JP3894771B2 - 圧電共振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電発振子や圧電フィルタなどに用いられる圧電共振装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、圧電発振子や帯域フィルタなどには、エネルギー閉じ込め型の圧電共振子が広く用いられている。
【0003】
図9は、従来の厚み滑り振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子を示す斜視図である。この圧電共振子1は、矩形板状の圧電セラミック基板2を有しており、圧電セラミック基板2は、長さ方向の一方端面2aから他方端面2b側に向かって分極処理されている(分極方向を矢印Pで示す)。圧電セラミック基板2の上面2c上には共振電極3が、下面2d上には共振電極4が形成されている。
【0004】
共振電極3は、端面2b側から中央部に向かって延設され、共振電極4は、端面2aから中央部に向かって延設されており、共振電極3、4は、圧電セラミック基板2の中央部において、圧電セラミック基板2を介して表裏対向しており、この部分が振動部とされている。
【0005】
このような圧電共振子1では、共振電極3、4に交流電圧を印加することにより、共振電極3、4が重なり合っている領域、すなわち振動部が厚み滑り振動モードで励振される。この場合、振動のエネルギーは、共振電極3、4が重なり合っている振動部に閉じ込められ、端面2a、2b側にはあまり漏洩しないため、圧電共振子1は、厚み滑り振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子として機能する。従って、端面2a、2b近傍を機械的に保持することにより、ケース基板や回路基板等に固定することができる。
【0006】
このようなエネルギー閉じ込め型の圧電共振子1では、振動のエネルギーは振動部に良好に閉じ込められることが必要である。さもないと、端面2a、2b側の部分を機械的に保持した場合に振動が阻害され、所望の共振特性を得ることができない。
【0007】
圧電共振子1において、振動エネルギーを良好に閉じ込めるには、圧電セラミック基板2の長さLを長くする必要がある。また、圧電共振子1の共振周波数は、振動部の厚み、即ち圧電セラミック基板2の厚さTに依存する。例えば、共振周波数が4MHzの圧電共振子1を得ようとした場合、圧電セラミック基板2の厚さTは0.3mm程度となり、2MHzの圧電共振子1を得ようとした場合には厚さTは0.6mmとなる。
【0008】
ところが、振動エネルギーを振動部に確実に閉じ込めるには、圧電セラミック基板2の厚さTが大きくなるにつれ、圧電セラミック基板2の長さLを長くしなければならない。例えば、4MHzのときには、厚さTは0.3mmであるが、この場合共振エネルギーを振動部に確実に閉じ込めるには、長さLを5mm程度としなければならず、また2MHzの場合には厚さTは0.6mmとなるが、この場合には長さLを10mm程度まで長くしなければならなかった。
【0009】
その結果、厚み滑り振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子1では、共振周波数が低いものほど、圧電セラミック基板2の厚さT、長さLが大きくならざるを得なかった。従って、従来の厚み滑り振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子1を用いて、4MHz以下の比較的低い共振周波領域で用いられるチップ型圧電共振部品を構成した場合、部品全体の寸法も大きくならざるを得なかった。
【0010】
従来、エネルギー閉じ込め効率を高め、かつ全体の寸法を小型化する為に圧電共振子端部にベベル加工を施したり、圧電共振子に溝を形成することが提案されている。
【0011】
例えば、特開2000−269774号公報には、端部にベベル加工を施した圧電共振子が開示されている。この公報に開示された圧電共振子を図10に示す。この圧電共振子21は、厚み滑り振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子であり、圧電基板22は圧電セラミックスにより構成されており、圧電基板22の長さ方向(図示の矢印P方向)に分極処理されている。
【0012】
圧電基板22の上面22aにおいては、圧電基板22の長さ方向両端部近傍において、ベベル加工によりベベル面22c、22dが形成されており、圧電基板22の中央部から長さ方向端部側に向かうにつれて圧電基板22の厚みが薄くなるように傾斜面が形成されている。
【0013】
他方、圧電基板22の上面22aの中央部には、第1の振動電極23が形成され、圧電基板22の下面22bの中央には、第2の振動電極24が形成されており、第1、第2の振動電極23、24は、圧電基板22の長さ方向中央部において圧電基板22を介して表裏対向するように形成されている。この振動電極23、24の表裏対向している部分が振動部とされている。
【0014】
このような圧電素子21では、圧電基板22の長さ方向両端部に向かうにつれて厚みが小さくなるようにベベル面22c、22dが形成されており、エネルギーの閉じ込め性を高めており、更に、長さモードや輪郭モードに起因するスプリアスを抑制することができるとされている。
【0015】
また、特開平7−147527号公報には、溝を形成することによって厚み滑り振動モードのエネルギー閉じ込め効率を向上した圧電共振子が開示されている。図11は、この公報に記載された圧電共振子31を示すもので、この圧電共振子31は、矩形板状の圧電セラミック基板32を用いて構成されており、この圧電セラミック基板32は、図の矢印P方向に分極軸が揃うように分極処理されている。
【0016】
圧電セラミック基板32の上面32aにおいては、端面32cから長さ方向中央部に向けて共振電極33が形成され、同様に、圧電セラミック基板32の下面32b上では、端面32d側から中央部に向けて共振電極34が形成されている。
【0017】
また、圧電セラミック基板32の上面32aには幅方向に延びる溝35が、下面32b上にも幅方向に延びる溝36が形成されている。そして、溝35と溝36とで挟まれた圧電セラミック基板部分において、上下の共振電極33、34が圧電セラミック基板32を介して対向し、振動部が形成されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
図10に示した厚み滑り振動を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子では、圧電基板22にベベル面22c、22dを形成することにより、長さ振動モードに起因するスプリアスを抑制し得るが、長さ振動モードに起因するスプリアスを抑制するために圧電基板22の長さ方向両端部に所定の寸法形状のベベル面22c、22dを形成することは、技術的にも難しく、また、特殊な加工プロセス・加工装置が必要であり、新たな設備投資を行う必要があり、圧電共振子が高価になるという問題があった。
【0019】
この圧電共振子の製造する方法として、特開2001-38590号公報には、ベベル加工を施した共振子の製造方法及び製造装置が開示されているが、共振子の長さ寸法が短冊の幅となるような細長い短冊状のウェハー(圧電基板22の成形体が一列に並んだもの)を作製し、片方ずつベベル面を形成する必要がある為に、従来のように、圧電基板の成形体が複数の行と列で形成されたマザー成形体を加工する場合よりも量産性が低く、共振子のコストが高くなる。
【0020】
さらに、ベベル面の加工は上記したように特殊な加工技術で行い、加工も困難であるため、左右のベベル面を等しく加工することは困難であり、ベベル面が不均一である場合には圧電共振子が非対称となり、帯域内にスプリアスが発生し易いという問題があった。このため、製造歩留まりが低下するという問題がある。
【0021】
また、図11に示した圧電共振子では、圧電セラミック基板32に溝35、36を形成することは、上記したベベル加工よりも安価な工程で加工でき、圧電共振子を安価に製造できる。
【0022】
しかしながら、交差電極部(振動部)の外側に溝35、36を形成する構造では、後述するように、長さ振動モードに起因するスプリアスを効果的に抑制することはできない。さらに、長さ振動モードに起因するスプリアスの周波数は、溝35、36を形成した方が、溝35、36を形成しない場合に比べて、低周波側へシフトする為に、溝35、36を形成した場合、共振周波数よりも高周波側に存在していたスプリアスが、厚み滑り振動モードの反共振周波数の極近傍、或いは共振周波数と反共振周波数の間に発生するという問題があった。
【0023】
このように、スプリアスが反共振周波数の極近傍に発生すると、反共振抵抗が小さくなり、発振特性が劣化してしまうという問題となる。また、スプリアスが共振周波数と反共振周波数の間に発生した場合も同様に、発振特性が劣化したり、温度特性などの劣化の原因となったりする。
【0024】
本発明は、安価な加工プロセスによって、エネルギー閉じ込め効率が良く、スプリアスを制御できる圧電共振装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電共振装置は、矩形状の圧電基板の両主面にそれぞれ振動電極を対向するように形成してなり、対向する振動電極間の圧電基板が振動部とされているとともに、前記振動電極が前記圧電基板の長さ方向両端部までそれぞれ引き出されている圧電共振子と、該圧電共振子の両端部が接合されるケース基板と、前記圧電共振子に被せられた金属製蓋とを具備してなる圧電共振装置であって、前記圧電基板の長さ方向両端部に、前記圧電基板の振動電極形成面と平行な面を有し、前記圧電基板の長さ方向両端部の厚みが前記振動部の厚みよりも薄いステップ部を、前記圧電基板の一方側主面のみに形成するとともに、前記振動部の厚みをT、ステップ部の厚みをT’とした時、T’/Tが0.9以下であり、かつ前記ステップ部が形成されていない前記圧電基板の他方側主面が前記ケース基板側となるように、前記圧電共振子が前記ケース基板に配置されており、前記圧電基板の両端部の前記ステップ部上まで塗布された導電性接着剤により前記圧電共振子が前記ケース基板に接合されているものである。
【0026】
本発明の圧電共振装置では、圧電基板の長さ方向両端部に、厚みが振動部の厚みよりも薄いステップ部を形成したので、厚み滑り振動モードで作動させた場合、エネルギー閉じ込め効率を向上でき、スプリアスを制御できるとともに、ステップ部は安価な加工プロセスによって形成できるため、低コスト化を図ることができる。
【0028】
従来の図10及び図11の厚み滑り振動を利用した圧電共振子は、その両端部に導電性接着剤等を塗布し、ケース基板や回路基板へ接着固定していたが、低周波の圧電共振子の場合は圧電セラミック基板の厚さTが厚くなり、安定に導電性接着剤で保持できないといった問題も生じていた。
【0029】
即ち、低周波領域で用いられる厚み滑り振動を利用した圧電共振子では、厚みが大きく、導電性接着剤の塗布量が少ないと充分な保持強度が得られず、衝撃によって接着剤が剥がれ導通不良の原因となる。また、確実に接合しようとして、共振子上面にも接着剤を塗布した場合、接着剤が高くなり、圧電共振子を保護するための金属製のケースに接触してしまうといった問題が生じていた。金属製のケースとの接触を避けようとすると、大型化するという問題があった。
【0030】
これに対して、本発明では、ステップ部が形成されていない圧電基板の他方側主面をケース基板に配置し、導電性接着剤で接合することができ、ケース基板側の面が平坦であるため、安定してケース基板に固定できるとともに、圧電基板の一方側主面の両端部は中央部よりも低いため、導電性接着剤で圧電共振子の両端部をケース基板に接合する場合には、圧電基板の両端部上面まで導電性接着剤を塗布して接合できるためケース基板への接合強度を向上できるとともに、圧電基板の両端部上面まで導電性接着剤を塗布したとしても、圧電基板中央部の厚みは両端部よりも高いため、圧電共振子に金属製の蓋体を被せたとしても、この金属製の蓋体に導電性接着剤が当接して導通することがなく、接続信頼性を向上できるとともに、圧電共振装置として低背化を実現できる。
【0031】
また、本発明の圧電共振装置では、振動部の厚みをT、ステップ部の厚みをT’とした時、T’/Tが0.9以下とされている。これにより、厚み滑りモードのエネルギーの閉じ込めを向上でき、P/Vを向上できるとともに、圧電共振子の実装時において導電性接着剤の高さを共振子の中央部上面よりも低くでき、この圧電共振子に金属製の蓋をする場合においても蓋と導通することがない。
【0032】
【発明の実施の形態】
(形態1)
図1は、本発明の圧電共振子を示す斜視図であり、この圧電共振子41は、厚み滑り振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である。圧電共振子41は、細長い矩形状の圧電基板42を用いて構成されており、圧電基板42はチタン酸鉛系圧電セラミックスにより構成され、図1の矢印P方向、即ち、圧電基板42の上面42a及び下面42bと平行な方向であって、圧電基板42の長さ方向に沿って分極処理されている。
【0033】
圧電基板42は、チタン酸鉛系セラミックス以外の他の圧電セラミックスにより構成されていてもよく、あるいは水晶などの圧電単結晶により構成されていてもよい。また、圧電基板42として、板状ではなく棒状の圧電基板を用いてもよい。
【0034】
圧電基板42の上面42a側においては、圧電基板42の長さ方向両端近傍において、ステップ部42e、42fが形成されている。即ち、圧電基板42の上面42aの両端部を削り取ることにより、ステップ部42e、42fが形成されている。
【0035】
共振子41にステップ部42e、42fを形成する方法については、特に限定されないが、例えば、ダイシングソーを用いて、圧電基板42の上面42aの両端近傍部分を研削して形成することができる。ダイシングソーは、簡単な加工技術であり、左右のステップ部42e、42fを等しく加工することが容易であり、共振子の対称性を保つことができ、帯域内スプリアスも発生しにくい。
【0036】
ステップ面42e、42fは、圧電基板42の上面42aのみに形成されており、下面42b側にはステップ面が形成されておらず、平坦である。よって、ケース基板やプリント回路基板などに圧電基板42の下面42bを当接するようにして安定して載置し、実装することができる。
【0037】
ステップ部42e、42fにおける圧電基板42の厚さT’が圧電基板42の中央部の厚さTよりも薄くなるように構成されており、T’/Tが0.9以下とされている。
【0038】
このようにT’/Tを0.9以下とすることにより、厚み滑り振動モードのエネルギーの閉じ込めを向上でき、P/Vを向上できるとともに、圧電共振子の実装時において導電性接着剤の高さを共振子中央部よりも低くでき、この圧電共振子に金属製の蓋をする場合においても蓋と導通することがない。T’/Tは、強度向上という点から0.7以上であることが望ましい。
【0039】
また、圧電基板42の上面42aの中央部には、第1の振動電極43が形成され、圧電基板42の下面42bの中央部には、第2の振動電極44が形成されており、それぞれの振動電極43、44は圧電基板42の端部に向けて引き出されている。第1、第2の振動電極43、44は、圧電基板42の長さ方向中央部において圧電基板42を介して表裏対向するように形成されており、振動電極43、44間の圧電基板42が振動部とされている。
【0040】
さらに、ステップ部42e、42fでは、その表面が、圧電基板42の振動電極形成面と平行な面とされている。
【0041】
この圧電共振子41では、圧電基板42が長さ方向(矢印P方向)に分極処理されているので、振動電極43、44間に交流電圧を印加することにより、厚み滑り振動モードを利用した圧電共振子として動作させることができる。特に、本発明の圧電共振子では、4MHz以下、特には2〜4MHzの比較的低周波領域で用いることが望ましい。
【0042】
以上のように構成された圧電共振子は、図2に示すように、ケース基板91に形成された、振動空間94を設ける為の半田バンプ92の上に圧電共振子41を載せ、導電性接着剤93で圧電共振子41の両端部を固定することによりケース基板91に実装され、圧電共振子41が蓋95で被われている。
【0043】
本発明の圧電共振子41では、両端部にステップ部42e、42fが形成されているため、ケース基板91への固定部分の圧電基板42の厚さがT’と薄くなっており、導電性接着剤93がステップ部42fの上まで塗布され、強固に共振子41を保持することができる。この場合は、共振子上面42aよりも導電性接着剤93の高さを低くすることができるため、共振子41に金属製の蓋95を被せる場合においても導電性接着剤93に蓋95が接触せず、小型化を達成できる。
【0044】
通常、導電性接着剤93とケース95が接触しないように、十分なマージンを設けて蓋95の設計を行うため、蓋95の高さが高くなるが、本発明では、ステップ部42e、42fに、導電性接着剤93の盛り上がりが収められるため、蓋95の高さに十分なマージンをとる必要がなく、低背化できる。
【0045】
また、比較的低周波領域で使用される場合、圧電磁器42の厚みが厚くなるが、本発明では、ステップ部42e、42fを形成したので、ケース基板等へ接合される部分を薄くでき、接合を良好に行うことができる。
【0046】
図3、図4に従来の共振子をケース基板91に搭載し、導電性接着剤で固定した時の断面図を示す。図3では、共振子上面よりも導電性接着剤が高く盛りあがっている為に、金属製の蓋を被せる場合はこの部分に接触しないように蓋を高めに設計する必要があり、大型化する。また、図4の場合は、導電性接着剤が共振子上面よりも低くなっており、蓋に接触することはないが、導電性接着剤と共振子の接合面積が小さい為に接着強度が低く、衝撃力が加わった時には共振子が外れることが考えられ、信頼性が低い。
【0047】
図5は、図1の圧電共振子41のインピーダンスの周波数特性を示すものである。ここで、圧電共振子41として、圧電基板42がチタン酸鉛圧電セラミックスからなり、長さ4.3mm、幅0.6mm、厚さT0.62mmであって、ステップ面42e、42fの長さ方向寸法を0.8mm、ステップ面と圧電振動子上面42aとの段差を0.08mm(T’=0.54mm)としたものを用い、振動電極43、44の対向面積は1.2mm2とした。また、ステップ部42e、42fにおける圧電基板42の厚さT’、圧電基板42中央部の厚さTとの比T’/Tは、0.87であった。
【0048】
また、比較例として、ステップ部を形成しない以外は上記と同一の圧電共振子に溝を形成した図11の圧電共振子におけるインピーダンスの周波数特性を、図6に示す。
【0049】
図6から、溝構造の圧電共振子では、反共振周波数fa近傍に、長さ方向の振動モードに起因するスプリアス(SP)が発生しており、反共振抵抗が低くなり、発振器用共振子の特性に要求されるP/V値が小さい。一方、本発明の圧電共振子では、図5から、長さ方向の振動モードに起因したスプリアスは、反共振周波数faよりも高周波側に移動しており、反共振抵抗を下げたり、P/V値を劣化させることもなく良好なインピーダンス特性を有することがわかる。
【0050】
従って、溝を形成することで、共振子の低周波化に伴い共振子厚さTが大きくなっても、共振子長さLを増大させること無く、厚み滑り振動モードのエネルギーを閉じ込めることができるが、反共振周波数fa近傍に生じるスプリアスの原因となる長さ方向の振動モードの場合には、溝よりも外側の削り残した部分が負荷質量として働く為に、長さ方向の振動モードの共振周波数を低下させることとなり、結果として、反共振周波数faの極近傍にスプリアスが発生する事となった。
【0051】
一方、本発明の共振子の場合は、ステップ状に削り取る為に、負荷質量として働く部分が無く、長さ方向の振動モードの共振周波数を高くすることができ、反共振周波数faから遠ざけることができている。
【0052】
以上より、本発明の圧電共振子は、長さ方向振動モードに起因するスプリアスの影響を受けることが無く、また、ケース基板等に実装する際も、高い信頼性を確保しながら、コンパクトに保持固定することが可能となる。また、ダイシングソー等を用いて容易にステップ面を形成する為に、製造コストも低く抑えることができる。
図7は、参考例の圧電共振子の斜視図を示すもので、この圧電共振子51では、圧電基板52の上面52a側においては、一方の長さ方向端部側の側面52f近傍にステップ部52eが形成されており、下面52bにおいては、側面52c側にステップ部52dが形成されている。従って、上記形態1の場合と同様に、長さ振動モードに起因するスプリアスを反共振周波数から遠ざけることができる。
【0053】
この圧電共振子51では、振動電極53を端部に引き出す引出電極54は、圧電基板52の上面52aにのみ形成されており、振動電極55を端部に引き出す引出電極56についても圧電基板52の平坦な下面52bにのみ形成されている。従って、ステップ部52e、52dに引出電極を形成する必要がないため、引出電極54、56の形成を容易に行うことができる。
【0054】
また、この圧電共振子51においては、表面側及び裏面側の構造が同一であるため、自動機に方向を選別することなく、挿入することができ、実装の自動化を容易に行うことができる。
図8は、他の参考例の圧電共振子を示すもので、この圧電共振子61では、圧電基板62の上面62aだけでなく、下面62bにおいても、その長さ方向両端近傍にステップ部62e、62fが形成されている。即ち、圧電基板62の上面62a側にステップ部62h、62iが形成されているだけでなく、下面62b側においてもステップ部62e、62fが形成されている。ステップ部62h、62iは、ステップ部62e、62fと圧電基板62に対して対称に形成されている。
【0055】
このような圧電共振子61では、上記形態1、2と同様に、長さ振動モードに起因するスプリアスを反共振周波数から遠ざけることができるとともに、この圧電共振子61では、圧電基板62の上面側及び下面側の形状がほぼ同様とされており、対称性を有するため、自動挿入機などに方向性を選別することなく供給することができ、プリント回路基板やケース基板などへの実装の自動化及び実装に際しての作業性の向上を図ることができる。
【0056】
また、上記形態2、3では、圧電共振子が対称性を有する構造であるため、帯域内のスプリアスは発生しない。
【0057】
【発明の効果】
本発明の圧電共振装置では、圧電基板の長さ方向両端部に、圧電基板の振動電極形成面と平行な面を有し、圧電基板の長さ方向両端の厚みが振動部の厚みよりも薄いステップ部を形成してなるため、長さ振動モードに起因するスプリアスを反共振周波数から遠ざけることができ、エネルギー閉じ込め性に優れ、かつ不要スプリアスの影響が少ない、共振特性やフィルタ特性に優れた圧電共振装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電基板の上面にのみステップ部を形成した本発明の圧電共振子を示す斜視図である。
【図2】図1の圧電共振子をケース基板に実装した状態を示す説明図である。
【図3】従来の図11の圧電共振子をケース基板に実装した状態を示す説明図である。
【図4】従来の図11の圧電共振子をケース基板に実装した状態を示す説明図である。
【図5】図1の本発明の圧電共振子のインピーダンス特性図である。
【図6】図11の従来の圧電共振子のインピーダンス特性図である。
【図7】参考例の圧電共振子を示す斜視図である。
【図8】他の参考例の圧電共振子を示す斜視図である。
【図9】従来の厚み滑り振動モードを利用した圧電共振子の一例を示す斜視図である。
【図10】ベベル面を形成した従来の圧電共振子を示す斜視図である。
【図11】溝を形成した従来の圧電共振子を示す斜視図である。
【符号の説明】
41、51、61・・・圧電共振子
42、52、62・・・圧電基板
43、44、53、55・・・振動電極
42e、42f、52e、52d、62e、62f、62h、62i・・・ステップ部
Claims (2)
- 矩形状の圧電基板の両主面にそれぞれ振動電極を対向するように形成してなり、対向する振動電極間の圧電基板が振動部とされているとともに、前記振動電極が前記圧電基板の長さ方向両端部までそれぞれ引き出されている圧電共振子と、該圧電共振子の両端部が接合されるケース基板と、前記圧電共振子に被せられた金属製蓋とを具備してなる圧電共振装置であって、前記圧電基板の長さ方向両端部に、前記圧電基板の振動電極形成面と平行な面を有し、前記圧電基板の長さ方向両端部の厚みが前記振動部の厚みよりも薄いステップ部を、前記圧電基板の一方側主面のみに形成するとともに、前記振動部の厚みをT、ステップ部の厚みをT’とした時、T’/Tが0.9以下であり、かつ前記ステップ部が形成されていない前記圧電基板の他方側主面が前記ケース基板側となるように、前記圧電共振子が前記ケース基板に配置されており、前記圧電基板の両端部の前記ステップ部上まで塗布された導電性接着剤により前記圧電共振子が前記ケース基板に接合されていることを特徴とする圧電共振装置。
- 厚み滑り振動モードで作動することを特徴とする請求項1記載の圧電共振装置。
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JP2001330244A JP3894771B2 (ja) | 2001-10-29 | 2001-10-29 | 圧電共振装置 |
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