JP3899970B2 - 移動端末、位置情報提供システム - Google Patents
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Description
本発明は、移動端末で位置情報を取得し、位置情報またはそれに関連する情報を出力する移動端末、位置情報提供システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やPDAなどの携帯可能な情報処理端末が普及してきている。これらの携帯端末は、GPS衛星から電波を捕捉して自己の現在位置を測位するシステムを搭載したり、携帯電話あるいはPHSの基地局の位置情報から自己の現在位置を取得するシステムを搭載することにより、携帯端末、すなわち携帯端末を持ったユーザの位置情報を出力できる。また、自己の現在地を示す機能を備えた移動端末としては、車載のカーナビゲーションがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
GPS衛星からの電波により現在地を測位するGPSユニットを搭載した携帯電話が登場している。GPSユニットを搭載した携帯電話であれば基地局の位置情報の提供を受けることにより、GPSを用いた現在地と、基地局の位置に基づく現在地の2つの位置情報を得ることができる。しかしながら、GPSを用いた位置情報であると誤差が数mから10数m程度で現在地が判明するのに対し、PHSの基地局の位置情報であると数100m程度の誤差があり、また、携帯電話の基地局の位置情報であると数km程度の誤差がある。したがって、GPSユニットを搭載した携帯電話のような複数の位置情報を取得可能なハードウェアを備えた移動端末においても、GPSを用いた現在地が用いられているだけである。
【0004】
これに対し、特開平10−281801号では、GPS衛星からの電波が受けられないなどの理由によりGPSを用いた現在地の情報が得られないときに、基地局の位置に基づく現在地の情報を得ることが提案されている。したがって、GSPを用いた現在地の情報が得られなくても、その他の位置特定システムを用いることにより、必ず何らかの方法で位置情報を取得および表示することが可能となる。
【0005】
しかし、GPSを用いた現在地の情報が得られないときに、GPSユニットのバックアップとして何も最新の現在地を示唆する情報が得られないよりは、精度が低くても基地局の位置から現在地を推定できる情報が得られることは有効であるが、異なる位置特定システムから得られる位置情報の精度は上述したように大きく異なるので、同一に評価したり、利用したりすることは不可能な場合がある。したがって、この利用方法では、GPSユニットが稼動している限りは、基地局の位置を取得しても有効ではなく、そのような基地局の位置を取得して現在地を推定するシステムを導入する経済的な価値はほとんどない。
【0006】
そこで、本発明においては、異なる位置特定システムから得られる位置情報の新たな利用方法を提案する。本発明においては、GPS以外の位置特定システムからの位置情報は、GPSを用いた位置情報の単なるバックアップではなく、異なる目的のためにも利用され、移動端末における位置情報あるいはそれに関連した情報を出力する能力を向上することができる。また、移動端末の現在地を移動端末の所有者あるいは外部から特定する能力も向上することができる。したがって、本発明により、基地局の位置により現在地を推定するシステムの利用価値が向上し、そのようなシステムを導入する経済的効果を大幅に向上することができる。
【0007】
本発明に移動端末は、位置情報または位置関連情報の要求があると、第1の位置特定システムから得られる第1の位置情報の最新の情報の取得をスタートする第1の位置情報取得ユニットと、この第1の位置情報取得ユニットと並列に、第2の位置特定システムから得られる第2の位置情報の最新の情報の取得をスタートする第2の位置情報取得ユニットと、第1の位置情報またはそれに関連する情報を出力する第1の出力ユニットと、第2の位置情報またはそれに関連する情報を出力する第2の出力ユニットとを有する。この出力ユニットでは、第1および第2の位置特定システムを、一方を他方のバックアップとして利用するのではなく、それぞれから同時に(厳密な意味での同時ではなく、同時期にあるいは並列にという意味である)位置情報を取得し、それぞれを出力する。これら第1および第2の位置特定システムは、全く同じシステムではないので、精度や位置情報を演算あるいは取得する処理に要する時間などに差がある。したがって、同時に最新の位置情報の取得を開始したとしても、実際に位置情報が得られるタイミングが異なったり、精度が異なる。このため、それぞれの位置情報あるいはそれに関連する情報を独立に出力することにより、それぞれの位置情報を独立した目的で利用できる。したがって、それぞれの位置特定システムの利用価値が高くなる。
【0008】
その一方で、移動端末の現在地は1つであるので、異なる位置特定システムから得られる位置情報は、移動端末の現在地を示す情報であるという点では一致する。したがって、独立して第1および第2の位置情報を出力したとしても、それらの出力は関連性があるものとなり、移動端末における、現在地あるいはそれに関連する情報の出力機能を向上できる。
【0009】
第1および第2の位置特定システムから得られる位置情報が同一の精度であると、その位置情報を取得するために必要な時間もほぼ同一になり、利用目的も同一となりやすく、2つあるいは3つ以上の位置情報を並列に出力する意味がほとんどなくなる。しかしながら、第1および第2の位置特定システムから得られる位置情報の精度が異なると、利用目的が異なり、さらに、一般に、精度の低い位置情報の方が短時間に取得できるので、その点でも利用目的を変えることができる。したがって、2つあるいは3つ以上の位置情報を並列に出力することによる効果が大きい。このため、第2の位置情報取得ユニットでは、第1の位置情報よりも高精度の第2の位置情報の取得をスタートすることが望ましい。そのような位置特定システムは、基地局の情報を用いた測位システムと、衛星を用いた測位システム、だとえばGPSとがある。
【0010】
本発明は、GPSユニットなどの個別で測位可能な機能を備えた端末と、位置情報を提供および/または仲介する機能を備えたサーバとを備えたシステムで実行することが可能である。また、端末単体でも実行することが可能である。本発明の移動端末は、第1の位置特定システムから第1の位置情報を取得可能な第1の位置情報取得ユニットと、第2の位置特定システムから第2の位置情報を取得可能な第2の位置情報取得ユニットと、第1の位置情報またはそれに関連する情報、および、第2の位置情報またはそれに関連する情報を出力可能な出力ユニットとを備えたものである。そして、位置情報または位置関連情報の要求があると、第1および第2の位置情報取得ユニットに対して最新の情報の取得を並列にスタートさせ、その結果に基づき、第1の位置情報またはそれに関連する情報、および、第2の位置情報またはそれに関連する情報を出力させる制御ユニットにより、上記ハードウエアを制御することにより本発明を実行できる。
【0012】
本発明において、第1および第2の位置情報の出力は、画像などにより移動端末上に出力することに限られるものではない。携帯電話やPHSの機能、さらには、それにより接続されたコンピュータネットワークを用いて外部の端末やサーバに出力することも含む。すなわち、移動端末の出力ユニットは、当該移動端末上に出力するユニットに限らず、情報を移動端末から外部に出力するユニットも含む。
【0013】
本発明の出力の利用の1つは、位置情報の範囲、すなわち、精度を円などで示すことである。高精度の第2の位置情報は点でも良いが、それに対して低精度の第1の位置情報を示す第1の出力ユニット、あるいは出力させる手段では、出力ユニットから第1の位置情報の範囲を示す情報も出力することが望ましい。低精度の第1の位置情報は、高精度の第2の位置情報よりも短時間で得ることができるので、先ずは、低精度の第1の位置情報が出力され、次に、その第1の位置情報の中に含まれる状態で高精度の第2の位置情報が出力されるようになる。したがって、短時間で概略の位置が把握でき、次に詳細な位置が把握できるので、位置情報の出力を待つ時間を短縮できる。それと共に、位置情報が有る程度の範囲から詳細な位置に絞り込まれるような出力になるので、あたかも位置情報を演算している過程を出力している印象をユーザに与えることができる。したがって、興味を持って位置情報の出力を見るであろうし、位置情報を利用する機会を増大するに適している。本発明において、第1の位置情報と第2に位置情報とを同時に継続して表示しておく必要はないかもしれないが、その場合は、第1の位置情報から第2の位置情報に遷移することが分かるような表示手段が採用されることが望ましい。
【0014】
また、外部に位置情報を出力する場合を考えると、まず、「どこそこ付近」あるいは「どこそこ近傍」などという概略の位置を示す情報が出力され、次に詳細に位置を示す情報が出力される。したがって、緊急時に移動端末を持ったユーザにアクセスした場合に、先ずは概略の位置がわかるので、その方向に向かってスタートすることができる。そして、移動端末を持ったユーザの近傍に到着するときあるいはその前に詳細な位置が分かる。したがって、移動端末を持ったユーザに対するアクセス時間を短縮することができる。このため、本発明の携帯端末を所有させることにより、老人や病人などの位置を緊急事態のときに把握して駆けつけるサービスシステムの質の向上を図ることが可能となる。
【0015】
そのようなサービスシステムが移動端末からの位置情報の取得指示に基づき基地局の位置情報を独自で入手できる機能あるいはサーバを備えている場合は、移動端末側は、2つの異なる位置特定システムに対して最新の位置情報の取得をスタートさせ、サービスシステムで入手できないGPSを用いた位置情報だけをサービスシステムに出力するだけでも良い。これにより、サービスシステムでは、被検索者の位置情報を2つの異なる位置特定システムから得て、検索者に対して独立に出力することができる。
【0016】
さらに、低精度の位置情報を範囲で出力することにより、低精度および高精度の位置情報の信頼性を把握することができる。すなわち、本来、高精度の位置情報は低精度の位置情報の範囲内に収まるはずであるが、第1および第2の位置特定システムからの電波の伝達状況などによっては、必ずしもそうならない。そのような出力が得られた場合は、位置情報の信頼性を疑ることが必要であり、得られた位置情報だけで現在地の判断をしてよいか否かはユーザが判断すべきことになる。したがって、ユーザに対し、位置情報の信頼性も合わせて伝達することは、位置情報を利用するユーザにとって大きな意味がある。
【0017】
さらに、GPS衛星からの電波が届かないケースも想定されるが、そのときに第2の出力工程で第2の位置情報としては、過去ログから予想位置を演算して出力することができる。そして、予想位置が低精度の位置情報の範囲内であるか否かは、予想位置の信頼性も合わせてユーザに提供することを意味し、ユーザにとっては貴重な情報となる。演算された予想位置または予測位置は、そのまま出力しても良いし、同時に取得処理がスタートしていることにより、第1の位置情報が得られているので、演算された予想位置を第1の位置情報により評価した結果を出力することも可能である。たとえば、予想位置が第1の位置情報の範囲に含まれないときは、予想位置を出力しないで、端末から出力される位置情報の信頼性をある程度確保し、ユーザの混乱を未然に防ぐことができる。
【0018】
また、低精度の位置情報は短時間で入手できるので、その低精度の位置情報にマッチした位置関連情報、たとえば地図を先に出力し、それに重ねて高精度の位置情報を出力することも有効である。すなわち、第1の出力ユニットでは、第1の位置情報取得ユニットで取得された第1の位置情報の範囲を含む地図を出力し、第2の出力ユニットでは、第2の位置情報を地図に重ねて出力する。移動端末の出力ユニットには、最新の第1の位置情報の範囲を含む地図が出力され、それに重ねて最新の第2の位置情報が出力される。地図上に第2の位置情報が出力されるという結果は、第2の位置情報に基づいて地図を選択して表示する方法と変わりない。しかしながら、GPSユニットで演算した詳細な位置情報が得られた後に、位置情報を表示する地図をサーバなどから取得するのに対し、本発明では、詳細な位置情報が得られる前に、表示するための地図情報を取得することができるので、短時間で地図上に現在地を表示できる。また、まず、地図が表示されてから詳細な位置が表示されるので、ユーザにとっても概略の位置を理解してから詳細な位置を与えられることとなり、現在地を把握し易すくなる。
【0019】
また、短時間で得られる低精度の第1の位置情報によりプリロードしておき、高精度の第2の位置情報により選択して出力する時間を短縮することも可能である。すなわち、第2の位置情報により選択される位置関連情報を第1の位置情報の範囲でプリロードする手段を設け、第2の出力ユニットでは、プリロードされた位置関連情報を第1の位置情報で選択して出力することができる。そのため、移動端末の制御ユニット用のプログラムには、第2の位置情報により選択される位置関連情報を第1に位置情報の範囲でプリロードする処理を実行可能な手段をさらに設け、出力手段では、プリロードされた位置関連情報から、第1の位置情報により選択された位置関連情報を出力することが望ましい。
【0020】
たとえば、第2の位置情報により詳細な地図を表示する場合、第1の位置情報により、第1の位置情報の誤差範囲内の地図情報を予めダウンロードしておけば、第2の位置情報により地図情報をダウンロードする時間を省くことができる。位置情報に関連したレストランやショッピングなどの情報を含むタウン情報を提供する場合も、第1の位置情報に関連する情報を予めダウンロードしておき、第2の位置情報によりそれから選択したり、編集することにより、現在地にマッチした位置関連情報を短時間に出力することができる。
【0021】
また、第1の位置情報取得ユニットで得られた最新の第1の位置情報を、最新の第2の位置情報を演算するために利用する手段を設けることも可能である。GPSを用いて現在地を演算する場合、現在地に近い位置情報を初期値として演算することにより演算時間を短縮することができる。したがって、制御ユニットに、第2の位置情報取得ユニットに、最新の第1の位置情報を供給する手段を設けておくことも有効である。
【0022】
本発明をサーバと端末とを備えたシステムで実行する場合は、第1の端末側で第1および第2の位置特定システムから第1および第2の位置情報を取得し、サーバを介して第2の端末にそれらの位置情報を提供することができる。すなわち、本発明を実行するシステムとして、第1の位置特定システムから第1の位置情報を取得可能な第1の位置情報取得手段および第2の位置特定システムから第2の位置情報を取得可能な第2の位置情報取得手段を備えた第1の端末と、この第1の端末および他の第2に端末と交信可能なサーバとを有する位置情報提供システムを提供することが可能である。第1の端末は、サーバから位置情報の要求があると、第1および第2に位置情報の取得をスタートする機能を設け、サーバには、第1に位置情報が第1の端末から得られると、その第1の位置情報またはそれに関連する情報を第2の端末に出力し、第2の位置情報が第1の端末から得られると、その第2の位置情報またはそれに関連する情報を第2の端末に出力する機能を設けることにより、第2の端末では、第1の端末の位置を迅速に取得することができる。
【0023】
また、第1の端末と、この第1の端末と交信可能なサーバとを有する位置情報提供システムであって、サーバが、基地局の位置情報のように、第1の端末の交信に基づき第1の位置特定システムから第1の端末の第1の位置情報を取得可能な第1の位置情報取得手段を備えている場合は、第1の端末には、GPSのように、第2の位置特定システムから第2の位置情報を取得可能な第2の位置情報取得手段を設けることにより、本発明の出力方法を実行可能なシステムとして提供できる。この位置情報提供システムにおいては、サーバは、交信可能な第2の端末から第1の端末の位置情報の要求があると、第1の端末に位置情報の取得を要求すると共に、第1の位置情報の取得をスタートし、第1の位置情報が得られると、その第1の位置情報またはそれに関連する情報を第2の端末に出力し、第2の位置情報が第1の端末から得られると、その第2の位置情報またはそれに関連する情報を第2の端末に出力する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に示した携帯端末10は、GPS衛星1からの電波を用いて現在地を測位する機能を備えた携帯電話である。したがって、携帯電話の基地局2の位置データを携帯電話10にフィードバックする検索サーバ5を備えた位置情報提供システム4へアクセスすることにより、現在地を示す位置情報としてGPSを利用した位置情報(第2の位置情報)に加えて、基地局2の位置情報(第1の位置情報)を得ることができる。
【0025】
図2に、携帯端末10の概略構成を示してある。この携帯端末10は、無線通信用の機能として、携帯電話モジュール11と、PHS電話モジュール12とを備えている。したがって、それぞれのアンテナ11aおよび12aを介して基地局とデータを送受信することにより、公衆電話網を利用した通信が可能である。また、GPS衛星1からの電波を利用して測位するGPSモジュール13を備えており、GPS衛星1からの電波を受信するためのアンテナ13aがハウジング19から突き出ている。また、表示装置14であるLCDと、入力装置15となるスイッチ類およびデジタイザなどがハウジング19の表面に配置されている。さらに、これらのモジュールを制御するためのCPU16と、データおよびプログラムの記憶領域となるメモリユニット17を備えており、メモリユニット17にはCPU16を制御して位置情報を取得するためのプログラム18も記録されている。
【0026】
図3に、本例の位置情報を取得するためのプログラム18の処理をフローチャートにより示してある。ステップ21において、位置情報の要求があると、ステップ22で、基地局の位置情報とGPSによる位置情報を取得する処理をスタートする。基地局の位置情報を取得するためには、携帯電話モジュール11から、基地局の位置情報の取得を指示する要求を検索サーバ5に送出する。したがって、本例の携帯端末10においては、携帯電話モジュール11が基地局の位置情報を取得するための位置情報取得ユニットとなる。携帯端末10が交信している基地局2の位置情報を取得すれば、その基地局2から交信可能な範囲に携帯端末10が位置していることを意味するので、基地局2の位置情報がある程度の広がり、たとえば数km程度の誤差を含んだ低精度の位置情報(第1の位置情報)となる。
【0027】
一方、GPSを用いた高精度の位置情報(第2の位置情報)を取得するためには、GPSモジュール13に位置情報の取得を指示すれば良い。これにより、GPSモジュール13は、その時刻および位置で有効なGPS衛星1からの電波を受信して、携帯端末10の現在地を演算する。GPSを用いた位置情報は、誤差が数mから数10m程度であり高精度の位置情報であると言える。
【0028】
さらに、本例の携帯端末10はPHS通信モジュール12を備えているので、上述した携帯電話モジュール11を利用して基地局2の位置情報を取得するのと同様の手続きでPHS基地局の位置情報を取得することも可能である。PHSは基地局と通信可能な範囲が数100m程度に限られているので、携帯電話モジュール11を利用した位置情報と、GPSモジュール13から得られた位置情報との中間的な精度の位置情報を得ることができる。したがって、精度の異なる3種類の位置情報の取得を同時にスタートさせることにより、精度の異なる3種類の位置情報を利用することが可能である。しかしながら、説明を簡単にするために、以下では、携帯電話の基地局の位置情報と、GPSによる位置情報の2種類を用いた例を説明する。
【0029】
ステップ22で基地局およびGPSによる位置情報の取得をスタートした後、ステップ23で位置情報が得られると、ステップ24で得られた位置情報に対応した出力を行う。本例では、ステップ22において、検索サーバ5に対して基地局の位置情報と共に、その基地局の位置情報を表示するのに適した地図情報を送出するように指示する。したがって、ステップ23で基地局の位置情報が得られたときには、それを表示するのに適した地域および縮尺の地図情報が自動的に得られる。このため、ステップ24では、その地図情報を端末の出力ユニット14に出力する。さらに、地図に重ねて、出力ユニット14に基地局の位置情報を中心として誤差範囲を円で表示する。
【0030】
一方、GPSモジュール13から位置情報が得られると、出力ユニット14に、その位置情報を点で表示する。基地局の位置情報は、検索サーバ5で基地局位置管理サーバなどのデータベースを検索するだけで得られるので、比較的短時間で端末10は得ることができる。これに対し、GPSの位置情報は、GPS衛生1から得られた情報に基づき現在地を演算して求める必要があるので、時間がかかる。したがって、これらの位置情報は同時には得られないので、ステップ25で基地局およびGPSの位置情報の取得が終了したか否かを確認し、GPSの位置情報が未取得であればステップ23に戻って計算結果を待つ。そして、GPSの位置情報が得られると、ステップ24で出力ユニット14に出力された地図に重ねてGPSによる位置情報を出力する。GPS衛星1からの電波が受信できない場合はGPSによる最新の位置情報が得られない。そのような場合は、GPSモジュール13から電波測位が不可能である情報が得られるので、位置表示をパスしたり、以下で説明するように予測した位置を表示するようにすることも可能である。
【0031】
図4に、端末10と、位置情報提供システム4との間におけるデータの交換手順を示してある。まず、ステップ21の位置情報取得要求があると、ステップ22−1として基地局の位置情報の取得を開始し、携帯電話モジュール11を介して検索サーバ5に基地局情報取得指示C1を送出する。この指示C1は携帯電話の基地局2から公衆電話網、ゲートウェイサーバ6あるいはプロバイダのダイアルアップサーバ、およびインターネット7を介して検索サーバ5に伝達される。ステップ22−1と並列に、すなわち前後した短時間の間に、ステップ22−2としてGPSモジュール13にGPS単独測位をスタートする指示が出力される。これにより、GPSモジュール13はGPS衛星1からの電波C9の受信を開始する。
【0032】
検索サーバ5は、基地局情報取得指示を受けると、インターネット7などを経由して、基地局位置管理サーバ3に対して、携帯端末10が交信している基地局位置情報の要求C3を送出する。基地局位置管理サーバ3から該当する基地局位置データの応答C4を受けると、検索サーバ5は、基地局の位置情報C5を取得指示C1と逆ルートで端末10に送出する。この際、本例では、基地局情報取得指示C1と共に地図情報の取得指示C2も端末10から出力され、検索サーバ5はそれらの指示C1およびC2を受けているので、検索サーバ5は基地局の位置情報C5に対応する地図情報C6を地図データベースサーバなどから検索し、位置情報C5と共に端末10に送出する。
【0033】
端末10では、ステップ23−1で、基地局の位置情報C5の取得を確認すると、ステップ24−1で、位置情報C5と共に送られている地図情報C6をLCDなどの出力ユニット14に表示する。それと共に、基地局の位置情報C5を誤差範囲付きで表示する。その後、ステップ23−2でGPSモジュール13により演算されたGPSデータが確認されると、ステップ24−2で出力ユニット14にGPSデータを出力する。
【0034】
図5に、出力ユニット14の表示例を示してある。出力ユニット14には、検索サーバ5から得られた地図C6が先ず表示され、それに重ねて基地局の位置情報C5が誤差範囲を示す円で表示される。その後、GPSデータC7が得られると、その位置が地図C6の上に表示される。基地局の位置情報C5と、GPSデータC7とは、独立して得られた位置情報であるが、共に端末10の現在地を示す位置情報である。したがって、通常は、基地局の位置情報C5に基づき選択された地図C6の上にGPSデータC7を重ねて表示することが可能であり、さらに、基地局の位置情報C5の誤差範囲を示す円の中にCPSデータC7が表示される。
【0035】
このため、本例の携帯端末10においては、図3に示した処理を実行可能な命令を含むプログラム18を実行することにより、位置情報の要求があると、複数の位置特定手段、本例では、基地局2の位置情報を提供する位置情報提供システム4から交信中の基地局の位置情報を取得する手段と、GPS衛星1を用いて最新の現在地を電波測位する手段とを同時、すなわち並列にスタートさせる。GPS測位には時間がかかる(数秒から数分)ので、通常は、低精度であるが短時間に取得できる基地局2の位置情報C5をGPSデータC7より先に得ることができる。したがって、基地局2の位置情報C5またはこの位置情報に関連する情報である地図を出力する工程(第1の出力工程)を、GPSデータ7を出力する工程(第2の出力工程)とは別に実行することにより、大まかな位置情報であってもGPS測位が完了する前に、現在地を示す地図、さらには、概略の現在地を表示できる。このように段階的に位置情報を表示することにより、出力を待つというユーザのストレスを軽減できる。
【0036】
さらに、大まかな位置情報から詳細な位置情報と出力が遷移するので、あたかも現在地を特定している処理過程を順番に表示しているような出力となるので、ユーザが興味をもって見ることができる位置情報の出力方法となる。特に、GPSデータC7を出力するときに、基地局2の位置情報C5を示す円がGPSデータC7に向かって縮小されるような表示方法は、ユーザの興味を引きやすい表示方法の1つである。
【0037】
さらに、GPSデータC7が得られる前に、それを表示するための地図情報C6を基地局2の位置情報C5に基づきダウンロードしておけるので、GPSデータC7が得られてから地図情報をダウンロードする処理に比べると短時間でGPデータC7をユーザが分かりやすい状態で表示することが可能となる。したがって、単純にGPSデータC7の表示速度を比較しても、本例の出力方法によりGPSデータの出力速度を向上することができる。
【0038】
また、この出力方法は、得られた基地局2の位置情報C5と、GPSデータC7の信頼性を評価することも可能とする。すなわち、これらの位置情報C5およびC7は、同一の移動端末10の現在地に関わる情報なので、GPSデータC7は、基地局2の位置情報C5の誤差範囲に含まれるべきである。しかしながら、基地局2との交信状況や、GPS衛星からの電波の受信状況によっては、いずれか一方の位置情報の誤差範囲が大きくなり、GPSデータC7が基地局の位置情報C5の誤差範囲に含まれなくなる可能性がある。そのような状態であることは本例の出力方法によりユーザは知ることができ、どちらのデータが正しいかを判断することはできないとしても、不確かな位置情報が得られている可能性があることは知ることができる。
【0039】
図6に、本例の携帯端末10の位置を検索端末8に提供する位置情報提供システム30の概要を示してある。この位置情報提供システム30を利用することにより、保護者の検索端末8から携帯端末10の保有者9、たとえば、老人や子供の位置を検索することが可能となる。検索端末8は、保護者の要求により被検索者である携帯端末10の保有者9へ急行する警察、消防署あるいは警備会社のスタッフが保持している携帯端末8であってもよい。
【0040】
本例の携帯端末10は、位置情報の要求があると、上述したように基地局の位置情報とGPSデータの取得を同時にスタートする。このため、被検索者の詳細な現在地を示すGPSデータを取得する前に、基地局の位置情報から携帯端末10の概略の位置が判明する。したがって、携帯端末10の保有者9が急病になったり、迷子になったような緊急事態のときは、警察、消防署さらには警備会社などに対し、概略の位置を早いタイミングで指示したり被検索者の現在地を示すことが可能となる。その後、GPSデータによる精度の高い現在地を指示したり表示することが可能となる。このため、被検索者の位置や状態に対して、より迅速に対応できる。
【0041】
図7に、端末10と、位置情報提供システム30との間のデータの交換手順を示してある。まず、ステップ37で検索者の端末8で検索要求が入力されると、検索者の端末8から検索サーバ31に検索要求D1が送出される。検索者の端末8が携帯電話などであれば、基地局2、ゲートウェイサーバ6、インターネット7を介してインターネット上にオープンした検索サーバ31に検索要求D1が送られる。検索サーバ31では、検索要求D1が登録済みのユーザからのものであるか、また、被検索者も登録済みのものであるかなどのチェックを行う。所定の条件を満たしている場合は、ステップ41で、検索サーバ31から被検索者の携帯端末10に対し基地局の位置情報とGPS位置データの取得を指示する検索指示D2が送出される。この検索指示D2は、インターネット7、ゲートウェイサーバ6および基地局2を介して無線で携帯端末10に送られる。
【0042】
携帯端末10では、検索指示D2を、上述のステップ21の位置情報取得要求と解釈し、検索サーバ31に対して検索応答D3を返すと共に、ステップ22−1で基地局の位置情報の取得をスタートし、これと並行して、ステップ22−2でGPS単独測位をスタートする。基地局2の位置情報を取得する処理およびGPSデータを取得する処理は、図5を参照して説明した手順と同様である。概略を説明すると、GPSモジュール13ではGPS衛星1からの電波D12の受信を開始しGPS単独測位を開始する。また、携帯電話モジュール11から検索サーバ31に対して基地局の測位要求D4が送出され、これにより検索サーバ31から位置管理サーバ3に対して基地局の位置要求D5が出力される。位置管理サーバ3から基地局位置データ応答D6が得られると、検索サーバ31は、基地局位置データ応答D7を被検索者の端末10に送出する。
【0043】
本例の検索サーバ31のように基地局位置を検索する機能を備えたサーバであると、被検索者の端末10との交信から基地局の情報を取得し、位置管理サーバ3から基地局位置データ応答D6を得ることができる。したがって、被検索者の端末10に基地局の位置情報の取得を指示する代わりに、検索サーバ31で基地局2の位置情報を取得し、ステップ42で、得られた基地局位置データ応答D6を検索者の端末8に基地局位置データ応答D9として送出することが可能である。
【0044】
被検索者の端末10では、ステップ23−1で、検索サーバ31からの基地局位置データ応答D7を確認すると、ステップ24−1で、得られた基地局位置データD8を、携帯電話モジュール11を介して携帯電話網を用いて検索サーバ31に送出する。したがって、本例では、携帯電話モジュール11が位置情報を外部に出力するための出力ユニットとして機能する。その結果、検索サーバ31は、被検索者の端末10の概略の位置を示すデータが得られたので、ステップ43で、その基地局位置データ応答D9を被検索者の概略位置として検索者の端末8に送出する。したがって、検索者の端末8には、まず、ステップ38で、被検索者の概略の位置が表示される。
【0045】
その後、被検索者の端末10において、ステップ23−2でGPSモジュール13により演算されたGPSデータが確認されると、ステップ24−2で、携帯電話モジュール11を出力ユニットとしてGPSデータD10を出力する。検索サーバ31は、ステップ44で、被検索者の端末10の詳細な位置を示すデータが得られたので、そのGPS位置データD11を検索者の端末8に送出する。したがって、被検索者の端末8には、ステップ39で、被検索者の詳細な位置が表示される。
【0046】
このようにして、本例の位置情報提供システム30を利用することにより、検索者の端末8から被検索者の端末10の検索要求D1を出力すると、まず、被検索者の端末10の概略の位置を示す情報D9が得られ、次に、被検索者の端末10の詳細な位置を示す情報D11が得られる。検索者の端末8において概略の位置と詳細な位置とを表示する方法はいつか考えられる。図8(a)では、基地局の位置情報D9により、その基地局の位置情報が含む範囲をカバーする中域の地図33をLCDなどに表示し、次に、GPS位置データD11により、GPS位置データD11を含む詳細な地図34を表示している。図8(b)では、基地局の位置情報D9により、その基地局の位置情報が含む範囲をカバーする中域の地図33と基地局の位置情報D9を示す円を表示し、次に、GPS位置データD11により、同じ中域の地図33にGPS位置データD11により特定される位置を表示している。
【0047】
また、位置を表示すると共に、あるいは表示する代わりに音声で基地局の位置情報D9とGPS位置データD11とを出力することも可能である。基地局の位置情報D9を出力する場合は、ある一定の誤差範囲を持った情報であるので「村井駅付近」、「村井駅周辺」あるいは「村井町内」などといった出力が望ましい。一方、GPS位置データD11はピンポイントの位置情報となるので、「村井駅前」あるいは「村井駅前交差点」などといった出力が可能となる。
【0048】
いずれの表示方法であっても、本例の位置情報提供システム30では、基地局の位置情報の取得とGPSによる位置情報の取得とを並列にスタートさせることにより、それぞれの位置情報を、それぞれの位置情報を取得する最短の処理時間で取得することができる。したがって、概略の位置情報は短時間で出力でき、詳細な位置情報を続いて出力することができる。このため、短時間に被検索者の概略の位置がわかるので、まず、その位置に向かって人や車を派遣することが可能であり、ファーストアクションを短時間で起こすことができる。そして、被検索者の近傍に到着するまでに被検索者の詳細な位置が判明するので、単に被検索者の詳細な位置が出力されるシステムと比較すると、より早いタイミングで確実に被検索者を発見することが可能となる。
【0049】
また、GPS衛星1からの電波が届かない場所に被検索者の端末10があるときは、GPS位置データが取得できない。しかしながら、本例の位置情報提供システム30であれば、携帯電話の電波が届く範囲に携帯端末10があれば、少なくとも概略の位置情報を得ることが可能であり、それを検索者の携帯端末8に出力することができる。さらに、基地局位置データの取得と、GPS位置データの取得とがほぼ同時にスタートするので、GPS位置データが取得できないという状態が分かってから基地局位置データの取得をスタートするのと異なり、概略の位置情報はGPSの状況のいかんにかかわらず迅速に得ることができる。
【0050】
さらに、本例の検索サーバ31は、GPS位置データが取得できないときに、過去ログから現在地を予測する機能を備えている。図9に、本例の検索サーバ31の概略機能を示してある。検索サーバ31は、基地局位置管理サーバ3から基地局情報を取得するインターフェイス51と、被検索者の端末10および検索者の端末8と通信するインターフェイス52とを備えている。検索サーバ31がインターネット7に接続されているのであれば、これらのインターフェイス51および52はインターネット7を介してデータを送受信することができる。さらに、検索者や被検索者を識別するためのID・パスワード管理手段53と、上述した中域や詳細な地図を送出するための地図データベース54と、これらを制御して検索者の端末8からの検索要求に対して基地局の位置情報とGPS位置情報とを、それぞれのタイミングで送出する処理を行う制御手段55とを備えている。
【0051】
また、検索サーバ31は、過去の位置データをログファイル58に記録するログデータ管理手段56と、ログデータから現在地を予測する手段57とを備えている。この位置情報提供システム30では、ログデータ管理手段56により、被検索者の携帯端末10のウォッチングがオーダされていると、携帯端末10に対して定期的に検索指示D2を出力し、得られた基地局位置データD8とGPS位置データD10を記録する。そして、検索者の端末8から検索要求があったときにGPS位置データD10が得られない場合は、現在位置予測手段57が、ログを利用してから被検索者の携帯端末10の現在位置を予測する。
【0052】
図10に、位置情報提供システム30において現在位置の予測される工程を示してある。ステップ61で検索者の端末8から検索サーバ31に位置取得の要求があると、検索サーバ31の指示により被検索者の端末10がステップ62で基地局測位を開始し、ステップ63でGPS測位を開始する。基地局の位置データD8が得られるとステップ64でそのデータD8を検索者の端末8に送る。また、ステップ65でGPS測位の結果が得られるとステップ66で、GPSの位置データD11を検索者の端末8に送る。
【0053】
一方、ステップ65で測位結果が得られないときは、ステップ67で、ログデータ管理手段56からログを現在位置予測手段57に送ってステップ68で位置予測計算を行う。ステップ69で、その結果が基地局の位置データD8の誤差範囲内であれば、その予測結果がある程度正しいものとし、ステップ70で、予測結果を、その属性を持たせて、GPSの位置データの代わりに検索者の端末8に送る。一方、ステップ69で、予測結果が基地局の位置データD8の誤差範囲内に収まらない場合は、予測結果が利用できないので、ステップ71で過去ログと基地局の位置データD8だけを検索者の端末8に送る。検索者の端末8では、ステップ72において、これらのデータに基づいて被検索者の位置が表示される。
【0054】
図11に、検索者の端末8における表示のいくつかの例を示してある。図11(a)に示した表示は、予想された位置D19が基地局の位置データD9の範囲内、すなわち基地局エリアにあるケースであり、基地局の位置データD9を示す円(基地局エリア)の表示の中に、予想された位置D19が表示されている。図11(b)に示した表示も、予想された位置D19が基地局の位置データD9の範囲内にあるケースであり、予想された位置D19がログデータD18と共に表示されている。
【0055】
図11(c)は、予想された位置D19が、基地局エリアの外にあるケースであり、予想位置D19と、基地局エリアD9とが示されている。この表示であると、現在地が予想位置D19と、基地局エリアD9のいずれにあるのかが判断しにくい。このため、図11(d)では、過去ログD18も表示することにより、判断を検索者に委ねるようにしている。一方、図11(e)では、実際に得られている基地局エリアD9を優先し、基地局エリアD9に入らない予想位置は表示せず、代わりに過去ログD18を表示することにより被検索者の現在地の判断を検索者に委ねている。
【0056】
GPSによる位置データが取得できないときに、基地局エリアだけを示したのでは、そのエリアの中にいることはわかっても、基地局によってはカバーエリアが広く、期待する位置情報とはならないことが多い。また、過去の軌跡(ログ)情報から、現在位置を推測して出力しただけでは、その予想位置の信頼性が不明であり、位置情報として利用できるのかどうかが判断できない。これに対し、現在位置の推測を行った結果と、基地局のエリア情報を元に、推測結果の信頼性を確認することが可能であり、エリア内に予想位置があればその位置情報の利用価値が向上し、信頼度の高い現在位置予測結果を提供することができる。
【0057】
図12に、ログファイル58のいくつかの例を示してある。図12(a)は、基地局の位置情報D8と、GPS位置データD10とが取得された時間順に記録されている例である。このログファイル58aには、時刻情報59aと、緯度情報59bと、経度情報59cと、高度情報59dと、測位方法59eが記録されている。測位方法59eは、「1」が基地局の位置データであることを示し、「3」がGPSによる位置データであることを示している。基地局の位置データと、GPSによる位置データは、それぞれを取得する処理が同時にスタートしたとしても必ずしも同時に得られる情報ではない。したがって、このログファイル58の形式であると、取得された位置情報が時間順にソートされた状態で保存されるので、これらの位置情報を一連のログとして表示したり、計算する場合には取り扱い易い。
【0058】
図12(b)は、GPSにより得られた位置データだけが記録されたログファイル58bを示しており、図12(c)は、基地局の位置データだけが記録されたログファイル58cを示している。したがって、記録されているデータには、測位方法を示すデータ59eは含まれていない。これらのログファイル58bおよび58cは、それぞれに位置情報の種別毎にログ表示を行うときは扱い易い。
【0059】
このようなログファイル58が作成されていると、検索者の端末8に被検索者の位置を表示するときや、自己の端末10に現在地を表示するときに過去ログもあわせて表示することにより、ユーザに提供される情報量を増加することができる。したがって、ユーザは自ら判断して,実質的な位置情報の精度を向上させることが期待できる。一般に、携帯電話などの基地局情報よりGPSにより得られた位置情報の方が、精度が良いと考えられるが、高層ビルの間などの環境下では、マルチパスなどの影響により、GPSで得られた位置情報に大きな誤差が生じるときもある。そのような条件下では、GPS以外の位置情報取得手段により得られた位置情報をユーザに提供することは有意義なことである。
【0060】
図13(a)は、サーバ31から出力された最新の基地局エリアD9がログ情報D17と共に表示され、さらに、最新のGPS位置データD11もログ情報D18と共に表示されている。GPS位置データのログD18は、基地局エリアのログD17の範囲内に入っており、GPSによる位置情報と、基地局エリアから得られる位置情報が合致しており正常な状態で位置情報が得られていることが分かる。これに対し、図13(b)では、GPS位置データのログD18が、基地局エリアのログD17から外れている。したがって、マルチパスなどの影響が懸念される状況で位置情報が得られていることが分かる。したがって、ユーザは得られている位置情報の信頼性を考慮した判断を行うことができる。
【0061】
さらに、検索サーバ31においては、端末10から得られた基地局の位置情報D8に基づき詳細な地図を前もって検索者の端末8に送って、検索者の端末8においてGPS位置データD11を短時間で表示させることができる。図8(a)では、基地局の位置情報D9を中域の地図33により端末8に表示し、GPS位置データD11を詳細な地図34で表示する。この処理を実行するために、基地局の位置情報D9と共に送出される中域の地図33のデータに加え、基地局エリアD9に含まれる詳細な地図34のデータを、サーバ31の地図データベース54から携帯端末8に前もってダウンロード(プリロード)させておくことができる。詳細な地図をプリロードさせておくと、携帯端末8には詳細な地図データがすでにあるので、GPS位置データD10が得られたときは、その位置データを被検索者の詳細な位置データD11として送るだけでよい。したがって、GPS位置データD10がサーバ31で得られると、地図データを送信する時間を省き、短時間で検索者の端末8に被検索者のGPS位置データD11を表示することが可能となる。
【0062】
図14に、地図情報を前もってダウンロードする処理を示してある。位置情報を表示する端末8または10では、ステップ81で基地局情報が得られると、ステップ82で中域地図をダウンロードし、ステップ83で中域地図を表示すると共に、それに重ねて基地局エリアD9を表示する。続いて、ステップ84で基地局エリアD9に対応する詳細地図もダウンロードする。ステップ85でGPS位置データが得られると、すでにダウンロードされている詳細地図の中から、GPS位置データD11を表示するのに適した地図を選択する。そして、ステップ86で詳細地図表示すると共に、それに重ねてGPS位置D11を表示する。したがって、GPS位置データが得られるとすぐに詳細な地図を含めて端末に表示することが可能となり、ユーザを待たせることなく詳細な位置を表示することができる。
【0063】
基地局の位置情報D9に付随してプリロード可能な情報は詳細な地図情報に限定されることはない。たとえば、現在地の周囲のレストランやショップなどのタウン情報も、基地局エリアD9が判明すればある程度限られるので、前もってダウンロードすることができる。そして、GPS位置データD11により詳細な現在地が判明したときに、すぐに、周辺のレストランやショップに限って出力したり、近い順番に出力することが短時間で可能になる。
【0064】
また、基地局の位置情報をGPSで測位するために利用することも可能である。現在、GPSの測位方式でよく使われているマルチチャンネル測位方式では、探したい衛星をチャンネルに割り当てて衛星からの情報を取得する。しかし、一般的には、地球上を周っている32個(実働24個)の衛星の数よりチャンネルの数は少ないため、一定時間、衛星からの情報が得られない場合、探す衛星を切り換えて、衛星からの情報を得るようにしている。基地局の位置情報が早い段階で得られるのであれば、その現在位置情報を元に、その測位場所で捕捉できるはずの衛星が特定できるので、無駄に他の衛星を探すことなく測位することができる。すなわち、見かけ上の感度を上げることが出来る。
【0065】
また、GPS測位により現在地を求める際に、演算の初期値となる位置情報が要求されるが、現在地に近い位置情報であれば演算結果が得られる時間を短縮することができる。したがって、基地局の位置情報を初期値として利用することによりGPS測位の時間を短縮することも可能となる。
【0066】
以上に説明したように、本例の携帯端末10、また、位置情報提供システム30においては、異なる位置特定システムから位置情報が得られる複数の位置測位手段を同時に利用することにより、携帯端末10のユーザ、または位置情報提供システム30のユーザに対し、位置に関する情報を、より早く伝えることができる。複数の位置測位手段は、誤差範囲の異なる位置情報を得ることができるものであることが望ましく、誤差範囲が小さい位置情報は取得に時間がかかり、誤差範囲が大きな位置情報は短時間に取得できるのが一般的であるので、同時に位置情報の取得をスタートしても、結果が得られるタイミングは時間差がある。したがって、その時間差を有効に利用することにより、ラフな位置情報から高精度の位置情報に遷移するような表示を行ったり、地図情報などをプリロードすることが可能となり、結果として詳細な位置情報をより分かりやすく、短時間でユーザに伝達することができる。
【0067】
このため、本発明の出力方法を利用することにより、緊急を要する火災や交通事故などの場合には、GPSによる正確な位置情報を取得する前に,大まかでも位置のわかる基地局情報を利用することにより、迅速な対応が期待できる位置情報提供システムを構築できる。
【0068】
また、GPSにより位置情報と、基地局の位置情報とを共に出力することにより、これらの位置情報の信頼性をユーザが判断することが可能となる。したがって、GPSによる位置情報が得られないときには、過去のログを使い位置予測を行い、その予測位置を基地局情報などでフィルタリングすることにより信頼度の高い予測位置情報を提供することができる。
【0069】
異なる位置特定システムとして、上記では、GPSと、携帯電話システムあるいはPHSシステムとを組み合わせた例を説明しているが、本発明は、これらの位置特定システムの組み合わせに限定されるものではない。しかしながら、現状で高精度な位置特定システムとしてもっともポピュラーなシステムはGPSである。また、それに対抗して比較的簡易にエリアを特定できる位置特定システムは携帯電話またはPHSの基地局情報を利用した位置特定システムである。したがって、本例で示した位置特定システムの組み合わせがもっとも現実的で有効な組み合わせであると考えられる。
【0070】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、複数の異なる位置特定システムから位置情報を並列に取得し、出力することにより、ある位置特定システムを他の位置特定システムの単なるバックアップとして用いるだけではなく、それらの位置特定システムの特性を生かした出力を行うことが可能となる。そして、本発明により、位置情報をさらに有効な情報として、短時間に出力することが可能となるなど、上記にて開示した種々の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置情報提供システムの概要を示す図である。
【図2】図1に示した携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した携帯端末において位置情報を出力する処理を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した位置情報提供システムにおいて位置情報が伝達される様子を示す図である。
【図5】携帯端末に位置情報が出力される例を示す図である。
【図6】本発明の異なる位置情報提供システムの概要を示す図である。
【図7】図6に示す位置情報提供システムにおいて位置情報が伝達される様子を示す図である。
【図8】検索者の端末に位置情報が表示される例を示す図である。
【図9】検索サーバの概略構成を示す図である。
【図10】位置情報提供システムにおいて、位置予測結果を表示する処理を示すフローチャートである。
【図11】検索者の端末に位置予測結果が表示される例を示す図である。
【図12】ログファイルの例を示す図である。
【図13】基地局の位置情報とGPSの位置情報がログ情報と共に表示される例を示す図である。
【図14】地図情報をプリロードする処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 GPS衛星
2 基地局
3 基地局位置管理サーバ
4、30 位置情報提供システム
5、31 検索サーバ
7 インターネット
8 検索者の携帯端末(携帯電話)
9 被検索者
10 携帯端末(携帯電話)
11 携帯電話モジュール
12 PHSモジュール
13 GPSモジュール
16 CPU
17 メモリ
18 CPUのプログラム
Claims (6)
- 第1の位置特定システムから第1の位置情報を取得可能な第1の位置情報取得手段および第2の位置特定システムから第2の位置情報を取得可能な第2の位置情報取得手段を備えた第1の端末と、
この第1の端末および他の第2の端末と交信可能なサーバとを有する位置情報提供システムであって、
前記第1の端末は、前記サーバから位置情報の要求があると、前記第1および第2の位置情報の取得をスタートする機能を備えており、
前記サーバは、前記第1の位置情報を前記第1の端末から得て、その第1の位置情報またはそれに関連する情報を前記第2の端末に出力した後、
前記第2の位置情報が前記第1の端末から得られた場合は、その第2の位置情報またはそれに関連する情報を前記第2の端末に出力し、
前記第2の位置情報が前記第1の端末から得られない場合は、過去ログデータから位置予測計算を行い、その予測結果を前記第2の端末に出力する機能を備えている位置情報提供システム。 - 請求項1において、前記サーバは、
前記予測結果が前記第1の位置情報の範囲を示す情報内に含まれるか判断し、含まれないときは過去ログデータと前記第1の位置情報またはそれに関連する情報を前記第2の端末に出力する機能を備えていることを特徴とする位置情報提供システム。 - 請求項1において、前記第1の端末は、
前記サーバから位置情報の要求があると、前記第1および第2の位置情報の取得を並列にスタートすることを特徴とする移動端末。 - 請求項1において、前記第1の端末は、
前記第2の位置情報取得手段は、前記第1の位置情報取得手段よりも高精度の前記第2の位置情報を取得することを特徴とする移動端末 - 請求項1において、前記第1の端末は、
前記第1の位置情報取得手段は、基地局の情報を用いた測位手段であり、前記第2の位置取得手段は、GPS衛星からの情報を用いた測位手段であることを特徴とする移動端末。 - 請求項1において、前記第2の端末は、
前記第1の位置情報の範囲を含む中域の地図情報に加え、更に詳細な地図情報をプリロードし、前記第2の位置情報を取得したとき前記詳細な地図情報に重ねて最新の前記第2の位置情報を出力することを特徴とする移動端末。
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