JP3929723B2 - メタン濃縮装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば有機性廃棄物の生物学的処理に際し発生する消化ガスのような、メタンガスと二酸化炭素を含む原料ガスから二酸化炭素を除去し、メタンガスを濃縮するためのメタン濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場、食品工場、ビール製造工場、家畜の飼育場等で生じる有機性廃棄物を生物学的に処理すると、メタン、二酸化炭素、硫化水素等からなる消化ガスが発生する。近年、かかる消化ガスをエネルギー源として有効利用するために、例えば、活性炭等の吸着剤を収容した貯蔵槽内に、消化ガスを吸着貯蔵する消化ガスの貯蔵方法等の技術が研究されている。
【0003】
このように消化ガスの有効利用を図るためには、消化ガス中の二酸化炭素を除去してメタンガスを濃縮して使用することが望ましい。そして従来、消化ガスのような原料ガス中から二酸化炭素を除去するための手段としては、例えば活性炭、ゼオライト、金属酸化物等の二酸化炭素吸着剤が充填された吸着塔に原料ガスを通す方法;気体分離膜を用いて真空で脱気する方法;多孔質中空糸を用いて分離する方法等が挙げられる。これらの中でも、特に、二酸化炭素を選択的に除去でき、かつコンパクトで経済的であることから、多孔質中空糸を用いた分離方法が注目されている。
【0004】
中空糸を用いた二酸化炭素分離装置は、例えば中空糸内を原料ガスが流れるように設けられたガス入口とガス出口と、該中空糸の外表面と接触する吸収液の入口と出口とが設けられた中空糸モジュールを用い、ガス入口から消化ガスなどの原料ガスを供給し、かつ吸収液入口から水などの吸収液を供給することによって、該原料ガス中の二酸化炭素を選択的に吸収液に溶解、吸収させ、ガス出口から二酸化炭素が除去された精製ガスが得られるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のメタン濃縮装置は、中空糸モジュール内に吸収液を流しながら二酸化炭素の除去を行うものなので、大量の吸収液が必要となり、そのための水源確保の問題と、大量の精製水の使用によるコスト上昇の問題があった。
また、従来の中空糸モジュールを用いたメタン濃縮は、原料ガスからの二酸化炭素除去効率が不十分であったため、中空糸モジュールを直列に複数段つないで処理を行わねばならず、装置の大型化、設備コスト及びランニングコストの上昇を招いていた。
【0006】
したがって、本発明は、吸収液の利用効率を高め、かつ二酸化炭素除去効率を高めたメタン濃縮装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸収液に接触する中空糸を有し、該中空糸にメタンガスと二酸化炭素を含む原料ガスを供給して該中空糸から吸収液に二酸化炭素を溶出せしめる吸収部と、吸収液に接触する中空糸を有し、吸収液中の二酸化炭素を中空糸を通して回収する放出部と、吸収液タンクおよびポンプと、前記吸収液を該吸収液タンク、ポンプ、前記放出部、前記吸収部、該吸収液タンクの順に循環させるように設けられた管路とを有するメタン濃縮装置であって、前記吸収部および放出部は、中空糸の長手方向に対して直交する方向に吸収液を流すように構成され、かつ前記吸収液タンクに新たな吸収液を補給する補給管路と前記ポンプから吐出した吸収液を循環系外に排出する排出管路とを設けたことを特徴とするメタン濃縮装置を提供する。
本発明のメタン濃縮装置において、前記放出部が、メタンガスと二酸化炭素以外のガスを吸収液に接触させるストリッピング、あるいは中空糸内を減圧することによって吸収液中の二酸化炭素を回収するように構成して良い。
本発明のメタン濃縮装置において、中空糸は疎水性多孔質中空糸とすることが好ましい。
本発明のメタン濃縮装置において、原料ガスを加圧して吸収部に供給するブロアーを有する構成として良い。
本発明のメタン濃縮装置において、吸収部に供給される原料ガスから夾雑物を取り除くフィルターと、吸収部に供給される吸収液から夾雑物を取り除くフィルターとを有する構成として良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のメタン濃縮装置の一実施形態を示す概略構成図である。ここに例示したメタン濃縮装置は、吸収液に接触する中空糸を有し、該中空糸にメタンガスと二酸化炭素を含む原料ガスを供給して該中空糸から吸収液に二酸化炭素を溶出せしめ、二酸化炭素を除去してメタンガスが濃縮された精製ガスを得る吸収部1と、吸収液に接触する中空糸を有し、吸収液中の二酸化炭素を中空糸を通して回収する放出部2と、吸収液タンク3およびポンプ4と、前記吸収液を該吸収液タンク3→ポンプ4→放出部1→吸収部2→吸収液タンク3の順に循環させるように設けられた管路5,6,7,8とを有している。
【0009】
上記原料ガスとしては、メタンガスと二酸化炭素とを含む各種のガスを用いることができ、典型的には有機性廃棄物の生物学的処理に際し発生する消化ガスが用いられる。この種の消化ガスは、メタンガスと二酸化炭素の他に、窒素、硫化水素、水分などの気体成分を含んでおり、それらのうち、硫化水素は予め除去しておくことが望ましい。消化ガス中の硫化水素を除去するための手段としては、乾式脱硫法と湿式脱硫法がある。乾式脱硫法には成形脱硫剤式が多く使用されている。成形脱硫剤式は、鉄粉、粘土等でペレット状にした成形脱硫剤を脱硫塔内に充填し、消化ガスと接触させるものであり、取り出した使用済みの脱硫剤は処分する。湿式脱硫法には、水洗浄式、アルカリ洗浄式および薬液再生式がある。このうち、水洗浄式は、下水処理の場合は下水処理水、その他の処理場の場合は井戸水、工業用水または水道水と、消化ガスとを向流接触させるものである。脱硫時の温度および圧力は、消化ガス発生状態そのままでも良く、特に制限されない。
【0010】
本発明において使用される吸収液としては、工業用水、下水処理水、イオン交換水などの水、NaOH,KOHなどの無機アルカリ水溶液或いは有機アルカリ水溶液が用いられる。本発明では、吸収部1で原料ガス中の二酸化炭素を吸収させた吸収液を放出部2に送り、該液中から二酸化炭素を取り出して再生し、これを再び吸収部1に供給するように、吸収液を循環使用するので、吸収液の使用量を少なくすることができる。
【0011】
図1に例示した装置において、吸収部1および放出部2は、中空糸内を原料ガスが流れるように設けられたガス入口とガス出口と、該中空糸の外表面と接触する吸収液の入口と出口とが設けられた少なくとも1つの中空糸モジュールを有する。吸収部1および放出部2において、原料ガスの処理量と脱二酸化炭素の程度に応じ、複数の中空糸モジュールを直列および/または並列に並べ、原料ガス及び精製ガスの流れ、および吸収液の循環供給を一元的に制御できるように構成することが望ましい。
【0012】
本発明において、吸収部1および放出部2のそれぞれの中空糸モジュールは、多数本が並列された中空糸の長手方向に対して直交する方向に吸収液を流すように構成されている。一般に、膜を介して液−液、気−気或いは気−液間の成分を交換する場合、それぞれを向流に流すと交換効率が良いとされている。しかし、多数本並列された中空糸を有する中空糸モジュールを用いて気−液接触させる場合、中空糸内のガスの流れ方向に対し向流方向に吸収液を流しても、中空糸同士がかなり近接して束状になっていると、その束の内側は二酸化炭素除去効率が高くならない。本発明者らは、中空糸の長手方向、即ちガスの流れ方向に対して直交する方向に吸収液を流すことによって、向流方向で処理する場合に比べて二酸化炭素除去効率が高くなることを見出した。そして、本発明においては、中空糸内のガスの流れ方向に対し、直交方向に吸収液を流す中空糸モジュールを採用したことによって、吸収部1および放出部2のそれぞれの中空糸モジュールの二酸化炭素除去効率が向上し、一定量のガスのメタン濃縮に必要な中空糸モジュールの本数が少なくて済み、メタン濃縮装置の簡略化、小型化を図ることができる。
【0013】
吸収部1の中空糸モジュールは、モジュール内に多数本並列された中空糸内に原料ガスを導入する管路10が接続されたガス入口、精製ガスを取り出す管路11が接続されたガス出口、該モジュール内に吸収液を該中空糸の長手方向に対し直交する方向に流す位置に配設された吸収液入口および吸収液出口とを有する。
吸収部1において用いられる中空糸としては、疎水性合成樹脂で作られた多孔質中空糸が好適に用いられる。この種の中空糸は、疎水性であるため、水は中空糸内に入ってこない。モジュール内に吸収液が存在する状態で中空糸に原料ガスを流すと、二酸化炭素は、他のガス成分と比べて水に対する溶解度が高いため、二酸化炭素は他のガス成分よりも大量に、中空糸の微細孔を通って吸収液中に拡散、溶解する。中空糸は、多くの市販品があり、それらの中から適宜選択して使用することができる。
【0014】
放出部2における吸収液からの二酸化炭素取り出し方式は、中空糸内を減圧することによってモジュール内に供給される吸収液から溶存ガス成分を取り出す減圧方式、或いはモジュール内に供給される吸収液と、メタン、二酸化炭素以外のガスとを接触させることによって吸収液から二酸化炭素を放出させるストリッピング方式のいずれかが用いられる。
減圧方式により吸収液から二酸化炭素を回収する場合、放出部モジュールは、モジュール内に多数本並列された中空糸の長手方向に対し直交する方向に流す位置に配設された吸収液入口および吸収液出口と、中空糸の一方の端部または両端から中空糸内を減圧する管路12に接続された図示略の真空ポンプのような減圧手段とを有する構成とされる。なお、中空糸の一方の端部を減圧手段に接続する場合、中空糸の他方の端部は閉塞しておく。
また、ストリッピング方式により吸収液から二酸化炭素を回収する場合、放出部モジュールは、モジュール内に多数本並列された中空糸の長手方向に対し直交する方向に流す位置に配設された吸収液入口および吸収液出口と、中空糸の一方からメタン、二酸化炭素以外のガスを導入するストリッピングガス入口と、中空糸の他方から該ストリッピングガスと二酸化炭素の混合ガスを排出するガス出口とを有する構成とされる。
ストリッピング用のガスとしては、窒素、アルゴン等の希ガス、空気、酸素、水素などが好適に用いられる。また、上述した各放出部モジュールの中空糸は、上述した吸収部モジュールと同じく、各種の市販品の中から適宜選択して使用することができる。
【0015】
吸収部1から排出される吸収液を貯留する吸収液タンク3、該吸収液タンク3に貯留された吸収液を放出部2に送るポンプ4、及び吸収液を該吸収液タンク3→ポンプ4→放出部1→吸収部2→吸収液タンク3の順に循環させるように設けられた管路5,6,7,8は、廃水処理に関する技術分野において周知のタンク、ポンプ及び管路を用いることができ、メタン濃縮装置の処理能力に応じて市販品から適宜選択して、或いは既存品をそのまま、若しくは適宜改良して使用することができる。
【0016】
吸収部1と吸収液タンク3とをつなぐ管路8には、この吸収液の循環系内に新たな吸収液を補給するための補給管路20が設けられている。またポンプ4と放出部2とをつなぐ管路6には、ポンプ4から吐出した吸収液を循環系外に排出する排出管路21が設けられている。
【0017】
吸収液を循環使用するタイプの装置において、吸収液を交換せずに循環使用していると、吸収部1と放出部2において水分がガスに伴って循環系外に抜き出され、吸収液中の不揮発性成分、例えば塩などの無機成分の濃度が上昇する。吸収液中の不揮発性分の濃度が高くなると、モジュール内で不揮発性分が析出して次第に成長し、モジュール内の吸収液の流れが妨げられて二酸化炭素除去効率が悪くなったり、詰まりの原因となってしまう。このような不都合を防止するため、本発明の装置では、補給管路20を通して新たな吸収液を循環系内に供給すると共に、排出管路21を通して循環系内の吸収液を排出することで、吸収液中の不揮発性分の濃縮を抑制し、モジュール内での不揮発性分の析出を防止することができるようになっている。この吸収液の補給と排出は、連続的或いは間欠的に行い得る。
【0018】
上述の通り構成されたメタン濃縮装置を用いて、消化ガス等の原料ガスのメタン濃縮を実施するには、ガス発生槽(消化槽)から硫化水素を除去した原料ガスを管路10に導いて、吸収部1の中空糸モジュールのガス入口に供給する。原料ガスは、ガス発生槽の吐出圧力を利用するか、或いはブロワーを使用して加圧した後、モジュールに供給することができる。
【0019】
吸収部モジュールの中空糸に原料ガスを流すと、該ガス中の二酸化炭素は、他のガス成分と比べて水に対する溶解度が高いため、二酸化炭素は他のガス成分よりも大量に中空糸の微細孔を通って吸収液中に拡散、溶解する。そして該モジュールのガス出口からは、原料ガスに比べて二酸化炭素が減少し、その分メタンガスが濃縮された精製ガスが放出される。この精製ガスは、要求されるメタンガス濃縮度に応じて、そのまま利用施設に供給されるか、或いは直列に配置した次段のモジュールのガス入口に供給され、少なくとも1度の更なるメタン濃縮処理を行った後、利用施設に供給される。
【0020】
得られる精製ガスは原料ガスと比較して、不燃成分である二酸化炭素が少ないため、単位体積あたりの発熱量が大きい。従って、同じ熱エネルギーを得るために必要なガス量が減少するため、ガスの貯蔵設備をより有効に利用することができる。
【0021】
ガスの貯蔵設備としては、大気圧+数百mmHgの圧力で貯蔵する低圧ガスホルダー、圧縮したガスを貯蔵する中圧もしくは高圧ガスホルダー、公知の吸着貯蔵設備が挙げられる。
消化ガスの分野では特に、低圧ガスホルダーとして無水シールを有するWiggins式が、中圧ガスホルダーとして球形ガスホルダーが利用されている。
【0022】
精製ガスは燃料として有用であり、都市ガスの原料用、ガスエンジン、ガスタービン(マイクロガスタービンを含む)、燃料電池などの発電用、ボイラー用、焼却炉の助燃用として利用される。
【0023】
一方、吸収部モジュール内に導入された吸収液は、二酸化炭素を溶解した状態でモジュールから流出し、管路8を通って吸収液タンク3に送られる。タンク5に貯留されている吸収液は、管路5を通ってポンプ4の吸入口に入り、ポンプ4の吐出口から管路6を通って放出部2に送られる。
【0024】
放出部2のモジュールに送り込まれた吸収液は、中空糸内を減圧にする減圧方式或いはストリッピングガスとガス交換させるストリッピング方式のいずれかによって、液中に溶解している二酸化炭素を脱離し、二酸化炭素を含有しないかまたは僅かに含む再生済吸収液となって、吸収液出口から管路7を通って吸収部1に供給される。二酸化炭素の吸収液への溶解度は、液温が低い方が有利であるため液温は外気温よりも低くしておくことが望ましく、この構造であれば冷熱エネルギーを保存することができる。
【0025】
放出部2で取り出された二酸化炭素リッチガスは、大気放出するか、或いはガス発生槽への投入液と槽への投入前若しくは投入後(嫌気反応中)に接触させる。このようにガス発生槽の投入液と二酸化炭素リッチガスを接触させることによって、投入液から酸素が取り除かれ、嫌気反応を促進することができる。
【0026】
なお、本形態によるメタン濃縮装置は、本発明の範囲内において種々の改変が可能であることは言うまでもない。例えば、吸収液の液温を一定にするための温度調節装置を循環系内に設けることができる。
また、吸収液の循環系路内には、異物および析出した無機成分を濾過して除去するためのフィルターを設けて良い。また、吸収液の循環量を処理ガス量に応じて制御するための制御機構を設け、ポンプ4の駆動を制御しても良い。精製ガスの純度は、吸収部1におけるガス供給量と、吸収液の循環供給量とにより決定され、両者の比を一定にすることで、均一なメタンガス濃度を有する精製ガスを生産することができる。
さらに、原料ガス若しくは精製ガス中から、メタンガス、二酸化炭素以外のガス成分、例えば窒素を除去する装置を設けることもできる。窒素除去の手段は、ガス分離の技術分野で周知の窒素吸着剤を充填した吸着塔を用いて実施することができる。
さらにまた、吸収液内で微生物が繁殖し、管路や各モジュール内の詰まりが生じることを防止するために、吸収液の循環経路の何れかに、殺菌剤、オゾン、紫外線等によって吸収液中の微生物を死滅させるための除菌手段を設けても良い。
【0027】
本発明のメタン濃縮装置は、例えば特開平11−344200号公報に記載された消化ガスの貯蔵方法に適用させることができる。
すなわち、(A)消化ガス中から硫化水素、二酸化炭素及びメタンをこの順序で分離した後、メタンを吸着貯蔵する場合、硫化水素分離後のガスから二酸化炭素を分離するために使用できる。
或いは、(B)消化ガス中の硫化水素と二酸化炭素を同時に除去した後、メタンを吸着貯蔵する場合、硫化水素と二酸化炭素を同時に分離するために使用できる。硫化水素は、二酸化炭素よりも水に溶け込みやすい性質がある。硫化水素と二酸化炭素が同時に中空糸モジュールに導入された場合、まず硫化水素が水に溶解し、ついで二酸化炭素が溶解して、精製ガスが得られるため、結局同時に(つまり同一のモジュール内で)除去されることとなる。
【0028】
【実施例】
吸収液(イオン交換水)を中空糸の長手方向に沿って流すように吸収液の出入口を設けた市販の中空糸モジュール(向流型モジュールという)と、吸収液(イオン交換水)を中空糸の長手方向と直交する方向に流すように吸収液の出入口を設けた中空糸モジュール(直交流型モジュールという)を用い、図1に示す装置と同じ構成のメタン濃縮装置を作製した。向流型モジュールを用いて吸収部1と放出部2を構成した装置(比較例装置という)と、直交流モジュールを用いて吸収部1と放出部2を構成した装置(本発明装置という)とに、原料ガスとしてメタンガスと二酸化炭素ガスとの混合ガス(メタンガス:二酸化炭素ガス=1:1)、および吸収液としてイオン交換水をそれぞれ流した。同一の操作条件下でそれぞれの装置を運転中、吸収部1の吸収液出口と、放出部2の吸収液出口で循環吸収液を採取し、ガスクロマトグラフィーによって液中の溶存二酸化炭素濃度を測定した。結果は次の通りであった。
【0029】
【0030】
上記の結果より、原料ガス流と直交する方向に吸収液を流すモジュールを採用した本発明装置の方が、二酸化炭素除去効率が高いことが判る。
また、補給管路20から新たな吸収液を一定量連続供給しつつ、排出管路21から排出した結果、吸収液中に不揮発性の塩類が濃縮されることがなかった。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収液中の二酸化炭素を回収して吸収液を再生する放出部を設けると共に、吸収液を吸収液タンク、ポンプ、放出部、吸収部、吸収液タンクの順に循環して使用する構成としたので、吸収液の使用量を少なくすることができ、水源の確保が容易となり、かつ水の節約によりランニングコストを低下することができる。
また本発明では、吸収部および放出部を、中空糸の長手方向に対して直交する方向に吸収液を流すように構成したことによって、吸収部および放出部における二酸化炭素除去効率が向上するので、吸収部および放出部の中空糸モジュールの必要本数が少なくなり、吸収部および放出部を小型化、簡略化することができる。
また本発明では、吸収液タンクに新たな吸収液を補給する補給管路とポンプから吐出した吸収液を循環系外に排出する排出管路とを設け、吸収液が蒸発して不揮発性成分が濃縮するのを防止でき、吸収部および放出部のモジュール内に不揮発性成分が析出して流れが悪くなったり、詰まるなどの不都合を防ぐことができ、メンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタンガス濃縮装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1:吸収部
2:放出部
3:吸収液タンク
4:ポンプ
5〜8:管路
10:原料ガス管路
11:精製ガス管路
12:二酸化炭素リッチガス管路
20:吸収液の補給管路
21:吸収液の排出管路
Claims (5)
- 吸収液に接触する中空糸を有し、該中空糸にメタンガスと二酸化炭素を含む原料ガスを供給して該中空糸から吸収液に二酸化炭素を溶出せしめる吸収部と、
吸収液に接触する中空糸を有し、吸収液中の二酸化炭素を中空糸を通して回収する放出部と、
吸収液タンクおよびポンプと、前記吸収液を該吸収液タンク、ポンプ、前記放出部、前記吸収部、該吸収液タンクの順に循環させるように設けられた管路とを有するメタン濃縮装置であって、
前記吸収部および放出部は、中空糸の長手方向に対して直交する方向に吸収液を流すように構成され、かつ前記吸収液タンクに新たな吸収液を補給する補給管路と前記ポンプから吐出した吸収液を循環系外に排出する排出管路とを設けたことを特徴とするメタン濃縮装置。 - 前記放出部が、メタンガスと二酸化炭素以外のガスを吸収液に接触させるストリッピング、あるいは中空糸内を減圧することによって吸収液中の二酸化炭素を回収するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のメタン濃縮装置。
- 中空糸が疎水性多孔質中空糸であることを特徴とする請求項1または2に記載のメタン濃縮装置。
- 原料ガスを加圧して吸収部に供給するブロアーを有する請求項1または2に記載のメタン濃縮装置。
- 吸収部に供給される原料ガスから夾雑物を取り除くフィルターと、吸収部に供給される吸収液から夾雑物を取り除くフィルターとを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタン濃縮装置。
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