JP3914750B2 - 収差補正装置を備えた荷電粒子線装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査電子顕微鏡などの電子ビーム装置やイオンマイクロプローブなどのイオンビーム装置における色収差と球面収差を補正するための荷電粒子ビーム装置における収差補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
透過電子顕微鏡や走査電子顕微鏡で高分解能の像を観察したり、プローブ電流密度を上げることを目的として、色収差を静電型4極子と磁場型4極子の組合せで補正し、球面収差を4段の静電型8極子で補正する収差補正装置が提案されている。この装置の原理については下記の文献に詳しく紹介されているので、ここではその概略を述べることにする。
[1] V. H. Rose, Optik 33, Heft1, 1 (1971)
[2] J. Zach, Optik 83, No1, 30 (1989)
[3] J. Zach and M. Haider, Nucl. Instr. and Meth. In Pyhs. Res.
A 363, 316 (1995)
図1は上記収差補正装置の原理を説明するための図であり、収差補正装置Cには、4段の静電型4極子1,2,3,4が設けられている。この4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子2,3が形成する電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子5,6が配置されている。また、4段の静電型4極子の電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子11,12,13,14が設けられている。収差補正装置Cの下段には対物レンズ7が配置されている。なお図中8は対物絞りであり、20は試料面である。
【0003】
上記した収差補正装置Cを組み込んだ電子光学系におけるフォーカス調整について説明する。図に示すように4段の静電型4極子1,2,3,4と対物レンズ7によって基準となる粒子線の軌道が作られ、試料面20に粒子線がフォーカスされる。この図では、粒子線のX方向の軌道RxとY方向の軌道Ryを平面上に模式的に描いている。
【0004】
基準軌道とは、近軸軌道として、4極子1によってY方向の軌道Ryが4極子2の中心を通り、4極子2によってX方向の軌道Rxが4極子3の中心を通り、最後に4極子3,4と対物レンズ7によって粒子線が試料面にフォーカスされる軌道を意味するものとする。実際には完全なフォーカスのために、これらの相互調整が必要になる。
【0005】
このような光学系で先ず色収差を補正するには、上記の基準軌道を変えないように静電型4極子2の電位φq2[V]と磁場型4極子5の励磁J2[AT](あるいは磁位)が調整され、レンズ系全体としてX方向の色収差が0に補正される。同様に基準軌道を変えないように静電型4極子3の電位φq3[V]と磁場型4極子6の励磁J3[AT]が調整され、レンズ系全体としてY方向の色収差が0に補正される。
【0006】
次に、球面収差(3次の開口収差)を補正する場合について説明する。X,Y方向の色収差の補正を行った後に、静電型8極子12の電位φO2[V]によってレンズ系全体としてX方向の球面収差を0に補正し、静電型8極子13の電位φO3によってY方向の球面収差を0に補正する。次に、XYが合成された方向の球面型収差を静電型8極子11,14で0に補正する。実際は交互の繰返し調整が必要になる。
【0007】
なお、4極子や8極子の電位や励磁の重畳は、1個の12極子を用いて、12極の各極子に印加する電位や励磁を変化させ2極子、4極子、6極子、8極子などの合成が行われ、実用化され、本発明にも適用されるが、ここでは説明を複雑にしないために、それらについては述べない。以下の説明で、静電型の多極子で電位φ(あるいは電圧)という表現を用いた場合には、図2(a),図2(b)に示すような標準配列をした多極子の+側の値を表すものとする。同様に、磁場型の励磁Jという表現を用いた場合には、+側の励磁[AT]を表すものとする。
【0008】
次に試料面20に入射するプローブの開き角の制御について説明する。上記のように色収差または球面収差の少なくとも1つを補正した後、これらの収差以外の要因、例えば、対物絞り8よりも前段に配置されている電子銃の輝度や集束レンズの収差の影響、回折収差や4次以上の収差の影響などを最小にするために、試料に入射するプローブの開き角αfを適切なものにする必要がある。従来は収差補正装置の前方または後方の何れかに対物絞り8を配置し、その穴径を選択することによって段階的に、最適なαfを選択していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記した収差補正の理論や実際に実験した結果にはすばらしいものがあるが、実用化の面で言えば、色収差または球面収差が補正された後に、加速電圧、または作動距離、またはプローブ電流などの条件変更に対して、試料に入射するプローブの開き角αfを常に最適な値に設定する手段が設けられておらず、最適化が図られていなかった。また、開き角を調整するとしても、収差補正装置の前方または後方に開き角を調整するための絞り8を配置し、段階的に調整するしかなかった。
【0010】
このような装置においては、前記の条件変更に対して、特定の条件でしか開き角は最適にはならず、せっかく収差を補正したにもかかわらず、プローブ径を最小にする開き角や、焦点深度を最大にする開き角に連続的に設定することができなかった。
【0011】
また、従来の集束レンズと対物レンズの間に入れる開き角制御レンズをそのまま収差補正装置と対物レンズの間に入れると、収差補正した後に開き角を調整した場合、開き角を変えたことによってレンズ系の倍率が変わり、収差補正条件が崩れると言う問題が生じ、本来の意味の開き角制御には使用できなかった。
【0012】
更に、前記した加速電圧等の条件変更に対して、色収差を補正するための磁場型4極子の励磁を一定に保ち、磁場ドリフトが無いように配慮された収差補正装置では、前記の条件変更に対して開き角が変るので、最適の値に設定する必要がある。
【0013】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、収差補正を行った状態で、ビームの開き角の制御を行うことができる収差補正装置を備えた粒子線装置を実現するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、荷電粒子線の光路中に配置され、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と、中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と2段の磁場型4極子を励磁する電源とによりなり、色収差又は球面収差の少なくとも1つを補正する収差補正装置と、プローブ電流を調整するための集束レンズと集束レンズの電源と、集束レンズと収差補正装置との間に配置され、開き角制御レンズと開き角制御レンズの電源とによりなり、試料に入射するプローブの開き角を制御するための開き角制御装置と、対物レンズと対物レンズの電源と、光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離やプローブ電流を変更する操作表示部と、該操作表示部の操作又は設定に基づいて前記4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と2段の磁場型4極子を励磁する電源と集束レンズの電源と開き角制御レンズの電源と対物レンズの電源とを制御する制御部と、を有し、加速電圧、又は作動距離、又はプローブ電流の少なくとも1つを変更した時、試料に入射するプローブの径を最小にするように、プローブの開き角を制御すると共に、前記収差補正装置の4段目の静電型4極子の倍率と前記対物レンズの倍率との合成倍率を変えるように制御可能に成したことを特徴としている。
【0015】
請求項2記載の発明に基づく収差補正手段を備えた粒子線装置は、前記開き角制御レンズとして2つの開き角制御レンズが設けられていることを特徴としている。
請求項3記載の発明に基づく収差補正手段を備えた粒子線装置は、荷電粒子線の光路中に配置され、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と、中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子を励磁する電源とによりなり、色収差又は球面収差の少なくとも1つを補正する収差補正装置と、プローブ電流を調整するための集束レンズと集束レンズの電源と、集束レンズと収差補正装置との間に配置され、開き角制御レンズと開き角制御レンズの電源とによりなり、試料に入射するプローブの開き角を制御するための開き角制御装置と、少なくとも2つのレンズからなる対物レンズと、試料に入射するプローブの収差の補正量を所望の値に設定するために前記少なくとも2つのレンズの合成倍率を変えるように制御可能な対物レンズの電源と、光路の一部に設けられた対物絞りと、加速電圧や作動距離やプローブ電流を変更する操作表示部と、該操作表示部の操作又は設定に基づいて前記4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と2段の磁場型4極子を励磁する電源と集束レンズの電源と開き角制御レンズの電源と対物レンズの電源とを制御する制御部と、を有し、加速電圧、又は作動距離、又はプローブ電流の少なくとも1つを変更した時、試料に入射するプローブの径を最小にするように、プローブの開き角を制御することを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、前記対物レンズの電源は、収差補正装置のフォーカス条件又は収差補正条件を変更することなしに、前記合成倍率を変えて試料に入射するプローブの収差の補正量を調整するように制御し、前記開き角制御装置は、前記合成倍率の変更に伴うプローブの開き角の変化を、補正するように制御することを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、前記制御部は、試料に入射するプローブの開き角を所望の値とした時の収差補正装置の各電源と対物レンズの電源の制御値とを求める演算手段と、開き角と開き角によって定まる各種収差とからプローブの径を求める演算手段と、試料に入射するプローブの開き角の変化に対してプローブの径が最小となるような開き角を求める演算手段と、を有し、プローブの開き角を、試料に入射するプローブの開き角の変化に対してプローブの径が最小となるような開き角に設定する制御部であることを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、前記開き角制御装置は、開き角制御レンズを少なくとも2つのレンズで構成し、開き角制御レンズの電源を前記少なくとも2つのレンズの電源で構成した開き角制御装置であって、前記収差補正装置のフォーカス条件又は収差補正条件を変更することなく、試料に入射するプローブの開き角を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、前記開き角制御装置は、荷電粒子線の収差補正装置に対する物面の位置が一定となるように制御されることを特徴としている。
【0020】
請求項8の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、前記制御部は、観察倍率によって定まる焦点深度と、該焦点深度を得るための開き角を求める演算手段を有することを特徴としている。
【0021】
請求項9の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、前記制御部は、前記各演算手段を用いて、予め、所定の加速電圧と作動距離とプローブ電流に対するプローブの径を最小にするようなプローブの開き角との関係を複数求めて記憶し、必要に応じて呼び出せる記憶手段を有する制御部であることを特徴としている。
【0022】
請求項10の発明に基づく収差補正装置を備えた粒子線装置は、前記収差補正装置は、前記4段の静電型4極子の電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、該4段の静電型8極子に電圧を供給する電源とを備え、前記制御部は、該4段の静電型8極子に電圧を供給する電源を制御して該4段の静電型8極子の電位を制御することにより球面収差を補正するように成したことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図3は荷電粒子ビームの一部をプローブとして試料に照射する装置に本発明を適用した場合の基本構成を示している。この図において、図1に示した構成と同一ないしは類似の構成要素には同一番号が付されている。
【0024】
図において、色収差を補正するために、光学系には収差補正装置Cが配置されている。この収差補正装置は、4段の静電型4極子1,2,3,4と、中央の2段の静電型4極子2,3の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子5,6と、4段の静電型4極子1,2,3,4の電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子11,12,13,14とより構成されている。
【0025】
収差補正装置Cの下段には対物レンズ7が配置され、またその上段には対物絞り8が設けられている。9は加速電圧や作動距離を変更する操作表示部であり、10は4段の静電4極子1〜4に電圧を供給する電源である。また、電源15が2段の磁場型4極子5、6を励磁するために設けられており、電源17が対物レンズ7を励磁するために設けられている。更に、電源18が4段の静電型8極子11,12,13,14に電圧を供給するために設けられている。
【0026】
上記の構成に加えて、操作表示部9の操作または設定に基づいて前記電源10、電源15を制御する制御部19が備えられている。この制御部19は、操作表示部9の操作または設定に基づいて電源18も制御する。
【0027】
対物絞り8の前段には、この絞りを用いてプローブ電流を調整するための集束レンズ21が配置されている。集束レンズ21は、制御部19によって制御される電源22により励磁される。対物絞り8の後段には、対物絞り8を用いて試料面20に入射するプローブの開き角αfを制御するための開き角制御レンズ23が配置されている。このレンズ23は、制御部19によって制御される電源24により励磁される。
【0028】
本発明の特徴は、操作表示部9で加速電圧Va、または作動距離WD、またはプローブ電流Vaを変更した場合、より安定な収差補正および最適開き角αfを設定するために、制御部19が以下のような処理を行うことにある。
【0029】
対物レンズの色収差、または球面収差の収差が補正されていない場合の最適な開き角制御については、例えば、特開平01−159943や特開平01−236563に開示されているので、ここでは色収差と球面収差が同時に補正された後の最適な開き角の制御方法について幾何光学的に説明する。なお、説明を単純化するために、X方向とY方向の収差係数が同程度であり、また、試料面に入射する粒子プローブのX方向の角度αXfとY方向の角度αYfも同程度であると仮定して、X方向とY方向の区別はしないことにする。
【0030】
加速電圧をVa、試料に入射する粒子のエネルギーをq・Va (qは荷電粒子の電荷)、粒子ビームのエネルギー幅をqΔV、Vaと粒子の質量mによって決まる粒子線の波長をλ、プローブ電流をIp、荷電粒子源や集束レンズや開き角制御レンズの動作条件変更等による補正されなかった収差の影響を考慮した荷電粒子源の輝度をβr(Va、αf)とする。収差補正装置と対物レンズの5次までの収差を考慮すると、各要因によって制限される各々のプローブ径は以下のようになる。
【0031】
輝度制限:dβ r=(2/π)・(Ip/βr)1/2・αf -1
回折収差:dλ=1.22λ/α (Airy第1暗輪の直径)
2次色収差:dCc2=Cc2・αf・(ΔV/Va)2
3次開口・色収差:dC3c=(1/2)・C3c・αf 3・(ΔV/Va)(最小錯乱円)
5次開口収差 :dC5=(2/3)・C5・αf 5 (最小錯乱円)
4次色収差:dCc4=Cc4・αf・(ΔV/Va)4
これらを合成したプローブ径は、
dp=(dβ r 2+dλ 2+dCc2 2+dC3c 2+dC5 2+dCc4 2)1/2
となる。
【0032】
なお、(ΔV/Va)2を含む2次色収差dCc2と(ΔV/Va)4を含む4次色収差は、条件にもよるが他の項よりも影響が少ない場合が多い。この式から、プローブ径を最小にする最適開き角αf=αOPTは、
∂dp/∂αf=0 at αf=αOPT
となるαfから求められる。但し、上式はプローブ径dpが極小値をとる場合である。また、観察倍率をmOBS、観察倍率mOBSで像を観察したときの許容できるボケの幅δe(人間の目の分解能などに対応)とするとき、プローブ径dpに対して、焦点深度±Lは
L=((δe/mOBS)−k・dp)/2αf
で与えられる。kは0<k≦1の係数で、見積の評価式ではk=1に選ばれることが多い。最大の焦点深度を与える最適開き角は
∂L/∂αf=0 at αf=αL
となる。
【0033】
従って、与えられた加速電圧Va、作動距離WD、プローブ電流Ipに対して、基準軌道が定まると、この基準軌道付近おける収差係数
Cc2、 C3c、 C5、 Cc4
が定まるので、前記のαf=αOPTまたはαLを求める式から、最適開き角が定められる。
【0034】
これらの最適開き角が得られるように、開き角制御レンズ23の焦点距離を変更したとき(例えば図3において実線の大きな開き角から点線のように変更したとき)、基準軌道も変化するため、αfの変化で実質的な電子銃の輝度βrも変化する、また、フォーカス条件を満たすようにするために、収差補正装置の第1段目の4極子の焦点距離は比較的大きく変更する必要がある。これによって色収差や球面収差の補正条件が変わり、収差補正後の前記の収差係数が変化する、などの不具合が生じる可能性がある。
【0035】
この場合には、基準軌道変更後の収差係数を、再度最適開き角αf=αOPTまたはαLを求める式に代入し、プローブ径dpの最小値または焦点深度Lの最大値に収束するまで繰返し計算を行なう。
【0036】
なお、実際の装置では、与えられた加速電圧Va、作動距離WD、プローブ電流Ipに対して、主要なこれらの組合せに対して予め計算しておいた最適開き角αfを第1回目に設定するようにすれば、繰返し計算は不要か、または計算を行なったとしても最小の回数で目標とする開き角αfが求められる。
【0037】
操作表示部9において、加速電圧Va、作動距離WD、プローブ電流Ipの少なくとも1つ以上を設定もしくは変更すると、操作表示部9からの指示で制御部19は、前記で述べたように、これらの条件に対して計算された最適開き角αf=αOPTまたはαLを設定するか、またはこれらの条件に対して最も近い条件で予め計算された開き角をもとにして計算された最適開き角を求めて設定する。この設定法は下記のようになる。
【0038】
試料面に入射するプローブの開き角αfの大きさは、収差補正装置の1段目静電4極子の主面上のビームの広がりの大きさに対応する。従って、大きな開き角を得る場合には、ビーム軌道を図3の実線のようにするため、静電型4極子1の主面上のビーム径が広がるように開き角制御レンズ23が制御される。また、小さな開き角を得る場合には、ビーム軌道を図3の点線のようにするため、静電型4極子1の主面上のビーム径が細くなるように開き角制御レンズ23を制御する。
【0039】
次に制御部19はこの条件下でフォーカス条件を満たすように、開き角制御レンズ電源24、4極子電源10(また、必要に応じて対物レンズ電源17)を制御し、開き角制御レンズ23、静電型4極子1〜4(また、必要に応じて対物レンズ7)の焦点距離を制御する。
【0040】
次に、色収差補正の条件を変更する必要がある場合には、操作表示部9からの指示で、制御部19は4極子用電源10と15を制御して、静電型4極子2〜3と磁場型4極子5〜6によって基準軌道を変えずに色収差補正を行なう。また、球面収差補正の条件を変更する必要がある場合には、操作表示部9からの指示で、制御部19は8極子用電源18を制御して球面収差を補正する。
【0041】
前記の例では、開き角を調整したとき収差補正装置のフォーカス条件を変更する構成としたが、レンズを1個追加することによって、開き角を調整しても収差補正装置のフォーカス条件を一定に保つことができる。この代表的な例としては、図4に示すように、対物絞り8を開き角制御レンズ23aの主面位置付近に配置し、23aの焦点距離を変えて開き角を調整してもプローブ電流Ipが変化しないようにする。
【0042】
次に、23aの後方に開き角制御レンズ23bを配置し、23bの焦点距離を調整することによって、開き角調整によって23aの像面が変化しても、収差補正装置の静電型4極子1に対する物面(物点)の位置が変化しないようにする。開き角制御レンズ23aと23bは開き角制御レンズ電源24に接続されている。
【0043】
操作表示部9において、加速電圧Va、作動距離WD、プローブ電流Ipの少なくとも1つ以上を設定もしくは変更すると、設定値または変更の度合いに応じて前記の従来技術において説明したフォーカス調整、色収差補正、球面収差補正が必要に応じて実施される。
【0044】
次に、操作表示部9からの指示で制御部19は前記色収差補正で述べたように、これらの条件に対して計算された最適開き角αf=αOPTまたはαLを設定するか、またはこれらの条件に対して最も近い条件で予め計算された開き角をもとにして計算された最適開き角を求めて設定する。設定法は下記のようになる。
【0045】
試料面に入射するプローブの開き角αfの大きさは、開き角制御レンズ23bの主面上のビームの広がりの大きさに対応する。この大きさは、図4に示すように、開き角制御レンズ23aの像面位置を変えることで調整できる。例えば、大きな開き角を得る場合には、ビーム軌道を図4の実線のようにするため、23bの主面上のビーム径が広がるように開き角制御レンズ23aが制御される。また、小さな開き角を得る場合には、ビーム軌道を図4の点線のようにするため、23bの主面上のビーム径が細くなるように開き角制御レンズ23aを制御する。
【0046】
次に制御部19は23bの主面上のビーム径の大きさにかかわらず(23aの像面位置にかかわらず)、収差補正装置の静電型4極子1の物面位置、あるいは物点位置(図4の例では、=−∞)が変化しないように(開き角制御レンズ23bの像面位置が変化しないように)、開き角制御レンズ23bの焦点距離を変更する。
【0047】
このようにすれば、収差補正装置のフォーカス条件を全く変更せずに、開き角のみを自由に調整できる。更に、開き角制御レンズ23aおよび23bの収差変化が開き角の調整に対して無視できる場合には、収差補正装置のフォーカス条件だけでなく、色収差補正条件、球面収差補正条件も全く変更せずに、開き角のみを自由に調整できる。
【0048】
この状態で、色収差補正の条件を変更する必要がある場合には、操作表示部9からの指示で、制御部19は4極子用電源10と磁場型4極子用電源15を制御して、静電型4極子2〜3と磁場型4極子5〜6によって基準軌道を変えずに色収差補正を行なう。
【0049】
また、球面収差補正の条件を変更する必要がある場合には、操作表示部9からの指示で、制御部19は8極子用電源18を制御して球面収差を補正する。
図4に示した実施の形態では、対物絞り8を開き角制御レンズ23aの主面位置付近に配置したが、これは必ずしも主面位置付近に存在する必要がないことは明らかである。図5に示すように対物絞り8は開き角制御レンズ23aと23bの間に配置しても良い。図4に示した実施の形態の場合には、開き角を調整したとき、対応する開き角制御レンズ23aの主面上におけるビーム径は対物絞り径に等しかったが、この構成では図5に示すように、開き角を調整すると開き角制御レンズ23aの主面上のビーム径が異なる。
【0050】
操作表示部9において、加速電圧Va、作動距離WD、プローブ電流Ipの少なくとも1つ以上を設定もしくは変更すると、前記した図4に基づく実施の形態と同様に、設定値または変更の度合いに応じて前記の従来技術に示したフォーカス調整、色収差補正、球面収差補正が必要に応じて実施され、最適開き角αOPTまたはαLが計算される。
【0051】
この最適開き角に対応する開き角制御レンズ23bの主面上におけるビーム径は前記の実施の形態と同様である。対物絞り8が開き角制御レンズ23aと23bの間にあるため、開き角が大きい実線のような場合と、開き角が小さい点線の場合とでは、開き角制御レンズ23aの主面上のビーム径が異なる。従って開き角制御を行なったときにプローブ電流が設定値から変化しないようにするため、集束レンズ21の焦点距離を変化させる。
【0052】
以上のようにすれば、条件変更に対して収差補正装置のフォーカス条件あるいは収差補正条件を変更することなく任意に最適開き角が設定できる。
なお、図3〜5に基づいて説明した実施の形態1〜3の説明では、収差補正装置の前後におけるビームの傾斜を光軸に対して平行に描写したところがあるが、これは理解を簡単にするためであり、所定の光学条件を満たしていれば特に平行になっている必要がないことは明らかである。
【0053】
また、収差補正装置の外側では、レンズ間にビームのクロスオーバーを形成したり、またクロスオーバーをなくしたりしても、所定の光学条件を満たしていれば、クロスオーバーの有無に関係なく開き角を調整できることは明らかである。
【0054】
また、上記の実施の形態では、対物絞りを1個にして説明してきたが、複数個の対物絞りと開き角制御レンズを組合せて制御できることも明らかである。また上記した実施の形態では、問題を単純化するため、条件として観察倍率mOBSを変更した場合における、最大焦点深度を得るような開き角制御αf=αLについては記述を省略してきたが、実施の形態の説明から分かるように、プローブ電流を変更することなく任意の開き角調整が可能なので、実施の形態1〜3の構成で問題なく実現できる。
【0055】
次に、本発明を用いた別の具体例を説明する。本件発明者らの研究によれば、収差補正装置Cの4段目の静電型4極子4の倍率M4と対物レンズ7の倍率MOLとの合成倍率M4・MOLを変えることによって、静電型4極子を除く収差補正装置Cの条件を変えることなしに、試料20における収差補正量を増減できることが分かっている。図6はそのような装置に開き角制御レンズ23aと23bとを追加した場合の動作を説明するための図である。
【0056】
即ち、図6には収差補正装置Cの4段目(最終段)の静電型4極子の焦点距離を変更した時、変化した開き角を元の状態に復帰させる例が示されている。4段目の静電型4極子4の焦点距離の変更前の状態は破線で示されているが、この状態で静電型4極子4の倍率M4と対物レンズ7の倍率MOLとの合成倍率M4・MOLを変更するために、図6の2点鎖線で示すように静電型4極子4の焦点距離と対物レンズの焦点距離を変更したとする。
【0057】
このままの状態では、合成倍率M4・MOLが変化するので、試料面に入射する粒子プローブ開き角も2点鎖線で示すように変化してしまう(図6の例では、開き角が小さい方に変化している)。ここで、開き角制御レンズ23aと23bを調整することにより、1段目の静電型4極子に入射するビームの半径を調整し(図6の例では、開き角を大きくするために、ビームの半径を大きくしている)、図の実線で示すようにすれば、元の開き角に戻すことができる。
【0058】
また、この実施例から、必要に応じて元の開き角よりも大きい開き角や小さい開き角に設定可能であることも明らかである。従って、開き角制御レンズ23aと23bとを追加した場合でも、静電型4極子4の倍率M4と対物レンズ7の倍率MOLとの合成倍率M4・MOLを変えることによって、静電型4極子4を除く収差補正装置Cの条件を変えることなしに収差補正量を増減できることが分かる。
【0059】
次に、前記の具体例を別の実施例で行なった例を説明する。同じく本件発明者らの研究によれば、収差補正装置Cの4段目の静電型4極子4と対物レンズ7との間に、対物レンズの補助レンズとして、追加レンズ27を配置して、追加レンズ27の倍率MAと対物レンズ7の倍率MOLとの合成倍率MA・MOLを変えることによって、収差補正装置Cの条件を変えることなしに試料20における収差補正量を増減できることが分かっている。
【0060】
図7はそのような装置に開き角制御レンズ23aと23bとを追加した場合の動作を説明するための図である。即ち、図7には収差補正装置Cの4段目(最終段)の静電型4極子4と対物レンズ7の間に追加レンズ27を配置し、焦点距離を変更した時、変化した開き角を元の状態に復帰させる例が示されている。追加レンズ27の焦点距離を変更する前の状態は破線で示されているが、この状態で追加レンズ27の倍率MAと対物レンズ7の倍率MOLとの合成倍率MA・MOLを変更するために、図7の2点鎖線で示すように追加レンズ27の焦点距離と対物レンズの焦点距離を変更したとする。
【0061】
このままの状態では、合成倍率MA・MOLが変化するので、試料面に入射する粒子プローブの開き角も2点鎖線で示すように変化してしまう(図7の例では、開き角が小さい方に変化している)。ここで、開き角制御レンズ23aと23bを調整することにより、1段目の静電型4極子に入射するビームの半径を調整し(図7の例では、開き角を大きくするために、ビームの半径を大きくしている)、図の実線で示すようにすれば元の開き角に戻すことができる。また、この実施例から、必要に応じて元の開き角よりも大きい開き角や小さい開き角に設定可能であることも明らかである。図7の実施例では、合成倍率MA・MOLを変化させても、収差補正装置Cの収差補正条件やフォーカス条件を変更せずに開き角が変更できるため、操作性が向上する。
【0062】
即ち、追加レンズ27の他に開き角制御レンズ23aと23bとを追加した場合でも、追加レンズ27の倍率MAと対物レンズ7の倍率MOLとの合成倍率MA・MOLを変えることによって、収差補正装置Cの条件を変えることなしに収差補正量を増減できることが分かる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、色収差または球面収差の少なくとも1つを補正する収差補正装置と集束レンズとの間に開き角制御装置を配置し、加速電圧、または作動距離、またはプローブ電流の少なくとも1つを変更したとき、プローブの開き角も制御するようにしたので、これらの条件変更に対してプローブ径を最小に設定できるようになった。
【0064】
色収差または球面収差の少なくとも1つを補正する収差補正装置と集束レンズとの間に開き角制御装置を配置し、加速電圧、または作動距離、またはプローブ電流、または観察倍率の少なくとも1つを変更したとき、プローブの開き角も制御するようにしたので、これらの条件変更に対してプローブの焦点深度を最大に設定できるようになった。
【0065】
色収差または球面収差の少なくとも1つを補正する収差補正装置と集束レンズとの間に開き角制御装置を配置し、収差補正装置のフォーカス条件または収差補正条件を変更することなく、試料に入射するプローブの開き角を制御できるように構成したので、条件変更に対して、プローブ径を最小にしたり、焦点深度を最大にする開き角が任意に選べるようになった。
【0066】
加速電圧、または作動距離、またはプローブ電流、または観察倍率の少なくとも1つを変更したとき、収差補正装置のフォーカス条件を変更することなく、試料に入射するプローブの開き角を制御するように構成したので、これらの条件変更に対して、プローブ径を最小にしたり、焦点深度を最大にする開き角が任意に選べるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】収差補正装置の原理を説明するための図である。
【図2】4極子と8極子を示す図である。
【図3】本発明の基本構成を示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 静電型4極子
5,6 磁場型4極子
7 対物レンズ
8 対物絞り
9 操作表示部
10,15,17,18,22,24 電源
11,12,13,14 静電型8極子
19 制御部
20 試料面
21 集束レンズ
23 開き角制御レンズ
27 追加レンズ
Claims (10)
- 荷電粒子線の光路中に配置され、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と、中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と2段の磁場型4極子を励磁する電源とによりなり、色収差又は球面収差の少なくとも1つを補正する収差補正装置と、
プローブ電流を調整するための集束レンズと集束レンズの電源と、
集束レンズと収差補正装置との間に配置され、開き角制御レンズと開き角制御レンズの電源とによりなり、試料に入射するプローブの開き角を制御するための開き角制御装置と、
対物レンズと対物レンズの電源と、
光路の一部に設けられた対物絞りと、
加速電圧や作動距離やプローブ電流を変更する操作表示部と、
該操作表示部の操作又は設定に基づいて前記4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と2段の磁場型4極子を励磁する電源と集束レンズの電源と開き角制御レンズの電源と対物レンズの電源とを制御する制御部と、
を有し、
加速電圧、又は作動距離、又はプローブ電流の少なくとも1つを変更した時、試料に入射するプローブの径を最小にするように、プローブの開き角を制御すると共に、前記収差補正装置の4段目の静電型4極子の倍率と前記対物レンズの倍率との合成倍率を変えるように制御可能に成したことを特徴とする収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。 - 前記開き角制御レンズとして2つの開き角制御レンズが設けられていることを特徴とする請求項1記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。
- 荷電粒子線の光路中に配置され、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と、中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子を励磁する電源とによりなり、色収差又は球面収差の少なくとも1つを補正する収差補正装置と、
プローブ電流を調整するための集束レンズと集束レンズの電源と、
集束レンズと収差補正装置との間に配置され、開き角制御レンズと開き角制御レンズの電源とによりなり、試料に入射するプローブの開き角を制御するための開き角制御装置と、
少なくとも2つのレンズからなる対物レンズと、試料に入射するプローブの収差の補正量を所望の値に設定するために前記少なくとも2つのレンズの合成倍率を変えるように制御可能な対物レンズの電源と、
光路の一部に設けられた対物絞りと、
加速電圧や作動距離やプローブ電流を変更する操作表示部と、
該操作表示部の操作又は設定に基づいて前記4段の静電型4極子に電圧を供給する電源と2段の磁場型4極子を励磁する電源と集束レンズの電源と開き角制御レンズの電源と対物レンズの電源とを制御する制御部と、
を有し、
加速電圧、又は作動距離、又はプローブ電流の少なくとも1つを変更した時、試料に入射するプローブの径を最小にするように、プローブの開き角を制御することを特徴とする収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。 - 前記対物レンズの電源は、収差補正装置のフォーカス条件又は収差補正条件を変更することなしに、前記合成倍率を変えて試料に入射するプローブの収差の補正量を調整するように制御し、
前記開き角制御装置は、前記合成倍率の変更に伴うプローブの開き角の変化を、補正す るように制御することを特徴とする請求項3記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。 - 前記制御部は、試料に入射するプローブの開き角を所望の値とした時の収差補正装置の各電源と対物レンズの電源の制御値とを求める演算手段と、
開き角と開き角によって定まる各種収差とからプローブの径を求める演算手段と、
試料に入射するプローブの開き角の変化に対してプローブの径が最小となるような開き角を求める演算手段と、
を有し、
プローブの開き角を、試料に入射するプローブの開き角の変化に対してプローブの径が最小となるような開き角に設定する制御部であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。 - 前記開き角制御装置は、開き角制御レンズを少なくとも2つのレンズで構成し、開き角制御レンズの電源を前記少なくとも2つのレンズの電源で構成した開き角制御装置であって、前記収差補正装置のフォーカス条件又は収差補正条件を変更することなく、試料に入射するプローブの開き角を制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。
- 前記開き角制御装置は、荷電粒子線の収差補正装置に対する物面の位置が一定となるように制御されることを特徴とする請求項6記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。
- 前記制御部は、観察倍率によって定まる焦点深度と、該焦点深度を得るための開き角を求める演算手段を有することを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。
- 前記制御部は、前記各演算手段を用いて、予め、所定の加速電圧と作動距離とプローブ電流に対するプローブの径を最小にするようなプローブの開き角との関係を複数求めて記憶し、必要に応じて呼び出せる記憶手段を有する制御部であることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。
- 前記収差補正装置は、前記4段の静電型4極子の電位分布に8極子電位を重畳させる4段の静電型8極子と、該4段の静電型8極子に電圧を供給する電源とを備え、前記制御部は、該4段の静電型8極子に電圧を供給する電源を制御して該4段の静電型8極子の電位を制御することにより球面収差を補正するように成したことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置。
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