにより抑制された(白丸(○))。NG108−15細胞についても同様の観察結果が得られた(n=16:図には示さず)。なお、これらの細胞にフロレチン、DIDS、又はNPPBをアポトーシスの誘発因子と同時期に適用し、次いで細胞容積測定直前に除去した際には、こうしたRVD応答の促進は見られなかった。
【0040】
従って、アポトーシス時には、低浸透性条件下でRVDを司る容積調節性Cl-とK+チャネルがすでに活性化されていることが示された。
これらの結果により、正常浸透圧条件下でも、アポトーシス誘発因子による刺激が、低浸透性条件下でRVDプロセスに参加する容積調節性Cl-とK+チャネルを活性化させることが示唆された。
【0041】
(2-3) チトクロームc放出と、チャネルブロッカーによるそのブロック
図2は、アポトーシス誘発因子で細胞を処理したときのチトクロームc放出、及びCl-又はK+チャネルブロッカーで同時処理したときのチトクロームc放出とアポトーシスの抑止結果を示す図である。図2Aは、DIDS 0.5mMの存在下又は不在化でHeLa細胞をSTS処理し、その5.5時間後の免疫細胞化学に基づき観察したミトコンドリアからのチトクロームc放出を示す。
【0042】
矢印:FITC結合第二抗体により明示されたミトコンドリアのチトクロームc。
測定尺度:20μm
図2Bは、U937細胞、HeLa細胞及びPC12細胞について、DIDS 0.5mM、NPPB 0.5mM、及びフロレチン30μM又はキニン0.5mMの存在下又は不在下で、STS又はTNF/CHXによる処理を行い、その8時間後のチトクロームcの細胞質ゾルへの放出の有無をウェスタンブロッティング分析により示した図である。
【0043】
免疫細胞化学的分析(図2A)及びウェスタンブロッティング分析(図2B)において、STS又はTNF/CHXどちらかを4時間から8時間適用することで、HeLa(図2A)細胞のミトコンドリアからのチトクロームc放出が、そしてHeLa細胞、U937細胞、及びPC12細胞(図2B)中の細胞質ゾル中へのチトクロームc放出が見られるが、このチトクロームc放出は、Cl-チャネルブロッカーであるDIDS、NPPB又はフロレチンにより阻止された。なお、K+チャネルブロッカーのキニン(図2B)又はBa2+(5mM:n=3)もSTSが誘導するチトクロームc放出の抑制に有効であった。
【0044】
(2-4)カスパーゼの活性化、DNAラダリング及びそのチャネルブロッカーによる抑止
カスパーゼ‐3の活性化とDNAの断片化(ラダリング)は、使用した細胞タイプ全てにおいてSTS又はTNF/CHXを4時間から8時間適用することで誘発された(図3A,B)。
【0045】
図3Aは、STS又はTNF/CHXによる処理を4時間又は8時間行って誘導したカスパーゼ−3活性化を示す。図3Bは、DNAラダリングの結果を示す。
U937細胞、HeLa細胞、PC12細胞又はNG108−15細胞に、STS又はTNF/CHXによる処理と同時にDIDS 0.5mM、NPPB 0.5mM、及びフロレチン 30μm又はBa2+ 5mMで処理することにより、カスパーゼ−3活性化(図3A)およびDNAラダリング(図3B)が抑制された。図3Aにおいて、各パネルは、6個のサンプルを観察した結果の平均±SEM(縦軸)を表す。図3Bのデータは、3つの被検サンプルの結果を表す。*P<0.05 対 対照値。
【0046】
Cl-チャネルブロッカーと同様にK+チャネルブロッカーであるBa2+(図3)又はキニン(0.5mM: n=4)も、STS又はTNF/CHXが誘導するカスパーゼ‐3の活性化及びDNAのラダリングをU937細胞及びその他の細胞タイプにおいて抑止した(各n=4)。
【0047】
(2-5) アポトーシスの形態及びチャネルブロッカーによるその阻止
HeLa細胞、U937細胞、PC12細胞をSTS又はTNF/CHXで処理したところ、アポトーシスの特徴である高次構造的変性が誘発された。図4において、左列はHeLa細胞、中央列はU937細胞、右列はPC12細胞の、そしてA行は対照細胞、B行はSTS又はTNF/CHX処理4時間後の、C行はSTS又はTNF/CHXとCl-チャネルブロッカーで同時に処理した4時間後の、それぞれの薄片電子顕微鏡(thin section electron microscopy)をしめす。HeLa細胞にはSTSと0.5 mM NPPBを、U937細胞にはSTSと0.5 mM DIDSを、PC12細胞にはTNF/CHXとフロレチンを投与したものを代表例として示した。この変性の特徴としては、例えば核の周辺におけるクロマチンの濃縮、漏れ易い核包膜、4時間以内の細胞内空胞形成があげられる。こうしたアポトーシスによる形態的変性は、Cl-チャネルブロッカーであるDIDS、NPPB又はフロレチンで同時に処理することで大幅に抑えられた。また、K+チャネルブロッカー(Ba2+ 5mM又はキニン0.5mM)も、PC12細胞においてTNF/CHXが誘導する形態的変化を抑制するのに有効であることが確認された。
【0048】
(2-6) アポトーシスによる細胞死及びチャネルブロッカーによるその抑止
STSで細胞を8時間処理し、これをHeLa細胞、U937細胞、PC12細胞(図5)及びNG108−15細胞(n=20)においてMTTアッセイにて評価したところ、細胞の生存が著しく低下していた。TNF/CHX(8時間)の適用もまた、U937細胞、HeLa細胞及びPC12細胞(図5)(各n=20)において細胞死を誘導した。既知のCl-チャネルブロッカーであるNPPB又はDIDSを同時適用すると、HeLa細胞とPC12細胞(図5)ならびにU937細胞とNG108−15細胞(各n=20)の細胞死を阻止できることが確認された。その他のCl-チャネルブロッカーであるSITS、ニフルミン酸及びグリベンクラミドも有効であった(0.5mM:各n=10)。フロレチンもU937細胞におけるTNF/CHX誘導性細胞死(図5)、並びにHeLa細胞、U937細胞及びNG108−15細胞におけるSTS誘導性細胞死(各n=20)を30μMで阻止できた。またSTSで処理したU937細胞、TNF/CHXで処理したU937細胞、及びSTSで処理したHeLa細胞においても、K+チャネルブロッカー、Ba2+(5mM)によりアポトーシスによる細胞死が阻止された(各n=20)。別のK+チャネルブロッカーであるキニン(0.5mM)も、NG108-15細胞においてSTS誘発性細胞死を阻止した(n=20)。細胞の生存を、U937細胞(図6C参照)ならびにHeLa細胞、PC12細胞とNG108-15細胞(各n=12)においてトリパンブルー排除により評価した際も同じ結果が得られた。対照的に、cAMP活性化(CFTR)Cl-チャネルブロッカーとして知られるアントラセン-9-カルボキシレート(1mM)ないしは、Na+-K+-2Cl-又はNa+-Cl-シンポーター(symporters)のみならず上皮Ca2+活性化Cl-チャネルもブロックするフロセミド(0.5mM)のどちらも、HeLa細胞とU937細胞におけるSTS誘導性細胞死を阻止できなかった(MTTアッセイにて各n=10、トリパンブルーアッセイにて各n=4)。
【0049】
図5は、STS又はTNF/CHXによる8時間の処理で誘導した細胞死、並びにNPPB 0.5mM、DIDS 0.5mM、フロレチン 30μm又はBa2+5mMで同時処理したHeLa細胞、U937細胞及びPC12細胞の細胞死抑制を示す図である。細胞の生存能力をMTTアッセイにより評価し、データは8時間処理の直前に測定して標準化した。各パネルは、20サンプルを観察した結果の平均±SEM(縦軸)を表す。STS試験の対照データは、薬剤を一切加えずに8時間インキュベートした後で得た。またTNF/CHX試験の対照データは、CHXのみで8時間処理した後に得た。*P<0.05 対 対照。
【0050】
(2-7) 生化学的アポトーシス反応前のAVD誘導
AVDの過程である生化学的アポトーシス反応、及びSTSが誘導する細胞死について、U937細胞を用いて比較した結果を図6に示す。図6は、平均細胞容積(A)、カスパーゼ−3活性化(B)、細胞生存能力(C)における時間的推移を示す図である。白四角(□)は対照、黒三角(▲)はCl-チャネルブロッカー非存在下、黒丸(●)はCl-チャネルブロッカー(NPPBまたはDIDS)存在下、黒逆三角(▼)はK+チャネルブロッカーの存在下でのSTS誘導性アポトーシス細胞を示す。細胞の生存率は、トリパンブルー排除により評価した。*P<0.05 対 対照。
【0051】
図6Aに示す通りSTSを適用すると、1時間という早さで細胞収縮(AVD)が開始した(黒丸(●))。一方、カスパーゼ‐3活性化及び細胞死は、それぞれSTSの処理後2時間及び3時間以内には確認されなかった(図6B、C)。試験した細胞全てにおいてSTSでの処理後2時間以内ではチトクロームc放出もDNAラダリングも観察されなかった(各n=4)。STSで処理したU937細胞においてアポトーシス誘導に起因する細胞死、カスパーゼ−3活性化及びDNAラダリングは、広域スペクトルカスパーゼ阻害因子であるzVAD-fmk(50μM)により阻止されたが、AVDは阻害されることなく通常通りに観察された。(U937細胞の平均容積は、zVAD-fmkを伴うSTS適用後2時間で90.2±4.1%に、zVAD-fmkを伴わない場合には88.3%±3.1%(n=4)に減少。有意差無し)。なお、別のカスパーゼ阻害因子であるzD-dcb(0.1mM、n=6)でも同様の結果が得られた。
【0052】
TNF/CHXで刺激した場合、30分以内に細胞収縮の開始が観察されたが、カスパーゼ−3活性化とDNAラダリングはU937細胞において30分以内ではみられなかった(n=4-12)。
以上の結果より、AVDはチトクロームc放出、カスパーゼ活性化、DNAラダリングそして細胞死よりも前に起こる反応であることが示された。(2-1)、(2-2)に示したように、アポトーシス時には細胞の種類やアポトーシスに至るまでの過程には依存せず、細胞はAVDを来すので、これらの結果よりAVDを測定することにより、アポトーシス、ならびに細胞死を他の既知の細胞現象よりも早く検出できることが示された。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、容積感受性Cl-チャネルブロッカーによるアポトーシス抑制剤が提供される。本発明のアポトーシス抑制剤は、脳虚血疾患等の治療又は予防に有用である。また、本発明により、早期にアポトーシスに至る可能性のある細胞を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 HeLa細胞、U937細胞及びNG108−15細胞に対するアポトーシス抑制試験結果を示す図である。
【図1B】 HeLa細胞、U937細胞及びPC12細胞に対するアポトーシス抑制試験結果を示す図である。
【図2A】 DIDSの存在下又は不在化でHeLa細胞をSTS処理したときのミトコンドリアからのチトクロームc放出を示す免疫細胞化学試験結果の写真である。
【図2B】 U937細胞、HeLa細胞及びPC12細胞について、STS又はTNF/CHXによる処理を行い、その後ウェスタンブロッティング分析を行ったときのチトクロームcの細胞質ゾルへの放出を示す写真である。
【図3A】 STS又はTNF/CHXによる処理後に誘導したカスパーゼ−3活性化の試験結果を示す図である。
【図3B】 DNAラダリングの結果を示す写真である。
【図4】 HeLa細胞、U937細胞及びPC12細胞をSTS又はTNF/CHXで処理したときの、アポトーシスの特徴である超構造的変性を示す写真である。
【図5】 HeLa細胞、U937細胞及びPC12細胞の細胞生存率を示す図である。
【図6】 AVDの過程である生化学的アポトーシス反応、及びSTSが誘導する細胞死について、U937細胞を用いて比較した結果を示す図である。
Claims (4)
- 4-アセトアミド-4'-イソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルフォネート、4,4'-ジイソチオシアノ-2,2'-スチルベンスルフォネート、5-ニトロ-2-(3-フェニルプロピルアミノ)-安息香酸、グリベンクラミド、ニフルミン酸、フロレチン及びこれらの塩から成る群より選択される少なくとも1種の容積感受性Cl-チャネルブロッカーを有効成分として含むアポトーシス抑制剤。
- 4-アセトアミド-4'-イソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルフォネート、4,4'-ジイソチオシアノ-2,2'-スチルベンスルフォネート、5-ニトロ-2-(3-フェニルプロピルアミノ)-安息香酸、グリベンクラミド、ニフルミン酸、フロレチン及びこれらの塩から成る群より選択される少なくとも1種の容積感受性Cl-チャネルブロッカーを有効成分として含む、脳虚血性疾患、心虚血性疾患及びうっ血性心不全から成る群より選択されるアポトーシスに起因する疾患の治療剤。
- 4-アセトアミド-4'-イソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルフォネート、4,4'-ジイソチオシアノ-2,2'-スチルベンスルフォネート、5-ニトロ-2-(3-フェニルプロピルアミノ)-安息香酸、グリベンクラミド、ニフルミン酸、フロレチン及びこれらの塩から成る群より選択される少なくとも1種の容積感受性Cl-チャネルブロッカーを有効成分として含む、脳虚血性疾患、心虚血性疾患及びうっ血性心不全から成る群より選択されるアポトーシスに起因する疾患の予防剤。
- 4-アセトアミド-4'-イソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルフォネート、4,4'-ジイソチオシアノ-2,2'-スチルベンスルフォネート、5-ニトロ-2-(3-フェニルプロピルアミノ)-安息香酸、グリベンクラミド、ニフルミン酸、フロレチン及びこれらの塩から成る群より選択される少なくとも1種の容積感受性Cl-チャネルブロッカーを用いてアポトーシス性細胞容積収縮を測定することを特徴とする、アポトーシスの検出方法。
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