JP3899672B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の操舵装置に関し、特に、車両の走行状態に応じた操舵制御を行なう車両の操舵装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
近時の車両の操舵装置においては、車両走行状態に応じて操舵制御を行なうように構成されており、例えば特開昭62−214059号公報には高速時に最適の操縦安定性を得るステアリング角度比(ステアリングホイール回転角/操向車輪実舵角)を基準とし、機敏なハンドリングが要求される中、低速時にはステアリング角度比を小さくし、極低速時には軽い操舵力となるようステアリング角度比を大きくする等、車速等の走行モードの変化に応じてステアリング角度比を自動調整するステアリング装置が提案されている。
【0003】
また、特開平4−38269号公報には、ステアリングホイールの操舵角に対する車輪転舵角の比を可変とし、車両が停止ないし微速走行している場合には回転伝達比を大きくしてステアリングホイールの操作性を良くし、高速走行時には回転伝達比を小さくして操縦安定性を良くする車両用操舵装置に関し、ステアリングホイールの操舵角が所定角以下のときにのみモータを駆動することとし、モータにかかる負荷トルクを小さくするようにした操舵装置が提案されている。更に、特開平5−105106号公報にも、高速走行時には舵角比を小さくして高い操縦安定性を得、低速時には舵角比を大きくして車両の取り廻しを容易にする可変舵角比操舵装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前掲の公報に記載の操舵装置は、結局、舵角比(操舵角/転舵角)、あるいは一般的にギヤ比(ハンドル角/タイヤ角)と呼ばれる角度比に関し、高速域(または、中、低速域)には小さく、低速域(または、極低速域)では大きくすることが提案されている。このように構成することにより、確かに高速域では良好な操縦安定性が得られ、低速域では良好なステアリング操作性が得られるが、タイヤとの間の摩擦係数が低く滑り易い路面を走行中の場合には、特に高速域ではステアリングホイールを切り過ぎる傾向となり、却って操縦安定性が損なわれるおそれがある。この点に関しては、ステアリングホイールの操作に応じてタイヤ操作トルクを制御するように構成された一般的なパワーステアリング装置においても同様である。
【0005】
ところで、車両の走行路面状態を判定する適切なファクターとしてタイヤスリップ角がある。これは、タイヤ横滑り角とも呼ばれ、車両のヨーレイトをγ、前後車体速をVx、左右車体速をVy、前輪のタイヤ角をδf、車体重心と前輪車軸間の距離Lfとしたとき、タイヤスリップ角αfはαf=δf−{arctan(Vy/Vx)−(Vy+Lf・γ)/Vx}として演算される。
【0006】
そこで、本発明は、車両の走行路面状態に基づきタイヤスリップ角の限界を判定し、判定結果に応じて操舵制御を補正し、あるいは警報を行い得る車両の操舵装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は請求項1に記載のように、車両のステアリングホイールの操舵量に応じて操向タイヤの転舵量を制御する操舵制御手段を備えた車両の操舵装置において、前記車両のヨーレイト、前後車体速 、左右車体速及び前輪のタイヤ角を検出する走行状態検出手段と、該走行状態検出手段の検出結果に基づき前記操向タイヤのタイヤスリップ角を演算するタイヤスリップ角演算手段と、前記車両に対するコーナリングフォースを演算するコーナリングフォース演算手段と、該コーナリングフォース演算手段が演算したコーナリングフォースに基づき該コーナリングフォースの履歴を演算する履歴演算手段と、該履歴演算手段の演算結果と前記タイヤスリップ角演算手段の演算結果に基づき前記タイヤスリップ角の限界を判定する限界判定手段とを備えることとしたものである。そして、限界判定手段にてタイヤスリップ角の限界と判定されたときには、例えば警報装置を作動させるように構成することができる。
【0010】
前記操舵制御手段は、請求項2に記載のように、前記走行状態検出手段の検出結果に応じて前記操向タイヤの転舵量を設定すると共に、前記限界判定手段の判定結果に応じて前記操向タイヤの転舵量を補正するように構成するとよい。
【0011】
更に、請求項3に記載のように、前記操舵制御手段を、前記限界判定手段が判定した前記タイヤスリップ角の限界を前記操向タイヤが超えるときには、前記操向タイヤの転舵量を低減するように構成するとよい。例えば、前後車体速の増大に伴い操向タイヤの転舵量が少なくなるように制御すると共に、前記限界判定手段がタイヤスリップ角の限界と判定したときには前記操向タイヤの転舵量が少なくなるように制御する構成とするとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図2は本発明の一実施形態に係る操舵装置を含む車両全体の構成を示すもので、操向タイヤたる車両前方のタイヤFR,FLとステアリングホイールSWがアクチュエータACを介して連結されている。尚、FRは運転席からみて前方右側のタイヤを示し、以下、FLは前方左側、RRは後方右側、RLは後方左側のタイヤを示す。アクチュエータACは電子制御装置ECUに接続されており、その出力信号によって駆動制御され、車速等の車両の走行状態に応じて操向タイヤの転舵角(単に、タイヤ角という)が制御されるように構成されている。また、本発明のタイヤスリップ角演算手段、限界判定手段、コーナリングフォース演算手段、履歴演算手段等が電子制御装置ECU内に構成されている。更に、本実施形態の車両には、運転者に対し例えば音声信号によって異常を報知する警報装置WRが装着されており、これも電子制御装置ECUに接続されている。
【0013】
そして、車両の前後車体速及び左右車体速を検出する前後左右対地速度センサVS、車両前後方向の加速度、及び左右方向の加速度、即ち横加速度を検出する前後左右加速度センサGS、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサYW等が設けられている。また、本実施形態では、操向タイヤのタイヤ角を検出する手段としてタイヤ角センサS1が設けられている外、ステアリングホイールSWの操舵角を検出する手段としてハンドル角センサS2が設けられ、操舵トルクを検出する検出手段として操舵トルクセンサS3が設けられており、これらが電子制御装置ECUに接続され、各検出信号が操舵制御に供される。尚、アンチスキッド制御装置(ABS)をはじめ、トラクション制御、車両安定性制御、後輪操舵制御、前輪操舵制御、サスペンション制御、パワーステアリング制御、トランスミッション制御等を行なう運動制御システムが搭載されている場合には、これらに供されるセンサを操舵制御に利用することができる。例えば、前後左右対地速度センサVSによって直接前後車体速を検出する代わりに、車輪速度センサ(図示せず)の出力信号に基づいて推定する構成としてもよい。
【0014】
本実施形態の電子制御装置ECUは、図示は省略するが、バスを介してマイクロプロセッサ(CPU)、メモリ(ROM,RAM)、入力ポート、出力ポート等と相互に接続され、各センサの出力信号は入力ポートから増幅回路を介してマイクロプロセッサに入力するように構成されている。そして、メモリ(ROM)は後述するフローチャートを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、マイクロプロセッサは図示しないイグニッションスイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メモリ(RAM)は当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に記憶するように構成されている。
【0015】
本実施形態の電子制御装置ECU内には、図1に示すように、タイヤスリップ角演算手段TS、路面状態判定手段RC、コーナリングフォース履歴演算手段CH、タイヤ限界判定手段TL、操舵制御手段SC等が構成されている。先ず、タイヤスリップ角演算手段TSにおいては、ヨーレイトセンサYW等の検出信号から求められたヨーレイトγ(rad/s) 、前後車体速Vx(m/s) 、左右車体速Vy(m/s)及び前輪のタイヤ角δf(rad) と、車両モデルにおける車体重心と前輪車軸間の距離Lf(m) に基づき、タイヤスリップ角αfがαf=δf−{arctan(Vy/Vx)−(Vy+Lf・γ)/Vx}として演算される。このタイヤスリップ角は、前述のようにタイヤ横滑り角とも呼ばれ、車両に関する車体横滑り角βと対比される。
【0016】
路面状態判定手段RCは車体スリップ角演算手段BS及びコーナリングフォース演算手段CFを具備している。車体スリップ角演算手段BSにおいては、前後車体速Vx(m/s) が正(>0)であれば車体スリップ角β(rad) がβ=arctan(Vy/Vx)として求められ、前後車体速Vxが零又は負(≦0)であるときにはβ=0とされる。この車体スリップ角β及びその時間微分値である車体スリップ角速度dβ/dt(rad/s2)がコーナリングフォース演算手段CFにおけるコーナリングフォースCfの演算に供される。更に、コーナリングフォースCfの演算には、ヨーレイトセンサYW等の検出信号から求められたヨーレイトγ(rad/s) 、その時間微分値であるヨー加速度dγ/dt(rad/s2)、左右車体速Vy(m/s) 、車両の横加速度Gy(m/s2)及び前輪のタイヤ角δf(rad) と、車両モデルにおける車体質量m(kgf) 、車体重心と前輪車軸間の距離Lf(m) 、車体重心と後輪車軸間の距離Lr(m) 及び慣性モーメントIz(kgf・m2) が用いられ、Cf={m・(Vx・γ+Vx・dβ/dt)・Lr+Iz・dγ/dt}/〔(Lf+Lr)・{δf−β−(Lf・γ)/Vx}〕としてコーナリングフォースCfが求められる。
【0028】
コーナリングフォース履歴演算手段CHはタイヤスリップ角−コーナリングフォース特性の履歴、具体的には特性曲線の接線(傾き)を監視するもので、タイヤ限界判定手段TLにおいてコーナリングフォースCfの減少を判定することによってタイヤスリップ角αfの限界を判定することができる。例えば図7のタイヤスリップ角−コーナリングフォース特性曲線に示すように、タイヤスリップ角αfの増大に伴いコーナリングフォースCfの接線の傾きCfhが小さくなり、Cfh1からCfh3に進むに従って小さくなる。タイヤスリップ角αfが更に増大し、x軸に平行な接線の傾きCfh3を示すタイヤスリップ角αfを超えると接線の傾きCfhは負となり、コーナリングフォースCfが減少する。従って、傾きCfh3を示すタイヤスリップ角αfが限界値ということになる。この場合は、単にコーナリングフォースCfの減少による旋回運動能力の減少に留まらず、コーナリングフォースCfが減少した後、コーナリングフォースCfを元の値に復帰させると所謂リバースステアとなることがあり、車両が不安定状態になる。従って、このときのタイヤスリップ角(即ち、限界)以上にステアリングホイールSWを操舵することを回避すべきである。
【0029】
而して、タイヤ限界判定手段TLにおいてはコーナリングフォースCfの減少を判定することによってタイヤスリップ角αfの限界が判定される。具体的には、タイヤスリップ角−コーナリングフォース特性の接線の傾きCfhが所定値Kh(例えば、0)未満の状態が所定時間Kt(例えば、100msec)以上継続した場合には、そのときのコーナリングフォースCfが最大コーナリングフォースCfmax とされ、警報装置WRが駆動されると共に、タイヤ角制限係数Ksが例えば0.05とされ、操舵方向の作動が抑制される。これ以外の通常時にはタイヤ角制限係数Ksは0とされ、警報装置WRは駆動されない。
【0030】
操舵制御手段SCは、ステアリングホイールSWの操舵作動に応じてタイヤFR,FLを駆動制御するアクチュエータACに対し、前後車体速Vxに応じてタイヤFR,FLの転舵量(タイヤ角δf)を制御するように構成されている。このとき、タイヤスリップ角の限界内であれば通常の操舵制御が行なわれるが、その限界を超えるときには、これを抑制するようにギヤ比またはタイヤトルクが調整される。具体的には、タイヤ角制御によって操舵制御が行なわれる場合には、前後車体速Vxに応じたギヤ比Grの特性に対し、コーナリングフォースCfが最大コーナリングフォースCfmax を下回った値にタイヤ角制限係数Ksを乗じた値(|Cfmax −Cf|・Ks)が加算され、ギヤ比Grが大きくなるように設定される。これにより、操舵方向の作動が抑制され、運転者がステアリングホイールSWの操舵量を多くしてもタイヤ角δfが増加しないように制御される。また、トルク制御によって操舵制御が行なわれる場合には、前後車体速Vxに応じたタイヤトルクTqの特性に対し、コーナリングフォースCfが最大コーナリングフォースCfmax を下回った値にタイヤ角制限係数Ksを乗じた値(|Cfmax −Cf|・Ks)が減算されるように設定される。これにより、操舵方向のタイヤトルクが抑制され、運転者はステアリングホイールSWの操舵量を多くすることが困難となるので、緩やかな操舵作動となる。
【0031】
図3は本実施形態における操舵制御の処理を示すもので、ステップ501において各種データが初期化され、ステップ502にて、前後左右対地速度センサVS、前後左右加速度センサGS、ヨーレイトセンサYW、タイヤ角センサS1等の検出信号が読み込まれる。次に、ステップ503,504において、コーナリングフォースCf、タイヤスリップ角αfが演算されるが、これらについては図4及び図5を参照して以下に説明する。図4において、先ずステップ201にて車両の前後車体速Vxの正負が判定され、車両が前進しており正(Vx>0)の値となっておればステップ202に進み、車体スリップ角β (rad) がβ= arctan (Vy/Vx)として求められ、前後車体速Vxが0又は負、即ち車両が停止又は後退しているときにはステップ203に進み、β=0とされる。而して、ステップ204に示す式に基づいてコーナリングフォースCfが演算される。また、図5においては、ステップ301に車両の前後車体速Vxの正負が判定され、正(Vx>0)の値となっておればステップ302に進み、タイヤスリップ角αfがαf=δf−{ arctan (Vy/Vx)−Lf・γ/Vx}として演算され、前後車体速Vxが0又は負、即ち車両が停止又は後退しているときにはステップ303に進み、αf=0とされる。このタイヤスリップ角αfとステップ503にて演算されたコーナリングフォースCfに基づき、ステップ505にてコーナリングフォースCfの減少が判定され、タイヤスリップ角αfの限界が判定されるが、これについては図6を参照して後述する。而して、ステップ506に進み、ステアリングホイールSWの操舵作動に応じてタイヤFR,FLのタイヤ角δfが制御され、タイヤスリップ角αfの限界内であれば通常の操舵制御が行なわれる。コーナリングフォースCfが減少しているときには、前述のようにギヤ比またはタイヤトルクが調整される。
【0032】
図6は、ステップ505のタイヤ限界判定の処理を示すもので、先ずステップ601において、ステップ503にて演算されたコーナリングフォースCfの履歴演算が行なわれる。即ち、今回のコーナリングフォースCf(n) と前回のコーナリングフォースCf(n-1) の差〔Cf(n) −Cf(n-1) 〕と今回のタイヤスリップ角αf(n) と前回のタイヤスリップ角αf(n-1) の差〔αf(n) −αf(n-1) 〕との比、即ちタイヤスリップ角−コーナリングフォース特性の接線の傾きCfhが演算される。この傾きCfhが所定値Kh以上であれば、ステップ603に進みタイマの値Tmがクリア(0)されるが、傾きCfhが所定値Khを下回っている場合にはステップ604に進み、タイマの値Tmが所定時間Ktと比較される。
【0033】
ステップ604においてタイマの値Tmが所定時間Kt未満と判定された場合には、ステップ605にてタイマの値Tmがインクリメント(+1)された後ステップ606に進むが、所定時間Kt以上であればそのままステップ606に進む。ステップ606においては、タイマの値Tmが所定時間Ktと比較され、タイマの値Tmが所定時間Kt以上であればステップ607に進み、判定フラグFsがリセット(0)状態か否かが判定される。尚、この判定フラグFsはステップ608乃至611の処理を1回のみに限定するために設けられている。
【0034】
而して、ステップ607において判定フラグFsがリセット(0)状態と判定された場合には(即ち、以下の処理が初めてであれば)、ステップ608乃至611に進み、判定フラグFsがセット(1)され、音声出力指令フラグFeがセット(1)され、タイヤ角制限係数Ksが0.05に設定され、そのときのコーナリングフォースCfが最大コーナリングフォースCfmax とされる。これにより、警報装置WRが作動すると共に、操舵制御用のアクチュエータACに対しタイヤ角δfが制限され操舵方向の作動が抑制される。一方、ステップ606においてタイマの値Tmが所定時間Kt未満と判定された場合にはステップ612乃至614に進み、判定フラグFsがリセット(0)され、音声出力指令フラグFeがリセット(0)され、タイヤ角制限係数Ksが0に設定されて、メインルーチンに戻る。
【0035】
以上のように、上記の実施形態によれば、ステアリングホイールSWによる操舵時にタイヤスリップ角αfの限界を確実且つ適切に判定することができるので、判定結果に応じて安定した状態で操舵することができると共に、適切に警報を行なうことができる。例えば、ステアリングホイールSWの操舵量が過大であると元の位置に戻す迄に無駄な時間を要し、車両を適正な姿勢に修正することが困難となるが、上記の実施形態によればこれを防止し得ると共に、迅速な操舵制御が可能となるので、車両の安定性が向上する。しかも、アクチュエータACの応答性を必要以上に上げる必要はないので、操舵装置全体としての小型、軽量化が可能となり、コストダウンも可能となる。尚、前述の操舵制御手段SCを有しない通常の操舵装置においても、前述のようにタイヤスリップ角αfの限界を判定し得るように構成すれば、判定結果に応じて適切に警報を行なうことができるので、運転者が適切に対応することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下に記載の効果を奏する。即ち、請求項1に記載の車両の操舵装置においては、操向タイヤのタイヤスリップ角を演算すると共に、コーナリングフォースに基づきその履歴を演算し、これらの演算結果に基づき限界判定手段によりタイヤスリップ角の限界を判定するように構成されているので、容易且つ確実にタイヤスリップ角の限界を判定することができ、その判定結果に応じて操舵制御を的確に補正し、安定した状態で操舵することができる。あるいは、判定結果に応じて適切に警報を行ない、操舵時に車両が不安定となることを防止することができる。
【0039】
更に、請求項2に記載のように、走行状態検出手段の検出結果に応じて操向タイヤの転舵量を設定すると共に、限界判定手段の判定結果に応じて操向タイヤの転舵量を補正するように構成すれば、車両の走行状態及び路面状態に応じて適切に操舵制御を行ない、安定した状態で操舵することができる。
【0040】
特に、請求項3に記載のように、タイヤスリップ角の限界を操向タイヤが超えるときには、操向タイヤの転舵量を低減するように構成すれば、車両の安定化方向への操舵制御が確実に行なわれるので、安定した状態で操舵することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る操舵装置を含む車両全体を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における操舵制御の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるコーナリングフォースの演算処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態におけるタイヤスリップ角の演算処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態におけるタイヤ限界判定の処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態におけるタイヤスリップ角−コーナリングフォース特性を示すグラフである。
【符号の説明】
SW ステアリングホイール
AC アクチュエータ
FR,FL,RR,RL タイヤ
S1 タイヤ角センサ
YW ヨーレイトセンサ
VS 前後左右対地速度センサ
GS 前後左右加速度センサ
WR 警報装置
Claims (3)
- 車両のステアリングホイールの操舵量に応じて操向タイヤの転舵量を制御する操舵制御手段を備えた車両の操舵装置において、前記車両のヨーレイト、前後車体速 、左右車体速及び前輪のタイヤ角を検出する走行状態検出手段と、該走行状態検出手段の検出結果に基づき前記操向タイヤのタイヤスリップ角を演算するタイヤスリップ角演算手段と、前記車両に対するコーナリングフォースを演算するコーナリングフォース演算手段と、該コーナリングフォース演算手段が演算したコーナリングフォースに基づき該コーナリングフォースの履歴を演算する履歴演算手段と、該履歴演算手段の演算結果と前記タイヤスリップ角演算手段の演算結果に基づき前記タイヤスリップ角の限界を判定する限界判定手段とを備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
- 前記操舵制御手段を、前記走行状態検出手段の検出結果に応じて前記操向タイヤの転舵量を設定すると共に、前記限界判定手段の判定結果に応じて前記操向タイヤの転舵量を補正するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の操舵装置。
- 前記操舵制御手段を、前記限界判定手段が判定した前記タイヤスリップ角の限界を前記操向タイヤが超えるときには、前記操向タイヤの転舵量を低減するように構成したことを特徴とする請求項2記載の車両の操舵装置。
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