JP3890266B2 - ブロックポリマー化合物、インク組成物、分散性組成物及び画像形成方法並びに画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機能材料として有用で、新規な高分子化合物を用いた組成物及び画像形成方法並びに画像形成装置に関する。特に好ましくは、それらの高分子化合物を溶媒または分散媒、色材とともに用いたインク組成物、またそれらの組成物を使用した各種画像形成方法および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機能物質を含有する水性分散材料には、従来から機能性材料として、除草剤、殺虫剤等の農薬、抗がん剤、抗アレルギー剤、消炎剤等の医薬、また着色剤を有するインク、トナー等の色材が良く知られている。近年、デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術、インクジェット技術と言われるものがその代表例であるが、近年オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めてきている。
【0003】
インクジェット技術はその中でも直接記録方法として、コンパクト、低消費電力という大きな特徴がある。また、ノズルの微細化等により急速に高画質化が進んでいる。インクジェット技術の一例は、インクタンクから供給されたインクをノズル中のヒーターで加熱することで蒸発発泡し、インクを吐出させて記録媒体に画像を形成させるという方法である。他の例はピエゾ素子を振動させることでノズルからインクを吐出させる方法である。
【0004】
これらの方法に使用されるインクは通常染料水溶液が用いられるため、色の重ね合わせ時ににじみが生じたり、記録媒体上の記録箇所に紙の繊維方向にフェザリングと言われる現象が現れたりする場合があった。これらを改善する目的で顔料分散インクを使用することが検討されている(例えば米国特許第5085698号明細書)。しかしながら未だなお多くの改善が望まれている状況である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色材や固形物等の機能物質の分散性が良好な分散性組成物を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、色材の分散性が良好なインク組成物を提供するものである。 また、本発明は、それらのインク組成物からなる記録材料を使用した画像形成方法および画像形成装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術および課題について鋭意検討した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有する疎水性ブロックセグメントと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有する親水性ブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物であって、両親媒性を示すことを特徴とするブロックポリマー化合物である。
【化5】
(式中、Aは炭素原子数1から10までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から10までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dはアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい芳香族環構造を表す。nは1から5までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。)
【化22】
(式中、R 1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R 5 )−CH(R 6 )−O) p −R 7 および−(CH 2 ) m −(O) n −R 7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
R 5 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子もしくは−CH 3 である。
R 7 は水素原子、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH 2 CHO、−CO−CH=CH 2 、−CO−C(CH 3 )=CH 2 、−CH 2 COOR 8 からなり、R 7 が水素原子以外である場合、R 7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R 8 は水素原子または炭素数1から5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。)
【0008】
また、本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有する疎水性ブロックセグメントと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有する親水性ブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物と、色材と、分散媒とを含有し、前記ブロックポリマー化合物が前記色材を内包し、ミセルを形成していることを特徴とする分散性組成物である。
【化23】
(式中、Aは炭素原子数1から10までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から10までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dはアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい芳香族環構造を表す。nは1から5までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。)
【化24】
(式中、R 1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R 5 )−CH(R 6 )−O) p −R 7 および−(CH 2 ) m −(O) n −R 7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
R 5 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子もしくは−CH 3 である。
R 7 は水素原子、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH 2 CHO、−CO−CH=CH 2 、−CO−C(CH 3 )=CH 2 、−CH 2 COOR 8 からなり、R 7 が水素原子以外である場合、R 7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R 8 は水素原子または炭素数1から5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。)
【0012】
また、本発明は、上記の分散性組成物からなることを特徴とするインク組成物である。
【0013】
また、本発明は、上記のインク組成物を用いて被記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成方法であり、好ましい形態としては前記インク組成物を前記被記録媒体に吐出させて画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。
さらに、本発明は、上記の画像形成方法を用いて前記被記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有する疎水性ブロックセグメントと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有する親水性ブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物であって、両親媒性を示すことを特徴とするブロックポリマー化合物である。
また、本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有する疎水性ブロックセグメントと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有する親水性ブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物と、色材と、分散媒とを含有し、前記ブロックポリマー化合物が前記色材を内包し、ミセルを形成していることを特徴とする分散性組成物である。
なお、以降、ブロックポリマー化合物を高分子化合物とも称する。
【0016】
【化6】
【0017】
(式中、Aは炭素原子数1から10までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0から10までの整数を表す。mが複数のときはそれぞれのAは異なっていてもよい。Bは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dはアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい芳香族環構造を表す。nは1から5までの整数を表す。nが複数のときそれぞれのDは異なっていてもよい。)
【化25】
(式中、R 1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R 5 )−CH(R 6 )−O) p −R 7 および−(CH 2 ) m −(O) n −R 7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
R 5 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子もしくは−CH 3 である。
R 7 は水素原子、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH 2 CHO、−CO−CH=CH 2 、−CO−C(CH 3 )=CH 2 、−CH 2 COOR 8 からなり、R 7 が水素原子以外である場合、R 7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R 8 は水素原子または炭素数1から5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。)
【0021】
上記一般式(1)で表される繰り返し単位構造の具体例を以下に記す。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
(Phはフェニル基、Pyrはピリジル基、Npはナフチル基を表す。)
【0029】
また、本発明中に使用される高分子化合物は両親媒性であることが好ましい。すなわち親媒性の繰り返し単位構造と疎媒性の繰り返し単位構造を併せ持つことが好ましく、親媒性、疎媒性はそれぞれ親水性、疎水性であることが好ましい。
【0030】
さらに前記高分子化合物はブロックポリマーであること好ましい。さらには前記一般式(1)で表される繰り返し単位構造が疎水性ブロックセグメント中に含有される高分子化合物を使用することが好ましい。本発明で好ましく用いられるブロックポリマーは複数の異なるブロックセグメントを有するポリマーであり、ABタイプ、ABCタイプ、ABAタイプ、ABCDタイプ等の形態が例として挙げられる。
【0031】
一般式(1)以外に本発明に用いられる高分子化合物中に含有される繰り返し単位構造の例としては、以下の一般式(3)で表される繰り返し単位構造があげられる。
【0032】
【化15】
【0033】
(式中、R1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7 および−(CH2 )m −(O)n −R7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
【0034】
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
R5 、R6 はそれぞれ独立に水素原子もしくは−CH3 である。
【0035】
R7 は水素原子、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH2 CHO、−CO−CH=CH2 、−CO−C(CH3 )=CH2 、−CH2 COOR8 からなり、R7 が水素原子以外である場合、R7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R8 は水素原子または炭素数1から5のアルキル基である。Phは
フェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。)
【0036】
一般式(3)で表される繰り返し単位構造のさらに具体例は、以下にあげられる。
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
また、上記の一般式(3)で表される繰り返し単位構造の具体例として示した中で、例えば単位構造(1)〜(5)のうち、(3),(4)は疎水性の単位構造を示し、(1),(2),(5)はその他の条件により、親水性または疎水性に変化する単位構造を示す。
【0040】
本発明に特徴的に用いられる一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有する高分子化合物は、該繰り返し単位構造が以上述べてきたような例にわかるように、芳香族環構造を有するため、外光、特に機能物質を分解しやすい紫外、近紫外光を吸収することにより、後述する機能物質を保護する機能を有するため、耐候性を向上することが可能である。また、該繰り返し単位構造はポリビニルエーテル鎖を主鎖としており、該鎖は非常に柔軟な構造であることからより機能物質となじみやすいという利点も有している。
【0041】
本発明において、高分子化合物中に含有される一般式(1)で表される繰り返し単位構造の含有量は、高分子化合物全体に対して0.001〜99.9mol%、好ましくは0.1〜99mol%の範囲が望ましい。0.001mol%未満では、その機能が充分に発揮しない場合があり、99.9mol%を越えるとブロックポリマーとしての機能が不充分の場合があり好ましくない。また、一般式(1)で表される繰り返し単位構造以外の単位構造の含有量は、高分子化合物全体に対して0.1〜99.9mol%、好ましくは1〜99.9mol%の範囲が望ましい。
【0042】
本発明における高分子化合物の数平均分子量(Mn)は、200以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。10000000を越えると高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが多くなりすぎ、溶剤に分散しにくかったりする。200未満である場合、分子量が小さく高分子としての立体効果が出にくかったりする場合がある。
【0043】
また、本発明に好適に用いられるブロックポリマーの各セグメントは単一の繰り返し単位からなるものでもよく、複数の繰り返し単位構造からなるものでもよい。複数の繰り返し単位からなるブロックセグメントの例としては、ランダム共重合体や徐々に組成比が変化するグラデュエイション共重合体がある。また、本発明に用いられるブロックポリマーはそれらブロックポリマーが他のポリマーにグラフト結合したポリマーであっても良い。
【0044】
本発明のブロックポリマーの数平均分子量は、200以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。10000000を越えると高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが多くなりすぎ、溶剤に分散しにくかったりする。200未満である場合、分子量が小さく高分子としての立体効果が出にくかったりする場合がある。各セグメントの好ましい重合度は3以上10000以下である。さらに好ましくは5以上5000以下である。
【0045】
本発明のブロック高分子化合物が両親媒性であったとき、水性溶媒中でミセル状態を形成することが可能である。この場合後述する例である記録材料において、分散性や内包可能である点で好ましい性質を発現することが可能である。
【0046】
本発明における高分子化合物の重合は主にカチオン重合で行なわれることが多い。開始剤としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等のプロトン酸や、BF3 、AlCl3 、TiCl4 、SnCl4 、FeCl3 、RAlCl2 、R1.5 AlCl1.5 (Rはアルキルを示す)等のルイス酸とカチオン源の組み合わせ(カチオン源としてはプロトン酸や水、アルコール、ビニルエーテルとカルボン酸の付加体などがあげられる。)が例として挙げられる。これらの開始剤を重合性化合物(モノマー)と共存させることにより重合反応が進行し、高分子化合物を合成することができる。
【0047】
本発明にさらに好ましく用いられる重合方法について説明する。ポリビニルエーテル構造を含むポリマーの合成法は多数報告されているが(例えば特開平11−080221号公報)、青島らによるカチオンリビング重合による方法(特開平11−322942号公報、特開平11−322866号公報)が代表的である。カチオンリビング重合でポリマー合成を行うことにより、ホモポリマーや2成分以上のモノマーからなる共重合体、さらにはブロックポリマー、グラフトポリマー、グラジュエーションポリマー等の様々なポリマーを、長さ(分子量)を正確に揃えて合成することができる。また、他にHI/I2 系、HCl/SnCl4 系等でリビング重合を行うこともできる。
【0048】
また、本発明の組成物においては好ましい一形態は、前記機能物質が前記高分子中に内包されている組成物であり、前記機能物質が色材である組成物である。内包されている場合、該機能物質は環境から保護されより安定に存在することができる。内包状態を形成しやすいという点で前述したように本発明には、両親媒性のブロックポリマーが好ましく用いられる。両親媒性のブロックポリマーは通常水性溶媒中でミセルを生成する。疎水性コア部には疎水性機能物質を簡単に内包することができる。例えば、非水溶性有機溶媒に非水溶性で、該有機溶媒に溶解可能な色材を溶解し、水中にブロックポリマーによるミセルを形成した分散液中に投入し分散器を用いて分散すると、機能物質を溶解した該有機溶剤溶液微粒子が前記ミセルの疎水性コア部に内包される。
【0049】
本発明の組成中に含有される前記高分子化合物は、本発明の組成物の重量に対して、0.2〜99重量%であり、好ましくは0.5〜70重量%である。0.2重量%未満の場合、機能物質の分散性が充分でない場合が有り、99重量%を越える場合、粘度が高くなりすぎたりする場合がある。
【0050】
また、本発明中の組成物中に含有される機能物質は液体、固体である場合が好ましく、溶解性の物質であってもよい。例えばオイル、顔料、金属、除草剤、殺虫剤、生体材料、薬、顔料、染料等の色材や分子性触媒等も用いることができる。好ましい例としては色材がある。機能物質の含有量は、0.1重量%以上、80重量%以下である。好ましくは0.5重量%以上60重量%以下である。0.1重量%未満の場合、機能性が充分に発現しない場合があり、80重量%を越える場合、分散が充分でない場合がある。
【0051】
さらに、本発明の分散性組成物には、溶媒、分散媒が含有され、分散媒としてバインダー樹脂を用いることも可能である。溶媒または分散媒としては、水、水性溶剤、非水性有機溶剤等を用いることができる。もちろんそれらの混合物も用いることができる。水性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。非水性有機溶剤としては、ヘキサン、へプタン、オクタン、デカン、トルエン等の炭化水素系溶剤、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル等の溶剤も使用可能である。また、オリーブオイル、大豆油、牛脂、豚脂等の天然油脂を使用することもできる。バインダー樹脂としては、スチレンアクリル共重合体、ポリエステル等が例として挙げられる。
【0052】
本発明の分散性組成物中の溶媒、分散媒の含有量は、1重量%以上99重量%以下である。好ましくは10重量%以上95重量%以下である。1重量%未満の場合や99重量%を越える場合、機能物質の分散が充分でない場合がある。
【0054】
本発明のインク組成物について説明する。
本発明のインク組成物に含有される一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物の含有量は、0.1重量%以上90重量%以下の範囲で用いられる。好ましくは1重量%以上80重量%以下である。インクジェットプリンター用としては、好ましくは1重量%以上30重量%以下で用いられる。
【0055】
次に、本発明のインク組成物に含有さる高分子化合物以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、水、水性溶媒あるいは溶剤、色材、添加剤等が含まれる。
【0056】
[水]
本発明に含まれる水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、純水、超純水が好ましい。
【0057】
[水性溶媒]
水性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、水性分散物の記録媒体上での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
【0058】
本発明のインク組成物において、上記水および水性溶媒または溶剤の含有量は、インク組成物の全重量に対して、20〜95重量%の範囲で用いるのが好ましい。さらに好ましくは30〜90重量%の範囲である。
【0059】
[色材]
本発明のインク組成物には、顔料および染料等の色材が含有される。
以下にインク組成物に使用する顔料および染料の具体例を示す。
【0060】
顔料は、有機顔料および無機顔料のいずれでもよく、インクに用いられる顔料は、好ましくは黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いることができる。なお、上記に記した以外の色顔料や、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
【0061】
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
黒色の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRAII、Raven1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Black PearlsL、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0062】
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
イエロー色の顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.Pigment Yellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
また、本発明の組成物では、水に自己分散可能な顔料も使用できる。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがあり、市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上キャボット社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学社製)等が挙げられる。
【0066】
本発明のインク組成物に用いられる顔料は、インク組成物の重量に対して、0.1〜50重量%が好ましい。顔料の量が、0.1重量%未満となると、十分な画像濃度が得られなくなり、50重量%を超えると画像の定着性が悪化する場合がある。さらに好ましい範囲としては0.5重量%から30重量%の範囲である。
【0067】
また、本発明のインク組成物では染料も使用することができる。以下に述べるような直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食品用色素の水溶性染料、又は分散染料の不溶性色素を用いることができる。
【0068】
例えば、水溶性染料としては、C.I.ダイレクトブラック,−17,−19,−22,−32,−38,−51,−62,−71,−108,−146,−154;C.I.ダイレクトイエロー,−12,−24,−26,−44,−86,−87,−98,−100,−130,−142;C.I.ダイレクトレッド,−1,−4,−13,−17,−23,−28,−31,−62,−79,−81,−83,−89,−227,−240,−242,−243;C.I.ダイレクトブルー,−6,−22,−25,−71,−78,−86,−90,−106,−199;C.I.ダイレクトオレンジ,−34,−39,−44,−46,−60;C.I.ダイレクトバイオレット,−47,−48;C.I.ダイレクトブラウン,−109;C.I.ダイレクトグリーン,−59等の直接染料、
C.I.アシッドブラック,−2,−7,−24,−26,−31,−52,−63,−112,−118,−168,−172,−208;C.I.アシッドイエロー,−11,−17,−23,−25,−29,−42,−49,−61,−71;C.I.アシッドレッド,−1,−6,−8,−32,−37,−51,−52,−80,−85,−87,−92,−94,−115,−180,−254,−256,−289,−315,−317;C.I.アシッドブルー,−9,−22,−40,−59,−93,−102,−104,−113,−117,−120,−167,−229,−234,−254;C.I.アシッドオレンジ,−7,−19;C.I.アシッドバイオレット,−49等の酸性染料、
C.I.リアクティブブラック,−1,−5,−8,−13,−14,−23,−31,−34,−39;C.I.リアクティブイエロー,−2,−3,−13,−15,−17,−18,−23,−24,−37,−42,−57,−58,−64,−75,−76,−77,−79,−81,−84,−85,−87,−88,−91,−92,−93,−95,−102,−111,−115,−116,−130,−131,−132,−133,−135,−137,−139,−140,−142,−143,−144,−145,−146,−147,−148,−151,−162,−163;C.I.リアクティブレッド,−3,−13,−16,−21,−22,−23,−24,−29,−31,−33,−35,−45,−49,−55,−63,−85,−106,−109,−111,−112,−113,−114,−118,−126,−128,−130,−131,−141,−151,−170,−171,−174,−176,−177,−183,−184,−186,−187,−188,−190,−193,−194,−195,−196,−200,−201,−202,−204,−206,−218,−221;C.I.リアクティブブルー,−2,−3,−5,−8,−10,−13,−14,−15,−18,−19,−21,−25,−27,−28,−38,−39,−40,−41,−49,−52,−63,−71,−72,−74,−75,−77,−78,−79,−89,−100,−101,−104,−105,−119,−122,−147,−158,−160,−162,−166,−169,−170,−171,−172,−173,−174,−176,−179,−184,−190,−191,−194,−195,−198,−204,−211,−216,−217;C.I.リアクティブオレンジ,−5,−7,−11,−12,−13,−15,−16,−35,−45,−46,−56,−62,−70,−72,−74,−82,−84,−87,−91,−92,−93,−95,−97,−99;C.I.リアクティブバイオレット,−1,−4,−5,−6,−22,−24,−33,−36,−38;C.I.リアクティブグリーン,−5,−8,−12,−15,−19,−23;C.I.リアクティブブラウン,−2,−7,−8,−9,−11,−16,−17,−18,−21,−24,−26,−31,−32,−33等の反応染料;
C.I.ベーシックブラック,−2;C.I.ベーシックレッド,−1,−2,−9,−12,−13,−14,−27;C.I.ベーシックブルー,−1,−3,−5,−7,−9,−24,−25,−26,−28,−29;C.I.ベーシックバイオレット,−7,−14,−27;C.I.フードブラック,−1,−2等が挙げられる。
【0069】
なお、これら上記の色材の例は、本発明のインクに対して好ましいものであるが、本発明のインク組成物に使用する色材は上記色材に特に限定されるものではない。本発明のインク組成物に用いられる染料は、インク組成物の重量に対して、0.1〜50重量%が好ましい。
【0070】
[添加剤]
本発明のインク組成物には、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明の組成物は、ポリビニルエーテル構造を含むポリマーにより、顔料のような粒状固体を分散させる機能を有しているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。
【0071】
他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
【0072】
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等、疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
【0073】
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性界面活性剤を用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0074】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。
【0075】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0076】
両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
【0077】
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて水性溶剤を添加することができる。特にインクジェット用インクに用いる場合、水性溶剤は、インクのノズル部分での乾燥、インクの固化を防止するために用いられ、水単独または水と混合して用いることができる。水性溶剤は、上述のものがそのまま当てはまる。その含有量としては、インク組成物の場合、インク組成物の全重量の0.1〜60重量%、好ましくは1〜25重量%の範囲である。
【0078】
その他の添加剤としては、例えばインクとしての用途の場合、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤、記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤、インク内での黴の発生を防止する防黴剤、インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤、記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
【0079】
本発明のインク組成物を調製するには、上記構成成分を混合し、均一に溶解又は分散することにより調製することができる。たとえば、構成成分の複数を混合し、サンドミルやボールミル、ホモジナイザー、ナノマーザー等により破砕、分散しインク母液を作成し、これに溶媒や添加剤を加え物性を調整することにより調整することができる。
【0088】
本発明の第2の発明は上記本発明の組成物を用いることを特徴とする画像形成方法であり、好ましい形態としてはインクジェット記録により記録することを特徴とする画像形成方法である。また本発明の第3の発明はそれら画像形成方法に用いる画像形成装置である。
【0089】
[画像形成方法および画像形成装置]
本発明のインク組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像形成方法および装置に使用でき、この装置を用いた画像形成方法により描画することができる。
【0090】
本発明の画像形成方法は、本発明のインク組成物により優れた画像形成を行なう方法である。本発明の画像形成方法は、好ましくは、インク吐出部から本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う画像形成方法である。画像形成はインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出するインクジェット法を用いる方法が好ましく用いられる。
【0091】
本発明のインクジェット用インク組成物を用いるインクジェットプリンタとしては、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行う熱インクジェット方式等、様々なインクジェット記録装置に適用できる。
【0092】
以下このインクジェット記録装置について図1を参照して概略を説明する。但し、図1はあくまでも構成の一例であり、本願発明を限定するものではない。
図1は、インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
【0093】
図1は、ヘッドを移動させて被記録媒体に記録をする場合を示した。図1において、製造装置の全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58が駆動され、ヘッド70の被記録媒体に対する位置が決定される。
【0094】
図1に示されるように、ヘッド70には、X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58に加え、ヘッド駆動回路60が接続されており、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド70の駆動、即ちインクジェット用インクの吐出等を行う。さらに、CPU50には、ヘッドの位置を検出するためのXエンコーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラムメモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU50は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびYエンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移動させ、被記録媒体上の所望の位置にヘッドを配置してインクジェット用インクを吐出する。このようにして被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。また、複数のインクジェット用インクを装填可能な画像記録装置の場合、各インクジェット用インクに対して上記のような操作を所定回数行うことにより、被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。
【0095】
また、インクジェット用インクを吐出した後、必要に応じて、ヘッド70を、ヘッドに付着した余剰のインクを除去するための除去手段(図示せず)の配置された位置に移動し、ヘッド70をワイピング等して清浄化することも可能である。清浄化の具体的方法は、従来の方法をそのまま使用することができる。
【0096】
描画が終了したら、図示しない被記録媒体の搬送機構により、描画済みの被記録媒体を新たな被記録媒体に置き換える。
【0097】
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能である。例えば、上記説明ではヘッド70をXY軸方向に移動させる例を示したが、ヘッド70は、X軸方向(またはY軸方向)のみに移動するようにし、被記録媒体をY軸方向(またはX軸方向)に移動させ、これらを連動させながら描画を行うものであってもよい。
【0098】
本発明は、インクジェット用インクの吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギーによりインクジェット用インクを吐出させるヘッドが優れた効果をもたらす。かかる方式によれば描画の高精細化が達成できる。本発明のインクジェット用インク組成物を使用することにより、更に優れた描画を行うことができる。
【0099】
上記の熱エネルギーを発生する手段を備えた装置の代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
【0100】
ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればインクジェット用インクの吐出を確実に効率よく行うことができる。
【0101】
さらに、本発明の画像形成装置で被記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドとしては、複数のヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0102】
加えて、シリアルタイプのものでも、装置本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプのヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0103】
さらに、本発明の装置は、液滴除去手段を更に有していてもよい。このような手段を付与した場合、更に優れた吐出効果を実現できる。
【0104】
また、本発明の装置の構成として、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定化できるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、または、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、インクの吐出とは別の、吐出を行なうための予備吐出手段などを挙げることができる。
【0105】
本発明に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
本発明の装置では、インクジェット用インクの吐出ヘッドの各吐出口から吐出されるインクの量が、0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であることが好ましい。
【0106】
また、本発明のインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録方式等を用いた間接記録装置にも用いることができる。また、直接記録方式による中間転写体を利用した装置にも適用することができる。
【0107】
さらに本発明の第4の発明は、一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマーであって、カルボン酸エステルまたはカルボン酸またはカルボン酸塩構造を有するブロックポリマー化合物である。前述の本発明の第一の発明中に好ましく用いられるブロックポリマーであって、かつカルボン酸エステルまたはカルボン酸またはカルボン酸塩構造を有するブロックポリマー化合物である。モノマー繰り返し単位構造中にカルボン酸エステルまたはカルボン酸またはカルボン酸塩構造を有していてもよく、開始末端または重合終了末端に有していても良く、いずれか高分子化合物の任意の部位にカルボン酸エステルまたはカルボン酸またはカルボン酸塩構造を有していればよい。カルボン酸エステルまたはカルボン酸またはカルボン酸塩構造を有していることにより、分子間、分子内において良好に相互作用を発揮することができる。すなわちその相互作用によって例えば両親媒性のブロックポリマーにおける自己集積的組織構造化によるミセル生成がより均一に実現できたりする。この点が本発明におけるカルボン酸エステルまたはカルボン酸またはカルボン酸塩構造を有していことの大きな意味である。このためそれら相互作用が働くものとしてフリーのカルボン酸構造、カルボン酸塩の構造が好ましい形として挙げられる。ただしそれらフリーのカルボン酸構造、カルボン酸塩はカルボン酸エステルを加水分解して得られることが多い。このため、カルボン酸エステル構造は、さほどの分子内、分子間で相互作用を働かせえないにしても、フリーのカルボン酸構造、カルボン酸塩の合成前駆体として非常に有用である。
【0108】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0109】
実施例1
<高分子化合物の合成>
(1)イソブチルビニルエーテル(IBVE)と
【0110】
【化18】
のランダム共重合セグメント(Aブロック成分)と2−メトキシエチルビニルエーテル(Bブロック成分)からなるセグメントのABブロック高分子の合成
【0111】
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、6mmol(ミリモル)のIBVE、6mmol(ミリモル)の
【0112】
【化19】
、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.1mmol、およびトルエン11mlを加え、反応系をさらに冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)0.2mmolを加え重合を開始し、ABブロックポリマーのA成分を合成した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、A成分の重合完了を確認した。
【0113】
次いで24mmolの2−メトキシエチルビニルエーテル(Bブロック成分モノマー)を添加して、重合を続行した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、B成分の重合完了を確認し、重合反応を停止した。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。エバポレーターで濃縮・乾固したものを真空乾燥させて目的物である高分子化合物のジブロックポリマーを得た。高分子化合物の同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。Mn=24600、Mw/Mn/=1.24であった。
【0114】
このジブロックポリマー(高分子化合物)2重量部をTHF5重量部に溶解し、脂溶性染料オイルブルーN(商品名、アルドリッチ社製)1重量部をTHF3重量部に溶解したものと共溶解し、80重量部の0.02規定水酸化ナトリウム水を用いて水相へ転相した。THFを留去し、インク組成物▲1▼を調整した。脂溶性染料オイルブルーはポリマーなしでは水性溶液には全く分散しない。
【0115】
また、インク組成物▲1▼を脂溶性染料オイルブルー無しで調整したブロックポリマーミセル分散液に対して、オイルブルーの塩化メチレン溶液を添加したところ、きれいに分散し、ミセル中へオイルブルーが内包されたことがわかった。
【0116】
実施例2
実施例1で調製したインク組成物▲1▼を用いて、インクジェット記録を行なった。インクジェットプリンタ(商品名 BJF800、キヤノン(株)製バブルジェット(登録商標))のインクタンクに実施例1のインク組成物▲1▼を充填し、前記インクジェットプリンタを用いて普通紙に記録したところ、青字の記録ができた。
【0117】
実施例3
実施例1で合成したブロックポリマーの合成手順のうち、最後の重合停止の反応の工程を、HO(CH2 )5 COOEtを30mmol添加することにより行なった。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固して、ブロックポリマー末端が−O(CH2 )5 COOEtとなったブロックポリマーの高分子化合物を得た。
【0118】
合成した高分子化合物の同定は、GPCとNMRにより行なった。特に末端に結合している部分の同定にはNMRのDOSY法による測定により、高分子量体のスペクトル中に末端部位の存在することを確認することによって行なった。Mn=25800、Mw/Mn=1.4であった。Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量である。
【0119】
このブロックポリマーをアルカリ加水分解し、塩酸中和処理して、ブロックポリマー末端が−O(CH2 )5 COOHとなったブロックポリマーを得た。さらにアルカリ処理し、ブロックポリマー末端が−O(CH2 )5 COO- Na+ となったブロックポリマーを得た。
【0120】
実施例4
実施例1で合成したブロックポリマーのAブロックセグメントに使用された
【0121】
【化20】
を
【0122】
【化21】
に変えて、同様にブロックポリマーを合成した。Mn=28800、Mw/Mn=1.4であった。
【0123】
さらにまた実施例3で行なったと同様の末端修飾をこのブロックポリマーで行い、ブロックポリマー末端が−O(CH2 )5 COOEtとなったブロックポリマー、ブロックポリマー末端が−O(CH2 )5 COOHとなったブロックポリマー、ブロックポリマー末端が−O(CH2 )5 COO- Na+ となったブロックポリマーを得た。
【0124】
実施例5
実施例3,4で得られた重合末端が−O(CH2 )5 COO- Na+ となったブロックポリマーを用いて実施例1のインク組成物▲1▼と同様にそれぞれインク組成物を調整した。これを実施例2と同様にインクジェット記録を行なったところ、それぞれきれいに印字できた。また、これらのインクは作成後100時間経過しても分散状態は安定であった。また、印字した記録物を卓上型ばく露装置(サンテストCPS+、東洋精機製)で耐候性試験を3時間かけたところ、光学濃度はそれぞれ99%保持された。
【0128】
比較例1
実施例1で用いた脂溶性染料オイルブルーをTHFに溶解した溶液を普通紙に刷毛で塗布し、実施例5と同様に耐候性試験を行なったところ、光学濃度の保持は88%で、実施例5に比較し大きく劣っていた。
【0129】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、特定のブロックポリマー化合物を用いることにより、インク組成物を色材の分散性を良好にして調整するのに好適な分散性組成物を提供することができる。
【0130】
また、本発明は、特定のブロックポリマー化合物を分散媒、色材とともに配合することにより、分散性が良好なインク組成物を提供することができる。
また、本発明の分散性が良好なインク組成物を使用した各種画像形成方法および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
20 インクジェット装置
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有する疎水性ブロックセグメントと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有する親水性ブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物であって、両親媒性を示すことを特徴とするブロックポリマー化合物。
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
R 5 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子もしくは−CH 3 である。
R 7 は水素原子、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH 2 CHO、−CO−CH=CH 2 、−CO−C(CH 3 )=CH 2 、−CH 2 COOR 8 からなり、R 7 が水素原子以外である場合、R 7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R 8 は水素原子または炭素数1から5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。) - 前記繰り返し単位構造中または前記ブロックポリマーの重合開始末端あるいは重合終了末端にカルボン酸エステル、カルボン酸およびカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種を有する請求項1に記載のブロックポリマー化合物。
- 下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を有する疎水性ブロックセグメントと、下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有する親水性ブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物と、色材と、分散媒とを含有し、前記ブロックポリマー化合物が前記色材を内包し、ミセルを形成していることを特徴とする分散性組成物。
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
R 5 、R 6 はそれぞれ独立に水素原子もしくは−CH 3 である。
R 7 は水素原子、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH 2 CHO、−CO−CH=CH 2 、−CO−C(CH 3 )=CH 2 、−CH 2 COOR 8 からなり、R 7 が水素原子以外である場合、R 7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。R 8 は水素原子または炭素数1から5のアルキル基である。Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。) - 前記繰り返し単位構造中または前記ブロックポリマー化合物の重合開始末端あるいは重合終了末端にカルボン酸エステル、カルボン酸およびカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種を有する請求項3に記載の分散性組成物。
- 請求項3または4に記載の分散性組成物からなることを特徴とするインク組成物。
- 請求項5に記載のインク組成物を用いて被記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
- 前記インク組成物を前記被記録媒体に吐出させて画像を形成する請求項6記載の画像形成方法。
- 請求項7に記載の画像形成方法を用いて前記被記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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