JP3897315B2 - 施解錠確認装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、錠前の最新の施解錠状態を鍵に表示でき、その鍵の表示を視認することにより、外出先でも住戸や自動車の施解錠状態を確認できる施解錠確認装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記した機能を有する所謂施解錠確認装置は、現在種々のものが提案されているが、例えば、特願平2−145163(特開平4−38382)によって提案された施解錠確認装置は、施解錠状態の表示の為に電池を用いる必要が無い、という点において着想が優れている。
【0003】
この施解錠確認装置は、半径方向に着磁された小さな円柱状の表示マグネットを鍵の摘み内に回転自在に装着し、一方、シリンダ錠の端面の表示マグネットの移動軌跡に沿って相互に着磁方向が異なるドライグマグネットを配設し、ドライグマグネットと表示マグネットが近接したときに両者の間に生じる磁気吸引力及び磁気反発力を利用して表示マグネットを反転させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、上記した施解錠確認装置は、表示マグネットの回転動力として磁気を利用しているため、ドライグマグネットと表示マグネットとの間の距離に敏感であり、両者間の距離が大きくなると表示マグネットの回転駆動力が急激に減少し、表示の信頼性が低下するという問題がある。
【0005】
また、鍵の長期使用によって部品が摩耗したり、表示マグネットを収容する空間に埃や水分が入り込むと、表示マグネットが円滑に回転しなくなり、施解錠確認機能が保持できなくなる事態も考えられる。
【0006】
更にまた、鍵による施解錠操作時、表示マグネットは鍵の摘み内において単に静かに回るだけなので、覗き窓内の表示を視認しない限り、ユーザーに対して何らの積極的な顕示を及ぼすことがない。
【0007】
従って、施解錠時施解錠確認装置が確実に動作したか否かの判断が容易に行えないという不安が残る。
【0008】
この発明は、上記した種々の不具合や使用上の不安を取り除き、長期間確実に作動し、施解錠時には装置の動作を積極的にユーザーに伝えられる機能をも合わせ持った施解錠確認装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外筒端面に突設された円筒状突起の内面にスパイラル状のカムを形成させたシリンダ錠と、鍵本体と摘みとを鍵本体の長さ方向に相対移動可能に嵌合させた鍵とを有し、上記摘みの前端に、鍵本体の巾方向に突出する少くとも1本のピンを植設し、施解錠時、ピンとカムとを係合させると共に、鍵の摘みを回すときカムの施錠時係合端縁又は解錠時係合端縁がピンに呈する反力の、鍵本体の長さ方向の分力により、鍵本体に対する摘みの相対位置を切替えることができるようにし、一方、摘みの一部に鍵本体と摘み部との相対位置を表示させる表示器を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、外筒端面に突設された円筒状突起の内面にスパイラル状のカムを形成させたシリンダ錠と、鍵本体と摘みとを鍵本体の長さ方向に相対移動可能に嵌合させた鍵とを有し、上記摘みの前端に、鍵本体の巾方向に突出する少くとも1本のピンを植設し、施解錠時、ピンとカムとを係合させると共に、鍵の摘みを回すときカムの施錠時係合端縁又は解錠時係合端縁がピンに呈する反力の、鍵本体の長さ方向の分力により、鍵本体に対する摘みの相対位置を切替えることができるようにし、一方、摘みの一部に鍵本体と摘み部との相対位置を表示させる表示器を設け、他方、摘み内に、摘みの前端面から鍵本体に沿って出没可能なトリガーカムを有し、常時はトリガーカムが摘みの前端面から突出して、鍵本体の摘みに対する長さ方向の相対移動が禁止され、施解錠時には、シリンダ錠の端面によりトリガーカムが摘み内に没入する方向に押されて上記の移動が許可されるロック装置を設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明について説明する。
ちなみに、現在使用されているシリンダ錠における鍵の操作態様は、勿論例外はあるが大別して2種類ある。
【0012】
そのうちの1つは、鍵本体のウオードを水平にして鍵孔に挿入し、時計方向或は反時計方向に90度回して施錠し、反時計方向或は時計方向に90度戻して鍵孔から抜き、解錠するときには、鍵孔に鍵本体を挿入後、反時計方向或は時計方向に90度回して解錠し、挿入角度位置に戻して鍵を抜く第1のタイプである。
【0013】
他の1つは、鍵本体のウオードを垂直にして鍵孔に挿入し、時計方向或は反時計方向に180度回して施錠し、そのままの状態で鍵孔から抜き、解錠するときには、鍵孔に鍵本体を挿入後、反時計方向或は時計方向に180度回して解錠し、そのままの状態で鍵を抜く第2のタイプである。
【0014】
この発明では、カムの形状を変えることにより、上記どちらのタイプのシリンダ錠にも適用可能であるが、便宜上、第1のタイプについて先に説明する。
【0015】
図1及び図2において、符号1は外筒を、符号2は内筒をそれぞれ示し、これら外筒1及び内筒2を有するシリンダ錠は、側端縁に鍵溝を刻設した鍵本体のウオードを水平にして鍵孔3に挿入し、例えば時計方向に90度回して(図において、符号Bから符号Cへの方向)施錠し、反時計方向に90度戻して(図において、符号Cから符号Bへの方向)鍵を引き抜くように操作するものとする。
【0016】
上記外筒1の外端面には、円筒状突起4が形成されており、その内径は後述の鍵の摘み8の前端部の幅寸法W(図5参照)よりも大きくなっていて、内径面にはスパイラル状のカム5が形成されている。
【0017】
円筒状突起4の外周は、外見上の体裁を良くするためと、衣服等が触れた場合に引掛からないようにテーパがつけられている。
【0018】
図3は、カム5の展開図を示し、図1における符号Aの角度位置、換言すれば時計盤面に換算して12時の角度位置において円筒状突起4をその母線に沿って切断して展開し、これを内側から見た図である。
【0019】
図3において斜線でハッチングした部分は、所定の角度間隔を保って配設された施錠時係合端縁5b及び解錠時係合端縁5cに区画されたカム溝5aとして、円筒状突起の内表面よりも深くなった部分であり、ハッチングされていない部分は、円筒状突起の内表面を示している。
【0020】
尚、図3において、向かって下側(手前側)は円筒状突起の外端を示し、上側(奥側)は円筒状突起の基端(シリンダ錠側)を示している。
【0021】
図3から明らかなように、カム5は施錠時係合端縁5bと解錠時係合端縁5cとを所定の角度間隔で形成した2重の右ねじ形状となっていて、符号Bから符号Cに向かう時計方向に向かって、手前側から奥側へと進むように形成されている。
【0022】
また、カム溝5aの手前側は環堤部が形成されていて正面からは直接カム溝5aを見ることはできないが、この環堤部は図1でB及びDの角度位置において切り欠かれており、後述するピン10(図5参照)の入口5dとなっている。
【0023】
一方、図4及び図5は鍵6を示し、この鍵6は側端縁に鍵溝を形成したり、或いは磁石を埋め込んだ鍵本体7と摘み8とから構成されている。図示の実施例では、この鍵本体7は段付の断面矩形の杆体である。
【0024】
また、摘み8は例えば合成樹脂等の非磁性材質の厚板で、全体の形状が凸字形であり、その中央部には、鍵本体7の基部と摺動可能に嵌合する角孔9が貫通している。
【0025】
更にまた、摘み8の前端部には、鍵本体7の巾方向に突出する一対のピン10、10が植設されている。なお、このピンが植設されている摘みの前端部の幅Wは、円筒状突起4の内径より小さく、この摘みの前端部は円筒状突起4の内側に入り込むことができる。
【0026】
このピン10は1本でも差支えはないが、後述するカムとの係合操作を考慮すると、力のバランス上2本の方が好適である。
【0027】
加えて、摘み8には、クリック装置11が設けられている。
【0028】
このクリック装置11は、上記角孔9に直交する付番しないクリックボール孔に収納されたクリックボール12と、このクリックボール12を内方に付勢するクリックばね13と、クリックばね13の反力を担持すると共に、クリックボール孔の開口を閉塞する止めねじ14とから構成されている。
【0029】
上記したクリック装置11に対応して、鍵本体7の基部側端縁に2つのV形溝15a、15bが鍵本体7の長さ方向に沿って形成され、クリックボール12はこれらのV形溝15a、15bのどちらかに選択的に係合する。
【0030】
他方、摘み8の表面の一部が例えば矩形に切欠かれて表示窓16が形成されており、この表示窓16を通じて、鍵本体の後部側面に画かれたマーク17a、17bのどちらかが覗けるようになっている。
【0031】
しかして、V形溝15とマーク17との関係は、V形溝15aがボール12と係合するとき、マーク17aが表示窓16に合致し、V形溝15bがボール12と係合するとき、マーク17bが表示窓16に合致するようになっている。
【0032】
次に、この発明の施解錠確認装置の作動について説明する。
図5において、鍵6は解錠が行われた直後の状態を示し、鍵本体7は摘み8から引張り出された状態になっている。すなわち、マーク17bが表示窓16に合致している。
【0033】
この場合、マーク17bが解錠状態を表示するものとし、この状態の鍵を、鍵孔3に挿入すると、ピン10、10は夫々入口5d、5dを通って円筒状突起4の内面のカム溝5aに係合し、ピン10は、図3で入口5dに近いαの位置にある。
【0034】
同時に、鍵によってシリンダ錠の全タンブラーがシアライン上に揃えられ、内筒2が回動可能となる。
【0035】
この状態で鍵6を時計方向に回すと、ピン10は図3において左方に押動されるので、施錠時係合端縁5bとの間に生じる楔作用により、ピン10は奥の方、すなわちシリンダ錠に近接する方向の分力を受ける。
【0036】
内筒の回動中は、鍵本体7は内筒2に拘束されるから、相対的に摘み8がシリンダ錠の方向へ移動する。換言すれば、鍵本体7が相対的に摘み8内に没入する。
【0037】
したがって、鍵を90度回してピン10が図3のβの位置に至ると、V形溝15aがボール12と係合するとともに、マーク17aが表示窓16に合致する。
【0038】
次に、鍵を反時計方向に90度回して、元の位置に戻す。このとき、ピン10は図3においてβの位置からγの位置にまで水平に移動するだけで外力を受けないので、摘みは施錠時の状態を保持したままである。
【0039】
この摘みの状態、すなわち、表示窓16にマーク17aが合致している状態が施錠状態を示す。
【0040】
解錠の場合には、鍵を鍵孔に挿入すると、ピン10は図3のγの位置に来る。それは、施錠後鍵本体7が摘み8内に没入し、ピン10は相対的に鍵本体の先端に近接するからである。
【0041】
この状態で、鍵を反時計方向に90度回して解錠する。
すると、ピン10は、図3のγの位置から右方に押動させるので、解錠時係合端縁5cとの間に生じる楔作用により、手前のほうに押動される分力を受け、図3でγからδの位置に移動する。
【0042】
このとき鍵本体7は内筒に拘束されて動けないので、摘み8が相対的に手前側に引張り出され、図5に示す位置にまで復帰する。
【0043】
この状態で鍵を時計方向に90度回して元の位置に戻し鍵6を鍵孔から抜き去る。このとき、ピン10は図3においてδの位置からαの位置にまで水平に移動するだけで外力は受けないから、図5に示す解錠の表示は変らない。
【0044】
そこで、マーク17aと17bに夫々施錠と解錠が容易に認識できるような表示をさせておけば、鍵を外した状況にあっても、鍵を見るだけで錠前の最新の施解錠状態を確認できる。
【0045】
表示としては、例えば、マーク17aを青色に着色し、マーク17bを赤色に着色したり、マーク17aを閉と記入し、マーク17bを開と記入してもよい。
【0046】
次に、第2のタイプのシリンダ錠に本発明を適用した実施例について、説明する。
【0047】
図6において、外筒1及び内筒2を有するシリンダ錠は、鍵本体のウオードを垂直にして鍵孔3に挿入し、例えば時計方向に180度回して施錠し、そのまま引き抜く。
【0048】
解錠する場合には、同じく鍵本体のウオードを垂直にして鍵孔3に挿入し、反時計方向に180度回して解錠し、解錠角度位置でそのまま引抜く。
【0049】
外筒1の外端面には、円筒状突起4が形成されており、内径面にはスパイラル状のカム5が形成されている点は、第1のタイプのシリンダ錠の場合と同様である。
【0050】
図7は、カム5の展開図を示し、図6における符号Aの位置において、円筒状突起を切開き、これを内側から見た図である。
【0051】
図において、斜線でハッチングした部分は、前記した図3に示すカムと同様に施錠時係合端縁5b及び解錠時係合端縁5cに区画されたカム溝5aとして、円筒状突起の内表面よりも深くなった部分であり、ハッチングされていない部分は、円筒状突起の内表面を示している。
【0052】
しかして、溝5aの巾は、摘み8の先端に突設されたピン10の外径よりもやや大きい寸法となっている。
【0053】
この図から判るように、カムは2重の右ねじ形状となっており、確動カムを構成している。
【0054】
一方、鍵6の構造は、第1のタイプのシリンダ錠の場合と同じであるが、鍵本体7に刻設された鍵溝形状は、第2のタイプのシリンダ錠に対応したものであることは言う迄もない。
【0055】
図5に示す解錠状態を示す鍵6を鍵孔3に挿入すると、ピン10は図7でαの位置に来る。
【0056】
この状態で鍵を時計方向に180度回して施錠すると、ピン10は図7で左方に押動され、施錠時係合端縁5bがピン10に呈する反力の図7で上向きの分力により、ピン10は奥のほうへ押されてβの位置に至り、相対的に摘み8がシリンダ錠の方向へ移動する。
【0057】
よって、V形溝15aがボール12と係合するとともに、マーク17aが表示窓16に合致する。ここで鍵を引き抜くと、ピン10は図7でβの位置から下方に移動し、入口5dから抜け出る。
【0058】
解錠するときには、同様にして鍵を挿入後、反時計方向に180度回して解錠し、その解錠角度位置で鍵6鍵孔から引き抜く。
【0059】
解錠の為鍵を鍵孔に挿入したとき、摘み8は鍵本体7の先端に近接する方向に移動しているから、ピン10は図7のβの位置に最初から入り込む。
【0060】
この状態で鍵を反時計方向に回動すると、ピン10は図7でβの位置から右方に押動され、その結果上記とは反対にαの位置に戻る。
【0061】
その結果、V形溝15aがボール12と係合するとともに、マーク17bが表示窓16に合致し、図5に示された元の位置に戻る。
【0062】
マーク17a、17bが表示窓を通して、施解錠状態を表示させる機能については、第1のタイプのシリンダ錠の場合と同様であるから、更に詳細な説明は省略する。
【0063】
尚、この実施例においては、施解錠状態を表示させる手段として、表示窓及び鍵本体の側面に印されたマークを使用しているが、鍵本体と摘みの相対的位置変化を表示できるものであれば、他の方法を使用しても差し支えない。
【0064】
図示してはいないが、例えば、鍵本体の後端面に突起を突設し、この突起が摘みの後端面よりも外方へ突出していれば施錠状態を示し、突起が摘みの後端面と面一或は引込んでいれば解錠状態を示すといった方法も考えられる。
【0065】
又、この実施例では、摘みの先端にピンを2本突設しているが、機能的には1本でも差し支えない。
【0066】
しかし、ピンとカムとの相互作用により、鍵本体と摘みとの相対位置が変化するように構成されているので、ピンが1本であると、ピンとカムとの相互作用が片側に偏心するので、鍵の左右の動きが均等にならず、スムースな摺動の妨げとなることが考えられるので、ピンは2本の方がベターである。
【0067】
次に、請求項2に記載の発明について説明する。
【0068】
請求項2に記載の発明は、施解錠確認の機構そのものについては請求項1に記載の発明と本質的に変ったところはないが、鍵の携帯時における施解錠状態を確実に保持するためのロック装置を付設した点が異なっている。
【0069】
次に、このロック装置20について、図8乃至図14を参照して更に詳細に説明する。
【0070】
なお、図8は鍵の携帯時における鍵6の平面図を示しており、クリック装置11のクリックボール12はV形溝15bに係合している。すなわち、前述した実施例のとおり、鍵本体7は摘み8から引張り出された状態になっていて、最新の解錠状態を示している。
【0071】
上記ロック装置20は、図8及び図10に示すように、鍵本体7の厚み方向に延在するロックピン22を植設したスライドプレート21と、このスライドプレートを鍵本体7に押し付ける方向に付勢するロックばね23と、ロックばね23の反力を担持すると共に、摘み8の開口を閉塞する止めねじ24と、上記スライドプレート21を制御するトリガーカム18とから構成されている。
【0072】
上記のロック装置20に対応して、鍵本体のV形溝15a、15bとは反対側の側端縁には、ロックピン22の直径よりもわずかに大きい幅の2つの角形溝19a、19bが形成されており、角形溝間の間隔はV形溝5a、5bの間隔と等しく設定されている。
【0073】
一方、摘み8内には、鍵本体7に沿って長さ方向に移動可能なトリガーカム18が設けられている。このトリガーカム18の形状を図11に例示する。
【0074】
トリガーカム18は、両側端縁を摘み8内に形成された溝に摺接させつつその長さ方向に沿って移動可能に案内されており、図11における上方の端縁18dは鍵本体7の角形溝19a、19bを形成した側端縁と面一になるように配設される。
【0075】
或いは、このトリガーカムの上方の端縁18dは、図8において鍵本体7の角型溝を形成した側端縁よりやや上方に位置するようにしてもよい。要するに、トリガーカム18の移動時、ロックピン22を角型溝19から完全に引き抜くことができればよい。
【0076】
トリガーカムの先端18aは、鍵の携帯時は、図8に示すように摘み8の前端面より突出しており、また、側端縁18dの後方に形成された斜面状のカム面18b(図11参照)はロックピン22の直前位置になるように各部の寸法が設定されている。
【0077】
更に、トリガーカム18の後端面18cは、摘み8内のピン26に支持されたリーフばね25により前方に向かって付勢されている。
【0078】
上記のように構成されたロック装置20は、図8に示す状態において、ロックピン22は鍵本体7の先端から遠い方の角形溝19bに係合しており、従って鍵本体7と摘み8との相対移動は禁止され、例え鍵を落としても、又はポケットの中で長さ方向の外力を受けても、鍵本体7と摘み8との相対位置は変らない。
【0079】
一方、施解錠の為鍵6を円筒状突起4を有するシリンダー錠の鍵孔に挿入すると図12に示すようになる。
【0080】
すなわち、鍵6をシリンダ錠の鍵孔に差込むと、トリガーカム18の先端18aはリーフばね25の弾力に抗してシリンダー錠の外端面により後方(図において右方向)に押動され、その移動過程において、カム面18bがロックピンを押動する力の上方への分力によりスライドプレート21のロックピン22は外方(図において上方)に押し上げられる。
【0081】
その結果、ロックピン22と角形溝19bとの係合が解かれ、鍵本体7と摘み8との相対移動が可能となる。
【0082】
ここで鍵を施錠方向に回すと、請求項1に記載の発明の説明において記述したように、鍵本体は摘みに対して引込んだ状態となり、図13に示すように鍵本体7の後端は摘み8の後端面より外方に突出する。
【0083】
同時に、ロックピン22は鍵本体7の長さ方向において角形溝19aと整合するに至る。
【0084】
次に、この状態のまま鍵をシリンダー錠から引抜くと、トリガーカム18はリーフばね25の弾力により前方に移動し、ロックピン22はロックばね23の弾力により角形溝19aの中に入り込み、鍵本体と摘みとの相互移動を禁止する。
【0085】
この結果、図14で示したように、鍵本体の後端が摘みの後端面より突出した状態でロックされる。
【0086】
上記したように、第2の実施例では、鍵本体の後端が摘みの後端面と面一或いは引込んでいわば解錠状態を示し、逆に突出していれば施錠状態を示している。
【0087】
従って、暗い場所においても摘みの後端面を指先で触れるだけで、鍵本体の後端と摘みの後端面との位置関係が判り、施解錠状態を確認することができるので、特に高齢者や視覚障害者にとっては利用し易いという利点がある。
【0088】
なお、図示の実施例において鍵本体7の後端が摘み8の後端から突出した状態を施錠状態に対応させたのは、扉の自由側端縁からデッドボルトが突出した施錠状態を連想させんが為であって、別に深い意味はない。
【0089】
また、鍵の携帯時においては、鍵本体と摘みとは相互に移動不可能にロックされているため、不用意に鍵を床面に落としたり、或いは、指先で鍵本体と摘みとの間に力を加えても、鍵本体の位置は動くことなく、常に正確な施解錠状態を保持できる。
【0090】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の施解錠確認装置は、磁石等を使用せず、鍵を施解錠するときに行われる鍵の回動作用を、機械的に鍵本体と摘みの相対位置の変化に変換するものであるから、確実に作動し、信頼性が非常に高い。
【0091】
又、鍵本体が摘みに対して相対位置の変化を起こすとき、この作用がクリック装置11を作動させるので、音を発生するとともに、摘みを握った指先に衝撃力を感じさせるので、確実に施解錠装置が働いたことがユーザーに容易に感知できるという効果をも奏する。
【0092】
なお、円筒状突起の突出量は、図3の環堤部の厚さを1mm、ピンの径を2mm、マークの移動量を3mmとすれば、合計6mm程度の小さなものにすることができ、シリンダー錠側に大きな寸法の変更を強いる必要が無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による施解錠確認装置を備えた、第1のタイプのシリンダ錠の正面図。
【図2】この発明の一実施例による施解錠確認装置を備えた第1のタイプのシリンダ錠の側面図。
【図3】第1のタイプのシリンダ錠の場合のカムの展開図。
【図4】この発明の一実施例による施解錠確認装置を備えた鍵の側面図。
【図5】この発明の一実施例による施解錠確認装置を備えた鍵の正面図。
【図6】この発明の一実施例による施解錠確認装置を備えた第2のタイプのシリンダ錠の正面図。
【図7】第2のタイプのシリンダ錠の場合のカムの展開図。
【図8】この発明の第2の実施例による施解錠確認装置を備えた鍵の正面図。
【図9】この発明の第2の実施例による施解錠確認装置を備えた鍵の側面図。
【図10】図8の矢印X−Xで切断した断面図。
【図11】トリガーカムの平面図。
【図12】第2の実施例における解錠状態を表示した鍵をシリンダー錠に挿入したときの説明図。
【図13】図12の状態から鍵を施錠した直後の状態を示す説明図。
【図14】図13の状態から鍵をシリンダー錠から引抜いた状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 外筒
2 内筒
3 鍵孔
4 円筒状突起
5 カム
5a カム溝
5b 施錠時係合端縁
5c 解錠時係合端縁
6 鍵
7 鍵本体
8 摘み
9 角孔
10 ピン
16 表示窓
17a マーク
17b マーク
18 トリガーカム
19a 角形溝
19b 角形溝
20 ロック装置
21 スライドプレート
22 ロックピン
23 ロックばね
24 止めねじ
25 リーフばね
26 ピン
Claims (2)
- 外筒端面に突設された円筒状突起の内面にスパイラル状のカムを形成させたシリンダ錠と、鍵本体と摘みとを鍵本体の長さ方向に相対移動可能に嵌合させた鍵とを有し、上記摘みの前端に、鍵本体の巾方向に突出する少くとも1本のピンを植設し、施解錠時、ピンとカムとを係合させると共に、鍵の摘みを回すときカムの施錠時係合端縁又は解錠時係合端縁がピンに呈する反力の、鍵本体の長さ方向の分力により、鍵本体に対する摘みの相対位置を切替えることができるようにし、一方、摘みの一部に鍵本体と摘み部との相対位置を表示させる表示器を設けたことを特徴とする施解錠確認装置。
- 外筒端面に突設された円筒状突起の内面にスパイラル状のカムを形成させたシリンダ錠と、鍵本体と摘みとを鍵本体の長さ方向に相対移動可能に嵌合させた鍵とを有し、上記摘みの前端に、鍵本体の巾方向に突出する少くとも1本のピンを植設し、施解錠時、ピンとカムとを係合させると共に、鍵の摘みを回すときカムの施錠時係合端縁又は解錠時係合端縁がピンに呈する反力の、鍵本体の長さ方向の分力により、鍵本体に対する摘みの相対位置を切替えることができるようにし、一方、摘みの一部に鍵本体と摘み部との相対位置を表示させる表示器を設け、他方、摘み内に、摘みの前端面から鍵本体に沿って出没可能なトリガーカムを有し、常時はトリガーカムが摘みの前端面から突出して、鍵本体の摘みに対する長さ方向の相対移動が禁止され、施解錠時には、シリンダ錠の端面によりトリガーカムが摘み内に没入する方向に押されて上記の移動が許可されるロック装置を設けたことを特徴とする施解錠確認装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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