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JP3885785B2 - 弾性表面波装置、その製造方法、および電子機器 - Google Patents

弾性表面波装置、その製造方法、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、弾性表面波装置、弾性表面波装置の製造方法、および弾性表面波装置を用いた電子機器に関し、携帯電話などにおける周波数選別フィルタ、キーレスエントリーシステムなどにおける発振器、および共振子などに適用して好適なものである。
弾性表面波装置は、電気信号を表面波に変換して信号処理を行う回路素子であり、フィルタ、共振子などとして幅広く用いられている。通常、圧電性のある弾性体基板(圧電基板)上に、IDT電極と呼ばれる導電性膜からなる電極を設けることで、電気信号から表面波への変換・逆変換が行われている。
弾性表面波装置の特性は、圧電基板を伝搬する弾性表面波の伝搬特性に依存しており、特に、弾性表面波装置の高周波化に対応するためには、位相速度の大きな弾性表面波の利用が求められる。
弾性表面波装置に用いられる弾性表面波としては、レイリー波(Rayleigh wave)や、漏洩弾性表面波(Leaky wave)が主に用いられている。
レイリー波は、弾性体の表面を伝搬する表面波であり、そのエネルギーを圧電基板内部に放射することなく、すなわち、理論上伝搬損失なく伝搬する。レイリー波を利用した弾性表面波装置として、位相速度が3150〔m/秒〕のSTカット水晶が挙げられる。
圧電基板中には、「遅い横波」、「速い横波」、「縦波」の3種類の体積波(バルク波)が存在するが、そのレイリー波は「遅い横波」よりも更に遅い位相速度で伝搬するものである。
漏洩弾性表面波は、弾性体の深さ方向にエネギーを放射しながら伝搬する弾性表面波であり、特別な切り出し角および伝搬方向では利用可能となる。例えば、位相速度が、3900〔m/秒〕のLSTカット水晶が知られている。この漏洩弾性表面波は、「遅い横波」と「速い横波」の間の位相速度で伝搬するものである。
また、表面波伝搬方向をSTカット水晶の伝搬方向と90°とすることで、水晶を用いながら、位相速度が比較的大きなSTW(Surface Transverse Wave)の利用ができることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。この非特許文献1によれば、STWの位相速度は、従来のSTカット水晶の1.6倍とされている。
近年では、漏洩弾性表面波の理論を発展させて、基板表面での変位の殆どが縦波成分で構成され、バルク波として2つの横波成分を圧電基板内部に放射しながら「速い横波」と「縦波」の間の高い位相速度で伝搬する擬似縦波型漏洩弾性表面波が相次いで発見されている。
例えば、四ほう酸リチウムにおいて、伝搬速度が5000〔m/秒〕〜7500〔m/秒〕と大きく、伝搬損失が低い擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用できることが明らかにされている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、弾性表面波装置の高周波化には適した材料ではないと考えられていた水晶基板においても擬似縦波型漏洩弾性表面波の利用が報告されつつある(例えば、非特許文献2参照)。この非特許文献2によれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用し、オイラー角(0°,155.25°,42°)の2軸回転において、遅延時間温度係数TCDが0.508〔ppm/℃〕であることが明らかにされている。
さらに、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用し、1軸回転において周波数による温度変化が3次曲線を示すことが有限要素法を用いた解析により明らかにされている(例えば、非特許文献3参照)。
このように擬似縦波型漏洩弾性表面波は位相速度が大きなため、レイリー波や漏洩弾性表面波等では困難であった弾性表面波装置の高周波化を容易に実現することが可能であり、IDT電極の微細化による製造歩留りの低下を防ぎ、弾性表面波装置の製造を容易にする。
平成7年日本学術振興会産学共同研究支援事業実施報告書の132頁〜137頁「High Performance GHz Range Surface Transverse Wave Resonant Devices.Applications to Low Noise Microwave Oscillators and Communication System」 1999 IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM321−324頁「Study of Propagation of Quasi−longitudinal Leaky Surface Acoustic WavePropagating on Y−Rotated Cut Quartz Substrates」 2000FCS,Kansas MO USA June7−9,2000「ANALYSIS OF VELOCITY PSEUDO−SURFACE ACOUSTIC WAVES (HVPSAW) IN QUARTZ PERIODIC STRUCTURES WITH ELECTRODEFINGERS」 特開平6−112763号公報
しかしながら、安価で安定性が良いという利点を持つ水晶を基板材料として用いて、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用する場合には、スプリアスが、ある程度の強さで発生するという不都合が確認された。
このスプリアスは、弾性表面波装置を共振子に用いて主振動の近傍で発生した場合には、CI(クリスタルインピーダンス)値やQ値の低下の原因ともなり、また、発振回路を構成した場合には、異常発振や周波数飛びなどの不良を発生させる原因ともなり得る。
そこで、本発明の目的は、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用した弾性表面波装置において、スプリアスを効果的に抑圧し、Q値やCI値を改善できるようにした弾性表面波装置、およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用した弾性表面波装置を含む電子機器において、スプリアスを効果的に抑圧し、Q値やCI値が改善できるフィルタや振動子を用いた電子機器を提供することにある。
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するためには、上記のスプリアスを抑圧する必要があり、発明者は、その抑圧のための研究を鋭意重ねた。
この研究の結果、水晶基板の厚みに依存した周波数にスプリアスが検出され、Q値やCI値が水晶基板の厚みに依存して変化することを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その構成は以下の通りである。
すなわち、本発明は、水晶基板と、この水晶基板上に配置され擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極とを備えた弾性表面波装置であって、前記水晶基板は、オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出され、前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35となるように設定することを特徴とするものである。
ここで、規格化基板厚みt/λが、25<t/λ<35の範囲の場合には、水晶基板の厚みtがあまり薄くないので製造が容易であるが、振動子として使用する場合のフィギュア・オブ・メリットは十分な値が得られず、電気的特性としては十分とはいえない(図5参照)。
また、規格化基板厚みt/λが、10<t/λ<25の範囲の場合には、水晶基板の厚みが比較的薄くなるが製造は比較的容易である上に、フィギュア・オブ・メリットとしては十分な値が得られ電気的特性は優れたものとなる(図5参照)。
さらに、規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<10の範囲の場合には、水晶基板の厚みtが非常に薄くなって製造が難しくなるが、フィギュア・オブ・メリットとしては極めて十分な値が得られ、その結果、電気的特性は極めて優れたものになる。
また、水晶基板は、オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出された場合に、擬似縦波型漏洩弾性表面波を発生させることが可能である。
このように、本発明によれば、水晶基板上を励振する擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いながらも、スプリアスが抑圧された弾性表面波装置の提供が可能となる。また、Q値が大きくなり、誘導性リアクタンスの範囲で動作可能な弾性表面波素子が実現され、これを発振器に用いた場合には、安定度の高い発振器を提供することが可能となる。さらに、発振回路を構成した場合に、異常発振や発振周波数飛びなどの不良を防ぐことも可能となる。
ここで、水晶基板は、上記のようにオイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出された場合に、擬似縦波型漏洩弾性表面波を発生させることが可能である。よって、位相速度の大きな擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いることが可能となり、レイリー波や漏洩弾性表面波を用いた場合に比べて、電極幅、電極間隔が大きくなり、製造歩留りの向上が可能となる。
このように本発明によれば、1軸回転カットの水晶基板を用いて擬似縦波型漏洩弾性表面波を発生させることが可能になるので、製造上の管理が容易で、安定性の良い弾性表面波装置を安価に提供することができる。
本発明は、前記水晶基板は、前記IDT電極の形成領域を除く部分であって、前記IDT電極形成面およびその対向面のうちの少なくとも一方に補強部を設けた弾性表面波装置であっても良い。
これにより、補強部のない場合に比べて水晶基板の機械的強度が大きくなるので、プロセス時の割れ、破損を防止し、歩留りを向上できる。
本発明は、弾性表面波装置をフィルタまたは共振子として含んだ電子機器であって、前記弾性表面波装置は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかに記載の弾性表面波装置からなる電子機器であっても良い。
これにより、水晶基板上を励振する擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いながらも、スプリアスが抑圧されたフィルタや振動子を用いた電子機器の提供が可能となる。
本発明の弾性表面波装置は、水晶基板と、この水晶基板上に配置され擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極とを備えた弾性表面波装置であって、前記水晶基板は、オイラー角が略(0°,143.5°,0°)で切り出され、前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35となるように設定すると共に、前記IDT電極の厚みhをIDT波長λで規格化した規格化電極厚みh/λが略0.03であることを特徴とする。
この発明によれば、水晶基板上を励振する擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いながらも、フィギュア・オブ・メリットとして十分な値が得られ電気的特性は優れたものとなるとともに、スプリアスが抑圧された弾性表面波装置の提供が可能となる。
第5の発明は、オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出された水晶基板の厚みを調整する第1工程と、厚みが調整された水晶基板上に擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極を形成して弾性表面波素子を得る第2工程と、前記弾性表面波素子を所定のパッケージに固定する第3工程とを備え、前記第1工程では、前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35を満足するように、前記水晶基板の厚みを調整するようにしたことを特徴とするものである。
この製造方法によれば、IDT電極を形成するのに先立って水晶基板の厚みを調整するので、IDT電極パターンを侵すことなく、スプリアスを抑圧し、Q値やCI値の改善ができる弾性表面波装置を製造できる。
第6の発明は、オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出された水晶基板上に擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極を形成して弾性表面波素子を得る第1工程と、前記水晶基板の前記IDT電極の形成面と対向する面を削って水晶基板の厚みを調整する第2工程と、前記弾性表面波素子を所定のパッケージに固定する第3工程とを備え、前記第2工程では、前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35を満足するように、前記水晶基板の厚みを調整するようにしたことを特徴とするものである。
この製造方法によれば、IDT電極の形成を、水晶基板の厚みを調整するのに先立って行うので、IDT電極の形成工程時の破損を防止することが可能となり、製品の歩留りを向上させることができる。
第7の発明は、第5の発明または第6の発明の弾性表面波装置の製造方法において、前記第3工程の後に前記弾性表面波素子の周波数調整を行う周波数調整工程をさらに含み、前記周波数調整は、前記水晶基板の厚みを前記IDT電極の形成面と対向する面から調整することによって行うようにしたことを特徴とするものである。
第8の発明は、第7の発明の弾性表面波装置の製造方法において、前記周波数調整は、前記水晶基板の前記IDT電極の形成面と対向する面をドライエッチングで削るようにしたことを特徴とするものである。
このような第7および第8の発明によれば、水晶基板の電極形成面側に形成される電極パターンを一切侵すことなく周波数調整を行うことが可能となるので、中心周波数の経年変化が少なく、長期的に安定に動作する弾性表面波装置を実現可能となる。
また、電極形成面をエッチングして、周波数調整を行った場合と比較し、エッチング量に対する周波数変動が小さいため、精度の良い周波数調整を行うことが可能となる。
第9の発明は、第7の発明または第8の発明の弾性表面波装置の製造方法において、前記周波数調整に先立って、前記水晶基板のIDT電極の形成面および前記IDT電極の表面のうちの少なくとも一方を削って予備周波数調整を行うようにしたことを特徴とするものである。
この第9発明によれば、周波数を大幅に調整する必要がある場合には、まず、電極形成面をウエットエッチング等により周波数の調整を粗く予備的に行い、その後に、電極形成面と対向する面をエッチングして精度の良い周波数調整を行うことができる。このため、周波数調整を短時間で行うことが可能となる。
この場合においても、電極形成面に対しては、プラズマ等を用いたエッチングを行う必要がないため、従来のような残留アルミニウムに起因した周波数変動を防ぐことが可能であり、長期的に安定に動作する弾性表面波装置を提供することができる。
以上のように、本発明によれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用した弾性表面波装置において、スプリアスを効果的に抑圧し、Q値やCI値を改善できるようにした弾性表面波装置を提供できる。
また、本発明によれば、精度の高い周波数調整ができる上に、調整後の中心周波数の経年変化が少なく、長期的に安定な動作ができる弾性表面波装置を実現できる。
さらに、本発明によれば、擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用した弾性表面波装置を含む電子機器において、スプリアスを効果的に抑圧し、Q値やCI値が改善できるフィルタや振動子を用いた電子機器を提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態に係る弾性表面波装置の概略構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A線の断面図である。
この実施形態に係る弾性表面波装置は、図1に示すように、水晶基板1と、この水晶基板1の主平面上に形成されたIDT電極2および反射器電極3a、3bと、を備えている。
図1において、tは水晶基板1の厚み、PはIDT電極2のピッチ、λはIDT波長、hはIDT電極2の厚みである。
水晶基板1は、オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出されている。また、水晶基板1の厚みtは、スプリアスが十分抑圧されるように調整されており、例えば発振回路を構成した場合に異常発振や周波数飛び(周波数のシフト)がないような値となっている。この点については後述する。
IDT電極2は、水晶基板1上を、+X軸と平行に伝搬する擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するものであり、規格化電極厚みh/λは、例えば0.02以上に設定される。ここで、規格化電極厚みh/λは、IDT電極2の厚みhをIDT波長λで規格化したものである。
反射器電極3a、3bは、水晶基板1の表面上で発生した擬似縦波型漏洩弾性表面波を反射させ、共振させるものである。
図2は、水晶基板1の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λを37.5とした場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いた共振子の周波数−インピーダンス特性を示す図である。
図2の場合において、オイラー角は(0°,143.5°,0°)とし、規格化電極厚みh/λは0.03としている。また、周波数fは、直列共振周波数foで規格化した規格化周波数f/foとし、主振動の規格化周波数f/foを1としている。
図3は、規格化基板厚みt/λを8とした場合の共振子の周波数−インピーダンス特性を示す図である。図3の場合において、オイラー角は(0°,143.5°,0°)とし、規格化電極厚みh/λは0.03としている。
図2は、従来のように、水晶基板の厚みに関して何ら調整が行われていない場合である。この場合には、主振動の周波数のごく近くに、異常発振や周波数飛び等の不良を発生させるに十分なCI値を有するスプリアス(スプリアス信号)aが検出されており、実用に適さないことがわかる。
これに対して、図3は、水晶基板の厚みが調整されている場合であり、図2で検出されたスプリアスaと同じスプリアスをaで表記している。このように水晶基板の厚みの調整が行われると、スプリアスaは主振動との周波数差が大きくなり、抑圧されることがわかる。
なお、図3の場合には、主振動の周波数の近傍に、他のスプリアスが発生しているが、上記のスプリアスaに比較してCI値は大きく、問題とならないレベルである。
図4は、規格化基板厚みt/λに対する主振動周波数とスプリアス周波数の変化を測定した結果を示す。図4の場合において、オイラー角は(0°,143.5°,0°)とし、規格化電極厚みh/λは0.03としている。
図4によれば、規格化基板厚みt/λを小さくすると、これに応じて主振動とスプリアスとの周波数差が大きくなることがわかり、これはスプリアスが抑圧されることを意味する。
スプリアスの原因は、水晶基板全体が振動して発生するバルク波の高次モードであり、その共振周波数は水晶基板の厚みで決定される定在波である。従って、水晶基板を薄くすることにより、次数の異なる定在波の間の共振周波数差は大きくなる。つまり、スプリアスと主振動の間の周波数差は大きくなり、スプリアスを抑圧することが可能となる。
このように、水晶基板を用いて位相速度の大きな擬似縦波型漏洩弾性表面波を利用する場合に不都合となっていたスプリアスを、従来の弾性表面波装置の設計条件にはなかった水晶基板の厚みを調整することにより、効果的に抑圧し、発振回路を構成した場合の異常発振や周波数飛び等の不良を防止することが可能となることがわかる。
図5は、共振子の規格化基板厚みt/λに対するフィギュア・オブ・メリット(Figure of merit)Mの変化を示す図である。図5の場合において、オイラー角は(0,143.5,0)とし、規格化電極厚みh/λは0.03としている。
フィギュア・オブ・メリットMは、誘導性リアクタンスで動作する発振回路で使用する場合の評価基準として用いられ、共振せん鋭度Qを容量比γで割ったものであり、機械的な振動子を電気端子からみたときの振動の強さを示している。このフィギュア・オブ・メリットMが大きくなることにより、周波数安定度の優れた発振器を提供することが可能となる。
なお、共振子の等価回路として一般的な図6を使用した場合に、容量比γは並列容量C0と等価直列容量C1との比で定義され、γ=C0/C1と表される。また、共振せん鋭度Qは、直列共振周波数ω0、等価直列インダクタンスL1、および等価直列抵抗R1を用いて、Q=ω0×(L1/R1)で表される。
図5からわかるように、規格化基板厚みt/λを35以下にすることによりフィギュア・オブ・メリットMが2を超えるようになり、リアクタンスが正、すなわち誘導性となる周波数が現れ、振動子に期待される周波数安定度の優れた発振器を提供することができる。
これは、規格化基板厚みt/λが35より大きい場合、スプリアスが原因で主振動のQ値が低下し、CI値が大きかったが、規格化基板厚みt/λを35以下にすることによってスプリアスが抑圧され、主振動のQ値、CI値が改善されたことを意味する。
このように、この実施形態に係る弾性表面波装置では、規格化基板厚みt/λは、電気的特性上は35以下であれば良く、1以上とすれば製造歩留りを下げることがなく弾性表面波のエネルギーのほとんどを含めることが可能となり好ましい。従って、規格化基板厚みt/λの範囲は、次式を満たすようにする。
1<t/λ<35・・・・(1)
ここで、規格化基板厚みt/λが、25<t/λ<35の範囲の場合には、水晶基板の厚みtがあまり薄くないので製造が容易であるが、フィギュア・オブ・メリットMは十分な値が得られず、電気的特性としては十分とはいえない(図5参照)。
また、規格化基板厚みt/λが、10<t/λ<25の範囲の場合には、水晶基板の厚みが比較的薄くなるが製造は比較的容易である上に、フィギュア・オブ・メリットMとしては十分な値が得られ電気的特性は優れたものとなる。
これは、規格化基板厚みt/λが、10<t/λ<25の範囲の場合には、規格化基板厚みt/λが、25<t/λ<35の範囲の場合に比べて、フィギュア・オブ・メリットMの値が急激に大きくなるからである(図5参照)。
さらに、規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<10の範囲の場合には、水晶基板の厚みtが非常に薄くなって製造が難しくなるが、フィギュア・オブ・メリットMとしては極めて十分な値が得られ、その結果、電気的特性は極めて優れたものになる。
図14は、オイラー角(0°,100〜150°,0°)における伝播損失の変化を示す図である。図14によれば、オイラー角(0°,125〜150°,0°)において伝播損失は10-2[dB/λ]以下、つまり、疑似縦波型漏洩弾性表面波はエネルギーを基板内部へほとんど放射することなく伝搬することが可能となる。Q値と損失エネルギーは反比例の関係にあるため、この範囲で切り出された水晶基板を利用すればQ値、あるいはフィギュア・オブ・メリットMの値は更に大きくなり、高性能なフィルタもしくは共振子を提供することが可能となる。
以上のように、この実施形態に係る弾性表面波装置によれば、水晶基板上を励振する擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いながらも、スプリアスが抑圧された弾性表面波装置の提供が可能となる。また、Q値が大きくなり、誘導性リアクタンスの範囲で動作可能な弾性表面波素子が実現され、これを発振器に用いた場合には、安定度の高い発振器を提供することが可能となる。さらに、発振回路を構成した場合に、異常発振や発振周波数飛び(発振周波数のシフト)などの不良を防ぐことも可能となる。
また、この実施形態のように水晶基板の厚みを調整することにより、位相速度の大きな擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いることが可能となり、レイリー波や漏洩弾性表面波を用いた場合に比べて、電極幅、電極間隔が大きくなり、製造歩留りの向上が可能となる。
さらに、規格化電極厚みh/λに制約がある場合においても、レイリー波やリーキー波を用いた場合に比べて、IDT電極膜厚hに余裕を持たせることができ、電気抵抗損の増大を抑制して、Q値の低下を防止することが可能となる。また、ワイヤーボンドを用いた接続方法においても、ワイヤーボンドの際の電極剥離を防止することができ、高周波動作への対応を容易化できる。
次に、この実施形態に係る弾性表面波装置の変形例について、図7を参照して説明する。
この変形例は、水晶基板1の裏面側の外周部に沿って全体に補強部1aを設けるようにしたものである。すなわち、この補強部1aは、水晶基板1の裏面側であって、その表面側に配置したIDT電極2および反射器電極3a、3bと対向する領域以外に設けている。
ここで、上記の変形例の構成は、補強部1aを除いて図1の実施形態の構成と同様であるので、その説明は省略する。
なお、上記の変形例では、補強部1aを水晶基板1の裏面側の外周部に沿って設けるようにした。しかし、これに代えて補強部1aを水晶基板1の表面側の外周部に沿って設け得るようにしても良く、あるいは補強部1aを水晶基板1の表面側と裏面側の各外周部に沿ってそれぞれ設けるようにしても良い。
以上説明したように、変形例によれば、補強部を設けるようにしたので、補強部のない場合に比べて水晶基板の機械的強度が大きくなり、プロセス時の割れ、破損を防止し、歩留りを向上できる。
次に、本発明の電子機器の実施形態について説明する。
この実施形態に係る電子機器としては、例えば携帯電話やキーレスエントリーシステムなどが挙げられる。そして、携帯電話の場合には、図1または図7に示す弾性表面波装置を、携帯電話の周波数選別フィルタとして用いるようにした。また、キーレスエントリーシステムの場合には、その弾性表面波装置を、キーレスエントリーシステムの発振器の共振子として用いるようにした。
つまり、この実施形態に係る電子機器は、図1または図7に示す弾性表面波装置を、フィルタや共振子として含んだものである。
このような構成からなる電子機器によれば、水晶基板を励振する擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いながらも、スプリアスが抑圧されたフィルタや振動子を用いた電子機器の提供が可能となる。
次に、本発明の弾性表面波装置の製造方法の第1実施形態について、図8を参照して説明する。
この製造方法に係る第1実施形態では、図1に示す弾性表面波装置を製造する場合について説明する。
まず水晶基板1の厚みtを調整する(ステップS1)。この水晶基板1の厚みtの調整は、水晶基板1の表面または裏面をエッチングまたは研磨により均一に削ることにより行う。このとき、この水晶基板1の最終的な厚みtは、上記の(1)式を満たすようにする。
次のステップS2では、厚みが調整された水晶基板1の表面に、例えばアルミニウム(Al)の膜を形成する。次のステップS3では、そのアルミニウムの膜をエッチングまた研磨により削り、擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極2、および反射器電極3a、3bをそれぞれ形成し、所望の弾性表面波素子を得る。
次のステップS4では、IDT電極2および反射器電極3a、3bの表面に酸化膜を形成する。次のステップS5では、その弾性表面波素子をパッケージにマウント(固定)する。最後のステップS6では、パッケージにマウントした弾性表面波素子の周波数調整を行う。
以上のように、この製造方法に係る第1実施形態によれば、IDT電極などを形成するのに先立って水晶基板の厚みを調整するので、IDT電極などのパターンを侵すことなく、スプリアスを抑圧し、Q値やCI値の改善ができる弾性表面波装置を製造できる。
次に、本発明の弾性表面波装置の製造方法の第2実施形態について、図9を参照して説明する。
この製造方法に係る第2実施形態では、図1に示す弾性表面波装置を製造する場合について説明する。
まず、所定の厚さからなる水晶基板1を用意し、この水晶基板1の表面に、例えばアルミニウム(Al)の膜を形成する(ステップS11)。次のステップS12では、そのアルミニウムの膜をエッチングまた研磨により削り、擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極2、および反射器電極3a、3bをそれぞれ形成し、所望の弾性表面波素子を得る。
次のステップS13では、IDT電極2および反射器電極3a、3bの表面に酸化膜を形成する。次のステップS14では、水晶基板1の厚みtを調整する。この水晶基板1の厚みtの調整は、水晶基板1の裏面をエッチングまたは研磨により均一に削ることにより行う。このとき、この水晶基板1の最終的な厚みtは、上記の(1)式を満たすようにする。
次のステップS15では、その弾性表面波素子をパッケージにマウント(固定)する。最後のステップS16では、パッケージにマウントした弾性表面波素子の周波数調整を行う。
以上のように、この製造方法に係る第2実施形態によれば、IDT電極などの形成を、水晶基板の厚みを調整するのに先立って行うので、IDT電極などの形成工程時の破損を防止することが可能となり、製品の歩留りを向上させることができる。
ところで、上述の本発明の弾性表面波装置の製造方法の第1実施形態では、図8に示すようにステップS6で弾性表面波素子の周波数調整を行い、上述の本発明の弾性表面波装置の製造方法の第2実施形態では、図9に示すようにステップS16でその周波数調整を行う。そこで、その弾性表面波素子の周波数調整の方法の具体例について、以下に説明する。
まず、その弾性表面波素子の周波数調整方法の具体的な説明に先立って、その周波数調整方法の原理について、図10および図11を参照して説明する。
図10は、水晶基板の電極形成面(表面)と対向する面(裏面)のエッチング量に対する周波数変動量の測定結果の一例を示す図である。
この測定結果は、水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが「8」と「20」の場合である。また、オイラー角は(0°,143.5°,0°)とし、規格化電極厚みh/λは0.03としている。ここで、規格化電極厚みh/λは、IDT電極2の厚みhをIDT波長λで規格化したものである。
図11は、水晶基板の表面および裏面の各エッチング量に対する周波数変動量の測定結果の一例を示す図である。この測定結果は、規格化基板厚みt/λが「20」、オイラー角が(0°,143.5°,0°)、規格化電極厚みh/λが0.03の場合である。
図10によれば、水晶基板の電極形成面と対向する面(裏面)をエッチングし、水晶基板の厚みを薄くすることにより中心周波数(共振周波数)が上がり、弾性表面波装置の周波数調整ができることがわかる。
また、図11によれば、水晶基板の表面側をエッチングする場合と比較して、その裏面側をエッチングする場合には、エッチング量に対する周波数変動量が小さく、精度の良い周波数の調整に適し、特に周波数が高く、IDT波長の短い弾性表面波装置の周波数調整に適していることがわかる。
そこで、この周波数調整方法は、上記の点に着目して、水晶基板の電極形成面と対向する面をエッチングすることにより、精度の良い周波数調整ができるようにしたものである。
なお、前述したスプリアス抑圧のために実施する基板厚みの調整量に比べて、この周波数調整のために実施する基板厚みの調整量はごくわずかであるため、これによってスプリアスの問題が生じることはない。
次に、その弾性表面波装置の周波数調整の第1方法について、図12を参照しながら説明する。
この場合には、例えば、水晶基板1上に形成されるIDT電極2の厚みhを、目標の厚みよりもわずかに厚めであって、中心周波数が目標値よりわずかに低めとなるように設定しておく(ステップS21)。
次に、IDT電極2に電圧を印加させて中心周波数の測定(入出力測定)を開始する(ステップS22)。このとき、測定される中心周波数は、目標値よりもわずかに低めとなる。そこで、水晶基板1の裏面1bのエッチングを測定周波数を確認しながら行う(ステップS23)。ここで、上記のエッチングは、ドライエッチングが好適である。
すると、そのエッチングにより測定される中心周波数が徐々に上がって目標値に近づいていく。そして、中心周波数が目標値になるまでそのエッチングを継続し(ステップS23、S24)、それが目標値になった時点でエッチングを停止する(ステップS25)。
以上のような周波数調整方法によれば、中心周波数を精度良く目標値に調整することができる。
また、水晶基板の電極形成面側に形成される電極パターンを一切侵すことなく周波数調整を行うことができるので、中心周波数の経年変化が少なく、長期的に安定に動作する弾性表面波装置を実現できる。
次に、弾性表面波装置の周波数調整の第2方法について、図13を参照しながら説明する。
これは、弾性表面波装置の水晶基板上に形成されるIDT電極の厚みなどに製造上のバラツキがあり、周波数調整を必要とする場合に有用な方法である。
まず、IDT電極2に電圧を印加させて中心周波数の測定を開始する(ステップS31)。次に、その測定中心周波数が目標値以下または目標値以上であるかを判定する(ステップS32)。
この判定の結果、測定中心周波数が目標値以下の場合にはステップS33に進み、測定中心周波数が目標値以上の場合にはステップS39に進む。なお、測定中心周波数が目標値に一致する場合には、周波数の調整が不要であるので、その調整を終了する。
ステップS33では、IDT電極2の表面のエッチング、例えばウエットエッチングを測定周波数を確認しながら行う。すると、そのエッチングにより測定される中心周波数が短時間に上がっていく。そして、その測定中心周波数が、中心周波数の目標値よりもわずかに低く設定されている「仮の目標値」になるまで、そのエッチングを継続し(ステップS33、S34)、それが「仮の目標値」になった時点でそのエッチングを停止する(ステップS35)。以上のステップS33、S34の処理は、周波数の粗調整(予備調整)となる。
次に、水晶基板1の裏面1bのエッチングを測定周波数を確認しながら行う(ステップS36)。すると、そのエッチングにより測定される中心周波数が徐々に上がって目標値に近づいていく。そして、中心周波数が目標値になるまでそのエッチングを継続し(ステップS36、S37)、それが目標値になった時点でエッチングを停止する(ステップS38)。以上のステップS36、S37の処理は、周波数の微調整となる。
一方、ステップS39では、水晶基板1の表面のエッチング(例えば、ウエットエッチング)を測定周波数を確認しながら行う。すると、そのエッチングにより測定される中心周波数が短時間に下がっていく。そして、その測定中心周波数が、中心周波数の目標値よりもわずかに低く設定されている「仮の目標値」になるまで、そのエッチングを継続し(ステップS39、S40)、それが「仮の目標値」になった時点でそのエッチングを停止する(ステップS41)。以上のステップS39、S40の処理は、周波数の粗調整(予備調整)となる。
次に、水晶基板1の裏面1bのエッチングを測定周波数を確認しながら行う(ステップS42)。すると、そのエッチングにより測定される中心周波数が徐々に上がって目標値に近づいていく。そして、中心周波数が目標値になるまでそのエッチングを継続し(ステップS42、S43)、それが目標値になった時点でエッチングを停止する(ステップS44)。以上のステップS42、S43の処理は、周波数の微調整となる。
このような周波数調整方法の第2実施形態によれば、中心周波数の目標値にバラツキがある場合でも、水晶基板の表面またはIDT電極の表面のエッチングにより周波数の粗調整を短時間で行い、その後、水晶基板の裏面のエッチングにより周波数の微調整を行うことにより、全体として短時間で精度の良い周波数調整ができる。
また、周波数の粗調整をウエットエッチングによりIDT電極の表面あるいは水晶基板の表面について行い、微調整をプラズマエッチングにより水晶基板の裏面について行うことができるので、水晶基板の表面をプラズマなどでエッチングする場合に問題となる残留アルミニウムに起因した調整後の周波数変動を防止することができる。
なお、上記の例では、水晶基板の表面のエッチング(ステップS39、S40)またはIDT電極の表面のエッチング(ステップS33、S34)により周波数の粗調整を行い、その後、水晶基板の裏面のエッチングにより周波数の微調整を行うようにしたが、以下のような調整方法も可能である。
すなわち、ステップS31の周波数測定の結果、その中心周波数が上記の「第1の目標値」以内の場合には、直ちに水晶基板の裏面のエッチング処理(ステップS36またはステップS32)に移行するようにする。
また、必要に応じて、まずIDT電極の表面のエッチングを行い、次に水晶基板の表面のエッチングを行い、最後に水晶基板の裏面のエッチングを行い、中心周波数が目標値になるように調整しても良い。
本発明の実施形態に係る弾性表面波装置の概略構成を示し、(a)はその斜視図、(b)は(a)のA−A線の断面図である。 規格化基板厚みt/λを37.5とした場合の擬似縦波型漏洩弾性表面波を用いた共振子の周波数−インピーダンス特性を示す図である。 規格化基板厚みt/λを8とした場合の共振子の周波数−インピーダンス特性を示す図である。 規格化基板厚みt/λに対する主振動周波数とスプリアス周波数の変化の測定結果の一例を示す図である。 共振子の規格化基板厚みt/λに対するフィギュア・オブ・メリットMの変化を示す図である。 共振子の一般的な等価回路を示す図である。 本発明の実施形態に係る弾性表面波装置の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の弾性表面波装置の製造方法の第1実施形態を説明するフローチャートである。 本発明の弾性表面波装置の製造方法の第2実施形態を説明するフローチャートである。 水晶基板の裏面のエッチング量に対する周波数変動量の測定結果の一例を示す図である。 水晶基板の表面および裏面の各エッチング量に対する周波数変動量の測定結果の一例を示す図である。 図8または図9における周波数調整の第2方法の手順を説明するフローチャートである。 その周波数調整の第1方法の手順を説明するフローチャートである。 オイラー角(0°,100〜150°,0°)における伝播損失の変化を示す図である。
符号の説明
1・・・水晶基板、1a・・・補強部、2・・・IDT電極、3a、3b・・・反射器電極。

Claims (9)

  1. 水晶基板と、この水晶基板上に配置され擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極とを備えた弾性表面波装置であって、
    前記水晶基板は、オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出され、
    前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35となるように設定することを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 前記水晶基板は、前記IDT電極の形成領域を除く部分であって、前記IDT電極形成面およびその対向面のうちの少なくとも一方に補強部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 弾性表面波装置をフィルタまたは共振子として含んだ電子機器であって、
    前記弾性表面波装置は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の弾性表面波装置からなることを特徴とする電子機器。
  4. 水晶基板と、この水晶基板上に配置され擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極とを備えた弾性表面波装置であって、
    前記水晶基板は、オイラー角が略(0°,143.5°,0°)で切り出され、
    前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35となるように設定すると共に、
    前記IDT電極の厚みhをIDT波長λで規格化した規格化電極厚みh/λが略0.03であることを特徴とする弾性表面波装置。
  5. オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出された水晶基板の厚みを調整する第1工程と、
    前記水晶基板上に擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極を形成して弾性表面波素子を得る第2工程と、
    前記弾性表面波素子を所定のパッケージに固定する第3工程とを備え、
    前記第1工程では、前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35を満足するように、前記水晶基板の厚みを調整するようにしたことを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  6. オイラー角が(0°,100〜150°,0°)の範囲で切り出された水晶基板上に擬似縦波型漏洩弾性表面波を励振するIDT電極を形成して弾性表面波素子を得る第1工程と、
    前記水晶基板の前記IDT電極の形成面と対向する面を削って水晶基板の厚みを調整する第2工程と、
    前記弾性表面波素子を所定のパッケージに固定する第3工程とを備え、
    前記第2工程では、前記水晶基板の厚みtをIDT波長λで規格化した規格化基板厚みt/λが、1<t/λ<35を満足するように、前記水晶基板の厚みを調整するようにしたことを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  7. 前記第3工程の後に前記弾性表面波素子の周波数調整を行う周波数調整工程をさらに含み、
    前記周波数調整は、前記水晶基板の厚みを前記IDT電極の形成面と対向する面から調整することによって行うようにしたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の弾性表面波装置の製造方法。
  8. 前記周波数調整は、前記水晶基板の前記IDT電極の形成面と対向する面をドライエッチングで削るようにしたことを特徴とする請求項7に記載の弾性表面波装置の製造方法。
  9. 前記周波数調整に先立って、前記水晶基板のIDT電極の形成面および前記IDT電極の表面のうちの少なくとも一方を削って予備周波数調整を行うようにしたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の弾性表面波装置の製造方法。
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