JP3889866B2 - ポリウレタン樹脂系光硬化性被覆剤および光硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光硬化性被覆剤および光硬化性組成物に関する。より詳しくは、可視光によって硬化可能であり、塗料、印刷インキ等の各種被覆剤、接着剤、印刷樹脂版等に利用できる光硬化性被覆剤および光硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光硬化性を利用した接着剤、塗料、印刷インキ等は速乾性、作業環境の改善、省エネルギー、生産性及び品質の向上等の目的で広く普及しているが、これら工業的に使用されているものは、ほとんどが紫外線硬化性である。しかし、紫外線硬化性の接着剤、塗料、印刷インキ等の組成物は次の様な問題点を抱えている。
【0003】
(1)フィラーや顔料が配合された場合に接着不足や硬化不足を引き起こす。
【0004】
(2)紫外線に弱い材質の基材やフィルムの接着には利用できない。
【0005】
(3)軟質塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート等の紫外線透過性の低い材料の接着に利用できない。
【0006】
(4)硬化深度が浅く、厚盛の塗膜の硬化が不十分となる。
【0007】
(5)組成物を低粘度化するために使用される希釈モノマーや、有機溶剤等の毒性の問題が懸念され、さらに紫外線そのものの人体への悪影響も指摘されている。
【0008】
(6)紫外線硬化システムでは高出力のメタルハライドランプなどを搭載した照射ユニットを設けなければならず、装置の大型化や、高コストの原因となっている。
【0009】
そこで、近年になって照射光を可視光とした硬化性組成物に関する提案がなされている。しかしながら、従来より知られている光重合開始剤であるベンゾフェノン、オルトベンゾイル安息香酸、カンファーキノン、α−ベンジル類、アシルフォスフィンオキシド等を用いた光硬化性組成物では可視光のようなエネルギーの低い光では感度が不十分であり、実用に耐える硬化性能を付与することができないという欠点を有している。さらに、特定のホウ素系化合物を光重合開始剤とするもの(特開平6−329711号公報)、フェナントレンキノンと第三級アミンを複合光重合開始剤とするもの(特開平8−291273号公報)、新規なビスクマリン系化合物を増感剤とするもの(特開平8−337582号公報)等も提案されているが、未だ十分とはいいがたい。
【0010】
また、有機溶剤による毒性、環境への悪影響の面から、従来より紫外線硬化性組成物の多くは無溶剤型となっているが、コーティング装置や印刷機の洗浄には有機溶剤を使用せざるをえず、作業者の健康に対して不安がある。このため、水性化された、もしくは容易に水で洗浄できる水洗浄性の高い光硬化性組成物が望まれている。しかしながら、水性化する際に使用できる開始剤には制限があり、さらには、可視光のようなエネルギーの低い光で光重合を開始させる開始剤は見出されていないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は紫外線硬化性組成物が持っている上記問題点が解決された、可視光により硬化が可能な光硬化性被覆剤および光硬化性組成物を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、環境や人体に悪影響の少ない、水で洗浄可能な光硬化性被覆剤および光硬化性組成物を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の化合物を光重合開始剤として用いることによって可視光で硬化が可能となることを見出し、本発明に至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は、(1)ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物から誘導される下記一般式(I)で示される構造と、ウレタン結合及び/又はウレア結合とを有し、かつ数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物由来のカルボキシル基と結合しているポリウレタン樹脂であって、下記一般式(I)で示される構造を該樹脂中に3重量%以上含むポリウレタン樹脂からなり、前記ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン樹脂中の下記一般式(I)で示される構造が被覆剤全量中に0.01重量%以上になる割合で含有されてなることを特徴とする光硬化性被覆剤に関する。
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、低級アルキル又は低級アルコキシ基を示す)。
【0017】
さらに本発明は、(2)前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲にあることを特徴とする前記(1)項記載の光硬化性被覆剤に関する。
【0018】
さらに本発明は、(3)前記ポリウレタン樹脂に加えて、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を含有することを特徴とする前記(1)または(2)項記載の光硬化性被覆剤に関する。
【0019】
さらに本発明は、(4)前記ポリウレタン樹脂が水に溶解または分散され、水性化された被覆剤であることを特徴とする前記(1)、(2)または(3)項記載の光硬化性被覆剤に関する。
【0020】
さらに本発明は、(5)前記ポリウレタン樹脂が分子中に少なくとも1個のヒドラジン残基を有することを特徴とする前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の光硬化性被覆剤に関する。
【0021】
さらに本発明は、(6)前記ポリウレタン樹脂中のケト形及び/又はアルデヒド形由来のカルボニル基の当量に対して、ヒドラジン残基が0.05〜3.0当量の範囲になる量のヒドラジン化合物が配合されてなることを特徴とする前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の光硬化性被覆剤に関する。
【0022】
さらに本発明は、(7)ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物から誘導される下記一般式(I)で示される構造と、ウレタン結合及び/又はウレア結合とを有し、かつ数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物由来のカルボキシル基と結合しているポリウレタン樹脂であって、下記一般式(I)で示される構造を該樹脂中に3重量%以上含むポリウレタン樹脂からなり、前記ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン樹脂中の下記一般式(I)で示される構造が組成物全量中に0.01重量%以上になる割合で含有されてなることを特徴とする光硬化性組成物に関する。
【0023】
【化4】
【0024】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、低級アルキル又は低級アルコキシ基を示す)。
【0025】
さらに本発明は、(8)前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲にあることを特徴とする前記(7)項記載の光硬化性組成物に関する。
【0026】
さらに本発明は、(9)前記ポリウレタン樹脂に加えて、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を含有することを特徴とする前記(7)または(8)項記載の光硬化性組成物に関する。
【0027】
さらに本発明は、(10)前記ポリウレタン樹脂が水に溶解または分散され、水性化された組成物であることを特徴とする前記(7)、(8)または(9)項記載の光硬化性組成物に関する。
【0028】
さらに本発明は、(11)前記ポリウレタン樹脂が分子中に少なくとも1個のヒドラジン残基を有することを特徴とする前記(7)〜(10)項のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
【0029】
さらに本発明は、(12)前記ポリウレタン樹脂中のケト形及び/又はアルデヒド形由来のカルボニル基の当量に対して、ヒドラジン残基が0.05〜3.0当量の範囲になる量のヒドラジン化合物が配合されてなることを特徴とする前記7)〜(11)項のいずれかに記載の光硬化性組成物に関する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明において、被覆剤とは、木工コーティング、塩化ビニル系樹脂床コーティング、フィルムコーティング、光ファイバーコーティングなどに用いられる塗料(ワニスを含む)、平版印刷、スクリーン印刷、金属印刷などに用いられる印刷インキなどの、物品の表面に適用される各種被覆剤のみならず、塗料の下塗層に利用されるプライマー、光ディスク、プラスチックレンズなどに用いられる各種接着剤などをも包含する概念である。
【0031】
本発明において、組成物とは前記被覆剤としての用途のみならず、印刷樹脂版、光造形材料などの樹脂成形体用組成物、ドライフィルムレジスト、液状レジスト、着色レジスト、半導体レジストなどの用途に使用されるものをも含む概念である。
【0032】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0033】
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物から誘導される前記一般式(I)で示される構造と、ウレタン結合及び/又はウレア結合とを有し、かつ数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物由来のカルボキシル基と結合しているポリウレタン樹脂であって、前記一般式(I)で示される構造を該樹脂中に3重量%以上含むポリウレタン樹脂からなる。一般式(I)において、R1、R2で示される低級アルキル基としては、たとえばメチル、エチルなどがあげられ、低級アルコキシ基としては、たとえばメトキシ、エトキシなどがあげられる。一般式(I)で示される構造としては、通常R1及びR2が共に水素原子であるものが好ましい。
【0034】
本発明のポリウレタン樹脂は、通常、ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物と、ジ(ポリ)オール成分及び/又はジ(ポリ)アミン化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナート化合物との反応によって主鎖が形成されており、さらに数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物の4つのカルボキシル基のうち主鎖の形成に関与していないカルボキシル基の少なくとも1つに結合されている。なお、数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基はウレタン結合及び/又はウレア結合を含んでいてもよい。
【0035】
なお、前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物とは、前記一般式(I)において、中央のカルボニル基を除いた4つのカルボニル基がカルボキシル基である化合物、およびそれらの酸無水物をいう。このベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物には、たとえばベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2′−ジメチルベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2′−ジメトキシベンゾフェノンテトラカルボン酸、及びこれらの酸無水物等が含まれる。
【0036】
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、たとえばつぎの方法により得ることができる。
【0037】
(A)ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物と、ジ(ポリ)オール(ジオール及び/又はポリオールを意味する、以下同様)とのエステル化反応によって得られるジ(ポリ)オール化合物(一般式(I)で示される構成単位を1または2以上含む)と、有機ジ(ポリ)イソシアナート、必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を使用して従来公知の方法で反応させてポリウレタン樹脂を得、このポリウレタン樹脂中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部を、これと反応し得る基とラジカル重合性不飽和基を併せ持つ化合物(以下、便宜上、不飽和変性剤という場合がある)、例えば水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナート基等を有する(メタ)アクリレート化合物、アリル化合物、ビニル化合物等と反応させる。
【0038】
この方法においては、前記ジ(ポリ)オール化合物にかえて又はこれと併用して、前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物とジ(ポリ)アミン(ジアミン及び/又はポリアミンを意味する、以下同様)とのアミド化もしくはイミド化反応によって得られるジ(ポリ)アミン化合物を使用することができる。
【0039】
前記方法においては、通常、前記ジ(ポリ)オール化合物及び/又はジ(ポリ)アミン化合物を、有機ジ(ポリ)イソシアナートに対して当量比で過剰量用いて、末端がジ(ポリ)オール化合物又はジ(ポリ)アミノ化合物になるようにする。
【0040】
(B)前記ジ(ポリ)オール化合物及び/又はジ(ポリ)アミン化合物(これらは一般式(I)で示される構成単位を1又は2以上含む)に対して、有機ジ(ポリ)イソシアナートを当量比で過剰量用いて末端イソシアナート含有ウレタンプレポリマーを得、このウレタンプレポリマー中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部と前記不飽和変性剤と反応させ、これを鎖伸長剤を用いて鎖伸長させ、得られる末端イソシアナート含有ポリウレタンに反応停止剤を反応させてもよい。この場合は用いる反応停止剤の種類によって、末端に各種の基を導入できる。たとえば低級アルコール類、アルキルアミン類、ジアルキルアミン類を反応させるとアルキル基を導入でき、アルカノールアミンを反応させると水酸基を導入でき、エチレンジアミン等を反応させるとアミノ基を導入できる。
【0041】
(C)前記ジ(ポリ)オール化合物及び/又はジ(ポリ)アミン化合物(これらは一般式(I)で示される構成単位を1又は2以上含む)に対して、有機ジ(ポリ)イソシアナートを当量比で過剰量用いて末端イソシアナート含有ウレタンポリマーを得、該末端イソシアナートと不飽和変性剤とを反応させる。
【0042】
(D)前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物と前記不飽和変性剤とを、ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基が残存する当量比で反応させてえられたベンゾフェノンテトラカルボン酸誘導体と、両末端水酸基のポリウレタンあるいは両末端アミノ基のポリウレタン(ジ(ポリ)オール及び/又はジ(ポリ)アミンと有機ジ(ポリ)イソシアナートを反応されて得られる)とを反応させる。
【0043】
本発明のポリウレタン樹脂を構成する各成分についてより具体的に説明する。
【0044】
前記ジ(ポリ)オールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール類、ポリオキシアルキレンジ(ポリ)オール、ポリアルキレンアジペートジ(ポリ)オール、ポリカプロラクトンジ(ポリ)オール、ポリオレフィンジ(ポリ)オール、ポリカーボネートジ(ポリ)オール等が挙げられる。
【0045】
前記ジ(ポリ)アミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ダイマージアミン、ジエチレントリアミン等のアルキレンジ(ポリ)アミン類、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン等の脂環族ジアミン類、ポリオキシアルキレンジアミン等が挙げられる。
【0046】
前記ジ(ポリ)オールおよびジ(ポリ)アミンとしては、数平均分子量が5000以下のものが好ましい。数平均分子量が5000より大きいと、ポリウレタン樹脂中の一般式(I)で示される構成単位の割合を3重量%以上に維持するのが難しくなり、ラジカル重合開始剤としての性能が低下し、好ましくない。
【0047】
有機ジ(ポリ)イソシアナートとしては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナナート等の芳香族ジイソシアナート類、キシリレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート等の芳香脂肪族ジイソシアナート類、イソフォロンジイソシアナート、水添ジフェニルメタンジイソシアナート、水添キシリレンジイソシアナート等の脂環族ジイソシアナート類、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等の脂肪族ジイソシアナート類、及びこれらの2量体、3量体等が挙げられる。
【0048】
鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の低分子グリコール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン類、後述するヒドラジン化合物等が挙げられる。また一般式(II)で示されるカルボキシル基を有するグリコール等が挙げられる。
【0049】
【化5】
【0050】
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基を示す)。
【0051】
反応停止剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール類、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のモノアルキルアミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、その他エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドラジン等が例示できる。
【0052】
前記不飽和変性剤としては、数平均分子量が2000以下のものが好ましい。不飽和変性剤の数平均分子量が2000より大きいと、ラジカル重合性が低下し、所望の硬化性能を発揮しがたくなる傾向がある。
【0053】
前記水酸基を有する不飽和変性剤としては、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールモノ(メタ)アクリレート等のポリオールのモノ(メタ)アクリレート類、アリルアルコール、グリコールとラジカル重合性イソシアナート化合物との付加体等が挙げられる。
【0054】
アミノ基を有する不飽和変性剤としては、たとえばアリルアミン等が挙げられる。
【0055】
エポキシ基を有する不飽和変性剤としては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシ−ビシクロ[4,3,0]ノニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル類、エポキシ変性ポリブタジエンなどのラジカル重合性エポキシ化合物等が挙げられる。
【0056】
イソシアナート基を有する不飽和変性剤としては、たとえばm−イソプロペニルジメチルベンジルイソシアナート、メタクリロイルイソシアナート等が挙げられる。
【0057】
本発明の良好な実施態様である前記ポリウレタン樹脂の分子中に少なくとも1個のヒドラジン残基を有する光重合開始剤を製造する方法としては、例えば、反応停止剤としてヒドラジン化合物を用いることによって実施することができる。
【0058】
前記ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、及び下記一般式(III)で示される、アルキレンジヒドラジンならびに飽和脂肪族二塩基酸及び不飽和二塩基酸のジヒドラジド化合物、さらに、これらヒドラジン化合物をブロック化剤としたブロックドイソシアナートあるいはポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0059】
H2N−NH−Y−NH−NH2 (III)
(式中、Yは炭素数1〜8のアルキレン基、あるいは炭素数1〜10の飽和又は不飽和二塩基酸の残基を表わす)。
【0060】
より具体的にはアルキレンジヒドラジンとして、メチレンジヒドラジン、エチレンジヒドラジン、プロピレンジヒドラジン、ブチレンジヒドラジン等を挙げることができる。飽和脂肪族二塩基酸のジヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどを挙げることができる。不飽和二塩基酸のジヒドラジド化合物としては、フタル酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
【0061】
ヒドラジン残基を有するポリウレタン樹脂とすることで、光硬化反応とは別個に、ヒトラジン残基と、ケト形及び/又はアルデヒド形由来のカルボニル基との反応が起こり、硬化が促進され、より高機能な皮膜がえられるという効果がある。あるいは本発明の被覆剤又は組成物を接着剤等として使用するばあい、基材の表面にケト形及び/又はアルデヒド形由来のカルボニル基があればより強固な接着効果を示す。
【0062】
本発明のポリウレタン樹脂を水溶性又は水分散性にするには、酸価が10mgKOH/g以上、好ましくは15mgKOH/g以上となるように反応成分を選択すればよい。また、ポリエチレングリコールのようなエチレンオキサイド鎖を有する化合物をジ(ポリ)オール成分として選択することによって水溶性又は水分散性にすることが可能となる。
【0063】
本発明のポリウレタン樹脂は、分子中に一般式(I)で示される構造の構成単位が3重量%以上含まれていることが必要であり、好ましくは10重量%以上である。一般式(I)の構成単位の含有量が前記範囲未満では充分な硬化性能が得られない。
【0064】
本発明のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は1,000〜200,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1,000〜100,000である。分子量が前記範囲未満では安定して製造することがやや難しく、一方前記範囲を超えると樹脂を単独で使用する場合に塗工適性が不十分となることがある。
【0065】
また、本発明におけるポリウレタン樹脂は光重合開始機能とラジカル重合機能を併せ持っているため、本発明の光硬化性被覆剤又は組成物の全量を該ポリウレタン樹脂の1種又は2種以上の混合物のみで構成することができる。
【0066】
また本発明におけるポリウレタン樹脂は、他のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物と併用することができ、それによって硬化性能をより向上することができる。
【0067】
本発明において、前記ポリウレタン樹脂をラジカル重合性不飽和結合を有する化合物と併用し、組成物として使用するばあい、前記ポリウレタン樹脂を組成物全量に対して、一般式(I)で示される構成単位が0.01重量%以上となる量で使用する必要があり、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上である。一般式(I)で示される構成単位の量が前記範囲未満では充分な硬化性能が得られない。一方該構成単位の量が30重量%を超えると、相対的にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物の量が減少し、硬化物の特性を低下させる惧れがある。
【0068】
本発明で任意成分として用いられるラジカル重合性不飽和結合を有する化合物としては、従来より公知のビニルエーテル類、アリル基を有する化合物、(メタ)アクリレート類、ビニルエステル類等のモノマー、それらのオリゴマー及びそれらのポリマー等がとくに制限なく使用できる。
【0069】
また、水性化した光硬化性被覆剤又は組成物に用いる場合は、水溶性あるいは水分散可能なラジカル重合性不飽和結合を有する化合物であれば特に制限なく、従来より公知の側鎖あるいは末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基、リン酸基あるいはポリオキシエチレン鎖等の親水性基と、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のラジカル重合性基とを共に有する化合物、及びこれらの塩化合物であるモノマーあるいはオリゴマーが使用できる。
【0070】
前記ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物の具体例としては、たとえばつぎのものが挙げられる。
【0071】
ビニルエーテル類としては、2−エチルヘキシルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル等の単官能のビニルエーテル類、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル等の多官能のビニルエーテル類等がある。
【0072】
アリル基を有するモノマーとしては、2−エチルヘキシルアリルエーテル、tert−アミルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテル、エチレングリコールブチルアリルエーテル、トリエチレングリコールメチルアリルエーテル等のアリルエーテル類、アリルアルコール、酢酸アリル等の単官能のモノマー、フタル酸ジアリル等の多官能のモノマー等がある。
【0073】
(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド等の単官能の(メタ)アクリレート類、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等がある。
【0074】
ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等がある。
【0075】
含窒素不飽和モノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、ビニルピリジン等がある。
【0076】
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、フマル酸、フマル酸ハーフエステル等、及びその塩類がある。
【0077】
水酸基含有不飽和モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等がある。
【0078】
その他のモノマーないしオリゴマーとしては、ブチルイソシアナート、フェニルイソシアナート等のイソシアナートと上記水酸基含有モノマーとの付加物、リン酸と上記水酸基含有モノマーとの付加物、多価アルコールとアルキレンオキサイドとの付加物に(メタ)アクリル酸を反応せしめた生成物等、ブタジエン、イソプレンなどのジエン類の低分子量重合体等がある。さらに、エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、エチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂、エチレン性不飽和基含有アクリル樹脂、エチレン性不飽和基含有シリコン樹脂、エチレン性不飽和基含有メラミン樹脂等がある。
【0079】
これらのラジカル重合性不飽和結合を有する化合物の使用に際しては、目的に応じて単独であるいは2種以上を混合して使用でき、また他の光重合開始剤や増感剤との併用も可能である。
【0080】
また、本発明の光硬化性被覆剤又は組成物中において、ポリウレタン樹脂とラジカル重合性不飽和結合を有する化合物とを併用する場合は、両者の合計量に対して、前者が0.5〜95重量%、より好ましくは1〜90重量%、後者が5〜99.5重量%、より好ましくは10〜99重量%である。ポリウレタン樹脂中の一般式(I)の構成単位の重量割合にもよるが、ポリウレタン樹脂の使用量が前記範囲未満では光重合開始剤としての機能が充分に発揮されず、充分な硬化性能が得られない傾向がある。また、前記範囲を超えると、相対的にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物の量が減少し、充分な硬化性能が得られない傾向がある。
【0081】
本発明の光硬化性被覆剤又は組成物において、溶剤としては、有機溶剤を使用してもよいが、できるだけ使用しないのが好ましく、使用するばあいは水可溶性有機溶剤を使用するのが好ましい。水可溶性有機溶剤としては、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカービトール、ブチルカービトール、メトキシプロパノール、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン等が挙げられる。
【0082】
本発明の他の目的は、環境や人体に悪影響の少ない、水で希釈可能でかつ可視光で硬化できる光硬化性被覆剤又は組成物を提供することにある。
【0083】
このような水性化された光硬化性被覆剤又は組成物を調製するには、ポリウレタン樹脂として、前述した水溶性又は水分散性のポリウレタン樹脂をそのまま水に溶解させるか、あるいは分散させて使用することができる。また、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を併用する場合は、当該化合物として、前述した化合物のうち水溶性もしくは水分散性を有するものを適宜選択使用すればよい。前記ポリウレタン樹脂及び/又はラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を水に溶解あるいは分散させる際に、必要に応じて界面活性剤や塩基性物質を使用することができる。前記界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルナフタレンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。前記塩基性物質としては、たとえばアンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルフォリン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ等が挙げられる。
【0084】
溶剤としては水が使用されるが、必要に応じて前記水可溶性有機溶剤を少量配合してもよい。
【0085】
また、一般に、光ラジカル反応による硬化は酸素の存在によって反応が阻害されたり、あるいは塗膜の膜厚が厚い場合は、その硬化にムラが生じ、目的とする硬化皮膜が得られないことがある。そこで、こうした問題を解決するために、従来においては、他の硬化剤、例えば、イソシアナート系硬化剤、シランカップリング剤等を組み合わせて使用している。しかし、こうした硬化方法は加熱が必要であったり、混合物そのものが不安定となったりする問題点を抱えていた。
【0086】
これに対して、本発明のより好ましい実施態様であるヒドラジン化合物を配合してなる水性化された光硬化性被覆剤又は組成物は、水の存在下ではヒドラジン化合物と前記ポリウレタン樹脂中のケト形およびアルデヒド形由来のカルボニル基との反応を水が阻害しているため、混合物は安定に存在する。そして、この硬化性組成物を塗膜化すると、塗膜表面からの水分蒸発にしたがってヒドラジン化合物とポリウレタン樹脂中のケト形およびアルデヒド形由来のカルボニル基との反応が開始され、一方でこの塗膜に可視光を照射すると、光ラジカル重合による硬化が同時に進行する。これによって光硬化で発生する硬化ムラを補い、より高性能な、例えば、耐溶剤性能を有する硬化皮膜や、表面硬度の高い硬化皮膜を形成することができる。
【0087】
光硬化性被覆剤又は組成物中におけるヒドラジン化合物の使用量は、前記ポリウレタン樹脂中のケト形及び/又はアルデヒド形由来のカルボニル基に対して、ヒドラジン残基が0.05〜3.0当量の範囲であることが好ましい。ヒドラジン残基が0.05当量より少ないと高性能な硬化皮膜が形成されず、一方3.0当量を超えて配合してもやはり分子間での架橋ができず、高性能な硬化皮膜が形成されない。この点から、ヒドラジン残基の使用量は、0.5〜1.5当量の範囲がより好ましい。
【0088】
前記ヒドラジン化合物としては、前述のヒドラジン残基を有するポリウレタン樹脂の製造で使用したヒドラジン化合物が使用できる。
【0089】
本発明の光硬化性被覆剤又は組成物には、以上で述べた各成分のほかに、ハイドロキノン、カテコール、ピクリン酸などの重合禁止剤、その他レベリング剤や消泡剤等を硬化性能に影響しない範囲で適宜加えることができる。また、他の光重合開始剤や、重合を促進するための増感剤、各種有機、無機の着色剤、体質顔料など従来公知の各種添加剤を硬化性能に影響しない範囲で目的に応じ適宜加えることができる。これらの添加剤は、それらの総量が被覆剤又は組成物中に0.1〜20重量%程度になる程度で使用するのが好ましい。
【0090】
本発明の光硬化性被覆剤又は組成物は、以上で述べた各成分をディスパ等の撹拌機を用いて室温下で均一に混合することによって得ることができる。
【0091】
本発明の光硬化性被覆剤又は組成物は、光を遮断できる容器に入れ、冷暗所に保存するのが好ましい。
【0092】
本発明におけるポリウレタン樹脂を光重合開始剤として使用する場合の重合を開始するメカニズムは必ずしも明確ではないが、一般式(I)で示される構造において中心に位置するカルボニル基が吸収した光エネルギーによって励起され、周辺に存在する活性水素を有する化合物から水素を引き抜き、その際生成するラジカル種が重合開始に寄与しているものと推定されている。
【0093】
本発明の光硬化性被覆剤又は組成物の硬化方法としては、被覆剤であれば各種塗工機を用いて基材上に塗布した後、硬化させるに有効な量の可視光線を照射すればよい。また、本発明の被覆剤又は組成物を透明シートの接着剤として使用する場合は、本発明の被覆剤又は組成物を一方の基材に塗布した後、もう一方の基材をあわせ、被覆剤又は組成物を硬化させるに有効な量の可視光線を照射すればよい。さらには、建築物の外壁塗料などに使用される場合は、外壁材に塗布した後、そのまま太陽光に暴露することによって硬化させることができる。
【0094】
光源としては有効量の可視光を照射することができるものであれば特に制限されず、例えば太陽光、ハロゲンランプ、白熱ランプ、炭素アーク、水銀蒸気アーク、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、可視光レーザー等が使用できる。更に電離性放射線も使用できる。
【0095】
【実施例】
以下実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部、%は重量%を示す。
【0096】
[製造例1]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を200部、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略す)32.2部を投入し、窒素導入下で徐々に昇温し、120℃から130℃の間で2時間反応させた後、50℃まで冷却し、つぎにイソフォロンジイソシアナート(以下、IPDIと略す)13.3部を加え、50℃から60℃に昇温し、2時間保持して反応させポリウレタン樹脂を製造した。これに、グリシジルメタクリレート28.4部を加え、50℃から55℃で3時間保持して残存しているBTDA由来のカルボキシル基と反応させ目的とするポリウレタン樹脂Aを得た。ポリウレタン樹脂Aは酸価がほぼ0で重量平均分子量は約24,000であった。ポリウレタン樹脂Aの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は11%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を3つ有し、不飽和変性剤残基を6つ有する構造に対応する)。
【0097】
[製造例2]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を100部、BTDA16.1部を投入し、窒素導入下で徐々に昇温し、120℃から130℃の間で3時間反応させた後、50℃まで冷却し、つぎにIPDI6.65部を加え、50℃から60℃に昇温し、2時間保持して反応させポリウレタン樹脂を製造した。これに、グリシジルメタクリレート7.1部を加え、50℃から55℃で3時間保持して、残存しているBTDA由来のカルボキシル基の一部と反応させ目的とするポリウレタン樹脂Bを得た。さらに、水303部、トリエチルアミン5.5部を仕込み、均一に分散させて、固形分30%のポリウレタン樹脂分散液とした。ポリウレタン樹脂Bは酸価が約21(mgKOH/g)で、重量平均分子量は約23,000であった。ポリウレタン樹脂Bの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は12%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を3つ有し、不飽和変性剤残基を3つ有する構造に対応する)。
【0098】
[製造例3]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量4000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を200部、BTDA8.05部を投入し、窒素導入下で徐々に昇温し、120℃から130℃の間で2時間反応させた後、50℃まで冷却し、つぎにIPDI3.3部を加え、50℃から60℃に昇温し、2時間保持して反応させポリウレタン樹脂を製造した。これに、グリシジルメタクリレート7.1部を加え、50℃から55℃で3時間保持して残存しているBTDA由来のカルボキシル基と反応させ目的とするポリウレタン樹脂Cを得た。ポリウレタン樹脂Cは酸価がほぼ0で、重量平均分子量は約75,000であった。ポリウレタン樹脂Cの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は4%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を3つ有し、不飽和変性剤残基を3つ有する構造に対応する)。
【0099】
[製造例4]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を100部、BTDA16.1部を投入し、窒素導入下で徐々に昇温し、120℃から130℃の間で2時間反応させた後、50℃まで冷却し、つぎにIPDI22.2部を加え、50℃から60℃に昇温し、2時間保持して反応させ両末端イソシアナートプレポリマーを製造した。これに、グリシジルメタクリレート14.2部を加え、50℃から55℃で3時間保持して残存しているBTDA由来のカルボキシル基と反応させた。さらに、水322部、トリエチルアミン10.1部を仕込み、均一にした後、直ちにエチレンジアミン1.8部、抱水ヒドラジン2.0部を加え、30分間反応させて、末端にヒドラジン残基を有するポリウレタン樹脂Dの固形分34%の水溶液を得た。ポリウレタン樹脂Dは酸価が約20(mgKOH/g)で、重量平均分子量は約26,000であった。ポリウレタン樹脂Dの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は11%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を3つ有し、不飽和変性剤残基を3つ有する構造に対応する)。
【0100】
[製造例5]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を90部、BTDA 19.3部を投入し、120℃で2時間反応させ、ついでIPDI13.3部を仕込み、100℃から120℃の間で5時間反応させ、両末端イソシアナートのポリウレタンを合成した。反応終了後100℃まで冷却し、空気を吹き込みながら、数平均分子量400のポリカプロラクトンジオールモノメタクリレート24部を仕込み、100℃から110℃で3時間反応させて目的とするポリウレタン樹脂Eを合成した。ポリウレタン樹脂Eは酸価が約22(mgKOH/g)で、重量平均分子量は約17,000であった。ポリウレタン樹脂Eの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は9%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を2つ有し、不飽和変性剤残基を2つ有する構造に対応する)。
【0101】
[製造例6]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を100部、BTDA16.1部を投入し、窒素導入下で徐々に昇温し、120℃から130℃の間で2時間反応させた後、50℃まで冷却し、つぎにIPDI22.2部を加え、50℃から60℃に昇温し、2時間保持して反応させ末端イソシアナートプレポリマーを製造した。これに、グリシジルメタクリレート14.2部を加え、50℃から55℃で3時間保持して残存しているBTDA由来のカルボキシル基と反応させた。さらに、水322部、トリエチルアミン10.1部を仕込み、均一にした後、直ちにエチレンジアミン1.8部、モノエタノールアミン2.4部を加え、30分間反応させて、固形分34%のポリウレタン樹脂Fの水溶液を得た。ポリウレタン樹脂Fは酸価がほぼ20(mgKOH/g)で、重量平均分子量は約26,000であった。ポリウレタン樹脂Fの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は11%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を3つ有し、不飽和変性剤残基を3つ有する構造に対応する)。
【0102】
[製造例7]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量6000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を180部、BTDA4.83部を投入し、窒素導入下で徐々に昇温し、120℃から130℃の間で2時間反応させた後、50℃まで冷却し、つぎにIPDI2.00部を加え、50℃から60℃に昇温し、2時間保持して反応させポリウレタン樹脂を製造した。これに、グリシジルメタクリレート4.26部を加え、50℃から55℃で3時間保持して残存しているBTDA由来のカルボキシル基と反応させ目的とするポリウレタン樹脂Gを得た。ポリウレタン樹脂Gは酸価がほぼ0で、重量平均分子量は約100,000であった。ポリウレタン樹脂Gの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は2.5%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を3つ有し、不飽和変性剤残基を6つ有する構造に対応する)。
【0103】
[製造例8]
窒素導入管、温度計、攪拌装置を備えた500ml四つ口フラスコに数平均分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール)を150部、IPDI13.3部を投入し、100℃から120℃の間で5時間反応させ、両末端水酸基のポリウレタンを合成した。これにBTDA19.3部を仕込み、120℃で2時間反応し、反応終了後100℃まで冷却した。さらに、空気を吹き込みながら、数平均分子量2500のポリカプロラクトンジオールモノメタクリレート150部を仕込み、100℃から110℃で3時間反応させて目的とするポリウレタン樹脂Hを合成した。ポリウレタン樹脂Hは酸価が約12(mgKOH/g)で、重量平均分子量は約31,000であった。ポリウレタン樹脂Hの一般式(I)で示される構成単位の重量割合は7%であった(ポリウレタン1分子中に、一般式(I)で示される構成単位を2つ有し、不飽和変性剤残基を2つ有する構造に対応する)。
【0104】
[実施例1〜12]
製造例で得られたポリウレタン樹脂AからFを用い、表1に示した配合処方で室温にて十分に攪拌混合し、光硬化性被覆剤又は組成物を得た。
【0105】
実施例1、3、5は、本発明のポリウレタン樹脂A、C、Eをそのまま光硬化性被覆剤として使用した例である。
【0106】
実施例2、4、6は、本発明のポリウレタン樹脂B、D、Fを水に溶解し、水性化された光硬化性被覆剤としたものである。
【0107】
実施例7から12は、ポリウレタン樹脂A、B、Cを光重合開始剤として使用し、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を併用した例である。そのうち、実施例10〜12は、更にヒドラジン化合物を配合した例である。
【0108】
得られた光硬化性被覆剤又は組成物について、つぎの項目の性能を評価した。実施例5、10〜12では硬化皮膜の耐溶剤性能を評価した。
【0109】
[評価方法]
1.硬化性能
実施例1〜12で得られた光硬化性被覆剤又は組成物を紫外線をほとんど透過しない透明軟質ポリ塩化ビニルシート(大きさ2cm×2cm、厚さ1mm)上に0.3g滴下し、もう一枚の透明軟質ポリ塩化ビニルシートを重ね合せ、太陽光に暴露した。透明軟質ポリ塩化ビニルシートが剥がれなくなるまでの時間でその硬化性能を評価した。
【0110】
◎:5分未満
○:5〜10分
△:10〜20分
×:20分以上
【0111】
2.水希釈性能
各光硬化性被覆剤又は組成物10部に水10部を撹拌しながら混合し、16時間後の状態を観察した。
【0112】
○:均一な状態を保っている。
×:沈殿物もしくは結晶の析出が見られる。
【0113】
3.水洗浄性能
炭酸ナトリウム6部と炭酸水素ナトリウム4部を水90部に溶解したアルカリ水を用意し、各光硬化性被覆剤又は組成物をガラス板上に膜厚が5μmとなるように塗布した試験片を、これに30分間浸せきし、溶解性を評価した。
【0114】
○:ガラス板上に被覆剤又は組成物が残らず、きれいに洗い流された。
×:ガラス板上に被覆剤又は組成物が残る。
【0115】
4.硬化皮膜の耐溶剤性能
各光硬化性被覆剤又は組成物を軟質ポリ塩化ビニルシート上にメアバー(0.25mm)を用いて展色し、太陽光を2時間照射後の硬化塗膜上にメチルエチルケトンを滴下し、外観の変化で評価した。
【0116】
○:変化無し
△:膨潤が認められる
×:表面が溶解
【0117】
[比較例1〜4及び参照例]
表2に示される配合で、実施例1〜12と同様の操作により光硬化性被覆剤又は組成物を調製し、硬化性能、水希釈性、水洗浄性を評価した。結果を表2に示す。
【0118】
比較例1は、分子内に含まれる一般式(I)で示される構成単位の重量割合が2.5%であるポリウレタン樹脂Gを使用した例である。
【0119】
比較例2は、数平均分子量が2,000を超える不飽和変性剤により変性されたポリウレタン樹脂Hを使用した例である。
【0120】
比較例3、4は、従来より知られているオルトベンゾイル安息香酸、ベンゾフェノンを光重合開始剤として使用した例である。
【0121】
なお、実施例7で得た光硬化性組成物を用い、太陽光を照射しない条件での実験を参照例として同様な評価をした。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
実施例1〜12からも明らかなように、本発明の光硬化性被覆剤又は組成物は太陽光を光源として用い、短時間の照射で十分な硬化性能を示している。さらに実施例2、4、6、10〜12で示したように水性の光硬化性被覆剤又は組成物とした場合でも可視光硬化性能を有していることがわかる。また、いずれの場合も水希釈性能、アルカリ水による洗浄性能を有している。
【0125】
一方、比較例1〜4に示したように、本発明の範囲外にある光硬化性被覆剤又は組成物や、従来より知られているオルトベンゾイル安息香酸やベンゾフェノンを用いた光硬化性組成物は十分な硬化性能を有していない。
【0126】
【発明の効果】
以上、実施例を挙げて説明したように、本発明の光硬化性被覆剤又は組成物は、太陽光を光源として用い、短時間の照射で十分な硬化性能を示すことから、各種の接着剤、塗料、印刷インキ等に適用できるきわめて有用な光硬化性被覆剤又は組成物である。
【0127】
さらに、ポリウレタン樹脂は使用するポリオール成分やポリイソシアナート成分を選択することによって、プラスチックフィルムへの接着性を向上させたり、得られる塗膜に柔軟性を与えたり、強靭性を与えたりすることが比較的容易な樹脂として知られている。こうしたポリウレタン樹脂を光重合開始剤として利用することによって、従来より高性能な接着剤や、より高性能な硬化皮膜が形成できる光硬化性被覆剤や組成物を提供することができる。
【0128】
さらに本発明の光硬化性被覆剤又は組成物は、水性化して用いても充分な可視光による硬化性能を有していることから、コーティング装置やインキ供給装置を水で洗浄することが可能であり、有機溶剤による毒性、環境への悪影響がなく、作業環境を改善し、作業者の健康にも配慮した光硬化性被覆剤又は組成物である。
【0129】
また、水性化した光硬化性被覆剤又は組成物に所定量のヒドラジン化合物を配合することによってより高性能な硬化皮膜を得ることができる。
Claims (16)
- ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物から誘導される下記一般式(I)で示される構造と、ウレタン結合及び/又はウレア結合とを有し、かつ数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物由来のカルボキシル基と結合しているポリウレタン樹脂であって、下記一般式(I)で示される構造を該樹脂中に3重量%以上含むポリウレタン樹脂が、ポリウレタン樹脂中の下記一般式(I)で示される構造が被覆剤全量中に0.01重量%以上になる割合であることを特徴とする光硬化性被覆剤。
- 前記ポリウレタン樹脂が、ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物と、ジ(ポリ)オール成分及び/又はジ(ポリ)アミン化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナート化合物との反応によって主鎖が形成されており、さらに数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物の4つのカルボキシル基の少なくとも1つに結合されていることを特徴とする請求項1記載の光硬化性被覆剤。
- 前記ポリウレタン樹脂が、ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物とジ(ポリ)オールとのエステル化反応によって得られるジ(ポリ)オール化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナートとを反応してポリウレタン樹脂を得、該ポリウレタン樹脂中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部を、これと反応し得る基とラジカル重合性不飽和基を併せ持つ化合物である不飽和変性剤と反応さて得られるポリウレタン樹脂(a);ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物とジ(ポリ)アミンとのアミド化またはイミド化反応によって得られるジ(ポリ)アミン化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナートとを反応してポリウレタン樹脂を得、該ポリウレタン樹脂中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部を、これと反応し得る基とラジカル重合性不飽和基を併せ持つ化合物である不飽和変性剤と反応さて得られるポリウレタン樹脂(b);または、前記ジ(ポリ)オール化合物およびジ(ポリ)アミン化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナートとを反応してポリウレタン樹脂を得、該ポリウレタン樹脂中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部を、これと反応し得る基とラジカル重合性不飽和基を併せ持つ化合物である不飽和変性剤と反応さて得られるポリウレタン樹脂(c)であることを特徴とする請求項1又は2記載の光硬化性被覆剤。
- 前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性被覆剤。
- 前記ポリウレタン樹脂に加えて、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性被覆剤。
- 前記ポリウレタン樹脂が水に溶解または分散され、水性化された被覆剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性被覆剤。
- 前記ポリウレタン樹脂が分子中に少なくとも1個のヒドラジン残基を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性被覆剤。
- 前記ポリウレタン樹脂中のケト形及び/又はアルデヒド形由来のカルボニル基の当量に対して、ヒドラジン残基が0.05〜3.0当量の範囲になる量のヒドラジン化合物が配合されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光硬化性被覆剤。
- ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物から誘導される下記一般式(I)で示される構造と、ウレタン結合及び/又はウレア結合とを有し、かつ数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物由来のカルボキシル基と結合しているポリウレタン樹脂であって、下記一般式(I)で示される構造を該樹脂中に3重量%以上含むポリウレタン樹脂が、ポリウレタン樹脂中の前記一般式(I)で示される構造が組成物全量中に0.01重量%以上になる割合であることを特徴とする光硬化性組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂が、ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物と、ジ(ポリ)オール成分及び/又はジ(ポリ)アミン化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナート化合物との反応によって主鎖が形成されており、さらに数平均分子量が2000以下のラジカル重合性不飽和結合を含む基がベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物の4つのカルボキシル基の少なくとも1つに結合されていることを特徴とする請求項9記載の光硬化性組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂が、ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物とジ(ポリ)オールとのエステル化反応によって得られるジ(ポリ)オール化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナートとを反応してポリウレタン樹脂を得、該ポリウレタン樹脂中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部を、これと反応し得る基とラジカル重合性不飽和基を併せ持つ化合物である不飽和変性剤と反応さて得られるポリウレタン樹脂(a);ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物とジ(ポリ)アミンとのアミド化またはイミド化反応によって得られるジ(ポリ)アミン化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナートとを反応してポリウレタン樹脂を得、該ポリウレタン樹脂中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部を、これと反応し得る基とラジカル重合性不飽和基を併せ持つ化合物である不飽和変性剤と反応さて得られるポリウレタン樹脂(b);または、前記ジ(ポリ)オール化合物およびジ(ポリ)アミン化合物と、有機ジ(ポリ)イソシアナートとを反応してポリウレタン樹脂を得、該ポリウレタン樹脂中の前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸化合物に由来するカルボキシル基の一部又は全部を、これと反応し得る基とラジカル重合性不飽和基を併せ持つ化合物である不飽和変性剤と反応さて得られるポリウレタン樹脂(c)であることを特徴とする請求項9又は10記載の光硬化性組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲にあることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂に加えて、ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を含有することを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂が水に溶解または分散され、水性化された組成物であることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂が分子中に少なくとも1個のヒドラジン残基を有することを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂中のケト形及び/又はアルデヒド形由来のカルボニル基の当量に対して、ヒドラジン残基が0.05〜3.0当量の範囲になる量のヒドラジン化合物が配合されてなることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の光硬化性組成物。
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