JP3891907B2 - 蒸発器及び冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱物(例えば水、ブライン等)と冷媒との間で熱交換を行わせて、前記加熱物を冷却するとともに冷媒を沸騰、気化する蒸発器、及び該蒸発器を備えた冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ビルのような大規模構造物においては、冷凍機で冷却した加熱物を構造物内に布設した配管を通じて構内を循環させ、居室の空気と熱交換させて冷房を行うようにしている。
【0003】
この冷凍機に具備される従来の蒸発器の一例を図8に示す。
図8に示す蒸発器1は、冷媒が導入される円筒状の容器2と、該容器内に配設されて冷水(加熱物)が流通する多数の伝熱管3からなる複数の伝熱管群3a〜3dと、該伝熱管群3a〜3dの下方に延在し多数の孔4が形成されている多孔板(板体)5と、容器14下側にあって該容器接線方向に設置されている冷媒導入管6とを備え、伝熱管群3a〜3dが、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する抜き列(空隙)7a〜7cによって、水平方向に互いに離間して配設されている。多孔板5に形成された多数の孔4は、該多孔板内にランダムかつ均等に形成されている(例えば特許文献1参照)。
伝熱管3は、表面に凹凸を有する例えばリエントラント管といった形状、又は表面形状が平滑な曲面である例えば平滑管といった形状等を形成している。
【0004】
上記の構成からなる蒸発器1において、冷媒導入管6から導入された冷媒は、冷媒気泡を含有しながら多孔板5に形成された多数の孔4から伝熱管群3a〜3d内及び抜き列7a〜7c内に向かって噴出し、伝熱管群3a〜3dを浸す位置まで充填される。伝熱管3周囲の冷媒は、伝熱管3を介して冷水と熱交換を行って蒸発・気化されて、気泡となって容器上方へ抜けていく。このとき、冷水との温度差が大きい領域では蒸発による気泡発生量は大きく、冷水との温度差が小さい領域では蒸発による気泡発生量は小さくなる。
【0005】
(特許文献1)
特願2000−357022
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の冷凍機を構成する蒸発器は、多孔体に形成された孔は容器内に配設される伝熱管形状に拘わらず形成されているため、冷媒に混入する気泡は各伝熱管群内に均等に導入される。
よって、表面に凹凸を有する伝熱管が配設されている場合、該管の表面形状が冷媒の蒸発を促進する形状であって外部からの気泡の付着が蒸発作用にとっては好ましくないのにも拘わらず、気泡が伝熱管周囲に供給されてしまい熱伝達率が低下する問題があった。
また、平滑な曲面を有する伝熱管が配設されている場合、該管周囲が気泡によって攪拌されることにより冷媒の蒸発が促進されるが、抜き列内を浮かび上がる気泡は熱交換に寄与することがないため、十分な気泡が伝熱管周囲に供給されず熱交換性能が低下してしまう問題があった。
【0007】
また、冷媒導入管が容器下側にあって該容器軸に直交する円筒外周面の接線方向に沿って設置されるため、曲面同士を接合することになり切削、溶接加工が困難となる問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、熱交換性能の向上によって冷却効率を高めるとともに、加工を容易とする蒸発器及び冷凍機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、冷媒が導入される容器と、該容器内に配設されて、前記冷媒を加熱して沸騰、気化させる加熱物が流通する多数の伝熱管からなる複数の伝熱管群と、該伝熱管群下方にあってほぼ水平方向に平面状に延在し多数の孔が形成されている板体と、前記容器下側に前記冷媒を導入する冷媒導入管とを備え、隣接する前記伝熱管群が、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する空隙によって、水平方向に互いに離間して配設された蒸発器であって、前記多数の孔が少なくとも1つ以上の列をなして前記伝熱管群と同方向に延在し、前記各伝熱管がその表面に凹凸を有する構成とされ、前記多数の孔が、前記空隙のほぼ鉛直下方に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る蒸発器によれば、容器内に配設される伝熱管の熱交換性能にあわせて、気泡が混入する冷媒を容器内に導入することができ、これによって熱伝達性能を向上させることができる。
また、この発明に係わる蒸発器によれば、導入される冷媒に混在する気泡は抜き列を浮かび上がるため、伝熱管周囲に気泡が導入されることを抑えることができ、よって、凹凸形状を有する伝熱管の熱伝達に適する冷媒を導入することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、冷媒が導入される容器と、該容器内に配設されて、前記冷媒を加熱して沸騰、気化させる加熱物が流通する多数の伝熱管からなる複数の伝熱管群と、該伝熱管群下方にあってほぼ水平方向に平面状に延在し多数の孔が形成されている板体と、前記容器下側に前記冷媒を導入する冷媒導入管とを備え、隣接する前記伝熱管群が、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する空隙によって、水平方向に互いに離間して配設された蒸発器であって、前記多数の孔が少なくとも1つ以上の列をなして前記伝熱管群と同方向に延在し、前記各伝熱管がその表面を平滑に形成された構成とされ、前記多数の孔が、該伝熱管群のほぼ鉛直下方に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る蒸発器によれば、容器内に配設される伝熱管の熱交換性能にあわせて、気泡が混入する冷媒を容器内に導入することができ、これによって熱伝達性能を向上させることができる。
また、この発明に係わる蒸発器によれば、導入される冷媒に混在する気泡が伝熱管周囲の冷媒を攪拌させることができ、よって、平滑な曲面からなる伝熱管の熱伝達に適する冷媒を導入することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、冷媒が導入される容器と、該容器内に配設されて、前記冷媒を加熱して沸騰、気化させる加熱物が流通する多数の伝熱管からなる複数の伝熱管群と、前記容器下側に前記冷媒を導入する冷媒導入管とを備え、隣接する該伝熱管群が、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する空隙によって、水平方向に互いに離間して配設された蒸発器において、各伝熱管群の下方にほぼ水平方向に位置するように配設され、前記各空隙下方位置にスリットを有する板体と、該板体の前記スリットに臨ませて前記空隙内にて上方に立ち上がる一対の立ち上がり板体と、これら一対の立ち上がり板体の上方に位置し、前記スリット及び前記一対の立ち上がり板体間の間隙を通って上方に移動する冷媒及び冷媒に混入する気泡を各伝熱管方向へ導くガイド板とを設けていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係わる蒸発器によれば、伝熱管群上方に配設された伝熱管も十分冷媒液に浸すことができるため、熱交換性能の向上を図ることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れかの蒸発器において、前記容器内に冷媒を導入する冷媒導入管が、該容器下側にあって該容器に直交して設置されていることを特徴とする。
【0020】
この発明に係わる蒸発器によれば、冷媒導入管の容器への取付けに際して、切削及び溶接加工等が容易となって加工性の向上を図ることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れかに記載の蒸発器と、気体状の冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された気体状の冷媒を冷却して凝縮、液化する凝縮器と、液化された冷媒を減圧する膨張弁とを備えていることを特徴とする。
【0022】
この発明に係わる冷凍機によれば、上記のように蒸発器における伝熱管の熱交換率が高められるので、エネルギー消費を抑えても従来と同等の性能を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態を示す。
図1は、冷凍機の概略構成を示している。この図に示す冷凍機は、冷却水と気体状の冷媒との間で熱交換を行わせて冷媒を凝縮、液化する凝縮器10と、凝縮された冷媒を減圧する膨張弁11と、凝縮された冷媒と加熱物(冷水)との間で熱交換を行わせて冷水を冷却する蒸発器12と、蒸発器12で蒸発、気化した冷媒を圧縮後に上記凝縮器10に導入する圧縮機13とから構成されている。
【0024】
図2は、蒸発器12の構成を示す。
図2に示す蒸発器12は、冷媒が導入される円筒状の容器14と、該容器内の中心位置から下方の領域に配設されて冷水が流通する多数の伝熱管15からなる複数の伝熱管群15a〜15dと、前記伝熱管群15a〜15dの下方にあってほぼ水平方向に延在し多数の孔16が形成されている多孔板(板体)17と、前記容器下側にあって該容器の軸方向に直交して円筒面の接線方向に沿って設置されている冷媒導入管18とを備えている。
【0025】
前記各伝熱管15はその表面に凹凸を有する構成とされ、前記伝熱管群が、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する抜き列(空隙)19a〜19cによって、水平方向に互いに離間して配設されている。
多孔板17に形成された多数の孔16は、前記抜き列19a〜19cそれぞれのほぼ鉛直下方位置にあって、該容器長手方向に沿って形成されている。
【0026】
また、容器14の上方には、蒸発した冷媒を圧縮機(図示せず)に排出する冷媒排出口20と、蒸発の際に冷媒に混入する冷媒液滴を取り除くデミスタ21と、該デミスタを容器14の下方から該容器内に支持する底板22と、上記デミスタ21を容器上方から底板22とともに支持するデミスタ枠23とから構成されている。
【0027】
上記の構成からなる蒸発器12において、冷媒は、気泡を含んで冷媒導入管18から容器14内に導入され、孔16から抜き列19a〜19cに向かって噴出して容器内に拡がり、配設されている伝熱管群15a〜15dを冷媒が浸す位置まで充填される。冷媒は、伝熱管15内を流通する冷水と伝熱管15の表面を介して熱交換を行い、冷水から熱を奪って蒸発・気化される。冷媒に混入して導入された気泡の大部分は、各伝熱管群15a〜15d内に入り込まず抜き列19a〜19cに沿って上方に抜けていくため、伝熱管15の周囲に長く滞留することはない。
【0028】
この冷凍機における蒸発器によれば、伝熱管群内への気泡の導入量が抑えられることから、伝熱管表面形状が冷媒の蒸発を促進する形状であって外部からの気泡の付着が蒸発作用にとっては好ましくない前記表面に凹凸を有する伝熱管において、熱伝達に適する冷媒を導入することができることによって熱交換性能の向上を図ることができる。
【0029】
図3は、本発明の第2の実施形態を示す。なお、上記実施形態においてすでに説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
冷凍機の概略構成は図1に示すものと同じである。
図3に示す蒸発器12は、第1の実施形態と同様の構成をなしているが、前記各伝熱管15がその表面を平滑に形成された構成とされ、前記多孔板17に形成された多数の孔16は、前記伝熱管群15a〜15dそれぞれのほぼ鉛直下方位置にあって、前記容器長手方向に沿って形成されている。
【0030】
上記構成の蒸発器12において、冷媒は、気泡を含んで冷媒導入管18から容器14内に導入され、孔16から伝熱管群15a〜15dの内部に向かって噴出されて容器内に拡がり、配設されている伝熱管群15a〜15dを冷媒が浸す位置まで充填される。冷媒は、伝熱管15内を流通する冷水と伝熱管15の表面を介して熱交換を行い、冷水から熱を奪って蒸発・気化される。冷媒に混入して導入された気泡は、冷媒の蒸発に伴い発生する気泡とともに伝熱管15周囲に滞留する冷媒液を攪拌させながら伝熱管15間を上方に抜けていく。
【0031】
この冷凍機における蒸発器によれば、伝熱管群内への気泡の導入量が促進されることから、外部からの気泡によって伝熱管周囲の冷媒が攪拌されることが蒸発作用にとって好ましい前記表面が平滑な伝熱管において、熱伝達に適する冷媒を導入することができることによって、熱交換性能の向上を図ることができる。
【0032】
図4は、本発明の第3の実施形態を示す。なお、上記実施形態においてすでに説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
冷凍機の概略構成は図1に示すものと同じである。
図4に示す蒸発器12は、冷媒が導入される円筒形状を有する容器14と、該容器内に配設されて冷水が流通する多数の伝熱管15からなる複数の伝熱管群15a〜15dと、容器14斜め下側にあって前記冷媒が導入される冷媒導入管18と、容器14の下部内面に沿って曲面をなして伝熱管群15a〜15dの下方に広がって多数の孔16を有する多孔板17とを備えている。
【0033】
伝熱管群15a〜15dは、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する空隙19a〜19cによって、水平方向に互いに離間して配設されており、伝熱管15は、伝熱管群15a〜15dの下部が多孔板17に沿って円弧状となるように配設されている。
前記冷媒導入管18は、該管外径にあわせて容器14円筒表面に開けられた円孔部に直交して接合されている。
【0034】
上記構成の蒸発器12において、冷媒導入管18から導入された冷媒は、多孔板17に直交して衝突されて容器下面を円弧状に拡散された後、孔16から伝熱管群15a〜15d内へと噴出される。
【0035】
この冷凍機における蒸発器によれば、容器への冷媒導入管の接合において、従来よりも曲面の機械加工数が減少し、容易に接合できるとともに、伝熱管を多孔板及び容器内壁に沿って配設できることから、小さな径の容器であっても従来と同数程度伝熱管を配設することができ、これによって熱交換性能を維持することができる。
【0036】
図5は、本発明の第4の実施形態を示す。なお、上記実施形態においてすでに説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
冷凍機の概略構成は図1に示すものと同じである。
図5に示す蒸発器12は、第3の実施形態と同様の構成をなしているが、多孔板17の板幅長さが冷媒導入管18近傍であって、伝熱管群15c及び15d下方位置に限定されて設置されている。
【0037】
上記構成の蒸発器12において、冷媒は、前記孔16から主に伝熱管群15c及び15dに向かって噴出され、前記伝熱管群15c及び15d内に配設された伝熱管15の周囲の冷媒が混入する気泡によって攪拌される。
【0038】
この冷凍機における蒸発器によれば、第3の実施形態と同様の効果が得られるとともに、冷媒と冷水との温度差が小さく熱交換するために伝熱管周囲の冷媒の攪拌が特に必要な伝熱管群近傍に多孔板を配設することによって、熱伝達率の向上を図ることができる。
【0039】
なお、上記の第1〜第4の実施形態において、多孔体に形成されている多数の孔の形状は、丸孔、長孔、スリット等であっても同様の効果を得ることができる。
【0040】
図6は、本発明の第5の実施形態を示す。なお、上記実施形態においてすでに説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
冷凍機の概略構成は図1に示すものと同じである。
図6に示す蒸発器12は、冷媒が導入される容器14と、容器14内に配設されて冷水が流通する多数の伝熱管15からなる複数の伝熱管群15a〜15dと、容器14のほぼ鉛直下側に前記冷媒が導入される冷媒導入管18とを備えている。
伝熱管群15a〜15dは、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する抜き列19a〜19cによって、水平方向に互いに離間して配設されている。
【0041】
前記容器14下方には、前記抜き列19a〜19cの各下方位置にスリット20を有して伝熱管群15a〜15dの下方領域に延在する板体21と、板体21の前記各スリット20に臨ませて前記各抜き列19a〜19c内を上方に立ち上がる一対の立ち上がり板体22と、これら一対の立ち上がり板体22の上方に位置し、前記抜き列19a〜19d内にあって前記スリット20及び前記一対の立ち上がり板体22間に形成された間隙23を通って上方に移動する冷媒及び冷媒に混入する気泡を各伝熱管15方向へ導くガイド板24とが設けられている。
スリット20は、容器14内の抜き列19a〜19c配設位置によって、伝熱管の延在する方向に少なくとも1つ以上形成されている。
【0042】
上記構成の蒸発器12において、容器14のほぼ直下方に設置されている冷媒導入管18から導入された気泡を含む冷媒は、板体21表面上を該板体に沿って均等に拡がりスリット20に至って、立ち上がり板体22間の間隙23を通り抜けガイド板24にあたって折り返されて、伝熱管群15a〜15dの上方から各伝熱管15に向かって降り注ぐ。
【0043】
この冷凍機における蒸発器によれば、冷媒の蒸発によって表面が乾きやすい状態にある伝熱管群上方に配設された伝熱管も、冷媒に十分に浸されることとなって熱伝達率の低下が抑えられる。
【0044】
なお、スリットが同一の抜き列配設位置において複数個形成されている場合は、そのスリット長さとスリット間隔が、抜き列配設位置によって異なっても同様の作用、効果を有する。
また、スリットの代用として、スリット板体22は円筒管でもよい。
【0045】
図7は、本発明の第6の実施形態を示す。なお、上記実施形態においてすでに説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
冷凍機の概略構成は図1に示すものと同じである。
図7に示す蒸発器12は、上述の蒸発器と同様の構成からなるが、冷媒導入管18が、伝熱管群15aに冷水を供給する冷水入口24側から前記伝熱管15の長さ方向の1/2を越えた奥部の領域であって、かつ、伝熱管群15aから15cに向かうこれら伝熱管15の長さ方向に直交する幅方向の1/2を越えた奥部の領域に配設されている。
【0046】
上記構成からなる蒸発器12において、冷媒導入管18から導入された冷媒に混入する気泡は、伝熱管15内を流通する冷水と冷媒との温度差が小さい領域に配設されている伝熱管15周囲の冷媒をより多く攪拌することとなって、伝熱管15の周囲に常時新しい冷媒が供給される。
【0047】
この冷凍機における蒸発器によれば、冷媒導入管の設置位置によって、冷水と冷媒との温度差が小さいために熱伝達率が小さい領域においても、熱伝達率を向上させることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した本発明においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明は、容器内に配設される伝熱管の熱交換性能に適合するように気泡が混入する冷媒を容器内に導入することができ、これによって熱伝達性能を向上させることができる。
また、導入される冷媒に混在する気泡は抜き列を浮かび上がるため、伝熱管周囲に気泡が導入されることを抑えることができ、凹凸形状を有する伝熱管表面での熱伝達性能を向上することができる。
【0049】
請求項2記載の発明は、容器内に配設される伝熱管の熱交換性能に適合するように気泡が混入する冷媒を容器内に導入することができ、これによって熱伝達性能を向上させることができる。
また、導入される冷媒に混在する気泡によって伝熱管周囲の冷媒を攪拌させることができ、平滑な曲面からなる伝熱管表面での熱伝達性能を向上することができる。
【0052】
請求項3記載の発明は、容器上方に配設された伝熱管も十分冷媒液に浸すことができるため、熱交換性能の向上を図ることができる。
【0053】
請求項4記載の発明は、冷媒導入管の容器取付けに際し、切削及び溶接加工等が容易となって加工性の向上を図ることができる。
【0054】
請求項5記載の発明は、蒸発器における伝熱管の熱交換率が高められるので、エネルギー消費を抑えても従来と同等の性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係わる蒸発器が適用される冷凍機の概略構成を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係わる蒸発器の全体概要をあらわす断面構成図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係わる蒸発器の断面構成図である。
【図4】 本発明の第3の実施形態に係わる蒸発器の断面構成図である。
【図5】 本発明の第4の実施形態に係わる蒸発器の断面構成図である。
【図6】 本発明の第5の実施形態に係わる蒸発器の断面構成図である。
【図7】 本発明の第6の実施形態に係わる蒸発器の平面構成図である。
【図8】 従来の蒸発器の断面構成図である。
【符号の説明】
10 凝縮器
11 膨張弁
12 蒸発器
13 圧縮機
14 容器
15 伝熱管
16 孔
17 多孔板(板体)
18 冷媒導入管
19 抜き列(空隙)
20 スリット
21 板体
22 立ち上がり板体
23 間隙
24 ガイド板
Claims (5)
- 冷媒が導入される容器と、該容器内に配設されて、前記冷媒を加熱して沸騰、気化させる加熱物が流通する多数の伝熱管からなる複数の伝熱管群と、該伝熱管群下方にあってほぼ水平方向に平面状に延在し多数の孔が形成されている板体と、前記容器下側に前記冷媒を導入する冷媒導入管とを備え、隣接する前記伝熱管群が、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する空隙によって、水平方向に互いに離間して配設された蒸発器であって、
前記多数の孔が少なくとも1つ以上の列をなして前記伝熱管群と同方向に延在し、
前記各伝熱管がその表面に凹凸を有する構成とされ、前記多数の孔が、前記空隙のほぼ鉛直下方に位置するように形成されていることを特徴とする蒸発器。 - 冷媒が導入される容器と、該容器内に配設されて、前記冷媒を加熱して沸騰、気化させる加熱物が流通する多数の伝熱管からなる複数の伝熱管群と、該伝熱管群下方にあってほぼ水平方向に平面状に延在し多数の孔が形成されている板体と、前記容器下側に前記冷媒を導入する冷媒導入管とを備え、隣接する前記伝熱管群が、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する空隙によって、水平方向に互いに離間して配設された蒸発器であって、
前記多数の孔が少なくとも1つ以上の列をなして前記伝熱管群と同方向に延在し、
前記各伝熱管がその表面を平滑に形成された構成とされ、前記多数の孔が、該伝熱管群のほぼ鉛直下方に位置するように形成されていることを特徴とする蒸発器。 - 冷媒が導入される容器と、該容器内に配設されて、前記冷媒を加熱して沸騰、気化させる加熱物が流通する多数の伝熱管からなる複数の伝熱管群と、前記容器下側に前記冷媒を導入する冷媒導入管とを備え、隣接する前記伝熱管群が、ほぼ鉛直方向に位置する仮想平面に沿って延在する空隙によって、水平方向に互いに離間して配設された蒸発器であって、
各伝熱管群の下方にほぼ水平方向に位置するように配設され、前記各空隙下方位置にスリットを有する板体と、該板体の前記スリットに臨ませて前記空隙内にて上方に立ち上がる一対の立ち上がり板体と、これら一対の立ち上がり板体の上方に位置し、前記スリット及び前記一対の立ち上がり板体間の間隙を通って上方に移動する冷媒及び冷媒に混入する気泡を各伝熱管方向へ導くガイド板とを設けていることを特徴とする蒸発器。 - 前記容器内に冷媒を導入する冷媒導入管が、該容器下側にあって該容器に直交して設置されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の蒸発器。
- 請求項1から4の何れかに記載の蒸発器と、気体状の冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された気体状の冷媒を冷却して凝縮、液化する凝縮器と、液化された冷媒を減圧する膨張弁とを備えていることを特徴とする冷凍機。
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