JP3885851B2 - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイソシアネート成分として低NCOポリイソシアネートと高NCOポリイソシアネートとを併用した軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。更に詳細には、酸化防止剤等の添加剤を用いなくてもスコーチを起こさず、耐久性に優れ、低密度・高弾性の軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、軟質ポリウレタンフォームは、その優れたクッション性を生かし、自動車のクッション材、家具、カーペット等、様々な分野で使用されてきた。軟質ポリウレタンフォームは、有機ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、整泡剤、及び必要に応じて添加剤を用いて製造されてきた。この有機ポリイソシアネートは、従来はトリレンジイソシアネート(TDI)であったが、最近は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びMDIとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MDI−CR)との混合物が多く用いられている。また、ポリオールとしては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加重合させて得られるポリエーテルポリオールが一般的である。軟質ポリウレタンフォームの製造方法としては、「ワンショット法」、「プレポリマー法」等が用いられている。
【0003】
「ワンショット法」においては、未変性有機ポリイソシアネートを主成分とするイソシアネート液と、ポリオールを主成分とするポリオール液が、ミキシングヘッドに導入される。ミキシングヘッドから出る反応性混合物は、自由発泡させてスラブフォームを生成させることができ、又は、型に注入又は射出してモールドフォームを生成させることができる。
【0004】
「プレポリマー法」は、イソシアネート液としてあらかじめ有機ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られたイソシアネート基含有プレポリマーを用いる方法で、「ワンショット法」と比較すると、発泡時の発熱が少ない等の利点を有する。その他の点は、基本的に「ワンショット法」と同様である。特開平4−213340号公報には、高イソシアネート含量のプレポリマーと低イソシアネート含量のプレポリマーを用いた軟質ポリウレタンフォームの製造方法が記載されている。
【0005】
発泡剤は、従来、塩化メチレン、クロロフルオロカーボン等が使用されてきたが、これらの使用は、オゾン層破壊や地球温暖化等の環境への配慮によりその使用は制限されている。そのため、発泡剤に水を用いる検討が広く行われている。水は、イソシアネート基の一部と発熱反応して、アミノ基と二酸化炭素を生成させ、このアミノ基は、他のイソシアネート基と反応してウレア結合を生じ、また、二酸化炭素は発泡作用を与える。
【0006】
近年、各分野で軽量化のため、低密度かつ高弾性の軟質ポリウレタンフォームの要望が高まっている。軟質ポリウレタンフォームを低密度化するには、イソシアネート基と反応させて生じる二酸化炭素を十分得るために、水の使用量を多くする必要がある。従来のように、水を発泡剤に用いた高弾性の軟質ポリウレタンフォームにおいて、高密度フォームの場合では、使用する水の量が少ないために、安定なセルを形成することができる。しかしながら、低密度フォームでは、使用する水が多いため、発泡時のセルが不安定になり、フォームの崩壊を引き起こしやすくなるばかりか、弾性が損なわれるようになる。また、密度の低下によりフォームの硬度も低下する。
【0007】
そこで、これらの点を改良するために、一般的にはポリマー微粒子を分散させたポリマー分散ポリオキシアルキレンポリオール(POP)をポリオール液を用いて、解決しようとする試みがなされている。しかしながら、POPを用いることにより、硬度は改良されるが、やはりセルが不安定になりやすい。そこでセルを安定化させるために添加剤が用いられるが、柔軟性が損なわれやすくなる。特開平4−213340号公報には、イソシアネート含有プレポリマーにポリ尿素を分散したPOPが使用できる旨の記載があり、又、実施例では、高分子ポリエーテルポリオールとMDIとイソホロンジイソシアネートを同時に反応させた尿素粒子分散プレポリマーを用いた場合の記載があり、このようなプレポリマーを用いた場合に得られる軟質ポリウレタンフォームは高密度硬質発泡体であり、その耐久性も不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、セルが安定で高耐久性を有し、かつ、低密度で高弾性の軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究検討した結果、特定のポリマーポリオールを用いたイソシアネート基含有プレポリマー(低NCOポリイソシアネート)と高NCOポリイソシアネートとを併用することにより、上記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、ウレタン化触媒及び整泡剤の存在下で、下記に示す(A)と(B)と(C)とを、(A)/(B)=60/40〜95/5重量%の比率で、かつ、(A)と(B)との合計100重量部に対して(C)1〜40重量部の比率で反応させることを特徴とする、密度42kg/m 3 以下かつ反発弾性率50%以上の軟質ポリウレタンフォームの製造方法である。
(A)少なくとも以下に示す(a1)と(a2)とを反応させて得られる、イソシアネート含量が2〜15重量%の低NCOポリイソシアネート。
(a1)末端部に25重量%以下のエチレンオキサイドを付加させ、かつ、1種類以上のビニルモノマーの重合により又はポリイソシアネートと分子量18〜200の活性水素基含有化合物との重合により得られるポリマー微粒子を(A)中の含有量で1重量%以上分散させた、公称ヒドロキシ官能価が2以上で水酸基価が20〜60mgKOH/gのポリマー分散ポリオキシアルキレンポリオール。
(a2)有機ポリイソシアネート。
(B)少なくとも以下に示す(b1)と(b2)とを反応させて得られる、イソシアネート含量が25重量%以上の高NCOポリイソシアネート。
(b1)公称ヒドロキシ官能価が2以上、水酸基価が10〜200mgKOH/gで、50重量%以上のオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオール。
(b2)ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートとからなる平均イソシアネート官能価が2.3〜3.0の組成物。
(C)以下に示す(c1)と(c2)とからなるイソシアネート反応性組成物。
(c1)発泡剤として水。
(c2)活性水素化合物。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)低NCOポリイソシアネートは、少なくとも(a1)ポリマー分散ポリオキシアルキレンポリオール(POP)と(a2)有機ポリイソシアネートとを反応させて得られるもので、イソシアネート(NCO)含量が2〜15重量%、好ましくは3〜15重量%のイソシアネート基含有プレポリマーである。
イソシアネート含量が下限未満の場合は、低NCOポリイソシアネートの粘度が高くなりすぎて、十分な低密度フォームが得られにくい。上限を越える場合は、フォームの安定性や柔軟性が不足する。
【0012】
本発明の(A)低NCOポリイソシアネートにおいて、ポリマー微粒子含有量は1重量%以上が好ましく、1.5〜20重量%が特に好ましい。なお、本発明における(A)の製造において、ポリマー微粒子含有量を前記範囲内とするために、(a1)に、それ以外のポリオール、特にポリオキシアルキレンポリオールを併用するのが好ましい。
【0013】
(a1)POPは、公称ヒドロキシ官能価が2以上、好ましくは2〜6、更に好ましくは2〜4であり、水酸基価が20〜60mgKOH/g、好ましくは20〜57mgKOH/gであり、末端部に25重量%以下、好ましくは4〜24重量%のEOを付加させ、かつ、ポリマー微粒子を分散させたポリオキシアルキレンポリオール、好ましくはポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオールである。このPOPは2種以上混合して使用してもよい。
本発明において「公称ヒドロキシル官能価」とは、ポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いられる開始剤分子の活性水素基の数によって決定される理論的官能価を意味する。現実の官能価は重合時の副反応により、不飽和結合等が生成するため、理論的官能価よりも小さくなる。
公称ヒドロキシ官能価が2未満の場合は、フォームの安定性が損なわれ、低密度フォーム自体を得ることが困難になりやすい。
水酸基価が下限未満の場合は、フォームの強度が得られにくい。また、上限を越える場合は、プレポリマーの粘度が高くなりすぎて、フォームの低密度化が困難になり、また、一般的使用方法におけるハンドリングが悪くなりやすい。
EO付加量が上限を越える場合はセルが不安定になり、また、機械的強度も低下する。
【0014】
本発明に用いられる(a1)POPは、公知の方法で製造されるものであり、具体的には、例えば、低分子活性水素基含有化合物を開始剤として、EO、PO等のアルキレンオキサイド類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類を付加重合させて得られるポリオキシアルキレンポリオール中で、更に他のモノマーを重合させ、ポリマー微粒子を分散させて得られるものである。
【0015】
この開始剤として用いられる低分子活性水素基含有化合物としては、水、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、また、シュークローズ、グルコース、フラクトース等のシュガー系アルコール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、ピペラジン等のポリアミン類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール類が挙げられる。
【0016】
また、(a1)POPにおいて、ポリマー微粒子は、1種以上のビニルモノマーの重合により、又は、ポリイソシアネートと分子量18〜200の低分子活性水素基含有化合物との重合により得られるものであり、ポリマー微粒子の分散性の点から、ビニル系のポリマー微粒子が最も好ましい。(a1)中のポリマー微粒子含有量は1重量%以上であるが、2重量%以上が好ましく、2〜50重量%が特に好ましい。
ポリマー微粒子におけるビニルモノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有ビニル化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有ビニル化合物類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系化合物類、酢酸ビニル等のビニルエステル化合物類等が挙げられるが、シアン化ビニル化合物類と芳香環含有ビニル化合物類とを共重合させたものが、原料を工業的に入手しやすいので好ましい。
ポリマー微粒子におけるポリイソシアネートとしては、後述の(a2)に用いられる有機ポリイソシアネートが挙げられる。分子量18〜200の低分子活性水素基含有化合物としては、前述の開始剤に用いられる低分子活性水素基含有化合物が挙げられる。これらの中で好ましいものは、水、ジアミン類、アミノアルコール類である。
ポリマー微粒子の平均粒径は、50μm未満が好ましく、更に好ましくは45μm未満である。
【0017】
本発明で用いられる(a2)有機ポリイソシアネートとしては、例えば、MDI、MDI−CR、TDI、パラフェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート、これらイソシアネートの混合物、これらのウレタン変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体等が挙げられる。
本発明において(a2)は、反応性や発泡時の環境(臭気)等を考慮すると、MDIが好ましい。なお、MDIには、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)の3種類の異性体があり、異性体存在比は特に制限はないが、本発明で特に好ましいものは、4,4′−MDIを50重量%以上含有するMDIである。
【0018】
本発明に用いられる(B)高NCOポリイソシアネートは、イソシアネート含量が25重量%以上、好ましくは25〜35重量%である。
イソシアネート含量が下限未満の場合は、イソシアネート液の粘度が高くなりすぎ、また、フォームの安定性が損なわれるため、低密度フォームを得ることが困難になる。
【0019】
(B)高NCOポリイソシアネートは、少なくとも(b1)公称ヒドロキシ官能価が2以上、好ましくは2〜6であり、水酸基価が10〜200mgKOH/g、好ましくは15〜195mgKOH/gであり、オキシエチレン基含有量が50重量%以上、好ましくは60重量%以上であるポリオキシアルキレンポリオールの1種以上と、(b2)MDIとMDI−CRとからなる平均イソシアネート官能価が2.3〜3.0、好ましくは2.4〜2.9の組成物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーである。(B)高NCOポリイソシアネートとして、このようなプレポリマーを用いると、より安定なセルとなる軟質ポリウレタンフォームが得られる。
【0020】
本発明に用いられる(C)イソシアネート反応性組成物は、(c1)発泡剤としての水と(c2)活性水素化合物とからなる。
(c1)発泡剤としての水の含有量は、15重量%以上、特に20重量%以上であることが好ましい。水の含有量が少なすぎると、フォームの低密度化が困難になる。
(c2)活性水素化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の高分子ポリオール、前述の(a1)POPを製造するために用いられる開始剤としての低分子活性水素基含有化合物等が挙げられる。
【0021】
本発明において(A)及び(B)の比率(重量%)は、(A)/(B)=60/40〜95/5であり、好ましくは65/35〜95/5である。
(A)が多すぎる場合は、イソシアネート液の粘度が高くなりすぎて、(C)との混合性が悪くなりやすい。(A)が少なすぎる場合は、フォームの柔軟性が不足しやすい。
【0022】
本発明において、イソシアネート成分とイソシアネート反応性組成物との比率は、(A)及び(B)を含有するイソシアネート成分100重量部に対して、イソシアネート反応性組成物(C)1〜40重量部であり、好ましくは2〜35重量部である。
(C)が少なすぎる場合は、低密度フォームを得ることが困難になる。また、多すぎる場合は、低密度フォームが得られなかったり、また、フォームの強度の低下等が起こりやすい。
【0023】
本発明において、イソシアネート基含有プレポリマーの製造は、公知の方法が用いられる。例えば、全イソシアネート成分と全ポリオール成分を一度に反応させる方法、イソシアネート成分の一部をポリオール成分と反応させた後、残りのイソシアネート成分を配合する方法等が挙げられる。
イソシアネート成分とポリオール成分とのウレタン化反応における反応温度は10〜120℃、特に50〜90℃が好ましい。また、ウレタン化反応時には、必要によりジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩、等のウレタン化触媒を用いてもよい。
【0024】
本発明において、発泡剤は、基本的には水のみである。しかし、フロン、炭化水素等の発泡剤も用いることができるが、水以外の発泡剤の使用は好ましくなく、また必要でもない。
【0025】
本発明では、当業界で公知の各種ウレタン化触媒を併用する。この触媒は、一般的には、(C)少なくとも水を含有するイソシアネート反応性組成物に配合して用いられる。この触媒の具体的なものとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N′,N′,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型三級アミン又はこれらの有機酸塩、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物等が挙げられる。
【0026】
本発明では、当業界で公知の有機珪素系界面活性剤系などの整泡剤を併用する。この整泡剤は、一般的には、(C)イソシアネート反応性組成物に配合して用いられる。この整泡剤の具体的なものとしては、日本ユニカー社製のL−520、L−540、L−5309、L−5366、SZ−1306、トーレダウコーニング社製のSH−193、SRX−274C、信越シリコーン社製のF−122、ゴールドシュミット社製のB−4113等が挙げられる。
【0027】
本発明では、必要に応じて、乳化剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、顔料・染料、抗菌剤・抗カビ剤等の公知の各種添加剤や助剤を用いることができる。しかしながら、本発明では、ジt−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の酸化防止剤を用いなくても、スコーチの発生が押さえられる。
【0028】
なお、本発明によって製造される軟質ポリウレタンフォームの密度は42kg/m3 以下であり、かつ、JIS K6400(1997)A法に規定する反発弾性率が50%以上の弾性である。
【0029】
【発明の効果】
本発明によって、低密度・高耐久性・高弾性の軟質ポリウレタンフォームが得られる。本発明は、特にスラブフォームの製造方法として有用であり、得られる軟質ポリウレタンフォームは、寝具、家具等に最適である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、合成例、実施例及び比較例中において、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」、「比率」は「重量比」を示す。
【0031】
〔(A)低NCOポリイソシアネートの製造〕
合成例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管、及び温度計を備えた反応器に、MDI−1を25部仕込み、攪拌しながらPOP−1を35部、OH−1を40部仕込んで、85〜90℃にて3時間反応させ、低NCOポリイソシアネートA1を得た。A1のイソシアネート(NCO)含量は6.6%、ポリマー微粒子含有量は7.0%であった。
【0032】
合成例2〜7
表1に示す原料を用いて、低NCOポリイソシアネートA2〜A7を製造した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
合成例1〜7及び表1において
MDI−1:2,4′−MDI/4,4′−MDI=10/90であるMDI
TDI−1:2,4−TDI/2,6−TDI=80/20であるTDI
POP−1:公称ヒドロキシ官能価=2、水酸基価=28mgKOH/g、末端EO含有 量=15%、アクリロニトリル/スチレン=50/50共重合ポリマー微粒 子含有量=20%のポリマー分散ポリオキシプロピレンポリオール
POP−2:公称ヒドロキシ官能価=2、水酸基価=28mgKOH/g、末端EO含有 量=15%、有機ポリイソシアネートとピペラジン(分子量86.1)との 重合ポリマー微粒子を20%含有したポリマー分散ポリオキシプロピレンポ リオール
OH−1 :公称ヒドロキシ官能価=3、水酸基価=34mgKOH/g、末端EO含有 量=15%のポリオキシプロピレンポリオール
【0035】
〔(B)高NCOポリイソシアネートの製造〕
合成例8
合成例1と同様な反応器に、MDI−2を9.8部、PMDIを88.2部仕込み、攪拌しながらOH−2を2.0部仕込んで、85〜90℃にて3時間反応させ、高NCOポリイソシアネートB1を得た。B1のイソシアネート(NCO)含量は31.0%であった。
【0036】
合成例9〜12
表2に示す原料を用いて、高NCOポリイソシアネートB2〜B5を製造した。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
合成例8〜12及び表2において
MDI−2:2,4′−MDI/4,4′−MDI=1/99であるMDI
PMDI :MDIとMDI−CRとの組成物、MDI/MDI−CR=40/60、2 ,4′−MDI/4,4′−MDI=1/99、NCO含有量=31.5%
OH−2 :公称ヒドロキシ官能価=3、水酸基価=48mgKOH/g、EO/PO= 70/30のポリオキシアルキレンポリオール
OH−3 :公称ヒドロキシ官能価=3、水酸基価=48mgKOH/g、EO/PO= 80/20のポリオキシアルキレンポリオール
OH−4 :公称ヒドロキシ官能価=6、水酸基価=98mgKOH/g、EO/PO= 80/20のポリオキシアルキレンポリオール
【0039】
〔軟質ポリウレタンフォームの製造〕
実施例1
表3に示す配合で、軟質ポリウレタンフォームを自由発泡させた後、得られた軟質ポリウレタンフォームを一昼夜放置し、JIS K−6401、JIS K−6301に準じてフォームの各種物性を測定した。
【0040】
〔発泡条件〕
原料温度:20±2℃
攪拌速度:2000rpm
攪拌時間:5秒
【0041】
実施例2〜4、比較例1〜4
表3、4に示す配合で、実施例1と同じ製造条件で軟質ポリウレタンフォームを製造し、実施例1と同様にしてフォームの各種物性を測定した。表3、4にフォーム物性測定結果を示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
実施例1〜4、比較例1〜4、及び表3、4において
POP−1:公称ヒドロキシ官能価=2、水酸基価=28mgKOH/g、末端EO含有 量=15%、アクリロニトリル/スチレン=50/50共重合ポリマー微粒 子含有量=20%のポリマー分散ポリオキシプロピレンポリオール
OH−5 :公称ヒドロキシ官能価=2、水酸基価=112mgKOH/gのポリオキシ エチレンポリオール
OH−6 :公称ヒドロキシ官能価=3、水酸基価=28mgKOH/g、末端EO含有 量=15%のポリオキシプロピレンポリオール
Claims (1)
- ウレタン化触媒及び整泡剤の存在下で、下記に示す(A)と(B)と(C)とを、(A)/(B)=60/40〜95/5重量%の比率で、かつ、(A)と(B)との合計100重量部に対して(C)1〜40重量部の比率で反応させることを特徴とする、密度42kg/m 3 以下かつ反発弾性率50%以上の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(A)少なくとも以下に示す(a1)と(a2)とを反応させて得られる、イソシアネート含量が2〜15重量%の低NCOポリイソシアネート。
(a1)末端部に25重量%以下のエチレンオキサイドを付加させ、かつ、1種類以上のビニルモノマーの重合により又はポリイソシアネートと分子量18〜200の活性水素基含有化合物との重合により得られるポリマー微粒子を(A)中の含有量で1重量%以上分散させた、公称ヒドロキシ官能価が2以上で水酸基価が20〜60mgKOH/gのポリマー分散ポリオキシアルキレンポリオール。
(a2)有機ポリイソシアネート。
(B)少なくとも以下に示す(b1)と(b2)とを反応させて得られる、イソシアネート含量が25重量%以上の高NCOポリイソシアネート。
(b1)公称ヒドロキシ官能価が2以上、水酸基価が10〜200mgKOH/gで、50重量%以上のオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオール。
(b2)ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートとからなる平均イソシアネート官能価が2.3〜3.0の組成物。
(C)以下に示す(c1)と(c2)とからなるイソシアネート反応性組成物。
(c1)発泡剤として水。
(c2)活性水素化合物。
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