JP3887031B2 - 熱可塑性樹脂成形材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、添加剤を含む熱可塑性樹脂ペレットと添加剤を含まない熱可塑性樹脂ペレットとの混合物よりなる成形材料を使用する際に、成形迄の配合変動及び成形中の成形初期、中期、終期の溶融物の組成変動が少ない熱可塑性成形材料を提供する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレンは周知のように、物性、成形性、経済性にバランスのとれた汎用性樹脂として、各種用途に広範囲に使用されている。
【0003】
特に、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維などの無機フィラーを充填した熱可塑性樹脂は、耐熱性、剛性、耐クリープ性などの熱的、機械特性が付与できるなどの利点があり、自動車分野を中心に大量に使用されている。
【0004】
通常、添加剤を含む熱可塑性樹脂の製造方法は、両者を所定の比率で混合したのち造粒しペレット状として供給されるが、主な欠点としてコスト高となる問題がある。この解決方法として、添加剤を熱可塑性樹脂に、通常使用する濃度より高い濃度に充填した熱可塑性樹脂ペレット(以下マスターバッチペレットともいう)を製造し、これに添加剤を実質的に含まない熱可塑性樹脂ペレット(以下バージンペレットともいう)とを混合した成形材料を使用し、射出成形機や押出成形機等で直接成形する方法が取られている。
【0005】
この場合、マスターバッチペレットとバージンペレットを一旦混合し、空気輸送装置等で成形機のホッパーへ供給し成形する方法や、成形機のホッパーに直接混合装置を設置し成形する方法等が考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の成形材料を使用した成形方法を実施した場合、一つは混合された材料が分離する、いわゆる偏析現象が起こることが判った。その結果、最終的に添加剤の濃度が規定量から外れ、重量ばらつき、各種物性のばらつき、寸法ばらつき外観のばらつき等が発生し、製品品質に悪影響を及ぼす欠点があった。
【0007】
また、顔料を高濃度に添加したマスターバッチペレットと顔料を含まないバージンペレットを混合して成形した場合では、偏析現象により着色むらが発生し、製品外観に悪影響を及ぼす欠点があった。
【0008】
さらには、成形する際の初期と終期は成形機内の材料は充満しておらず、充満時に比較して成形初期に関しては充満するまでと成形終了時には充満から空になるまでの材料は不安定な溶融状態となり、成形機内で添加剤と熱可塑性樹脂の分離が発生し前記に掲げたような欠点を生じることが分かった。
【0009】
従って、本発明の目的は、マスターバッチペレットとバージンペレットとの混合物よりな成形材料における上記課題を解消することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく種々検討した結果、マスターバッチペレットとバージンペレットの両方を偏平化し、且つその大きさを制御することによって、上記課題を効果的に解決できることを見い出し、本発明を提案するに到った。
【0011】
即ち、(A)添加剤を含む熱可塑性樹脂の偏平状ペレット(以下、偏平状マスターバッチペレットという)と(B)添加剤を実質的に含まない熱可塑性樹脂の偏平状ペレット(以下、偏平状バージンペレットという)との混合物であって、偏平状マスターバッチペレットの平均直径と厚みをDA(mm)、tA(mm)及び偏平状バージンペレットの平均直径と厚みをDB(mm)、tB(mm)としたとき、下記式
1≦DA≦5
2≦DB≦10
0.25≦tA/DA≦0.95
0.25≦tB/DB≦0.95
0.25≦tA/tB≦0.75
を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂成形材料である。
【0012】
本発明において使用する「平均直径」とは、100粒の樹脂ペレットについて長径と短径をそれぞれ測定して平均値を求めた値である。
【0013】
また、それぞれの樹脂ペレットの厚さは必ずしも均一である必要はないが、厚さの変動係数は5%以下が望ましい。
【0014】
本発明において、偏平状マスターバッチペレットは、添加剤を通常使用される量より高い濃度で含有するものが好適に使用される。例えば、充填剤においては熱可塑性樹脂中の量が通常50〜90重量%の範囲となる濃度が最適であり、顔料においては偏平状バージンペレット100重量部に対してマスターバッチが10〜1重量部の添加量となるのに最適な範囲の顔料濃度が最適である。
【0015】
上記添加剤としては、特に制限されず公知のものが使用できる。例えば、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、三酸化アンチモン、水酸化アンチモン、赤リンなどの無機物や、鉄、ニッケル、コバルトなどの金属粉または繊維、木粉、もみがらなどの有機物などの充填剤の他、顔料、滑剤、帯電防止剤、結晶化核剤なども挙げられる。
【0016】
これら添加剤がマスターバッチ中に含有量が増えれば増えるほど混合された偏平状バージンペレットとの密度差が大きくなり、偏平状バージンペレットとの偏析により混合が不均一になったり、成形機中での成形初期と終期に偏平状バージンペレットとの溶融が不均一になったりする傾向がある。
【0017】
本発明において、偏平状バージンペレットとしては、添加剤を実質的に含まないもの、即ち、熱可塑性樹脂の品質の維持のために最低限必要な添加剤、例えば安定剤等を添加必要限度内で配合したものが使用される。
【0018】
また、本発明において、上記の偏平状マスターバッチペレット及び偏平状バージンペレットを構成する熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリブチレン樹脂、などの公知の熱可塑性樹脂が制限なく使用できる。
【0019】
本発明の偏平状マスターバッチペレットの平均直径DAは1mm以上、5mm以下が望ましい。すなわち、該平均直径が1mm未満であると偏平状マスターバッチペレットの造粒過程で造粒機内部での樹脂温度及び樹脂圧力が増大し、樹脂及び添加剤の劣化が促進し製品の品質を損なうこととなる。また、該平均直径が5mmを越えると、造粒時のペレット化に際するカッティング工程においてカッター刃の損傷が頻発し、ペレット形成時の形状安定性に欠け、本発明の効果を失う結果となる。また、偏平状マスターバッチペレットと同じ理由により、偏平状バージンペレットの平均直径DBは、2mm以上10mm以下が望ましい。
【0020】
これらのペレットは、それぞれの平均直径に対する厚みの比(tA /DA、tB/DB)が0.25以上で且つ0.95以下の偏平状とすることで、混合物の偏析を防止し、配合変動を防ぐ効果がある。また、成形中の溶融を促進させ溶融の安定化が可能となる。
【0021】
従って、平均直径に対する厚みの比が0.25未満の場合は、ペレットが混合中や成形機の溶融開始までの間で壊れやすくなり、その結果、混合物が偏析を起こし、配合変動や組成変動を起こす原因となる。平均直径に対する厚みの比が0.95を越える場合は、溶融の促進を疎外すると同時に、混合物を成形機ホッパー等に投入した時、それぞれのペレットは転がりやすくなり、密度差の影響ともあいまって偏析の現象である転がり偏析やなだれ偏析を起こす。また、成形機ホッパー内の混合物が消費される過程でファンネルフローとなり、ファンネル偏析をきたす結果となる。
【0022】
本発明の最大の特徴は、偏平状マスターバッチペレットの厚みに対する偏平状バージンペレットの厚みの比(tA/tB)をが0.25〜0.75とすることにある。即ち、かかる構成により、混合物の偏析防止ならびに成形機中での成形初期と終期においての溶融の均一化が更に良好となり、配合変動及び組成変動の少ない成形品を得ることが可能となる。
【0023】
従って、上記厚みの比が0.25未満の場合は前述した転がり偏析やなだれ偏析及びファンネル偏析を助長させる結果となる。
【0024】
また、厚みの比が0.75を越える場合は、特に、成形初期と終期での偏平状マスターバッチペレットの溶融が偏平状バージンペレットに比べて遅れ気味になり、最終的に組成変動を更に大きくする結果となる。
【0025】
この偏平状マスターバッチペレットと偏平状バージンペレットとの混合比率は任意に設定でき、特に制限なく使用できるが、偏平状マスターバッチペレットの方が偏平状バージンペレットよりも比率が小さいのが一般的である。
【0026】
また、本発明の熱可塑性樹脂成形材料は、2種以上の偏平状マスターバッチペレットを併用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明の熱可塑性樹脂成形材料は、特定の大きさの関係にある偏平状マスターバッチペレットと偏平状バージンペレットとより構成することにより、製品を安定的に成形することができ、且つ、得られる成形体の重量ばらつき、各種物性のばらつき、寸法ばらつき、外観のばらつきなどの製品の品質に及ぼす悪影響を防ぐ効果があると同時に、経済的に熱可塑性樹脂成形品を得ることが可能となる。
【0028】
【実施例】
本発明を更に具体的に説明するために、以下に実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1〜4
(1)添加剤入り偏平状マスターバッチペレットの製造
タルクを80重量%含有するポリプロピレン樹脂製偏平状マスターバッチペレットを製造した。かかるペレットの厚みは略均一であり、平均直径及び厚みは第1表に示す通りであった。
【0030】
(2)偏平状バージンペレットの製造
メルトフローレイトが25g/10minのポリプロピレン樹脂ペレットを製造した。かかるペレットの厚みは略均一であり、平均直径及び厚みは第1表に示す通りであった。
【0031】
(3)混合および成形
成形機ホッパー上に設けた計量混合機を使用し、添加剤入り偏平状マスターバッチペレットを25重量%、偏平状バージンペレット75重量%の比率になるように計量混合した。得られた混合物4kgを成形機ホッパーに投入し、長さ325mm、幅100mm、厚さ2mmの形状を持つ金型に夫々全量射出成形した。得られた板状の射出成形品の数は53枚であった。かくして成形した板の重量を成形順に測定して、成形開始から5ショットまでを成形初期、6〜48ショットまでを成形中期、残り5ショットを成形終期に別けて重量変動係数(%)を算出したところ、第1表に示す通りであった。
【0032】
比較例1〜6
比較のために、偏平状マスターバッチペレット及び偏平状バージンペレットの平均直径と厚みを第1表に示す通りであった点を除けば、実施例1〜4と同様にして板を夫々全量射出成形し、重量変動係数(%)を算出したところ、第1表に示す通りであった。
【0033】
【表1】
Claims (3)
- (A)添加剤を含むポリプロピレン樹脂の偏平状ペレットと(B)添加剤を実質的に含まないポリプロピレン樹脂の偏平状ペレットとの混合物であって、偏平状ペレット(A)の混合比率が扁平状ペレット(B)より小さく、偏平状ペレット(A)の平均直径と厚みをDA(mm)、tA(mm)及び偏平状ペレット(B)の平均直径と厚みをDB(mm)、tB(mm)としたとき、下記式
1≦DA≦5
2≦DB≦10
0.25≦tA/DA≦0.95
0.25≦tB/DB≦0.95
0.25≦tA/tB≦0.75
を満足することを特徴とする射出成形用ポリプロピレン樹脂成形材料。 - 請求項1記載の成形材料を用いて、射出成形する成形方法。
- 板状成形品を射出成形する請求項2記載の成形方法。
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